【実施例】
【0065】
以下、いくつかの実施例によって本発明を詳述する。しかし、本発明は、これらの実施例に限定されないことに注意すべきである。以下の実施例および比較例において、別途明記されていない限り、全ての原料は市場で入手できるものである。
【0066】
ここで、上記原料の純度および生成物の組成は、ガスクロマトグラフィによって分析した。
【0067】
比表面積は、ASTM D3663-2003により、極低温液体窒素吸着法で測定した。
【0068】
細孔容積は、ASTM D4222-2003により、極低温液体窒素吸着法で測定した。
【0069】
上記触媒の上記コア−シェル構造は、以下の方法によって確認した。JEM 2100 LaB6高分解能透過型電子顕微鏡(TEM)(分解能:0.23nm、JEOL製(日本国の企業))に、エネルギー分散X線分光器(EDX)(EDAX製)を装備して用いた。サンプルを瑪瑙乳鉢中で激しく磨り潰した後、超音波分散により、無水メタノール中で20分間分散させた。銅網に支持されている炭素膜微細回折格子上に、懸濁液を2、3滴、滴下した。上記サンプルを乾燥させた後、TEM観察、電子線回折分析および元素組成分析により、上記サンプルを観察および分析した。
【0070】
[実施例1]
本実施例は、本発明の触媒(イソブチレンの調製に用いられる)を調製する方法を説明するために、ここに与えられている。
【0071】
非晶質シリカ−アルミナ粉末FM1(SINOPEC Catalyst Co., Ltd.のFushun Branch Company製;上記非晶質シリカ−アルミナ粉末FM1の重量を基準として、SiO
2に換算したケイ素の含有率:92.1重量%、Al
2O
3に換算したアルミニウムの含有率:7.9重量%;比表面積281m
2/g、細孔容積:0.58mL/g、粒子径200〜400メッシュ(すなわち約30〜80μm)の粒子に粉砕されている)を、0.15mol/LのNi(NO
3)
2水溶液に、12時間浸漬した。次に、上記粒子を、400℃にて6時間か焼した。次に、上記粒子を、300℃の飽和水蒸気にて6時間処理した。このようにして、0.61重量%(非晶質シリカ−アルミナ粉末FM1−1の重量を基準とする)の酸化ニッケルを含んでいる、非晶質シリカ−アルミナ粉末FM1−1を得た。平均細孔径が1.5nmであるマイクロ多孔質アルミナ10重量%を、結着剤として、上記非晶質シリカ−アルミナ粉末FM1−1に加えた。上記粉末を、ペレット成形によって、ペレット状に成形した(ペレット径:2.2〜2.5mm)。次に、上記ペレットを120℃にて4時間乾燥させ、その後、400℃にて6時間か焼した。
【0072】
アルミニウムイソプロポキシド加水分解法により、水酸化アルミニウムスラリーLRJ1を調製した。水およびアルミニウムイソプロポキシドを、120:1のモル比にて混合した。加水分解温度は80〜85℃に調整し、上記アルミニウムイソプロポキシドを1.5時間かけて加水分解した。次に、90〜95℃にて18時間熟成させた。このようにして、固形分21.3重量%を含んでいる、水酸化アルミニウムスラリーLRJ1を得た。硝酸スズ、オクチル酸スズおよびジメチルジクロロシランを、上記水酸化アルミニウムスラリーLRJ1に、それぞれ攪拌しながら緩やかに加えて、ケイ素およびスズを含有している水酸化アルミニウムスラリーLRJ1−1を得た。ここで、スズに換算した硝酸スズおよびオクチル酸スズの添加量は、酸化アルミニウムに換算した擬ベーマイト(水酸化アルミニウム)の重量の、0.38重量%であった。また、硝酸スズのオクチル酸スズに対するモル比は、1:1であった。さらに、ケイ素に換算したジメチルジクロロシランの添加量は、酸化アルミニウムに換算した上記擬ベーマイト(水酸化アルミニウム)の重量の、1.23重量%であった。
【0073】
上記スズおよびケイ素を含有している水酸化アルミニウムスラリーLRJ1−1を、成形ペレットに噴霧した。スズおよびケイ素を含有している酸化アルミニウムの、上記非晶質シリカ−アルミナに対する重量比は、1:10であった。次に、上記ペレットを120℃にて4時間乾燥させ、その後、500℃にて6時間か焼した。このようにして、触媒SL−1を得た。
【0074】
TEMにより観察したところ、上記触媒SL−1は、コア−シェル構造を有していた。ここで、上記触媒ペレットの大きさは2.2〜2.5mmであり、上記シェルの厚さは20〜25μmであった。無作為に抽出した20個のペレットの統計結果によると、上記コアの半径の、上記シェルの厚さに対する比の平均は、100:2であった。上記触媒ペレットの上記シェルについて元素分析を行い、ケイ素元素およびスズ元素の含有率を、均一に分布している20点において測定した。結果を表1に示す。上記結果からは、以下のことが判る。すなわち、上記触媒ペレットの上記シェルにおいては、ケイ素およびスズが均一に分布している。また、ケイ素およびスズの含有率は、基本的に、それぞれの元素の投入量の計算結果と一致する。
【0075】
[実施例2]
本実施例は、本発明の触媒(イソブチレンの調製に用いられる)を調製する方法を説明するために、ここに与えられている。
【0076】
(1)平均細孔径が1.5nmであるマイクロ多孔質アルミナ7.5重量%、および(2)メチルセルロース2.0重量%を、それぞれ結着剤および成形助剤として、上記非晶質シリカ−アルミナ粉末FM1−1(実施例1において得られた)に加えた。上記粉末を、ペレット成形によって、ペレット状に成形した(ペレット径:2.6〜2.9mm)。次に、上記ペレットを90℃にて8時間乾燥させ、その後、650℃にて3時間か焼した。
【0077】
水酸化アルミニウムスラリーLRJ2を、二酸化炭素ガスをメタアルミン酸ナトリウム溶液に導入することによる炭素化法によって調製した。CO
2/N
2混合気体(30重量%のCO
2を含有)を、メタアルミン酸ナトリウム溶液に導入し、ゲル化反応を行わせた。上記反応は、30℃にて、反応終了後のpHが10.5〜11.0となるように調整して行った。上記反応の終了後、熟成させ、上記反応の生成物を脱イオン水で洗浄した。上記洗浄は、60℃にて、濾液のpHが6.5になるまで行った。このようにして、固形分31.2重量%を含んでいる、水酸化アルミニウムスラリーLRJ2を得た。四塩化スズおよびトリメチルクロロシランを、上記水酸化アルミニウムスラリーLRJ2に、それぞれ攪拌しながら緩やかに加えて、ケイ素およびスズを含有している水酸化アルミニウムスラリーLRJ2−1を得た。ここで、スズに換算した四塩化スズの添加量は、酸化アルミニウムに換算した擬ベーマイト(水酸化アルミニウム)の重量の、0.65重量%であった。また、ケイ素に換算したトリメチルクロロシランの添加量は、酸化アルミニウムに換算した上記擬ベーマイト(水酸化アルミニウム)の重量の、0.85重量%であった。
【0078】
上記スズおよびケイ素を含有している水酸化アルミニウムスラリーLRJ2−1を、成形ペレットに噴霧した。スズおよびケイ素を含有している酸化アルミニウムの、上記非晶質シリカ−アルミナに対する重量比は、1:20であった。次に、上記ペレットを90℃にて8時間乾燥させ、その後、600℃にて3時間か焼した。このようにして、触媒SL−2を得た。
【0079】
TEMにより観察したところ、上記触媒SL−2は、コア−シェル構造を有していた。ここで、上記触媒ペレットの大きさは2.6〜2.9mmであり、上記シェルの厚さは50〜56μmであった。無作為に抽出した20個のペレットの統計結果によると、上記コアの半径の、上記シェルの厚さに対する比の平均は、100:4であった。上記触媒ペレットの上記シェルについて元素分析を行い、ケイ素元素およびスズ元素の含有率を、均一に分布している20点において測定した。結果を表1に示す。上記結果からは、以下のことが判る。すなわち、上記触媒ペレットの上記シェルにおいては、ケイ素およびスズが均一に分布している。また、ケイ素およびスズの含有率は、基本的に、それぞれの元素の投入量の計算結果と一致する。
【0080】
[実施例3]
本実施例は、本発明の触媒(イソブチレンの調製に用いられる)を調製する方法を説明するために、ここに与えられている。
【0081】
非晶質シリカ−アルミナ粉末FM2(SINOPEC Catalyst Co., Ltd.のFushun Branch Company製;上記非晶質シリカ−アルミナ粉末FM2の重量を基準として、SiO
2に換算したケイ素の含有率:82.2重量%、Al
2O
3に換算したアルミニウムの含有率:17.8重量%;比表面積335m
2/g、細孔容積:0.78mL/g、粒子径200〜400メッシュ(すなわち約30〜80μm)の粒子に粉砕されている)を、200℃の飽和水蒸気にて16時間処理した。次に、処理後の粉末を、1.50mol/LのBe(NO
3)
2水溶液に、12時間浸漬した。次に、上記粒子を、500℃にて5時間か焼した。このようにして、1.02重量%(非晶質シリカ−アルミナ粉末FM2−1の重量を基準とする)の酸化ベリリウムを含んでいる、非晶質シリカ−アルミナ粉末FM2−1を得た。平均細孔径が2.5nmであるマイクロ多孔質アルミナ18重量%を、結着剤として、上記非晶質シリカ−アルミナ粉末FM2−1に加えた。上記粉末を、ペレット成形によって、ペレット状に成形した(ペレット径:2.2〜2.5mm)。次に、上記ペレットを120℃にて4時間乾燥させ、その後、400℃にて6時間か焼した。
【0082】
上記スズおよびケイ素を含有している水酸化アルミニウムスラリーLRJ1−1(実施例1において得られた)を、成形ペレットに噴霧した。スズおよびケイ素を含有している酸化アルミニウムの、上記非晶質シリカ−アルミナに対する重量比は、1:25であった。次に、上記ペレットを150℃にて1.5時間乾燥させ、その後、650℃にて4時間か焼した。このようにして、触媒SL−3を得た。
【0083】
TEMにより観察したところ、上記触媒SL−3は、コア−シェル構造を有していた。ここで、上記触媒ペレットの大きさは2.2〜2.5mmであり、上記シェルの厚さは52〜60μmであった。無作為に抽出した20個のペレットの統計結果によると、上記コアの半径の、上記シェルの厚さに対する比の平均は、100:5であった。さらに、上記触媒ペレットについて元素分析を行い、ケイ素元素およびスズ元素の含有率を、均一に分布している20点において測定した。それぞれの点において測定したケイ素の含有率は、「(測定値−平均値)/平均値≦5%」を満たしていた。また、それぞれの点において測定したスズの含有率は、「(測定値−平均値)/平均値≦10%」を満たしていた(具体的なデータは示さず)。上記結果はまた、上記触媒ペレットの上記シェルにおいては、ケイ素およびスズが均一に分布していることを示している。さらに、ケイ素およびスズの含有率は、基本的に、それぞれの元素の投入量の計算結果と一致することも示している。
【0084】
[実施例4]
本実施例は、本発明の触媒(イソブチレンの調製に用いられる)を調製する方法を説明するために、ここに与えられている。
【0085】
上記スズおよびケイ素を含有している水酸化アルミニウムスラリーLRJ2−1(実施例2において得られた)を、上記非晶質シリカ−アルミナ粉末FM2−1(実施例3において得られた)に噴霧した。スズおよびケイ素を含有している酸化アルミニウムの、上記非晶質シリカ−アルミナに対する重量比は、1:5であった。次に、上記粉末を80℃にて10時間乾燥させ、その後、500℃にて6時間か焼した。このようにして、触媒粉末を得た。次に、(1)平均細孔径が2.5nmであるマイクロ多孔質アルミナ5重量%、および(2)セスバニア粉末3.0重量%を、それぞれ結着剤および成形助剤として、上記触媒粉末に加えた。次に、ペレット成形によって、粉末を触媒ペレットに成形した(ペレット径:2.4〜2.7mm)。次に、上記ペレットを120℃にて4時間乾燥させ、その後、700℃にて6時間か焼した。このようにして、触媒SL−4を得た。
【0086】
TEMにより観察したところ、上記触媒粉末はペレット状(ペレット径:40μm〜1mm)であり、上記ペレットは全てコア−シェル構造を有していた。上記シェルの厚さは、5〜8μmであった。無作為に抽出した20個のペレットの統計結果によると、上記コアの半径の、上記シェルの厚さに対する比の平均は、100:10であった。さらに、上記触媒ペレットのシェルについて元素分析を行い、ケイ素元素およびスズ元素の含有率を、均一に分布している20点において測定した。それぞれの点において測定したケイ素の含有率は、「(測定値−平均値)/平均値≦5%」を満たしていた。また、それぞれの点において測定したスズの含有率は、「(測定値−平均値)/平均値≦10%」を満たしていた(具体的なデータは示さず)。上記結果はまた、上記触媒ペレットの上記シェルにおいては、ケイ素およびスズが均一に分布していることを示している。さらに、ケイ素およびスズの含有率は、基本的に、それぞれの元素の投入量の計算結果と一致することも示している。
【0087】
[実施例5]
実施例1において説明されている方法を用いた。ただし、上記非晶質シリカ−アルミナ粉末FM1を、0.15mol/LのNi(NO
3)
2水溶液に、12時間浸漬した。次に、上記粉末を、450℃にて6時間か焼した。次に、上記粉末を、150℃の飽和水蒸気にて20時間処理した。このようにして、0.5重量%(非晶質シリカ−アルミナ粉末FM1−5の重量を基準とする)の酸化ニッケルを含んでいる、非晶質シリカ−アルミナ粉末FM1−5を得た。平均細孔径が2.5nmであるマイクロ多孔質アルミナ10重量%を、結着剤として、上記非晶質シリカ−アルミナ粉末FM1−5に加えた。上記粉末を、ペレット成形によって、ペレット状に成形した(ペレット径:2.2〜2.5mm)。次に、上記ペレットを100℃にて5時間乾燥させ、その後、600℃にて4時間か焼した。
【0088】
二塩化スズ、硫酸スズおよびフェニルクロロシランを、上記水酸化アルミニウムスラリーLRJ1に、それぞれ攪拌しながら緩やかに加えて、ケイ素およびスズを含有している水酸化アルミニウムスラリーLRJ1−5を得た。ここで、スズに換算した二塩化スズおよび硫酸スズの添加量は、酸化アルミニウムに換算した擬ベーマイト(水酸化アルミニウム)の重量の、0.8重量%であった。また、二塩化スズの硫酸スズに対するモル比は、1:1であった。さらに、ケイ素に換算したフェニルクロロシランの添加量は、酸化アルミニウムに換算した上記擬ベーマイト(水酸化アルミニウム)の重量の、1.5重量%であった。
【0089】
上記スズおよびケイ素を含有している水酸化アルミニウムスラリーLRJ1−5を、成形ペレットに噴霧した。スズおよびケイ素を含有している酸化アルミニウムの、上記非晶質シリカ−アルミナに対する重量比は、1:60であった。次に、上記ペレットを100℃にて5時間乾燥させ、その後、600℃にて4時間か焼した。このようにして、触媒SL−5を得た。
【0090】
TEMにより観察したところ、上記触媒SL−5は、コア−シェル構造を有していた。ここで、上記触媒ペレットの大きさは4.0〜4.5mmであり、上記シェルの厚さは210〜245μmであった。無作為に抽出した20個のペレットの統計結果によると、上記コアの半径の、上記シェルの厚さに対する比の平均は、100:12であった。さらに、上記触媒ペレットの上記シェルについて元素分析を行い、ケイ素元素およびスズ元素の含有率を、均一に分布している20点において測定した。それぞれの点において測定したケイ素の含有率は、「(測定値−平均値)/平均値≦5%」を満たしていた。また、それぞれの点において測定したスズの含有率は、「(測定値−平均値)/平均値≦10%」を満たしていた(具体的なデータは示さず)。上記結果はまた、上記触媒ペレットの上記シェルにおいては、ケイ素およびスズが均一に分布していることを示している。さらに、ケイ素およびスズの含有率は、基本的に、それぞれの元素の投入量の計算結果と一致することも示している。
【0091】
[実施例6]
実施例1において説明されている方法を用いた。ただし、上記非晶質シリカ−アルミナ粉末FM1を、0.15mol/LのPd(NO
3)
2水溶液に、15時間浸漬した。次に、上記粉末を、600℃にて4時間か焼した。次に、上記粉末を、450℃の飽和水蒸気にて5時間処理した。このようにして、1.5重量%(非晶質シリカ−アルミナ粉末FM1−6の重量を基準とする)の酸化パラジウムを含んでいる、非晶質シリカ−アルミナ粉末FM1−6を得た。上記非晶質シリカ−アルミナ粉末FM1−6を、100℃にて8時間乾燥させ、その後、500℃にて8時間か焼した。次に、平均細孔径が2.5nmであるマイクロ多孔質アルミナ10重量%を、結着剤として、上記非晶質シリカ−アルミナ粉末FM1−6に加えた。上記粉末を、ペレット成形によって、ペレット状に成形した(ペレット径:2.2〜2.5mm)。次に、上記ペレットを100℃にて8時間乾燥させ、その後、500℃にて8時間か焼した。
【0092】
二塩化ジブチルスズおよびジメチルジクロロシランを、上記水酸化アルミニウムスラリーLRJ1に、それぞれ攪拌しながら緩やかに加えて、ケイ素およびスズを含有している水酸化アルミニウムスラリーLRJ1−6を得た。ここで、スズに換算した二塩化ジブチルスズの添加量は、酸化アルミニウムに換算した擬ベーマイト(水酸化アルミニウム)の重量の、1重量%であった。また、ケイ素に換算したジメチルジクロロシランの添加量は、酸化アルミニウムに換算した上記擬ベーマイト(水酸化アルミニウム)の重量の、2重量%であった。
【0093】
上記スズおよびケイ素を含有している水酸化アルミニウムスラリーLRJ1−6を、成形ペレットに噴霧した。スズおよびケイ素を含有している酸化アルミニウムの、上記非晶質シリカ−アルミナに対する重量比は、1:40であった。次に、上記ペレットを120℃にて4時間乾燥させ、その後、400℃にて16時間か焼した。このようにして、触媒SL−6を得た。
【0094】
TEMにより観察したところ、上記触媒SL−6は、コア−シェル構造を有していた。ここで、上記触媒ペレットの大きさは2.2〜2.5mmであり、上記シェルの厚さは80〜95μmであった。無作為に抽出した20個のペレットの統計結果によると、上記コアの半径の、上記シェルの厚さに対する比の平均は、100:8であった。さらに、上記触媒ペレットの上記シェルについて元素分析を行い、ケイ素元素およびスズ元素の含有率を、均一に分布している20点において測定した。それぞれの点において測定したケイ素の含有率は、「(測定値−平均値)/平均値≦5%」を満たしていた。また、それぞれの点において測定したスズの含有率は、「(測定値−平均値)/平均値≦10%」を満たしていた(具体的なデータは示さず)。上記結果はまた、上記触媒ペレットの上記シェルにおいては、ケイ素およびスズが均一に分布していることを示している。さらに、ケイ素およびスズの含有率は、基本的に、それぞれの元素の投入量の計算結果と一致することも示している。
【0095】
[実施例7]
実施例1において説明されている方法を用いた。ただし、上記非晶質シリカ−アルミナ粉末FM1を、0.15mol/LのMg(NO
3)
2水溶液に、12時間浸漬した。次に、上記粉末を、400℃にて6時間か焼した。次に、上記粉末を、250℃の飽和水蒸気にて8時間処理した。このようにして、1.5重量%(非晶質シリカ−アルミナ粉末FM1−7の重量を基準とする)の酸化マグネシウムを含んでいる、非晶質シリカ−アルミナ粉末FM1−7を得た。平均細孔径が2.5nmであるマイクロ多孔質アルミナ15重量%を、結着剤として、上記非晶質シリカ−アルミナ粉末FM1−7に加えた。上記粉末を、ペレット成形によって、触媒ペレットに成形した(ペレット径:2.2〜2.5mm)。次に、上記ペレットを120℃にて4時間乾燥させ、その後、400℃にて6時間か焼した。
【0096】
二塩化ジブチルスズおよびジメチルジクロロシランを、上記水酸化アルミニウムスラリーLRJ1に、それぞれ攪拌しながら緩やかに加えて、ケイ素およびスズを含有している水酸化アルミニウムスラリーLRJ1−7を得た。ここで、スズに換算した二塩化ジブチルスズの添加量は、酸化アルミニウムに換算した擬ベーマイト(水酸化アルミニウム)の重量の、1重量%であった。また、ケイ素に換算したジメチルジクロロシランの添加量は、酸化アルミニウムに換算した上記擬ベーマイト(水酸化アルミニウム)の重量の、0.5重量%であった。
【0097】
上記スズおよびケイ素を含有している水酸化アルミニウムスラリーLRJ1−7を、成形ペレットに噴霧した。スズおよびケイ素を含有している酸化アルミニウムの、上記非晶質シリカ−アルミナに対する重量比は、1:3であった。次に、上記ペレットを120℃にて4時間乾燥させ、その後、650℃にて4時間か焼した。このようにして、触媒SL−7を得た。
【0098】
TEMにより観察したところ、上記触媒SL−7は、コア−シェル構造を有していた。ここで、上記触媒ペレットの大きさは2.2〜2.5mmであり、上記シェルの厚さは6〜8μmであった。無作為に抽出した20個のペレットの統計結果によると、上記コアの半径の、上記シェルの厚さに対する比の平均は、100:0.6であった。さらに、上記触媒ペレットの上記シェルについて元素分析を行い、ケイ素元素およびスズ元素の含有率を、均一に分布している20点において測定した。それぞれの点において測定したケイ素の含有率は、「(測定値−平均値)/平均値≦5%」を満たしていた。また、それぞれの点において測定したスズの含有率は、「(測定値−平均値)/平均値≦10%」を満たしていた(具体的なデータは示さず)。上記結果はまた、上記触媒ペレットの上記シェルにおいては、ケイ素およびスズが均一に分布していることを示している。さらに、ケイ素およびスズの含有率は、基本的に、それぞれの元素の投入量の計算結果と一致することも示している。
【0099】
[実施例8]
実施例1において説明されている方法を用いた。ただし、上記非晶質シリカ−アルミナ粉末1−1を調製するとき、か焼後に上記非晶質シリカ−アルミナの熱水処理を行わなかった。このようにして、触媒SL−8を得た。
【0100】
TEMにより観察したところ、上記触媒SL−8は、コア−シェル構造を有していた。ここで、上記触媒ペレットの大きさは2.2〜2.5mmであり、上記シェルの厚さは20〜25μmであった。無作為に抽出した20個のペレットの統計結果によると、上記コアの半径の、上記シェルの厚さに対する比の平均は、100:2であった。さらに、上記触媒ペレットの上記シェルについて元素分析を行い、ケイ素元素およびスズ元素の含有率を、均一に分布している20点において測定した。それぞれの点において測定したケイ素の含有率は、「(測定値−平均値)/平均値≦5%」を満たしていた。また、それぞれの点において測定したスズの含有率は、「(測定値−平均値)/平均値≦10%」を満たしていた(具体的なデータは示さず)。上記結果はまた、上記触媒ペレットの上記シェルにおいては、ケイ素およびスズが均一に分布していることを示している。さらに、ケイ素およびスズの含有率は、基本的に、それぞれの元素の投入量の計算結果と一致することも示している。
【0101】
[実施例9]
実施例1において説明されている方法を用いた。ただし、上記ケイ素およびスズを含有している水酸化アルミニウムスラリーLRJ1−1を調製するときに、上記ジメチルジクロロシランを、ケイ素に換算して同量のポリエーテル修飾トリシロキサン(H-350、Jiangxi Hito Chemical Co., Ltd.製)に変更した。このようにして、触媒SL−9を得た。
【0102】
TEMにより観察したところ、上記触媒SL−9は、コア−シェル構造を有していた。ここで、上記触媒ペレットの大きさは2.2〜2.5mmであり、上記シェルの厚さは20〜25μmであった。無作為に抽出した20個のペレットの統計結果によると、上記コアの半径の、上記シェルの厚さに対する比の平均は、100:2であった。さらに、上記触媒ペレットの上記シェルについて元素分析を行い、ケイ素元素およびスズ元素の含有率を、均一に分布している20点において測定した。それぞれの点において測定したケイ素の含有率は、「(測定値−平均値)/平均値≦5%」を満たしていた。また、それぞれの点において測定したスズの含有率は、「(測定値−平均値)/平均値≦10%」を満たしていた(具体的なデータは示さず)。上記結果はまた、上記触媒ペレットの上記シェルにおいては、ケイ素およびスズが均一に分布していることを示している。さらに、ケイ素およびスズの含有率は、基本的に、それぞれの元素の投入量の計算結果と一致することも示している。
【0103】
[実施例10]
実施例1において説明されている方法を用いた。ただし、上記非晶質シリカ−アルミナ粉末FM1を、300℃の飽和水蒸気にて6時間処理し、上記の熱水処理によって得られた非晶質シリカ−アルミナ粉末を、上記非晶質シリカ−アルミナ粉末FM1−1に代えて用いた(すなわち、活性化剤を全く含んでいない非晶質シリカ−アルミナ粉末FM1−1)。このようにして、触媒SL−10を得た。
【0104】
TEMにより観察したところ、上記触媒SL−10は、コア−シェル構造を有していた。ここで、上記触媒ペレットの大きさは2.2〜2.5mmであり、上記シェルの厚さは20〜25μmであった。無作為に抽出した20個のペレットの統計結果によると、上記コアの半径の、上記シェルの厚さに対する比の平均は、100:2であった。さらに、上記触媒ペレットの上記シェルについて元素分析を行い、ケイ素元素およびスズ元素の含有率を、均一に分布している20点において測定した。それぞれの点において測定したケイ素の含有率は、「(測定値−平均値)/平均値≦5%」を満たしていた。また、それぞれの点において測定したスズの含有率は、「(測定値−平均値)/平均値≦10%」を満たしていた(具体的なデータは示さず)。上記結果はまた、上記触媒ペレットの上記シェルにおいては、ケイ素およびスズが均一に分布していることを示している。さらに、ケイ素およびスズの含有率は、基本的に、それぞれの元素の投入量の計算結果と一致することも示している。
【0105】
[比較例1]
実施例1において説明されている方法を用いた。ただし、固形分21.3重量%を含んでいる水酸化アルミニウムスラリーLRJ1を、成形ペレットに噴霧した。酸化アルミニウムに換算した水酸化アルミニウムの、上記非晶質シリカ−アルミナに対する重量比は、1:10であった。次に、上記ペレットを120℃にて4時間乾燥させ、その後、500℃にて6時間か焼した。このようにして、触媒DB−1を得た。
【0106】
[比較例2]
実施例1において説明されている方法を用いた。ただし、得られたケイ素およびスズを含有している水酸化アルミニウムスラリーLRJ1−1を、120℃にて4時間乾燥させ、その後、500℃にて6時間か焼した。このようにして、ケイ素およびスズを含有している酸化アルミニウム粉末LRJ1−2を得た。
【0107】
実施例1における非晶質シリカ−アルミナ粉末FM1−1を、上記ケイ素およびスズを含有している酸化アルミニウム粉末LRJ1−2と、10:1の重量比で混合して、均一相にした。次に、平均細孔径が1.5nmであるマイクロ多孔質アルミナ10重量%を、結着剤として、上記の混合物に加えた。上記粉末を、ペレット成形によって、触媒ペレットに成形した(ペレット径:2.2〜2.5mm)。次に、上記ペレットを120℃にて4時間乾燥させ、その後、400℃にて6時間か焼した。このようにして、触媒DB−2を得た。
【0108】
[比較例3]
実施例1において説明されている方法を用いた。ただし、実施例1における水酸化アルミニウムスラリーLRJ1を、120℃にて4時間乾燥させ、その後、500℃にて6時間か焼した。次に、平均細孔径が1.5nmであるマイクロ多孔質アルミナ10重量%を、結着剤として、得られた粉末に加えた。上記粉末を、ペレット成形によって、触媒ペレットに成形した(ペレット径:2.2〜2.5mm)。次に、上記ペレットを120℃にて4時間乾燥させ、その後、400℃にて6時間か焼した。このようにして、触媒DB−3を得た。
【0109】
[比較例4]
実施例1において説明されている方法を用いた。ただし、平均細孔径が1.5nmであるマイクロ多孔質アルミナ10重量%を、結着剤として、比較例2において得られたケイ素およびスズを含有している酸化アルミニウム粉末LRJ1−2に加えた。上記粉末を、ペレット成形によって、触媒ペレットに成形した(ペレット径:2.2〜2.5mm)。次に、上記ペレットを120℃にて4時間乾燥させ、その後、400℃にて6時間か焼した。このようにして、触媒DB−4を得た。
【0110】
[比較例5]
実施例1において説明されている方法を用いた。ただし、上記非晶質シリカ−アルミナ粉末FM1−1と、実施例1におけるマイクロ多孔質アルミナと、から作製されるペレット(ペレット径2.2〜2.5mm)を、触媒DB−5として使用した。
【0111】
[比較例6]
実施例1において説明されている方法を用いた。ただし、ジメチルジクロロシランのみを、上記水酸化アルミニウムスラリーLRJ1に加え、硝酸スズおよびオクチル酸スズは加えなかった。得られたケイ素を含有している水酸化アルミニウムスラリーを、上記ケイ素およびスズを含有している水酸化アルミニウムスラリーLRJ1−1に代えて用いた。このようにして、触媒DB−6を得た。
【0112】
[比較例7]
実施例1において説明されている方法を用いた。ただし、硝酸スズおよびオクチル酸スズのみを、上記水酸化アルミニウムスラリーLRJ1に加え、ジメチルジクロロシランは加えなかった。得られたスズを含有している水酸化アルミニウムスラリーを、上記ケイ素およびスズを含有している水酸化アルミニウムスラリーLRJ1−1に代えて用いた。このようにして、触媒DB−7を得た。
【0113】
[比較例8]
実施例1において説明されている方法を用いた。ただし、硝酸スズ、オクチル酸スズおよびジメチルジクロロシランに代えて、硝酸マグネシウムを、上記水酸化アルミニウムスラリーLRJ1に加えた。得られたマグネシウムを含有している水酸化アルミニウムスラリーを、上記ケイ素およびスズを含有している水酸化アルミニウムスラリーLRJ1−1に代えて用いた。このようにして、触媒DB−8を得た。
【0114】
[比較例9]
実施例2において説明されている方法を用いた。ただし、上記水酸化アルミニウムスラリーLRJ2を、実施例2における成形ペレットと同じ成形ペレット状に噴霧した。スズおよびケイ素を含有している酸化アルミニウムの重量比は、実施例2と同じであった。次に、上記ペレットを90℃にて8時間乾燥させ、その後、600℃にて3時間か焼した。このようにして、半製品触媒ペレットを得た。次に、浸漬法によって、上記半製品触媒ペレットの表面にケイ素元素およびスズ元素を担持させた。ケイ素元素およびスズ元素の担持量は、実施例2と同じであった。次に、上記ペレットを90℃にて8時間乾燥させ、その後、600℃にて3時間か焼した。このようにして、触媒DB−9を得た。
【0115】
[実施例11〜20]
以下の方法により、固定床反応器中でイソブチレンを調製した。すなわち、イソブチレンを調製する反応のために、実施例1〜10において得られた触媒を、MTBEとTBAとの混合物に接触させた(実施例1〜10において得られた触媒を用いるイソブチレンの調製方法は、それぞれ、実施例11〜20に対応する)。反応条件(すなわち、全液時空間速度(LHVSV)、上記MTBEとTBAとの混合物におけるMTBE/TBA/水の重量比(すなわち、MTBEのLHVSV/TBAのLHVSV/水のLHVSV)、反応温度、および反応圧など)および結果を、表2に示す。
【0116】
ここで、上記MTBEとTBAとの混合物は、不純物をさらに含んでいた。上記MTBEとTBAとの混合物の総重量を基準とすると、メチルsec−ブチルエーテルの含有率は0.1重量%であり、メタノールの含有率は0.02重量%であり、イソブチレンオリゴマーの含有率は0.03重量%であり、C1〜C4炭化水素の含有率は0.05重量%であった。
【0117】
[比較例10〜18]
実施例11において説明されている方法によって、イソブチレンを調製した。ただし、比較例1〜9において得られた触媒を、イソブチレンの調製のために用いた(上記のイソブチレンの調製方法は、それぞれ、比較例10〜18に対応している)。その上で、比較例10〜18における反応条件(すなわち、全LHVSV、MTBE/TBA/水の重量比(すなわち、MTBEのLHVSV/TBAのLHVSV/水のLHVSV)、反応温度、および反応圧など)および結果を、表2に示す。
【0118】
【表1】
【0119】
【表2】
【0120】
【0121】
表2において、実施例のデータと比較例のデータとの比較から、以下のことが判る。すなわち、本発明の触媒(ケイ素およびスズを含有している酸化アルミニウムをシェルに採用し、非晶質シリカ−アルミナ粒子および/または粒子の凝集体をコアに採用し、上記シェルと上記コアとの密接な協働を利用している)によれば、MTBEの分解反応およびTBAの脱水反応が260℃未満にて同時に発生し、イソブチレンが生成する反応工程が提供される。また、TBAおよびMTBEのより高い変換効率、およびイソブチレンのより高い選択性が達成される。ここで、上記TBAの変換効率は99.0%以上、上記MTBEの変換効率は99.0%以上、上記イソブチレンの選択性は99.5%以上である。
【0122】
表2において、実施例11のデータと比較例10のデータとの比較から、以下のことが判る。すなわち、非改質酸化アルミニウムをシェルに採用している触媒によれば、MTBEおよびTBAの変換効率は高くならず、イソブチレンの選択性も低い。
【0123】
表2において、実施例11のデータと比較例11のデータとの比較から、以下のことが判る。すなわち、改質活性化酸化アルミニウムに非晶質シリカ−アルミナを混合することにより調製されている触媒(すなわち、コア−シェル構造でない触媒)によったとしても、MTBEおよびTBAの変換効率ならびにイソブチレンの選択性は幾分か向上するものの、理想的な結果とならない。
【0124】
表2において、実施例11のデータと、比較例12−1および比較例12−2のデータとの比較から、以下のことが判る。すなわち、TBAの分解反応に活性化アルミナ触媒を用いる場合、反応温度の上昇に伴って、上記触媒の触媒性能は向上しうる(すなわち、反応温度265℃における上記触媒の触媒性能は、反応温度210℃におけるそれよりも遥かに優れている)。しかし、温度が265℃まで上昇したときのTBAの変換効率およびイソブチレンの選択性は理想的ではなく、210℃において本発明の触媒により達成されるTBAの変換効率およびイソブチレンの選択性よりもさらに低い。
【0125】
表2において、実施例11のデータと、比較例13−1および比較例13−2のデータとの比較から、以下のことが判る。すなわち、スズおよびケイ素により改質されているアルミナ触媒をTBAの分解反応に用いる場合、反応温度の上昇に伴って、上記触媒の触媒性能は向上しうる(すなわち、反応温度265℃における上記触媒の触媒性能は、反応温度210℃におけるそれよりも遥かに優れている)。しかし、温度が265℃まで上昇したときのTBAの変換効率およびイソブチレンの選択性は理想的ではなく、210℃において本発明の触媒により達成されるTBAの変換効率およびイソブチレンの選択性よりもさらに低い。
【0126】
表2において、実施例11のデータと、比較例14−1および比較例14−2のデータとの比較から、以下のことが判る。すなわち、非晶質シリカ−アルミナ触媒をMTBEの分解反応に用いる場合、反応温度の上昇に伴って、上記触媒の触媒性能は向上しうる(すなわち、反応温度230℃における上記触媒の触媒性能は、反応温度210℃におけるそれよりも遥かに優れている)。しかし、温度が230℃まで上昇したときのMTBEの変換効率およびイソブチレンの選択性は理想的ではなく、210℃において本発明の触媒により達成されるMTBEの変換効率およびイソブチレンの選択性よりもさらに低い。
【0127】
表2において、実施例11のデータと、比較例15〜17のデータとの比較から、以下のことが判る。すなわち、ケイ素およびスズを含有している酸化アルミニウムを本発明の触媒のシェルとして用いる場合、TBAおよびMTBEの変換効率ならびにイソブチレンの選択性を顕著に向上させることができる。
【0128】
表2において、実施例11のデータと、実施例18のデータとの比較から、以下のことが判る。すなわち、本発明の触媒を調製するときに、非晶質シリカ−アルミナを熱水処理によって処理する場合、TBAおよびMTBEの変換効率ならびにイソブチレンの選択性をより向上させることができる。
【0129】
表2において、実施例11のデータと、実施例19のデータとの比較から、以下のことが判る。すなわち、ケイ素含有化合物としてクロロシランを用いてケイ素およびスズを含有している水酸化アルミニウムスラリーを調製し、さらに、本発明の触媒を調製するときに、上記ケイ素およびスズを含有している水酸化アルミニウムスラリーでシェルを調製する場合、TBAおよびMTBEの変換効率ならびにイソブチレンの選択性をより向上させることができる。
【0130】
表2において、実施例11のデータと、実施例20のデータとの比較から、以下のことが判る。すなわち、本発明の触媒を調製するときに、非晶質シリカ−アルミナが活性化剤を含有している場合、TBAおよびMTBEの変換効率ならびにイソブチレンの選択性をより向上させることができる。
【0131】
以上に、本発明のいくつかの好ましい実施形態が説明されている。しかし、本発明は、これらの実施形態における詳細な記載内容に限定されない。当業者は、本発明の本質を離れることなく、本発明の技術思想に修正および変更を施すことができる。しかし、このような修正および変更の全ては、本発明の保護される範囲に含まれると見做されるべきである。
【0132】
加えて、上述の実施形態において説明されている特定の技術的特徴は、矛盾が発生しない場合には、任意の適切な形式において組み合わせられることに注意すべきである。不要な繰り返しを避けるため、本発明における可能な組み合わせを、具体的には説明していない。
【0133】
さらに、本発明の異なる実施形態は、その組み合わせが本発明の理想および本質から逸脱しない限り、必要に応じて自由に組み合わせられる。しかし、このような組み合わせもまた、本発明の開示の範囲に含まれると見做されるべきである。