特許第6722174号(P6722174)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6722174表面の清掃を簡易化するためのデバイス、および実行された清掃作業を記録するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6722174
(24)【登録日】2020年6月23日
(45)【発行日】2020年7月15日
(54)【発明の名称】表面の清掃を簡易化するためのデバイス、および実行された清掃作業を記録するための方法
(51)【国際特許分類】
   A47L 11/40 20060101AFI20200706BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20200706BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20200706BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20200706BHJP
【FI】
   A47L11/40
   G09G5/00 510G
   G09G5/00 550C
   G09G5/02 B
   G09G5/36 520P
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-512750(P2017-512750)
(86)(22)【出願日】2015年9月5日
(65)【公表番号】特表2017-537662(P2017-537662A)
(43)【公表日】2017年12月21日
(86)【国際出願番号】EP2015070306
(87)【国際公開番号】WO2016034732
(87)【国際公開日】20160310
【審査請求日】2018年8月29日
(31)【優先権主張番号】102014217843.6
(32)【優先日】2014年9月5日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】516385859
【氏名又は名称】マーティン クドゥジロ
【氏名又は名称原語表記】Martin Cudzilo
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100181021
【弁理士】
【氏名又は名称】西尾 剛輝
(72)【発明者】
【氏名】マーティン クドゥジロ
【審査官】 岩谷 一臣
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−536972(JP,A)
【文献】 特表2012−519343(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0108064(US,A1)
【文献】 国際公開第2013/093906(WO,A1)
【文献】 特開2005−037181(JP,A)
【文献】 特開2014−093036(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L11/00−11/40
G09G 5/00− 5/02、5/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃デバイスに対して着脱可能であるか、接続可能であるか、または接続されているデバイスであって、清掃のために使用可能であるか、または使用されている前記清掃デバイスの少なくとも1つの清掃区域の位置を記録するための少なくとも1つのセンサ手段と、少なくとも1つの表示デバイスと、前記表示デバイスおよび前記少なくとも1つのセンサ手段と機能的に相互作用するか、または相互作用させられ得る少なくとも1つのデータ処理ユニットとを備え、前記データ処理ユニットが、少なくとも1つの清掃対象表面の少なくとも1つの表現を少なくとも1つの第1の色でまたは無色で表示し、かつ前記清掃デバイスの少なくとも前記清掃区域の位置の記録された変化に基づいて、前記清掃対象表面を少なくとも1つの第2の色でまたは色の重ね合わせを用いずに表示するように構成および適合されている、デバイスにおいて、前記少なくとも1つのセンサ手段が、清掃のために使用され得るか、または使用されている前記清掃デバイスの前記少なくとも1つの区域によって前記清掃対象表面上にかけられた接触圧力を記録するか、または記録することができ、前記接触圧力のために少なくとも1つの閾値が決定され得るか、または決定され、少なくとも清掃のために使用され得るか、または使用されている前記区域の前記位置の記録された変化を所与として、前記閾値に達するか、またはそれを超える場合にのみ、前記清掃対象表面が少なくとも1つの第2の色で表示され得るか、または表示され、かつ/または前記少なくとも1つのセンサ手段が、前記清掃対象表面からの清掃デバイスのジェットノズルの出口の距離、前記清掃対象表面に対する前記ジェットノズルの前記出口またはジェットの角度、前記ジェットの幅および強度を記録するか、または記録することができ、特に前記表面上における前記ジェットの前記強度の少なくとも1つの閾値が決定され得るか、または決定され、前記ジェットノズルの前記位置の記録された変化を所与として、前記閾値に達し、および/またはそれを超えるときにのみ、前記清掃対象表面が少なくとも1つの第1の色および/または1つのさらなる色で表示され得るか、または表示され
前記少なくとも1つの表示デバイスが、前記データ処理ユニットの記憶デバイス内にロケーションデータを備え、
前記表示デバイスが、前記清掃対象表面を、前記少なくとも1つの第1の色および/または前記少なくとも1つの第2の色で前記デバイスのユーザの現在の視像とともに拡張現実感の形式で表示し、かつ/または前記少なくとも1つの表示デバイスが、前記ユーザの位置、前記ロケーションデータ、および特に前記表示デバイスの現在の向きに基づいて、表示されなかった清掃対象表面の方向を指し示す方向矢印を部屋内に表示するように構成および適合され、かつ/または前記データ処理ユニットが、前記入力デバイス上のユーザ入力に応じて選択された清掃対象表面に関する追加情報を表示するように構成および適合されていることを特徴とする、デバイス。
【請求項2】
特にフックおよびループ式ファスナ、ジッパー、接着接続、スナップファスナ、ねじ接続、クランプ接続、および/またはボンディングを用いて前記清掃デバイスに接続され得るか、または接続されることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記少なくとも1つのセンサ手段が、カメラおよびレーザによって三角測量を実行するように構成および適合されたレーザレンジスキャナ、走行距離計測センサ、接触センサ、および/または加速度センサであることを特徴とする、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
カメラを備え、および前記カメラのデータに基づいて、前記データ処理ユニットが、前記少なくとも1つの清掃対象表面の前記表現を算出し、かつ/または前記カメラの前記データに基づいて、前記少なくとも1つの表示デバイス上に、前記少なくとも1つの第1の色および/または前記少なくとも1つの第2の色が重ね合わされる前記少なくとも1つの清掃対象表面を表示し、かつ/または前記少なくとも1つの表示デバイスが、移動端末デバイス、特にノートブック、ネットブック、スマートフォン、タブレットPC、およびまたはデータグラス、好ましくは、組み込みカメラを有するデータグラスの形態で提供され、前データが、前記データ処理ユニットの入力デバイスを用いて選択され得、かつ/または前記データが、好ましくは、GPS、WLAN位置標定、GPRS三角測量および/またはBluetooth(登録商標)を用いた前記データ処理ユニットの位置判定に基づいて自動的に選択され、前記ロケーションデータが、特に建物、船舶、列車、航空機、および/または屋外区域内の清掃対象表面を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記データ処理ユニットが、特に前記入力デバイスを用いた前記ユーザの入力を通じて特定のユーザを識別し、かつ前記識別されたユーザに依存して、清掃対象表面を前記少なくとも1つの第1の色、前記少なくとも1つの第2の色で、および/または色が重ね合わされずに表示するように構成および適合されていることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記清掃対象表面が少なくとも1つの第1の色で表示され、かつ前記清掃デバイスの少なくとも前記清掃区域の前記位置の記録された変化に依存して、前記清掃対象表面が少なくとも1つの第2の色で表示され、前記清掃デバイスの少なくとも前記清掃区域の前記位置の記録された変化に依存して、前記清掃対象表面が少なくとも1つのさらなる色で表示され、かつ/または日付および/もしくは時間および/もしくは期間に依存して、前記清掃対象表面が前記表示色の以前の変化の後に少なくとも1つのさらなる色で表示されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記清掃デバイスの前記清掃区域の寸法が前記データ処理ユニット内に記憶され得、かつ/もしくは記憶され、および/または入力され得、前記少なくとも1つの清掃対象表面の前記表現の前記表示が、前記清掃区域の前記寸法に依存して、前記清掃デバイスの少なくとも前記清掃区域の前記位置の前記記録された変化に依存して、前記少なくとも1つの第2の色で区画ごとに実施され、かつ/またはユーザおよび/またはさらなるユーザが入力によって前記ロケーションデータを更新し得ること、ならびに/あるいは前記ロケーションデータ、カメラを用いて汚れを識別することによって、特に色ずれを検出することによって自動的に更新されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
サーバと機能的に相互作用するか、または相互作用させられ得、前記データ処理デバイスおよび前記サーバのデータ、特に前記ロケーションデータが同期され、かつ/または前記データ処理ユニットが、前記清掃デバイスの少なくとも前記清掃区域の前記位置、時点もしくは期間、ユーザを表す第1のパラメータおよび/または清掃デバイスを表す第2のパラメータを含む清掃データを記憶するように構成および適合され、前記データが特にサーバと同期されるか、または同期され得ることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
自律清掃デバイスではなく、特に清掃ロボットではないことを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
真空掃除機、手袋、床清掃機、スチームクリーナ、高圧洗浄機、パッドホルダおよび/または窓清掃デバイスと併せた、請求項1〜のいずれか一項に記載のデバイスの使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面の清掃を簡易化するためのデバイス、および実行された清掃作業を記録するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
清掃作業の実行における1つの不利点は、清掃員が、1つまたはいくつかの区域がすでに清掃されたかどうかを知覚できないことが往々にしてあることである。清掃職員が床に掃除機をかけているときに、例えば、標識、識別特徴、または参照線が欠如していれば、職員は通常、いずれの区域がすでに掃除機をかけられたか、およびいずれの区域が依然として清掃される必要があるかをまさに推量することしかできないことになる。
【0003】
標識のこの欠如は、様々な清掃プロセス中における一部の区域内の過度の重複、または他所の清掃の漏れを生じさせる。材料および時間の消費の増大は不必要なコストを生じさせるとともに、場合により清掃の質の低下を生じさせるか、または清掃される予定の表面の遺漏により、請け負っているサービスの実行の不履行を生じさせる。
【0004】
さらに、清掃スケジュールは往々にして非常に広範であり、複雑であり、曖昧であり、十分に明確に構造化および/または概述されておらず、そのため、清掃員は、それらを理解しようと多くの時間を費やす。職務に対する馴染みの欠如と、誤った判断と、不十分な言語スキルおよび技術知識とは往々にしてコストの上昇をもたらし、誤り率の上昇を生じさせ得る。これらの不利点は、性能パラメータおよび/または敷地および/または清掃員の変化とともに増加する。
【0005】
従来技術では、表面の清掃のための清掃プロセスおよび清掃スケジュールの記録が主として清掃ロボットに関して開示されている。それに関連して、清掃ロボットの目的は、床面をできるだけ完全にかつ迅速に処置することである。欧州特許出願公開第2287697 A2号明細書は、例えば、清掃対象区域の周囲の地図の作成または使用を必要としないランダムナビゲーション方法を開示している。これは、障害物、床区域の境界、清掃済み/未清掃領域などに関するロケーション情報が使用されないことを意味する。
【0006】
代替的には、清掃ロボットが、いわゆる位置推定および地図作成アルゴリズムを用いて、床面の標的経路計画および標的清掃のための周囲の地図を作成する。このために、地図および地図上のロボットの位置がセンサによって判定される。
【0007】
このようなシステムの場合、ユーザには、通常、地図ベースの情報(例えば、いずれの区域がどのように清掃されたか)が提供されず、ユーザは、地図が内部でどのように使用されるかに影響を与えない。
【0008】
代替的に、永久的に記憶された地図が同様に知られている。欧州特許出願公開第1967116 A1号明細書では、例えば、床区域の汚れの程度が見極められて地図内に記憶され、これにより、その後の清掃サイクルにおいて清掃の度合いをそれに応じて適応させる。米国特許第6,667,592 B2号明細書では、記憶された永久的な地図が、地図の個々の区域区分に異なる機能(例えば、吸い取り、拭き取り)を指定するために用いられる。地図は、その後、清掃デバイスによって自律的に運用され得る。米国特許出願公開第2011/0264305号明細書は、清掃ロボットが清掃対象区域に関連する地図を外部デバイスへ伝送し、こうしてユーザとの対話を可能にする方法を記載している。
【0009】
したがって、従来技術から知られている清掃プロセスは、清掃サイクルを単独で実行する自律清掃デバイスに関する。清掃時間の最適化が望ましいが、清掃時間の延長は、通常、ごくわずかなコストを生じさせるのみであり、そのため、最適な清掃プロセスを達成するには、重複する清掃サイクルが概して好ましい。
【0010】
しかし、周知の方法の1つの不利点は、それらが概して表面の清掃中に清掃員を支援せず、その代わりに、もっぱら自律ロボットのための方法を開示していることである。別の不利点は、清掃が実際に行われたかどうかを見極める能力がないことである。清掃ロボットが通り抜けた経路が記録されることが一般的に知られているが、このような走行経路は、現在のところ、他の清掃デバイス、特に手動操作式真空掃除機、清掃布、および同様のもののために記録することができず、また、いずれの表面が実際に清掃されたか、およびいずれの表面上で清掃デバイスが実際に清掃せずに単に動き回ったのみであるかを判定することも不可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の課題は、従来技術の不利点を克服し、かつ特に最適な清掃結果を維持しつつ所要清掃時間を短縮するデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この問題は、デバイス、特に清掃デバイスに対して着脱可能であるか、接続可能であるか、または接続されているものであって、清掃のために使用され得るか、または使用されている清掃デバイスの少なくとも1つの清掃区域の位置を記録するための少なくとも1つのセンサ手段と、少なくとも1つの表示デバイスと、表示デバイスおよび少なくとも1つのセンサ手段と機能的に相互作用するか、または相互作用させられ得る少なくとも1つのデータ処理ユニットとを備え、データ処理ユニットが、少なくとも1つの清掃対象表面の少なくとも1つの表現を少なくとも1つの第1の色でまたは無色で表示し、かつ清掃デバイスの少なくとも清掃区域の位置の記録された変化に基づいて、清掃対象表面を少なくとも1つの第2の色でまたは色のスーパーインポーズを用いずに指示するように構成および適合されており、少なくとも1つのセンサ手段が、清掃のために使用され得るか、または使用されている清掃デバイスの少なくとも1つの区域によって清掃対象表面上にかけられた接触圧力を記録するか、または記録することができ、特に接触圧力のために少なくとも1つの閾値が決定され得るか、または決定され、少なくとも清掃のために使用されているか、または使用可能である区域の位置の記録された変化とともに、閾値に達し、および/またはそれを超える場合にのみ、清掃対象表面が少なくとも1つの第1の色、および/または1つのさらなる色で表示され得るか、または表示され、かつ/または少なくとも1つのセンサ手段が、清掃対象表面からの清掃デバイスのジェットノズルの出口の距離、清掃対象表面に対するジェットノズルの出口またはジェットの角度、ならびにジェットの幅および強度を記録するか、または記録することができ、特に表面上におけるジェットの強度の少なくとも1つの閾値が決定され得るか、または決定され、ジェットノズルの位置の記録された変化とともに、閾値に達し、および/またはそれを超える場合にのみ、清掃対象表面が少なくとも1つの第1の色および/または1つのさらなる色で表示されるか、または表示され得る、デバイスによって解決される。
【0013】
本発明に関連して、色は強調表示または識別表示として理解されるべきであり、強調表示または識別表示は、古典的な意味での着色による識別表示に加えて、追加的にまたは排他的に、パターン、文字、数字、および同様のものなどの任意の考え得る識別表示を含むこととなる。換言すれば、これに関連して、表面上へのハッチング、シェーディング、斜線などの重ね合わせさえも、第1の色、第2の色またはさらなる色による表現として理解されるべきである。
【0014】
ジェットの強度は、例えば、ジェットノズル孔断面積に対する単位時間当たりの洗浄剤、例えば、水、洗浄液、ドライアイスなどの体積として理解されてもよい。
【0015】
本発明に係る清掃デバイスは、例えば、清掃布、真空掃除機、高圧洗浄機、研磨機、誘導清掃機、および同様のものであることができる。清掃のために使用され得るか、または使用されている少なくとも1つの清掃区域の場合には、この区域は、例えば真空掃除機の吸い込み足部であることができ、クリーニングワイプ、またはスポンジもしくはブラシの場合には、この区域は、それを握るセンサを装着された手袋であることができ、高圧洗浄機の場合には、この区域は、ジェットの設定強度および幅と機能的に相互作用する吐出ノズルであることができ、誘導床清掃機の場合には、この区域は、清掃および吸い込みユニットであることができるなどである。
【0016】
ここで、本発明に係る清掃デバイスは、いずれのデバイスが使用されているか、および/または清掃プロセスのいずれのステップが現在実行されているかを常に検出する。
【0017】
清掃対象表面は、例えば、全床面、通路、床縁部領域、テーブル上面、テーブル基部、押入れの正面パネル、押入れの上縁部、浴室、手洗器、および同様のもの、またはそれらの部分を含むことができる。本一覧は明らかに単なる一例であり、網羅的なものではない。
【0018】
これに関連して、本発明によれば、カーペット敷き床が、最初は、赤色などの少なくとも1つの第1の色で表示デバイス上に表示されることが提供され得る。この目的のために、本発明に係るデバイスが、カーペット敷き床の清掃を詳録し、それをユーザに表示するために真空掃除機の吸い込み足部に接続される。次に、吸い込み足部がカーペット敷き床を横切って移動されると、この移動はデータ処理ユニットによって記録され、清掃された区域が緑色などの少なくとも1つの第2の色でユーザに表示される。
【0019】
本発明によれば、代替的に、床は、最初に例えば少なくとも1つの第1の色で表示され、清掃区域の移動のために、色がもはや表示されなくなることを提供することができる。これは、例えば、床が赤色で表示され、真空掃除機の清掃吸い込み足部が移動されると、赤色および/またはパターンが徐々にフェードアウトされる様態で行われ得る。
【0020】
代替的に、床が最初は無色で表示され、清掃区域の移動とともに、徐々に清掃済みとして少なくとも1つの第2の色で表示されていくことを提供することもできる。
【0021】
すでに述べたとおり、清掃対象区域の地図の清掃ロボットによる自律的作成、および/または清掃対象区域の地図上の特定の区域への特定の清掃プロセス、例えば、タイル張り床の拭き取りまたはカーペット敷き床の掃除機がけの指定は、原理として従来技術において知られている。また、清掃ロボットが走行した経路を判定し、それから、いずれの区域が推定上すでに清掃されたかを指示するための表示を生成することも可能である。これは、このような清掃ロボットが概して、それらの清掃デバイスが作動されたかどうかを登録するために可能である。
【0022】
しかし、清掃デバイスが作動されたときに清掃が行われたかどうかを確証するためのこのような自動記録は、手動操作式清掃デバイスでは可能でない。清掃ロボットでは、適切な床接触が常に確実にされている。なぜなら、ロボットは、床の上方に任意選択的な距離だけ離れて移動することができず、その代わりに、清掃ロボットの実際の清掃デバイスは、その車輪によって、床から規定の距離だけ離れて移動され得るからである。したがって、清掃ロボットでは、基本的に、清掃ロボットが走行した区域は同様に清掃もされており、追加のセンサシステムは必要ないと見なされる。
【0023】
しかし、本発明に係るセンサ手段は、清掃デバイスによって使用され得るか、または使用されている少なくとも1つの区域が、清掃対象表面と実際に機能的に相互作用しているかどうかを記録することを可能にする。例えば、本発明に係るセンサ手段が真空掃除機の吸い込み足部に配置されている場合、床上における前記吸い込み足部の位置および接触圧力を登録し、適切な清掃を確実にし、表示の色を変更するために位置を用いることができる。
【0024】
また、テーブル、窓、または同様のものを、清掃布、清掃スポンジ、ブラシ、または同様のものを用いて清掃する際などに、本発明に係る少なくとも1つのセンサ手段が表面の清掃を記録するために手袋内に配置されることを提供することもできる。
【0025】
接触圧力の閾値を指定することによって、本発明に係るセンサ手段は、したがって清掃が行われたか否かを判定することを可能にし、この情報が特にグラフィカル信号に変換されることを可能にする。
【0026】
これに関連して、本発明に係るセンサ手段は、特に清掃されるように意図された区域からのデバイスの清掃区域の距離のみをもっぱら直接または間接的に記録する距離測定計器であるべきではない。
【0027】
同時に、一実施形態によれば、清掃対象表面が少なくとも1つの第1の色で表示され、清掃デバイスの少なくとも清掃区域の位置の記録された変化に依存して、清掃対象表面が少なくとも1つの第2の色で表示され、清掃デバイスの少なくとも清掃区域の位置の記録された変化に依存して、清掃対象表面は少なくとも1つのさらなる色で表示され、かつ/または日付および/もしくは時間および/もしくは期間に基づいて、表示色の以前の変化がさらなる色で表示された後に、清掃対象表面が少なくとも1つのさらなる色で表示されることを提供することもできる。
【0028】
これは、1回のパスのみでは除去することができず、その代わりに、汚れを完全におよび/または十分に除去するために同じ位置を横切る1回を超えるパスを必要とする汚れのため、かつ/または複数の清掃パスを詳録するために有利であり得る。
【0029】
また、清掃のために使用可能であるか、または使用されている清掃デバイスの少なくとも1つの区域の接触圧力が存在するものの低すぎるために、繰り返しの清掃が必要であるかどうかを判定するため、少なくとも1つのセンサ手段の閾値の特定の定義を用いることもできる。
【0030】
例えば、特定の区域は、少なくとも2回掃除機をかけなければならないと定めることが可能である。この場合、例えば、区域は最初に赤色で表現されてもよく、1回清掃された区域は、70%の赤色含有量および30%の緑色含有量を有する色で表現することができ、必要に応じて2回清掃された区域は完全に緑色で表現することができる。
【0031】
これはまた、所望の清掃結果を得るために少なくとも2つの異なる清掃パス(例えば、1.ブルークロスを用いた濡れ拭き、2.グリーンクロスを用いた、縞状の跡の付かない乾拭き)を必要とする表面のためにも有利であるか、または床に掃除機をかけるときに、より頻繁に往来がある区域、例えば、よりひどい汚れのために、またはよりひどい汚れがそこで生じると予想されるために、通路がより集中的に清掃されなければならないであろう場合にも有利であり得る。
【0032】
同時に、清掃が計画どおり行われたが、その後の使用のために前記区域が再び汚れている可能性があることを詳録するために、清掃対象区域が清掃後、所定の時間後にさらなる色で表示されることを提供することも可能である。例えば、床面は業務の開始前は清浄であってもよいが、業務の開始から2時間後には前記表面はすでに再び汚れている可能性がある。このような表面をさらなる色、例えば、黄色で標識することによって、この状況(計画どおり清掃されたが、使用および/または埃の蓄積のために汚れが予想される)を詳録し、表現することができる。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、接続要素を用いて、特にフックおよびループ式ファスナ、ジッパー、接着接合接続、スナップファスナ、ねじ接続、クランプ接続、および/またはボンディングを用いてデバイスが清掃デバイスと接続可能であるか、または接続されることを提供することが可能である。
【0034】
清掃デバイスごとに、本発明に係る別個のデバイスが必要とされず、その代わりに、前記デバイスは必要に応じて所望の清掃デバイスと接続させることができるため、このような接続要素によって、清掃時にデバイスの数を大幅に低減することができる。
【0035】
代替的に、本発明に係るデバイスは、明らかに、清掃デバイス内に直接組み込まれることができるか、または組み込み可能である。
【0036】
本発明に係るデバイスを異なる清掃デバイス上で使用する際には、いずれの清掃デバイスに本発明に係る前記デバイスが現在取り付けられているか、および/またはいずれの清掃プロセスをそれが現在実行しているかと、その目的とを随時検出し、表示することが有利に可能である。これは、特に特定の清掃デバイスが選択されるか、または選択可能である、本発明に係るデバイス上における入力によって行うことができる。しかし、同様にまたは代替的に、例えば、異なるセンサ手段を異なる清掃デバイスのために使用し得ることを提供することができる。その目的のために、1種類の清掃デバイスに対応する、特定の識別表示を有する同一のセンサ手段を使用することができ、かつ/または異なる種類および/または集合のセンサ手段を異なる清掃デバイスのために使用することができる。
【0037】
本発明の一実施形態によれば、また、清掃デバイスおよび/または清掃プロセスが、検出手段によって、特にデータ処理ユニットと機能的に相互作用するか、または相互作用させられ得るカメラを用いて、自動的に記録可能であるか、または記録されることを提供することもできる。
【0038】
これは、手動入力の誤りを防止するという特別な利点を有し得る。従来技術によれば、周知の画像処理アルゴリズムを用いて、異なる物体を互いに曖昧さなく区別し、それらを指定することが可能である。
【0039】
本発明によれば、これに関連して、登録された清掃デバイスが確認目的のためにユーザに任意選択的に示され、ユーザは、登録された清掃デバイスの正しい識別表示を確認することが有利であり得る。間違った清掃デバイスが登録されている場合、可能な代替清掃デバイスのリストを表示することができる。
【0040】
また、清掃デバイスの動作状態が本発明に係るデバイスによって記録されることを提供することもできる。これは、例えば、清掃デバイスが清掃区域の移動中に動作しており、それが動作されている動作モードになっているかどうかの検出を含むことができる。
【0041】
有利には、本発明に係る色の表示は、清掃デバイスが清掃を可能にする動作状態である場合にのみ変化する。
【0042】
例えば、真空掃除機は、スイッチが入っており、適切な接触圧力および移動を指示しなければならない。それに対して、スイッチが切れた真空掃除機、または適切な接触圧力および/または移動を指示しない、スイッチが入った真空掃除機は、表示の色の変化を生じさせることはない。
【0043】
同様に、例えば、真空掃除機のスイッチが入っており、床ノズルが動いているが、清掃対象表面に対する床ノズルの適切な接触圧力が存在していない場合、色の変化は指示されない。
【0044】
この目的のために、また、少なくとも1つのセンサ手段が、カメラおよびレーザによって、および/またはレーダまたは赤外線を用いて三角測量を実行するように構成および適合されたレーザレンジスキャナ、走行距離計測センサ、接触センサ、および/または加速度センサであることを提供することもできる。さらに、高さセンサが清掃対象表面の高さを測定することを提供することができる。いくつかの清掃対象表面は、余分な手間(はしご、高所の足場、昇降式足場)をかけなければ届かない高さに位置しており、これは、たとえ清掃が面倒でない場合であっても、複雑さおよび関連コストを大幅に増大させ得る。
【0045】
このようなセンサは、一方では、本発明に係るデバイスおよび/または清掃区域の位置の検出を可能にし得、他方では、それらは清掃区域の正しい使用の監視を任意選択的に可能にし得る。
【0046】
この目的のために、本発明によれば、デバイスがカメラを含み、データ処理ユニットが、カメラのデータに基づいて、少なくとも1つの清掃対象表面の表現を算出し、かつ/またはカメラのデータに基づいて、少なくとも1つの清掃対象表面を、少なくとも1つの第1の色および/または少なくとも1つの第2の色を少なくとも1つの表示デバイス上で重ね合わせて表示することが有利であり得る。
【0047】
カメラは、例えば、清掃布および/または機器の異なる色(色コーディング)をさらに検出し、それに応じて、正しい布が色に従って正しい順序で正しい表面のために使用されているかどうかを登録することができる(例えば、赤色=衛生(乾)、青色=インベントリ(濡)、緑色=インベントリ(乾)、黄色=ガラス表面(濡))。
【0048】
このようなカメラの使用は、特に床空間平面図を有しない場合、または既存の平面図からの逸脱が生じた場合でさえも、本発明に係る清掃対象表面の着色による重ね合わせを可能にする。例えば、テーブルは部屋内で移動される可能性があり、いくつかの物品はライティングデスク上に載っている場合があるなどである。
【0049】
また、例えば、床区域、家具物品の表面、および/または窓表面、ならびに同様のものが、従来技術からの周知のソフトウェアアルゴリズムを用いて自動的に検出され、色を重ね合わせられる場合、床平面図を不要にすることも可能である。
【0050】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの表示デバイスは、移動端末デバイス、特にノートブック、ネットブック、スマートフォン、タブレットPC、および/またはデータグラス、好ましくは組み込みカメラを有するデータグラスの形態で提供されることを提供することができる。
【0051】
また、表示デバイスが、清掃対象表面を、少なくとも1つの第1の色および/または少なくとも1つの第2の色でデバイスのユーザの現在の視像とともに拡張現実感の形式で表示することを提供することもできる。
【0052】
これは、特に部屋、外部区域、家具物品または同様のものの現在の視像が直接重ね合わせられることができるという利点を有する。
【0053】
組み込みカメラを有するデータグラスを使用する場合、1つの利点が特に明確に現れる。清掃職員がデータグラスをかけると、その人の現在の視像が、清掃されるように予定された表面の着色スーパーインポーズによって直接重畳され、したがって、特に指定された順序で、行われる予定の清掃作業だけでなく清掃の実行も詳録される。
【0054】
部屋の内部では、例えば、最初の時点において、特に床を赤色で標識することによって、部屋に掃除機をかけなければならないことを指示することが可能である。床に掃除機がかけられていくにつれて、それは徐々に緑色に着色され、したがって区域が2回清掃されるか、または全く清掃されないことを防止する。これは、移動端末デバイスを介して、またはそこに配置されているカメラ/スクリーンを介して表面が見られている方向および/または角度にかかわらず、これらの区域が赤色に見えるためである。
【0055】
さらなる時点において、家具もしくは家具の一部または窓も、それらの清掃を同じく間接的に指定することができるように赤色に強調表示されてもよい。
【0056】
清掃がチームによって実行される場合、各チームメンバーは、いずれの作業がすでに完了されたか、およびいずれが依然として保留されているかを即座に知ることができる。第1の色を依然として有するあらゆる区域が直接表示されるため、監督者も清掃を容易に監視することができる。
【0057】
したがって、たとえ作業がチームによって実施される場合でも、清掃員の労働時間を最適に配分することもでき、人間による、または使用されているハードウェアに応じたもしくはそれと機能的に相互作用するソフトウェアプログラムによる追跡監視が簡素化される。
【0058】
これに関連して、本発明によれば、データ処理ユニットの記憶デバイスがロケーションプロファイルを含む。ロケーションプロファイルは、データ処理ユニットの入力デバイスを用いて選択され得、かつ/または好ましくはGPS、WLANロケーション、GPRS三角測量および/またはBluetooth(登録商標)を用いたデータ処理ユニットの位置判定に基づいて自動的に選択される。ロケーションプロファイルは、特に建物、船舶、列車、航空機、および/または屋外区域内の任意の清掃対象表面を含むことを提供することができる。
【0059】
これは、清掃タスクを実施する清掃職員が、行われる予定の作業の自動表示を見ることができるか、または自らの位置の入力後に表示を見得ることを意味する。
【0060】
有利には、また、少なくとも1つの表示デバイスが、ユーザ位置、ロケーションプロファイル、および特に表示デバイスの現在の向きに基づいて、表示されていない清掃対象表面の方向を指し示す方向矢印を部屋内に表示するように構成および適合されていることを提供することもできる。
【0061】
実行される予定のいくつかの清掃作業は、複数の部屋内、または視野外に位置するロケーションに配置されている。例えば、高所の上面(例えば、目の高さよりも上の収納棚)または締められた戸棚内の清掃、または清掃職員もしくはカメラによってロケーションが検出または登録され得るように、特定の距離まで最初に接近されなくてはならないほど遠方で実施されなければならない作業(例えば、小さい物品またはそれらの区域)である。このような種類の清掃作業を方向矢印のスーパーインポーズによって指示することができる。
【0062】
また、データ処理ユニットが、入力デバイス上のユーザ入力に応答し、選択された清掃対象表面に関する追加情報を表示するように構成および適合されていることを提供することもできる。
【0063】
本発明によれば、これに関連して、入力デバイスは、好適な清掃材料を表示するための「材料」、または実行されるべき清掃のビデオを示すための「クリップ」などのいわば音声コマンドに応答することができる。
【0064】
これは、特定の物体または表面のための清掃の指導を直接的に、さらにいくつかの言語で表示することができるという利点を有する。テキストの他に、これはまた、実行される予定の清掃プロセスを詳細にまたはさらに詳しく説明するための画像、アニメーション、ビデオおよび/または音声ファイルも含み得る。
【0065】
本発明によれば、また、データ処理ユニットが、特に入力デバイスを用いたユーザ入力を通じて、特定のユーザを識別し、識別されたユーザに基づいて、清掃対象表面を少なくとも1つの第1の色で、少なくとも1つの第2の色で、少なくとも1つのパターンで、および/または色を重ね合わせずに表示するように構成および適合されていることを提供することもできる。
【0066】
これは、特に清掃がチームによって実行され、それにより、特定のタスクを特定の清掃職員に割り当てることができる場合に有用であり得る。個々の人員を識別することによって労働時間を、および追跡調査によって個々の清掃職員の技量を記録することもできる。
【0067】
本発明によれば、少なくとも1つの表示デバイス、少なくとも1つの入力デバイス、および/または少なくとも1つのセンサ手段が、特にBluetooth(登録商標)、無線リンクおよび/またはWLANを介してデータ処理ユニットと無線通信することが好ましいことができる。
【0068】
これは、例えば、清掃デバイスに取り付けられた本発明に係るデバイス、表示デバイス、入力デバイス、および/またはデータ処理ユニットの部分間の無線データ転送を可能にし、したがって、それらの適用を促進する。
【0069】
また、清掃デバイスの清掃区域の寸法が記憶可能であり、かつ/もしくは記憶され、および/または入力され得、少なくとも1つの清掃対象表面の表現の表示が、清掃区域の寸法に基づいて、清掃デバイスの少なくとも清掃区域の位置の変化に基づいて、少なくとも1つの第2の色で区画ごとに実施されることを提供することもできる。
【0070】
これは、手持ち式真空掃除機を用いた清掃が、例えば、より大きい真空掃除機の吸い込み足部を用いて清掃する場合よりも小さい区域の着色を生じさせることを意味する。ジェット清掃機器の場合、例えば、清掃区域は、ジェットノズル出口と清掃対象表面との間の空間、前記表面に対するジェットノズルの出口もしくはジェットの角度、すなわち、ジェットの方向、ジェットの幅、およびジェットの強度によって規定される。
【0071】
本発明によれば、ユーザおよび/またはさらなるユーザが入力によってロケーションプロファイルを更新し得ること、および/またはロケーションプロファイルが、特に色ずれがカメラによって登録されたときに、汚れの登録によって自動的に更新されることを提供することができる。
【0072】
このような入力は、さらなる電子デバイスを用いてかつ/または対話方式で行うことができる。例えば、ユーザは、汚れ、損傷および/または表面の周りに手動で円を描き、したがってそれらを標識することができ、そのロケーションが特に自動的に登録される。これは、例えば、清掃が割り当てられるべきである最近の汚れ、または(ユーザが自由に使える手段を用いて)除去することができない汚れ、または清掃計画に組み込まれるべきである新しい表面であることができる。
【0073】
本発明によれば、また、デバイスがサーバと機能的に相互作用するか、または相互作用させられ得、およびデータ処理デバイスおよびサーバのロケーションプロファイルが同期されるか、または同期可能であることを提供することもできる。
【0074】
本発明によれば、データ処理ユニットが、清掃デバイスの少なくとも清掃区域の位置、時点もしくは期間、ユーザを表す第1のパラメータおよび/または清掃デバイスを表す第2のパラメータを含む清掃データを記憶するように構成および適合され、これらのデータは、特にサーバと、かつ/またはさらなるデータ処理ユニットおよび/もしくはデータ記憶デバイスと同期されるか、または同期可能であることをさらに提供することができる。
【0075】
本発明によれば、また、清掃データが、特にディスプレイ、好ましくは、直接的に、または例えばコンピュータ、タブレット、携帯電話、もしくは同様のものの形態のさらなるデータ処理ユニットを用いて間接的に接続されているか、または接続され得るディスプレイの形態の、少なくとも1つのサーバと機能的に相互作用する表示デバイス上においてユーザに対して表示可能であるか、または表示されることを提供することもできる。
【0076】
清掃データのこのような登録は多くの利点を伴う。清掃データの登録およびサーバへの伝送によって、実行された実際の清掃作業をリアルタイムに「記録する」ことができる。同時に、実行された作業および関連コストをリアルタイムに記録し、表現することができる。清掃データを用いることで、一方では、したがって清掃職員の労働時間および労務費を記録することができ、他方では、同時にまたは代替的に、実際に行われた作業に基づいて、行われた労働に対する課金を実施することができる。往々にして、例えば、予見できなかった汚れのために、追加のタスクが実行されることがある。現在、これは手動で記録することしかできず、これはコストがかかる。特定の携帯電話ユーザの電話通話、SMS、MMS、データ量などの算出のためのソフトウェアと同様に、ロケーション、日付、時間、料金表などに依存して、本発明に係るデバイスは、同様に、上述のおよび労働固有の基準に基づく、実行された労働のリアルタイムの記録および課金を可能にする。したがって、本発明に係るデバイスは、特定の人員によって実行されたサービスの種類と、いずれの時間およびロケーションであったかと、どのような賃率であったかとを、使用された資源の種類を含めて、サーバ上のデータベース内に記録することを可能にするため、算出、中間コストへのアクセスおよび課金を正確に行うことができる。
【0077】
代替的に、サーバの代わりに、全てのデータが本発明に係るデバイスのデータ処理ユニット内に記録および記憶され、そこでそれらは直接評価されるか、または代替的に、サーバを介在させることなく、本発明に係るデバイスと機能的に相互作用するか、または相互作用させられ得る別のデータ処理システムによって評価されることも考えられる。
【0078】
記録のために、さらに、サービスの内訳を、電話料金における詳細な費用内訳のように、グラフィカルにかつ書面による形式で随時呈示することができる。清掃データはまた、正確な統計の集計および課金と、したがって特に請求明細の個別化された自動的な作成とのために用いることもできる。
【0079】
最後に、本発明に係るデバイスが自律清掃デバイスではなく、特に清掃ロボットではないことが有利であり得る。
【0080】
本発明はまた、本発明に係るデバイスを、真空掃除機、手袋、床研磨機、スチームクリーナ、高圧洗浄機、および/または窓清掃デバイスと併せて使用することを提供する。
【0081】
本発明は明らかに、明示的に挙げられている清掃デバイスに限定されず、その代わりに、これらは明らかに実施例として理解されるべきである。原則的に、本発明によれば、本発明に係るデバイスは任意の所望の清掃デバイスと併せて使用され得ることが提供される。
【0082】
次の説明から、本発明のさらなる特徴および利点を得ることができる。説明は、概略図を参照しながら本発明の例示的な実施形態の詳細を提供する。ただし、それによって本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0083】
図1】本発明に係るデバイスの概略側面図および真空掃除機とのその機能的接続を示す。
図2】本発明に係る表示デバイス上における部屋の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0084】
図1は、本発明に係るデバイス1の概略側面図を示す。このデバイスは、センサ手段3とデータ処理ユニット5とを含む。ここで、センサ手段3は真空掃除機9の吸い込み足部7に取り付けられており、吸い込み足部の位置および接触または接触圧力を登録する。
【0085】
これに関連して、データ処理デバイス5からのデータがデータグラス11に伝送され、この場合のデータ処理デバイス5は、ユーザの現在の視像内に追加の情報を重ね合わせるために、データグラス11上に配置されたカメラ13の形式の拡張現実感データを用いる。
【0086】
この目的のために、データグラス11はデータ処理ユニット5と無線で継続的に通信し、センサ手段3を介して、清掃を実行する部分、この場合には吸い込み足部7が、床と十分な接触圧力を有するかどうか、すなわち、少なくとも1つのセンサ手段が閾値以上の適切な接触圧力を有するかどうかと、吸い込み足部7が移動したかどうか、およびどの程度の速さで移動したかとを登録する。この移動は、データグラス11上で、少なくとも1つの第1の色の少なくとも1つの第2の色への移行によってユーザにリアルタイムに表示され、その結果、吸い込み足部7の移動が記憶される。データグラス11内のこの表現は、例えば、あたかも当初は赤色の着色を重ね合わせられていた床が緑色で徐々に覆われるようにユーザに呈示される。この目的のために、着色標識の幅は、吸い込み足部の清掃部分の幅および走行した経路の長さに対応する。
【0087】
着色スーパーインポーズの変化は、ステータスが変更されるか、または変化が満期になる時点まで維持され、それにより、ユーザは、いずれの箇所で清掃が実行されたかを正確に認識することができる。その結果、ほとんど重複を生じることなく縁部に近接して清掃が可能になる。本発明に係る複数の清掃プロセスの場合、第1の色から第2の色への色の移行は複数の中間色を用いて行われることができる。例えば、この場合には複数の清掃によって、赤色(未清掃)から緑色(清掃済み)への移行が実施される。清掃対象表面が完全に緑色に見えるようになったときにのみ、ユーザは、まさに作業されている表面が完全に清掃されたとの表示を受け取る。
【0088】
図2は、本発明に係る表示デバイス上における部屋20の概略斜視図を示す。本発明に係る実際のデバイスは図2に示されていない。図2の概略図では、ユーザ21が部屋を着色スーパーインポーズとともに見ている。第1の窓23は、例えば、すでに清掃され、第2の色で表現されている。それに対して、さらなる窓23’は、依然として清掃される予定のままであり、したがって、依然として第1の色で表現されている。方向矢印24が戸棚25の上面25’を指し示している。この上面25’はユーザの視点から見えない。床区域29はすでに、特にテーブル27の区域内において一部清掃されており、同区域は第2の色29’’による着色によって表示されている。床29のさらなる区域29’は依然として清掃されておらず、したがって、再び第1の色で表現されている。
【0089】
テーブル27も区域31内ではすでに部分的に清掃されており、その一方で、区域31’は依然として清掃されなければならない。
【0090】
図2によって明瞭に示されているように、単純な手段によって、清掃対象表面上に少なくとも1つの第1の色をスーパーインポーズすることによって、および清掃後に少なくとも第2の色をスーパーインポーズすることによって、いずれの清掃タスクが依然として実行される予定であり、いずれがすでに完了されたかを清掃職員に指示することが可能である。
【0091】
上述の説明、請求項、および図面において開示されている本発明の特徴は、個別的にもおよび本発明のその異なる実施形態での実現のための任意の組み合わせにおいても、本質的なものであり得る。
図1
図2