(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プランジャーを用いての前記ポンピングチャンバの拡張は、前記ポンピングチャンバの当該拡張の少なくとも一部分の間に、試薬流体及び粒子の前記ポンピングチャンバ内への同時輸送を生じさせる、請求項1に記載の方法。
前記プランジャーはストローク(304)を有しており、前記ストロークの少なくとも一部分に沿った前記プランジャーの動きは、試薬流体及び粒子の前記ポンピングチャンバ内への前記同時輸送を生じさせる、請求項1に記載の方法。
前記ポンピングチャンバの前記1回の拡張の第1の部分の間には、前記試薬流体と前記粒子の一方だけが前記ポンピングチャンバ内へ輸送され、前記ポンピングチャンバの前記1回の拡張の第2の部分の間には、前記試薬流体と前記粒子の両方が前記ポンピングチャンバ内へ輸送される、請求項4に記載の方法。
前記プランジャーを用いての前記ポンピングチャンバの拡張は、前記ポンピングチャンバの当該拡張の少なくとも一部分の間に、試薬流体及び粒子の前記ポンピングチャンバ内への同時輸送を生じさせる、請求項5に記載のカートリッジ。
前記プランジャーはストローク(304)を有しており、前記ストロークの少なくとも一部分に沿った前記プランジャーの動きは、試薬流体及び粒子の前記ポンピングチャンバ内への前記同時輸送を生じさせる、請求項5に記載のカートリッジ。
前記ポンピングチャンバの前記1回の拡張の第1の部分の間には、前記試薬流体と前記粒子の一方だけが前記ポンピングチャンバ内へ輸送され、前記ポンピングチャンバの前記1回の拡張の第2の部分の間には、前記試薬流体と前記粒子の両方が前記ポンピングチャンバ内へ輸送される、請求項5から請求項7の何れか一項に記載のカートリッジ。
前記粒子は前記第2貯留部内では緩衝液の中に混合されており、前記粒子は第1の比重を有し、前記緩衝液は第2の比重を有し、前記第1の比重は前記第2の比重より大きく、前記緩衝液は前記試薬流体であり、前記第1貯留部と前記第2貯留部は、当該第1貯留部と当該第2貯留部の間の流体の移動を許容する多孔質の仕切りによって分離されている、請求項5から請求項8の何れか一項に記載のカートリッジ。
前記弁は、前記ポンピングチャンバが前記出口導管へ接続されているときは、前記少なくとも1つの第1ポンピングチャンバ導管及び前記少なくとも1つの第2ポンピングチャンバ導管を封止するように構成されており、前記弁は、前記少なくとも1つの第1ポンピングチャンバ導管が前記第1貯留部を前記ポンピングチャンバへ接続しているときは、前記出口導管を封止するように構成されており、前記弁は、前記少なくとも1つの第2ポンピングチャンバ導管が前記第2貯留部を前記ポンピングチャンバへ接続しているときは、前記出口導管を封止するように構成されている、請求項9又は請求項10に記載のカートリッジ。
前記カートリッジは、前記第1ポンピングチャンバ導管の有効断面を変更するように構成されている、前記第1ポンピングチャンバ導管へ接続された第1ポンピングチャンバ弁、及び/又は、前記第2ポンピングチャンバ導管の有効断面を変更するように構成されている、前記第2ポンピングチャンバ導管へ接続された第2ポンピングチャンバ弁、を備えている、請求項5から請求項12の何れか一項に記載のカートリッジ。
前記カートリッジは複数の第1ポンピングチャンバ導管(120、120’)を備えており、及び/又は、前記カートリッジは複数の第2ポンピングチャンバ導管(122、122’)を備えている、請求項5から請求項13の何れか一項に記載のカートリッジ。
前記弁(800)は、前記第1貯留部を前記ポンピングチャンバと接続するために前記複数の第1ポンピングチャンバ導管のうちの1つを選択するように構成されており、及び/又は、前記弁は、前記第2貯留部を前記ポンピングチャンバと接続するために前記複数の第2ポンピングチャンバ導管のうちの1つを選択するように構成されている、請求項14に記載のカートリッジ。
前記カートリッジは前記第1ポンピングチャンバ導管の各々を選択的に開閉するための第1遮断弁組立体を更に備えており、及び/又は、前記カートリッジは前記第2ポンピングチャンバ導管の各々を選択的に開閉するための第2遮断弁組立体を更に備えている、請求項14に記載のカートリッジ。
前記プランジャーを用いての前記ポンピングチャンバの拡張は、前記ポンピングチャンバの当該拡張の少なくとも一部分の間に、試薬流体及び粒子の前記ポンピングチャンバ内への同時輸送を生じさせる、請求項18に記載の方法。
前記プランジャーはストローク(304)を有しており、前記ストロークの少なくとも一部分に沿った前記プランジャーの動きは、試薬流体及び粒子の前記ポンピングチャンバ内への前記同時輸送を生じさせる、請求項18に記載の方法。
前記ポンピングチャンバの前記1回の拡張の第1の部分の間には、前記試薬流体と前記粒子の一方だけが前記ポンピングチャンバ内へ輸送され、前記ポンピングチャンバの前記単回拡張の第2の部分の間には、前記試薬流体と前記粒子の両方が前記ポンピングチャンバ内へ輸送される、請求項20に記載の方法。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、独立請求項にある方法、カートリッジ、及び自動分析器を提供する。従属請求項では実施形態が与えられている。
【0007】
ここでの使用に際し「カートリッジ」は、流体を収容する又は収容することを目的とする容器又は入れ物であって、流体を分注するための機械の中へ挿入されるように設計されている容器又は入れ物を内包する。
【0008】
ここでの使用に際し「コントローラ」は、1つ又はそれ以上の他の装置の動作及び/又は機能を制御するための装置、機械、又は機器を内包する。コントローラの例には、限定するわけではないが、コンピュータ、プロセッサ、埋込み型のシステム又はコントローラ、プログラム可能論理コントローラ、及びマイクロコントローラが挙げられる。ここでの使用に際し「コンピューティングデバイス」又は「コンピュータ」は、プロセッサを備える何れの装置をも内包する。ここでの使用に際し「プロセッサ」は、プログラム又は機械実行可能命令を実行することのできる電子的構成要素を内包する。
【0009】
ここでの使用に際し「生物学的試料」は、生物学的な系によって生成される物質を備えている試料を内包する。生物学的な系は、生きている有機体の部分又は生成物、又は有機体からもたらされた又は複製された化学物質又は物質(chemicals or materials)を含み得る。例えば、材料が元々は生物学的な系又は有機体からもたらされた有機体によって直接生成されるわけではないが、DNA又はRNAはPCRプロセスによってコピーすることができる。
【0010】
「分析器」という用語は、血液、尿、唾液、又は他の試料型式の様な、生物学的試料に対し1つ又は複数の分析を実行するように作動できる装置をいう。分析器は、様々な化学的、生物学的、物理的、光学的、又は他の技法的な処置を介して、試料の又はその成分のパラメータであって以下に「測定値」と呼称されているパラメータを求めるように作動できる。分析器は、試料の又は少なくとも1つの検定の前記パラメータを測定するように、及び得られた測定値を提供するように、作動できる。分析器によって提供される実施可能な分析結果の一覧には、限定するわけではないが、試料中の検体の濃度、試料中の検体の存在を指示する(濃度が検出レベルを上回っていることに相当する)デジタル(イエス又はノー)結果、光学的パラメータ、DNA配列又はRNA配列、タンパク質又は代謝物の質量分析から得られるデータ、及び様々な型式の物理的又は化学的パラメータ、が含まれる。
【0011】
当業者には理解される様に、本発明の態様は、機器、方法、又はコンピュータプログラム製品として具現化することができる。従って、本発明の態様は、全面的にハードウェアの実施形態、全面的にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード、などを含む)、又はソフトウェア態様とハードウェア態様を組み合わせている実施形態、の形態を採ることができ、それらはどれも概してここでは「回路」、「モジュール」、又は「システム」と呼称されることもある。更には、本発明の態様は、そこに具現化されたコンピュータ実行可能コードを有している1つ又はそれ以上のコンピュータ可読媒体に具現化されたコンピュータプログラム製品の形態を採っていてもよい。
【0012】
1つ又はそれ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組合せが利用され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。ここでの使用に際し「コンピュータ可読記憶媒体」は、コンピューティングデバイスのプロセッサによって実行可能である命令を記憶することのできる任意の有形記憶媒体を内包する。コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータ可読の非一過性の記憶媒体であるということもできる。更にコンピュータ可読記憶媒体は有形コンピュータ可読媒体であるということもできる。一部の実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は、更に、コンピューティングデバイスのプロセッサによってアクセスすることのできるデータを記憶することが可能であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体の例には、限定するわけではないが、フロッピーディスク、磁気ハードディスクドライブ、固体ハードディスク、フラッシュメモリ、USBサムドライブ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、光ディスク、光磁気ディスク、及びプロセッサのレジスタファイル、が挙げられる。光ディスクの例には、コンパクトディスク(CD)及びデジタル多目的ディスク(DVD)を含み、例えば、CD−ROM、CD−RW、CD−R、DVD−ROM、DVD−RW、又はDVD−Rのディスクである。コンピュータ可読記憶媒体という用語は、コンピュータデバイスによってネットワーク又は通信リンクを介してアクセスすることのできる各種の記録媒体をいうこともある。例えば、データは、モデム経由、インターネット経由、又はローカルエリアネットワーク経由で取り出すことができる。コンピュータ可読媒体上に具現化されているコンピュータ実行可能コードは、限定するわけではないが、無線、有線、光ファイバーケーブル、RF、など、を含む何れかの適切な媒体、又は上記の何れかの適した組合せ、を使用して伝送することができる。
【0013】
コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ実行可能コードを例えばベースバンド中に又は搬送波の一部として具現化させて有している伝搬データ信号を含むことができる。その様な伝搬信号は、限定するわけではないが、電磁、光学、又はそれらの何れかの適した組合せ、を含む様々な形態のうちの何れの形態を採っていてもよい。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではない何れかのコンピュータ可読媒体であって、命令実行システム、命令実行機器、又は命令実行デバイスによる使用のための又はそれらと関連した使用のためのプログラムを通信、伝搬、又は移植することのできるコンピュータ可読媒体とすることができる。
【0014】
「コンピュータメモリ」又は「メモリ」は、コンピュータ可読記憶媒体の一例である。コンピュータメモリはプロセッサへ直接にアクセスできる任意のメモリである。「コンピュータストレージ」又は「ストレージ」は、コンピュータ可読記憶媒体の更なる一例である。コンピュータストレージは、任意の不揮発性コンピュータ可読記憶媒体である。一部の実施形態では、コンピュータストレージがコンピュータメモリを兼ねている、ということもあればその逆のこともある。
【0015】
ここでの使用に際し「プロセッサ」は、プログラム実行可能命令又は機械実行可能命令又はコンピュータ実行可能コードを実行する能力のある電子部品を内包する。コンピューティングデバイスが「プロセッサ(単数形)」を備えている(comprising “a processor”)という言い方は、場合により1つより多いプロセッサ又は処理コアを保有することもあり得る、と解釈されるべきである。プロセッサは例えばマルチコアプロセッサであってもよい。プロセッサは、更に、単一のコンピュータシステム内のプロセッサの集合体又は複数のコンピュータシステムの間に分散されたプロセッサの集合体を指すこともある。コンピューティングデバイスという用語は、更に、場合により各々が単数又は複数のプロセッサを備えるコンピューティングデバイスの集合体又はネットワークを指すこともあり得る、と解釈されるべきである。コンピュータ実行可能コードは、同じコンピューティングデバイス内にあってもよく複数のコンピューティングデバイスを跨いで分散されていてもよい複数のプロセッサによって実行されるようになっていてもよい。
【0016】
コンピュータ実行可能コード又は機械実行可能命令は、プロセッサに本発明の態様を遂行させる機械実行可能命令又はプログラムを備えていてもよい。本発明の態様の動作を実施するためのコンピュータ実行可能コードは、Java、Smalltalk、C++、などの様なオブジェクト指向型プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は類似のプログラミング言語の様な従来の手続き型プログラミング言語、を含む1つ又はそれ以上のプログラミング言語の何れかの組合せで書かれていて、機械実行可能命令へコンパイルされていてもよい。一部の事例では、コンピュータ実行可能コードは、高級言語の形態又は事前コンパイル形態をしていて、機械実行可能命令をオンザフライで生成するインタプリタと併せて使用されるようになっていてもよい。
【0017】
機械実行可能命令は、全部がユーザーのコンピュータ上で実行されてもよく、一部がユーザーのコンピュータ上で独立型ソフトウェアパッケージとして実行されてもよく、一部がユーザーのコンピュータ上でそして一部が遠隔のコンピュータ上で実行されてもよく、又は、全部が遠隔のコンピュータ若しくはサーバ上で実行されてもよい。後者のシナリオでは、遠隔コンピュータは、ユーザーのコンピュータへ、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む何れかの型式のネットワークを通して接続されていてもよいし、又は接続は外部コンピュータへ(例えばインターネットサービスプロバイダを使用するインターネットを通して)なされていてもよい。
【0018】
本発明の態様は、本発明の実施形態による、方法、機器(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート、説明図及び/又はブロックダイアグラムを参照しながら説明されている。フローチャート、説明図、及び/又はブロックダイアグラムの各ブロック又はブロックの一部は、該当する場合にはコンピュータ実行可能コードの形態をしているコンピュータプログラム命令によって実装され得るものと理解しておきたい。
【0019】
相互排他的でない場合には、異なるフローチャート、説明図、及び/又はブロックダイアグラムでのブロックの組合せ同士を組み合わせることもできるものとさらに理解される。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理機器のプロセッサを介して実行する命令が、フローチャート及び/又はブロックダイアグラムの単数又は複数のブロック内に規定されている機能/行為を実施するための手段を作成するように、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能データ処理機器のプロセッサへ、機械を提供するために提供されてよい。
【0020】
これらのコンピュータプログラム命令は、更に、コンピュータ可読媒体に記憶された命令がフローチャート及び/又はブロックダイアグラムの単数又は複数のブロック内に規定されている機能/行為を実施する命令を含む製造物品を現出させるように、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理機器又は他のデバイスを指揮して特定のやり方で機能させることが可能なコンピュータ可読媒体に記憶されていてもよい。
【0021】
コンピュータプログラム命令は、更に、コンピュータ又は他のプログラム可能機器上で実行する命令がフローチャート及び/又はブロックダイアグラウの単数又は複数のブロック内に規定されている機能/動作を実施するためのプロセスを提供するように、コンピュータ上で又は他のプログラム可能機器上で又は他のデバイス上で遂行されるべき一連の動作工程を引き起こしてコンピュータ実施型プロセスを現出させるために、コンピュータ上へ又は他のプログラム可能データ処理機器上へ又は他のデバイス上へロードされてもよい。
【0022】
ここでの使用に際し「ハードウェアインターフェース」は、コンピュータシステムのプロセッサが、外部コンピューティングデバイス及び/又は外部機器と対話することを、及び/又は外部コンピューティングデバイス及び/又は外部機器を制御することを、可能にするインターフェースを内包する。ハードウェアインターフェースは、プロセッサが制御信号又は命令を外部コンピューティングデバイス及び/又は外部機器へ送信できるようにしてもよい。ハードウェアインターフェースは、更に、プロセッサがデータを外部コンピューティングデバイス及び/又は外部機器とやり取りすることを可能にしてもよい。ハードウェアインターフェースの例には、限定するわけではないが、ユニバーサルシリアルバス、IEEE1394ポート、パラレルポート、IEEE1284ポート、シリアルポート、RS−232ポート、IEEE−488ポート、Bluetooth接続、無線ローカルエリアネットワーク接続、TCP/IP接続、イーサネット接続、制御電圧インターフェース、MIDIインターフェース、アナログ入力インターフェース、及びデジタル入力インターフェースが挙げられる。
【0023】
本発明は、検体を含有する試料に対する測定を、カートリッジを使用して遂行する方法を提供している。カートリッジは、少なくとも部分的に試薬流体が充填された第1貯留部を備えている。カートリッジは、更に、少なくとも部分的に粒子が充填された第2貯留部を備えている。一部の実施例では、第2貯留部は全体的に粒子を充填されていてもよく、他の実施例では、第2貯留部は或る種の流体中に懸濁された粒子を収容していてもよい。例えば、当該流体は、異なる流体であってもよく、又は試薬流体であってもよい。例えば、当該流体は、ゲルであってもよく、例えばチキストロープゲル(thixotropic gel)であってもよい。カートリッジは、更に、ポンピングチャンバを備えている。
【0024】
カートリッジは、更に、第1貯留部とポンピングチャンバを接続する少なくとも1つの第1ポンピングチャンバ導管を備えている。カートリッジは、更に、第2貯留部とポンピングチャンバを接続する少なくとも1つの第2ポンピングチャンバ導管を備えている。これらの導管は、第1貯留部及び第2貯留部をポンピングチャンバへ接続する。カートリッジは、更に、試薬流体及び粒子をカートリッジから分注するための出口を備えている。カートリッジは、更に、出口をポンピングチャンバへ接続する出口導管を備えている。カートリッジは、更に、出口導管を封止するための弁を備えている。弁は、出口導管が封止されポンピングチャンバの内容物が出口を通って出てゆくことのできない位置又は状態に置かれるようになっていてもよい。弁は、更に、ポンピングチャンバの内容物が出口を通って出てゆくことのできる開状態又は開位置へ置かれるようになっていてもよい。
【0025】
方法は、弁を閉じる工程を備えている。弁が閉じられた後、出口導管は封止され、出口はポンピングチャンバから絶縁される。方法は、更に、第1の定義された体積の試薬流体と第2の定義された体積の粒子をポンピングチャンバ内へ輸送して試薬流体と粒子との混合物を形成させるように力を印加する工程を備えている。方法は、更に、弁を開く工程を備えている。方法は、更に、混合物を、出口から、検体を含有する試料と混合させるための流体受け器の中へ分注するために、ポンピングチャンバ内の混合物を押し進める工程を備えている。方法は、更に、検体を含有する試料に対する測定を、分析ユニットを使用して遂行する工程を備えている。
【0026】
本実施形態には、粒子に対する試薬流体の比を高精度に制御することができるという有益性があるだろう。本実施形態には、試薬流体と粒子が別々に貯蔵されるので試薬流体内の粒子沈殿の影響を受け難いという利点があるだろう。例えば、ポンプに貯留部が1つしか無く、当該1つの貯留部が試薬流体と粒子の両方を収容しているなら、粒子試薬流体混合物の何らかの混合又は撹拌を提供することが必要になるかもしれない。現実施形態では、2つの分量、即ち試薬流体と粒子は、別々に保たれ、それらを引く又はそれらをポンピングチャンバへ輸送する過程で各々の適正量が第1貯留部及び第2貯留部から抽出される。
【0027】
一部の実施形態では、試薬流体は、純粋な緩衝液であってもよい。例えば、緩衝液は、水、生理食塩水、又は他の緩衝液であってもよい。
【0028】
一部の実施例では、第1の定義された体積と第2の定義された体積をポンピングチャンバ内へ輸送するために力を印加する工程は、吸引又は陰圧(負圧)によって遂行することができる。例えば、ポンピングチャンバは、ピストン、又は、吸引力を印加するべく自身の体積を増加させる能力のある何らかの他のチャンバであってもよい。他の実施例では、陽圧(正圧)が第1貯留部及び/又は第2貯留部へ印加されてもよい。これは、試薬流体の定義された体積と粒子の定義された体積をポンピングチャンバ内へ輸送するのに使用されてもよい。
【0029】
別の実施形態では、力を印加する工程は、ポンピングチャンバへの陰圧の印加である。
【0030】
別の実施形態では、力を印加する工程は、陽圧を第1貯留部及び/又は第2貯留部へ印加することである。
【0031】
一部の実施例では、弁は出口導管を閉じるようにしか構成されていない。例えば、出口導管の流体伝導率が少なくとも1つの第1ポンピングチャンバ導管及び/又は少なくとも1つの第2ポンピングチャンバ導管より遙かに大きい場合もある。これは粒子分注のための単一の弁の使用を可能にする。この実施例では、弁を閉じれば、ポンピングチャンバを、試薬流体を第1貯留部から引き出し粒子を第2貯留部から引き出すのに使用できるようになる。
【0032】
弁を開けば、ポンピングチャンバ内の混合物は出口導管を通って押し出されることができ、そして、出口導管の流体伝導率は少なくとも1つの第1ポンピングチャンバ導管及び/又は少なくとも1つの第2ポンピングチャンバ導管の流体伝導率より格段に大きいので、無視できるほどの量の試薬流体粒子混合物が、第1ポンピングチャンバ導管又は第2ポンピングチャンバ導管を通して押し戻される。
【0033】
更に他の実施例では、弁はまた、ポンピングチャンバ導管を封止するように作動できるだけでなく、少なくとも1つの第1ポンピングチャンバ導管及び/又は少なくとも1つの第2ポンピングチャンバ導管を封止する又は選択するよう作動できるようになっていてもよい。
【0034】
別の実施形態では、ポンピングチャンバは少なくとも部分的にキャビティによって形成されている。カートリッジは、更に、キャビティ内に可動に装着されているプランジャーを備えている。プランジャーはポンピングチャンバの体積を変更するように構成されている。試薬流体と粒子との混合物をポンピングチャンバ内で形成させるために試薬流体と粒子の両方の定義された体積をポンピングチャンバ内へ輸送するため力を印加する工程は、ポンピングチャンバの体積をプランジャーを用いて拡張する工程を備えている。混合物を分注するためにポンピングチャンバ内の混合物を押し進める工程は、ポンピングチャンバの体積をプランジャーを用いて縮小する工程を備えている。
【0035】
別の実施形態では、弁は、第1の定義された体積を第2の定義された体積に対して制御するように構成されている絞り弁である。例えば、弁は、第1ポンピングチャンバ導管の断面(cross-section:「断面積」とも)のサイズを1つの第2ポンピングチャンバ導管に対して制御する構成要素を有していてもよい。これを試薬流体の粒子に対する比又は混合を制御するのに使用することもできる。
【0036】
別の実施形態では、粒子は、磁気粒子であり、一例を挙げれば磁気微粒子である。
【0037】
別の実施形態では、各磁気粒子は、電気化学発光をもたらすことのできるマーカーを有する複合体へ、直接的か又は他の結合相手を介して結合されている。電気化学的活性物質がマーカーとの電気化学発光反応を導き、その結果、発光が起こる。
【0038】
方法は、試料中に検体が存在することの結果として検体特異的マーカー化合物と検体とを備える複合体が形成するため、少なくとも1つの検体特異的生化学結合反応を備える反応シーケンスを実施する工程を備えている。マーカーを備える複合体は、更に、磁気粒子へ結合される。方法は、更に、前記検体の存在を判定するために作用電極を有する測定セル上で検出サイクルを実施する工程を備えている。検出サイクルは、捕捉する工程であって、当該工程中に、粒子が、作用電極の試料に背を向けた側に位置する磁気構成要素の磁場によって引き寄せられる様なやり方で複合体を作用電極と接触させ、これは前記作用電極の試料の方を向いている面に堆積される、捕捉する工程と、最終的に作用電極に電位を印加し、マーカーと電気化学的活性物質との電気化学発光反応をトリガしてマーカーの発光を生じさせ、それにより試料中の検体の存在を判定する工程と、を備えている。
【0039】
試薬流体と粒子との混合物を形成させるために第1の定義された体積の試薬流体と第2の定義された体積の粒子をポンピングチャンバ内へ輸送するためにプランジャーへ力を印加する工程の特徴は、代わりの言い方で表すこともできる。例えば、これは、ポンピングチャンバの体積を増加させるようにプランジャーへ力を印加する工程、と言い換えることもできる。これは、試薬流体と粒子との混合物を形成させるため、第1の定義された体積の試薬流体と第2の定義された体積の粒子のポンピングチャンバ内への輸送を生じさせ得る。
【0040】
混合物を、出口から、検体を含有する試料と混合するための流体受け器の中へ分注するために、ポンピングチャンバ内の混合物を、プランジャーを使用して押し進める工程の特徴は、代わりの言い方で表すこともできる。例えば、これは、混合物を、出口から検体を含有する試料と混合するための流体受け器の中へ分注するためにポンピングチャンバの体積を減少させるようにプランジャーへ力を印加する工程、と言い換えることもできる。
【0041】
別の実施形態では、方法は、更に、試薬流体と粒子との混合物を形成させるために第1の定義された体積の試薬流体と第2の定義された体積の粒子をポンピングチャンバ内へ輸送するために力を印加する工程を備え、ポンピングチャンバの体積をプランジャーを用いて拡張する工程を備えており、混合物を分注するためにポンピングチャンバ内の混合物を推し進める工程は、ポンピングチャンバの体積をプランジャーを用いて縮小する工程を備えている。
【0042】
別の実施形態では、プランジャーを用いてのポンピングチャンバの拡張は、ポンピングチャンバの拡張の少なくとも一部分の間に、試薬流体と粒子のポンピングチャンバ内への同時輸送を生じさせる。これには、試薬流体と粒子を、それらがポンピングチャンバ内へ装入されるのと時を同じくして混合するという便益があるだろう。一部の実施例では、ポンピングチャンバの拡張の特定の一部の間に、試薬流体と粒子の一方だけをポンピングチャンバ内へ引き出すようにすることもできる。とはいえ、ポンピングチャンバの拡張の少なくとも一部分の間には粒子と試薬流体の両方がポンピングチャンバ内へ引き出される。
【0043】
別の実施形態では、プランジャーはストロークを有している。ストロークの少なくとも一部分に沿ったプランジャーの動きは、試薬流体及び粒子のポンピングチャンバ内への同時輸送を生じさせる。プランジャーのストロークはプランジャーの全可動域に等しい。プランジャーの全可動域の少なくとも一部分の間に、(ポンピングチャンバの体積が拡張されてゆくにつれ)試薬流体と粒子はポンピングチャンバ内へ同時に引き出され又は装入される。これには、試薬流体と粒子を、それらがポンピングチャンバ内へ装入されてゆくのと時を同じくして混合するという利点があるだろう。粒子と試薬流体の同時引き出しはプランジャーのストローク全体の間に亘る必要はなく、ストロークの一部分である必要しかない。
【0044】
別の実施形態では、ポンピングチャンバの1回の拡張は、試薬流体と粒子の両方のポンピングチャンバ内への輸送を生じさせる。一部の実施例では、粒子と試薬流体はどちらもポンピングチャンバ内へ同時に引き出される。他の実施例では、粒子と試薬流体はポンピングチャンバ内へ順次に引き出される。
【0045】
別の実施形態では、ポンピングチャンバの1回の拡張の第1の部分の間には、試薬流体と粒子の一方だけがポンピングチャンバ内へ輸送される。ポンピングチャンバの1回の拡張の第2の部分の間には、試薬流体と粒子の両方がポンピングチャンバ内へ輸送される。この実施例では、試薬流体と粒子は、常にポンピングチャンバに時を同じくして(=一斉に)進入するというのではなく同じプランジャーストローク内で順次に進入する。
【0046】
本発明の実施形態には、私たちの発明によれば、プランジャーの引き出し運動中に両方の貯留部からの定義された体積がポンピングチャンバ内へ吸引され、しかも何らの追加の弁機能性も必要とされること無く同じプランジャー運動工程内で上述の様に同時に又は順次に吸引される、という利点があるだろう。
【0047】
米国特許出願公開第2015/0140669A1号では、異なるチャンバを交互にポンピングチャンバへ接続するのに弁が使用されている。実施形態はこれらの追加の弁が必要ないという利点を有し得る。実施形態が有し得る更なる利点は、ストロークの少なくとも一部分の間に試薬流体と粒子がポンピングチャンバに進入するので、試薬流体と粒子はピストンの動作中に混合される、ということであろう。このことは追加の混合工程の必要性を低減し得る。
【0048】
別の態様では、本発明は、自動分析器のためのカートリッジを提供している。カートリッジは、更に、少なくとも部分的に試薬流体を充填された第1貯留部を備えている。カートリッジは、更に、少なくとも部分的に粒子を充填された第2貯留部を備えている。カートリッジは、更に、キャビティから形成されたポンピングチャンバを備えている。カートリッジは、更に、第1貯留部とポンピングチャンバを接続する少なくとも1つの第1ポンピングチャンバ導管を備えている。カートリッジは、更に、第2貯留部とポンピングチャンバを接続する少なくとも1つの第2ポンピングチャンバ導管を備えている。カートリッジは、更に、試薬流体及び粒子をカートリッジから分注するための出口を備えている。カートリッジは、更に、出口をポンピングチャンバへ接続する出口導管を備えている。カートリッジは、更に、出口導管を封止するための弁を備えている。
【0049】
別の実施形態では、ポンピングチャンバはキャビティから形成されている。カートリッジは、更に、ポンピングチャンバ内に可動に装着されているプランジャーを備えている。プランジャーは、ポンピングチャンバの体積を変更するように構成されている。
【0050】
別の実施形態では、粒子は第2貯留部内では乾燥している。つまり粒子は第2貯留部内では流体と混合されていない。
【0051】
別の実施形態では、粒子は第2貯留部内で緩衝液と混合されている。一部の実施例では、緩衝液が試薬流体と同じということもあり得る。他の実施例では、緩衝液は試薬流体とは異なっていてもよい。
【0052】
別の実施形態では、緩衝液は、ゲル、一例ではチキソトロープゲルである。ゲルは第2貯留部内での粒子の沈殿を低減し得るのでゲルの使用は有益であろう。
【0053】
別の実施形態では、緩衝液及び粒子はコロイド懸濁液を形成している。この実施例では、粒子は緩衝液内にコロイド状に懸濁している。これはポンピングチャンバ内への粒子のより良好で精密な分注を提供し得る。
【0054】
別の実施形態では、粒子は第1の比重を有している。緩衝液は第2の比重を有している。第1の比重は第2の比重より大きい。この実施形態では、緩衝液中の粒子は自然に第2貯留部内に沈殿する。幾つかの実施例では、これは第2貯留部からの粒子のより均一的な分注をもたらすことができるであろう。
【0055】
別の実施形態では、第2貯留部に含まれる緩衝液は第1貯留部に含まれる試薬流体と同一である。別の実施形態では、これは、第1貯留部と第2貯留部の間の流体の移動を許容するが粒子を第2貯留部内に保持するための、第1貯留部と第2貯留部の間に配置された多孔質の仕切り、によって実現することができる。
【0056】
別の実施形態では、貯留部は、漏斗構造体を備えており、漏斗構造体は、ポンピングチャンバ導管を少なくとも部分的に形成している。例えば、これは粒子をポンピングチャンバ内へ再現性よく分注することができるように粒子を一点に集めるうえで有用であろう。
【0057】
別の実施形態では、カートリッジは作動位置へ入れることができる。作動位置では、漏斗構造はポンピングチャンバの上方にある。
【0058】
別の実施形態では、粒子は第1の比重を有している。緩衝液は第2の比重を有している。第1の比重と第2の比重とは、5%未満で異なる。他の実施例では、第1の比重と第2の比重とは、1%未満で異なる。
【0059】
別の実施形態では、弁は、ポンピングチャンバが出口導管へ接続されているときは少なくとも1つの第1ポンピングチャンバ導管及び少なくとも1つの第2ポンピングチャンバ導管を封止するように構成されている。弁は、少なくとも1つの第1ポンピングチャンバ導管が第1貯留部をポンピングチャンバへ接続しているときは出口導管を封止するように構成されている。弁は、少なくとも1つの第2ポンピングチャンバ導管が第2貯留部をポンピングチャンバへ接続しているときは出口導管を封止するように構成されている。
【0060】
別の実施形態では、弁は回転弁である。キャビティは回転弁の内側である。回転弁は、少なくとも第1の位置と第2の位置へ回転させることができる。第1の位置では、出口導管は出口をポンピングチャンバへ接続するように整列される。第1の位置では、第1ポンピングチャンバ導管はポンピングチャンバから封止される。第1の位置では、ポンピングチャンバは第2ポンピングチャンバ導管から封止される。第2の位置では、出口導管は出口から封止される。第2の位置では、第1ポンピングチャンバ導管は、第1貯留部をポンピングチャンバと接続するように整列される。第2の位置では、少なくとも1つの第2ポンピングチャンバ導管は第2貯留部をポンピングチャンバと接続するように整列される。
【0061】
幾つかの実施例では、少なくとも1つの第1ポンピングチャンバ導管及び少なくとも1つの第2ポンピングチャンバ導管への開口部は細長く延びていてもよい。回転弁が向きを変えることで、少なくとも1つの第1ポンピングチャンバ導管への開口部及び少なくとも1つの第2ポンピングチャンバ導管への開口部の有効サイズを調節することができる。これは、それぞれのポンピングチャンバ導管の有効断面を制御しそれによりポンピングチャンバ内へ輸送される粒子に対する試薬の比を制御することのできる弁を作ることにおいて有用であろう。
【0062】
別の実施形態では、弁は、第1ポンピングチャンバ導管及び/又は第2ポンピングチャンバ導管の有効断面を変更するように構成されている絞り弁である。これは、例えば、ポンピングチャンバ内へ輸送される粒子に対する試薬流体の比を制御することにおいて有用であろう。
【0063】
別の実施形態では、カートリッジは、第1ポンピングチャンバ導管の有効断面を変更するように構成されている、第1ポンピングチャンバ導管へ接続された第1ポンピングチャンバ弁、及び/又は第2ポンピングチャンバ導管の有効断面を変更するように構成されている、第2ポンピングチャンバ導管へ接続された第2ポンピングチャンバ弁、を備えている。これは、第1の定義された体積を第2の定義された体積に対して制御し、それにより試薬流体に対する粒子の混合比を制御するうえで有用であろう。
【0064】
別の実施形態では、カートリッジは複数の第1ポンピングチャンバ導管を備えている。別の実施形態では、弁は、第1貯留部をポンピングチャンバと接続するのに複数の第1ポンピングチャンバ導管のうちの少なくとも1つを選択するように構成されている。
【0065】
回転弁が使用されている場合、弁の異なる位置は、複数の第1ポンピングチャンバ導管のどれが使用されるかを調節するべく所定位置へ回転させられることができる。これは2つの貯留部からの相対流体コンダクタンスを調節するうえで有用であろう。
【0066】
別の実施形態では、カートリッジは、更に、第1ポンピングチャンバ導管の各々を選択的に開閉するための第1遮断弁組立体を備えている。
【0067】
別の実施形態では、カートリッジは複数の第2ポンピングチャンバ導管を備えている。
【0068】
別の実施形態では、弁は、第2貯留部をポンピングチャンバと接続するのに複数の第2ポンピングチャンバ導管のうちの少なくとも1つを選択するように構成されている。
【0069】
回転弁の場合に、この実施形態は、弁を異なる回転位置へ動かすことによって実効化されることができる。
【0070】
別の実施形態では、カートリッジは、更に、第2ポンピングチャンバ導管の各々を選択的に開閉するための第2遮断弁組立体を備えている。
【0071】
別の実施形態では、第1ポンピングチャンバ導管と第2ポンピングチャンバ導管が合流して共通導管を形成している。共通導管は、ポンピングチャンバを第1ポンピングチャンバ導管及び第2ポンピングチャンバ導管へ接続する。
【0072】
別の実施形態では、ポンピングチャンバは、1mlの最大体積を分注するように構成されている。
【0073】
別の実施形態では、粒子は、次のもの、即ち、磁気ビーズ、磁化ポリスチレンビーズ、ラテックスビーズ、ガラスビーズ、及びそれらの組合せ、のうちの何れか1つを備えている。
【0074】
別の実施形態では、粒子は、ビオチン化抗体を結合するために被覆されているか又は抗体被覆されている。
【0075】
別の実施形態では、ビオチン化抗体を結合するための被覆はストレプトアビジンである。
【0076】
被覆された粒子を分注するために、本発明によるカートリッジを使用することの利点は、これらの被覆された粒子が狭い弁又はポンピングチャンバ導管をミリ秒範囲の極めて短い時間内で通り抜けることができ、しかもなお分析検定で適正に機能する、ということである。つまり、被覆された粒子の第2ポンピングチャンバ導管を通る輸送はストレプトアビジンの様なそれらの被覆を損傷させない、ということである。
【0077】
別の態様では、本発明は、検体を含有する試料に対し測定を遂行するための自動分析器を提供している。自動分析器は、或る実施形態によるカートリッジを保持するよう作動できる。自動分析器は、第1の定義された体積の試薬流体と第2の定義された体積の粒子をポンピングチャンバ内へ輸送するべく力を印加するように作動できるアクチュエータ組立体を備えている。例えば、カートリッジがポンピングチャンバのためのプランジャーを備えている場合、アクチュエータがプランジャーを作動させてもよい。アクチュエータ組立体は、更に、弁を作動させるように構成されていてもよい。
【0078】
他の実施例では、試薬流体及び/又は粒子をポンピングチャンバ内へ押し進めるため、アクチュエータ組立体は、陰圧又は陽圧をカートリッジの一部分へ印加し得る。自動分析器は、更に、自動分析器を制御するためのコントローラを備えている。コントローラは、例えば、プロセッサ、又は自動分析器を制御する又は自動化するのに使用される他のコントローラ、であってもよい。自動分析器は、更に、測定を遂行するための分析ユニットを備えている。
【0079】
別の実施形態では、自動分析器は、更に、機械実行可能命令を記憶するためのメモリを備えている。命令の実行は、プロセッサに、アクチュエータ組立体を制御することによって弁を閉じるように仕向ける。機械実行可能命令の実行は、更に、プロセッサに、アクチュエータ組立体を制御して、第1の定義された体積の試薬流体及び第2の定義された体積の粒子をポンピングチャンバ内へ輸送して試薬流体と粒子との混合物を形成するべく力を印加させるように仕向ける。1つの実施例では、これは、アクチュエータ組立体を制御することによって、試薬流体と粒子との混合物を形成するために試薬流体と粒子の両方の定義された体積をチャンバ内へ引き出すためにポンピングチャンバの体積をプランジャーを用いて拡張する工程を備えていてもよい。他の実施例では、これは、陰圧又は陽圧をポンピングチャンバ及び/又は第1貯留部及び/又は第2貯留部へ印加する工程を備えていてもよい。機械実行可能命令の実行は、更に、プロセッサに、アクチュエータ組立体を制御することによって弁を開けるように仕向ける。
【0080】
機械実行可能命令の実行は、更に、混合物を、出口から検体を含有する試料と混合するための流体受け器の中へ分注させるため、プロセッサに、アクチュエータを制御して、混合物をポンピングチャンバ内へ押し進めるように仕向ける。例えば、ポンピングチャンバがプランジャーを備えている場合、これは、アクチュエータ組立体を制御することによって、出口から流体受け器の中へ混合物を分注するよう、ポンピングチャンバの体積をプランジャーを用いて縮小する工程を含んでいてもよい。機械実行可能命令の実行は、更に、プロセッサに、分析ユニットを制御することによって試料に対する測定を遂行するように仕向ける。
【0081】
別の実施形態では、分析ユニットは、次のもの、即ち、電気化学発光即ちECL測定システム、NMRシステム、光透過測定システム、光反射測定システム、電気化学測定システム、光センサ、pH計、カメラシステム、クロマトグラフィーシステム、質量分析計、及びそれらの組合せ、のうちの何れか1つであり得る。
【0082】
別の態様では、本発明は、粒子と試薬流体との混合物を分注する方法を提供している。カートリッジは、少なくとも部分的に試薬流体が充填された第1貯留部を備えている。カートリッジは、更に、少なくとも部分的に粒子が充填された第2貯留部を備えている。カートリッジは、更に、ポンピングチャンバを備えている。カートリッジは、更に、第1貯留部とポンピングチャンバを接続する少なくとも1つの第1ポンピングチャンバ導管を備えている。カートリッジは、更に、第2貯留部とポンピングチャンバを接続する少なくとも1つの第2ポンピングチャンバ導管を備えている。カートリッジは、更に、試薬流体及び粒子をカートリッジから分注するための出口を備えている。カートリッジは、更に、出口をポンピングチャンバへ接続する出口導管を備えている。カートリッジは、更に、出口導管を封止するための弁を備えている。
【0083】
方法は、弁を閉じる工程を備えている。方法は、更に、試薬流体と粒子との混合物を形成させるために第1の定義された体積の試薬流体及び第2の定義された体積の粒子をポンピングチャンバ内へ輸送するために力を印加する工程を備えている。ポンピングチャンバは、プランジャーによってポンピングされる。これは、試薬流体と粒子の両方の定義された体積を引き出すようにポンピングチャンバの体積をプランジャーを用いて拡張する工程を含んでいてもよい。方法は、更に、弁を開ける工程を備えている。方法は、更に、混合物を出口から分注するために混合物をポンピングチャンバから押し進める工程を備えている。例えば、ポンピングチャンバがプランジャーによって作動させられるのであれば、これは、混合物を出口から分注するようにポンピングチャンバの体積をプランジャーを用いて縮小する工程を備えていてもよい。
【0084】
別の実施形態では、粒子は磁気ビーズである。これらは、例えば、磁化ポリスチレンビーズであってもよい。粒子は、1μmから4μmの間の直径を有していてもよい。別の実施例では、それらは2μmから3μmの間の直径を有していてもよく、及び/又は粒子はラテックスビーズである。
【0085】
別の実施形態では、粒子は0.05μmから0.4μmの間の直径を有している。
【0086】
別の実施形態では、ビーズはビオチン化抗体を結合するためにストレプトアビジン被覆されている。
【0087】
別の実施形態では、粒子は磁気性であってもよい。そうすると、磁石をオンオフすることによって粒子のセグメント化を制御できるようになるだろう。
【0088】
別の実施形態では、緩衝液は水である。
【0089】
別の実施形態では、緩衝液は、次のもの、即ち、塩、タンパク質、糖、洗浄剤、揮発性成分、脂質、抗体、及び他の粒子、及びそれらの組合せ、のうちの1つ又はそれ以上を含有する溶液である。
【0090】
組み合わされた実施形態が相互排他的でない限り、本発明の上記実施形態の1つ又はそれ以上は組み合わされてもよいと理解される。
【0091】
以下に本発明の好適な実施形態を、単に一例として、図面を参照しながら説明してゆく。
【発明を実施するための形態】
【0093】
これらの図中の同様の符号が付された要素は、同等の要素であるか又は同じ機能を遂行する。先に論じられている要素は、機能が同等である場合、後の図の中で必ずしも論じられるとは限らない。
【0094】
図1は、自動分析器100の或る実施例を示している。自動分析器は、カートリッジ102を備えている。カートリッジは、アクチュエータ104へ接続されている。カートリッジ102の下方には検体を含有する試料108を収容している試料ホルダ106を見ることができる。試料ホルダ106に隣接するものは検体ユニット110である。自動分析器100は、更に、自動分析器100を制御するように及び動作させるように構成されているコンピュータ112を備えている。
【0095】
カートリッジ102は、試薬流体116が充填された第1貯留部114を備えている。カートリッジ102は、更に、粒子119が充填された第2貯留部118を備えている。第1貯留部114は、第1ポンピングチャンバ導管120によって、ポンピングチャンバ126へ接続される。第2貯留部118は、第2ポンピングチャンバ導管122によって、ポンピングチャンバ126へ接続される。カートリッジ102は、更に、試薬流体116と粒子119との混合物を分注することを目的とする出口124を備えている。この実施例では、ポンピングチャンバ126の体積は、アクチュエータ104によって作動させられるプランジャー128によって調節されることができる。ポンピングチャンバはキャビティ127によって形成されている。キャビティ127内のプランジャー128の運動がポンピングチャンバ126の体積を調節する。陰圧又は陽圧をポンピングチャンバ126及び/又は第1貯留部114及び/又は第2貯留部118へ印加するという様な、他の実施形態も構想される。ポンピングチャンバ126は、出口124へ、出口導管130によって接続される。出口導管130は、弁132によって開かれる又は封止されることができるようになっている。出口124は、検体を含有する試料108と混合させるため、試薬流体116と粒子119との混合物が試料ホルダ106の中へ分注されることができるように、試料ホルダ106の上方に配置されている。混合物が分注され試料108と混合されたら、分析ユニット110によって測定を遂行することができる。
【0096】
弁132とアクチュエータ104と分析ユニット110は、コンピュータ112のハードウェアインターフェース134へ接続されているものとして示されている。ハードウェアインターフェースはプロセッサ136へ接続されている。ハードウェアインターフェース134は、プロセッサ136が自動分析器100の他の構成要素を制御することを可能にする。プロセッサは、更に、コンピュータストレージ138及びコンピュータメモリ140へ接続されているものとして示されている。プロセッサ136は、更に随意的なユーザーインターフェース142へ接続されているものとして示されている。コンピュータストレージ138は、試薬流体116と粒子119との混合物を添加された後の試料108に対し分析ユニット110によって測定された測定データ150を格納しているものとして示されている。コンピュータメモリ140は、プロセッサ136が自動分析器100の動作及び機能を制御して測定データ150を取得させるのを可能にする制御モジュール152を格納しているものとして示されている。コンピュータストレージ138及びコンピュータメモリ140は単一のストレージユニットへ組み合わされていてもよい。更に、コンピュータストレージ138及びコンピュータメモリ140のコンテンツは互いの間でやり取りされ又は複製されてもよい。
【0097】
図2は、
図1の自動分析器100を動作させる方法を例示するフローチャートを示している。まず工程200で、弁132が閉じられる。次に、工程202で、試薬流体と及び粒子との混合物を形成させるために、第1の定義された体積の試薬流体116と第2の定義された体積の粒子119をポンピングチャンバ126内へ輸送するために力が印加される。
図1に示されている特定の実施例では、ポンピングチャンバ126の体積を拡張するようにプランジャー128がアクチュエータ104に向けて引き出される。次に、工程204で、弁132が開かれる。次に、工程206で、混合物を出口124から流体受け器又は試料ホルダ106の中へ分注するために、ポンピングチャンバ126内の混合物は押し進められる。これはそのあとに混合物が試料108と混合されることを引き起こす。次に、工程208で、プロセッサ136が分析ユニット110を制御して測定データ150を取得させる。
図2の方法は修正されてもよい。例えば、カートリッジ102は、コンピュータシステム112無しに動作させるようにすることもできよう。プランジャー128は例えば手動で動作させるようにすることもでき、弁132も同様である。
図2の方法は、更に、当該方法が単純に試薬流体116と粒子119との混合物を分注するだけ、となるように修正することもできよう。混合物は必ずしも試料ホルダ又は流体受け器106の中へ分注される必要はない。
【0098】
図3は、カートリッジ102の更なる実施例を示している。この実施例では、弁132は回転可能部分300によって形成されている。回転可能部分は、ポンピングチャンバ126を兼ねて形成している円筒管である。回転可能部分300を回転させることで、出口導管130、第1ポンピングチャンバ導管120、及び第2ポンピングチャンバ導管122を、選択的にポンピングチャンバ126へ接続する又は接続解除することができる。
図3に示されている視図では、第1ポンピングチャンバ導管120と第2ポンピングチャンバ導管122がポンピングチャンバ126へ接続されているとして示されている。回転可能部分300を回転させれば、第1ポンピングチャンバ導管及び第2ポンピングチャンバ導管122はポンピングチャンバ126から接続解除されることができ、出口導管130はポンピングチャンバ126へ接続されることができる。
【0099】
304と表示された矢印はピストン128の進行方向を指し示している。ピストン128のこれらの方向への運動は、ピストンのストロークを指し示している。ピストンのストロークはピストンが進むことのできる全可動域である。矢印304は全可動域を示すものではなく、実際にはピストン128が進行することのできる方向を指し示すものである。
【0100】
定義された数のビーズをポンピングチャンバ内に提供するために第2貯留部から取り出されるべきビーズ含有流体の体積の計算についての一例が次の様に与えられ、即ち:
ビーズ体積の計算:
ビーズの体積V
b=4π/3*r
3
ビーズの六方最密充填(HCP)体積V
h=V
b/0.740
所望ビーズ数:N
第2貯留部から取り出されるべき体積:V=V
h*N
可能最密粒子充填(=HCP)を使用した例:
直径=2.8μm:半径r=1.4μmのビーズ
ビーズの体積V
b=4π/3*r
3-=11.5μm
3
HCP充填ビーズの体積V
h=V
b/0.740=15.5μm
3
所望ビーズ数N=100000〜300000
第2貯留部から取り出されるべき体積:V=V
h*N=1550000μm
3〜4650000μm
3=1.55〜4.65nl
として与えられる。
【0102】
被覆されたビーズの官能性は、ビーズの表面へ被覆されている官能基、例えばストレプトアビジン基、が未損傷に保たれていてこそ確約される。この官能性被覆が、例えば、ビーズの分注又は沈殿による擦れ又は研磨力によって剥がれるか又は傷つけられでもすれば、ビーズの官能性は、当然、損なわれる。ストレプトアビジン基での被覆の損傷は検出することができる。かくして分注時の磁気粒子のストレプトアビジン表面の改変をチェックするべく一連の実験を遂行した。
【0103】
実験:
測定原理:ビーズの表面へ元から被覆されていた官能性ストレプトアビジン基がビーズの表面から剥がれたならビーズの官能性が影響を受ける。従って、ビーズ官能性低下の指標は上澄み液中の遊離ストレプトアビジンである。
【0104】
上澄み液中の遊離ストレプトアビジン基の発現を、Elecsys(登録商標)2010システム(ドイツ、マンハイムのロシュ・ダイアグノスティックスGmbH)を使用して試験した。この実験について、ストレプトアビジン基で被覆された磁気ビーズの試料を3つのアリコートへ分割した。これらのアリコートの群は、a)分注しなかった対照群、b)1回分注した群、及びc)5回分注した群、とした。この実験のために使用する分注システムは、1.5バールで作動されていて160μmの内径を有する分注管を使用しているVermes投与システム(MDS300シリーズ、MDV3010−70;ドイツ、オッテルフィングのVermesマイクロディスペンシングGmbH)であった。剪断速度は大凡600000 1/sとした。
【0105】
実験開始時、均質ビーズ溶液を15本の試験管へ分けた:
5本を基準として使用し、5本を5回、5本を1回、Vermes投与システムを用いて投与した(いずれも室温24℃、相対湿度38%)。エッペンドルフ(Eppendorf)カップを採集容器として使用した。カップは、投与工程中、泡及び余計な剪断応力を回避するためほぼ水平に配列した。流体は容器壁に衝突し、前もって収容されている流体には衝突しない。
【0106】
投与工程後、磁気分離器を使用して緩衝液から磁気粒子を分離した。全てのエッペンドルフカップを分離器の中に一時間入れておいた。磁気ビーズはエッペンドルフカップの壁へ移動しており、緩衝液をピペットで慎重に移した。これらの15本の緩衝液試料を分析して、これらの「上澄み液」試料内の遊離ストレプトアビジン(SA)を求めた。SAを検出するのにビオチン残基及びルテニル残基を含む抗体断片を使用した。異なる緩衝液中SA濃度の標準曲線を用意した。2つの対照に係る標準曲線を測定して信号とSA含有量の間の関数を求めた。全試料のSA含有量を求めた。基準のSA含有量と試料のSA含有量の間の差が、SAビーズ官能性低下の指標である。
【0107】
実験の結果:
結果を以下に要約する。
【表1】
基準試料と1回投与試料の間にSA濃度の有意差は見出せない。5回の分注工程後に、緩衝液中の遊離SA濃度の非有意増加が検出できる。このことは、短い分注工程は高い剪断速度を用いながらもビーズ面と官能基SAの間の化学結合を破壊しないという結論を導く。結果は、ストレプトアビジン被覆の官能性維持について3群の間に有意差はなかったことを示している。磁気粒子へのストレプトアビジン被覆は、従って、分注プロセスによっても、また複数回の分注プロセスを経ても、事実上損傷を被らなかったということになる。
【0108】
図4は、カートリッジ102の更なる修正形を示している。
図4のカートリッジは、2つの追加の弁が示されていることを別にすれば
図3のそれと同様である。そこには、第1ポンピングチャンバ導管120上の弁として使用される第1遮断弁組立体400があり、かつ、そこには、第2ポンピングチャンバ導管122上の弁として使用される第2遮断弁組立体402がある。これらの2つの弁400、402は、2つのポンピングチャンバ導管120、122を遮断するのに使用されてもよく、及び/又は、第1ポンピングチャンバ導管120又は第2ポンピングチャンバ導管122の有効断面を、そしてそれによる第1貯留部114又は第2貯留部118からの流れを、絞る又は調整するのに使用されてもよい。
【0109】
図5は、ピンチ弁500の或る実施例を示している。ピンチ弁500は、弁400、402、又は132を置換するために使用されてもよい。
【0110】
図6は、スライド弁600の或る実施例を示している。スライド弁600は、弁400、402、又は132を置換するために使用されてもよい。
【0111】
図7は、ピストン弁700の或る実施例である。ピストン弁700は、弁400、402、又は弁132を置換するために使用されてもよい。
図5、
図6、及び
図7に示されている弁500、600、700は、流れを完全に遮るように使用されてもよいし、導管を通る流れの量を絞るか又は制限するのに使用されてもよい。
【0112】
図8は、
図3のカートリッジ102の更なる修正形を示している。この実施例では、1つより多い第1ポンピングチャンバ導管120、120’がある。そこには第1ポンピングチャンバ導管120と追加の第1ポンピングチャンバ導管120’がある。そこには導管120と導管120’の間で選択するために第1選択弁800がある。同様に、そこには1つより多い第2ポンピングチャンバ導管122、120’がある。そこには第2ポンピングチャンバ導管122と追加の第2ポンピングチャンバ導管120’がある。そこには、導管120又は導管120’の選択を可能にさせる第2選択弁802がある。弁800、弁802を作動させることによって、粒子119に対する試薬流体116の流量が制御されることができ、ポンピングチャンバ126内での粒子119に対する試薬流体の混合が制御されることができる。
【0113】
図9は、
図8のカートリッジ102の修正形を示している。第1選択弁800及び第2選択弁802を有することに代えて、回転可能部分300が、導管120と導管120’の間で選択するように、また同様に導管122と導管122’の間で選択するように、様々な位置へと回転される。
【0114】
図10は、カートリッジ102の更なる修正形を示している。この実施例では、第1貯留部114と第2貯留部118は多孔質構造体1000によって分離されている。多孔質構造体は、試薬流体が第1貯留部114と第2貯留部118の間を行き来できるようにする。第2貯留部118は、更に、粒子119が沈殿してゆく際にそれら粒子を緻密且つ定義されたやり方で蓄積させる漏斗様構造体1002を備えている。漏斗様構造体1002は、更に、第2ポンピングチャンバ導管122の一部を形成している。
【0115】
図11は、カートリッジ102の更なる修正形を示している。この実施例では、第1ポンピングチャンバ導管120と第2ポンピングチャンバ導管122が合流して共通導管1100を形成している。共通導管1100は、第1ポンピングチャンバ導管120と第2ポンピングチャンバ導管122の両方をポンピングチャンバ126へ接続する。2つの導管120及び122は、異なる直径を有していて、流体116に対する粒子119の混合を制御するのに使用されている。