特許第6722179号(P6722179)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6722179多重キャプチャー反応のためのユニバーサルブロッキングオリゴシステム及び改良されたハイブリダイゼーションキャプチャー方法
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  • 特許6722179-多重キャプチャー反応のためのユニバーサルブロッキングオリゴシステム及び改良されたハイブリダイゼーションキャプチャー方法 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6722179
(24)【登録日】2020年6月23日
(45)【発行日】2020年7月15日
(54)【発明の名称】多重キャプチャー反応のためのユニバーサルブロッキングオリゴシステム及び改良されたハイブリダイゼーションキャプチャー方法
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/6869 20180101AFI20200706BHJP
   C12N 15/09 20060101ALI20200706BHJP
   C40B 30/04 20060101ALI20200706BHJP
   C40B 40/06 20060101ALN20200706BHJP
   C12N 15/11 20060101ALN20200706BHJP
【FI】
   C12Q1/6869 Z
   C12N15/09 Z
   C40B30/04
   !C40B40/06
   !C12N15/11
【請求項の数】15
【全頁数】56
(21)【出願番号】特願2017-519306(P2017-519306)
(86)(22)【出願日】2015年10月8日
(65)【公表番号】特表2017-537609(P2017-537609A)
(43)【公表日】2017年12月21日
(86)【国際出願番号】IB2015057679
(87)【国際公開番号】WO2016055956
(87)【国際公開日】20160414
【審査請求日】2018年10月9日
(31)【優先権主張番号】62/062,612
(32)【優先日】2014年10月10日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/062,616
(32)【優先日】2014年10月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515154953
【氏名又は名称】インヴァイティ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】INVITAE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】オリヴァレス,エリック
【審査官】 斉藤 貴子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0243232(US,A1)
【文献】 特表2015−521853(JP,A)
【文献】 NICOLA BROOKMAN-AMISSAH et al.,Increasing On-Target NGS Reads; Use of Adapter Blocking Oligos for In-Solution Hybridization Improves Target Capture Performance,Genetic Engineering & Biotechnology News,2014年,Vol.34, No.6 ,pp.24
【文献】 NADIN ROHLAND et al.,Cost-effective, high-throughput DNA sequencing libraries for multiplexed target capture,Genome Research,2012年,Vol.22, No.5,pp.939-946
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12Q1/68
C40B30/00−30/10
C40B40/06−40/08
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/WPIDS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
大規模並列核酸シーケンシングで使用するための組成物であって、
a)複数のライブラリーインサートを含む核酸のライブラリーであって、前記ライブラリーの各核酸が、(i)4つ以上のサンプルのうちの1つから得られる少なくとも1つのライブラリーインサート、(ii)第1の非ネイティブ核酸、及び(iii)第2の非ネイティブ核酸を含み、前記第1の非ネイティブ核酸及び前記第2の非ネイティブ核酸が前記少なくとも1つのライブラリーインサートの両側に位置し、及び前記第1の非ネイティブ核酸が第1の識別可能な核酸バーコードを含み、且つ前記第2の非ネイティブ核酸が第2の識別可能な核酸バーコードを含み、前記第1及び第2の識別可能な核酸バーコードが前記4つ以上のサンプルのうちの前記1つにユニークである、核酸のライブラリー;及び
b)4つのユニバーサルブロッキング(Uブロック)核酸であって、(i)第1及び第2のUブロック核酸が、前記第1の識別可能な核酸バーコードの両側の前記第1の非ネイティブ核酸とハイブリダイズするように立体配置されており、且つ(ii)第3及び第4のUブロック核酸が、前記第2の識別可能な核酸バーコードの両側の前記第2の非ネイティブ核酸とハイブリダイズするように立体配置されており、且つ(iii)前記Uブロック核酸の各々が、前記第1又は第2の識別可能な核酸バーコードの部分と実質的にハイブリダイズしない、4つのUブロック核酸
を含む、組成物。
【請求項2】
前記核酸のライブラリーが少なくとも8つの識別可能な核酸バーコードを含み、任意選択で前記少なくとも8つの識別可能な核酸バーコードの各々が前記ライブラリーの異なる核酸に存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記第1及び第2のUブロック核酸が前記第1の非ネイティブ核酸の部分と実質的に相補的であり、且つ前記第3及び第4のUブロック核酸が前記第2の非ネイティブ核酸の部分と実質的に相補的である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
4つ以下のUブロック核酸を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
1つ又は複数のキャプチャー核酸を含み、
(i)前記キャプチャー核酸が結合ペアのメンバーを含み;及び
(ii)前記キャプチャー核酸の各々が、前記ライブラリーの核酸のサブセットと特異的にハイブリダイズするように立体配置されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記核酸のライブラリーが10以上の識別可能な核酸バーコードを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記第1及び第2の非ネイティブ核酸がアダプター核酸を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記4つのUブロック核酸の各々が10〜40ヌクレオチドの長さを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記4つのUブロック核酸の各々がロックド核酸を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記4つのUブロック核酸の各々が架橋核酸を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記4つのUブロック核酸の各々が少なくとも65℃の融解温度を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記4つのUブロック核酸が識別可能な核酸バーコードと実質的にハイブリダイズしないことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記4つのUブロック核酸が鎖ターミネータを含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
核酸ライブラリーを解析する方法であって、
a)複数のライブラリーインサートを含む核酸のライブラリーを得るステップであって、前記ライブラリーの各核酸が、(i)4つ以上のサンプルのうちの1つから得られる少なくとも1つのライブラリーインサート、(ii)第1の非ネイティブ核酸、及び(iii)第2の非ネイティブ核酸を含み、前記第1の非ネイティブ核酸及び前記第2の非ネイティブ核酸が前記少なくとも1つのライブラリーインサートの両側に位置し、及び前記第1の非ネイティブ核酸が第1の識別可能な核酸バーコードを含み、且つ前記第2の非ネイティブ核酸が第2の識別可能な核酸バーコードを含み、前記第1及び第2の識別可能な核酸バーコードが前記4つ以上のサンプルのうちの前記1つにユニークである、ステップ;
b)前記核酸のライブラリーを4つのユニバーサルブロッキング(Uブロック)核酸と接触させるステップであって、(i)第1及び第2のUブロック核酸が、前記第1の識別可能な核酸バーコードの両側の前記第1の非ネイティブ核酸とハイブリダイズするように立体配置されており、且つ(ii)第3及び第4のUブロック核酸が、前記第2の識別可能な核酸バーコードの両側の前記第2の非ネイティブ核酸とハイブリダイズするように立体配置されており、且つ(iii)前記Uブロック核酸の各々が、前記第1又は第2の識別可能な核酸バーコードの部分と実質的にハイブリダイズしない、ステップ;及び
c)前記核酸のライブラリーを、各々が結合ペアの第1のメンバーを含む1つ又は複数のキャプチャー核酸と接触させるステップであって、前記1つ又は複数のキャプチャー核酸が、前記ライブラリーの前記核酸のサブセットと特異的にハイブリダイズするように立体配置されている、ステップ;
d)前記キャプチャー核酸をキャプチャーし、それにより、前記ライブラリーの核酸の前記サブセットを含むキャプチャーされた核酸を取得するステップ;
e)前記キャプチャーされた核酸を増幅条件下でプライマーのセットと接触させ、それにより、アンプリコンを取得するステップ;及び
f)前記アンプリコンを解析するステップ
を含む、方法。
【請求項15】
前記核酸のライブラリーが10以上の識別可能な核酸バーコードを含み、
前記4つのUブロック核酸の各々が10〜40ヌクレオチドの長さを含み、
前記4つのUブロック核酸の各々がロックド核酸または架橋核酸を含み、かつ
前記4つのUブロック核酸の各々が少なくとも65℃の融解温度を含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本特許出願は、発明者名がEric Olivaresであり、代理人整理番号055911−0432232により指定され、“UNIVERSAL BLOCKING OLIGO SYSTEM FOR MULTIPLEXED CAPTURE REACTIONS”という名称の2014年10月10日出願の米国仮特許出願第62/062612号、及び発明者名がEric Olivaresであり、代理人整理番号055911−0432231により指定され、“METHODS OF HYBRIDIZATION CAPTURE USING NUCLEIC ACID BAITS FROM PAIRED−END SEQUENCING”という名称の2014年10月10日出願の米国仮特許出願第62/062616号の利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
本技術は、部分的に、核酸操作、解析及びハイスループットシーケンシングの組成物及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
生存生物(例えば、動物、植物、微生物、ウイルス)の遺伝情報は、デオキシリボ核酸(DNA)又はリボ核酸(RNA)にコードされている。遺伝情報は、核酸の一次構造を表す一連のヌクレオチド又は修飾ヌクレオチドである。生物の核酸内容物(例えば、DNA)は、多くの場合にゲノムと呼ばれる。ヒトの場合、完全なゲノムは、典型的に、24個の染色体上に位置する約30,000遺伝子を含有する。ほとんどの遺伝子は、特定のタンパク質をコードし、このタンパク質が、転写及び翻訳を介した発現後に生存細胞内の特定の生化学的機能を果たす。
【0004】
ゲノム内の1つ又は複数の遺伝的変異によって多くの病状が引き起こされる。いくつかの遺伝的変異は、個体を、例えば、糖尿病、動脈硬化症、肥満、様々な自己免疫疾患及び癌(例えば、結腸直腸癌、乳癌、卵巣癌、肺癌)などのいくつかの疾患のいずれかに罹患しやすくするか、又はそれを引き起こし得る。こうした遺伝病は、ゲノム内の1つ又は複数のヌクレオチドの付加、置換、挿入又は欠失によって起こり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
遺伝的変異は、例えば、次世代シーケンシング技術の使用により、多くの場合に複数の供給源から得られる核酸の混合物のマルチプレックス解析によって見出すことができる。こうしたマルチプレックス解析は、多くの場合、解析前に相当量の核酸操作を必要とし、これは多くの様々なステップを含むため、ハイスループット処理につながらない。そのうえ、既存の核酸操作方法は、多くの場合にコストが高く、時間がかかり、サンプルの汚染をもたらし得る実質的なピットフォールをもたらすことが多い。本明細書の組成物及び方法は、既存の核酸操作及び分析技術に対して重要な改善を提供し、これらは、ハイスループット自動化をさらに促し、より費用効果的であり、時間を短縮し、且つ/又は汚染のリスク低下をもたらす。
【0006】
本明細書では、一部の態様において、大規模並列核酸シーケンシングで使用するための組成物であって、a)複数のライブラリーインサートを含む核酸のライブラリーであって、ライブラリーの各核酸が、(i)4つ以上のサンプルのうちの1つから得られる少なくとも1つのライブラリーインサート、(ii)第1の非ネイティブ核酸、及び(iii)第2の非ネイティブ核酸を含み、第1の非ネイティブ核酸及び第2の非ネイティブ核酸が少なくとも1つのライブラリーインサートの反対側(両側)に位置し、及び第1の非ネイティブ核酸が第1の識別可能な核酸バーコードを含み、且つ第2の非ネイティブ核酸が第2の識別可能な核酸バーコードを含み、第1及び第2の識別可能な核酸バーコードが4つ以上のサンプルのうちの1つにユニークである、核酸のライブラリー;及びb)4つのUブロック核酸であって、(i)第1及び第2のUブロック核酸が、第1の識別可能な核酸バーコードの反対側の第1の非ネイティブ核酸とハイブリダイズするように立体配置されており、且つ(ii)第3及び第4のUブロック核酸が、第2の識別可能な核酸バーコードの反対側の第2の非ネイティブ核酸とハイブリダイズするように立体配置されており、且つ(iii)Uブロック核酸の各々が、第1又は第2の識別可能な核酸バーコードの部分と実質的にハイブリダイズしない、4つのUブロック核酸を含む、組成物が提示される。いくつかの態様では、核酸のライブラリーは、少なくとも8つの識別可能な核酸バーコードを含む。
【0007】
一部の態様では、組成物は、1つ又は複数のキャプチャー核酸を含み、(i)キャプチャー核酸が結合ペアのメンバーを含み、及び(ii)キャプチャー核酸の各々が、1つ又は複数のライブラリーインサートのサブセットと特異的にハイブリダイズするように立体配置されている。
【0008】
本明細書ではまた、いくつかの実施形態において、核酸ライブラリーを解析する方法であって、a)複数のライブラリーインサートを含む核酸のライブラリーを得るステップであって、ライブラリーの各核酸が、(i)4つ以上のサンプルのうちの1つから得られる少なくとも1つのライブラリーインサート、(ii)第1の非ネイティブ核酸、及び(iii)第2の非ネイティブ核酸を含み、第1の非ネイティブ核酸及び第2の非ネイティブ核酸が少なくとも1つのライブラリーインサートの反対側に位置し、及び第1の非ネイティブ核酸が第1の識別可能な核酸バーコードを含み、且つ第2の非ネイティブ核酸が第2の識別可能な核酸バーコードを含み、第1及び第2の識別可能な核酸バーコードが4つ以上のサンプルのうちの1つにユニークである、ステップ;b)核酸のライブラリーを4つのUブロック核酸と接触させるステップであって、(i)第1及び第2のUブロック核酸が、第1の識別可能な核酸バーコードの反対側の第1の非ネイティブ核酸とハイブリダイズするように立体配置されており、且つ(ii)第3及び第4のUブロック核酸が、第2の識別可能な核酸バーコードの反対側の第2の非ネイティブ核酸とハイブリダイズするように立体配置されており、且つ(iii)Uブロック核酸の各々が、第1又は第2の識別可能な核酸バーコードの部分と実質的にハイブリダイズしない、ステップ;及びc)核酸のライブラリーを、各々が結合ペアの第1のメンバーを含む1つ又は複数のキャプチャー核酸と接触させるステップであって、1つ又は複数のキャプチャー核酸が、ライブラリーの核酸のサブセットと特異的にハイブリダイズするように立体配置されている、ステップ;d)キャプチャー核酸をキャプチャーし、それにより、ライブラリーの核酸のサブセットを含むキャプチャーされた核酸を取得するステップ;e)キャプチャーされた核酸を増幅条件下でプライマーのセットと接触させ、それにより、アンプリコンを取得するステップ;及びf)アンプリコンを解析するステップを含む、方法が提示される。
【0009】
いくつかの態様では、解析するステップは、配列リードを取得するステップを含む。一部の態様では、シーケンシングリードは、大規模並列シーケンシング及び/又は両端対シーケンシングを含む方法によって得られ得る。
【0010】
本明細書の組成物及び方法に関するいくつかの態様では、非ネイティブ核酸は、ユニバーサル核酸を含む。一部の態様では、ライブラリーの核酸は、4つ以上、又は10以上のバーコード核酸を含む。一部の態様では、各ライブラリーインサートは、1つ又は2つのバーコード配列を含む。いくつかの態様では、Uブロック核酸は、10〜40ヌクレオチドの長さを含む。いくつかの態様では、Uブロック核酸は、10〜20ヌクレオチドの長さを含む。一部の態様では、Uブロック核酸は、ロックド核酸及び/又は架橋核酸を含む。いくつかの態様では、Uブロック核酸は、約65℃〜約90℃の融解温度を含む。いくつかの態様では、Uブロック核酸は、少なくとも65℃又は少なくとも75℃の融解温度を含む。一部の態様では、Uブロック核酸は、変性ヌクレオチド塩基を含まない。一部の態様では、Uブロック核酸は、3−ニトロピロール、5−ニトロインドール、イノシシ、2’−デオキシイノシン、その類似体、誘導体又は組合せを含まない。
【0011】
一部の態様において、本明細書では、核酸ライブラリーを解析する方法であって、a)アンプリコンの第1のセットを含む核酸のライブラリーを得るステップであって、各アンプリコンが、第1の非ネイティブ核酸及び第2の非ネイティブ核酸、1つ又は複数の識別可能な識別子、並びに1つ又は複数のサンプルのうちの1つから得られるライブラリーインサートを含み、ライブラリーインサートが第1及び第2の非ネイティブ核酸の間に位置する、ステップ、b)ライブラリーの核酸を1つ又は複数のブロック核酸及びキャプチャー核酸と接触させるステップを含む、混合物を調製するステップであって、(i)1つ又は複数のブロック核酸が、第1及び第2の非ネイティブ核酸と特異的にハイブリダイズするように立体配置され、(ii)キャプチャー核酸が結合ペアの第1のメンバーを含み、且つ(iii)キャプチャー核酸が、第1のセットのアンプリコンのサブセットと特異的にハイブリダイズするように立体配置されている、ステップ、c)混合物を精製し、それにより、精製済み核酸を取得するステップであって、精製済み核酸がライブラリーの核酸、1つ又は複数のブロック核酸、及びキャプチャー核酸を含む、ステップ、d)ハイブリダイゼーション条件下で精製済み核酸をハイブリダイズするステップ、e)キャプチャー核酸をキャプチャーし、それにより、キャプチャーされた核酸を取得するステップ、f)キャプチャーされた核酸を増幅条件下でプライマーのセットと接触させ、それにより、アンプリコンの第2のセットを取得するステップ、及びg)アンプリコンの第2のセットを解析するステップを含む、、方法が提供される。一部の態様では、増幅条件は、熱安定性ポリメラーゼ及び/又はポリメラーゼ連鎖反応を含む。いくつかの態様では、(b)の調製するステップは、ライブラリーの核酸をコンペティター核酸と接触させるステップを含む。一部の実施形態では、キャプチャー核酸は、ライブラリーインサートの部分と特異的にハイブリダイズするように立体配置されている。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のブロッキング核酸は、第1の非ネイティブ核酸及び/又は第2の非ネイティブ核酸の部分と特異的にハイブリダイズするように立体配置されている。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のブロッキング核酸は、ロックド核酸及び/又は架橋核酸を含む。
【0012】
一部の態様では、結合ペアの第1のメンバーを含むキャプチャー核酸は、エキソン、イントロンの部分、選択した染色体の部分、及び/又は遺伝的変異(例えば、反復、多型)を含むDNAの領域に特異的にハイブリダイズするように立体配置されている。一部の実施形態では、結合ペアの第1のメンバーは、ビオチン、抗原、ハプテン、抗体又はそれらの部分を含む。一部の態様では、(e)のキャプチャーするステップは、混合物を結合ペアの第2のメンバーと接触させるステップを含む。一部の態様では、結合ペアの第2のメンバーは、アビジン、プロテインA、プロテインG、抗体、又はその結合部分を含む。いくつかの実施形態では、結合ペアの第2のメンバーは支持体を含む。一部の実施形態では、支持体は磁気化合物を含む。一部の実施形態では、支持体はビーズを含む。一部の実施形態では、支持体は、ポリスチレン、ポリカーボネート、セファロース又はアガロースを含む。一部の実施形態では、支持体は金属を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、ハイブリダイゼーション条件は、変性させるステップを含む。いくつかの実施形態では、ハイブリダイゼーション条件は、キャプチャーされた核酸を第1のセットの1つ又は複数のアンプリコンの部分とハイブリダイズするステップを含む。いくつかの実施形態では、ハイブリダイゼーション条件は、キャプチャーされた核酸を約25℃〜約70℃の温度でインキュベートするステップを含む。いくつかの実施形態では、ハイブリダイゼーション条件は、キャプチャーされた核酸を約35℃〜約60℃の温度でインキュベートするステップを含む。いくつかの実施形態では、ハイブリダイゼーション条件は、約1時間〜約24時間又は約12時間〜約20時間の時間にわたってインキュベートするステップを含む。いくつかの実施形態では、ハイブリダイゼーション条件は、ポリメラーゼを含まない。一部の実施形態では、(d)のハイブリダイズするステップは、混合物をハイブリダイゼーションバッファーと接触させるステップを含む。一部の実施形態では、(d)のハイブリダイズするステップは、(i)混合物とハイブリダイゼーションバッファーとの接触、(ii)変性、及び(iii)ハイブリダイズの連続ステップを含む。
【0014】
一部の態様では、解析するステップは、配列リードを取得するステップを含む。場合により、配列リードは、次世代シーケンシング(例えば、大規模並列シーケンシング)を含む方法により得られる。場合により、配列リードは、両端対シーケンシングを含む方法により得られる。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1の非ネイティブ核酸は、少なくとも1つの核酸バーコードを含む。いくつかの実施形態では、第2の非ネイティブ核酸は、少なくとも1つの核酸バーコードを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、特許請求される方法は、乾燥するステップを含まない。一部の態様では、本方法は、(c)の前に変性させるステップを含まない。一部の態様では、本方法は、(d)の前に変性させるステップを含まない。いくつかの実施形態では、本方法は、(d)の前に80℃を超える温度へ加熱するステップを含まない。いくつかの実施形態では、本方法は、(d)の前に90℃を超える温度へ加熱するステップを含まない。一部の実施形態では、(e)の前にフローセル又はアレイの支持体に混合物が固定化されない。一部の実施形態では、(c)の精製するステップは、結合ペアの第1のメンバーに結合するように立体配置された結合ペアの第2のメンバーの添加を含まない。
【0017】
一部の態様では、サンプルは、1つ若しくは複数の種、1つ若しくは複数の組織、1つ若しくは複数の哺乳動物、又は1人若しくは複数のヒト対象から得ることができる。
【0018】
いくつかの実施形態を以下の説明、実施例、特許請求の範囲及び図面にさらに詳しく記載する。
【0019】
図面は、本技術の実施形態を例示するものであり、限定的ではない。説明を明瞭且つ容易にするために、図面は、等縮尺で作成しておらず、場合により、特定の実施形態を理解しやすくするために様々な態様が強調又は拡大して示されることがある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】4つのUブロック核酸(A’、C’、E’及びG’)を含む、ブロック方法の実施形態を示す。図1は、ライブラリーインサート(D)及び識別可能な核酸バーコード(B及びF)を含むライブラリー(Z)の代表的な核酸を示し、ライブラリーの多数の核酸には複数の異なるインサート及び異なる識別可能なバーコードが存在する。図1は、Uブロック核酸(A’、C’、E’及びG’)を示し、その各々は、図示する通り、非ネイティブ核酸(A、C、E及びG)の部分と特異的にハイブリダイズするように立体配置されており、これらのUブロック核酸は、核酸バーコード(B又はF)と隣接してハイブリダイズする。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次世代シーケンシング(NGS)は、従来のシーケンシング方法より高速且つ安価な方法によってゲノム規模で核酸のシーケンシング及び解析を可能にする。本明細書の方法及び組成物は、遺伝的変異及び/又は関連疾患及び障害を検出及び同定するために用いることができる高度なシーケンシング技術の改善を達成する。一部の実施形態では、一部に、NGSのための核酸混合物の操作及び調製を含む方法が提供される。
【0022】
標的材料としてゲノム核酸を含むシーケンシングアプリケーションは、多くの場合、極めて複雑な混合物から目的とする核酸標的を選択する必要がある。シーケンシング作業の品質は、多くの場合に選択プロセスの効率に応じて変動し、この効率は、非標的配列に対して、どの程度良好に核酸標的を濃縮することができるかに左右される。核酸ライブラリーの選択及び濃縮は、ハイブリッドキャプチャーアプローチによるアダプター連結インサート(例えば、ゲノムDNAインサート)のキャプチャーを含む。
【0023】
ほとんどの次世代シーケンシングライブラリー分子は、それらの後のシーケンシングを可能にする非ネイティブ配列(例えば、アダプター核酸、バーコード配列、プライマー結合部位、及びユニバーサル配列)を含む。ハイブリダイゼーションキャプチャー反応中、非ネイティブ配列は、互いにアニーリングすることができ、これにより、濃縮された核酸プールの汚染が生じる。これらの不要な配列の大きい画分は、ライブラリーインサートに連結された末端アダプター配列の部分間の不要なハイブリダイゼーション事象に起因することが多い。場合により、複数のライブラリーインサートは、それらの末端アダプターを介して、非特異的に互いにアニーリングし得、その結果、そうでなければ連結され且つ一緒に単離される不要なDNA断片の「デイジーチェーン」が形成される。
【0024】
いわゆる「デイジーチェーン」効果を低減する一方法では、アダプター配列の大きい部分とハイブリダイズするように指令されたブロック核酸を使用する。従来のアプローチの場合、ブロック核酸は、アダプターの両側に必要であり、各ブロック核酸は、アダプターの各々に含まれるアダプター配列(バーコード配列(例えば、インデックス配列)を含む)に対する完全な相補的一致を含む。ハイスループットマルチプレックスシーケンシング法の場合、多くの場合に複数のライブラリーが混合され、各ライブラリーは、様々なアダプター配列及び様々なバーコード配列から構成される。このようなマルチプレックスアプローチの場合、従来のブロッキング核酸の複数のセットを合成する必要があり、これらは各々、各ライブラリーのアダプターに特異的である。このアプローチは、煩雑であり、コストがかかり、且つ多くの異なる比較的長いオリゴヌクレオチドの製造を必要とするため、ライブラリーの調製及びシーケンシングプロセスの効率的且つ費用効果的な自動化を妨げている。
【0025】
本明細書では、一部の態様において、不要なキャプチャー事象を低減するための新規及び改良された組成物及び方法が提供される。一部の実施形態において、本明細書では、新規のUブロック(すなわち、ユニバーサルブロッキング)核酸が提示される。本明細書に提示される新規のUブロック核酸を含む組成物及び本明細書で提供されるUブロック核酸を利用する方法は、従来のアプローチよりも安価であり、効率及びワークフローを高め、且つ自動化にとってより好ましい。
【0026】
さらに、ハイブリッドキャプチャーアプローチの従来のアプリケーションは、多くの場合、アダプター連結ライブラリーインサート又はそのアンプリコンのプールをC0t−1DNA及びブロッキングオリゴヌクレオチドと組み合わせるステップと、これに続く乾燥ステップとを必要とする。乾燥ステップは、真空中で行われることが多く、これには時間がかかり、開放系で実施される場合にサンプル間の相互汚染の高いリスクをもたらす。乾燥した後、サンプルを変性させ、数日にわたってアニーリングする。次に、ビオチン化キャプチャーオリゴヌクレオチド(例えば、「ベイト(bait)」)を付加し、典型的には、ハイブリダイズした核酸をアビジン被覆ビーズでプルダウンする。続いて、保持した核酸のプールをビーズから溶離し、自動化シーケンシングプロセスに導入することができる。前述した手順は、非効率的であり、時間がかかるため、自動化に寄与せず、また相互汚染をもたら得る。
【0027】
本明細書では、一部の態様において、解析のための(例えば、ハイスループットシーケンシングのための)核酸ライブラリーを操作及び調製する改善された方法が提供され、これらの方法は、長いインキュベーション時間及び/又は乾燥ステップを必要としない。
【0028】
対象
対象は、任意の生存又は非生存生物であってよく、例えば、限定はしないが、ヒト、非ヒト動物、植物、細菌、真菌、ウイルス又は原生生物が挙げられる。対象は、いずれの年齢(例えば、胚、胎児、乳児、幼児、成人)であってもよい。対象は、いずれの性(例えば、男性、女性、又はその組合せ)であってもよい。対象は、妊娠していてもよい。対象は、患者(例えば、ヒト患者)であってよい。
【0029】
サンプル
本明細書では、サンプルを解析するための方法及び組成物が提供される。サンプル(例えば、核酸を含むサンプル)は、好適な対象から得ることができる。サンプルは、対象又はその部分から直接単離するか又は得ることができる。一部の実施形態では、サンプルは、個体又は医療専門家から間接的に得られる。サンプルは、対象又はその部分から単離されるか又は得られた任意の試料であってもよい。サンプルは、複数の対象から単離されるか又は得られた任意の試料であってもよい。試料の非限定的例として、対象からの体液若しくは組織、例えば、限定はしないが、血液若しくは血液製剤(例えば、血清、血漿、血小板、バッフィーコートなど)、臍帯血、絨毛膜絨毛、羊水、脳脊髄液、脊髄液、洗浄液(例えば、肺、胃、腹膜、管路、耳、関節鏡検査の)、生検サンプル、体腔穿刺(celocentesis)サンプル、細胞(血液細胞、リンパ球、胎盤細胞、幹細胞、骨髄由来細胞、胚若しくは胎児細胞)若しくはそれらの部分(例えば、ミトコンドリア、核、抽出物など)、尿、糞便、喀痰、唾液、鼻粘膜、前立腺液、洗浄液、精液、リンパ液、胆汁、涙、汗、母乳、乳汁など、又はそれらの組合せが挙げられる。核酸が抽出される液体又は組織サンプルは、無細胞(例えば、細胞フリー)であってもよい。組織の非限定的例として、臓器組織(例えば、肝臓、腎臓、肺、胸腺、副腎、皮膚、膀胱、生殖器、腸、結腸、脾臓、脳など、若しくはそれらの部分)、上皮組織、毛髪、毛嚢、管路、管、骨、眼、鼻、口、喉、耳、爪など、それらの部分又はそれらの組合せが挙げられる。サンプルは、正常な、健康な、罹患した(例えば、感染した)、及び/又は癌性(例えば、癌細胞)細胞又は組織を含み得る。対象から得られるサンプルは、多様な生物の細胞又は細胞材料(例えば、核酸)(例えば、ウイルスの核酸、胎児の核酸、細菌の核酸、寄生体の核酸)を含んでもよい。
【0030】
一部の実施形態では、サンプルは、核酸又はその断片を含む。サンプルは、1つ又は複数の対象から得られた核酸を含んでもよい。一部の実施形態では、サンプルは、単一の対象から得られた核酸を含む。一部の実施形態では、サンプルは、核酸の混合物を含む。核酸の混合物は、異なるヌクレオチド配列、様々な断片長さ、異なる起源(例えば、ゲノム起源、細胞若しくは組織起源、対象起源など、又はそれらの組合せ)、又はそれらの組合せを有する2つ以上の核酸種を含み得る。サンプルは合成核酸であってもよい。
【0031】
核酸
「核酸」という用語は、例えば、DNA(例えば、相補的DNA(cDNA)、ゲノムDNA(gDNA)など)、RNA(例えば、メッセージRNA(mRNA)、低分子阻害性RNA(siRNA)、リボソームRNA(rRNA)、tRNA、マイクロRNA、並びに/又はDNA若しくはRNA類似体(例えば、塩基類似体、糖類似体及び/若しくは非ネイティブ骨格などを含有するもの)、RNA/DNAハイブリッド及びポリアミド核酸(PNA)などからの任意の組成物の1つ又は複数の核酸(例えば、核酸のセット若しくはサブセット)を指し、これらは全て、一本鎖若しくは二本鎖形態であってよく、別に限定されない限り、天然に存在するヌクレオチドと同様に機能することができる天然のヌクレオチドの公知の類似体を包含し得る。特に限定されない限り、この用語は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び天然のヌクレオチドの既知の類似体を含む核酸を包含する。核酸は、その均等物、誘導体、又は変異体として、ヌクレオチド類似体から合成されたRNA若しくはDNAの好適な類似体、一本鎖(「センス」若しくは「アンチセンス」、「プラス」鎖若しくは「マイナス」鎖、「フォワード」リーディングフレーム若しくは「リバース」リーディングフレーム)及び二本鎖ポリヌクレオチドを含み得る。核酸は、一本鎖又は二本鎖のいずれであってもよい。核酸は、2以上、3以上、4以上、又は5以上の任意の長さの連続したヌクレオチドからなるものでもよい。核酸は、配列(例えば、核酸配列)として当技術分野で公知の特定の5’から3’方向のヌクレオチドを含み得る。
【0032】
核酸は、天然に存在するものでもよく、及び/又は人の手によって合成、コピー又は改変することができる。例えば、核酸は、アンプリコンであってもよい。核酸は、例えば、gDNA、cDNA又はRNAライブラリーなどの核酸ライブラリー由来のものであってもよい。核酸は、合成(例えば、化学合成)又は生成(例えば、in vitroでのポリメラーゼ伸長により、例えば、増幅により、例えば、PCRにより)することができる。いくつかの実施形態では、核酸は、プラスミド、ファージ、ウイルス、自律複製配列(ARS)、セントロメア、人工染色体、染色体、又はin vitro若しくは宿主細胞、細胞、細胞核又は細胞の細胞質で複製するか、若しくは複製させることができる他の核酸であってもよく、又はこれらに由来するものであってもよい。核酸(例えば、核酸のライブラリー)は、1つのサンプル又は2つ以上のサンプル(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10以上、11以上、12以上、13以上、14以上、15以上、16以上、17以上、18以上、19以上、又は20以上のサンプル)に由来する核酸を含み得る。本明細書に記載するプロセス又は方法のために提供される核酸は、1〜1000、1〜500、1〜200、1〜100、1〜50、1〜20又は1〜10のサンプルに由来する核酸を含み得る。
【0033】
「遺伝子」という用語は、ポリペプチド鎖の生成に関与するDNAのセグメントを意味し、遺伝子産物の転写/翻訳及び転写/翻訳の調節に関与するコード領域(リーダ及びトレイラ)の先行及び後続領域、並びに個々のコードセグメント(エキソン)間の介在配列(イントロン)を含み得る。遺伝子は、必ずしもペプチドを産生するわけではなく、又は遺伝子配列中の遺伝的変異(例えば、遺伝子のコード及び非コード部分の突然変異)により短縮若しくは非機能性タンパク質を産生することもある。遺伝子は、機能性又は非機能性にかかわらず、多くの場合、参照ゲノム中の遺伝子に対する相同性によって同定することができる。
【0034】
オリゴヌクレオチドは、比較的短い核酸である。オリゴヌクレオチドは、約2〜150、2〜100、2〜50、又は2〜約35核酸の長さであってよい。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは一本鎖である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドはプライマーである。プライマーは、多くの場合、選択された相補的核酸とハイブリダイズするように立体配置され、ハイブリダイズした後、ポリメラーゼにより伸長されるように立体配置される。
【0035】
核酸の単離及び精製
核酸は、当技術分野で公知の好適な方法を用いて、1つ若しくは複数の対象、1つ若しくは複数のサンプル、又は1つ若しくは複数の供給源から誘導、単離、抽出、精製又は部分的に精製することができる。核酸を単離、抽出及び/又は精製するために、任意の好適な方法を用いることができる。
【0036】
本明細書で使用されるとき、「単離された」という用語は、その本来の環境(例えば、天然に存在する場合には天然の環境、又は外因的に発現した場合には宿主細胞)から取り出された核酸を指し、従って、これは、その本来の環境からヒトの介入により(例えば、「人の手により」)修飾されている。本明細書で使用されるとき、「単離された核酸」という用語は、対象(例えば、ヒト対象)から取り出された核酸を指し得る。単離された核酸は、供給源のサンプル中に存在する成分の量より少ない非核酸成分(例えば、タンパク質、脂質)を伴って提供され得る。単離された核酸を含む組成物は、非核酸成分の約50%〜99%超を含有しない可能性がある。単離された核酸を含む組成物は、非核酸成分の約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は99%超を含有しない可能性がある。本明細書で使用されるとき、「精製された」という用語は、核酸を精製プロセスに付す前に存在した非核酸成分の量より少ない非核酸成分(例えば、タンパク質、脂質、炭水化物、塩、バッファー、デタージェントなど、又はそれらの組合せ)を含有する、記載の核酸を指す。精製済み核酸を含む組成物は、他の非核酸成分の少なくとも約60%、70%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は99%超を含有しない可能性がある。精製済み核酸を含む組成物は、精製方法の適用前にサンプル中に存在する全核酸の少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は99%超を含有し得る。
【0037】
一部の実施形態では、混合物の精製(例えば、混合物中の核酸の精製)により、精製済み核酸が得られる。いくつかの実施形態では、ライブラリーの核酸、ブロッキング核酸、キャプチャー核酸、コンペティター核酸及び/又はそれらの組合せを含む混合物を精製し、これにより精製済み核酸を取得する。核酸の精製は、DNAクリーンアップカラム又はDNAクリーンアップビーズを含むこともある。様々な核酸クリーンアップカラム、樹脂、支持体及びキットが当技術分野で知られている。任意の好適な核酸精製方法、樹脂、ビーズ、支持体又はキットを本発明の方法と共に使用することができる。例えば、核酸の精製方法は、金属を含む好適なカチオン交換樹脂(例えば、カチオン性ビーズ)に核酸を結合(例えば、非共有結合)させるステップ、磁石を用いて、結合した核酸複合体をプルダウンするステップ、続いて、低塩濃度バッファーの添加により、結合した核酸を溶離するステップを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、核酸精製は、AMPureXP磁気ビーズ(Beckman Coulter,Inc.,Indianapolis IN,(USA))などの使用を含む。本明細書で使用する核酸精製の方法は、短い核酸(例えば、ブロッキング核酸)、並びにライブラリーインサート(例えば、アダプター連結インサート及びそのアンプリコン)の最適な回収のために改変されることが多い。いくつかの実施形態では、本明細書の核酸の精製方法は、平均又は絶対長さが約5〜約1000ヌクレオチド、5〜約800ヌクレオチド、又は5〜約500ヌクレオチドの核酸の最適な回収のために改変されている。いくつかの実施形態では、本明細書で使用する核酸の精製方法は、1.8:1、1.9:1、2:1、2.1:1、2.2:1、2.3:1、2.4:1、2.5:1、2.6:1、2.7:1、2.8:1、2.9:1又は3:1(体積:体積)の核酸結合樹脂(例えば、核酸結合ビーズ、核酸結合支持体、例えば、100%スラリー)と核酸含有混合物との比を使用する。
【0038】
一部の実施形態では、精製プロセスは、洗浄ステップを含む。一部の実施形態では、精製プロセスは、溶離ステップを含む。
【0039】
一部の実施形態では、本明細書に記載する精製プロセスは、乾燥ステップ、真空(例えば、speed vac)及び/又は凍結乾燥の使用を含まない。このような方法は、相互汚染の高いリスクをもたらす。一部の実施形態では、混合物のキャプチャー核酸は、多くの場合に結合ペアのメンバーを含むが、本明細書に記載する精製プロセスは、結合ペアの第2のメンバーの使用を含まない。一部の実施形態では、精製方法は、ハイブリダイゼーションバッファーの非存在下で実施する。一部の実施形態では、精製方法は、添加カルシウム又はマグネシウム塩の非存在下で実施する。一部の実施形態では、精製方法は、デタージェント(例えば、SDS)、Ficoll、BSA、及び/又はポリビニルピロリドンの非存在下で実施する。
【0040】
ハイブリダイゼーション
実質的に相補的な一本鎖核酸は、ハイブリダイゼーション条件下で互いにハイブリダイズすることにより、部分的又は完全に二本鎖の核酸を形成する。一部の実施形態では、核酸配列の全部又は一部は、別の核酸配列と実質的に相補的であってもよい。本明細書で述べるとき、「実質的に相補的な」は、好適なハイブリダイゼーション条件下で互いにハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列を指す。ハイブリダイゼーション条件は、実質的に相補的な相補的核酸内での配列ミスマッチの変動する量を許容するように改変することができる。互いにハイブリダイズすることができる核酸の実質的に相補的な部分は、互いに75%以上、76%以上、77%以上、78%以上、79%以上、80%以上、81%以上、82%以上、83%以上、84%以上、85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上又は99%以上相補的であり得る。一部の実施形態では、互いにハイブリダイズすることができる核酸の実質的に相補的な部分は、100%相補的である。互いにハイブリダイズするように立体配置される核酸又はその部分は、多くの場合、互いに実質的に相補的な核酸配列を含む。
【0041】
本明細書で使用されるとき、「特異的にハイブリダイズする」は、実質的に相補的な2つの核酸又はそれらの部分が互いにハイブリダイズするが、2つの核酸のいずれかに対して実質的に相補的でない別の核酸とはハイブリダイズしないハイブリダイゼーション条件下での優先的ハイブリダイゼーションを指す。例えば、特異的ハイブリダイゼーションは、キャプチャー核酸と、このキャプチャー核酸と実質的に相補的な標的アンプリコンの部分とのハイブリダイゼーションを含む。一部の実施形態では、特異的にハイブリダイズするように立体配置される核酸又はその部分は、多くの場合、核酸配列の連続部分にわたって互いに約80%以上、81%以上、82%以上、83%以上、84%以上、85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上又は100%相補的である。特異的ハイブリダイゼーションは、非特異的ハイブリダイゼーション相互作用(例えば、特異的にハイブリダイズするように立体配置されていない2つの核酸、例えば、80%以下、70%以下、60%以下又は50%以下相補的な2つの核酸)に対して、約2倍以上、往々にして約10倍以上、場合により約100倍以上、1000倍以上、10,000倍以上、100,000倍以上、又は1,000,000倍以上の差がある。
【0042】
一部の実施形態では、本明細書に記載する方法は、ハイブリダイゼーション条件下で核酸をハイブリダイズするステップを含む。実質的に相補的な核酸のハイブリダイゼーションを促進する条件は、本明細書ではハイブリダイゼーション条件と呼ばれる。ハイブリダイゼーション条件の緊縮性を改変する方法は当技術分野で公知である。
【0043】
ハイブリダイゼーション条件は、アッセイで使用する核酸の特性に応じて決定及び/又は調節することができる。ハイブリダイゼーション条件を最適化する方法は、当技術分野で公知であり、Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons,N.Y.,6.3.1−6.3.6(1989)に見出すことができる。核酸配列含量(例えば、GC含量、ミスマッチの割合)及び/又は長さは、場合により、実質的に相補的な核酸のハイブリダイゼーションに影響を及ぼすことがある。ハイブリダイゼーション条件は、多くの場合、目的とする2つ以上の実質的に相補的な核酸の最適なアニーリングのために調節することができるパラメータを含む。このような調節可能なパラメータの非限定的例として、温度、一価若しくは二価イオン及び/又はカチオン濃度(例えば、Mg濃度)、バッファー濃度、リン酸塩濃度、グリセロール濃度、DMSO濃度、核酸濃度など、又はそれらの組合せが挙げられる。実質的に相補的な核酸間のミスマッチの割合に応じて、選択した核酸(例えば、既知若しくは予測融解温度を有するオリゴヌクレオチド又はプライマー)のアニーリングを実施するために、及び/又はその特異的ハイブリダイゼーションを選択するためにハイブリダイゼーション条件を調節することができる。
【0044】
ハイブリダイゼーション条件は、多くの場合、核酸を含むサンプルを好適な温度に加熱又は冷却するステップを含む。ハイブリダイゼーションに好適な温度は、場合により、約0℃〜80℃、約25℃〜80℃、約25℃〜70℃、約30℃〜70℃、約35℃〜70℃、約40℃〜70℃、約35℃〜65℃、約35℃〜60℃、約35℃〜55℃、又は約40℃〜50℃である。一部の実施形態では、ハイブリダイゼーション条件は、サンプルを約40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、又は約55℃の温度に冷却するステップを含む。一部の実施形態では、ハイブリダイゼーション条件下で精製済み核酸混合物をハイブリダイズするステップは、変性ステップと、これに続くハイブリダイゼーションステップ(例えば、ハイブリダイゼーションに好適な時間及び温度でインキュベートするステップ)とを含む。ハイブリダイゼーション条件は、場合により、核酸の混合物を変性させた直後に混合物を好適なハイブリダイゼーション温度に冷却する(例えば、温度を急速に傾斜させる)ステップを含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、ハイブリダイゼーション条件は変性プロセスを含む。変性は、多くの場合、核酸を含むサンプルの温度をサンプル中の1つ又は複数の二本鎖核酸の融点の温度又はそれを超える温度に(例えば、加熱により)上昇させるステップを含む。一部の実施形態では、変性は、サンプルの温度を約70℃から約120℃に、約85℃から約105℃に、約90℃から約105℃に、又は約95℃から約105℃に上昇させるステップを含む。一部の実施形態では、変性は、サンプルの温度を約70℃以上、約75℃以上、約80℃以上、約85℃以上、又は約90℃、約91℃、約92℃、約93℃、約94℃、約95℃、約96℃、約97℃、約98℃、約99℃、約100℃、約101℃、約102℃、約103℃、約104℃又は約105℃に上昇させるステップを含む。一部の実施形態では、核酸を所望の変性温度で約1秒〜約30分以上、約15秒〜約30分、約30秒〜約30分、約1分〜約30分、約1分〜約20分、約1分〜約15分、又は約5分〜約10分間にわたって変性させる。
【0046】
ハイブリダイゼーション条件は、多くの場合、サンプルを所望のハイブリダイゼーション温度で一定時間にわたって保持する、インキュベーション時間を含む。ライブラリーの核酸、ブロッキング及び/又はキャプチャー核酸をハイブリダイズする従来の方法は、48時間を超えるハイブリダイゼーション時間を要する。ハイブリダイゼーションのために任意の好適な条件を用いることができるが、本明細書で提供されるいくつかの方法は、有意に短縮されたハイブリダイゼーション時間を提供する。いくつかの実施形態では、ハイブリダイゼーション条件は、混合物を所望のハイブリダイゼーション温度で約1分〜約24時間、約5分〜約24時間、約10分〜約24時間、約15分〜約24時間、約30分〜約24時間、約1時間〜約24時間、約2時間〜約24時間、約8時間〜約24時間、約10時間〜約24時間、約10時間〜約20時間、又は約12時間〜約20時間にわたってインキュベートするステップを含む。一部の実施形態では、ハイブリダイゼーション条件は、混合物を所望のハイブリダイゼーション温度で約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20時間にわたってインキュベートするステップを含む。一部の実施形態では、ハイブリダイゼーション条件は、サンプルを所望のハイブリダイゼーション温度で約48時間以下、約24時間以下又は約18時間以下にわたってインキュベートするステップを含む。
【0047】
一部の実施形態では、ハイブリダイズするステップは、核酸をハイブリダイゼーションバッファーと接触させるステップを含む。一部の実施形態では、ハイブリダイゼーション条件は、核酸と好適なハイブリダイゼーションバッファーとの混合物を含む。ハイブリダイゼーションバッファーは、当技術分野で公知であり、市販されている。ハイブリダイゼーションバッファーは、デタージェント(例えば、SDS)、Ficoll、グリセロール、BSA、ポリビニルピロリドン、デキストラングリセロール、二価カチオン(例えば、カルシウム及び/若しくはマグネシウム)、一価カチオン、リン酸塩など、又はそれらの組合せを含み得る。
【0048】
一部の実施形態では、本明細書に記載する方法は、ハイブリダイゼーション条件下で精製済み核酸をハイブリダイズするステップの前に変性ステップを含まない。
【0049】
いくつかの実施形態では、ハイブリダイゼーション条件は、ポリメラーゼを含まない。一部の実施形態では、ハイブリダイゼーション条件は、ポリメラーゼ連鎖反応を含まない。いくつかの実施形態では、混合物は、混合物の核酸がキャプチャーされるまでポリメラーゼを含まない。
【0050】
増幅
核酸は、好適な方法によって増幅してもよい。本明細書で使用されるとき、「増幅された」という用語は、標的核酸又はそのセグメントと同じ又は実質的に同じ(例えば、実質的に同一の)ヌクレオチド配列を有するアンプリコン核酸を線形又は指数関数的に生成するプロセスに、サンプル中の標的核酸を付すことを指す。一部の実施形態では、増幅反応は、好適な熱安定性ポリメラーゼを含む。熱安定性ポリメラーゼは、当技術分野で公知であり、ほとんどの哺乳動物に見出される一般的ポリメラーゼと比較すると、80℃超の温度で長時間にわたり安定している。いくつかの実施形態では、「増幅された」という用語は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を含む方法を指す。増幅を促す条件(すなわち、増幅条件)は公知であり、多くの場合、少なくとも好適なポリメラーゼ、好適な鋳型、好適なプライマー若しくはプライマーのセット、好適なヌクレオチド(例えば、dNTP)、好適なバッファー、並びに好適なアニーリング、ハイブリダイゼーション及び/又は伸長時間及び温度の適用を含む。いくつかの実施形態では、増幅された産物(例えば、アンプリコン)は、1つ又は複数の追加ヌクレオチド及び/若しくはアンプリコンが生成される鋳型配列と異なるヌクレオチド、又はその部分を含有し得る(例えば、プライマーは「余剰の」ヌクレオチドを含有し得る)。
【0051】
核酸は、サーモサイクル方法又は等温増幅方法によって増幅することができる。一部の実施形態では、ローリングサークル型増幅方法を使用する。一部の実施形態では、増幅は、核酸、核酸ライブラリー又はそれらの部分が固定化された固体支持体(例えば、フローセル内の)上で実施する。いくつかのシーケンシング方法では、核酸ライブラリーをフローセルに添加し、好適な条件下でアンカーとのハイブリダイゼーションにより固定化させる。このタイプの核酸増幅は、多くの場合に固相増幅と呼ばれる。固相増幅の一部の実施形態では、増幅した産物の全部又は一部が、固定化プライマーから開始する伸長によって合成される。固相増幅反応は、増幅オリゴヌクレオチド(例えば、プライマー)の少なくとも1つが固体支持体に固定化される以外、標準的な液相増幅と類似している。
【0052】
一部の実施形態では、固相増幅は、表面に固定化された単一種のオリゴヌクレオチドプライマーのみを含む核酸増幅反応を含む。いくつかの実施形態では、固相増幅は、複数の異なる固定化オリゴヌクレオチドプライマー種を含む。一部の実施形態では、固相増幅は、固体表面に固定化された単一種のオリゴヌクレオチドプライマーと、溶液中の第2の別のオリゴヌクレオチドプライマー種を含む核酸増幅反応とを含んでもよい。複数の異なる種の固定化又は溶液ベースのプライマーを使用することもできる。固相核酸増幅反応の非限定的例として、界面増幅、架橋増幅、エマルジョンPCR、WildFire増幅(例えば、米国特許出願公開第20130012399号明細書)など、又はそれらの組合せが挙げられる。
【0053】
核酸ライブラリー
いくつかの実施形態では、核酸ライブラリー(例えば、核酸のライブラリー)は、1つ又は複数の対象から得られる全gDNA、RNA若しくはcDNAの収集物又はサブセットである。核酸ライブラリーは、一本鎖及び/又は二本鎖核酸を含み得る。核酸ライブラリーは、多くの場合、1つ又は複数のサンプルから生成され、サンプルが得られた1つ又は複数の対象若しくは生物に対して内因性又はネイティブである核酸を含む。核酸ライブラリーは、多くの場合、サンプルが得られた1つ又は複数の生物に対して内因性又はネイティブである複数の核酸若しくは核酸断片を含む。このような内因性又はネイティブ核酸は、本明細書ではライブラリーインサートと呼ばれることもある。従って、複数の核酸は、10〜1020の核酸を指し得る。一部の実施形態では、複数の核酸は、10以上、10以上、10以上、10以上、10以上、10以上、10以上、1010以上、1012以上の核酸(又はインサート)を指す。ライブラリーインサートは、ゲノムDNA(例えば、ゲノムDNAライブラリー)、RNA(例えば、RNAライブラリー)又はcDNA(例えば、cDNAライブラリー)の断片であってよい。ライブラリーインサートは、完全長遺伝子、cDNA、イントロン、エキソン、非翻訳領域(例えば、プロモータ、エンハンサー、調節配列など)遺伝子、それらの部分又はそれらの組合せを含み得る。任意の1供給源又は1対象から得られる核酸のライブラリーは、多くの場合、1000以上、10,000以上、又は100,000以上のライブラリーインサートを含み、これらは異なっており、多くの場合に互いに識別可能である。一部の実施形態では、核酸ライブラリーは、複数のライブラリーインサートを含み、核酸は特定のプロセスのために調製、アセンブリング及び/又は修飾され、その非限定的例として、固相(例えば、固体支持体、例えば、フローセル、ビーズ)への固定化、濃縮、増幅、クローン化、検出及び/又は核酸シーケンシングが挙げられる。一部の実施形態では、核酸のライブラリーは、1つ又は複数のサンプル(例えば、1つ若しくは複数の対象、1つ若しくは複数の組織、1つ若しくは複数の種、又はそれらの組合せ)から得られる1つ又は複数のライブラリーインサートを含む。一部の実施形態では、ライブラリーの各核酸は、少なくとも1つのライブラリーインサート(例えば、1つ、2つ、3つ若しくはそれを超えるインサート)、1つ又は複数の核酸バーコードを含む1つ又は複数の非ネイティブ核酸を含む。いくつかの実施形態では、核酸ライブラリーは、シーケンシングプロセスの前又はシーケンシングプロセス中に調製される。核酸ライブラリー(例えば、シーケンシングライブラリー)は、当技術分野で公知の好適な方法により調製することができる。核酸ライブラリーは、標的化又は非標的化調製プロセスによって調製することができる。
【0054】
一部の実施形態では、核酸のライブラリーは、多くの場合、既知組成物(例えば、合成核酸、異種核酸)の1つ又は複数の非ネイティブ核酸を含むように修飾される。一部の実施形態では、ライブラリーの各核酸は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ若しくは10又はそれを超える非ネイティブ核酸を含む。一部の実施形態では、ライブラリーの各核酸は、1つ又は2つの非ネイティブ核酸を含む。非ネイティブ核酸は、好適な位置、例えば、ライブラリーインサートの一端、他端、又は両端に付加することができる。一部の実施形態では、ライブラリーの核酸は、ライブラリーインサートの反対側の末端に非ネイティブ核酸を含む。例えば、ライブラリーの核酸は、ライブラリーインサートの5’末端、及び/又は3’末端に位置する非ネイティブ核酸を含んでもよい。一部の実施形態では、非ネイティブ核酸は、例えば、好適なホスホジエステル結合により、ライブラリーインサートに共有結合される。一部の実施形態では、ライブラリーの核酸は、ライブラリーインサート、第1の非ネイティブ核酸、及び第2の非ネイティブ核酸を含み、第1及び第2の非ネイティブ核酸は、ライブラリーインサートの反対側(例えば、5’側及び3’側)に位置する。
【0055】
いくつかの実施形態では、非ネイティブ核酸は、核酸ライブラリーが得られた1つ又は複数の対象若しくは生物に対してネイティブではない、及び/又は内因性ではない。核酸ライブラリーインサートが得られた対象若しくは生物に対してネイティブではない、及び/又は内因性ではない非ネイティブ核酸は、多くの場合、前記対象又は生物由来のゲノムDNA若しくはRNA(例えば、cDNA)を含まない。
【0056】
いくつかの実施形態では、非ネイティブ核酸は、好適な外性核酸及び/又は好適な合成核酸を含む。合成核酸の非限定的例として、識別可能な識別子、核酸バーコード(例えば、識別可能な核酸バーコード)、キャプチャー核酸、配列タグ、ランダム核酸配列、アダプター核酸、制限酵素部位、突出部、プロモータ、エンハンサー、複製起点、ステムループ、プライマー結合部位、オリゴヌクレオチドアニーリング部位、好適な組込み部位(例えば、トランスポゾン、ウイルス組込み部位)、1つ又は複数の修飾ヌクレオチドなど、それらの部分又はそれらの組合せが挙げられる。非ネイティブ核酸は、同じ又は異なる核酸配列を有してもよい。一部の実施形態では、非ネイティブ核酸は、1つ又は複数のキャプチャー核酸、ブロック核酸(例えば、U−ブロック核酸)又はプライマーとハイブリダイズするように立体配置される。
【0057】
いくつかの実施形態では、核酸ライブラリーは、連結によるライブラリー調製方法によって調製する。一部の実施形態では、連結によるライブラリー調製方法により、非ネイティブ核酸をライブラリーの核酸に付加する。連結によるライブラリー調製方法は、多くの場合に1つ又は複数のアダプターを利用する。アダプターは、多くの場合、ライブラリーが由来する生物に対して内因性ではないか、又はその生物に存在しない核酸配列を含む合成核酸(例えば、人の手で製造された)である。一部の実施形態では、非ネイティブ核酸は、アダプターを含む。いくつかの実施形態では、アダプターを用いて、解析(例えば、シングルリードシーケンシング、両端対シーケンシング及びマルチプレックスシーケンシング)のためのライブラリーインサートを調製することができる。一部の実施形態では、核酸ライブラリー調製は、1つ又は複数のアダプターを複数のライブラリーインサートに連結するステップを含む。アダプターは、比較的短い二本鎖又は一本鎖オリゴヌクレオチド(例えば、約2〜約10、2〜約30、2〜約50、2〜約100の核酸又はそれを超える)であってよく、これは、例えば、識別可能な識別子、識別可能な核酸バーコード及び/又は結合ペアの1つ又は複数のメンバーを含む。アダプターは、ライブラリーインサートの5’及び/又は3’側に位置することが多い。アダプターは、ライブラリーインサートにフランキングすることが多い。一部の実施形態では、二本鎖アダプターの1つの鎖のみをライブラリーの核酸に組み込む(例えば、ライブラリーインサートに連結させる)。二本鎖アダプターの両方の鎖をライブラリーに組み込むこともある。一部の実施形態では、ライブラリーの一本鎖核酸は、5’アダプター及び3’アダプターを含み、5’及び3’アダプターの配列は、実質的に異なり、及び/又は実質的に相補的ではない。
【0058】
いくつかの実施形態では、アダプターは、フローセルアンカーと実質的に相補的な部分を含み、場合により、この部分を使用して、核酸ライブラリーを固体支持体、例えば、フローセルの内側面に固定化する。いくつかの実施形態では、アダプターは、増幅プライマー又はシーケンシングプライマーと実質的に相補的な部分を含み、これは、アダプターの同じ、異なる、又は重複部分であってもよい。一部の実施形態では、ライブラリーの核酸の少なくとも1つのアダプター(例えば、5’又は3’アダプター)は、識別可能な識別子(例えば、識別可能なバーコード配列)を含む。一部の実施形態では、二本鎖アダプターの両方の鎖が核酸バーコードを含み、その場合、アダプターの第1鎖の核酸バーコードは、アダプターの第2鎖の核酸バーコードと実質的に相補的である。
【0059】
いくつかの実施形態では、2つ以上の非ネイティブ核酸は、実質的に同一の部分を含む。実質的に同一の非ネイティブ核酸の部分は、ユニバーサル核酸(例えば、ユニバーサル核酸配列)と呼ばれることもある。一部の実施形態では、非ネイティブ核酸は、1つ又は複数のユニバーサル核酸を含む。いくつかの実施形態では、非ネイティブ核酸は、第1のユニバーサル核酸、第2のユニバーサル核酸、及び核酸バーコードを含み、このバーコードは、第1及び第2のユニバーサル核酸の間に位置する。このような非ネイティブ核酸は、ライブラリーインサートの5’及び/又は3’側に位置することが可能である。例えば、一部の実施形態では、ライブラリーの核酸は、ライブラリーインサートの5’側に位置する第1のユニバーサル核酸、第1の核酸バーコード及び第2のユニバーサル核酸、並びにライブラリーインサートの3側に位置する第3のユニバーサル核酸、第2のバーコード及び第4のユニバーサル核酸を含み得る。一部の実施形態では、ライブラリーの核酸は、ライブラリーインサートの5’側に位置する第1の非ネイティブ核酸及び第1の核酸バーコード、並びにライブラリーインサートの3’側に位置する第2の非ネイティブ核酸及び第2のバーコードを含み得る。いくつかの実施形態では、非ネイティブ核酸は、識別可能なバーコードとフランキングするユニバーサル配列を含むように設計及び/又は立体配置される。一部の実施形態では、本発明のU−ブロック核酸は、ユニバーサル核酸配列と特異的にハイブリダイズするように設計及び/又は立体配置される。
【0060】
一部の実施形態では、核酸ライブラリー又はその部分を増幅する(例えば、PCR法により増幅する)。一部の実施形態では、シーケンシング方法は、核酸ライブラリーの増幅を含む。核酸ライブラリーは、固体支持体(例えば、フローセル内の固体支持体)への固定化の前又は後に増幅することができる。一部の実施形態では、核酸ライブラリーは、アンプリコンを含む。核酸ライブラリーのアンプリコンは、一本鎖又は二本鎖のいずれでもよい。一部の実施形態では、核酸ライブラリーのアンプリコンは、ライブラリーインサート及びアダプター配列(例えば、アダプター配列にフランキングされるライブラリーインサート)を含む。一部の実施形態では、核酸ライブラリーは、複数のアンプリコンを含み、これらは、本明細書においてアンプリコンのライブラリーと呼ばれることもある。
【0061】
いくつかの実施形態では、アンプリコンのライブラリーの各アンプリコンは、ライブラリーインサート及び1つ又は複数の非ネイティブ核酸を含む。例えば、一部の実施形態では、アンプリコンは、ライブラリーインサートと、1つ、2つ、3つ、4つ、10以上、又は50以上の非ネイティブ核酸とを含む。アンプリコンは、多くの場合、1つ又は複数の5’非ネイティブ核酸と1つ又は複数の3’非ネイティブ核酸との間に位置するライブラリーインサートを含む。いくつかの実施形態では、アンプリコンは、ライブラリーインサートの5’側に位置する1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つの非ネイティブ核酸と、ライブラリーインサートの3’側に位置する1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つの非ネイティブ核酸とを含む。一部の実施形態では、アンプリコンは、ライブラリーインサートの5’側に位置する1つ又は複数の識別可能なバーコードと、ライブラリーインサートの3’側に位置する1つ又は複数の識別可能なバーコードとを含む。いくつかの実施形態では、アンプリコンは、ライブラリーインサートの5’側に位置する1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つの識別可能なバーコードと、ライブラリーインサートの3’側に位置する1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つの識別可能なバーコードとを含む。
【0062】
一部の実施形態では、ライブラリーのアンプリコンは、実質的に同一の1つ又は複数の非ネイティブ核酸を含む。実質的に同一の核酸は、核酸配列が少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも100%同一である。同様に、実質的に同一の2つ以上の核酸は、実質的に同一の核酸配列を含む2つ以上の核酸を指す。
【0063】
実質的に異なる核酸は、核酸配列が50%未満、60%未満、70%未満、80%未満、85%未満同一である2つ以上の核酸配列を指す。実質的に異なる2つ以上の核酸は、実質的に異なる核酸配列を含む2つ以上の核酸を指す。
【0064】
一部の実施形態では、本明細書の方法は、1つ又は複数のサンプルから得られた1つ又は複数のライブラリーインサートを含む核酸のライブラリーを得るステップを含む。一部の実施形態では、核酸ライブラリーは、本明細書に記載する通りにライブラリーを生成することにより、又は当技術分野で公知の方法により得ることができる。いくつかの実施形態では、核酸ライブラリーは第三者から得られ、その場合、第三者が核酸ライブラリーを生成している。一部の実施形態では、核酸のライブラリーは、供給業者から購入する。一部の実施形態では、本発明の方法は、1つ又は複数のサンプルから得られた1つ又は複数のライブラリーインサートを含む核酸のライブラリーを得るステップを含み、ライブラリーの各核酸は、少なくとも1つのライブラリーインサート、第1の非ネイティブ核酸、第2の非ネイティブ核酸、及び1つ又は複数の核酸バーコードを含み、第1の非ネイティブ核酸は、少なくとも1つのライブラリーインサートの5’側に位置し、また第2の非ネイティブ核酸は、ライブラリーインサートの3’側に位置する。
【0065】
識別可能な識別子
一部の実施形態では、核酸は、1つ又は複数の識別可能な識別子を含む。識別可能な識別子は、核酸(例えば、ポリヌクレオチド)に組み込むか、又は結合(例えば、共有、非共有、不可逆的若しくは可逆的結合)させることができ、これにより識別子を含む核酸の検出及び/又は同定が可能になる。一部の実施形態では、識別可能な識別子は、シーケンシング方法(例えば、ポリメラーゼによる)の前又はその最中に核酸に組み込むか、又は結合させる。本明細書に記載する組成物又は方法に、任意の好適な識別可能な識別子及び/若しくは検出可能な識別子を用いることができる。いくつかの実施形態では、識別可能な識別子は、核酸と直接又は間接的に会合(例えば、結合)させることができる。例えば、識別可能な識別子は、核酸と共有又は非共有結合させることができる。一部の実施形態では、識別可能な識別子は、核酸と共有若しくは非共有結合した結合剤若しくは結合ペアのメンバーと結合又は会合させる。一部の実施形態では、識別可能な識別子は、核酸と可逆的に会合させる。いくつかの実施形態では、核酸と可逆的に会合した識別可能な識別子は、好適な方法を用いて(例えば、塩濃度の増加、変性、洗浄、好適な溶媒の添加及び/又は加熱により)核酸から除去することができる。
【0066】
一部の実施形態では、本明細書に記載する方法(例えば、核酸検出、解析及び/又はシーケンシング方法)で、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10以上、20以上、30以上又は50以上の識別可能な識別子を使用する。
【0067】
一部の実施形態では、識別可能な識別子は標識である。一部の実施形態では、核酸は検出可能な標識を含み、その非限定的例として、放射性標識(例えば、同位体)、金属標識、蛍光標識、発色団、化学発光標識、電気化学発光標識(例えば、Origen(商標))、燐光標識、消光剤(例えば、発蛍光団消光剤)、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)ペア(例えば、ドナー及びアクセプター)、色素、タンパク質(例えば、酵素(例えば、アルカリホスファターゼ及びセイヨウワサビペルオキシダーゼ)、抗体、抗原若しくはそれらの部分、リンカー、結合ペアのメンバー)、酵素基質、小分子(例えば、ビオチン、アビジン)、マスタグ、量子ドット、ナノ粒子など、又はそれらの組合せが挙げられる。任意の好適な発蛍光団を標識として使用することができる。発光標識は、多様な好適な技術、例えば、フローサイトメトリー、定量ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)、ゲル電気泳動、ジーン−チップ(gene−chip)解析、マイクロアレイ、質量分析、細胞蛍光分析、蛍光顕微鏡法、共焦点レーザ顕微鏡法、レーザ走査型サイトメトリー、アフィニティクロマトグラフィー、手動バッチ方式分離、電界懸濁、シーケンシングなど及びそれらの組合せによって検出及び/又は定量することができる。
【0068】
一部の実施形態では、識別可能な識別子は核酸バーコードである。
【0069】
核酸バーコード
一部の実施形態では、非ネイティブ核酸は、1つ又は複数の識別可能な核酸バーコード(例えば、インデックスヌクレオチド、配列タグ又は「バーコード」ヌクレオチド)を含む。核酸バーコードは、多くの場合、サンプルの特定の核酸、若しくは核酸のサブセット内に組み込まれるか、又はそれに結合させて(例えば、それと会合させて)、核酸の混合物中の特定の核酸、若しくは核酸のサブセットを追跡及び/又は同定する、特定の配列の核酸である。いくつかの実施形態では、識別可能な核酸バーコードは、サンプル、方法又はアッセイにおける1つ又は複数の核酸(例えば、核酸のサブセット)の明白な同定を可能にする識別子として使用可能なヌクレオチドの識別可能な配列を含む。識別可能な核酸バーコードは、往々にして、バーコードが会合する核酸の起源又は識別の明白な同定を可能にするように立体配置されている。一部の実施形態では、識別可能な核酸バーコード(例えば、バーコード)は、様々な供給源から得られた核酸の混合物中の特定の核酸の供給源の同定を可能にし得る。一部の実施形態では、識別可能な核酸バーコードは、バーコードが会合する核酸の起源又は識別の明白な同定を可能にするように立体配置されている。例えば、いくつかの実施形態では、識別可能な核酸バーコードは、特定のサンプル、サンプル供給源、同じ対象若しくは組織から得られた核酸のライブラリー、特定の核酸属若しくはサブセット、特定の核酸種、同じ染色体由来の核酸など、又はそれらの組合せに対して特有及び/又はユニークである。一部の実施形態では、サンプル、対象又は組織に由来するインサートを含む核酸は、そのサンプル、対象又は組織に特有且つユニークであり、これにより、異なるサンプル、対象又は組織に由来する核酸から上記核酸及び/又はインサートの明白な同定を可能にする。従って、サンプル、対象又は組織にユニークな識別可能な核酸バーコードは、多くの場合に核酸の混合物中の他の核酸バーコードから識別可能であり、それらと異なる。一部の実施形態では、ユニークである識別可能な核酸バーコードは、1つ又は複数の供給源に由来する1つ又は複数のサンプルを含む組成物中の他のバーコード(例えば、異なるサンプル又は供給源に由来する核酸のライブラリー)と異なり、且つ/又は識別可能である。一部の実施形態では、サンプル、対象又は組織にユニークな識別可能な核酸バーコードは、同じサンプル、対象、組織、又はその特定のサブセットに由来する核酸と会合する(例えば、その中に含有される)。従って、一部の実施形態では、同じサンプル、対象又は組織に由来する核酸は、多くの場合、同じサンプル、対象又は組織の各核酸と会合する同一の配列の少なくとも1つの識別可能な核酸バーコードを含む。
【0070】
一部の実施形態では、識別可能なバーコードは、4〜10、4〜15、4〜20、4〜50若しくは20以上の連続したヌクレオチドの識別可能な及び/又はユニークな配列を含む。識別可能な2つの核酸バーコードは、1、2、3、4、5ヌクレオチド又はそれを超える配列が異なっていてもよい。従って、いくつかの実施形態では、異なる及び/又は識別可能な2つの核酸バーコードは、最大99%同一であり、少なくとも1ヌクレオチド異なる核酸配列を含み得る。一部の実施形態では、識別可能なバーコードは、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14若しくは15以上の連続したヌクレオチドの識別可能な及び/又はユニークな配列を含む。一部の実施形態では、識別可能な核酸バーコードは、10以下、15以下、若しくは20以下の連続したヌクレオチドの識別可能な及び/又はユニークな配列を含む。識別可能な核酸バーコードは、多くの場合、第1の末端及び第2の末端を含む。識別可能な核酸バーコードの末端は、識別可能な核酸バーコード配列の5’末端又は3’末端ヌクレオチド塩基として同定することができる。例えば、一部の実施形態では、第1の末端は、識別可能な核酸バーコード配列の5’末端ヌクレオチド塩基として同定することができ、また第2の末端は、3’末端ヌクレオチド塩基として同定することができる。第1の末端及び/又は第2の末端は、識別可能な核酸バーコードの反対側の末端に位置することが多い。一部の実施形態では、ライブラリー中の任意の2つ以上の識別可能な核酸バーコードを核酸シーケンシング法により識別及び/又は同定することができる。一部の実施形態では、2つ以上の識別可能な核酸バーコードは、ハイブリダイゼーション法によって識別及び/又は同定することができる。
【0071】
一部の実施形態では、様々な供給源又はサンプルから得られた核酸のライブラリーは、様々な識別可能な核酸バーコードを含む。一部の実施形態では、ライブラリーの各識別可能な核酸バーコードを用いて、混合ライブラリーの各核酸の供給源を同定することができる。例えば、様々な供給源から得られた核酸のライブラリーは、第1及び/若しくは第2の識別可能な核酸バーコードを含む第1の対象から得られた核酸の第1のライブラリー、第3及び/若しくは第4の識別可能な核酸バーコードを含む第2の対象から得られた核酸の第2のライブラリー、第5及び/若しくは第6の識別可能な核酸バーコードを含む第3の対象から得られた核酸の第3のライブラリー、第7及び/若しくは第8の識別可能な核酸バーコードを含む第4の対象から得られた核酸の第4のライブラリーなどを含み得る。一部の実施形態では、単一の供給源から得られたライブラリーの各核酸は、1つ、2つ、3つ又は4つの識別可能な核酸バーコードを含み、各識別可能な核酸バーコードは、異なる配列を含み、各識別可能な核酸バーコードは、同じ供給源を重複して同定する。一部の実施形態では、様々なサンプルから得られた複数のライブラリーインサートを含む核酸ライブラリーは、少なくとも8つ、少なくとも10、少なくとも15、又は少なくとも20の識別可能な核酸バーコードを含む。一部の実施形態では、核酸ライブラリー、例えば、様々なサンプル若しくは供給源から得られた複数のライブラリーインサートを含む核酸ライブラリーは、10以上、20以上、50以上、又は100以上の識別可能な核酸バーコードを含む。
【0072】
一部の実施形態では、非ネイティブ核酸は、1つ又は複数の識別可能な核酸バーコードを含む。いくつかの実施形態では、非ネイティブ核酸は、1つ又は2つの識別可能な核酸バーコードを含む。いくつかの実施形態では、非ネイティブ核酸は、識別可能な核酸バーコードを含まない。一部の実施形態では、ライブラリーの各核酸は、(i)ライブラリーインサート、(ii)第1の非ネイティブ核酸、(iii)第2の非ネイティブ核酸、及び(iv)識別可能な核酸バーコードを含み、第1の非ネイティブ核酸及び第2の非ネイティブ核酸は、ライブラリーインサートの反対側に位置し、第1の非ネイティブ核酸又は第2の非ネイティブ核酸は、識別可能な核酸バーコードを含む。一部の実施形態では、ライブラリーの各核酸は、(i)ライブラリーインサート、(ii)第1の非ネイティブ核酸、(iii)第2の非ネイティブ核酸、(iv)第1の識別可能な核酸バーコード、及び(v)第2の識別可能な核酸バーコードを含み、第1の非ネイティブ核酸及び第2の非ネイティブ核酸は、ライブラリーインサートの反対側に位置し、第1の非ネイティブ核酸は、第1の識別可能な核酸バーコードを含み、且つ第2の非ネイティブ核酸は、第2の識別可能な核酸バーコードを含む。
【0073】
識別可能な核酸バーコードを含む非ネイティブ核酸は、多くの場合、識別可能な核酸バーコードの一端又は両端に隣接する1つ又は2つの部分を含む。一部の実施形態では、識別可能な核酸バーコードの一端に隣接する非ネイティブ核酸の部分は、識別可能な核酸バーコード配列のいずれのヌクレオチドも含まない。一部の実施形態では、識別可能な核酸バーコードの一端に隣接する非ネイティブ核酸の部分は、識別可能な核酸バーコード配列の1つ、2つ又は3つの連続したヌクレオチドを含み、それらの1つ、2つ又は3つの連続したヌクレオチドは、識別可能な核酸バーコード配列の上記末端に位置する。識別可能な核酸バーコードの一端に隣接する非ネイティブ核酸の部分は、多くの場合、識別可能な核酸バーコードの一端の5’又は3’側に位置する、5〜75ヌクレオチド、5〜50ヌクレオチド、5〜45ヌクレオチド、5〜40ヌクレオチド、5〜35ヌクレオチド、5〜30ヌクレオチド、5〜25ヌクレオチド、5〜20ヌクレオチド又は5〜15ヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、識別可能な核酸バーコードの一端に隣接する非ネイティブ核酸の部分は、識別可能な核酸バーコードの一端から0、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10ヌクレオチドに位置する。一部の実施形態では、識別可能な核酸バーコードの一端に隣接する非ネイティブ核酸の部分は、識別可能な核酸バーコードの上記末端と1、2又は3ヌクレオチドだけ重複する。
【0074】
結合ペア
一部の実施形態では、本明細書に記載する組成物又は方法は、1つ又は複数の結合ペアを含む。いくつかの実施形態では、核酸は、結合ペアの1つ又は複数のメンバーを含む。一部の実施形態では、結合ペアは、互いに非共有結合する少なくとも2つのメンバー(例えば、分子)を含む。結合ペアのメンバーは、多くの場合、互いに特異的に結合する。結合ペアのメンバーは、多くの場合、互いに可逆的に結合し、例えば、結合ペアの2つのメンバーの会合は、好適な方法によって解離することができる。任意の好適な結合ペア、又はそのメンバーを本明細書に記載の組成物又は方法に使用することができる。結合ペアの非限定的例として、相補的核酸、抗体/抗原、抗体/抗体、抗体/抗体断片、抗体/抗体受容体、抗体/プロテインA若しくはプロテインG、ハプテン/抗ハプテン、スルフヒドリル/マレイミド、スルフヒドリル/ハロアセチル誘導体、アミン/イソトリオシアネート、アミン/スクシンイミジルエステル、アミン/スルホニルハロゲン化物、ビオチン/アビジン、ビオチン/ストレプトアビジン、葉酸/葉酸結合タンパク質、受容体/リガンド、ビタミンB12/内因子、その類似体、その誘導体、その結合部分など、又はそれらの組合せが挙げられる。一部の実施形態では、結合ペアは、金属又は磁気材料及び磁石を含む。結合ペアのメンバーの非限定的例として、抗体、抗体断片、還元抗体、化学修飾抗体、抗体受容体、抗原、ハプテン、抗ハプテン、ペプチド、タンパク質、核酸(例えば、二本鎖DNA(dsDNA)、一本鎖DNA(ssDNA)、若しくはRNA)、ヌクレオチド、ヌクレオチド類似体若しくは誘導体(例えば、ブロモデオキシウリジン(BrdU))、アルキル部分(例えば、メチル化DNA若しくはメチル化ヒストン上のメチル部分)、アルカノイル部分(例えば、アセチル化タンパク質のアセチル基(例えば、アセチル化ヒストン))、アルカン酸若しくはアルカン酸部分(例えば、脂肪酸)、グリセリル部分(例えば、脂質)、ホスホリル部分、グリコシル部分、ユビキチン部分、レクチン、アプタマー、受容体、リガンド、金属イオン、アビジン、ニュートラアビジン、ビオチン、B12、内因子、その類似体、その誘導体、その結合部分など、又はそれらの組合せが挙げられる。例えば、いくつかの実施形態では、結合ペアの1メンバーは、ビオチン、又はその類似体若しくは誘導体を含み、ペアの他のメンバーは、アビジン、又はその類似体若しくは誘導体を含む。別の例において、いくつかの実施形態では、結合ペアの1メンバーは好適な金属(例えば、金属、金属ナノ粒子、鉄を含む支持体)を含み、他のメンバーは磁石を含む。
【0075】
リンカー
一部の実施形態では、識別可能な識別子及び/又は結合ペアのメンバーは、リンカーにより、核酸と間接的に会合又は結合している。いくつかの実施形態では、識別可能な識別子は、リンカーにより、結合ペアのメンバーと間接的に会合又は結合している。リンカーは、識別可能な識別子及び/又は結合ペアのメンバーを核酸に又は互いに共有結合させるための機構を与えることができる。任意の好適なリンカーを本明細書に記載の組成物又は方法に使用することができる。好適なリンカーの非限定的例として、シラン、チオール、ホスホン酸、ポリエチレングリコール(PEG)が挙げられる。リンカーを用いて、2つ以上の分子を結合する方法は、当技術分野で公知であり、「架橋結合」と呼ばれることもある。架橋結合の非限定的例として、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル、イミドエステル、ペンタフルオロフェニル(PFP)エステル、ヒドロキシメチルホスフィン、オキシラン又は任意の他のカルボニル化合物と反応するアミン;カルボジイミドと反応するカルボキシル;マレイミド、ハロアセチル、ピリジルジスルフィド、及び/又はビニルスルホンと反応するスルフヒドリル;ヒドラジンと反応するアルデヒド;ジアジリン及び/又はアジ化アリールと反応する任意の非選択性基;イソシアネートと反応するヒドロキシル;カルボニル化合物と反応するヒドロキシルアミンなど、並びにそれらの組合せが挙げられる。
【0076】
核酸シーケンシング
いくつかの実施形態では、核酸シーケンシングを含むプロセスにより、核酸(例えば、アンプリコン;ライブラリーの核酸;単離、精製及び/又はキャプチャーされた核酸)を解析する。一部の実施形態では、核酸をシーケンシングしてもよい。一部の実施形態では、完全又は実質的に完全な配列が得られ、場合により部分的配列が得られる。
【0077】
核酸をシーケンシングする任意の好適な方法を用いることができ、その非限定的例として、Maxim&Gilbert、鎖終結法、合成によるシーケンシング、連結によるシーケンシング、質量分析によるシーケンシング、顕微鏡法による技術など、又はそれらの組合せが挙げられる。一部の実施形態では、第1世代の技術、例えば、マイクロ流体Sangerシーケンシングなどの自動化Sangerシーケンシング法を含むSangerシーケンシング法を本明細書で提供される方法で使用することができる。一部の実施形態では、核酸イメージング技術(例えば、透過型電子顕微鏡法(TEM)及び原子間力顕微鏡法(AFM))の使用を含むシーケンシング技術を使用することができる。一部の実施形態では、ハイスループットシーケンシング法を使用する。ハイスループットシーケンシング法は、一般に、クローン増幅されたDNA鋳型又は単一DNA分子を含み、これらは、場合により、フローセル内において大規模並列方式でシーケンシングされる。大規模並列方式でDNAをシーケンシングすることができる次世代(例えば、第2及び第3世代)シーケンシング技術を本明細書に記載する方法に使用することができ、これらは、本明細書において、集合的に「大規模並列シーケンシング」(MPS)又は「大規模並列核酸シーケンシング」と呼ばれる。一部の実施形態では、MPSシーケンシング法は、標的化アプローチを使用し、このアプローチでは、目的とする特定の染色体、遺伝子又は領域から配列リードを生成する。目的とする特定の染色体、遺伝子又は領域は、本明細書において標的ゲノム領域と呼ばれることもある。いくつかの実施形態では、非標的化アプローチが使用され、このアプローチでは、サンプル中の大部分又は全ての核酸断片をランダムにシーケンシングし、増幅し、及び/又はキャプチャーする。
【0078】
MPSシーケンシング法は、合成及び特定のイメージングプロセスによるシーケンシングを使用する場合もある。本明細書に記載する方法に使用することができる核酸シーケンシング技術は、合成によるシーケンシング及び可逆的ターミネータシーケンシング(例えば、Illumina’s Genome Analyzer;Genome Analyzer II;HISEQ 2000;HISEQ 2500(Illumina,San Diego CA))である。この技術を用いて、数百万の核酸(例えば、DNA)断片を並行してシーケンシングすることができる。このタイプのシーケンシング技術の一例では、8〜16の個別のレーンを備える光透過性スライドを含み、これらスライドの表面にオリゴヌクレオチドアンカー(例えば、アダプタープライマー)が結合されている、フローセルを使用する。
【0079】
合成によるシーケンシングは、一部の実施形態において、プライマー又は既存の核酸鎖に、ヌクレオチドを鋳型特異的に繰り返し付加する(例えば、共有結合的付加により)ステップを含む。ヌクレオチドの反復付加は毎回検出され、このプロセスは、核酸鎖の配列が得られるまで複数回繰り返される。得られる配列の長さは、部分的に、実施される付加及び検出ステップの数に応じて変動する。合成によるシーケンシングの一部の実施形態では、同じタイプの1つ、2つ、3つ又はそれを超えるヌクレオチド(例えば、A、G、C若しくはT)を付加し、ヌクレオチド付加の1ラウンド毎に検出する。ヌクレオチドは、任意の好適な方法により(例えば、酵素又は化学的に)付加することができる。例えば、一部の実施形態では、ポリメラーゼ又はリガーゼは、プライマー又は既存の核酸鎖に、ヌクレオチドを鋳型特異的に付加する。合成によるシーケンシングの一部の実施形態では、異なるタイプのヌクレオチド、ヌクレオチド類似体及び/又は識別子を使用する。一部の実施形態では、可逆的ターミネータ及び/又は除去可能な(例えば、切断可能な)識別子を使用する。一部の実施形態では、蛍光標識ヌクレオチド及び/又はヌクレオチド類似体を使用する。いくつかの実施形態では、合成によるシーケンシングは、切断(例えば、識別子の切断及び除去)並びに/又は洗浄ステップを含む。一部の実施形態では、1つ又は複数のヌクレオチドの付加は、本明細書に記載されるか又は当技術分野で公知の好適な方法により検出し、その非限定的例として、任意の好適なイメージ装置若しくは機械、好適なカメラ、デジタルカメラ、CCD(電荷結合素子)によるイメージング装置(例えば、CCDカメラ)、CMOS(相補金属酸化シリコン)によるイメージング装置(例えば、CMOSカメラ)、フォトダイオード(例えば、光電子増倍管)、電子顕微鏡法、電界効果トランジスタ(例えば、DNA電界効果トランジスタ)、ISFETイオンセンサー(例えば、CHEMFETセンサー)など、又はそれらの組合せが挙げられる。本明細書の方法を実施するために用いることができるその他のシーケンシング方法には、デジタルPCR及びハイブリダイゼーションによるシーケンシングがある。
【0080】
本明細書に記載の方法を実施するための好適なMPS法、システム又は技術プラットフォームを用いて、核酸シーケンシングリードを取ることができる。MPSプラットフォームの非限定的例として、Illumina/Solex/HiSeq(例えば、Illumina’s Genome Analyzer;Genome Analyzer II;HISEQ 2000;HISEQ)、SOLiD、Roche/454、PACBIO及び/又はSMRT、Helicos True Single Molecule Sequencing、Ion Torrent及びIon半導体によるシーケンシング(例えば、Life Technologiesにより開発されたものなど)、WildFire、5500、5500xl W及び/又は5500xl W Genetic Analyzerによる技術(例えば、Life Technologiesにより開発及び販売されているものなど、米国特許出願公開第20130012399号明細書);Polonyシーケンシング、Pyrosequencing、大規模並列シグネチャーシーケンシング(Massively Parallel Signature Sequencing)(MPSS)、RNAポリメラーゼ(RNAP)シーケンシング、LaserGenシステム及び方法、Nanoporeによるプラットフォーム、化学物質感受性電界効果トランジスタ(CHEMFET)アレイ、電子顕微鏡法によるシーケンシング(例えば、ZS Genetics,Halcyon Molecularにより開発されているものなど)、ナノボールシーケンシングなどが挙げられる。
【0081】
本明細書の方法を実施するために使用することができる他のシーケンシング法として、デジタルPCR及びハイブリダイゼーションによるシーケンシングが挙げられる。デジタルポリメラーゼ連鎖反応(デジタルPCR又はdPCR)を用いて、サンプル中の核酸を直接同定及び定量することができる。デジタルPCRは、一部の実施形態において、エマルジョン中で実施することができる。例えば、個別の核酸を、例えば、マイクロ流体チャンバ装置内で分離し、各核酸を個別にPCRによって増幅する。ウェル毎に1つの核酸のみが存在するように、核酸を分離することができる。一部の実施形態では、異なるプローブを用いて様々な対立遺伝子(例えば、胎児対立遺伝子及び母性対立遺伝子)を識別することができる。対立遺伝子を数えることにより、コピー数を決定することができる。
【0082】
いくつかの実施形態では、ハイブリダイゼーションによるシーケンシングを用いることができる。この方法は、複数のポリヌクレオチド配列を複数のポリヌクレオチドプローブと接触させるステップを含み、その際、複数のポリヌクレオチドプローブの各々を任意選択で支持体に係留することができる。支持体は、一部の実施形態において、既知のヌクレオチド配列のアレイを含む平坦な表面であってよい。アレイとのハイブリダイゼーションのパターンを用いて、サンプル中に存在するポリヌクレオチドを決定することができる。一部の実施形態では、各プローブをビーズ、例えば、磁気ビーズなどに係留する。ビーズとのハイブリダイゼーションを同定し、これを用いてサンプル内の複数のポリヌクレオチド配列を同定することができる。
【0083】
一部の実施形態では、染色体特異的シーケンシングを実施する。一部の実施形態では、染色体特異的シーケンシングは、DANSR(選択領域のデジタル解析)を用いて実施する。選択領域のデジタル解析は、PCR鋳型を形成する介在「架橋」オリゴヌクレオチドを介した2つの遺伝子座特異的オリゴヌクレオチドのDNA依存的連鎖化により、数百の遺伝子座の同時定量を可能にする。一部の実施形態では、染色体特異的シーケンシングは、染色体特異的配列が豊富なライブラリーを生成することによって実施する。一部の実施形態では、選択した染色体のセットのみについて配列リードが得られる。
【0084】
コンペティター核酸
コンペティター核酸は、多くの場合、ハイブリダイゼーションプロセスの前に付加して、不要且つ非特異的なハイブリダイゼーション事象を低減する。コンペティター核酸は、反復核酸を含んでもよい。反復内因性核酸、例えば、Alu配列又はLINE配列は、核酸ライブラリー中に存在することが多い。場合により、内因性反復核酸は、互いにハイブリダイズして、キャプチャーされたハイブリダイゼーション混合物の汚染をもたらす。このタイプの汚染は、ハイブリダイゼーションの前に、過剰量の外性コンペティター核酸を付加することにより、部分的に低減することができる。任意の好適なコンペティター核酸を本明細書に記載の組成物又は方法に使用することができる。一部の実施形態では、コンペティター核酸は、Alu、LINE、及び核酸ライブラリーに存在するその他の反復配列に結合することができるC0t−1DNAを含む。C0t−1DNAは、好適な生物から得ることができ、様々な生物由来の核酸の混合物を含んでもよい。C0t−1DNAは、1生物の好適な組織から得ることができる。C0t−1DNAは、胎盤から単離された核酸を含むこともある。
【0085】
ブロッキング核酸
本明細書では、一部の態様において、改善されたブロッキング方法及び組成物が提示される。多くの場合、ハイブリダイゼーション事象により、ハイブリッドキャプチャー法の完了後の濃縮された核酸プールに不要な核酸が混入する。不要な配列の大きい画分は、アダプター連結ライブラリーインサートの末端アダプター配列の同一部分(例えば、バーコード、フローセルアンカー及び/又はプライマーと相補的な部分など)間の不要なハイブリダイゼーション事象に起因する場合がある。場合により、不要なライブラリーインサートは、その末端アダプターを介して互いにアニーリングすることができ、これにより、そうでなければ不要なDNA断片間が連結され、一緒に単離される「デイジーチェーン」を形成する。このようにして、単一の所望の断片のキャプチャーは、多数の不要な断片をもたらす恐れがあり、これにより濃縮方法の全体的効率が低下する。
【0086】
一部の実施形態では、いわゆる「デイジーチェーン」効果及びその他の不要なハイブリダイゼーション事象は、ライブラリーの非ネイティブ核酸(例えば、アダプター配列)の部分とハイブリダイズするように指令されたブロッキング核酸を使用することにより低減することができる。ブロッキングオリゴヌクレオチドは、当技術分野で公知であり、多くの場合、ライブラリーのバーコード配列に結合し、且つそれらのハイブリダイゼーションを阻止するように立体配置されている。従来のブロッキングオリゴヌクレオチドは、多くの場合に長さが50核酸以上であり、バーコード配列と、さらに核酸バーコードの両側にフランキングする合成核酸部分ともハイブリダイズするように立体配置されている。このように、従来のブロッキングオリゴヌクレオチドは、相対的に長い(例えば、>50ヌクレオチド)ため、バーコード領域及びフランキングする非ネイティブ配列とアニーリングし得、且つブロッキングオリゴヌクレオチドとその標的配列間の高い融解温度を確実にし得る。一部の実施形態では、本明細書の方法は、1つ又は複数のブロッキング核酸(例えば、従来のブロッキング核酸)の使用を用いる。
【0087】
一部の実施形態では、多数のアダプター連結ライブラリーが混合されるマルチプレックスシーケンシングアプローチのために、各々が各ライブラリーの多くの異なるアダプターに特異的であるブロッキング核酸の多数のセットを合成しなければならない。従って、ハイスループットマルチプレックスシーケンシング反応は、多くの場合、8つ、10、15、若しくは20以上の異なるバーコード配列を必要とし、これには、ユニークなバーコード配列の各々とそれぞれ結合するように立体配置されている、8つ、10、15、若しくは20以上のブロッキングオリゴヌクレオチドの合成が必要である。この戦略は、混合ライブラリーのマルチプレックスシーケンシングのために、比較的長い長さの多数の異なるブロッキングオリゴヌクレオチドを設計及び合成しなければならないため、費用及び時間がかかる。
【0088】
一部の実施形態では、ブロッキング核酸は、U−ブロック核酸である。一部の実施形態では、本明細書の組成物又は方法は、U−ブロック核酸(例えば、ユニバーサルブロッキング)核酸を含む。組成物のU−ブロック核酸は、実質的に同じでも又は実質的に異なっていてもよい。U−ブロック核酸は、従来のブロッキングオリゴに対していくつかの利点を有する。第1に、U−ブロック核酸は、核酸バーコード配列に実質的にハイブリダイズせず、また、U−ブロック核酸は、核酸バーコード配列とハイブリダイズするように立体配置されてもいない。従って、8つ、10、15、若しくは20以上の異なるバーコード配列を含む複合核酸ライブラリーの操作、キャプチャー及びマルチプレックスシーケンシングは、ユニークなバーコード配列の各々全てに特異的なU−ブロック核酸を必要としない。また、U−ブロック核酸は、従来のブロッキングオリゴヌクレオチドと比較して比較的短いため、U−ブロック核酸の核酸合成がさらに経済的になる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるU−ブロック核酸は、45ヌクレオチド以下、40ヌクレオチド以下、35ヌクレオチド以下、30ヌクレオチド以下、25ヌクレオチド以下、20ヌクレオチド以下、15ヌクレオチド以下、又は10ヌクレオチド以下の公称、平均、中間又は絶対長さを有する。一部の実施形態では、U−ブロック核酸は、8〜約40、8〜約35、8〜約30、8〜約25又は8〜約20ヌクレオチドの公称、平均、中間又は絶対長さを有する。U−ブロック核酸は、任意の好適な核酸、ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体を含んでもよい。一部の実施形態では、U−ブロック核酸は、合成(例えば、人の手で合成された)である。U−ブロック核酸は、オリゴヌクレオチドであってよい。
【0089】
U−ブロック核酸は、多くの場合、不要なハイブリダイゼーション及び/又はそれに続く核酸ライブラリーの非ネイティブ部分の増幅を阻止するように立体配置されている。いくつかの実施形態では、U−ブロック核酸は、バーコード核酸とフランキングする合成核酸領域(非ネイティブ核酸領域)とハイブリダイズするように立体配置されている。従って、本明細書の組成物は、多くの場合、識別可能な核酸バーコードの反対側とハイブリダイズするように立体配置された少なくとも2つのU−ブロック核酸を含む。バーコード核酸配列とフランキングする合成核酸領域は、多くの場合に比較的短い(例えば、45ヌクレオチド以下、40ヌクレオチド以下、35ヌクレオチド以下、30ヌクレオチド以下、25ヌクレオチド以下、20ヌクレオチド以下、15ヌクレオチド以下、又は10ヌクレオチド以下)ため、U−ブロック核酸がハイブリダイズするのに比較的短い核酸区間を提供する。本明細書において本発明者らにより開発されたU−ブロック核酸の初期プロトタイプは、標準ヌクレオチド塩基のみで構成されており、不要なハイブリダイゼーション事象を阻止するには非効率的であった。U−ブロック核酸の核酸塩基の一部又は全部を修飾することにより、効率及び阻止能力を実質的に増大することができた。従って、一部の実施形態では、U−ブロック核酸は、部分的に、U−ブロック核酸のTmを高める非標準又は修飾核酸塩基を含有することより、より高い融解温度を含むように立体配置されている。一部の実施形態では、U−ブロック核酸は、グアニン、シトシン、チミン、アデニン及びウラシルから選択される標準ヌクレオチドから構成される類似配列の非修飾U−ブロック核酸のTmより高いTmを含む。任意の好適な修飾を用いて、U−ブロック核酸のTmを高めることができる。一部の実施形態では、U−ブロック核酸は、修飾ヌクレオチド、ヌクレオチド類似体及び/又は修飾ヌクレオチド結合を含み、その非限定的例として、ロックド核酸(LNA、例えば、二環式核酸)、架橋核酸(BNA、例えば、拘束核酸)、C5−修飾ピリミジン塩基(例えば、中でも、5−メチル−dC、プロピニルピリミジン)並びに代替骨格化学、例えば、ペプチド核酸(PNA)、モルホリノなど、又はそれらの組合せが挙げられる。一部の実施形態では、架橋核酸は、修飾RNAヌクレオチドである。任意の好適なBNAを本明細書に記載の組成物又は方法で使用することができる。いくつかの実施形態では、BNAモノマーは、5員、6員、又は7員架橋構造を含み得る。新世代BNAモノマーの非限定的例として、2’,4’−BNANC[NH]、2’,4’−BNANC[NMe]、及び2’,4’−BNANC[NBn]が挙げられる。また、Tm(又は結合親和性)を高めるために、非塩基修飾因子をU−ブロック核酸に組み込むこともでき、その非限定的例として、マイナーグルーブバインダー(MGB)、スペルミン、Gクランプ、Uaqアントラキノンキャップなど、又はそれらの組合せが挙げられる。BNAヌクレオチドモノマーと末端MGB基との組合せなど、2つ以上のタイプのTm増加修飾をU−ブロック核酸に使用することができる。相補的核酸のTmを高める多くの方法が当業者には周知であり、全てのこのような修飾の使用は、本明細書において本発明の範囲に含まれるとみなされる。一部の実施形態では、U−ブロック核酸は、少なくとも40℃、少なくとも45℃、少なくとも50℃、少なくとも55℃、少なくとも60℃、少なくとも65℃、少なくとも70℃、少なくとも75℃、又は少なくとも80℃の融解温度(Tm)を含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、U−ブロック核酸は、ライブラリーの1つ又は複数の非ネイティブ核酸と特異的にハイブリダイズするように立体配置されている。非ネイティブ核酸は、多くの場合に合成核酸配列を含む。一部の実施形態では、非ネイティブ核酸は、ゲノムDNA、遺伝子、mRNA、cDNA、又はそれらの部分を含まない。一部の実施形態では、U−ブロック核酸は、ライブラリーの1つ又は複数のアンプリコンと特異的にハイブリダイズするように立体配置され、1つ又は複数のアンプリコンは、合成核酸(例えば、1つ又は複数のアダプター配列、キャプチャー配列又はプライマー結合部位)を含む。一部の実施形態では、U−ブロック核酸は、1つ若しくは複数のアダプター又はそれらの部分と特異的にハイブリダイズするように立体配置されている。いくつかの実施形態では、U−ブロック核酸は、ライブラリーインサートとハイブリダイズするように立体配置されていない。いくつかの実施形態では、U−ブロック核酸は、ライブラリーインサートと実質的にハイブリダイズしない。いくつかの実施形態では、U−ブロック核酸は、核酸バーコードとハイブリダイズするように立体配置されておらず、バーコード配列の実質的部分と相補的ではない。いくつかの実施形態では、U−ブロック核酸は、核酸バーコード又は核酸バーコードのいずれの部分とも実質的にハイブリダイズしない。
【0091】
U−ブロック核酸は、多くの場合、非ネイティブ核酸と実質的に相補的な核酸配列を含むか、又はそれから構成される。U−ブロック核酸は、核酸ライブラリーの1つ又は複数の非ネイティブ核酸と特異的にハイブリダイズするように立体配置されていることもある。一部の実施形態では、ライブラリーの各核酸は、1つ又は複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ又はそれを超える)の非ネイティブ核酸を含み、これらの非ネイティブ核酸は、ライブラリーの核酸の各々に共通である(例えば、共有されている)。例えば、核酸ライブラリーは、2つ以上のサンプルから生成することができ、各サンプルから得られた核酸は、アダプター配列に組み込まれたユニークな識別可能なバーコード配列を含み、及びアダプターは、1つ又は複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ又はそれを超える)の同一の非ネイティブ核酸(例えば、合成核酸、ユニバーサル核酸配列)を含む。実質的に同一で、ライブラリーの核酸間で共有される非ネイティブ核酸は、ユニバーサル核酸と呼ばれることもある。U−ブロック核酸は、多くの場合、ユニバーサル核酸配列(例えば、アダプター又はその部分)と実質的に相補的であり、それらと特異的にハイブリダイズするように立体配置されている。
【0092】
一部の実施形態では、Uブロック核酸は、ポリメラーゼにより伸長を阻止するように立体配置されている。一部の実施形態では、U−ブロック核酸は、ポリメラーゼによりUブロック核酸の伸長を阻止するように立体配置されている。例えば、Uブロック核酸は、ポリメラーゼが、U−ブロック核酸の3’末端を伸長するのを妨げる(例えば、ホスホジエステル結合を形成することにより)好適な3’鎖ターミネータ(例えば、2’,3’ジデオキシヌクレオチド)又は好適な官能基を含んでもよい。従って、ポリメラーゼによる伸長を阻止するように立体配置されるUブロック核酸は、多くの場合、ポリメラーゼがU−ブロック核酸の3’末端を伸長するのを妨げる好適な3’鎖ターミネータ(例えば、2’,3’ジデオキシヌクレオチド)又は好適な官能基を含む。従って、いくつかの実施形態では、Uブロック核酸は、ポリメラーゼによる増幅(例えば、PCR)又は伸長に好適な核酸プライマーではない。
【0093】
一部の実施形態では、本明細書の組成物は、様々なサンプルから得られる1つ又は複数の核酸ライブラリー(例えば、複数のライブラリーインサート)と、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、又は10以上のユニークな識別可能なバーコードを含む。いくつかの実施形態では、このような組成物は、各々がライブラリーの各核酸の非ネイティブ核酸、又はその部分と特異的にハイブリダイズするように立体配置されている4つ以下、場合により、8つ以下のUブロック核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書の組成物は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ若しくは8つのUブロック核酸及び/又は1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ若しくは8つ以下のU−ブロック核酸を含む。いくつかの実施形態では、本明細書の組成物は、2〜4つ、2〜6つ、2〜8つ、又は4〜8つのブロック核酸を含む。一部の実施形態では、本明細書の組成物は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ若しくは8つのUブロック核酸を含み、(i)Uブロック核酸の各々は、第1及び/又は第2の非ネイティブ核酸の部分と実質的に相補的であり、(ii)Uブロック核酸の少なくとも1つは、識別可能な核酸バーコードの第1の末端に隣接してハイブリダイズするように立体配置されており、(iii)Uブロック核酸の少なくとも1つは、識別可能な核酸バーコードの第2の末端に隣接してハイブリダイズするように立体配置されており、且つ(iv)Uブロック核酸の各々は、識別可能な核酸バーコードのいずれの部分とも実質的にハイブリダイズしない。
【0094】
一部の実施形態では、Uブロック核酸は、識別可能な核酸バーコードの一端に隣接してハイブリダイズするように立体配置されている。一部の実施形態では、識別可能な核酸バーコードの一端に隣接してハイブリダイズするように立体配置されているUブロック核酸は、識別可能な核酸バーコードに隣接して位置する非ネイティブ核酸の部分と実質的に相補的であるUブロック核酸を指す。Uブロック核酸は、往々にして、識別可能な核酸バーコードを含むライブラリーの非ネイティブ核酸とハイブリダイズするように立体配置されており、Uブロック核酸は、バーコード配列の反対側とハイブリダイズするように立体配置されている。従って、Uブロック核酸が、識別可能な核酸バーコードを含むライブラリーの非ネイティブ核酸とハイブリダイズするとき、ハイブリダイズしたUブロック核酸は、バーコードの両側の識別可能な核酸バーコードとフランキングする。いくつかの実施形態では、Uブロック核酸は、バーコード配列のいずれの部分とも実質的にハイブリダイズしない。一部の実施形態では、ハイブリダイズしたUブロック核酸は、バーコード配列と1、2、3、4、5又は6ヌクレオチドだけ重複し得る。従って、いくつかの実施形態では、バーコード配列と実質的にハイブリダイズしないUブロック核酸は、バーコード配列の小さい部分(例えば、6ヌクレオチド以下)とハイブリダイズし得る。
【0095】
一部の実施形態では、本明細書の組成物は、4つ以下のUブロック核酸を含む。組成物のUブロック核酸は同じであってよい。例えば、組成物がUブロック核酸を含む場合、Uブロック核酸の各々の核酸配列は、実質的に同一(例えば、実質的に同じ)であってよい。一部の実施形態では、組成物は4つのUブロック核酸を含み、Uブロック核酸の各々の核酸配列は実質的に異なる。
【0096】
キャプチャー核酸
一部の実施形態では、本明細書の組成物又は方法は、キャプチャー核酸を含む。キャプチャー核酸は、多くの場合、核酸部分を含む。一部の実施形態では、キャプチャー核酸は、標的核酸と特異的にハイブリダイズするように立体配置されており、キャプチャー核酸及びそのハイブリダイズした標的は、好適な技術により(例えば、プルダウン法により)キャプチャーすることができる。本明細書の方法又は組成物に、任意の好適なキャプチャー核酸又はキャプチャー核酸のセットを用いることができる。一部の実施形態では、キャプチャー核酸はオリゴヌクレオチドである。
【0097】
キャプチャー核酸は、往々にして、結合ペアの好適なメンバーと直接又は間接的に結合(例えば、共有若しくは非共有結合)している。いくつかの実施形態では、キャプチャー核酸は、結合ペアの好適なメンバーを含む。一部の実施形態では、結合ペアのメンバーは、キャプチャー核酸とリンカーにより結合している。
【0098】
結合ペアのメンバーを含むキャプチャー核酸は、好適なキャプチャー方法を用いて、ハイブリダイズした核酸標的と一緒にキャプチャーする(例えば、キャプチャー法によりキャプチャーする)ことができる。核酸を(例えば、キャプチャー法により)キャプチャーするプロセスは、多くの場合、キャプチャーされた核酸(例えば、キャプチャーされた核酸)を提供する。本明細書で使用されるとき、「キャプチャーされた」及び「濃縮された」という用語は、キャプチャー方法実施前のサンプルに比べて少ない核酸種を含む、提供される核酸又は核酸のサブセットを指し得る。キャプチャーされた核酸を含む組成物は、他の(例えば、不要な)核酸種を約50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は99%超含有しない可能性がある。一部の実施形態では、キャプチャーされた核酸は濃縮核酸を含む。濃縮核酸は、濃縮又はキャプチャー方法の適用前の1つ又は複数の核酸種の量と比較して少なくとも1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、2倍、5倍、10倍、100倍若しくは1000倍濃縮された1つ又は複数の核酸種の量を含み得る。キャプチャー方法の非限定的例として、プルダウン法(例えば、重力プルダウン法、遠心分離プルダウン法、磁気プルダウン法)、免疫沈降及び様々なカラム精製方法が挙げられる。キャプチャーされた核酸の単離及び/又は精製は、往々にして、結合ペアの第1のメンバー(例えば、キャプチャー核酸と結合した)と結合ペアの第2のメンバー(例えば、支持体と結合した)との会合を必要とする。キャプチャー核酸は、場合により、第2のメンバーと強力に結合及び/又は会合するように立体配置される結合ペアの第1のメンバーと結合し、第2のメンバーは、場合により、好適な支持体と結合する。一部の実施形態では、キャプチャー核酸は、支持体を含む結合ペアの第1のメンバーと結合する。一部の実施形態では、キャプチャー核酸は、支持体と間接的に会合する(例えば、リンカー又は中間結合分子、例えば、抗体により)。一部の実施形態では、キャプチャー核酸は、磁気支持体(例えば、磁気ビーズ、鉄含有ビーズ)を含む結合ペアの第1のメンバーに結合し、結合ペアの第2のメンバーは磁石である。磁石及び磁気材料を用いて、キャプチャー核酸及びその結合標的をキャプチャー(例えば、プルダウン)することができる。
【0099】
一部の実施形態では、核酸及び/又はアンプリコン(例えば、ライブラリーの核酸及び/又はアンプリコン)をキャプチャー核酸と接触させる。いくつかの実施形態では、方法は、ライブラリーの核酸、ブロッキング核酸及び任意の1つ又は複数のコンペティター核酸を含む混合物をキャプチャー核酸と接触させるステップを含む。キャプチャー核酸及びキャプチャー核酸を製造する方法は、当技術分野で公知である。いくつかの実施形態では、キャプチャー核酸を用いて、2つ以上、10以上、50以上、若しくは100以上の対象、サンプル又は供給源から得られた複数のライブラリーインサートを含む核酸のライブラリーから目的とする核酸のサブセットをキャプチャーする。
【0100】
キャプチャー核酸は、ライブラリーの1つ又は複数の核酸(例えば、選択された核酸、標的核酸、目的とする核酸)の部分と特異的にハイブリダイズするように立体配置された核酸であってよい。一部の実施形態では、ライブラリーの1つ又は複数の核酸の一部と特異的にハイブリダイズするように立体配置されたキャプチャー核酸は、ライブラリーの核酸の好適な部分と実質的に相補的である。一部の実施形態では、キャプチャー核酸は、非ネイティブ核酸の部分又はその部分と特異的にハイブリダイズするように立体配置されている。一部の実施形態では、キャプチャー核酸は、アダプターの部分と特異的にハイブリダイズするように立体配置されている。一部の実施形態では、キャプチャー核酸は、1つ又は複数のライブラリーインサートの部分と特異的にハイブリダイズするように立体配置されている。キャプチャー核酸は、プロモータ、エンハンサー、イントロン、エキソン、ポリAセグメント、ポリTセグメント、任意の好適な翻訳若しくは転写制御配列など、又はそれらの組合せとハイブリダイズするように立体配置することができる。キャプチャー核酸のセットは、遺伝子のサブセット(例えば、染色体の遺伝子のセット、例えば、酵素のファミリーを発現する遺伝子のセット)又はライブラリーの核酸の任意のサブセットと特異的にハイブリダイズするように立体配置することができる。一部の実施形態では、キャプチャー核酸のセットは、遺伝的変異(例えば、欠失、挿入、SNPなど)を含むことが疑われる1つ又は複数のゲノム領域で、又はその付近でハイブリダイズするように立体配置されている。第2の核酸と特異的にハイブリダイズするように立体配置される核酸は、多くの場合、第2の核酸と実質的に相補的である。キャプチャー核酸は、多くの場合、1つ又は複数の核酸標的の部分(例えば、ライブラリーの核酸のサブセット)と実質的に相補的である。
【0101】
一部の実施形態では、方法は、核酸のライブラリー、ブロッキング核酸、キャプチャー核酸及び任意選択でコンペティター核酸を含むか、又はそれから本質的に構成される混合物を調製するステップを含み、この混合物をキャプチャー法に付す。例えば、一部の実施形態では、ストレプトアビジンビーズを添加し、キャプチャー核酸と会合した(例えば、キャプチャー核酸とハイブリダイズした)混合物の核酸を回収する(例えば、遠心分離、濾過、免疫沈降及び/又は磁気沈降により)。一部の実施形態では、洗浄ステップ(例えば、エタノールでの洗浄により)を使用する。キャプチャーされた核酸(例えば、ハイブリダイズした標的)は、好適な方法を用いて、キャプチャー核酸から溶離することができる。
【0102】
一部の実施形態では、いくつかの方法又は方法のステップは、結合ペア(例えば、結合ペアの両メンバー)の非存在下で実施する。例えば、混合物は、多くの場合、キャプチャー核酸と結合ペアの第1のメンバー(例えば、キャプチャー核酸に結合した)とを含み、混合物は、結合ペアの第2のメンバー(例えば、第1のメンバーと特異的に結合するように立体配置された第2のメンバー)を含まない。一部の実施形態では、ライブラリーの核酸をブロッキング核酸、結合ペアの第1のメンバーを含むキャプチャー核酸、及び/又はコンペティター核酸と、結合ペアの第2のメンバーの非存在下で接触させる。一部の実施形態では、ライブラリーの核酸、ブロッキング核酸、結合ペアの第1のメンバーを含むキャプチャー核酸、及び/又はコンペティター核酸を含む混合物は、結合ペアの第2のメンバーの非存在下で精製する。一部の実施形態では、ライブラリーの核酸、ブロッキング核酸、結合ペアの第1のメンバーを含むキャプチャー核酸、及び/又はコンペティター核酸を含む混合物は、結合ペアの第2のメンバーの非存在下、好適なハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズされる。
【0103】
一部の実施形態では、キャプチャー核酸を好適な支持体と直接又は間接的に結合(例えば、共有若しくは非共有結合)させる。いくつかの実施形態では、結合ペアのメンバーを好適な支持体と直接又は間接的に結合(例えば、共有若しくは非共有結合)させる。任意の好適な支持体を用いることができる。いくつかの実施形態では、支持体は、表面(例えば、フローセルの表面、チューブの表面、チップの表面)、例えば、金属表面(例えば、鋼、金、銀、アルミニウム、ケイ素及び銅)を含む。一部の実施形態では、支持体(例えば、支持体表面)は被覆され、並びに/又は官能基及び/若しくは不活性材料を含む。いくつかの実施形態では、支持体は、例えば、ビーズ、チップ、キャピラリー、プレート、膜、ウエハー(例えば、シリコンウエハー)、コーム、又はピンを含む。一部の実施形態では、支持体は、ビーズ及び/又はナノ粒子を含む。支持体は、好適な材料から製造することができ、その非限定的例として、プラスチック又は好適なポリマー(例えば、ポリカーボネート、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ジビニルベンゼン)、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステル、二フッ化ポリビニリデン(PVDF)、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレンなど)、ホウケイ酸塩、ガラス、ナイロン、ワング(Wang)樹脂、メリフィールド(Merrifield)樹脂、金属(例えば、鉄、合金)、セファロース、アガロース、ポリアクリルアミド、デキストラン、セルロースなど、又はそれらの組合せが挙げられる。一部の実施形態では、支持体は、磁気材料(例えば、鉄、ニッケル、コバルト、白金、アルミニウムなど)を含む。いくつかの実施形態では、支持体は、磁気ビーズ(例えば、DYNABEADS(登録商標)、赤鉄鉱、AMPure XP)を含む。磁石を用いて、特定の支持体(例えば、金属又は磁気材料を含む支持体)に結合した核酸を精製及び/又はキャプチャーすることができる。
【0104】
いくつかの実施形態では、キャプチャー核酸及びキャプチャー核酸と特異的にハイブリダイズする核酸(例えば、標的核酸)は、好適なキャプチャー法によってキャプチャーされ、それにより、キャプチャーされた核酸を取得する。キャプチャーするステップを含むプロセスは、多くの場合、濃縮された核酸(例えば、標的核酸について濃縮された核酸)を提供する。キャプチャーされた核酸は、多くの場合、1つ又は複数の種の核酸について濃縮されている。キャプチャーされた核酸は、1つ又は複数のキャプチャー核酸、キャプチャー核酸と特異的にハイブリダイズする核酸(例えば、ライブラリーのキャプチャーされた核酸、標的核酸、濃縮された核酸)、結合ペアのメンバー、及び/又は支持体を含み得る。キャプチャー核酸(標的核酸)と特異的にハイブリダイズする核酸は、好適な方法によって回収することができる。例えば、一部の実施形態では、キャプチャー法により濃縮された核酸は、変性(例えば、熱の適用)により、又はキャプチャーされた核酸を含む混合物の塩濃度を増減することにより、単離することができる。一部の実施形態では、キャプチャー法は、濃縮された核酸を回収するためのフィルタ、膜又はカラムの使用を含む。いくつかの実施形態では、重力及び/又は遠心分離を用いて核酸をキャプチャーし、及び/又は濃縮された核酸を回収する。いくつかの実施形態では、キャプチャー法は、遠心分離を使用しない。いくつかの実施形態では、磁石を用いて、濃縮された核酸をキャプチャー及び/又は回収する。支持体に結合した核酸は、多くの場合、非結合又は不要な材料を除去するために、好適な方法によって洗浄することができる。いくつかの実施形態では、洗浄液の緊縮性は、好適な方法によって調節することができる。
【0105】
キャプチャーされた核酸、キャプチャー核酸と特異的にハイブリダイズする核酸、濃縮された核酸及び/又はそのアンプリコンは、好適な方法によって解析することができ、こうした方法は、例えば、核酸シーケンシング又は質量分析を含むプロセスを含み得る。
【0106】
固定化
いくつかの実施形態では、核酸を固定化(例えば、支持体に固定化)する。任意の好適な方法により、核酸を固定化することができる。核酸は、直接又は間接的のいずれかで、好適な支持体若しくは材料に固定化することができる。支持体に固定化させる核酸は、支持体に共有又は非共有結合させてもよい。いくつかの実施形態では、核酸は、支持体に可逆的に固定化し、好適な方法を用いて、支持体から解離又は除去することができる。一部の実施形態では、結合ペアの第1のメンバーを含む核酸は、支持体に結合又は会合した結合ペアの第2のメンバーと結合させることにより、支持体に固定化する。支持体に核酸を非特異的に固定化することができ、例えば、この支持体は、アニオン(例えば、アニオン交換基、例えば、正荷電官能基)を含む。いくつかの実施形態では、磁力によって核酸を支持体に固定化する。例えば、核酸は、磁気材料(例えば、金属)を含んでもよく、核酸は、磁石を用いて、支持体(例えば、チューブの部分、表面)に固定化することができる。いくつかの実施形態では、磁石は、溶液状ではなく、及び/又は磁気材料を含む核酸と直接接触していない。いくつかの実施形態では、磁石は、溶液状であり、核酸と会合した磁気材料と直接接触させる。一部の実施形態では、核酸は、共有結合の形成により、例えば、核酸の官能基(例えば、核酸類似体の官能基)を、反応基を含む支持体と架橋結合することにより固定化する。一部の実施形態では、支持体に結合(例えば、共有又は非共有結合)した別の核酸とハイブリダイズ(例えば、特異的にハイブリダイズ、アニーリング)させることにより、核酸(例えば、アンプリコン、ライブラリーの核酸、標的核酸)を支持体に固定化する。
【0107】
核酸は、本明細書に記載する方法の任意の好適なステップで固定化することができる。一部の実施形態では、核酸をフローセル(例えば、フローセルの表面)又はアレイ(例えば、チップ)に固定化する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載する方法は、核酸をフローセル又はチップに固定化するステップを含まない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載する方法は、キャプチャー法が終了するまで、核酸をフローセル又はチップに固定化するステップを含まない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載する方法は、例えば、核酸シーケンシングによる核酸の解析前に核酸をフローセル又はチップに固定化するステップを含まない。一部の実施形態では、ライブラリーの核酸(例えば、ライブラリーのアンプリコン)をアダプターと連結し、ブロッキング核酸と接触させ、キャプチャー核酸と接触させ、コンペティター核酸と接触させ、精製及び/又はハイブリダイズする(例えば、変性及びアニーリングプロセスに付す)が、前述したプロセスのいずれか若しくは全ての前又はその最中に、フローセル、アレイ若しくはチップに固定化しない。いくつかの実施形態では、ライブラリーの核酸(例えば、ライブラリーのアンプリコン)は、フローセル、アレイ若しくはチップの非存在下で、アダプターと連結し、ブロッキング核酸と接触させ、キャプチャー核酸と接触させ、コンペティター核酸と接触させ、精製及び/又はハイブリダイズする(例えば、変性及びアニーリングプロセスに付す)。
【0108】
その他の核酸方法
一部の実施形態では、本明細書の方法は、後のハイブリダイゼーション及び/又はキャプチャーのために混合物を調製するステップを含む。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の核酸ライブラリー(例えば、アンプリコン)の核酸を1つ若しくは複数のブロッキング核酸、1つ若しくは複数のキャプチャー核酸及び/又は1つ若しくは複数のコンペティター核酸と接触させるステップを含む方法で混合物を調製する。一部の実施形態では、変性させるステップ又はハイブリダイズするステップの前に混合物を調製する。本明細書に記載する方法により調製される混合物は、1つ若しくは複数の核酸ライブラリー(例えば、アンプリコン)、1つ若しくは複数のブロッキング核酸、1つ若しくは複数のキャプチャー核酸及び/又は1つ若しくは複数のコンペティター核酸を含み得る。本明細書に記載する方法により調製される混合物は、核酸のライブラリー、ブロッキング核酸及びキャプチャー核酸を含むか、又はそれから本質的に構成され得る。いくつかの実施形態では、調製混合物は、核酸のライブラリー、ブロッキング核酸、キャプチャー核酸及びコンペティター核酸を含むか、又はそれから本質的に構成される。核酸から本質的に構成される調製混合物は、水、EDTA、PEG、NaCl及び/又はバッファー(例えば、トリス若しくはHEPES)を含有し得る。一部の実施形態では、核酸から本質的に構成される混合物は、ハイブリダイゼーションバッファーを含まない。いくつかの実施形態では、核酸の混合物を調製する方法は、ハイブリダイゼーションバッファーを添加するステップを含まない。いくつかの実施形態では、核酸から本質的に構成される調製混合物は、カルシウム又はマグネシウム塩を含有しない。一部の実施形態では、調製される核酸の混合物は、カルシウム又はマグネシウム塩、デタージェント(例えば、SDS)、フィコール(Ficoll)、BSA、又はポリビニルピロリドンを含有しない。一部の実施形態では、核酸から本質的に構成される混合物は、デタージェント(例えば、SDS)、フィコール(Ficoll)、BSA、又はポリビニルピロリドンを含有しない。
【0109】
一部の実施形態では、本明細書に記載する通りに混合物を調製し、この混合物は、混合物の核酸を精製するまで加熱されない。例えば、混合物からの核酸の精製前及び/又は混合物の核酸を精製するまで、約70℃、75℃、80℃、85℃、90℃を超える温度、又は95℃を超える温度に混合物を加熱しない。
【0110】
遺伝的変異及び病状
本明細書に記載の組成物又は方法を用いて、遺伝的変異の存在又は非存在を決定することができる。遺伝的変異は、一般に、特定の個体に存在する特定の遺伝的表現型であり、多くの場合、遺伝的変異は、統計的に有意な個体の亜集団に存在する。一部の実施形態では、遺伝的変異は、染色体異常(例えば、異数性、1つ又は複数の染色体の重複、1つ又は複数の染色体の欠失)、部分的染色体異常又はモザイク現象(例えば、1染色体の1つ又は複数のセグメントの欠失又は獲得)、転位若しくは逆位である。遺伝的変異の非限定的例として、1つ又は複数の欠失、重複、挿入、突然変異、多型(例えば、一塩基多型)、融合、反復配列(例えば、短いタンデム反復配列)など、及びそれらの組合せが挙げられる。挿入、反復、欠失、重複、突然変異又は多型は、いずれの長さでもよく、一部の実施形態では、約1塩基又は塩基対(bp)〜約250メガ塩基対(Mb)の長さである。一部の実施形態では、挿入、反復、欠失、重複、突然変異又は多型は、約1塩基又は塩基対(bp)〜約50,000キロベース(kb)長(例えば、約10bp、50bp、100bp、500bp、1kb、5kb、10kb、50kb、100kb、500kb、1000kb、5000kb又は10,000kb長)である。
【0111】
いくつかの実施形態では、ある対象について存在又は非存在が認められる遺伝的変異は、病状と関連する場合がある。病状の非限定的例として、知的障害に関連するもの(例えば、ダウン症候群)、異常な細胞増殖(例えば、癌)、非ホジキンリンパ腫、骨髄異形成症候群、ウィリアムズ症候群(William’s syndrome)、ランガー・ギデオン症候群(Langer−Giedon syndrome)、アルフィ症候群(Alfi’s syndrome)、ルトア症候群(Rethore syndrome)、ヤコブセン症候群(Jacobsen syndrome)、網膜芽細胞腫、スミス・マゲニス(Smith−Magenis)症候群、エドワーズ症候群(Edwards Syndrome)、乳頭状腎細胞癌、ディ・ジョージ症候群(DiGeorge syndrome)、アンジェルマン症候群(Angelman syndrome)、猫眼症候群(Cat−Eye Syndrome)、家族性大腸腺腫症、ミラー・ディカー症候群(Miller−Dieker syndrome)、微生物核酸(例えば、ウイルス、細菌、真菌、酵母)の存在並びに子癇前症が挙げられる。
【実施例】
【0112】
以下に記載する実施例は、いくつかの実施形態を例示するものであり、本技術を限定するわけではない。
【0113】
実施例1:効率、費用低減、及びデータ品質向上のためのハイブリダイゼーションキャプチャーワークフローにおけるワークフローの進歩
本明細書に例示する新規の改良された方法は、下記の利点をもたらした。
1.磁気ビーズによるゼロ体積濃度を用いた、反応混合物の真空及び熱による濃縮の回避
2.反応速度増大のためのDNAベイトの濃縮
3.ワークフロー改善のための短い核酸の濃縮
4.完了したハイブリダイゼーション反応物の変性
5.効率的且つ自動化可能なストレプトアビジンビーズ操作。
【0114】
ハイブリダイゼーションキャプチャーアッセイの従来のプロトコル(例えば、Roche−NimbleGen SeqCap EZ Library SR User’s Guide、2014年8月20日、http://www.nimblegen.com/products/lit/06588786001_SeqCapEZLibrarySR_UGuide_v4p2.pdfでアクセスしたウェブサイトpdfドキュメント)は、ハイスループット遺伝子試験方法と全く適合しない多くの操作を必要とした。本明細書で提供されるプロトコルは、費用を低減しながら、効率及びデータ品質の著しい向上を達成した。
【0115】
従来のハイブリダイゼーション反応のセットアップは、3つの成分(DNAライブラリー、ブロッキングオリゴヌクレオチド、及びヒトCot−1DNA)を組み合わせた後、真空下で加熱しながら開放チューブの同時遠心分離により全液体を除去するための蒸発ステップ(当業者には、「Speed−vac」として周知である)を必要とする。蒸発ステップは、部分的に、ハイブリダイゼーションバッファーを高濃度で添加しなければならず、初期3成分のさらなる希釈は許容できないことから必要であった。蒸発ステップは、とりわけ低速(>1時間)であり、相互汚染を起こしやすいため、一般にハイスループット処理と適合性ではなかった。
【0116】
新規のハイブリダイゼーション方法の説明については、以下の表1を参照されたい。
【0117】
【表1】
【0118】
本明細書に記載する新規方法の第1の態様は、核酸に非特異的に結合することができる磁気ビーズの使用を取り入れ、核酸材料を磁気ビーズ「ペレット」上で急速に濃縮し、これを適切な濃度のハイブリダイゼーションバッファーに再懸濁させた。この改良されたプロセスは、少ない最終量中に同じ量のベイトを維持するため、全成分の濃度を維持しながら、反応速度を向上させた。
【0119】
本明細書に記載する新規方法の第2の態様は、濃縮反応物中にビオチン化DNAキャプチャーベイトを含有させた。
【0120】
新規方法の第3の態様は、短い一本鎖DNAベイト、及び短い一本鎖ブロッキングオリゴ(より長い二本鎖ライブラリー、及びCot−1DNAに加えて)の効率的な精製を確実にするための精製条件の改変を含んだ。ビーズ2部:反応物1部の改変された比(製造者は1.8:1を推奨)で、濃縮のためにAMPureXPビーズを使用したところ、より効果的な短い核酸の結合が達成された(典型的には、1.8:1比により取り出した)。
【0121】
新規方法の第4の態様は、全成分が存在するその完全なフォーマットでの反応混合物の変性を含んだ。従来のプロトコルは、DNA、Cot−1及びブロッキングオリゴを95℃で変性させた後、プレートの開封/開放により、ビオチン化DNAベイトのさらなる転移を可能にすることを推奨した。本明細書に提示される新規方法から得られた結果は、濃縮反応物中のベイトの含有(前述の第2の態様)以外に、ベイトを含む全反応混合物を95℃で変性させることができることを示しており、その後、ハイブリダイゼーション温度(47℃)への急傾斜を実施する。驚くことに、この方法は、ブロッキング効率全体の損失を引き起こさず、且つキャプチャーハイブリダイゼーションの効率の低下をもたらさなかった。それどころか、この方法は、キャプチャーされたライブラリー核酸の収率増加をもたらした。これは、効率的でないサーモサイクラによる様々な相互作用を排除すると共に、患者サンプルのプレートの開封によって生じる相互汚染の高いリスクを排除したことから、顕著なワークフローの向上をもたらした。
【0122】
新規方法の第5の態様は、ストレプトアビジンキャプチャービーズ及びビオチン化ベイトを用いたライブラリーの核酸のキャプチャーをさらに改善した。従来のプロトコルは、ビーズのペレットを残して、ストレプトアビジンビーズから上清を除去する必要があり、このペレットは、ライブラリーの核酸を含むハイブリダイゼーション反応物(10〜15μl)を用いて再懸濁させなければならない。このプロセスは、多量のストレプトアビジンビーズを比較的少量に再懸濁させるため、問題があり、困難である。従来のプロセスに関連する問題を解決して、自動化を可能にするために、ストレプトアビジンビーズのペレットは、10μlのハイブリダイゼーションバッファーに再懸濁させた(例えば、激しいボルテックス及びピペット操作により)後、10〜15μlのハイブリダイゼーション反応物に添加した。これによって最終反応のバッファー組成物を維持し、完全な自動化が可能になった。
【0123】
全体として、本明細書に提示される新規の方法は、従来のプロトコルに必要なものより短い(例えば、少なくとも2日短い)時間で完了し、必要なステップが低減され、且つサンプルの取り扱いが減少し、意外にも、より高い品質データ(従来のプロトコルを用いた70〜80%に対してパーセントで>90%の目標)をもたらし、完全且つ効率的な自動化を可能にすると共に、患者のDNAサンプルのより安全な処理をもたらした。さらに、DNAライブラリーは、ライブラリーの核酸の分解をもたらし得る長時間にわたる熱(例えば、speed−vac乾燥からの)並びに長いハイブリダイゼーション時間を被ることがなかった。
【0124】
実施例2:実施形態の例
以下に記載する実施例は、いくつかの実施形態を例示するものであり、本技術を限定するものではない。
【0125】
A1. 大規模並列核酸シーケンシングで使用するための組成物において、
a)1つ又は複数のサンプルから得られる複数のライブラリーインサートと少なくとも8つの識別可能な核酸バーコードとを含む核酸のライブラリーであって、各核酸バーコードが第1の末端及び第2の末端を含み、ライブラリーの各核酸が、(i)ライブラリーインサートの少なくとも1つ、(ii)第1の非ネイティブ核酸、(iii)第2の非ネイティブ核酸、及び(iv)2つ以下の識別可能な核酸バーコードを含み、
第1の非ネイティブ核酸及び第2の非ネイティブ核酸が少なくとも1つのライブラリーインサートの反対側に位置し、且つ
第1の非ネイティブ核酸及び/又は第2の非ネイティブ核酸が2つ以下の識別可能な核酸バーコードを含む、核酸のライブラリー;及び
b)4つ以下のUブロック核酸であって、(i)Uブロック核酸の各々が第1及び/又は第2の非ネイティブ核酸の部分と実質的に相補的であり、(ii)Uブロック核酸の少なくとも1つが、識別可能な核酸バーコードの各々の第1の末端に隣接してハイブリダイズするように立体配置されており、(iii)Uブロック核酸の少なくとも1つが、識別可能な核酸バーコードの各々の第2の末端に隣接してハイブリダイズするように立体配置されており、且つ(iv)Uブロック核酸の各々が、少なくとも8つの識別可能な核酸バーコードの部分と実質的にハイブリダイズしない、4つ以下のUブロック核酸
を含む、組成物。
【0126】
A2. 1つ又は複数のキャプチャー核酸を含み、
(i)キャプチャー核酸が結合ペアのメンバーを含み、及び
(ii)キャプチャー核酸の各々が、1つ又は複数のライブラリーインサートのサブセットと特異的にハイブリダイズするように立体配置されている、実施形態A1に記載の組成物。
【0127】
A3. 1つ又は複数のサンプルが1つ又は複数の種から得られる、実施形態A1又はA2に記載の組成物。
【0128】
A3.1. 4つ以上のサンプルを含む、実施形態A1〜A3のいずれか1つに記載の組成物。
【0129】
A3.2. 8つ以上のサンプルを含む、実施形態A1〜A3のいずれか1つに記載の組成物。
【0130】
A4. 第1及び第2の非ネイティブ核酸が1つ又は複数の種のゲノムに対して内因性ではない、実施形態A3〜A3.2のいずれか1つに記載の組成物。
【0131】
A5. 1つ又は複数のサンプルが1つ又は複数の組織から得られる、実施形態A1〜A4のいずれか1つに記載の組成物。
【0132】
A6. 1つ又は複数のサンプルが1つ又は複数の哺乳動物から得られる、実施形態A1〜A4のいずれか1つに記載の組成物。
【0133】
A7. 1つ又は複数の哺乳動物がヒトである、実施形態A6に記載の組成物。
【0134】
A8. 第1及び第2の非ネイティブ核酸が1つ又は複数の哺乳動物のゲノムに対して内因性ではない、実施形態A6又はA7に記載の組成物。
【0135】
A9. 10以上の識別可能な核酸バーコードを含む、実施形態A1〜A8のいずれか1つに記載の組成物。
【0136】
A10. 1つ又は複数のライブラリーインサートが8つ以上のサンプルから得られる、実施形態A1〜A9のいずれか1つに記載の組成物。
【0137】
A11. ライブラリーの各核酸が識別可能な核酸バーコードの2つを含む、実施形態A1〜A10のいずれか1つに記載の組成物。
【0138】
A12. 第1の非ネイティブ核酸が第1の識別可能な核酸バーコードを含み、且つ第2の非ネイティブ核酸が第2の識別可能な核酸バーコードを含む、実施形態A11に記載の組成物。
【0139】
A13. Uブロック核酸の各々が、ポリメラーゼによる伸長を阻止するように立体配置されている、実施形態A12に記載の組成物。
【0140】
A14. 第1及び第2の非ネイティブ核酸が合成核酸である、実施形態A1〜A13のいずれか1つに記載の組成物。
【0141】
A15. 第1及び第2の非ネイティブ核酸が実質的に同一ではない、実施形態A1〜A14のいずれか1つに記載の組成物。
【0142】
A16. 第1及び第2の非ネイティブ核酸がアダプター核酸を含む、実施形態A1〜A15のいずれか1つに記載の組成物。
【0143】
A17. 1〜4つのUブロック核酸が10〜40ヌクレオチドの長さを含む、実施形態A1〜A16のいずれか1つに記載の組成物。
【0144】
A18. 4つ以下のUブロック核酸が10〜30ヌクレオチドの長さを含む、実施形態A1〜A17のいずれか1つに記載の組成物。
【0145】
A19. 4つ以下のUブロック核酸が10〜20ヌクレオチドの長さを含む、実施形態A1〜A18のいずれか1つに記載の組成物。
【0146】
A20. 4つ以下のUブロック核酸がロックド核酸を含む、実施形態A1〜A19のいずれか1つに記載の組成物。
【0147】
A21. 4つ以下のUブロック核酸が架橋核酸を含む、実施形態A1〜A20のいずれか1つに記載の組成物。
【0148】
A22. 4つ以下のUブロック核酸が約65℃〜約90℃の融解温度を含む、実施形態A1〜A21のいずれか1つに記載の組成物。
【0149】
A23. 4つ以下のUブロック核酸が少なくとも65℃の融解温度を含む、実施形態A1〜A22のいずれか1つに記載の組成物。
【0150】
A24. 4つ以下のUブロック核酸が少なくとも75℃の融解温度を含む、実施形態A1〜A22のいずれか1つに記載の組成物。
【0151】
A25. 4つのUブロック核酸を含む、実施形態A1〜A24のいずれか1つに記載の組成物。
【0152】
A26. 第1の非ネイティブ核酸が、少なくとも8つの識別可能な核酸バーコードの1つ、第1のUブロック核酸と実質的に相補的な部分、及び第2のUブロック核酸と実質的に相補的な部分を含み、第1のUブロック核酸が、1つの識別可能な核酸バーコードの第1の末端に隣接してハイブリダイズするように立体配置され、且つ第2のUブロック核酸が、1つの識別可能な核酸バーコードの第2の末端に隣接してハイブリダイズするように立体配置されている、実施形態A1〜A25のいずれか1つに記載の組成物。
【0153】
A27. 第2の非ネイティブ核酸が、少なくとも8つの識別可能な核酸バーコードの1つ、第3のUブロック核酸と実質的に相補的な部分、及び第4のUブロック核酸と実質的に相補的な部分を含み、第3のUブロック核酸が、1つの識別可能な核酸バーコードの第1の末端に隣接してハイブリダイズするように立体配置され、且つ第4のUブロック核酸が、1つの識別可能な核酸バーコードの第2の末端に隣接してハイブリダイズするように立体配置されている、実施形態A1〜A26のいずれか1つに記載の組成物。
【0154】
A28. 4つ以下のUブロック核酸が少なくとも8つの識別可能な核酸バーコードと実質的に相補的ではない、実施形態A1〜A27のいずれか1つに記載の組成物。
【0155】
A29. コンペティター核酸を含む、実施形態A1〜A28のいずれか1つに記載の組成物。
【0156】
A29.1. コンペティター核酸が胎盤由来の核酸を含む、実施形態A29に記載の組成物。
【0157】
A30. コンペティター核酸が反復核酸を含む、実施形態A29に記載の組成物。
【0158】
A31. 反復核酸がヒト由来である、実施形態A30に記載の組成物。
【0159】
A32. コンペティター核酸が少なくとも60%の反復核酸を含む、実施形態A30に記載の組成物。
【0160】
A33. コンペティター核酸が合成反復核酸を含む、実施形態A30に記載の組成物。
【0161】
A34. コンペティター核酸がC0t−1核酸を含む、実施形態A29に記載の組成物。
【0162】
A35. 結合ペアのメンバーがビオチン、抗原、ハプテン、抗体又はそれらの部分を含む、実施形態A2〜34のいずれか1つに記載の組成物。
【0163】
A36. 結合ペアのメンバーがビオチンを含む、実施形態A35に記載の組成物。
【0164】
A37. 結合ペアのメンバーがDNA結合タンパク質認識配列又はその部分を含む、実施形態A35に記載の組成物。
【0165】
A38. 4つ以下のUブロック核酸が一本鎖である、実施形態A1〜A37のいずれか1つに記載の組成物。
【0166】
A39. 4つ以下のUブロック核酸が鎖ターミネータを含む、実施形態A1〜A38のいずれか1つに記載の組成物。
【0167】
A40. 4つ以下のUブロック核酸が逆向き反復配列を含む、実施形態A1〜A39のいずれか1つに記載の組成物。
【0168】
A41. 核酸のライブラリーが一本鎖核酸を含む、実施形態A1〜A40のいずれか1つに記載の組成物。
【0169】
A42. 核酸のライブラリーがアンプリコンを含む、実施形態A1〜A41のいずれか1つに記載の組成物。
【0170】
A43. 複数のライブラリーインサートがゲノム核酸を含む、実施形態A1〜A42のいずれか1つに記載の組成物。
【0171】
A44. 4つ以下のUブロック核酸が変性ヌクレオチド塩基を含まない、実施形態A1〜A43のいずれか1つに記載の組成物。
【0172】
A45. 変性ヌクレオチド塩基が3−ニトロピロール、5−ニトロインドール、その類似体又は誘導体である、実施形態A44に記載の組成物。
【0173】
A46. 変性ヌクレオチド塩基がイノシン、2’−デオキシイノシン、その類似体又は誘導体である、実施形態A45に記載の組成物。
【0174】
A47. 第1、第2、第3及び第4のUブロック核酸を含み、第1及び第2のUブロック核酸が第1の非ネイティブ核酸の部分と実質的に相補的であり、且つ第3及び第4のUブロック核酸が第2の非ネイティブ核酸の部分と実質的に相補的である、実施形態A1〜A46のいずれか1つに記載の組成物。
【0175】
A48. 4つ以下のUブロック核酸が実質的に異なる核酸配列を含む、実施形態A1〜A47のいずれか1つに記載の組成物。
【0176】
B1. 核酸ライブラリーを解析する方法であって、
a)1つ又は複数のサンプルから得た複数のライブラリーインサートと、少なくとも8つの識別可能な核酸バーコードとを含む核酸のライブラリーを得るステップであって、各核酸バーコードが第1の末端及び第2の末端を含み、且つライブラリーの各核酸が、(i)少なくとも1つのライブラリーインサート、(ii)第1の非ネイティブ核酸、(iii)第2の非ネイティブ核酸、及び(iv)2つ以下の識別可能な核酸バーコードを含み、
第1の非ネイティブ核酸及び第2の非ネイティブ核酸が少なくとも1つのライブラリーインサートの反対側に位置し、且つ
第1の非ネイティブ核酸及び/又は第2の非ネイティブ核酸が2つ以下の識別可能な核酸バーコードを含む、ステップ;
b)核酸のライブラリーを4つ以下のUブロック核酸と接触させるステップを含む、第1の混合物を調製するステップであって、Uブロック核酸の各々が、第1及び/又は第2の非ネイティブ核酸の部分と実質的に相補的であり、Uブロック核酸の少なくとも1つが、識別可能な核酸バーコードの各々の第1の末端に隣接してハイブリダイズするように立体配置されており、且つUブロック核酸の少なくとも1つが、識別可能な核酸バーコードの各々の第2の末端に隣接してハイブリダイズするように立体配置されている、ステップ;
c)第1の混合物を1つ又は複数のキャプチャー核酸と接触させることを含む、第2の混合物を調製するステップであって、
(i)キャプチャー核酸が結合ペアの第1のメンバーを含み、及び
(ii)キャプチャー核酸の各々が、1つ又は複数のライブラリーインサートのサブセットと特異的にハイブリダイズするように立体配置されている、ステップ;
d)第2の混合物を結合ペアの第2のメンバーと接触させ、それにより、単離された核酸を取得するステップ;
e)単離された核酸を増幅条件下でプライマーのセットと接触させ、それにより、アンプリコンを取得するステップ;及び
f)アンプリコンを解析するステップ
を含む、方法。
【0177】
B2. 1つ又は複数のサンプルが1つ又は複数の種から得られる、実施形態B1に記載の方法。
【0178】
B3. ライブラリーインサートが4つ以上のサンプルから得られる、実施形態B2に記載の方法。
【0179】
B4. ライブラリーインサートが8つ以上のサンプルから得られる、実施形態B2に記載の方法。
【0180】
B5. 1つ又は複数のサンプルが1つ又は複数の組織から得られる、実施形態B1〜B4のいずれか1つに記載の方法。
【0181】
B6. 1つ又は複数のサンプルが1つ又は複数の哺乳動物から得られる、実施形態B1〜B5のいずれか1つに記載の方法。
【0182】
B7. 1つ又は複数の哺乳動物がヒトである、実施形態B6に記載の方法。
【0183】
B8. 第1及び第2の非ネイティブ核酸が1つ又は複数の哺乳動物のゲノムに対して内因性ではない、実施形態B6又はB7に記載の方法。
【0184】
B9. インサートのライブラリーが10以上の識別可能な核酸バーコードを含む、実施形態B1〜B8のいずれか1つに記載の方法。
【0185】
B10. 第1の非ネイティブ核酸が第1の識別可能な核酸バーコードを含み、且つ第2の非ネイティブ核酸が第2の識別可能な核酸バーコードを含む、実施形態B1〜B9のいずれか1つに記載の方法。
【0186】
B11. ライブラリーの各核酸が識別可能な核酸バーコードの2つを含む、実施形態B1〜B10のいずれか1つに記載の方法。
【0187】
B12. Uブロック核酸の各々が、ポリメラーゼによる伸長を阻止するように立体配置されている、実施形態B1〜B11のいずれか1つに記載の方法。
【0188】
B13. 第1及び第2の非ネイティブ核酸が合成核酸である、実施形態B1〜B12のいずれか1つに記載の方法。
【0189】
B14. 第1及び第2の非ネイティブ核酸が実質的に同一ではない、実施形態B1〜B13のいずれか1つに記載の方法。
【0190】
B15. 第1及び第2の非ネイティブ核酸がアダプター核酸を含む、実施形態B1〜B14のいずれか1つに記載の方法。
【0191】
B16. 1〜4つのUブロック核酸が10〜40ヌクレオチドの長さを含む、実施形態B1〜B15のいずれか1つに記載の方法。
【0192】
B17. 4つ以下のUブロック核酸が10〜30ヌクレオチドの長さを含む、実施形態B1〜B16のいずれか1つに記載の方法。
【0193】
B18. 4つ以下のUブロック核酸が10〜20ヌクレオチド長さを含む、実施形態B1〜B17のいずれか1つに記載の方法。
【0194】
B19. 4つ以下のUブロック核酸がロックド核酸を含む、実施形態B1〜B18のいずれか1つに記載の方法。
【0195】
B20. 4つ以下のUブロック核酸が架橋核酸を含む、実施形態B1〜B19のいずれか1つに記載の方法。
【0196】
B21. 4つ以下のUブロック核酸が少なくとも65℃の融解温度を含む、実施形態B1〜B20のいずれか1つに記載の方法。
【0197】
B22. 4つ以下のUブロック核酸が少なくとも75℃の融解温度を含む、実施形態B1〜B21のいずれか1つに記載の方法。
【0198】
B23. 4つ以下のUブロック核酸が約65℃〜約90℃の融解温度を含む、実施形態B1〜B22のいずれか1つに記載の方法。
【0199】
B24. 第1の非ネイティブ核酸が、少なくとも8つの識別可能な核酸バーコードの1つ、第1のUブロック核酸と実質的に相補的な部分、及び第2のUブロック核酸と実質的に相補的な部分を含み、第1のUブロック核酸が、1つの識別可能な核酸バーコードの第1の末端に隣接してハイブリダイズするように立体配置されており、且つ第2のUブロック核酸が、1つの識別可能な核酸バーコードの第2の末端に隣接してハイブリダイズするように立体配置されている、実施形態B1〜B23のいずれか1つに記載の方法。
【0200】
B25. 第2の非ネイティブ核酸が、少なくとも8つの識別可能な核酸バーコードの1つ、第3のUブロック核酸と実質的に相補的な部分、及び第4のUブロック核酸と実質的に相補的な部分を含み、第3のUブロック核酸が、1つの識別可能な核酸バーコードの第1の末端に隣接してハイブリダイズするように立体配置されており、且つ第4のUブロック核酸が、1つの識別可能な核酸バーコードの第2の末端に隣接してハイブリダイズするように立体配置されている、実施形態B1〜B24のいずれか1つに記載の方法。
【0201】
B26. 4つ以下のUブロック核酸が少なくとも8つの識別可能な核酸バーコードと実質的に相補的ではない、実施形態B1〜B25のいずれか1つに記載の方法。
【0202】
B27. 4つ以下のUブロック核酸が少なくとも8つの識別可能な核酸バーコードの部分と特異的にハイブリダイズしない、実施形態B26に記載の方法。
【0203】
B28. c)の前に第1の混合物をコンペティター核酸と接触させるステップを含む、実施形態B1〜B27のいずれか1つに記載の方法。
【0204】
B28.1. コンペティター核酸が胎盤由来の核酸を含む、実施形態B28に記載の方法。
【0205】
B29. コンペティター核酸が反復核酸を含む、実施形態B28又はB28.1に記載の方法。
【0206】
B30. 反復核酸がヒト由来である、実施形態B29に記載の方法。
【0207】
B31. コンペティター核酸が少なくとも60%の反復核酸を含む、実施形態B29に記載の方法。
【0208】
B32. コンペティター核酸が合成核酸を含む、実施形態B1に記載の方法。
【0209】
B33. コンペティター核酸がC0t−1核酸を含む、実施形態B1に記載の方法。
【0210】
B34. 結合ペアの第1のメンバーがビオチン、抗原、ハプテン、抗体又はそれらの部分を含む、実施形態B1に記載の方法。
【0211】
B35. 結合ペアの第1のメンバーがビオチンを含む、実施形態B34に記載の方法。
【0212】
B36. 結合ペアの第1のメンバーがDNA結合タンパク質認識配列又はその部分を含む、実施形態B1に記載の方法。
【0213】
B37. 4つ以下のUブロック核酸が一本鎖である、実施形態B1〜B36のいずれか1つに記載の方法。
【0214】
B38. 4つ以下のUブロック核酸が鎖ターミネータを含む、実施形態B1〜B37のいずれか1つに記載の方法。
【0215】
B39. 4つ以下のUブロック核酸が逆向き反復配列を含む、実施形態B1〜B38のいずれか1つに記載の方法。
【0216】
B40. 核酸のライブラリーが一本鎖核酸を含む、実施形態B1〜B39のいずれか1つに記載の方法。
【0217】
B41. 核酸のライブラリーがアンプリコンを含む、実施形態B1〜B40のいずれか1つに記載の方法。
【0218】
B42. 複数のライブラリーインサートがゲノム核酸を含む、実施形態B1〜B41のいずれか1つに記載の方法。
【0219】
B43. 4つ以下のUブロック核酸が変性ヌクレオチド塩基を含まない、実施形態B1〜B42のいずれか1つに記載の方法。
【0220】
B44. 変性ヌクレオチド塩基が3−ニトロピロール、5−ニトロインドール、その類似体又は誘導体である、実施形態B43に記載の方法。
【0221】
B45. 変性ヌクレオチド塩基がイノシン、2’−デオキシイノシン、その類似体又は誘導体である、実施形態B43に記載の方法。
【0222】
B46. 結合ペアの第1のメンバーがビオチン、抗原、ハプテン、抗体又はそれらの部分を含む、実施形態B1に記載の方法。
【0223】
B47. 結合ペアの第1のメンバーがビオチンを含む、実施形態B1に記載の方法。
【0224】
B48. 結合ペアの第1のメンバーがDNA結合タンパク質認識配列又はその部分を含む、実施形態B1に記載の方法。
【0225】
B49. 単離された核酸をハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするステップを含む、実施形態B1〜B48のいずれか1つに記載の方法。
【0226】
B50. 増幅条件が熱安定性ポリメラーゼを含む、実施形態B1に記載の方法。
【0227】
B51. 増幅条件がポリメラーゼ連鎖反応を含む、実施形態B1に記載の方法。
【0228】
B52. キャプチャー核酸が、エキソンの部分と特異的にハイブリダイズするように立体配置されている、実施形態B1に記載の方法。
【0229】
B53. キャプチャー核酸が、染色体の部分と特異的にハイブリダイズするように立体配置されている、実施形態B1に記載の方法。
【0230】
B54. 結合ペアの第2のメンバーがアビジン、プロテインA、プロテインG、抗体、又はその結合部分を含む、実施形態B1に記載の方法。
【0231】
B55. 結合ペアの第2のメンバーがアビジン又はその部分を含む、実施形態B1に記載の方法。
【0232】
B56. 結合ペアの第2のメンバーが支持体を含む、実施形態B1に記載の方法。
【0233】
B57. 支持体が磁気化合物を含む、実施形態B56に記載の方法。
【0234】
B58. 支持体がビーズを含む、実施形態B56に記載の方法。
【0235】
B59. 支持体がポリスチレン、ポリカーボネート又はアガロースを含む、実施形態B56に記載の方法。
【0236】
B60. 支持体が磁気ビーズを含む、実施形態B56に記載の方法。
【0237】
B61. (d)の接触させるステップが遠心分離を含む、実施形態B1に記載の方法。
【0238】
B62. (d)の接触させるステップが磁石の使用を含む、実施形態B1に記載の方法。
【0239】
B63. 解析するステップが、配列リードを取得するステップを含む、実施形態B1に記載の方法。
【0240】
B64. 配列リードが、大規模並列シーケンシングを含む方法によって得られる、実施形態B63に記載の方法。
【0241】
B65. 配列リードが、両端対シーケンシングを含む方法によって得られる、実施形態B63に記載の方法。
【0242】
B66. 4つ以下のUブロック核酸が第1、第2、第3及び第4のUブロック核酸を含み、第1及び第2のUブロック核酸が第1の非ネイティブ核酸の部分と実質的に相補的であり、且つ第3及び第4のUブロック核酸が第2の非ネイティブ核酸の部分と実質的に相補的である、実施形態B1〜B65のいずれか1つに記載の方法。
【0243】
B67. 4つ以下のUブロック核酸が実質的に異なる核酸配列を含む、実施形態B1〜B66のいずれか1つに記載の方法。
【0244】
C1. 核酸ライブラリーを解析する方法であって、
a)アンプリコンの第1のセットを含む核酸のライブラリーを得るステップであって、各アンプリコンが、第1の非ネイティブ核酸及び第2の非ネイティブ核酸、1つ又は複数の識別可能な識別子、並びに1つ又は複数のサンプルのうちの1つから得られたライブラリーインサートを含み、ライブラリーインサートが第1及び第2の非ネイティブ核酸の間に位置する、ステップ;
b)1つ又は複数のブロッキング核酸及びキャプチャー核酸と、核酸のライブラリーとを含有する混合物を調製するステップであって、
(i)1つ又は複数のブロッキング核酸が、第1及び第2の非ネイティブ核酸の部分と特異的にハイブリダイズするように立体配置され、
(ii)キャプチャー核酸が結合ペアの第1のメンバーを含み、及び
(iii)キャプチャー核酸が、第1のセットのアンプリコンのサブセットと特異的にハイブリダイズするように立体配置されている、ステップ;
c)混合物を精製し、それにより、精製済み核酸を取得するステップであって、精製済み核酸が核酸のライブラリー、1つ又は複数のブロッキング核酸、及びキャプチャー核酸を含む、ステップ;
d)精製済み核酸をハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするステップ;
e)キャプチャー核酸をキャプチャーし、それにより、キャプチャーされた核酸を取得するステップ;
f)キャプチャーされた核酸を増幅条件下でプライマーのセットと接触させ、それにより、アンプリコンの第2のセットを取得するステップ;及び
g)アンプリコンの第2のセットを解析するステップ
を含む、方法。
【0245】
C2. 1つ又は複数のサンプルがヒトから得られる、実施形態C1に記載の方法。
【0246】
C3. 第1の核酸及び第2の核酸がヒトに対して内因性ではない、実施形態C2に記載の方法。
【0247】
C4. 1つ又は複数のサンプルが乳房組織、結腸組織、膵臓組織、胎盤、又は上皮組織から得られる、実施形態C1〜C3のいずれか1つに記載の方法。
【0248】
C5. 1つ又は複数のサンプルが血液から得られる、実施形態C1〜C3のいずれか1つに記載の方法。
【0249】
C6. 1つ又は複数のサンプルが循環血液細胞から得られる、実施形態C5に記載の方法。
【0250】
C7. ヒトが胎児である、実施形態C2〜C6のいずれか1つに記載の方法。
【0251】
C8. 1つ又は複数のサンプルが循環無細胞核酸を含む、実施形態C5に記載の方法。
【0252】
C9. 増幅条件が熱安定性ポリメラーゼを含む、実施形態C1〜C8のいずれか1つに記載の方法。
【0253】
C10. 増幅条件がポリメラーゼ連鎖反応を含む、実施形態C1〜C9のいずれか1つに記載の方法。
【0254】
C11. (b)の調製ステップが、ライブラリーの核酸をコンペティター核酸と接触させるステップを含む、実施形態C1〜C10のいずれか1つに記載の方法。
【0255】
C12. コンペティター核酸が胎盤由来の核酸を含む、実施形態C11に記載の方法。
【0256】
C13. コンペティター核酸が反復核酸を含む、実施形態C11に記載の方法。
【0257】
C14. 反復核酸がヒトに由来する、実施形態C13に記載の方法。
【0258】
C15. コンペティター核酸が反復核酸の少なくとも60%以上を含む、実施形態C13に記載の方法。
【0259】
C16. コンペティター核酸が合成核酸を含む、実施形態C11に記載の方法。
【0260】
C17. コンペティター核酸がC0t−1核酸を含む、実施形態C11に記載の方法。
【0261】
C18. キャプチャー核酸が、ライブラリーインサートの部分と特異的にハイブリダイズするように立体配置されている、実施形態C1〜C17のいずれか1つに記載の方法。
【0262】
C19. 1つ又は複数のブロッキング核酸が、第1の非ネイティブ核酸及び/又は第2の非ネイティブ核酸の部分と特異的にハイブリダイズするように立体配置されている、実施形態C1〜C18のいずれか1つに記載の方法。
【0263】
C20. 1つ又は複数のブロッキング核酸が、ポリメラーゼによるブロッキング核酸の伸長を妨げるように立体配置されている、実施形態C1〜C18のいずれか1つに記載の方法。
【0264】
C21. 1つ又は複数のブロッキング核酸が鎖ターミネータを含む、実施形態C1〜C20のいずれか1つに記載の方法。
【0265】
C22. 1つ又は複数のブロッキング核酸が逆向き反復配列を含む、実施形態C1〜C21のいずれか1つに記載の方法。
【0266】
C23. キャプチャー核酸が、エキソンの部分と特異的にハイブリダイズするように立体配置されている、実施形態C1〜C22のいずれか1つに方法。
【0267】
C24. キャプチャー核酸が、染色体の部分と特異的にハイブリダイズするように立体配置されている、実施形態C1〜C23のいずれか1つに記載の方法。
【0268】
C25. キャプチャー核酸が、遺伝的変異を含むライブラリーインサートの部分と特異的にハイブリダイズするように立体配置されている、実施形態C24に記載の方法。
【0269】
C26. 結合ペアの第1のメンバーがビオチン、抗原、ハプテン、抗体又はそれらの部分を含む、実施形態C1〜C26のいずれか1つに記載の方法。
【0270】
C27. 結合ペアの第1のメンバーがビオチンを含む、実施形態C26に記載の方法。
【0271】
C28. 結合ペアの第1のメンバーがCNC結合タンパク質認識配列又はその部分を含む、実施形態C1〜C27のいずれか1つに記載の方法。
【0272】
C29. (e)のキャプチャーするステップが、混合物を結合ペアの第2のメンバーと接触させるステップを含む、実施形態C1〜C28のいずれか1つに記載の方法。
【0273】
C30. 結合ペアの第2のメンバーがアビジン、プロテインA、プロテインG、抗体、又はその結合部分を含む、実施形態C29に記載の方法。
【0274】
C31. 結合ペアの第2のメンバーがアビジン又はその部分を含む、実施形態C30に記載の方法。
【0275】
C32. 結合ペアの第2のメンバーが支持体を含む、実施形態C29〜C31のいずれか1つに記載の方法。
【0276】
C33. 支持体が磁気化合物を含む、実施形態C32に記載の方法。
【0277】
C34. 支持体がビーズを含む、実施形態C32に記載の方法。
【0278】
C35. 支持体がポリスチレン、ポリカーボネート又はアガロースを含む、実施形態C32に記載の方法。
【0279】
C36. 支持体が金属を含む、実施形態C32に記載の方法。
【0280】
C37. (e)のキャプチャーするステップが、遠心分離を含む方法により、キャプチャーされた核酸を回収するステップを含む、実施形態C1〜C36のいずれか1つに記載の方法。
【0281】
C38. (e)のキャプチャーするステップが、磁石の使用を含む方法により、キャプチャーされた核酸を回収するステップを含む、実施形態C1〜C37のいずれか1つに記載の方法。
【0282】
C39. ハイブリダイゼーション条件が変性させるステップを含む、実施形態C1〜C38のいずれか1つに記載の方法。
【0283】
C40. (d)のハイブリダイズするステップが、キャプチャーされた核酸を第1のセットのアンプリコンの1つ又は複数の部分とハイブリダイズするステップを含む、実施形態C1〜C39のいずれか1つに記載の方法。
【0284】
C41. ハイブリダイゼーション条件が、キャプチャーされた核酸を約25℃〜約70℃の温度でインキュベートするステップを含む、実施形態C1〜C40のいずれか1つに記載の方法。
【0285】
C42. インキュベートするステップが約35℃〜約60℃の温度で行われる、実施形態C41に記載の方法。
【0286】
C43. インキュベートするステップが約1時間〜約24時間の時間にわたって行われる、実施形態C41〜C42のいずれか1つに記載の方法。
【0287】
C44. インキュベートするステップが約12時間〜約20時間の時間にわたって行われる、実施形態C41〜C43のいずれか1つに記載の方法。
【0288】
C45. (d)のハイブリダイズするステップが、混合物をハイブリダイゼーションバッファーと接触させるステップを含む、実施形態C1〜C44のいずれか1つに記載の方法。
【0289】
C46. (d)のハイブリダイズするステップが、(i)混合物とハイブリダイゼーションバッファーとの接触、(ii)変性、及び(iii)ハイブリダイズの連続ステップを含む、実施形態C1〜C45のいずれか1つに記載の方法。
【0290】
C47. 乾燥ステップを含まない、実施形態C1〜C46のいずれか1つに記載の方法。
【0291】
C48. ハイブリダイゼーション条件がポリメラーゼを含まない、実施形態C1〜C47のいずれか1つに記載の方法。
【0292】
C49. 解析ステップが配列リードを取得するステップを含む、実施形態C1〜C48のいずれか1つに記載の方法。
【0293】
C50. 配列リードが、大規模並列シーケンシングを含む方法によって得られる、実施形態C49に記載の方法。
【0294】
C51. 配列リードが、両端対シーケンシングを含む方法によって得られる、実施形態C49に記載の方法。
【0295】
C52. 第1の非ネイティブ核酸が1つ又は複数の識別可能な識別子を含む、実施形態C1〜C51のいずれか1つに記載の方法。
【0296】
C53. 第2の非ネイティブ核酸が1つ又は複数の識別可能な識別子を含む、実施形態C1〜C52のいずれか1つに記載の方法。
【0297】
C54. 1つ又は複数の識別可能な識別子が核酸バーコードを含む、実施形態C1〜C53のいずれか1つに記載の方法。
【0298】
C55. 1つ又は複数のブロッキング核酸がロックド核酸を含む、実施形態C1〜C54のいずれか1つに記載の方法。
【0299】
C56. 1つ又は複数のブロッキング核酸が架橋核酸を含む、実施形態C1〜C55のいずれか1つに記載の方法。
【0300】
C57. (c)の前に変性ステップを含まない、実施形態C1〜C56のいずれか1つに記載の方法。
【0301】
C58. (d)の前に変性ステップを含まない、実施形態C1〜C57のいずれか1つに記載の方法。
【0302】
C59. (d)の前に80℃を超える温度への加熱ステップを含まない、実施形態C1〜C58のいずれか1つに記載の方法。
【0303】
C60. (d)の前に90℃を超える温度への加熱ステップを含まない、実施形態C1〜C59のいずれか1つに記載の方法。
【0304】
C61. キャプチャーされた核酸がライブラリーの核酸のサブセットを含む、実施形態C1〜C60のいずれか1つに記載の方法。
【0305】
C62. 1つ又は複数のサンプルが10以上のサンプルを含む、実施形態C1〜C61のいずれか1つに記載の方法。
【0306】
C63. 1つ又は複数の識別可能な識別子が10以上の識別可能な識別子から構成される、実施形態C1〜C62のいずれか1つに記載の方法。
【0307】
C64. 第1の核酸及び第2の核酸が合成核酸を含む、実施形態C1〜C63のいずれか1つに記載の方法。
【0308】
C65. ライブラリーインサートがゲノム核酸の部分を含む、実施形態C1〜C64のいずれか1つに記載の方法。
【0309】
C66. (c)の精製するステップが、結合ペアの第1のメンバーと結合するように立体配置された結合ペアの第2のメンバーの付加を含まない、実施形態C1〜C65のいずれか1つに記載の方法。
【0310】
C67. (c)の精製するステップが、核酸を支持体に非特異的に結合する方法を含む、実施形態C1に記載の方法。
【0311】
C68. (c)の精製するステップがアニオン交換樹脂の使用を含む、実施形態C1〜C67のいずれか1つに記載の方法。
【0312】
C69. (e)のキャプチャーするステップが、結合ペアの第1のメンバーと結合するように立体配置された結合ペアの第2のメンバーの付加を含む、実施形態C1〜C68のいずれか1つに記載の方法。
【0313】
C70. (e)の前に混合物をフローセル又はアレイの支持体に固定化しない、実施形態C1〜C69のいずれか1つに記載の方法。
【0314】
D1. ゲノムDNAライブラリーを解析する方法であって、
a)一本鎖アンプリコンの第1のセットを含むゲノムDNAライブラリーを得るステップであって、各アンプリコンが、第1の非ネイティブ核酸及び第2の非ネイティブ核酸、1つ又は2つの核酸バーコード、並びに10人以上のヒト対象のうちの1人のゲノムから得られたライブラリーインサートを含み、ライブラリーインサートが第1及び第2の非ネイティブ核酸の間に位置し、且つアンプリコンの第1のセットが10人以上のヒト対象からの複数のライブラリーインサートを含む、ステップ;
b)アンプリコンの第1のセットを1〜4つのブロッキング核酸、C0t−1DNA及びキャプチャー核酸と接触させるステップを含む、混合物を調製するステップであって、
(i)1〜4つのブロック核酸が、第1及び/又は第2の非ネイティブ核酸と特異的にハイブリダイズするように立体配置され、
(ii)1〜4つのブロッキング核酸がロックド核酸を含み、且つ10〜30ヌクレオチドの長さを含み、
(iii)キャプチャー核酸がビオチンを含み、及び
(iv)キャプチャー核酸が、複数のライブラリーインサートのサブセットと特異的にハイブリダイズするように立体配置されている、ステップ;
c)非特異的核酸と結合する支持体を含む磁気ビーズと混合物を接触させ、それにより、精製済み核酸を取得するステップであって、精製済み核酸がアンプリコンの第1のセット、1つ又は4つのブロッキング核酸、C0t−1DNA及びキャプチャー核酸を含む、ステップ;
d)精製済み核酸をハイブリダイズするステップであって、(i)混合物をハイブリダイゼーションバッファーと接触させ、(ii)精製済み核酸を少なくとも95℃で約10分間にわたって加熱し、且つ(iii)約40℃〜50℃で12〜20時間にわたってインキュベートすることにより、精製済み核酸をハイブリダイズする連続ステップを含む、ステップ;
e)キャプチャー核酸をキャプチャーするステップであって、キャプチャー核酸と特異的に結合するように立体配置されたアビジンコート磁気ビーズと精製済み核酸を接触させ、且つ磁石を用いて、キャプチャーされた核酸を固定化し、それにより、キャプチャーされた核酸を取得するステップを含む、ステップ;
f)キャプチャーされた核酸を増幅条件下でプライマーのセットと接触させ、それにより、アンプリコンの第2のセットを取得するステップ;及び
g)乾燥ステップを含まない、両端対シーケンシングを含む方法により、アンプリコンの第2のセットから配列リードを得るステップ
を含む、方法。
【0315】
本明細書で参照する各特許、特許出願、刊行物及び文献の全体は、参照により本明細書に組み込むものとする。上記の特許、特許出願、刊行物及び文献の引用は、前述したもののいずれかが従来技術に属することの承認ではなく、また、これらの刊行物又は文献の内容若しくは日付に関する何らの承認をなすものでもない。
【0316】
本技術の基本的態様から逸脱することなく、前述のものに改変を加えることができる。1つ又は複数の具体的な実施形態を参照しながら、本技術をかなり詳細に説明してきたが、当業者であれば、本出願に具体的に開示される実施形態に対する変更形態がなされ得、これらの改変形態及び改善形態が、依然として本技術の範囲及び趣旨の範囲内であることは認識されよう。
【0317】
本明細書に例示的に記載する技術は、本明細書に具体的に開示していない任意の要素の非存在下で実施することができる。従って、例えば、本明細書の事例の各々で、「含む」、「〜から本質的に構成される」、及び「〜から構成される」という用語の任意のものは、他の2つの用語のいずれとも置き換えることが可能である。使用してきた用語及び表現は、限定の用語ではなく、説明の用語として使用しており、こうした用語及び表現の使用は、図示及び記載する特徴又はその部分の任意の均等物を排除するものではなく、特許請求される技術の範囲内で多様な修正形態が可能である。「1つの(a)」又は「1つの(an)」という用語は、要素の1つ又は要素の2つ以上が記載されていることが文脈から明らかでない限り、それが修飾する要素の1つ又は複数を指し得る(例えば、「試薬」は、1つ又は複数の試薬を意味し得る)。本明細書で使用されるとき、「約」という用語は、基本的なパラメータの10%以内(すなわち、±10%)の値を指し、一続きの値の始めに位置する用語「約」の使用は、これらの値の各々を修飾する(すなわち、「約1、2及び3」は、約1、約2、及び約3を指す)。例えば、「約100グラム」の重量は、90グラム〜110グラムの重量を包含し得る。さらに、値の列記(例えば、約50%、60%、70%、80%、85%若しくは86%)が本明細書に記載される場合、この列記は、その全ての中間値及び小数値(例えば、54%、85.4%)を含む。従って、本技術は、代表的実施形態及び任意選択の特徴として具体的に開示されるが、本明細書に開示される概念の改変形態及び変形形態が当業者により講じられ得、こうした改変形態及び変形形態は本技術の範囲内にあるものと考慮される。
【0318】
本技術のいくつかの実施形態を以下に記載する。
(1)大規模並列核酸シーケンシングで使用するための組成物において、
a)複数のライブラリーインサートを含む核酸のライブラリーであって、前記ライブラリーの各核酸が、(i)4つ以上のサンプルのうちの1つから得られる少なくとも1つのライブラリーインサート、(ii)第1の非ネイティブ核酸、及び(iii)第2の非ネイティブ核酸を含み、前記第1の非ネイティブ核酸及び前記第2の非ネイティブ核酸が前記少なくとも1つのライブラリーインサートの両側に位置し、及び前記第1の非ネイティブ核酸が第1の識別可能な核酸バーコードを含み、且つ前記第2の非ネイティブ核酸が第2の識別可能な核酸バーコードを含み、前記第1及び第2の識別可能な核酸バーコードが前記4つ以上のサンプルのうちの前記1つにユニークである、核酸のライブラリー;及び
b)4つのUブロック核酸であって、(i)第1及び第2のUブロック核酸が、前記第1の識別可能な核酸バーコードの両側の前記第1の非ネイティブ核酸とハイブリダイズするように立体配置されており、且つ(ii)第3及び第4のUブロック核酸が、前記第2の識別可能な核酸バーコードの両側の前記第2の非ネイティブ核酸とハイブリダイズするように立体配置されており、且つ(iii)前記Uブロック核酸の各々が、前記第1又は第2の識別可能な核酸バーコードの部分と実質的にハイブリダイズしない、4つのUブロック核酸を含むことを特徴とする、組成物。
(2)前記核酸のライブラリーが少なくとも8つの識別可能な核酸バーコードを含むことを特徴とする、前記(1)に記載の組成物。
(3)前記少なくとも8つの識別可能な核酸バーコードの各々が前記ライブラリーの異なる核酸に存在することを特徴とする、(2)に記載の組成物。
(4)前記第1及び第2のUブロック核酸が前記第1の非ネイティブ核酸の部分と実質的に相補的であり、且つ前記第3及び第4のUブロック核酸が前記第2の非ネイティブ核酸の部分と実質的に相補的であることを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の組成物。
(5)4つ以下のUブロック核酸を含むことを特徴とする、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の組成物。
(6)前記4つのUブロック核酸が実質的に同じ核酸配列を含むことを特徴とする、前記(1)又は(5)に記載の組成物。
(7)前記4つのUブロック核酸が実質的に異なる核酸配列を含むことを特徴とする、前記(1)又は(5)に記載の組成物。
(8)1つ又は複数のキャプチャー核酸を含み、
(i)前記キャプチャー核酸が結合ペアのメンバーを含み;及び
(ii)前記キャプチャー核酸の各々が、前記ライブラリーの核酸のサブセットと特異的にハイブリダイズするように立体配置されていることを特徴とする、前記(1)〜(7)のいずれかに記載の組成物。
(9)前記キャプチャー核酸の各々が、前記複数のインサートのサブセットと特異的にハイブリダイズするように立体配置されていることを特徴とする、前記(8)に記載の組成物。
(10)前記4つ以上のサンプルが1つ又は複数の種から得られることを特徴とする、前記(1)又は(9)に記載の組成物。
(11)前記4つ以上のサンプルが8つ以上のサンプルを含むことを特徴とする、前記(1)〜(10)のいずれかに記載の組成物。
(12)前記第1及び第2の非ネイティブ核酸が前記1つ又は複数の種のゲノムに対して内因性ではないことを特徴とする、前記(10)又は(11)に記載の組成物。
(13)前記第1及び第2の非ネイティブ核酸が前記1つ又は複数の種のゲノム中に存在しないことを特徴とする、前記(10)〜(12)のいずれかに記載の組成物。
(14)前記4つ以上のサンプルが4つ以上の組織から得られることを特徴とする、前記(1)〜13のいずれかに記載の組成物。
(15)前記4つ以上のサンプルが4つ以上の異なる哺乳動物から得られることを特徴とする、前記(1)〜(14)のいずれかに記載の組成物。
(16)前記1つ又は複数の哺乳動物がヒトであることを特徴とする、前記(15)に記載の組成物。
(17)前記第1及び第2の非ネイティブ核酸が前記4つ以上の異なる哺乳動物のゲノムに対して内因性ではないことを特徴とする、前記(15)又は(16)に記載の組成物。
(18)前記核酸のライブラリーが10以上の識別可能な核酸バーコードを含むことを特徴とする、前記(1)〜(17)のいずれかに記載の組成物。
(19)前記第1及び第2の識別可能な核酸バーコードが、100%同一である核酸配列を有することを特徴とする、前記(1)〜(18)のいずれかに記載の組成物。
(20)前記第1及び第2の識別可能な核酸バーコードが、異なり且つ識別可能である核酸配列を有することを特徴とする、前記(1)〜(19)のいずれかに記載の組成物。
(21)前記Uブロック核酸の各々が、ポリメラーゼによる伸長を阻止するように立体配置されていることを特徴とする、前記(1)〜(20)のいずれかに記載の組成物。
(22)前記第1及び第2の非ネイティブ核酸が合成核酸であることを特徴とする、前記(1)〜(21)のいずれかに記載の組成物。
(23)前記第1及び第2の非ネイティブ核酸が実質的に同一ではないことを特徴とする、前記(1)〜(22)のいずれかに記載の組成物。
(24)前記第1及び第2の非ネイティブ核酸がアダプター核酸を含むことを特徴とする、前記(1)〜(23)のいずれかに記載の組成物。
(25)前記4つのUブロック核酸の各々が10〜40ヌクレオチドの長さを含むことを特徴とする、前記(1)〜(24)のいずれかに記載の組成物。
(26)前記4つのUブロック核酸の各々が10〜30ヌクレオチドの長さを含むことを特徴とする、前記(1)〜(25)のいずれかに記載の組成物。
(27)前記4つのUブロック核酸の各々が10〜20ヌクレオチドの長さを含むことを特徴とする、前記(1)〜(26)のいずれかに記載の組成物。
(28)前記4つのUブロック核酸の各々がロックド核酸を含むことを特徴とする、前記(1)〜(27)のいずれかに記載の組成物。
(29)前記4つのUブロック核酸の各々が架橋核酸を含むことを特徴とする、前記(1)〜(28)のいずれかに記載の組成物。
(30)前記4つのUブロック核酸の各々が約65℃〜約90℃の融解温度を含むことを特徴とする、前記(1)〜(29)のいずれかに記載の組成物。
(31)前記4つのUブロック核酸の各々が少なくとも65℃の融解温度を含むことを特徴とする、前記(1)〜(30)のいずれかに記載の組成物。
(32)前記4つのUブロック核酸の各々が少なくとも75℃の融解温度を含むことを特徴とする、前記(1)〜(31)のいずれかに記載の組成物。
(33)前記第1のUブロック核酸及び前記第2のUブロック核酸が実質的に同じであり、且つ前記第3及び前記第4のUブロック核酸と異なることを特徴とする、前記(1)〜(32)のいずれかに記載の組成物。
(34)前記第1、第2、第3及び第4のUブロック核酸が実質的に同じであることを特徴とする、前記(1)〜(32)のいずれかに記載の組成物。
(35)前記第1、第2、第3及び第4のUブロック核酸が実質的に異なることを特徴とする、前記(1)〜(34)のいずれかに記載の組成物。
(36)前記4つのUブロック核酸が前記少なくとも8つの識別可能な核酸バーコードと実質的に相補的ではないことを特徴とする、前記(2)〜(35)のいずれかに記載の組成物。
(37)前記4つのUブロック核酸が識別可能な核酸バーコードと実質的にハイブリダイズしないことを特徴とする、前記(1)〜(36)のいずれかに記載の組成物。
(38)前記4つのUブロック核酸が識別可能な核酸バーコードのいずれの部分ともハイブリダイズしないことを特徴とする、前記(1)〜(37)のいずれかに記載の組成物。
(39)コンペティター核酸を含むことを特徴とする、前記(1)〜(38)のいずれかに記載の組成物。
(40)前記結合ペアの前記メンバーがビオチン、抗原、ハプテン、抗体又はそれらの部分を含むことを特徴とする、前記(8)〜(39)のいずれかに記載の組成物。
(41)前記結合ペアの前記メンバーがビオチンを含むことを特徴とする、前記(40)に記載の組成物。
(42)前記4つのUブロック核酸が一本鎖であることを特徴とする、前記(1)〜(41)のいずれかに記載の組成物。
(43)前記4つのUブロック核酸が鎖ターミネータを含むことを特徴とする、前記(1)〜(42)のいずれかに記載の組成物。
(44)前記4つのUブロック核酸が逆向き反復配列を含むことを特徴とする、前記(1)〜(43)のいずれかに記載の組成物。
(45)前記核酸のライブラリーが一本鎖核酸を含むことを特徴とする、前記(1)〜(44)のいずれかに記載の組成物。
(46)前記核酸のライブラリーがアンプリコンを含むことを特徴とする、前記(1)〜(45)のいずれかに記載の組成物。
(47)前記複数のライブラリーインサートがゲノム核酸を含むことを特徴とする、前記(1)〜(46)のいずれかに記載の組成物。
(48)前記4つのUブロック核酸が変性ヌクレオチド塩基を含まないことを特徴とする、前記(1)〜(47)のいずれかに記載の組成物。
(49)前記変性ヌクレオチド塩基が3−ニトロピロール、5−ニトロインドール、その類似体又は誘導体を含むことを特徴とする、前記(48)に記載の組成物。
(50)前記変性ヌクレオチド塩基がイノシン、2’−デオキシイノシン、その類似体又は誘導体を含むことを特徴とする、前記(48)に記載の組成物。
(51)核酸ライブラリーを解析する方法において、
a)複数のライブラリーインサートを含む核酸のライブラリーを得るステップであって、前記ライブラリーの各核酸が、(i)4つ以上のサンプルのうちの1つから得られる少なくとも1つのライブラリーインサート、(ii)第1の非ネイティブ核酸、及び(iii)第2の非ネイティブ核酸を含み、前記第1の非ネイティブ核酸及び前記第2の非ネイティブ核酸が前記少なくとも1つのライブラリーインサートの両側に位置し、及び前記第1の非ネイティブ核酸が第1の識別可能な核酸バーコードを含み、且つ前記第2の非ネイティブ核酸が第2の識別可能な核酸バーコードを含み、前記第1及び第2の識別可能な核酸バーコードが前記4つ以上のサンプルのうちの前記1つにユニークである、ステップ;
b)前記核酸のライブラリーを4つのUブロック核酸と接触させるステップであって、(i)第1及び第2のUブロック核酸が、前記第1の識別可能な核酸バーコードの両側の前記第1の非ネイティブ核酸とハイブリダイズするように立体配置されており、且つ(ii)第3及び第4のUブロック核酸が、前記第2の識別可能な核酸バーコードの両側の前記第2の非ネイティブ核酸とハイブリダイズするように立体配置されており、且つ(iii)前記Uブロック核酸の各々が、前記第1又は第2の識別可能な核酸バーコードの部分と実質的にハイブリダイズしない、ステップ;及び
c)前記核酸のライブラリーを、各々が結合ペアの第1のメンバーを含む1つ又は複数のキャプチャー核酸と接触させるステップであって、前記1つ又は複数のキャプチャー核酸が、前記ライブラリーの前記核酸のサブセットと特異的にハイブリダイズするように立体配置されている、ステップ;
d)前記キャプチャー核酸をキャプチャーし、それにより、前記ライブラリーの核酸の前記サブセットを含むキャプチャーされた核酸を取得するステップ;
e)前記キャプチャーされた核酸を増幅条件下でプライマーのセットと接触させ、それにより、アンプリコンを取得するステップ;及び
f)前記アンプリコンを解析するステップ
を含むことを特徴とする、方法。
(52)前記増幅条件が熱安定性ポリメラーゼを含むことを特徴とする、前記(51)に記載の方法。
(53)前記増幅条件がポリメラーゼ連鎖反応を含むことを特徴とする、前記(52)に記載の方法。
(54)前記ライブラリーの前記核酸をコンペティター核酸と接触させるステップを含むことを特徴とする、前記(51)〜(53)のいずれかに記載の方法。
(55)前記結合ペアの前記第1のメンバーがビオチン、抗原、ハプテン、抗体又はそれらの部分を含むことを特徴とする、前記(51)〜(54)のいずれかに記載の方法。
(56)(d)の前記キャプチャーするステップが、混合物を結合ペアの第2のメンバーと接触させるステップを含むことを特徴とする、前記(51)〜(55)のいずれかに記載の方法。
(57)前記結合ペアの前記第2のメンバーがアビジン、プロテインA、プロテインG、抗体、又はその結合部分を含むことを特徴とする、前記(56)に記載の方法。
(58)前記結合ペアの前記第2のメンバーがアビジン又はその部分を含むことを特徴とする、前記(56)に記載の方法。
(59)前記結合ペアの前記第2のメンバーが支持体を含むことを特徴とする、前記(56)〜(58)のいずれかに記載の方法。
(60)前記支持体が磁気化合物を含むことを特徴とする、前記(59)に記載の方法。
(61)前記支持体がビーズを含むことを特徴とする、前記(59)に記載の方法。
(62)前記支持体がポリスチレン、ポリカーボネート又はアガロースを含むことを特徴とする、前記(59)に記載の方法。
(63)前記支持体が金属を含むことを特徴とする、前記(59)に記載の方法。
(64)前記解析するステップが、配列リードを取得するステップを含むことを特徴とする、前記(51)〜(63)のいずれかに記載の方法。
(65)前記配列リードが、大規模並列シーケンシングを含む方法によって得られることを特徴とする、前記(64)に記載の方法。
(66)前記配列リードが、両端対シーケンシングを含む方法によって得られることを特徴とする、前記(65)に記載の方法。
(67)前記核酸のライブラリーが少なくとも8つの識別可能な核酸バーコードを含むことを特徴とする、前記(51)〜(66)のいずれかに記載の方法。
(68)前記少なくとも8つの識別可能な核酸バーコードの各々が前記ライブラリーの異なる核酸に存在することを特徴とする、前記(67)に記載の方法。
(69)前記第1及び第2のUブロック核酸が前記第1の非ネイティブ核酸の部分と実質的に相補的であり、且つ前記第3及び第4のUブロック核酸が前記第2の非ネイティブ核酸の部分と実質的に相補的であることを特徴とする、前記(51)〜(68)のいずれかに記載の方法。
(70)前記ライブラリーが4つ以下のUブロック核酸と接触させられることを特徴とする、前記(51)〜(69)のいずれかに記載の方法。
(71)前記4つのUブロック核酸が実質的に同じ核酸配列を含むことを特徴とする、前記(51)又は(70)に記載の方法。
(72)前記4つのUブロック核酸が実質的に異なる核酸配列を含むことを特徴とする、前記(51)又は(70)に記載の方法。
(73)前記キャプチャー核酸が、前記複数のインサートのサブセットと特異的にハイブリダイズするように立体配置されていることを特徴とする、前記(51)又は(72)に記載の方法。
(74)前記4つ以上のサンプルが1つ又は複数の種から得られることを特徴とする、前記(51)又は(73)に記載の方法。
(75)前記4つ以上のサンプルが8つ以上のサンプルを含むことを特徴とする、前記(51)〜(74)のいずれかに記載の方法。
(76)前記第1及び第2の非ネイティブ核酸が前記1つ又は複数の種のゲノムに対して内因性ではないことを特徴とする、前記(74)又は(75)に記載の方法。
(77)前記第1及び第2の非ネイティブ核酸が前記1つ又は複数の種のゲノム中に存在しないことを特徴とする、前記(74)〜(76)のいずれかに記載の方法。
(78)前記4つ以上のサンプルが4つ以上の組織から得られることを特徴とする、前記(51)〜(77)のいずれかに記載の方法。
(79)前記4つ以上のサンプルが4つ以上の異なる哺乳動物から得られることを特徴とする、前記(51)〜(79)のいずれかに記載の方法。
(80)前記1つ又は複数の哺乳動物がヒトであることを特徴とする、前記(79)に記載の方法。
(81)前記第1及び第2の非ネイティブ核酸が前記4つ以上の異なる哺乳動物のゲノムに対して内因性ではないことを特徴とする、前記(79)又は(80)に記載の方法。
(82)前記核酸のライブラリーが10以上の識別可能な核酸バーコードを含むことを特徴とする、前記(51)〜(81)のいずれかに記載の方法。
(83)前記第1及び第2の識別可能な核酸バーコードが、100%同一である核酸配列を有することを特徴とする、前記(51)〜(82)のいずれかに記載の方法。
(84)前記第1及び第2の識別可能な核酸バーコードが、異なっており且つ識別可能である核酸配列を有することを特徴とする、前記(51)〜(82)のいずれかに記載の方法。
(85)前記Uブロック核酸の各々が、ポリメラーゼによる伸長を阻止するように立体配置されていることを特徴とする、前記(51)〜(84)のいずれかに記載の方法。
(86)前記第1及び第2の非ネイティブ核酸が合成核酸であることを特徴とする、前記(51)〜(85)のいずれかに記載の方法。
(87)前記第1及び第2の非ネイティブ核酸が実質的に同一ではないことを特徴とする、前記(51)〜(86)のいずれかに記載の方法。
(88)前記第1及び第2の非ネイティブ核酸がアダプター核酸を含むことを特徴とする、前記(51)〜(87)のいずれかに記載の方法。
(89)前記4つのUブロック核酸の各々が10〜40ヌクレオチドの長さを含むことを特徴とする、前記(51)〜(88)のいずれかに記載の方法。
(90)前記4つのUブロック核酸の各々が10〜30ヌクレオチドの長さを含むことを特徴とする、前記(51)〜(89)のいずれかに記載の方法。
(91)前記4つのUブロック核酸の各々が10〜20ヌクレオチドの長さを含むことを特徴とする、前記(51)〜(90)のいずれかに記載の方法。
(92)前記4つのUブロック核酸の各々がロックド核酸を含むことを特徴とする、前記(51)〜(91)のいずれかに記載の方法。
(93)前記4つのUブロック核酸の各々が架橋核酸を含むことを特徴とする、前記(51)〜(92)のいずれかに記載の方法。
(94)前記4つのUブロック核酸の各々が約65℃〜約90℃の融解温度を含むことを特徴とする、前記(51)〜(93)のいずれかに記載の方法。
(95)前記4つのUブロック核酸の各々が少なくとも65℃の融解温度を含むことを特徴とする、前記(51)〜(93)のいずれかに記載の方法。
(96)前記4つのUブロック核酸の各々が少なくとも75℃の融解温度を含むことを特徴とする、前記(51)〜(93)のいずれかに記載の方法。
(97)前記第1のUブロック核酸及び前記第2のUブロック核酸が実質的に同じであり、且つ前記第3及び前記第4のUブロック核酸と異なることを特徴とする、前記(51)〜(94)のいずれかに記載の方法。
(98)前記第1、第2、第3及び第4のUブロック核酸が実質的に同じであることを特徴とする、前記(51)〜(96)のいずれかに記載の方法。
(99)前記第1、第2、第3及び第4のUブロック核酸が実質的に異なることを特徴とする、前記(51)〜(96)のいずれかに記載の方法。
(100)前記4つのUブロック核酸が前記少なくとも8つの識別可能な核酸バーコードと実質的に相補的ではないことを特徴とする、前記(67)〜(99)のいずれかに記載の方法。
(101)前記4つのUブロック核酸が識別可能な核酸バーコードと実質的にハイブリダイズしないことを特徴とする、前記(51)〜(100)のいずれかに記載の方法。
(102)前記4つのUブロック核酸が識別可能な核酸バーコード)のいずれの部分ともハイブリダイズしないことを特徴とする、前記(51)〜(101)のいずれかに記載の方法。
(103)コンペティター核酸を含むことを特徴とする、前記(51)〜(102)のいずれかに記載の方法。
(104)前記4つのUブロック核酸が一本鎖であることを特徴とする、前記(51)〜(103)のいずれかに記載の方法。
(105)前記4つのUブロック核酸のうちの少なくとも1つが鎖ターミネータを含むことを特徴とする、前記(51)〜(104)のいずれかに記載の方法。
(106)前記4つのUブロック核酸のうちの少なくとも1つが逆向き反復配列を含むことを特徴とする、前記(51)〜(105)のいずれかに記載の方法。
(107)前記核酸のライブラリーが一本鎖核酸を含むことを特徴とする、前記(51)〜(106)のいずれかに記載の方法。
(108)前記複数のライブラリーインサートがゲノム核酸を含むことを特徴とする、前記(51)〜(107)のいずれかに記載の方法。
(109)前記4つのUブロック核酸が変性ヌクレオチド塩基を含まないことを特徴とする、前記(51)〜(108)のいずれかに記載の方法。
(110)前記変性ヌクレオチド塩基が3−ニトロピロール、5−ニトロインドール、その類似体又は誘導体を含むことを特徴とする、前記(109)に記載の方法。
(111)前記変性ヌクレオチド塩基がイノシン、2’−デオキシイノシン、その類似体又は誘導体を含むことを特徴とする、前記(109)に記載の方法。
図1