特許第6722190号(P6722190)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6722190
(24)【登録日】2020年6月23日
(45)【発行日】2020年7月15日
(54)【発明の名称】押圧システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B21D 24/00 20060101AFI20200706BHJP
   B21D 22/20 20060101ALI20200706BHJP
   B21D 24/16 20060101ALI20200706BHJP
   B21D 37/16 20060101ALI20200706BHJP
   B21D 22/26 20060101ALI20200706BHJP
【FI】
   B21D24/00 M
   B21D22/20 E
   B21D22/20 H
   B21D22/20 Z
   B21D24/16 Z
   B21D37/16
   B21D22/26 C
【請求項の数】15
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2017-547485(P2017-547485)
(86)(22)【出願日】2016年3月8日
(65)【公表番号】特表2018-507783(P2018-507783A)
(43)【公表日】2018年3月22日
(86)【国際出願番号】EP2016054885
(87)【国際公開番号】WO2016142367
(87)【国際公開日】20160915
【審査請求日】2019年2月28日
(31)【優先権主張番号】15382104.6
(32)【優先日】2015年3月9日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】517098527
【氏名又は名称】オートテック・エンジニアリング・ソシエダッド・リミターダ
【氏名又は名称原語表記】Autotech Engineering, S.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】イグナシオ・マルティン・ゴンサレス
(72)【発明者】
【氏名】マヌエル・ロペス・ラヘ
(72)【発明者】
【氏名】ペドロ・ラヤ・サモラ
【審査官】 石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−075329(JP,A)
【文献】 独国特許発明第102005032113(DE,B3)
【文献】 特開2005−131665(JP,A)
【文献】 特開2003−053437(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102011011013(DE,A1)
【文献】 特表2013−522048(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0059295(US,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2017−0037016(KR,A)
【文献】 独国特許出願公開第102009050533(DE,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0152410(US,A1)
【文献】 実開昭49−062273(JP,U)
【文献】 特開平07−266100(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 24/00
B21D 22/20
B21D 22/26
B21D 24/16
B21D 37/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱間成形された構造の部品を製造するための押圧システムであって、システムは、固定された下部の本体と、可動性の上部の本体と、前記固定された下部の本体に対して、前記可動性の上部の本体を上へ及び下へ押す進行を提供するように構成された機構と、を備え、
システムは、選択された部分が、局所的に異なる微細構造及び機械的特性を得ることができるように、前もって加熱されたブランクの前記選択された部分を冷却及び/または加熱するように構成された冷却/加熱道具と、前記ブランクを引くように構成された押圧道具と、前記冷却/加熱道具から前記押圧道具へ前記ブランクを移動するためのブランク移動機構と、を備え、
冷却/加熱道具は、上部及び下部の対になっている冷却/加熱金型を備え、それぞれの冷却金型は、使用において、前記ブランクに面する1以上の機能表面を備える、2以上の金型ブロックによって形成され、前記上部の冷却/加熱金型は、前記可動性の上部の本体と連結され、前記下部の冷却/加熱金型は、前記固定された下部の本体と連結され、
前記上部及び下部の金型は、局所的に異なる微細構造及び機械的特性を有する前記ブランクの領域に対応する、異なる温度で操作されるように構成された2以上の金型ブロックを備え、
前記押圧道具は、前記冷却/加熱道具の下流に配置され、上部と下部の対になっている押圧金型を備え、それぞれの押圧金型は、使用において、前記ブランクに面する1以上の機能表面を備え、前記上部の押圧金型は、前記上部の本体に結びつけられ、前記下部の押圧金型は、前記下部の本体に結びつけられるシステム。
【請求項2】
前記冷却/加熱道具の下部の金型は、前記下部の本体からのあらかじめ決定された第1の距離における位置へ、前記下部の金型を付勢するように構成された1以上の下部の付勢要素を備える前記下部の本体と連結され、及び/または、前記冷却/加熱道具の上部の金型は、前記上部の本体からのあらかじめ決定された第2の距離における位置へ、前記上部の金型を付勢するように構成された1以上の上部の付勢要素を備える前記上部の本体と連結される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
高い温度で操作するように構成された前記ブロックは、1以上の電気ヒータ及び/または熱い液体を案内する経路を備える、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
低い温度で操作するように構成された前記ブロックは、冷却液及び/または空気を案内する経路を備える、請求項1乃至3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記押圧道具の上部及び下部の対になっている金型はさらに、局所的に異なる微細構造と機械的特性を有する前記ブランクの領域に対応する異なる温度で、操作するように構成された2以上の金型ブロックを備える、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
高い温度で操作するように構成された前記押圧道具の上部及び下部の対になっている金型の前記ブロックは、1以上の電気ヒータ及び/または熱い液体を案内する経路を備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
さらに、切り取る及び/または突き通す操作を実行するように構成された第1の後操作道具を備え、前記第1の後操作道具は、前記押圧道具の下流に配置され、上部及び下部の対になっている第1の後操作道具の金型を備え、
それぞれの金型は、使用において前記ブランクに面する1以上の機能表面を備え、
前記上部の第1の後操作道具の金型は、前記上部の本体に結びつけられ、前記下部の第1の後操作道具の金型は、前記下部の本体に結びつけられ、
前記第1の後操作道具の金型は、前記1以上の機能表面に配置された、1以上のナイフまたは鋸刃を備え、
前記ブランク移動機構は、さらに前記押圧道具から前記第1の後操作道具へ前記ブランクを移動するように構成される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の後操作道具の上部及び下部の対になっている金型はさらに、局所的に異なる微細構造と機械的特性を有する前記ブランクの領域へ対応する異なる温度で操作するように構成された金型ブロックを備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
さらに、切り取る及び/または突き通す操作を実行するように構成された第2の後操作道具を備え、前記第2の後操作道具は、前記第1の後操作道具の下流に配置され、上部及び下部の対になっている第2の後操作道具の金型を備え、
それぞれの金型は、使用において前記ブランクに面する1以上の機能表面を備え、
前記上部の第2の後操作道具の金型の反対は、前記上部の本体に結びつけられ、前記下部の第2の後操作道具の金型は、前記下部の本体に結びつけられ、
前記第2の後操作道具の金型は、前記1以上の機能表面に配置された、1以上のナイフまたは鋸刃を備え、
前記ブランク移動機構は、さらに前記第1の後操作道具から前記第2の後操作道具へ前記ブランクを移動するように構成される、請求項7または8に記載のシステム。
【請求項10】
ブランクを加熱及び冷却するための方法であって、
請求項1乃至9のいずれかに記載の押圧システムを提供し、
超高強度鋼(UHSS)から作られた被熱間成形ブランクを提供し、
前記ブランクを加熱し、
押圧機構を用いて、開いた位置に押す前記上部の本体を配置し、
前記冷却/加熱道具の上部及び下部の対になっている金型の間に前記ブランクを配置し、
前記ブランクを押圧するために、前記固定された下部の本体に対して、最終的な所望の位置になるまで、前記上部の金型が、前記下部の金型へ向かって動かされるように、前記固定された下部の本体に対して、前記可動性の上部の本体の下へ押す進行を提供することによって、少なくとも前記ブランクの選択された位置を冷却し、
局所的に異なる微細構造と機械的特性を有するように、被形成ブランクの領域に対応する、異なる温度で冷却/加熱道具の少なくとも2つの金型ブロックを操作し、高い温度のブロックは、それらの機能表面が軟らかい領域が形成されるべき前記ブランクの部分に、接触して入るように構成されるように、ブランクに対して配置される、方法。
【請求項11】
さらに、前記冷却/加熱道具から前記押圧道具へ前記ブランクを移動し、
前記押圧道具の上部及び下部の金型の間に前記ブランクを配置し、
構造部品を押圧するために、前記押す固定された下部の本体に対して、前記最終的な所望の位置に到達するまで、前記固定された下部の本体に対して、前記可動性の上部の本体を下へ押す進行を提供することによって、前記ブランクを引く、請求項10に記載の方法を備える、ブランクを引く方法。
【請求項12】
さらに局所的に異なる微細構造と機械的特性を有する被形成ブランクの領域に対応する、異なる温度で少なくとも2つの押圧道具の金型ブロックを操作することを備える、請求項5を引用する請求項11に記載の方法。
【請求項13】
さらに、前記押圧道具から前記第1の後操作道具へ前記ブランクを移動し、
前記第1の後操作道具の上部及び下部の対になっている金型の間に前記被形成構造部品を配置し、
前記ブランクを押圧するために、前記押す固定された下部に対して、前記最終的な所望の位置に到達するまで、前記押す固定された下部の本体に対して、前記押す可動性の上部の本体に下へ押す進行を提供し、
前記第1の後操作道具の鋸刃を使って、前記ブランクを切るまたは押し抜きをする、請求項7を引用する請求項11または請求項12に記載の方法を備える、ブランクを突き通す及び/または切り取る方法。
【請求項14】
さらに、前記ブランクを切るまたは押し抜きをする前に、局所的に異なる微細構造と機械的特性を有する被形成ブランクの領域に対応する、異なる温度で、前記第1の後操作道具の少なくとも2つの金型ブロックを操作することを備える、請求項8を引用する請求項13に記載の方法。
【請求項15】
さらに前記第1の後操作道具から前記第2の後操作道具へ構造部品を運び、
前記構造部品を押圧するために、前記最終的な所望の位置に到達するまで、前記押す固定された下部の本体に対して、前記押す可動性の上部の本体の下へ押す進行を提供し、
前記鋸刃を使って、前記構造部品を切るまたは押し抜きをし、
それぞれの上部及び下部の金型の前記機能表面にそって、被形成構造部品を変形するように、前記上部及び下部の金型の間の距離を調整する、請求項9を引用する、請求項13または請求項14に記載の方法を備える、熱間成形された被形成構造部品をさらに、突き通す及び/または切り取る及び調整する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2015年3月9日に出願された、欧州特許出願15382104.6の利益を主張する。
【0002】
本開示は、熱間成形された構造部品を製造する押圧システム及びその方法に関連する。
【背景技術】
【0003】
自動車の産業の軽量化の要求は、軽量の材料または部品の、及び製造方法及び道具の開発及び実施を導いてきた。重さを減らす要求は、特にCO放出の減少という目標に突き動かされる。占有者の安全の関心の増加も、エネルギ吸収も改良する一方で、衝突の間の車の完全性を改良する材料の選択を導く。
【0004】
熱間成形金型焼き入れ(Hot Forming Die Quenching(HFDQ)として知られている工程は、例えば、1500MPaまたは2000MPaまたは更にそれより高い引張強度を備える、超高強度鋼(Ultra High Strength Steel(UHSS))特性を備える、スタンプされた部品を作り出すために、ボロン鋼シートを使う。強度の増加により、ゲージを薄くする材料が使われることができ、従来の冷間スタンプされた軟鋼部品を超えて、重さを節約することをもたらす。
【0005】
ホットスタンピング及び焼き入れするための超高強度鋼(UHSS)がいくつか知られている。ブランクは、例えば、ArceloMittalから商業的に入手可能な、Usibor(登録商標)(22MnB5)のような、コーティングされた、またはコーティングされていない、ボロン鋼で作られている。
【0006】
HFDQ工程を使って、製造されることができる典型的な車の部品は、ドアのはり、バンパーのはり、交差する/側面の部材、A/Bピラー補強材、及びウエストレール補強材を含む。
【0007】
ボロン鋼の熱間成形は、それらの優れた強度と加工性のために、自動車産業で人気が増加してきている。伝統的に冷間成形による、軟鋼から形成された多くの構造部品は、それゆえ、強度の十分な増加を提示する熱間成形された等価物に置き換えられてきている。これにより、同じ強度を維持する一方、材料の厚さ(そして、それゆえ重さ)を減少することができる。しかしながら、熱間成形された部品は、形成されたままの状態で、とても低い水準の延性とエネルギ吸収を提供する。
【0008】
部品の特定の部分の延性とエネルギ吸収を改良するために、同じ部品の中に軟らかい領域を導入することが知られている。これにより、全体で必要とされた高い強度を維持する一方で、局所的に延性を改良する。それらが、とても高い強度(とても硬い)の領域と増加した延性(軟らかい)を備える領域を備えるように、いくつかの構造部品の微細構造と機械的特性を局所的に、あつらえることによって、それらの全体のエネルギ吸収を改良し、衝突の状況の間のそれらの構造的な完全性を維持し、また、それらの全体の重さを減らすことを可能とするかもしれない。そのような軟らかい領域は、衝突のもとで部品の崩壊の場合に、運動学的挙動を有利に変化することもあるかもしれない。
【0009】
自動車の構造部品において、延性を増加した領域(「軟らかい領域」(softzones)または「軟らかい領域」(soft zonnes))を作り出す知られた方法は、相補的な上部と下部の金型ユニットの組を備え、ユニットのそれぞれは、分離した金型要素(鋼のブロック)を有する、道具の準備を含む。被熱間成形ブランクは、強度を減らすように、すなわち、ホットスタンピング工程を促進するように、例えば、加熱炉システムによって、例えば、オーステナイト化する温度またはそれより高い、あらかじめ決められた温度で、前もって加熱される。
【0010】
金型要素は、焼き入れ工程の間、被形成部分の異なる領域で、異なる冷却割合を有するために、異なる温度で機能するために設計されてもよく、そして、それによって、例えば軟らかい領域といった、最終製品において、異なる材料特性をもたらしてもよい。例えば、1つの金型要素は、高い冷却割合で製造されている部品の対応する領域を焼き入れするために、急速に部品の温度を減少することによって、冷やされてもよい。別の隣接した金型要素は、製造されている部品の対応する部分が、低い冷却割合で冷却することを確保するために、加熱されてもよく、そしてそれゆえ、金型から離れたときに、部品の残りよりも高い温度を維持していてもよい。
【0011】
熱間成形要素を製造するための多段階の押圧システムの使用が知られている。多段階の押圧システムは、同時にブランクに異なる操作を実行するように構成された複数の道具を備えてもよい。そのような配置によって、複数のブランクは、多段階の押圧システムを形成する道具を使って、一回のストロークの間に同時に異なる製造工程を受け、それゆえ、システムの成果を上げることができる。
【0012】
多段階の押圧システムは、ブランクを押圧するように構成される押圧道具へ加熱されたブランクを移動する、コンベアまたは移動装置を含んでもよい。さらに、被熱間成形ブランクを加熱し、軟らかくする加熱炉システムは、多段階の押圧機械から上流に提供されることができる。さらに、分離したレーザ工程ステップまたは分離した切断道具も提供されることができ、スタンプされたブランクは、押圧システムから送り出され、製造される、例えば、切断され及び/または切り取られ及び/または突き通され及び/または押し抜かれるために、レーザ工程ステップまたは分離した切断道具に移動され、配置される。
【0013】
一般的に、そのようなシステムにおいて、外部の前もって冷却する道具は、被熱間成形ブランクを前もって冷却するために使われる。ブランクが冷やされると、外部の前もって冷却する道具から多段階押圧器具またはシステムへ移動される。
【0014】
国際公開第2011/115539号は、加熱炉と押圧焼き入れ工程の間に提供された接触冷却押圧を記載する。ブランク(18)のあらかじめ選択された部分は、最終製品の対応する部分がより軟らかく、高い降伏点を提示するように、接触冷却される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】国際公開第2011/115539号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本開示は、軟らかい領域を作り出すように構成された多段階システムと方法における改良を提供することを探し求める。
【課題を解決するための手段】
【0017】
第1の態様において、熱間成形された構造部品を製造するための押圧システムが提供されることができる。システムは、固定された下部の本体と、可動性の上部の本体と、固定された下部の本体に対して、可動性の上部の本体を上へ及び下へ押す進行を提供するように構成された機構と、を備える。システムは、さらに局所的に異なる微細構造及び機械的特性を有する前もって加熱されたブランクを冷却及び/または加熱するように構成され、上部及び下部の対になっている冷却/加熱道具を備え、それぞれの冷却金型は、使用において、ブランクに面する1以上の機能表面を備える、2以上の金型ブロックによって形成され、上部及び下部の金型は、局所的に異なる微細構造及び機械的特性を有するブランクの領域に対応する異なる温度で操作するように構成された2以上の金型ブロックを備え、押圧道具は、ブランクを引くように構成され、押圧道具は、冷却/加熱道具の下流に配置され、上部と下部の対になっている金型を備え、それぞれの押圧金型は、使用において、ブランクに面する1以上の機能表面を備え、上部の押圧金型は、上部の本体に結びつけられ、下部の押圧金型は、下部の本体に結びつけられる。システムはさらに、冷却/加熱道具から押圧道具へブランクを移動するブランク移動機構を備える。
【0018】
この態様によって、押圧システムは、局所的に異なる微細構造と機械的特性を有するブランクの領域(「軟らかい領域」)を作り出すように構成された冷却/加熱道具、及び引くまたは形成する道具が設けられる。
【0019】
そのような冷却/加熱道具ととともに、選択された金型ブロックが加熱されることができ、それゆえ加熱されたブロック(「軟らかい領域」)と接触するブランクの異なる微細構造と機械的特性を変化させることができ、それゆえ領域の延性を改良する。
【0020】
加えて、単なる押圧の道具の一体として、冷却道具から引く道具へ移動する時間を減らすことができ、それゆえ工程を、最適化することができ、生産性は、制御の下で、温度と冷却割合を維持する一方で、改善することができる。
【0021】
第2の態様において、ブランクの加熱と冷却のための方法が提供されることができる。方法は、第1の態様による押圧システムを提供することを、備える。方法は、さらに超高強度鋼(UHSS)から作られた被熱間成形ブランクを提供することを含む。ブランクは加熱されてもよい。押す上部の本体は、押圧機構を用いて、開いた位置に配置される。それから、ブランクは、冷却/加熱道具の上部及び下部の対になっている金型の間に配置される。少なくともブランクの部分は、ブランクを押圧するために、固定された下部の本体に対して、最終的な所望の位置に到達するまで、上部の金型が、下部の金型へ向かって動かされるように、固定された下部の本体に対し、可動性の上部の本体の下へ押す進行を提供することによって、冷却され、少なくとも2つの金型ブロックが、局所的に異なる微細構造と機械的特性を有するように、被形成ブランクの領域に対応する異なる温度で操作されることを含み、高い温度のブロックは、それらの機能表面が軟らかい領域が形成されるべきブランクの部分に、接触して入るように構成されるように、ブランクに対して配置される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】概略的に、実施例による多段階押圧システムを表す。
図2a】概略的に、実施例によるブランクを冷却するための方法の実行の間に起きる状況の順序を描く。
図2b】概略的に、実施例によるブランクを冷却するための方法の実行の間に起きる状況の順序を描く。
図2c】概略的に、実施例によるブランクを冷却するための方法の実行の間に起きる状況の順序を描く。
図2d】概略的に、実施例によるブランクを冷却ための方法の実行の間に起きる状況の順序を描く。
図2e】概略的に、実施例による同じブランクを引くための方法の実行の間に起きる状況の順序を描く。
図2f】概略的に、実施例による同じブランクを引くための方法の実行の間に起きる状況の順序を描く。
図2g】概略的に、実施例による同じブランクを引くための方法の実行の間に起きる状況の順序を描く。
図2h】概略的に、実施例による同じブランクを引くための方法の実行の間に起きる状況の順序を描く。
図2i】概略的に、実施例による同じブランクを突き通す及び/または切り取るための方法の実行の間に起きる状況の順序を描く。
図2j】概略的に、実施例による同じブランクを突き通す及び/または切り取るための方法の実行の間に起きる状況の順序を描く。
図2k】概略的に、実施例による同じブランクを突き通す及び/または切り取るための方法の実行の間に起きる状況の順序を描く。
図2l】概略的に、実施例による同じブランクを突き通す及び/または切り取るための方法の実行の間に起きる状況の順序を描く。
図2m】概略的に、実施例による同じブランクをさらに突き通す及び/または切り取るための方法の実行の間に起きる状況の順序を描く。
図2n】概略的に、実施例による同じブランクをさらに突き通す及び/または切り取るための方法の実行の間に起きる状況の順序を描く。
図2o】概略的に、実施例による同じブランクをさらに突き通す及び/または切り取るための方法の実行の間に起きる状況の順序を描く。
図2p】概略的に、実施例による同じブランクをさらに突き通す及び/または切り取るための方法の実行の間に起きる状況の順序を描く。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の限定されない実施例は、図面を参照して、次に記載されるであろう。
【0024】
図1は、概略的に、実施例による多段階押圧システムを表す。システム1は、固定された下部の本体2、可動性の上部の本体3と、固定された下部の本体2に対して、可動性の上部の本体3の上へ及び下へ押す進行を提供するように構成される機構(図示せず)を備える。
【0025】
固定された下部の本体2は、金属の大きなブロックであることができる。この特定の実施例において、固定された下部の本体2は、動かなくてもよい。いくつかの実施例において、固定された下部の本体2に組み込まれた金型クッション(図示せず)が、提供されてもよい。クッションは、ブランクホルダの力を受け及び制御するように構成されてもよい。可動性の上部の本体3も金属から切り出した固体の一部であることができる。可動性の上部の本体3は、ストロークサイクル(上及び下の動き)を提供することができる。
【0026】
押圧システムは、毎分約30ストロークを実行するように構成することができ、それゆえ、それぞれのストロークサイクルは約2秒であることができる。ストロークサイクルは、さらなる実施例において異なることができた。
【0027】
プレス機の機構は、機械で、油圧でまたはサーボ機械で駆動されることができる。固定された下部の本体2に対して可動性の上部の本体3の進行は、機構によって決定されることができる。この特定の実施例において、プレス機は、サーボの機械のプレス機であってもよく、それゆえ、ストロークの間、一定の押圧力が提供されてもよい。サーボの機械のプレス機は、無限のスライド(ram)速度と位置の制御を与えることができる。サーボの機械のプレス機は、あらゆるスライドの位置において、押圧力の利用のよい範囲を与えることもでき、それゆえプレス機の大きな柔軟性を達成することができる。サーボ駆動のプレス機は、金属形成におけるプロセス条件と生産性を改善するための能力を有するかもしれない。プレス機は、2000Tnの押圧力を有してもよい。
【0028】
いくつかの実施例において、プレス機は、機械的なプレス機であってもよく、それゆえ固定された下部の本体2への押圧力の進行は、駆動とヒンジシステムによって決めることができる。機械的なプレス機はそれゆえ、単位時間あたり高いサイクルに達することができる。代わりに、油圧のプレス機も使われることができる。
【0029】
ブランクの前もって選択された部分を冷却し、加熱するように構成された冷却/加熱道具10が提供されることができる。ブランクは、例えば、加熱炉のなかで、前もって加熱されてもよい。冷却/加熱道具4は、上部11と下部12の対になっている金型を備えることができる。冷却道具の上部11と下部12の金型のそれぞれは、2以上の金型ブロック(図示せず)で形成されることができる。冷却/加熱道具の上部の金型は、上部の機能表面15を備える。冷却/加熱道具の下部の金型は、下部の機能表面16を備える。使用において、機能表面の両方は、被熱間成形ブランクに面する。
【0030】
金型ブロック(詳細には図示せず)は、局所的に異なる微細構造と機械的特性(「軟らかい領域」と「硬い領域」)を得ることになる、ブランクの領域に対応する、異なる温度で操作するように構成されることができる。低い温度で操作するように構成された金型ブロックは、「硬い領域」が形成されるべきブランクの領域に対応することができる。さらに、高い温度で操作するように構成された金型ブロックは、それゆえ「軟らかい領域」が形成されるべきブランクの領域に対応することができる。
【0031】
軟らかい領域の選択は、軟らかい領域を選択するためのいくつかの他の方法が可能であってもよいが、衝突試験またはシミュレーション試験に基づいてもよい。軟らかい領域は、例えばBピラーのような、単純な場所で最も有利な衝突行動またはよりよい吸収を決定するためにシミュレーションによって決めることができる。
【0032】
下部の金型12は下部の本体2からあらかじめ決められた第1の距離おける位置へ下部の金型12を付勢するように構成された、第1の下部の付勢要素13と第2の下部の付勢要素14を備える、下部の本体2へ接続されてもよい。付勢要素は、いくつかの他の付勢要素が、例えば油圧機構などが可能であるが、例えば、機械的なバネまたはガススプリングといった、例えば、バネを備えることができる。いくつかの実施例において、単一の下部の付勢要素または2を超える付勢要素が提供されることができる。
【0033】
いくつかの他の実施例において(描かれず)、代わりにまたは追加的に、上部の金型11は、上部の本体からあらかじめ決められた第2の距離おける位置に上部の金型を付勢するように構成された1以上の上部の付勢要素を備える上部の本体3へ接続されてもよい。
【0034】
まださらなる実施例において、下部の金型12は、直接、下部の本体2に接続されてもよく、及び/または、上部の金型11は、直接、上部の本体3に接続されてもよい。それゆえ、付勢要素は、必要とされないだろう。
【0035】
上部及び/または下部の付勢要素の挿入によって、上部の金型11と下部の金型12の間で接触する時間をストロークサイクル(下部の本体2に対する可動性の上部の本体3の上と下の動き)の間、調整し、増加することができる。
【0036】
冷却/加熱道具における付勢要素によって、上部と下部の冷却金型の間の接触は、押圧道具(及びさらに下流に配置された道具)の押圧金型の接触の前に、引き起こされることができる。それゆえ、ストロークサイクルの間、冷却金型の間の接触時間は、増加されることができ、被冷却部分のさらなる冷却を許す。
【0037】
冷却道具の金型ブロックは、高い温度(「熱いブロック」)を達成するために例えば電気ヒータ及び/または熱い液体を導く経路といった、加熱源を備える。高い温度で、操作するための金型を適応させるための他の代わりのものは、例えば埋め込まれたカートリッジヒータも予測されることができる。
【0038】
さらに、上部と下部の金型は、低い温度(冷たいブロック)で操作するように構成された1またはいくつかのブロックを含んでもよい。これらの冷たいブロックは、ブロックに提供される経路を通る例えば水及び/または空気といった、冷たい液体で冷やされることができる。
【0039】
さらに、冷却/加熱道具10は、熱い及び/または冷たいブロックの温度を制御するために、制御システムと温度センサを設けられてもよい。センサは、熱電対であることができる。
【0040】
それぞれの熱電対は、あらかじめ決められた温度で操作する道具の領域を画定することができる。さらに、それぞれの熱電対は、領域の温度を設定するために、ヒータまたはヒータ群と関連してもよい。
【0041】
熱電対は、制御パネルと関連してもよい。それぞれのヒータまたはヒータ群(または冷却装置)は、それゆえ、同じブロックの中でさえ、他のヒータまたはヒータ群から独立して稼働することができる。それゆえ、適当なソフトウェアまたは制御ロジックを使って、使用者は、ヒータ電力、水の流れのオン/オフ、水の流れの割合などが、同じブロックの中のそれぞれの領域の自動的な方法で、調整されることができることに基づく、キーとなるパラメータ(温度、温度制限)を設定することができるだろう。
【0042】
さらに、上部11及び/または下部12の対になっている金型は、それぞれの金型にそれぞれ対応して配置された冷却システムを備える、上部の機能表面15及び/または下部の機能表面16の反対の表面に設置されることができる、熱いブロックの過熱を避けるように構成された冷却プレート(図示せず)が設けられてもよい。冷却システムは、冷却/加熱道具の加熱を避けるまたは少なくとも、減らすために、または冷却/加熱道具に、余分な冷却を提供するために、冷たい水またはその他の冷却液の循環のための冷たい経路を備えてもよい。
【0043】
実施例において、冷却/加熱道具は、道具にブランクを適当に設置するように構成された、例えばピン及び/または案内装置といったセンタリング要素が設けられてもよい。いくつかの他の実施例において、ブランクは、前もって、ブランクを中心にするためのセンタリングステーション、例えば重力テーブルに置かれてもよい。代わりに、ブランクは、例えば画像システムを使って、設置されてもよい。
【0044】
ブランクを引くように構成された押圧道具20も、この実施例において提供される。押圧道具20は、冷却/加熱道具10の下流に配置される。押圧道具20は、上部21と下部22の対になっている金型を備える。
【0045】
押圧道具の上部21及び下部22の金型は、最終的に、局所的に異なる微細構造と機械的特性(「軟らかい領域」)を得るべきブランクの領域に対応する、異なる温度で操作するように構成された、2以上の金型ブロックを備える。ブロックは冷却/加熱道具に作り出される、対応する軟らかい領域または硬い領域に対応してもよい。
【0046】
上部の金型ブロックは、使用において被熱間成形ブランクに面する上部の機能表面23を備えてもよい。下部の金型ブロックは、使用において被熱間成形ブランクに面する下部の機能表面24を備えてもよい。
【0047】
上部の機能表面23と反対の上部の金型の側面は、上部の本体3に結びつけられることができ、及び、下部の機能表面22と反対の下部の金型の側面は、下部の本体2に結びつけられることができる。
【0048】
上部21及び下部22の金型は、低い温度で操作するように構成された1またはいくつかのブロック(「冷たいブロック」)を含むことができる。これらの冷たいブロックは、ブロックに提供される経路を通る、例えば水といった冷却液及び/または空気で冷やされることができる。
【0049】
水の経路において、経路における水の循環速度は、水の蒸発を避けることができるように、高くすることができる。制御システムはさらに提供されることができ、それゆえブロックの温度は制御されることができる。
【0050】
加えて、上部21及び下部22の金型は、高い温度で操作されるように構成された1またはいくつかのブロック(「熱いブロック」)を含むことができる。「熱いブロック」は、「熱いブロック」の温度を制御するために、1以上の電気ヒータと温度センサを備えることができる。センサは熱電対であってもよい。それぞれの熱電対は、あらかじめ決められた温度で操作する道具の領域を画定することができる。さらに、それぞれの熱電対は、その領域の温度を設定するためにヒータまたはヒータ群と関連してもよい。領域(ブロック)あたりの電力の総量は、ヒータを集める能力を制限することができる。
【0051】
高温を適用されたブロックの残存構造と操作は、冷却/加熱道具のためにすでに述べたのと同じであることができる。
【0052】
さらに、上部21及び/または下部22の対になっている金型は、それぞれの金型にそれぞれ対応して配置された冷却システムを備える、上部の機能表面23及び/または下部の機能表面22の反対の表面に設置されることができる、冷却プレート(図示せず)が設けられてもよい。冷却システムは、形成道具の加熱を避けるまたは少なくとも、減らすために、または形成道具に、余分な冷却を提供するために、冷たい水またはその他の冷却液の循環のための冷たい経路を備えてもよい。
【0053】
実施例において、押圧システム20は、ブランクを保持するように及びブランクを下部の金型22に置くように構成されたブランクホルダ25が設けられてもよい。ブランクホルダは、下部の金型22からあらかじめ決められた距離における位置へブランクホルダを付勢するように構成された1以上の付勢要素が設けられてもよい。
【0054】
切り取る及び/または突き通す操作を実行するように構成された、第1の後操作道具30が提供されることができる。第1の後操作道具30は、押圧道具20の下流に配置されることができる。第1の後操作道具30は、上部32及び下部31の対になっている金型を備えることができる。第1の後操作道具の上部及び下部の対になっている金型は、上流の道具で作り出されたまたはあらかじめ準備された、異なる微細構造と機械的特性を得るべきブランクの領域に対応する、異なる温度で操作するように構成された金型ブロックを備えることができる。
【0055】
上部の機能表面33と反対の上部の金型32の側面は、上部の本体3に結びつけられることができ、及び、下部の機能表面34と反対の下部の金型31の側面は、下部の本体2に結びつけられることができる。金型は、機能表面に配置された1以上のナイフまたは鋸刃(図示せず)を備えることができる。
【0056】
ブランクにおける、すなわち「硬い領域」に対応する、低い温度の「冷たいブロック」を達成するように構成される、金型のブロックも、1以上の電気ヒータまたは熱い液体を導く経路及び金型の温度を制御するための温度センサを備えてもよい。温度センサは、熱電対であることができる。いくつかの実施例において、例えば200℃より高いといった、あらかじめ決められた温度またはその近くで、冷たいブロック(「硬い領域」)に対応するブランクの領域の温度を維持することが好ましい。
【0057】
200℃またはその近くにおける、ブランクの強度は、ナイフまたは鋸刃における損傷を避けるための制限であることができる、約800MPaであることができる。制御は、温度を維持するためにいくつか他の制御も実施されることができるけれども、オン−オフ制御であることができる。
【0058】
これらの冷たいブロックも、ブロックに提供された経路を通る、例えば水といった冷却液及び/または空気で冷却されることができる。
【0059】
この実施例において、ブランクにおける、すなわち「軟らかい領域」に対応する、高い温度を達成するように構成される、ブロックは、加熱または冷却装置を実施されなくてもよい。いくつか他の実施例において、これらのブロックはすでに、ブロックに置かれた前のブランクによって、正しい温度であらかじめ加熱されることができる。
【0060】
実施例において、第1の後操作道具30は、ブランクを保持するように及び下部の金型31にブランクを置くように構成されたブランクホルダ(図示せず)が設けられてもよい。
【0061】
熱いブロックに対応するブランクの領域(「軟らかい領域」)の温度は、650℃またはその近くの温度で、第1の後操作道具30の操作を始めてもよい。第1の後操作道具30の操作が終わるとすぐに、ブランクの軟らかい領域の温度は、590℃またはその近くであってもよい。いくつかの実施例において、非加熱または冷却装置は、軟らかい領域に対応して実施されてもよい。
【0062】
第2の後操作道具40は、提供されることができる。第2の後操作道具40も、切り取る及び/または突き通す操作を実行するように構成されることができる。第2の後操作道具40は、第1の後操作道具30の下流に配置されることができる。第2の後操作道具40は、上部の対になっている金型42と下部の対になっている金型41を備えることができる。上部の対になっている金型42は、上部の機能表面43を備えてもよく、また、下部の対になっている金型41は、下部の機能表面44を備えてもよい。使用において、両方の機能表面は、被熱間成形ブランクに面することができる。機能表面は、例えばそれらが突き出た部分または凹部を備えることができるといった、平坦でなくてもよい。
【0063】
押圧道具40における金型は、被熱間成形ブランクと異なる温度を有していてもよく、それゆえ、膨張が、考慮に入れられる。このように、金型は、バランスを取るために、被熱間成形ブランクよりも2%長くすることができる。
【0064】
機能表面43の反対の上部の金型42の側面は、上部の本体3に結びつけられてもよい。機能表面44の反対の下部の金型41の側面は、下部の本体2に結びつけられてもよい。
【0065】
金型は、機能表面に配置された1以上のナイフまたは鋸刃を備えてもよい。
【0066】
いくつかの実施例において、上部42と下部41の金型の間の距離を調整するように構成された調整装置(図示せず)が、提供されてもよい。上部42と下部41の間に置かれたブランクが使用において、それぞれの上部と下部の金型の機能表面に沿って、変形されることができる範囲において、このやり方は調整されることができる。
【0067】
変形するために(そしてそれゆえブランクを調整する)、上部42と下部の金型41の間の距離を調整することが実行されるとすぐに、熱間成形されたブランクの許容範囲は、改良される。いくつかの実施例において、被熱間成形ブランクは、いくつか他の部分において以外のブランクの一部において、最適化されてない厚さ、例えばより大きな厚さを備える領域を有してもよく、それゆえ、厚さは最適化されるべきである。
【0068】
平坦でない機能表面の配置によって、機能表面の選択された位置の距離(例えばブランクにおける放射状の範囲の近く)は、最適化されていない厚さを備える領域でまたはその近くで調整されてもよく、それゆえ材料は、変形されることができ、すなわち、最適化されてない厚さを備える領域に隣り合う領域へ流れざるを得ず、それゆえ、ブランクに沿った一定の厚さが達成されることができる。
【0069】
実施例において、調整装置は、ブランクの厚さを検知するように構成されたセンサシステムに基づいて制御されるかもしれない。
【0070】
いくつかの実施例において、第2の後操作道具40は、ブランクを保持するように及びブランクを下部の金型41に置くように構成されたブランクホルダ(図示せず)が設けられてもよい。ブランクホルダも、下部の金型からあらかじめ決められた距離における位置へブランクホルダを付勢するように構成された1以上の付勢要素が設けられてもよい。
【0071】
さらなる実施例において、低い、または高い温度で操作するために道具の金型を適用する他の方法も予測されることができる。
【0072】
図は、実質的に正方形または長方形を有する金型を記載するが、ブロックは、他の形状を有してもよく、部分的に丸みを帯びた形状であってもよいことが理解されるべきである。
【0073】
すべての実施例において、温度を制御するための温度センサと制御システムは、いかなる道具で提供されてもよい。道具は、冷却プレート、ブランクホルダ、等が設けられてもよい。
【0074】
例えば複数の産業ロボットまたはコンベアといった、自動的な移動装置(図示せず)も、道具の間でブランクの移動を実行するために提供されてもよい。
【0075】
図2a−2dは、概略的に、実施例によるブランクを冷却するための方法の実行の間に起きる状況の順序を描く。同じ符号は、同じ要素を示す。方法は、図2a−2dによって描かれた状況の順序を参照して以下に記載される。
【0076】
簡素の目的のために、観点への符号は、図2a(及びさらなる図)に関する記載に含まれることができる。観点への符号は、下部の本体に対する上部の本体の接近する位置を示すために使われることができる。それゆえ、例えば、符号は、上部の本体が、上部の本体が、下部の本体に対して最も高い位置にあることを示す、下部の本体に対して0°位置にあることと、上部の本体が、下部の本体に対して最も低い位置にある(完全に接触する位置)ことを示す180°である。360°は、それから、再び最も高い位置にある上部の本体をいう。
【0077】
図2aにおいて、被熱間成形ブランク100は、高強度鋼(UHSS)で作られることができる。この特定の実施例において、UHSSは、いくつかの他のボロン鋼が使われてもよいが、22MnB5ボロン鋼であってもよい。いくつかの実施例において、22MnB5は、約0.23%のC、0.22%のSi及び0.16%のCrを含んでもよい。材料は、さらに異なる割合で、Mn、Al、Ti、B、N、Niを備える。
【0078】
使われることができた鋼の1つであるUsibor(登録商標)の組成は、重さの割合において、以下にまとめられている(残りは鉄(Fe)及び不純物)
【0079】
【表1】
【0080】
そのような22MnB5鋼は、880℃またはその近くで、Ac3転換点(オーステナイト転換点、以後、Ac3点のようにいう)を有することができることが見つけられた。Ac1(オーステナイト化が、加熱において始まる第1の温度、以後、Ac1点のようにいう)は720℃またはその近くである。Ms転換点(マルテンサイト開始温度、以後、Ms点のようにいう)は、410℃またはその近くであることができる。Mf転換点(マルテンサイト終了温度、以後、Mf点のようにいう)は、230℃またはその近くであることができる。
【0081】
ブランク100は、例えば加熱炉といった、加熱装置(図示せず)で加熱されてもよい。このように、ブランク100は、Ac3より高い温度へ加熱されてもよい。それゆえ、加熱は、880℃より高い温度へ実行されてもよい。
【0082】
ブランク100は、所望の温度へ加熱されるとすぐに、ブランク100は、冷却/加熱道具10へ移動してもよい。これは、例えば複数の産業ロボットまたはコンベヤといった、自動的な移動装置(図示せず)によって実行されてもよい。いくつかの実施例において、加熱炉(図示せず)と冷却/加熱道具10の間のブランクを移動するための期間は、2〜3秒であることができる。
【0083】
いくつかの実施例において、例えば、ピン及び/または案内装置を備えるセンタリングステーションは、冷却/加熱道具から上流に提供されてもよく、それゆえ、ブランクは適当に中心にされてもよい。
【0084】
冷却/加熱道具の上部の金型11と下部の金型12は、使用において、ブランクに面する1以上の機能表面を備える2以上の金型ブロックによって形成されてもよい。
【0085】
さらに、上部の金型も、加熱金型ブロック(図示せず)を備えてもよい。加熱金型ブロックは、高い温度(「熱いブロック」)を達成するように構成されるために、加熱源を備えてもよい。
【0086】
さらに、上部と下部の金型は、1つまたはいくつかの「冷たい」ブロックを含んでもよい。これらの冷たいブロックは、ブロックに提供される経路を通る冷たい水及び/または冷たい空気によって冷却されてもよい。
【0087】
熱いブロックと冷たいブロックの構造と操作は、図1を参照してすでに述べたものと同じであることができる。
【0088】
この配置によって、少なくとも冷却/加熱道具の1つの金型ブロックは加熱されてもよく、それゆえ、加熱されたブロックに接触する領域(「軟らかい領域」)におけるブランク100の異なる微細構造と機械的特性を変化させてもよい。
【0089】
このようにして、軟らかい領域は、軟らかい領域の次の部分の強度が維持されることができる一方で、延性が強化されることができる。軟らかい領域の微細構造は、変更されてもよく、軟らかい領域の長さが増加されてもよい。
【0090】
押す上部の本体3は、押圧機構を使って、開いた位置(0°位置)に置かれることができる。ブランク100は、上部の金型11と下部の金型12の間に置かれることができる。上述のように、ブランク100は、例えばUsibor(登録商標)のような、例えばコーティングされまたはコーティングされてないボロン鋼で作られてもよい。変形の間、ブランクの部分は、例えば、金型ブロックのいくつかに提供された経路に冷たい液体を通すことによって、焼き入れされてもよい。ブランクの選択された部分は、それゆえ、他の部分より速く冷却されることによって、あらかじめ決められた微細構造を得ることができる。
【0091】
いくつかの実施例において、ブランクは、ブランクホルダに置かれてもよい。下部の金型12は、第1の下部の付勢要素13及び第2の下部の付勢要素14を用いて、下部の本体2に対して、あらかじめ決められた距離に動かされることができる。
【0092】
上述のように、付勢要素は、いくつかの他の付勢要素が、例えば油圧機構といったものが可能であってもよいが、例えば機械的なバネまたはガススプリングといった例えば、バネを備えることができる。油圧機構は、受動的なまたは能動的な機構であってもよい。
【0093】
このように、下部の金型12(及びそれゆえ下部の金型12に置かれたブランク100)下部の本体2から第1のあらかじめ決められた位置(下部の金型は上部の金型によって、90°から150°で接触されることができる位置)に置かれてもよい。
【0094】
図2bにおいて、プレス機は、固定された下部の本体に対して、可動性の上部の本体の下への押す進行で示され、それゆえ、上部の金型11は、下部の金型12(及びそれゆえ下部の金型に置かれるブランク)に向かって動かされてもよい。
【0095】
上部の金型11は、第1のあらかじめ決められた位置(90°から150°の位置の間)における冷却/加熱道具の上部の金型11と冷却/加熱道具の下部の金型12の間に置かれたブランク100に接触してもよい。
【0096】
図2cにおいて、ブランクは、90°から150°の位置の間で接触されるとすぐに、上部の金型11は、対応する領域において、ブランク100を冷却し加熱し始めてもよい。この意味において、加熱することは、温かい部分の温度がその最初の温度から実際に増加することを必ずしも意味せず、しかし、むしろ温度が維持されるか、または相対的にゆっくり冷やされることを意味する。ブランクを押圧することによって、第1の下部の付勢要素と第2の下部の付勢要素は、対応する領域において、ブランク100を冷却し、加熱する最終的な所望の位置(180°位置)に達するまで、変形されてもよい。
【0097】
図2dにおいて、最終的な所望の位置(180°位置)に達するとすぐに、押圧機構によって、上部の本体の上への押す進行が提供されてもよい。上部の金型とブランクの間で最後の接触は、下部の本体に対して上部の本体(及びそれゆえ上部の金型)の210°から270°の位置であることができる。第1の下部の付勢要素13と第2の下部の付勢要素14は、それらの元の位置へ戻す、すなわち伸ばされてもよい。このように、ブランク100が上部の金型によって、最初に接触してから、最後の接触の期間、すなわち、ブランクが加熱され及び/または冷却される時間は、0.33から1秒であることができる。
【0098】
すでに、ブランク100は、880℃より上の温度へ前に加熱されるかもしれないことは述べられた。ブランクは、冷却/加熱道具10へ移動されてもよく、それゆえ、移動期間の間、温度は、750℃から850℃へ減らされることができる。この配置によって、ブランク100は、750℃から850℃の温度を有するとき、冷却/加熱道具10に置かれることができる。ブランクは、それから、低い温度で操作するように構成されたブロックに対応するブランクの領域(「硬い領域」)において570℃またはその近くの温度へ冷却されてもよい。同時に、ブランクの位置は、高い温度で操作するように構成されたブロックに対応するブランクの領域(「軟らかい領域」)において約740℃の温度より高く維持されることができる。これにより、硬い領域のための例えば、500℃またはその近くの冷却割合を導いてもよい。軟らかい領域の冷却割合は、25℃/s以下、好ましくは、15℃/sまたはその近くである。
【0099】
押圧システム3に組み込まれた冷却/加熱道具10によって、高い温度におけるブランクの部分(そしてそれゆえ、軟らかい領域を作り出す)を冷却する/または維持するための時間は、軟らかい領域を作り出すように構成された外部の冷却/加熱道具から、ブランクを移動するための、従来のシステムから知られた余分な動作を、避けることができるため、最適化されることができる。時間も省くことができる。さらに、道具の間のブランクの動作が制限され、そしてそれゆえ、ブランクの異なる部分の温度と冷却割合はさらに簡単に制御される。
【0100】
図2e−2hは、概略的に、実施例によるブランクを引くための方法の実行の間に起きる状況の順序を描く。同じ符号は、同じ要素を示す。方法は、図2e−2hによって描かれた状況の順序を参照して以下に記載される。
【0101】
図2eにおいて、ブランク100は、すでに異なる温度で領域が設けられていてもよく、それゆえ、ブランク100は、冷却/加熱道具10から押圧道具20へ移動されることを準備されてもよい。押圧道具20も、「形成道具」または「引く道具」のようにいわれてもよい。
【0102】
移動は、例えば、複数の産業ロボットまたはコンベヤといった、自動的な移動装置によって実行されてもよい。
【0103】
上述したように、ブランクは、低い温度で操作するように構成されたブロックに対応する領域(硬い領域)において、約570℃の温度を有して移動されることができる。移動時間が原因で、低い温度において操作するように構成されたブロックに対応する、ブランク100の領域は、約550℃へ冷却されるかもしれない。同時に、高い温度で操作するように構成されたブロックに対応する、ブランク100の領域(軟らかい領域)は、冷却道具から出るとき、約750℃であってもよい。また、移動時間が原因で、高い温度で操作するように構成されたブロックに対応する、ブランク100の領域は、730℃またはその近くで冷やされるかもしれない。
【0104】
ブランク100は、ブランクホルダを使って、押圧道具の下部の金型22に移動装置によって置くことができる。いくつかの実施例において、押す下部の金型22に対して、ブランクホルダの距離は、1以上の付勢要素を使って、調整される。
【0105】
ブランク100が下部の金型22に移動され、置かれている一方で、自動的な移動システムは、冷却/加熱道具10へブランク200を提供するために操作されてもよい。結果として、冷却/加熱道具10は、ブランク200を冷却するために、操作を始められることができる。この操作は、前に述べたように、実行されることができる。さらに、この操作は、押圧道具20のブランク100に引くまたは形成する操作と同時に実行されてもよい。
【0106】
このように、押す上部の本体3は、押圧機構を使って、開いた位置(0°位置)に再び置かれることができる。ブランク100は、押圧道具の上部の金型21と押圧道具の下部の金型22の間に置かれることができる。
【0107】
図2fにおいて、プレス機1は、固定された下部の本体2に対して、可動性の上部の本体3の下への押す進行が与えられることができ、それゆえ、上部の金型21は、下部の金型22へ向かって動かされることができる。
【0108】
この実施例において、押圧道具の上部21と下部22の金型は、異なる温度で操作するように構成された2以上の金型(図示せず)が設けられてもよい。ブロックは、冷却/加熱道具10の操作の間、作り出された異なる温度を備えるブランクの領域に対応することができる。冷却/加熱道具におけるブロックの構造と操作は、上述したように、同じにすることができる。
【0109】
図2gにおいて、上部の金型21は、約180°の位置の押圧道具の上部の金型21と押圧道具の下部の金型22の間に置かれたブランク100に接触することができる。ブランクが接触するとすぐに、上部の金型21は、押圧することを始め、ブランク100を引くことができる。
【0110】
図2hにおいて、最終的な所望の位置に到達する(約180°において)と、上への押す進行が提供されることができる。形成する道具の上部の金型の機能表面とブランクの間の最後の完全な接触(そして、それゆえ、引く操作の終わり)は、180°から210°の位置であることができる。ブランクとブランクホルダの間の最後の接触は、例えば210°−270°であることができる。
【0111】
押圧道具は、前述のように、冷却システムが設けられることができる。冷却システムは、コントローラによって制御されることができ、それゆえ、ブランク100の温度は、所望の温度へ、選択された速度で、減らすことができる。押圧道具20の操作の間、低い温度に操作されたブロックに対応する領域(硬い領域)におけるブランク100の温度は、300℃またはその近くの温度に到達するまで、減らされることができる。
【0112】
低い温度で操作されるブロックに対応する領域は、最適化された数のヒータが設けられることができる。このように、低い温度で操作されるブロックに対応する領域におけるブランク100の温度は、300℃またはその近くに維持されることができる。
【0113】
この特定の実施例において、ヒータと冷却装置は、高い温度で操作するように構成されたブロックにおいて必要とされなくてもよい。これは、高い温度で操作されたブロックは、前のブランクにおける操作によって加熱されることができたため、それゆえ、ブロックは、正しい温度が保持される。代わりの実施例において、ヒータとクーラは、温度制御のために提供されてもよい。
【0114】
引く工程が原因で、高い温度で操作されるブロックに対応する領域における温度は、670℃またはその近くの温度に達するまで、約730℃から減らされることができる。
【0115】
図2i−2lは概略的に、実施例による同じブランクを突き通す及び/または切り取るための方法の実行の間に起きる状況の順序を描く。同じ符号は、同じ要素を示す。方法は、図2i−2lによって、描かれた状況の順序を参照する以下に描かれる。
【0116】
図2iにおいて、ブランク100は、すでに引かれ、それゆえ、ブランク100は、押圧道具20から、例えば、突き通すまたは切り取る操作をする道具といった、第1の後操作道具30へ移動されるために準備されてもよい。移動は、例えば、複数の産業ロボットまたはコンベヤといった、自動的な移動装置(図示せず)によって、実行されてもよい。上述のように、ブランク100は、押圧道具20から離れてもよく、300℃またはその近くの温度(低い温度で操作するように構成されたブロックに対応するブランクの領域において)及び670℃またはその近くの温度(高い温度で操作するように構成されたブロックに対応するブランクの領域において)で、移動されることができる。
【0117】
移動時間が原因で、ブランク100は、280℃またはその近く(低い温度で操作するように構成されたブロックに対応するブランクの領域において)及び590℃またはその近くの温度(高い温度で操作するように構成されたブロックに対応するブランクの領域において)に冷却されるかもしれず、それゆえ、ブランクは、それらの温度で、第1の後操作道具に置かれる。ブランク100は、下部の金型31に、及び下部の金型31と上部の金型32の間に置かれてもよい。
【0118】
低い温度で操作するように構成されたブロックは、例えば、ヒータ及び/または熱い液体を備える経路といった、加熱装置を備え、それゆえ、ブランクの領域に対応する温度は、200℃より高く維持されることができる。
【0119】
冷たいブロックに対応するブランクの領域は、好ましくは、200℃より高く維持されることが見つけられた。これにより、鋼の強度は、刃の損傷を避けて、突き通すまたは切り取る操作を実行するために可能な最大の強さである、約800MPaを保持される。
【0120】
図2jにおいて、ブランク100が、下部の金型31に移動され、置かれるとき、自動的な移動システムは、冷却ステーションから押圧道具20へブランク200を移動し、そして冷却/加熱道具10へさらなるブランク300を提供するために、操作されることができる。結果として、冷却/加熱道具10は、上述したように、ブランク300を冷却する操作を始めることができる。同時に、押圧道具20は、ブランク100が第1の後操作を受ける間に、また、上述したように、ブランク200を引くために操作を始めることができる。
【0121】
押す上部の本体32は、押圧機構を使って、開いた位置(0°位置)に置かれることができる。プレス機1は、固定された下部の本体2に対して、可動性の上部の本体3の下への押す進行が与えられることができ、それゆえ、上部の金型32は、下部の金型31へ動かされてもよい。
【0122】
図2kにおいて、上部の金型32は、最終的な所望の位置(180°またはその近く)に到達するまで、押圧道具の上部の金型32と押圧道具の下部の金型31の間に置かれたブランク100に接触することができる。
【0123】
プレス機が、ブランク100に接触する間、突き通す操作は、鋸刃またはいくつか他の切る要素を使って、実行されることができる。突き通す操作が終わるとすぐに、切り取る操作は、実行されることができる。代わりの実施例において、切り取る操作は、始めに実行されてもよく、切り取る操作が終わるとすぐに、切り取る操作が実行されてもよい。
【0124】
ブランク100が後操作を受ける間、低い温度で操作するように構成されたブロックに対応するブランクの領域は、すでに前述のように、設備を用いることによって、加熱され及び/または冷却されてもよい。
【0125】
このように、低い温度で操作するように構成されたブロックに対応するブランク100の領域の温度は、200℃より高く維持されることができる。この配置によって、ブランクの強度は、突き通され、及び/または切り取られるために、妥当な値で維持されることができる。
【0126】
この実施例において、高い温度で操作するように構成されたブロック(ブランクにおける軟らかい領域に対応する)は、加熱/冷却装置が設けられる必要がない。これらのブロックは、すでに、正しい温度で、前のブロックにおける操作によって加熱され、それゆえ、加熱または冷却装置は必要でないかもしれない。
【0127】
図2lにおいて、最終的な所望の位置(180°位置)に達するとすぐに、上への押す進行が提供されることができる。上部の金型32の機能表面とブランク100の間の最後の完全な接触(そしてそれゆえ、操作の終わり)は180°から210°の位置であることができる。ブランクとブランクホルダの間の最後の接触は、210°から270°で生じてもよい。
【0128】
図2m−2pは、概略的に、実施例によるブランクをさらに突き通す及び/または切り取るための方法の実行の間に起きる状況の順序を描く。同じ符号は、同じ要素を示す。方法は、図2m−2pによって描かれた状況の順序を参照して以下に記載される。
【0129】
図2mにおいて、ブランク100は、第1の後操作道具30から、例えば、突き通す、切り取る及び調整の道具といった、第2の後操作道具40へ移動されてもよい。移動は、例えば、複数の産業ロボットまたはコンベヤといった、自動的な移動装置(図示せず)によって実行されることができる。前述のように、ブランク100は、第1の後操作道具30から離れてもよく、硬い領域のための約200℃の温度と、軟らかい領域のための約590℃の温度で移動されることができる。
【0130】
図2nにおいて、ブランク100は、例えばブランクホルダを使って、下部の金型41に置かれることができる。ブランクは、下部の金型41と上部の金型42の間に置かれることができる。
【0131】
ブランク100が、下部の金型41に移動され、置かれているとき、自動的な移動システムは、引く道具から第1の後操作道具30へブランク200を移動することができ、ブランク300は、押圧道具20に移動され、さらにブランク400は、冷却/加熱道具10へ移動される。結果として、冷却/加熱道具10は、ブランク400を操作する。同時に、押圧道具20は、ブランク300を引き、そして第1の後操作道具30は、それぞれブランク200にその操作を始めることができる。道具の操作は、前述のように、同じであることができる。同時に、ブランク100は第2の後操作を受ける。
【0132】
図2oにおいて、押す上部の本体42は、押圧機構を使って、開いた位置(0°位置)に置かれることができる。プレス機1は、固定された下部の本体2に対して、可動性の上部の本体3の下への押す進行が与えられることができ、それゆえ上部の金型42は、下部の金型41へ向かって動かされることができる。上部の金型42は、最終的な所望の位置(下部の本体に対して、上部の金型の180°またはその近く)における、上部の金型41と下部の金型42の間に置かれるブランクと接触することができる。
【0133】
プレス機が、ブランク100に接触する間、突き通す操作は、鋸刃を使って、実行されることができる。突き通す操作が終わるとすぐに、切り取る操作は実行されることができる。代わりの実施例において、切り取る操作は、始めに実行されることができ、そして、切り取る操作は、切り取る操作が終わるとすぐに、実行されることができる。
【0134】
さらに、調整操作が実行されることができ、それゆえ、ブランクの許容範囲が改善されることができる。このように、上部の金型42と下部の金型41の間の距離は、調整装置を使って調整されることができる。調整装置は、ブランク100の厚さを検知するように構成されたセンサシステム(図示せず)に基づいて、制御されることができる。実施例に続いて、ブランクは、上部42及び下部41の金型によって押圧されることができ、それゆえ、ブランクの一定の厚さが達成されることができる。
【0135】
第2の後操作道具の操作が終わるとすぐに、ブランク100は、移動され、そして室温にて、硬化されてもよい。
【0136】
図2pにおいて、最終的な所望の位置(180°位置)に到達するとすぐに、上への押す進行が提供されることができる。
【0137】
開いた位置(0°位置)は、上への動作を適用することによって、プレス機によって到達されるとすぐに、ブランク100は、移動され、そして室温にて、硬化されてもよい。同時に、自動的な移動システムは、冷却/加熱道具10へブランク500を、第2の後操作道具40へブランク200を、第1の後操作道具30へブランク300を、押圧道具20へブランク400を、提供するために操作されることができる。結果として、全ての道具は、前述したように、それらの操作を始めることができる。
【0138】
いくつかの実施例において、ブランク100の形状によって、さらに引く及び、例えば突き通す及び/または切り取るといった他の操作が、提供される。さらなる実施例において、後操作の順番が互いに入れ替えられる(例えば、第1に切り、それから調整またはその逆)。
【0139】
完璧の理由のために、本開示の様々な態様は、次の番号をつけられて項目に示される。
【0140】
項目1.熱間成形された構造の部品を製造するための押圧システムであって、システムは、固定された下部の本体と、可動性の上部の本体と、固定された下部の本体に対して、可動性の上部の本体を上へ及び下へ押す進行を提供するように構成された機構と、を備え、
システムは、選択された部分が、局所的に異なる微細構造及び機械的特性を得ることができるように、前もって加熱されたブランクの選択された部分を冷却及び/または加熱するように構成された冷却/加熱道具と、ブランクを引くように構成された押圧道具と、冷却/加熱道具から押圧道具へブランクを移動するためのブランク移動機構と、を備え、
冷却/加熱道具は、上部及び下部の対になっている金型を備え、それぞれの冷却金型は、使用において、ブランクに面する1以上の機能表面を備える、2以上の金型ブロックによって形成され、
上部及び下部の金型は、局所的に異なる微細構造及び機械的特性を有するブランクの領域に対応する、異なる温度で操作されるように構成された2以上の金型ブロックを備え、
押圧道具は、冷却/加熱道具の下流に配置され、上部と下部の対になっている金型を備え、それぞれの押圧金型は、使用において、ブランクに面する1以上の機能表面を備え、上部の押圧金型は、上部の本体に結びつけられ、下部の押圧金型は、下部の本体に結びつけられるシステム。
【0141】
項目2.冷却/加熱道具の下部の金型は、下部の本体からのあらかじめ決定された第1の距離における位置へ、下部の金型を付勢するように構成された1以上の下部の付勢要素を備える下部の本体と連結され、及び/または、冷却加熱道具の上部の金型は、上部の本体からのあらかじめ決定された第2の距離における位置へ、上部の金型を付勢するように構成された1以上の上部の付勢要素を備える上部の本体と連結される、項目1に記載のシステム。
【0142】
項目3.高い温度で操作するように構成されたブロックは、1以上の電気ヒータを備える、項目1または2に記載のシステム。
【0143】
項目4.ヒータは、独立に稼働するように構成された、項目3に記載のシステム。
【0144】
項目5.高い温度で操作するように構成されたブロックは、熱い液体を案内する経路を備える、項目1−4のいずれかに記載のシステム。
【0145】
項目6.低い温度で操作するように構成されたブロックは、冷却液及び/または空気を案内する経路を備える、請求項1−5のいずれかに記載のシステム。
【0146】
項目7.押圧道具の上部及び下部の対になっている金型はさらに、局所的に異なる微細構造と機械的特性を有するブランクの領域に対応する異なる温度で、操作するように構成された2以上の金型ブロックを備える、項目1−6のいずれかに記載のシステム。
【0147】
項目8.高い温度で操作するように構成された押圧道具のブロックは、1以上の電気ヒータを備える、請求項7に記載のシステム。
【0148】
項目9.ヒータは、独立に稼働するように構成された、項目8に記載のシステム。
【0149】
項目10.高い温度で操作するように構成されたブロックは、熱い液体を案内する経路を備える、項目7−9のいずれかに記載のシステム。
【0150】
項目11.低い温度で操作するように構成されたブロックは、冷却液及び/または空気を案内する経路を備える、請求項7−10のいずれかに記載のシステム。
【0151】
項目12.さらに、切り取る及び/または突き通す操作の実行するように構成された第1の後操作道具を備え、第1の後操作道具は、押圧道具の下流に配置され、上部及び下部の対になっている第1の後操作道具の金型を備え、
それぞれの金型は、使用においてブランクに面する1以上の機能表面を備え、
上部の第1の後操作道具の金型は、上部の本体に結びつけられ、下部の第1の後操作道具の金型は、下部の本体に結びつけられ、
第1の後操作道具の金型は、機能表面に配置された、1以上の鋸刃を備え、
ブランク移動機構は、さらに押圧道具から第1の後操作道具へブランクを移動するように構成される、項目1−11のいずれかに記載のシステム。
【0152】
項目13.第1の後操作道具の上部及び下部の対になっている金型はさらに、局所的に異なる微細構造と機械的特性を有するブランクの領域へ対応する異なる温度で操作するように構成された金型ブロックを備える、項目12に記載のシステム。
【0153】
項目14.低い温度で操作するように構成された第1の後操作道具の金型ブロックは、1以上の電気ヒータを備える、項目13に記載のシステム。
【0154】
項目15.ヒータは、独立に稼働することができる、項目14に記載のシステム。
【0155】
項目16.低い温度で操作するように構成された第1の後操作道具の金型ブロックは、熱い液体を案内する経路を備える、項目13に記載のシステム。
【0156】
項目17.低い温度で操作するように構成された第1の後操作道具の金型ブロックは、冷却液及び/または空気を案内する経路を備える、項目13−16のいずれかに記載のシステム。
【0157】
項目18.冷却/加熱道具のブロック及び/または押圧道具のブロック及び/または第1の後操作道具のブロックの温度は、ブロックで測定された温度に基づいて、調整されるように構成される、項目1−11または13−17のいずれかに記載のシステム。
【0158】
項目19.ブロックは、ブロックの温度を測定するように構成された1以上の熱電対を備える、項目18に記載のシステム。
【0159】
項目20.さらに、切り取る及び/または突き通す操作を実行するように構成された第2の後操作道具を備え、第2の後操作道具は、第1の後操作道具の下流に配置され、上部及び下部の対になっている第2の後操作道具の金型を備え、
それぞれの金型は、使用においてブランクに面する1以上の機能表面を備え、
上部の第2の後操作道具の金型の反対は、上部の本体に結びつけられ、下部の第2の後操作道具の金型は、下部の本体に結びつけられ、
金型は、機能表面に配置された、1以上の鋸刃を備え、
ブランク移動機構は、さらに第1の後操作道具から第2の後操作道具へブランクを移動するように構成される、項目12−19のいずれかに記載のシステム。
【0160】
項目21.第2の後操作道具は、それぞれの上部と下部の金型の機能表面に沿って第2の後操作道具において、使用において、置かれるブランクを変形するように、上部と下部の金型の間の距離を調整するように構成された調整装置を備え、調整装置は、ブランクの厚さを検知するように構成されたセンサシステムに基づいて制御される、項目20に記載のシステム。
【0161】
項目22.ブランクを加熱及び冷却するための方法であって、
項目1−21のいずれかによる押圧システムを提供し、
超高強度鋼(UHSS)から作られた被熱間成形ブランクを提供し、
ブランクを加熱し、
押圧機構を用いて、開いた位置に押す上部本体を配置し、
冷却/加熱道具の上部及び下部の対になっている金型の間にブランクを配置し、
ブランクを押圧するために、固定された下部の本体に対して、最終的な所望の位置になるまで、上部の金型が、下部の金型へ向かって動かされるように、固定された下部の本体に対して、可動性の上部の本体の下へ押す進行を提供することによって、少なくともブランクの選択された位置を冷却し、
局所的に異なる微細構造と機械的特性を有するように、被形成ブランクの領域に対応する異なる温度で少なくとも2つの金型ブロックを操作し、
高い温度のブロックは、それらの機能表面が軟らかい領域が形成されるべきブランクの部分に、接触して入るように構成されるように、ブランクに対して配置される、項目20に記載のシステム。
【0162】
項目23.ブランクを配置する前に、ブランクは、センタリングステーションで中心にされる、項目22に記載の方法。
【0163】
項目24.UHSSは、約0.23%C、0.22%Si及び1.18%Mnを含む、項目22−23に記載の方法。
【0164】
項目25.UHSSはさらに、Al、Ti、B、Cr、Ni、Nを含む、項目24に記載の方法。
【0165】
項目26.ブランクは、少なくとも、880℃のオーステナイト化する温度へ加熱される、項目22−25のいずれかに記載の方法。
【0166】
項目27.低い温度で操作するように構成された冷却/加熱道具のブロックは、650から450℃で、ブランクの対応する領域を冷却する、項目22−26のいずれかに記載の方法。
【0167】
項目28.低い温度で操作するように構成された冷却/加熱道具のブロックは、550から500℃で、ブランクの対応する領域を冷却する、項目27のいずれかに記載の方法。
【0168】
項目29.高い温度で操作するように構成された冷却/加熱道具のブロックは、800から650℃で、ブランクを冷却する、項目22−26のいずれかに記載の方法。
【0169】
項目30.高い温度で操作するように構成された冷却/加熱道具のブロックは、25℃/sより低い割合でブランクを冷却する、項目22−29のいずれかに記載の方法。
【0170】
項目31.さらに、冷却/加熱道具から押圧道具へブランクを移動し、
押圧道具の上部及び下部の金型の間にブランクを配置し、
構造部品を押圧するために、押す固定された下部の本体に対して、最終的な所望の位置に到達するまで、固定された下部の本体に対して、可動性の上部の本体を下へ押す進行を提供することによって、ブランクを引く、項目22−30のいずれかに記載の方法を備える、ブランクを引く方法。
【0171】
項目32.さらに局所的に異なる微細構造と機械的特性を有する被形成ブランクの領域に対応する、異なる温度で少なくとも2つの金型ブロックを操作することを備える、項目6を引用する項目31に記載の方法。
【0172】
項目33.低い温度で操作するように構成された押圧道具のブロックは、320から280℃のブランクの温度を維持する、項目32に記載の方法。
【0173】
項目34.さらに、押圧道具から第1の後操作道具へブランクを移動し、
第1の後操作道具の上部及び下部の対になっている金型の間に被形成構造部品を配置し、
ブランクを押圧するために、押す固定された下部に対して、最終的な所望の位置に到達するまで、押す固定された下部の本体に対して、押す可動性の上部の本体に下へ押す進行を提供し、
第1の後操作道具の鋸刃を使って、ブランクを切るまたは押し抜きをする、項目12を引用する項目31−33のいずれかに記載の方法を備える、ブランクを突き通す及び/または切り取る方法。
【0174】
項目35.さらに、ブランクを切る及び/または押し抜きをする前に、局所的に異なる微細構造と機械的特性を有する被形成ブランクの領域に対応する異なる温度で、第1の後操作道具の少なくとも2つの金型ブロックを操作することを備える、項目13を引用する項目34に記載の方法。
【0175】
項目36.低い温度で操作するように構成された金型ブロックは、200℃より高い対応するブランクの領域の温度を維持する、請求項35に記載の方法。
【0176】
項目37.さらに第1の後操作道具から第2の後操作道具へ構造部品を移動し、
構造部品を押圧するために、最終的な所望の位置に到達するまで、押す固定された下部の本体に対して、押す可動性の上部の本体の下へ押す進行を提供し、
鋸刃を使って、構造部品を切るまたは押し抜きをし、
それぞれの上部及び下部の金型の機能表面にそって、被形成構造部品を変形するように、上部及び下部の金型の間の距離を調整する、項目20を引用する、項目34−36のいずれかに記載の方法を備える、熱間成形された被形成構造部品をさらに、突き通す及び/または切り取る及び調整する方法。
【0177】
項目38.項目22−39のいずれかに記載された方法によって得られる熱間成形された構造部品。
【0178】
多くの実施例がここで開示されたのみであるが、それらの他の代替、変更、使用、及び/または等価物が可能である。さらに、記載された実施例の全ての可能な組み合わせも対象にされる。それゆえ、本開示の範囲は、特定の実施例によって限定されるべきでなく、続く請求項の公正な解釈によってのみ決定されるべきである。
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
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図2f
図2g
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図2i
図2j
図2k
図2l
図2m
図2n
図2o
図2p