特許第6722188号(P6722188)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6722188ワイヤ固定ボルトと共に使用するためのワイヤテンショナ先端部
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6722188
(24)【登録日】2020年6月23日
(45)【発行日】2020年7月15日
(54)【発明の名称】ワイヤ固定ボルトと共に使用するためのワイヤテンショナ先端部
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/62 20060101AFI20200706BHJP
【FI】
   A61B17/62
【請求項の数】23
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-531588(P2017-531588)
(86)(22)【出願日】2015年12月10日
(65)【公表番号】特表2017-537719(P2017-537719A)
(43)【公表日】2017年12月21日
(86)【国際出願番号】US2015064956
(87)【国際公開番号】WO2016094636
(87)【国際公開日】20160616
【審査請求日】2018年11月13日
(31)【優先権主張番号】14/565,936
(32)【優先日】2014年12月10日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510210597
【氏名又は名称】テキサス スコティッシュ ライト ホスピタル フォー チルドレン
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(72)【発明者】
【氏名】サンチュコフ、 ミハイル エル.
(72)【発明者】
【氏名】ロス、 ジョン デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】チェルカシン、 アレクサンダー エム.
(72)【発明者】
【氏名】バーチ、 ジョン ジー.
【審査官】 菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−090987(JP,A)
【文献】 特表昭63−503119(JP,A)
【文献】 米国特許第05431659(US,A)
【文献】 米国特許第05451225(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤ固定システムであって、
上面と、下面と、前記上面から前記下面まで延在する複数のボルト孔とを備える創外固定器フレームと、
前記創外固定器フレームを横切って、かつ骨構造を貫通して延在するように機能するワイヤと、
軸に沿って延在し、かつ前記創外固定器フレームのボルト孔を通して受け入れられるように機能する少なくとも第1のワイヤ固定ボルト及び第2のワイヤ固定ボルトであって、
前記第1のワイヤ固定ボルト及び前記第2のワイヤ固定ボルトの各々は、成形ヘッドと、前記成形ヘッドより遠位の第1のボディと、前記第1のボディより遠位のショルダと、前記ショルダより遠位の第2のボディと、前記ワイヤ固定ボルトの前記軸に対して垂直に、かつ前記第2のボディを貫通して延在するワイヤ孔と、前記ワイヤ固定ボルトの前記軸に対して垂直に、かつ部分的に前記ショルダの遠位面を貫通し部分的に前記第2のボディの近位部を貫通して延在するオフセットワイヤ溝とを更に備えるヘッド部と、ねじ山付きシャフト部とを備える、
前記第1のワイヤ固定ボルト及び前記第2のワイヤ固定ボルトと、
少なくとも前記第1のワイヤ固定ボルト及び前記第2のワイヤ固定ボルトの前記ねじ山付きシャフト部に通されるように機能する少なくとも第1のナット及び第2のナットであって、前記第1のナット及び前記第2のナットは、前記第1のワイヤ固定ボルト及び前記第2のワイヤ固定ボルトの前記ヘッド部を前記創外固定器フレームの前記上面に対抗して付勢するように機能する少なくとも第1のナット及び第2のナットと、
少なくとも前記第2のワイヤ固定ボルトと係合しかつワイヤテンショニング装置と係合するように機能するワイヤテンショニング先端部であって前記ワイヤテンショニング先端部は、前記第2のワイヤ固定ボルトの前記成形ヘッドと係合するように機能する成形ヘッドリセス部と、前記成形ヘッドリセス部より遠位のボディショルダ部であって前記第2のワイヤ固定ボルトの前記第1のボディと係合するように機能するボディショルダ部とを更に備えるワイヤテンショニング先端部と
を備えるワイヤ固定システムであって、
前記ワイヤテンショニング先端部は、前記ワイヤテンショニング先端部が前記ワイヤの上に受け入れられ前記第2のワイヤ固定ボルトの前記成形ヘッドと係合された場合に、前記第2のワイヤ固定ボルトの前記ヘッド部を安定させ、かつ前記第2のワイヤ固定ボルトが回転するのを防止するように機能する、
ワイヤ固定システム。
【請求項2】
前記ワイヤの第1の端は、前記第1のワイヤ固定ボルトと前記第1のナットとを用いて前記創外固定器フレームに固定される、請求項1に記載のワイヤ固定システム。
【請求項3】
前記ワイヤの前記第1の端は、前記第1のワイヤ固定ボルトの前記ヘッド部の前記ワイヤ孔を通して受け入れられ、前記第1のワイヤ固定ボルトの前記ヘッド部と前記創外固定器フレームの前記上面との間でアンカリングされる、請求項2に記載のワイヤ固定システム。
【請求項4】
前記ワイヤの第2の端は、前記第2のワイヤ固定ボルトと前記第2のナットとを用いて前記創外固定器フレームに固定される、請求項1に記載のワイヤ固定システム。
【請求項5】
前記ワイヤの前記第2の端は、前記第2のワイヤ固定ボルトの前記ヘッド部の前記ワイヤ孔を通して受け入れられ、前記第2のワイヤ固定ボルトの前記ヘッド部と前記創外固定器フレームの前記上面との間でアンカリングされる、請求項4に記載のワイヤ固定システム。
【請求項6】
前記ワイヤの前記第2の端は、前記第2のワイヤ固定ボルトの前記ヘッド部の前記オフセットワイヤ溝を通して受け入れられ、前記第2のワイヤ固定ボルトの前記ヘッド部と前記創外固定器フレームの前記上面との間でアンカリングされる、請求項4に記載のワイヤ固定システム。
【請求項7】
前記第1のワイヤ固定ボルト及び前記第2のワイヤ固定ボルトの前記成形ヘッド、及び前記ワイヤテンショニング先端部の前記成形ヘッドリセス部は六角形状である、請求項1に記載のワイヤ固定システム。
【請求項8】
前記第1のワイヤ固定ボルト及び前記第2のワイヤ固定ボルトの前記成形ヘッド、及び前記ワイヤテンショニング先端部の前記成形ヘッドリセス部は複数側面である、請求項1に記載のワイヤ固定システム。
【請求項9】
前記第1のワイヤ固定ボルト及び前記第2のワイヤ固定ボルトの前記成形ヘッド、及び前記ワイヤテンショニング先端部の前記成形ヘッドリセス部は円形である、請求項1に記載のワイヤ固定システム。
【請求項10】
前記ワイヤテンショニング先端部はワイヤテンショナに設けられ、前記ワイヤ固定ボルトに係合した前記ワイヤテンショナは、前記ワイヤ固定ボルトに対抗して前記ワイヤに約130キログラムまでテンションをかけるように機能し、同時に、前記ワイヤテンショニング先端部は、前記第2のワイヤ固定ボルトが回転するのを防止する、請求項1に記載のワイヤ固定システム。
【請求項11】
前記第2のナットは、前記第2のワイヤ固定ボルトを前記創外固定器フレームの前記下面に対抗して締め付けるように機能し、同時に、前記ワイヤテンショニング先端部は、前記第2のワイヤ固定ボルトと係合し、前記第2のワイヤ固定ボルトが回転するのを防止する、請求項1に記載のワイヤ固定システム。
【請求項12】
第1のワイヤは前記第1のワイヤ固定ボルト及び前記第2のワイヤ固定ボルトによって第1の係止位置に係止され、第1のワイヤテンショナ及び前記ワイヤ固定ボルトと係合したワイヤテンショニング先端部によってテンションをかけられる、請求項1に記載のワイヤ固定システム。
【請求項13】
第2のワイヤは第3のワイヤ固定ボルト及び第4のワイヤ固定ボルトによって第1の係止位置に係止され、第2のワイヤテンショナ及び前記ワイヤ固定ボルトと係合したワイヤテンショニング先端部によってテンションをかけられる、請求項12に記載のワイヤ固定システム。
【請求項14】
前記第1のワイヤテンショナ及び前記第2のワイヤテンショナ及び前記ワイヤ固定ボルトと係合したワイヤテンショニング先端部は、第1の係止位置に係止された前記第1のワイヤ及び前記第2のワイヤに、前記創外固定器フレームを横切って同時にテンションをかける、請求項13に記載のワイヤ固定システム。
【請求項15】
前記ワイヤテンショニング先端部は、前記ボディショルダ部より遠位のショルダリセス部であって前記ワイヤ固定ボルトの前記ショルダと係合するように機能するショルダリセス部を更に備える、請求項1に記載のワイヤ固定システム。
【請求項16】
ワイヤテンショニング先端部及びワイヤテンショニングボルトシステムであって、
軸に沿って延在する少なくとも1つのワイヤ固定ボルトであって、前記ワイヤ固定ボルトは、成形ヘッドと、前記成形ヘッドより遠位の第1のボディと、前記第1のボディより遠位のショルダと、前記ショルダより遠位の第2のボディと、前記ワイヤ固定ボルトの前記軸に対して垂直に、かつ前記第2のボディを貫通して延在するワイヤ孔と、前記ワイヤ固定ボルトの前記軸に対して垂直に、かつ部分的に前記ショルダの遠位面を貫通し部分的に前記第2のボディの近位部を貫通して延在するオフセットワイヤ溝とを更に備えるヘッド部と、ねじ山付きシャフト部と、を備える少なくとも1つのワイヤ固定ボルトと、
前記ワイヤ固定ボルトと係合しかつワイヤテンショニング装置と係合するように機能するワイヤテンショニング先端部であって、前記ワイヤ固定ボルトの前記成形ヘッドと係合するように機能する成形ヘッドリセス部と、前記成形ヘッドリセス部より遠位のボディショルダ部であって前記ワイヤ固定ボルトの前記第1のボディと係合するように機能するボディショルダ部と、を更に備えるワイヤテンショニング先端部と
を備えるワイヤテンショニング先端部及びワイヤテンショニングボルトシステムであって、
前記ワイヤテンショニング先端部は、前記ワイヤテンショニング先端部がワイヤ上に受け入れられ前記ワイヤ固定ボルトの前記成形ヘッドと係合された場合に、前記ワイヤ固定ボルトの前記ヘッド部を安定させ、かつ前記ワイヤ固定ボルトが回転するのを防止するように機能する、
ワイヤテンショニング先端部及びワイヤテンショニングボルトシステム。
【請求項17】
ワイヤは、前記ワイヤ固定ボルトの前記ヘッド部の前記ワイヤ孔を通して受け入れられ、前記ワイヤ固定ボルトの前記ヘッド部と創外固定器フレームの上面との間でアンカリングされるように機能する、請求項16に記載のワイヤテンショニング先端部及びワイヤテンショニングボルトシステム。
【請求項18】
ワイヤは、前記ワイヤ固定ボルトの前記ヘッド部の前記オフセットワイヤ溝を通して受け入れられ、前記ワイヤ固定ボルトの前記ヘッド部と創外固定器フレームの上面との間でアンカリングされるように機能する、請求項16に記載のワイヤテンショニング先端部及びワイヤテンショニングボルトシステム。
【請求項19】
前記ワイヤ固定ボルトの前記成形ヘッド、及び前記ワイヤテンショニング先端部の前記ヘッド部は六角形状である、請求項16に記載のワイヤテンショニング先端部及びワイヤテンショニングボルトシステム。
【請求項20】
前記ワイヤ固定ボルトの前記成形ヘッド、及び前記ワイヤテンショニング先端部の前記ヘッド部は複数側面である、請求項16に記載のワイヤテンショニング先端部及びワイヤテンショニングボルトシステム。
【請求項21】
前記ワイヤ固定ボルトの前記成形ヘッド、及び前記ワイヤテンショニング先端部の前記ヘッド部は円形である、請求項16に記載のワイヤテンショニング先端部及びワイヤテンショニングボルトシステム。
【請求項22】
前記ワイヤテンショニング先端部はワイヤテンショナに設けられ、前記ワイヤ固定ボルトに係合した前記ワイヤテンショナは、前記ワイヤ固定ボルトに対抗してワイヤに約130キログラムまでテンションをかけるように機能し、同時に、前記ワイヤテンショニング先端部は、前記ワイヤ固定ボルトが回転するのを防止する、請求項16に記載のワイヤテンショニング先端部及びワイヤテンショニングボルトシステム。
【請求項23】
前記ワイヤテンショニング先端部は、円形のボディショルダ部より遠位のショルダリセス部であって前記ワイヤ固定ボルトの前記ショルダと係合するように機能するショルダリセス部を更に備える、請求項16に記載のワイヤテンショニング先端部及びワイヤテンショニングボルトシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2014年12月10日出願の米国特許出願第14/565,936号の優先権を主張するものであり、当該出願は参照によって本明細書中に援用される。
【0002】
本開示は、創外固定器フレーム、ワイヤ、及びワイヤ固定ボルトと共に使用するためのワイヤテンショナに関し、特に、ワイヤ固定ボルトと直接係合するための改良されたワイヤテンショナ先端部に関する。
【背景技術】
【0003】
創外整形外科固定装置は、骨格骨折、軟組織損傷、遅い治癒に起因する骨格骨の癒合遅延、未治癒の骨を含む骨格骨の癒合不全、破損した又は骨折した骨の不適切な治癒に起因する骨の変形癒合、位置異常において発達した骨に起因する先天性変形、及び骨の偏平(widening)又は捩れなどの、肢の損傷及び変形の治療において一般に使用される。創外整形外科固定装置を含む医療処置としては、肢延長と、変形矯正と、骨折、変形癒合、癒合不全、及び骨欠損の治療とが含まれる。一般に、影響を及ぼされた(impacted)骨又は骨片を所望の位置に置くために、創外固定器システムが、外科医によって対象(例えば人又は別の脊椎動物)の患肢上に配置される場合がある。骨を所望の位置に置いて維持するために、固定器システムは治療プロセス全体を通して調節される場合がある。
【0004】
創外固定器システムは多くの場合、固定リングと、ねじ山付きロッド又はストラットと、ワイヤ又はピンとを含む。対象の患肢が固定リングの内部に受け入れられてもよく、ねじ山付きロッド又はストラットは固定リングの互いに相対的な距離及び角度を制御するために使用されてもよい。ワイヤ又はピンは、固定リングを横切り、対象の患肢を貫通して(例えば骨及び/又は軟組織を貫通して)延在してもよく、ワイヤ又はピンは固定リングにナット及びボルトを用いて接続されてもよい。しかし、ワイヤが固定リングを横切ってナット及びボルトによって固定されてもよくなる前に、ワイヤは最適なテンションまでテンションをかけられなければならず、これは困難かつ複雑で非常に扱いやすい手順である。
【0005】
固定リングを横切ってワイヤに適切にテンションをかけるために、既知のテンショニング方法では複数のステップが必要とされ、多くの場合、2人以上の人が必要とされる。最初に、ワイヤの第1の端が固定リング上の第1の接続点にナット及びボルトを用いて固定される。ワイヤにテンションがかけられてもよくなる前に、1つ以上のレンチを使用して、第1の接続点においてナット及びボルトを締め付けなければならない。次に、ワイヤは固定リングを横切って伸ばされ、そしてテンションをかけられなければならず、同時に、ワイヤの第2の端がナット及びボルトを用いて固定リング上の第2の接続点に固定される。第1の接続点においてナット及びボルトを締め付けるために使用されなければならない1つ以上のレンチに加えて、テンショナが、ワイヤにテンションをかけるために使用されなければならない。従って、3つの器具、すなわちナットを締め付けるための第1のレンチと、ボルトに対して逆トルクを提供するための第2のレンチと、ワイヤにテンションをかけるための少なくとも1つのテンショナと、が同時に使用されなければならず、そのため、固定リングを横切ってワイヤにテンションをかけるためには2人以上の人が必要となる。
【0006】
加えて、既知のワイヤテンショニング方法では、固定リングに対抗してワイヤにテンションがかけられる。ワイヤが固定リングの外面に直交するように配向されない場合、テンショナは重荷重の下で滑る可能性があり、それによりワイヤに適切にテンションがかけられることが妨げられ、場合によっては外科医、患者、又は両方に損傷が与えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、ワイヤ固定ボルトと係合するように機能し、かつ創外固定フレームを横切ってワイヤにテンションをかけ固定するために1人の人によって操作されるように機能する、改良されたワイヤテンショナ先端部を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書中で開示されるのは、ワイヤ固定ボルトと共に使用するための改良されたワイヤテンショナ先端部である。ワイヤ固定システムは、上面と、下面と、上面から下面まで延在する複数のボルト孔とを含む創外固定器フレームを含んでもよい。1本以上のワイヤが、創外固定器フレームを横切って、かつ対象の肢の骨構造を貫通して延在するように機能してもよい。ワイヤ固定システムは、創外固定器フレームのボルト孔を通して受け入れられる少なくとも第1及び第2のワイヤ固定ボルトを更に含んでもよい。各ワイヤ固定ボルトは、ヘッド部と、軸に沿って延在するねじ山付きシャフト部とを含んでもよい。各ワイヤ固定ボルトのヘッド部は、成形ヘッドと、成形ヘッドより遠位の第1のボディと、第1のボディより遠位のショルダと、ショルダより遠位の第2のボディとを含んでもよい。各ワイヤ固定ボルトのヘッド部は、ワイヤ固定ボルトの軸に対して垂直に、かつ第2のボディを貫通して延在するワイヤ孔と、ワイヤ固定ボルトの軸に対して垂直に、かつ部分的にショルダの遠位面を貫通し部分的に第2のボディの近位部を貫通して延在するオフセットワイヤ溝とを更に含んでもよい。
【0009】
ワイヤ固定システムは、第1及び第2のワイヤ固定ボルトのねじ山付きシャフト部に通されるように機能する少なくとも第1及び第2のナットを更に含んでもよい。各ナットは、ワイヤ固定ボルトのヘッド部を創外固定器フレームの上面に対抗して付勢するように構成されてもよい。
【0010】
ワイヤ固定システムは、第2のワイヤ固定ボルトと係合しかつワイヤテンショニング装置と係合するように機能するワイヤテンショニング先端部を更に含んでもよい。ワイヤテンショニング先端部は、ワイヤ固定ボルトの成形ヘッドと係合するように機能する成形ヘッドリセス部と、成形ヘッドリセス部より遠位のボディショルダ部であってワイヤ固定ボルトの第1のボディと係合するように機能するボディショルダ部と、ボディショルダ部より遠位のショルダリセス部であってワイヤ固定ボルトのショルダと係合するように機能するショルダリセス部とを更に含んでもよい。ワイヤテンショニング先端部は、ワイヤテンショニング先端部がワイヤ上に受け入れられ第2のワイヤ固定ボルトの成形ヘッドと係合された場合に、第2のワイヤ固定ボルトのヘッド部を安定させ、かつ第2のワイヤ固定ボルトが回転するのを防止するように機能する。
【0011】
ワイヤ固定ボルトは、ヘッド部であってヘッド部は、成形ヘッドと、成形ヘッドより遠位の第1のボディと、第1のボディより遠位のショルダと、ショルダより遠位の第2のボディと、ワイヤ固定ボルトの軸に対して垂直に、かつ第2のボディを貫通して延在するワイヤ孔と、ワイヤ固定ボルトの軸に対して垂直に、かつ部分的にショルダの遠位面を貫通し部分的に第2のボディの近位部を貫通して延在するオフセットワイヤ溝とを更に含むヘッド部と、ねじ山付きシャフト部とを含む。
【0012】
実施形態が添付の図面において例として示される。図面において同様の参照番号は同様の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の一実施形態による、ワイヤ固定システムの底部立面図を示す。
図2】本開示の一実施形態による、図1の創外固定器フレームの立面図を示す。
図3】本開示の一実施形態による、図1のワイヤの立面図を示す。
図4】本開示の一実施形態による、図1のワイヤ固定ボルトの側部立面図を示す。
図5】本開示の一実施形態による、図1のナットの立面図を示す。
図6】本開示の一実施形態による、図1のワイヤテンショニング先端部の上部立面図を示す。
図7】本開示の一実施形態による、図6のワイヤテンショニング先端部の端面図を示す。
図8】本開示の一実施形態による、図6のワイヤテンショニング先端部の底部立面図を示す。
図9】本開示の一実施形態による、骨構造を貫通してテンションをかけられた図1のワイヤ固定システムの立面図を示す。
図10】本開示の一実施形態による、ワイヤテンショニング先端部の立面図を示す。
図11】本開示の一実施形態による、ワイヤテンショニング先端部の立面図を示す。
図12】本開示の一実施形態による、ワイヤテンショニング先端部の立面図を示す。
図13】本開示の一実施形態による、図1のワイヤテンショニング先端部を有するテンショナ装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に記載する実施形態では、上位(superior)/下位(inferior)、内側(medial)/外側(lateral)、及び遠位(distal)/近位(proximal)という位置を表す用語を使用して、様々な構成要素が相互に関連して規定される場合がある。操作中、及び外科手術の際に使用される間、「近位」は、使用者/外科医により近いことを意味し、「遠位」は、使用者/外科医から離れており対象/患者により近いことを意味する。
【0015】
図1は、本開示の一実施形態による、ワイヤ固定システム100の底部立面図を示す。ワイヤ固定システム100は、創外固定器フレーム102と、ワイヤ104と、ワイヤ固定ボルト106と、ナット108と、ワイヤ固定先端部112を含むワイヤテンショナ110とを含む。開示される実施形態では、ワイヤ104はワイヤ固定ボルト106に対抗してテンションをかけられてもよく、2つのみのツール、すなわちワイヤテンショナ110及びレンチ(図示せず)が、ワイヤ104にテンションをかけ創外固定器フレーム102に対して固定するために必要とされてもよい。各個々の構成要素については以下でより詳細に説明する。
【0016】
図2は、本開示の一実施形態による、図1の創外固定器フレーム102の立面図を示す。図1に示すように、創外固定器フレーム102は円形固定器フレームであってもよいが、他の実施形態では、創外固定器フレーム102は楕円形形状、正方形形状、矩形形状、あるいは創外固定の用途のために構成された任意のその他の規則的又は不規則的な形状であってもよい。創外固定器フレーム102は、上面202と、下面204と、上面202から下面204まで延在する複数のボルト孔206とを含んでもよい。創外固定器フレーム102は、中央孔208であってそれを通して1つ以上の骨構造(図示せず)を受け入れるように機能する中央孔208を更に含んでもよい。
【0017】
図3は、本開示の一実施形態による、図1のワイヤ104の立面図を示す。一実施形態では、ワイヤ104は、図2の創外固定器フレームを横切って2つの創外固定器ボルトの間でテンションをかけられるように機能する。好ましい実施形態では、ワイヤ104は、創外固定器フレームを横切って約130キログラムまでテンションをかけられるように機能してもよく、しかし他の実施形態では、ワイヤ104は、創外固定器フレームを横切って約100キログラム〜約160キログラムまでテンションをかけられるように機能してもよい。一実施形態では、ワイヤ104は1.8mmの直径を含んでもよく、しかし他の実施形態では、ワイヤは約1.5mm〜約2.0mmの間の直径を含んでもよい。
【0018】
図4は、本開示の一実施形態による、図1のワイヤ固定ボルト106の側部立面図を示す。ワイヤ固定ボルト106は、ヘッド部402と、ねじ山付きシャフト部404と、ワイヤ固定ボルト106の長さに沿って延在する長手方向軸とを含んでもよい。ねじ山付きシャフト部404の反対側に、ヘッド部402は成形ヘッド406を含んでもよい。成形ヘッド406は六角形状ヘッドであってもよいが、他の実施形態では、成形ヘッド406は複数側面(multi−faceted)ヘッド、又は1つ以上のフルートを有する円形ヘッドであってもよい。ヘッド部402は、成形ヘッド406より遠位に、すなわち外科医の手からより遠くに、かつ対象の身体により近くに、第1のボディ408を更に含んでもよい。第1のボディ408は円形であってもよいが、他の実施形態では、第1のボディ408は正方形、六角形状、複数側面、又は1つ以上の直線エッジを有する概して円形であってもよい。ヘッド部402は、第1のボディ408より遠位にショルダ410を更に含んでもよい。第1のボディ408は1つ以上の直線エッジを有する概して円形であってもよいが、他の実施形態では、第1のボディ408は正方形、六角形状、円形、又は複数側面であってもよい。ヘッド部402は、ショルダ410より遠位に、かつねじ山付きシャフト部404に近接して、第2のボディ412を更に含んでもよい。第2のボディ412は円形であってもよいが、他の実施形態では、第2のボディ412は正方形、六角形状、複数側面、又は1つ以上の直線エッジを有する概して円形であってもよい。一実施形態では、成形ヘッド406及びショルダ410は、第1のより大きな直径を有してもよく、第1のボディ408及び第2のボディ412は、第2のより小さな直径であって、ねじ山付きシャフト部404の直径とほぼ同じか又はそれよりも大きな直径を有してもよい。
【0019】
ワイヤ固定ボルト106のヘッド部402は、ワイヤ固定ボルト106の長手方向軸に対して垂直に延在するワイヤ孔414であって、この実施形態では第2のボディ412を貫通して示された、ワイヤ孔414を更に含んでもよい。ワイヤ固定ボルト106のヘッド部402は、ワイヤ固定ボルト106の長手方向軸に対して垂直に延在するオフセットワイヤ溝416であって、この実施形態では部分的にショルダ410の遠位面を貫通し部分的に第2のボディ412の近位部を貫通して延在するものとして示された、オフセットワイヤ溝416を更に含んでもよい。オフセットワイヤ溝416は、ヘッド部402の一方の側にずれていてもよく、かつワイヤ固定ボルト106の長手方向軸からずれていてもよい。一般に、ワイヤ孔414とオフセットワイヤ溝416とは平行となるが、いくつかの実施形態ではそれらは平行でないように角度を付けられてもよく、例えばそれらは1度、2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度、9度、10度、又はそれよりも大きな角度だけずれていてもよい。更に、他の実施形態では、ワイヤ孔414及びオフセットワイヤ溝416は、ワイヤ固定ボルト106の他の部分、例えば成形ヘッド406、ショルダ410、第1のボディ408、第2のボディ412のうちの1つ以上を横断するように、又はねじ山付きシャフト部404を横切るように位置付けられてもよい。ワイヤ固定先端部112の形状はそれに応じて調節されてもよい。別の実施形態では、オフセットワイヤ溝416は溝ではなく、ワイヤ固定ボルト106内の別の開口であってもよい。
【0020】
オフセットワイヤ溝416は、ワイヤ(図示せず)がオフセットワイヤ溝416の内部に受け入れられた場合にワイヤがオフセットワイヤ溝416の内部で滑るのを防止するように機能する1つ以上の垂直溝(図示せず)を、ショルダ410の遠位面上に含んでもよい。一実施形態では、ワイヤ固定ボルト106とワイヤ104とはバイメタルインタフェースを形成してもよく、ワイヤ固定ボルト106は、ステンレス鋼ワイヤ104より強いステンレス鋼合金から製造されてもよい。1つ以上の垂直溝は、ワイヤ104にテンションがかけられる際にオフセットワイヤ溝416の内部でワイヤが滑るのを防止するために、ワイヤ104に食い込むように機能してもよい。ロス(Ross)らへの米国特許第5,451,225号の図9に示された実施形態に関する説明を参照されたい。当該特許はその全体が参照により援用される。
【0021】
図4に示すように、オフセットワイヤ溝416がヘッド部402の成形ヘッド406により近く、ワイヤ孔414がワイヤ固定ボルト106のねじ山付きシャフト部404により近くなるように、ワイヤ孔414はオフセットワイヤ溝416より遠位に位置付けられてもよい。しかし当業者は、上記で概説したオフセットワイヤ溝416及びワイヤ孔414がワイヤ固定ボルト106の長手方向軸に対して概して垂直である限り、それらのために他の位置が選択されてもよいということを認識するであろう。
【0022】
ワイヤ固定ボルト106のねじ山付きシャフト部404は、ヘッド部402から遠位に延在してもよく、図1のナット108と係合するように機能するねじ山418を含んでもよい。特定の実施形態では、ワイヤ固定ボルト106は、オフセットワイヤ溝416内のワイヤ104がワイヤ孔414内のワイヤ104とは別個に固定され得るように、2つ以上のねじ山418を有してもよい。
【0023】
図5は、本開示の一実施形態による、図1のナット108の立面図を示す。ナット108は外側の六角形状502と内側のねじ山付き孔504とを含んでもよい。ナット108は、図4のワイヤ固定ボルト106のねじ山付きシャフト部404と係合するように機能してもよい。ワイヤ固定ボルトが創外固定器フレームのボルト孔を通して受け入れられた場合、ナット108は、ワイヤ固定ボルトのヘッド部を創外固定器フレームの上面に対抗して付勢し、それによりワイヤ固定ボルトを創外固定フレームに対抗して締め付けるように機能する。
【0024】
図6は、本開示の一実施形態による、図1のワイヤテンショニング先端部112の上部立面図を示し、図7は、本開示の一実施形態による、図6のワイヤテンショニング先端部112の端面図を示し、図8は、本開示の一実施形態による、図6のワイヤテンショニング先端部112の底部立面図を示す。ワイヤテンショニング先端部112は、図13に関連して示されより詳細に説明される、オルソフィックス(Orthofix)トゥルーロック(Truelok)(登録商標)ワイヤテンショナなどの、任意の既知のワイヤテンショナ110に接続されそこから延在してもよい。ワイヤテンショナ110は、創外固定器フレームを横切ってワイヤ104にテンションをかけるために片手又は両手で操作されてもよい。図13に示すワイヤテンショナ110は、ラチェットアンドクラスピング機構(ratchet and clasping mechanism)を使用して、ワイヤ104を患者から離れる遠位方向1301に徐々に移動させ、それによりワイヤ104を創外固定フレームへの取り付けのために引き締める。使用中、ワイヤ104がクラスピング機構によってテンショナ110のボディ1310内に係合されるように、ワイヤ104はテンショナ110のボディ1310内に挿入される。アーム1320を互いに向けて移動させることにより、クラスピング機構はワイヤ104を遠位方向1301に徐々に移動させ、それにより、ワイヤ固定ボルト106と創外固定フレーム102との間のワイヤ104のセクションにテンションがかけられるようにする。ワイヤ104に印加されるテンショニング力の量を正確に制御するために、テンションメータ(図示せず)がワイヤテンショナ110内に組み込まれてもよい。ワイヤテンショナ110はまた、ラチェットアンドクラスピング機構をワイヤ104から解除し、それによりワイヤテンショナ110がワイヤ104から取り外されることを可能にできる、ラチェット解除アーム1330を含んでもよい。ワイヤテンショニング先端部112は、ワイヤテンショナ110が図1の創外固定器フレームに接触するのを防止すると同時に、ワイヤテンショニング先端部112が図1のワイヤをわずかに曲げることを依然として可能にするために、ワイヤテンショナ110から延在する。
【0025】
図6図8に示すように、ワイヤテンショニング先端部112は、ワイヤ固定ボルト106の成形ヘッド406と係合するように機能する成形ヘッドリセス部602を含む。成形ヘッドリセス部602は六角形状ヘッドであってもよいが、他の実施形態では、成形ヘッドリセス部602は複数側面ヘッドリセス部、又は1つ以上のフルートと係合するように機能する円形ヘッドリセス部であってもよい。ワイヤテンショニング先端部112は、成形ヘッドリセス部602より遠位に、すなわち外科医の手からより遠くに、かつ対象の身体により近くに、ボディショルダ部604を更に含んでもよく、これはワイヤ固定ボルト106の第1のボディ408と係合するように機能する。ボディショルダ部604は円形であってもよいが、他の実施形態では、ボディショルダ部604は正方形、六角形状、複数側面、又は1つ以上の直線エッジを有する概して円形であってもよい。ワイヤテンショニング先端部112は、ボディショルダ部604より遠位にショルダリセス部606を更に含んでもよい。ショルダリセス部606は1つ以上の直線エッジを有する概して円形であってもよいが、他の実施形態では、ショルダリセス部606は正方形、六角形状、円形、又は複数側面であってもよい。ショルダリセス部606はワイヤ固定ボルト106のショルダ410と係合するように機能しなければならない。従って、ワイヤ固定ボルト106をワイヤテンショニング先端部112に取り外し可能に接続するために、成形ヘッドリセス部602、ボディショルダ部604、及びショルダリセス部606の表面は、それぞれ成形ヘッド406、第1のボディ408、及びショルダ410と噛み合わなければならない。図6図8に示すように、ワイヤ固定ボルト106をワイヤテンショニング先端部112に取り外し可能に接続するために、ワイヤテンショニング先端部112は、六角形状のワイヤ固定ボルトの4つの側面と係合してもよい。あるいは、成形ヘッドリセス部602及びショルダリセス部606が外科医の手からより遠位に、かつ対象の身体により近くになるように、成形ヘッドリセス部602、ボディショルダ部604、及びショルダリセス部606の相対位置は逆にされてもよい。
【0026】
図7及び図8に示すように、ワイヤテンショニング先端部112の下側には、ボス608が更に含まれてもよい。ボス608は、図4のワイヤ固定ボルト106のヘッド部402のワイヤ孔414とオフセットワイヤ溝416との高さにおける差と同じ高さであってもよく、それにより、ワイヤテンショニング先端部112がワイヤ固定ボルト106と係合した場合にワイヤテンショニング先端部112がワイヤ孔414又はオフセットワイヤ溝416のいずれかと整列することが可能になる。ワイヤテンショニング先端部112は、図3のワイヤ104を受け入れワイヤ104にテンションをかけるように機能するテンショニング先端部孔610を更に含む。ワイヤ104がワイヤテンショニング先端部112のテンショニング先端部孔610内に受け入れられた場合、図13に関連して説明するように、図13のワイヤテンショナ110は所望のテンションまでワイヤ104にテンションをかけるように機能する。
【0027】
操作中及び外科的処置の間、1本以上のワイヤが軟組織及び骨構造を貫通して対象の身体内に外科的に埋め込まれてもよく、創外固定器フレームが、埋め込まれたワイヤに近接して対象の身体の周りに受け入れられるか又は位置付けられてもよい。損傷を安定させるため又は骨成長を促進するために、ワイヤは創外固定器フレームに接続され創外固定器フレームを横切ってテンションをかけられてもよい。1本以上のワイヤは鋭い先端部を含んでもよく、これは1本以上のワイヤが骨構造に接触するまで、入側において皮膚及び軟組織を貫通して挿入されてもよい。1本以上のワイヤは次に、骨構造の両方の皮質を貫通して動力下でドリル穿孔されてもよく、そして1本以上のワイヤを押すこと又は軽く叩くことによって、1本以上のワイヤが反対側の出側において肢を出るまで、軟組織及び皮膚を貫通して手動で進められてもよい。1本以上のワイヤの鋭い端が皮膚から突き出始める際に、皮膚は外科用メスを用いて切られてもよい。次にドリルが取り外され、1本以上のワイヤのそれぞれの一方の端が、第1の端においてアンカリングされる。ストッパ又はオリーブ(olive)が、骨構造に相対的な所望の位置において1本以上のワイヤを位置付けるために使用されてもよい。1本以上のワイヤは、各ワイヤ上のストッパが入側において骨構造の第1の皮質と接触するまで、対象の肢を貫通して進められてもよい。ストッパ側を最初にアンカリングすることによって、外科医がストッパの反対側の出側においてワイヤにテンションをかける際にストッパは骨構造から離れず、ストッパは創外固定器フレームの内部のより望ましい位置に骨構造を移動させるために使用され得るようになる。
【0028】
図9は、本開示の一実施形態による、骨構造902を貫通してテンションをかけられた図1のワイヤ固定システム100の立面図を示す。図9に示すように、第1のワイヤ104a及び第2のワイヤ104bは、対象の身体内に、軟組織及び骨構造902を貫通して埋め込まれる。ワイヤ104a、104bに所望のテンションまでテンションをかけるために、各ワイヤは、互いに近接したかつ創外固定器フレーム102の同じ側上の第1のアンカー位置において、創外固定器フレーム102にアンカリングされる。一実施形態では、第1のワイヤ104a及び第2のワイヤ104bは、骨構造902の第1の皮質と接触した各ワイヤ上のストッパ(図示せず)に近接する、対象の肢の入側における第1のアンカー位置においてアンカリングされる。
【0029】
第1のワイヤ104a及び第2のワイヤ104bは、それぞれ、第1のワイヤ固定ボルト106a及び第2のワイヤ固定ボルト106b内の第1のワイヤ孔414a及び第2のワイヤ孔414bを通して受け入れられてもよい。第1のワイヤ固定ボルト106a及び第2のワイヤ固定ボルト106bは、第1のワイヤ104a及び第2のワイヤ104bの元の向きに近接して、創外固定器フレーム102のボルト孔206内に挿入されてもよい。次に第1のナット108a及び第2のナット108bがねじ山付きシャフト部404a、404bに沿って通されてもよく、その結果、第1のナット108a及び第2のナット108bは、第1のワイヤ固定ボルト106a及び第2のワイヤ固定ボルト106bのヘッド部を創外固定器フレーム102の上面202に対抗して付勢し、それにより第1のワイヤ104a及び第2のワイヤ104bのための第1のアンカー位置がアンカリングされる。第1のワイヤ104a及び第2のワイヤ104bは、2つのみのツールを使用して、別個の時に第1のアンカー位置においてアンカリングされてもよく、すなわち第1のレンチが第1のナット108aを締め付け、第2のレンチが第1のワイヤ固定ボルト106aに対して逆トルクを提供して、第1のワイヤ104aがアンカリングされ、次に、同じ第1のレンチが第2のナット108bを締め付け、同じ第2のレンチが第2のワイヤ固定ボルト106bに対して逆トルクを提供して、第2のワイヤ104bがアンカリングされる。従って、1人のみの医療専門家が、第1のワイヤ104a及び第2のワイヤ104bをそれらのそれぞれの第1のアンカー位置においてアンカリングするために必要とされる。
【0030】
第1のワイヤ104a及び第2のワイヤ104bがそれらのそれぞれの第1のアンカー位置においてアンカリングされた後、対象の肢の出側に近接した、第1のワイヤ104a及び第2のワイヤ104bの鋭い先端部の端は、創外固定器フレーム102に近接して配置されてもよい。創外固定器フレーム102に相対的な第1のワイヤ104a及び第2のワイヤ104bの所望の向きに応じて、第1のワイヤ104aは第3のワイヤ固定ボルト106cのワイヤ孔又はオフセットワイヤ溝を通して受け入れられてもよく、第2のワイヤ104bは第4のワイヤ固定ボルト106dのワイヤ孔又はオフセットワイヤ溝を通して受け入れられてもよい。創外固定器フレーム102内の孔206の構成に基づいて、外科医は、第3のワイヤ固定ボルト106c及び第4のワイヤ固定ボルト106dのワイヤ孔又はオフセットワイヤ溝のいずれかを選択してもよい。第1のワイヤ104a及び第2のワイヤ104bは、それぞれ、ワイヤ固定ボルト106c、106dのワイヤ孔414c、414d内に置かれることが好ましく、その理由は、これにより第1のワイヤ104a及び第2のワイヤ104bに対するワイヤ固定ボルト106c、106dの面領域接触が最大になるからである。これにより第1のワイヤ104a及び第2のワイヤ104bに対するワイヤ固定ボルト106c、106dの握り(purchase)が増加し、その結果、より長い期間にわたってワイヤテンションの度合いが確保される。この装置の外科的適用の間、第1のワイヤ104a及び第2のワイヤ104bを第2のアンカー位置上でワイヤ孔414c、414dと整列させることが常に可能であるとは限らない可能性がある。結果として、第1のワイヤ104a及び第2のワイヤ104bは、第1のワイヤ固定ボルト106c及び第2のワイヤ固定ボルト106dのオフセットワイヤ溝416内に挿入されてもよく、それにより、第1のワイヤ固定ボルト106c及び第2のワイヤ固定ボルト106dが第1のワイヤ104a及び第2のワイヤ104bを、ワイヤにテンションをかけると同時にワイヤの曲げの量を最小にするように固定することが可能になる。選択されたら、次に外科医は、第3のワイヤ固定ボルト106c及び第4のワイヤ固定ボルト106dの第3のねじ山付きシャフト部404b及び第4のねじ山付きシャフト部404dをそれぞれ創外固定器フレーム102のボルト孔206を通して挿入してもよい。第3のねじ山付きシャフト部404c及び第4のねじ山付きシャフト部404dは、ワイヤ104a、104bの元の向きに近接して、創外固定器フレーム102のボルト孔206内に挿入されてもよい。図9に示すように、骨構造902の皮質を通過する際の第1のワイヤ104aと第2のワイヤ104bとの間の間隔を提供するために、ワイヤ固定ボルト106a、106cは、創外固定器フレーム102の、ワイヤ固定ボルト106b、106dとは異なる側を通して挿入されてもよい。
【0031】
第3のワイヤ固定ボルト106c及び第4のワイヤ固定ボルト106dが創外固定器フレーム102内に挿入された後、第1のワイヤ104a及び第2のワイヤ104bはそれぞれ第1のワイヤテンショナ及び第2のワイヤテンショナ(図示せず)の内部に受け入れられてもよい。第1のワイヤテンショナのワイヤテンショニング先端部は、第1のワイヤ104a及び第3のワイヤ固定ボルト106cが回転できないように、第3のワイヤ固定ボルト106cと係合してもよい。第2のワイヤテンショナのワイヤテンショニング先端部は、第2のワイヤ104b及び第4のワイヤ固定ボルト106dが回転できないように、第4のワイヤ固定ボルト106dと係合してもよい。第1のワイヤテンショナ及び第2のワイヤテンショナの両方が第3のワイヤ固定ボルト106c及び第4の固定ボルト106dと係合されたら、第1のワイヤ104a及び第2のワイヤ104bは、所望のテンションまで、例えば1.8mmのワイヤについて130キログラムのテンションまで、同時にテンションをかけられてもよい。第1のワイヤ104a及び第2のワイヤ104bは、2つのみのツール、すなわち第1のワイヤテンショナ及び第2のワイヤテンショナを使用して、同時にテンションをかけられてもよい。従って、1人のみの医療専門家が、第1のワイヤ104a及び第2のワイヤ104bにテンションをかけるために必要とされる。ワイヤテンショナ110の操作については、図13に関連して説明する。
【0032】
第1のワイヤ104a及び第2のワイヤ104bに所望のテンションまでテンションがかけられた後、第3のナット108c及び第4のナット108dが次に第3のねじ山付きシャフト部404c及び第4のねじ山付きシャフト部404dに沿って通されてもよく、その結果、第3のナット及び第4のナットは、第3のワイヤ固定ボルト106c及び第4のワイヤ固定ボルト106dのヘッド部を創外固定器フレーム102の上面202に対抗して付勢し、第1のワイヤ104a及び第2のワイヤ104bのための第2のアンカー位置がアンカリングされる。第1のワイヤ104a及び第2のワイヤ104bは、一度に2つのみのツールを使用して、別個の時に第2のアンカー位置においてアンカリングされてもよく、すなわち第1のレンチが第3のナット108cを締め付け、第1のワイヤテンショナが第3のワイヤ固定ボルト106cに対して逆トルクを提供して、第1のワイヤ104aがテンションを有して創外固定器フレーム102を横切ってアンカリングされ、次に、同じ第1のレンチが第4のナット108dを締め付け、第2のワイヤテンショナが第4のワイヤ固定ボルト106dに対して逆トルクを提供して、第2のワイヤ104bがテンションを有して創外固定器フレーム102を横切ってアンカリングされる。従って、1人のみの医療専門家が、第1のワイヤ104a及び第2のワイヤ104bをそれらのそれぞれの第2のアンカー位置においてアンカリングするために必要とされる。
【0033】
図9に示すように、第1のワイヤ104aと第2のワイヤ104bとの間の交差角θは約30°〜約60°の範囲内であることが好ましい。しかし一実施形態では、第1のワイヤ104aと第2のワイヤ104bとの間の約45°の交差角θが利用されてもよい。第1のワイヤ104a及び第2のワイヤ104bが第1のワイヤテンショナ及び第2のワイヤテンショナを用いて同時にテンションをかけられない場合、第2のワイヤ104bにテンションをかけることにより第1のワイヤ104aにおけるテンションが緩むか又は締まる可能性があり、それにより創外固定器フレーム102が変形され、及び/又は、第1のワイヤ104a又は第2のワイヤ104bがアンカリングされる際に所望のテンションまでテンションをかけられなくなる可能性がある。例えば、交差角θが45°未満である場合、第1のワイヤ104aが所望のテンションまでテンションをかけられ、次に第2のワイヤ104bが所望のテンションまでテンションをかけられるならば、第1のワイヤ104aにおけるテンションは緩み、第1のワイヤ104aはテンション不足となる。逆に、交差角θが45°より大きい場合、第1のワイヤ104aが所望のテンションまでテンションをかけられ、次に第2のワイヤ104bが所望のテンションまでテンションをかけられるならば、第1のワイヤ104aにおけるテンションは締まり、第1のワイヤ104aはテンション過剰となる。第1のワイヤ104aと第2のワイヤ104bとを約45°の交差角θで配置し、第1のワイヤ104a及び第2のワイヤ104bに同時にテンションをかけることにより、テンショニング力の干渉を最小にすることができる。
【0034】
図10は、本開示の一実施形態による、ワイヤテンショニング先端部1002の立面図を示す。図6図8に示したワイヤテンショニング先端部112と同様に、ワイヤテンショニング先端部1002は、ワイヤ固定ボルト106の成形ヘッド406と係合するように機能する成形ヘッドリセス部1004と、成形ヘッドリセス部1004より遠位のボディショルダ部1006であって第1のボディ408と係合するように機能するボディショルダ部1006と、ボディショルダ部1006より遠位のショルダリセス部1008であってワイヤ固定ボルト106のショルダ部410と係合するように機能するショルダリセス部1008とを含んでもよい。ワイヤテンショニング先端部1002は、六角形状のワイヤ固定ボルトの4つの側面の全体と係合して、ワイヤテンショニング先端部112をワイヤ固定ボルト106に取り外し可能に接続し、ワイヤに張力がかけられる際にワイヤ固定ボルト106が回転されること、捩られること、及び/又は、ワイヤ104の長手方向軸とワイヤテンショニング先端部1002とに沿って形成される平面を離れることを防止する。図10では、ワイヤ104は、ワイヤ固定孔(図示せず)と係合するのではなく、ワイヤ固定ボルト106のオフセットワイヤ溝416と係合するものとして示されている。ワイヤテンショニング先端部1002の遠位端1010は、ワイヤテンショニング先端部1002のベース1012から距離χのところに配置されてもよい。これにより、横変位に起因するワイヤ104の曲げが最小化され得る。好ましくは、距離χは約30mm〜50mmの範囲内でなければならない。
【0035】
図11は、本開示の一実施形態による、ワイヤテンショニング先端部1102の立面図を示す。ワイヤテンショニング先端部1102は、ワイヤ固定ボルト106の成形ヘッド406と係合するように機能する成形ヘッドリセス部1104と、成形ヘッドリセス部1104より遠位のボディショルダ部1106であってワイヤ固定ボルト106の第1のボディ408と係合するように機能するボディショルダ部1106とを含んでもよい。ワイヤテンショニング先端部1102は、六角形状のワイヤ固定ボルトの4つの側面の全体と係合して、ワイヤテンショニング先端部1102をワイヤ固定ボルト106に取り外し可能に接続し、ワイヤに張力がかけられる際にワイヤ固定ボルト106が回転されること、捩られること、及び/又は、ワイヤ104の長手方向軸とワイヤテンショニング先端部1102とに沿って形成される平面を離れることを防止する。図11では、ワイヤ104は、ワイヤ固定孔(図示せず)と係合するのではなく、ワイヤ固定ボルト106のオフセットワイヤ溝416と係合するものとして示されている。図10の実施形態とほぼ同様に、ワイヤテンショニング先端部1102の遠位端1110は、ワイヤテンショニング先端部1102のベース1112から距離χのところに配置されてもよい。
【0036】
図12は、本開示の一実施形態による、ワイヤテンショニング先端部1202の立面図を示す。ワイヤテンショニング先端部1202は、ワイヤ固定ボルト106の成形ヘッド406と係合するように機能する成形ヘッド部1204と、成形ヘッド部1204より遠位のボディショルダ部1206であってワイヤ固定ボルト106の第1のボディ408と係合するように機能するボディショルダ部1206とを含んでもよい。ワイヤテンショニング先端部1202は、六角形状のワイヤ固定ボルトの2つの側面と係合して、ワイヤテンショニング先端部1102をワイヤ固定ボルト106に取り外し可能に接続し、ワイヤに張力がかけられる際にワイヤ固定ボルト106が回転されること、捩られること、及び/又は、ワイヤ104の長手方向軸とワイヤテンショニング先端部1202と沿って形成される平面を離れることを防止する。図12では、ワイヤ104は、ワイヤ固定孔(図示せず)と係合するのではなく、ワイヤ固定ボルト106のオフセットワイヤ溝416と係合するものとして示されている。図10及び図11の実施形態とほぼ同様に、ワイヤテンショニング先端部1202の遠位端1210は、ワイヤテンショニング先端部1202のベース1212から距離χのところに配置されてもよい。
【0037】
図13は、本開示の一実施形態による、図1のワイヤテンショニング先端部112を有するテンショナ装置110を示す。前述のように、本開示のワイヤテンショニング先端部112は、オルソフィックス(Orthofix)トゥルーロック(Truelok)(登録商標)ワイヤテンショナなどの、任意の既知のワイヤテンショナ110に接続されそこから延在してもよい。
【0038】
図1図13に示した実施形態のそれぞれにおいて、第1のワイヤ及び第2のワイヤは、対象の肢を貫通する第1のワイヤ及び第2のワイヤの所望の配置に応じて、創外固定器フレームの上面又は下面のいずれかを横切ってテンションをかけられてもよい。実施形態において、両方のワイヤが創外固定器フレームの上面を横切ってテンションをかけられてもよく、又は両方のワイヤが創外固定器フレームの下面を横切ってテンションをかけられてもよく、又は1本のワイヤが創外固定器フレームの上面を横切ってテンションをかけられ、1本のワイヤが創外固定器フレームの下面を横切ってテンションをかけられてもよい。加えて、ワイヤ固定ボルトのワイヤ孔又はオフセットワイヤ溝を創外固定器フレームの上面又は下面からより遠くに間隔をおいて配置して、創外固定器フレームを横切る第1のワイヤ及び第2のワイヤにおける所望の向き及びテンションを達成するために、ワイヤ固定ボルトは1つ以上のスペーサ又はワッシャと共に使用されてもよい。実施形態において、3本以上のワイヤが創外固定器フレームを横切ってテンションをかけられてもよく、2つ以上の創外固定器フレームが対象の肢上に受け入れられてもよい。
【0039】
各実施形態において、ワイヤテンショニング先端部は創外固定器フレームではなくワイヤ固定器ボルトに係合し、これにより有利には、第1のワイヤ及び第2のワイヤが、創外固定器フレームに直交しない配向角において創外固定器フレームを横切って配置されることが可能になる。ワイヤテンショニング先端部を創外固定器フレームではなくワイヤ固定器ボルトに係合させることにより、不規則な形状の創外固定器フレームを、創外固定器フレームに対してワイヤテンショナが滑る恐れなしに使用できるようになる。加えて、ワイヤ固定器ボルトをワイヤテンショニング先端部と係合させることによって、より少ないツールが必要となり、1人の医療専門家が、創外固定器フレームを横切って両方のワイヤに所望のテンションまでテンションをかけアンカリングすることが必要に応じて可能になる。
【0040】
本明細書中で開示された改良されたワイヤ固定システムの1つ以上の構成要素は、以下の材料のうちの任意のものから作られてもよい。(a)任意の生体適合性材料(この生体適合性材料は骨内部成長を許容するか又は骨内部成長を阻止するように処理されてもよい)、(b)プラスチック、(c)繊維、(d)ポリマー、(e)金属(例えば、チタンなどの純金属、及び/又はTi−Al−Nb、TI−6Al−4V、ステンレス鋼などの合金)、(f)放射線透過性材料(例えば、炭素繊維、PEEK、又はアルミニウム)、あるいは、(g)これらの任意の組み合わせ。
【0041】
本明細書中で開示された原理による様々な実施形態について上述したが、それらは例として提示されたものにすぎず、限定するものではないということを理解されたい。従って、本発明(1つ又は複数)の広さ及び範囲は、上述の例示的実施形態のいずれかによって限定されるべきではなく、本開示に由来する請求項及びそれらの均等物のみに従って規定されるべきである。更に、上記の利点及び特徴は、記載された実施形態において提供されるものであるが、そのような由来する請求項の適用を、上記の利点のいずれか又は全てを達成するプロセス及び構造に限定するものではない。
【0042】
本開示の主要な特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく様々な実施形態において採用され得ることが理解されるであろう。当業者は、本明細書中に記載された特定の手順に対する多数の均等物を認識するか、又は日常的な実験にすぎないものを使用して確認できるであろう。そのような均等物は、本開示の範囲内にあり特許請求の範囲によってカバーされると考えられる。
【0043】
加えて、本明細書中のセクション見出しは、37 CFR 1.77の下での示唆との整合性のために、又はさもなければ編成上の手がかりを示すために提供される。これらの見出しは、本開示に由来し得るいかなる請求項に記載される発明(1つ又は複数)も限定するものではなく、特徴付けるものでもない。具体的には、及び例として、見出しに「技術分野」と記載されていても、そのような請求項は、いわゆる技術分野を説明するためのこの見出しの下での言語によって限定されるべきではない。更に、「背景技術」のセクションにおける技術の説明は、技術が本開示における任意の発明(1つ又は複数)に対する従来技術であることの承認と解釈されるべきではない。「課題を解決するための手段」も、由来する請求項において記載される発明(1つ又は複数)の特徴付けと考えられるべきではない。更に、単数形の「発明」への本開示におけるいかなる言及も、本開示中に新規性のポイントが1つだけ存在すると議論するために使用されるべきではない。本開示に由来する複数の請求項の限定に従って複数の発明が記載される場合があり、従ってそのような請求項はそれらによって保護される発明(1つ又は複数)及びそれらの均等物を規定する。全ての場合において、そのような請求項の範囲は、本開示に照らしてそれぞれの真価に基づいて考慮されるものであり、本明細書中に記載される見出しによって制約されるべきではない。
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図11
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図13