特許第6722235号(P6722235)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社神戸製鋼所の特許一覧 ▶ 株式会社神鋼環境ソリューションの特許一覧

<>
  • 特許6722235-炭化物処理装置および炭化物処理方法 図000002
  • 特許6722235-炭化物処理装置および炭化物処理方法 図000003
  • 特許6722235-炭化物処理装置および炭化物処理方法 図000004
  • 特許6722235-炭化物処理装置および炭化物処理方法 図000005
  • 特許6722235-炭化物処理装置および炭化物処理方法 図000006
  • 特許6722235-炭化物処理装置および炭化物処理方法 図000007
  • 特許6722235-炭化物処理装置および炭化物処理方法 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6722235
(24)【登録日】2020年6月23日
(45)【発行日】2020年7月15日
(54)【発明の名称】炭化物処理装置および炭化物処理方法
(51)【国際特許分類】
   C10B 53/00 20060101AFI20200706BHJP
【FI】
   C10B53/00 A
【請求項の数】6
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2018-135287(P2018-135287)
(22)【出願日】2018年7月18日
(65)【公開番号】特開2020-12061(P2020-12061A)
(43)【公開日】2020年1月23日
【審査請求日】2019年3月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001199
【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所
(73)【特許権者】
【識別番号】000192590
【氏名又は名称】株式会社神鋼環境ソリューション
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】吉田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】樋口 徹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 亮介
(72)【発明者】
【氏名】竹田 尚弘
(72)【発明者】
【氏名】谷山 拓生
(72)【発明者】
【氏名】松井 朗
【審査官】 森 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−139536(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/057829(WO,A1)
【文献】 特開2007−302834(JP,A)
【文献】 特開2014−152228(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10B 53/00
C10L 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己発熱性を有する炭化物を貯留する貯留槽と、
前記貯留槽に給気する給気口と、
前記貯留槽から排気する排気口と、
前記給気口に酸素を含有する処理用ガスを供給する通気部と、
前記貯留槽の槽内温度を計測する温度計測部と、
前記槽内温度を制御する制御部と、を備え、
前記給気口は、
第一給気口と、
前記貯留槽の高さ方向において前記第一給気口と前記排気口との間に設けられた少なくとも一つの第二給気口と、を有し、
前記通気部は、前記第一給気口と前記第二給気口とに供給する前記処理用ガスの供給速度をそれぞれ変更する供給速度調整部を有し、
前記制御部は、前記温度計測部で検知した前記槽内温度が所定温度範囲内になるように前記供給速度調整部を制御する炭化物処理装置。
【請求項2】
前記温度計測部は、前記貯留槽の高さ方向における前記第一給気口と前記第二給気口との間の温度を計測する中間温度センサを有し、
前記制御部は、前記中間温度センサで検知した温度が第一所定温度範囲内になるように前記供給速度調整部を制御する請求項1に記載の炭化物処理装置。
【請求項3】
前記温度計測部は、前記貯留槽の高さ方向における前記第二給気口と前記排気口との間の温度を計測する排気側温度センサを有し、
前記制御部は、前記排気側温度センサで検知した温度が第二所定温度範囲内になるように前記供給速度調整部を制御する請求項1又は2に記載の炭化物処理装置。
【請求項4】
記貯留槽の槽内の酸素濃度を計測する酸素濃度計測部を更に備え、
記制御部は、前記酸素濃度計測部で検知した前記酸素濃度が所定濃度以上になるように前記供給速度調整部を制御する請求項1から3のいずれか一項に記載の炭化物処理装置。
【請求項5】
前記供給速度調整部は、前記第一給気口と前記第二給気口とに供給する前記処理用ガスの供給割合を変更する請求項1から4のいずれか一項に記載の炭化物処理装置。
【請求項6】
自己発熱性を有する炭化物を貯留槽に貯留する貯留ステップと、
前記貯留槽に給気する給気ステップと、
前記貯留槽から排気する排気ステップと、
前記給気ステップで給気するために酸素を含有する処理用ガスを供給する通気ステップと、
前記貯留槽の槽内温度を計測する計測ステップと、
前記槽内温度を制御する制御ステップと、
を備え、
前記給気ステップは、
第一給気ステップと、
前記貯留槽の高さ方向における、前記第一給気ステップで給気する位置と前記排気ステップで排気する位置との間の位置から給気する第二給気ステップとを有し、
前記通気ステップは、前記第一給気ステップと前記第二給気ステップとで供給する前記処理用ガスの供給速度をそれぞれ変更する供給速度調整ステップを有し、
前記制御ステップは、前記計測ステップで検知した前記槽内温度が所定温度範囲内になるように前記供給速度を変更する炭化物処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化物処理装置および炭化物処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下水汚泥などの有機性廃棄物は、例えば加熱により炭化処理されて、燃料として再利用されている。このようにして得た有機性廃棄物の炭化物は、炭化処理直後はその粒子表面に活性の高い表面官能基を有しており、そのままでは自己発熱性を有することが知られている(例えば、特許文献1参照)。そのため、貯蔵時の安全性を確保すべく、自己発熱性を低下させる処理(いわゆる、エージング処理、以下では、単に「炭化物処理」と称する場合がある)がされている(例えば、特許文献1から特許文献3参照)。
【0003】
特許文献1には、排水処理などで生じた有機物含有汚泥を炭化炉で炭化処理した炭化物の処理方法が記載されている。この処理方法は、炭化処理により得た炭化物を低温酸化雰囲気炉で酸化処理することで、炭化物の表面酸化反応を予め収束させている。これにより、貯蔵された炭化物が低温酸化反応による自己発熱によって燃焼を誘発するのを未然に防止している。
【0004】
特許文献2には、炭化炉で炭化処理された後の炭化製品を、該炭化製品の酸化反応に対し活性の高い活性基を非燃焼酸化反応させて安定化させる安定化処理炉を備えた有機物含有汚泥の炭化処理装置が記載されている。この炭化処理装置の安定化処理炉では、窒素パージなどを行わず、大気雰囲気下で所定時間滞留(例えば、10時間滞留)させて安定化処理するために、60℃から200℃の温度の範囲内で酸化反応を行うことが記載されている。
【0005】
特許文献3には、炭素含有物を炭化処理または乾燥処理する加熱手段と、加熱手段からの加熱処理物に対し加湿する加湿手段とを有する炭素含有物の処理装置が記載されている。この処理装置は、加湿された加熱処理物を空気流により搬送し、当該空気流で搬送された加熱処理物を一時的に安定化処理槽に貯留し、当該安定化処理槽に空気を処理用ガスとして通気している。この処理装置は、加湿による残留水分の蒸発潜熱により、加熱処理物が搬送や貯留時に自己発熱しても一定温度以上の温度上昇を抑制しつつ、安定化を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−267950号公報
【特許文献2】特開2004−277464号公報
【特許文献3】特開2016−124897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、これら従来の技術では、炭化物処理を行うに当たり、依然として炭化物の自己発熱の制御が十分では無く、例えば安定化処理炉や安定化処理槽などの貯留槽における高さ方向や処理用ガスの通流方向における温度制御に改善の余地があった。
【0008】
本発明は、かかる実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、処理中の自己発熱を適切に制御しつつ炭化物の自己発熱性を低下させる処理を行う炭化物処理装置、およびその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係る炭化物処理装置の特徴構成は、
自己発熱性を有する炭化物を貯留する貯留槽と、
前記貯留槽に給気する給気口と、
前記貯留槽から排気する排気口と、
前記給気口に酸素を含有する処理用ガスを供給する通気部と、を備え、
前記給気口は、
第一給気口と、
前記貯留槽の高さ方向において前記第一給気口と前記排気口との間に設けられた少なくとも一つの第二給気口と、を有し、
前記通気部は、前記第一給気口と前記第二給気口とに供給する前記処理用ガスの供給速度をそれぞれ変更する供給速度調整部を有する点にある。
【0010】
上記構成によれば、貯留槽の給気口から処理用ガスを供給することで、貯留槽に貯留された炭化物の堆積物(堆積層、粒子層)に処理用ガスを通気する。これにより、炭化物に酸素を供給可能である。この酸素の供給により、炭化物粒子表面の高活性な表面官能基を酸化させて、自己発熱性を低下させる炭化物処理をすることができる。この炭化物処理の際、酸化によって、炭化物は発熱する。この発熱は、処理用ガスにより冷却される。処理用ガスは、給気口から排気口に向けて通流する。なお、処理用ガスの通流方向の上流側は貯留槽における給気口側である。また、処理用ガスの通流方向の下流側は貯留槽における排気口側である。
【0011】
炭化物処理に必要な処理用ガス(酸素)が十分に供給されないと、炭化物処理(酸化反応)の速度が低下して非効率である。一方、処理用ガスが過剰に供給されると、炭化物が過剰に冷却(以下では過冷却と称する)されて、炭化物処理(酸化反応)の速度が低下するため非効率である。例えば、給気口側の炭化物は、自己の発熱量に比べて過剰に冷却されて炭化物処理の速度が低下する場合がある。また、排気口側ほど供給された処理用ガスの温度が上昇するため、排気口側では処理用ガスの冷却能力が不足して炭化物の温度が上昇してしまう場合がある。
【0012】
そこで上記構成によれば、貯留槽の高さ方向においてそれぞれ異なる位置にある第一給気口と排気口との間に少なくとも一つの第二給気口を設け、供給速度調整部により、第一給気口および第二給気口から供給される処理用ガスの供給速度(単位時間当たりの供給量)を変更する。これにより、第一給気口と第二給気口との間の炭化物の冷却状態や炭化物への酸素供給速度を調整することができる。また、第二給気口と排気口との間の炭化物の冷却状態や炭化物への酸素供給速度を調整することができる。
【0013】
例えば、第一給気口から供給する処理用ガスの供給速度を低下させつつ第二給気口から供給する処理用ガスの供給速度を増加させる。その結果、第一給気口と第二給気口との間の炭化物の過冷却を防止しつつ、炭化物への酸素供給量を適量確保することが可能である。また、第二給気口からも処理用ガスを供給することで、第二給気口と排気口との間の炭化物を適切に冷却することができる。
【0014】
本発明に係る炭化物処理装置の更なる特徴構成は、
前記供給速度調整部は、前記第一給気口と前記第二給気口とに供給する前記処理用ガスの供給割合を変更する点にある。
【0015】
上記構成によれば、貯留槽に貯留された炭化物へ供給する処理用ガスの供給総量を一定に保ちつつ、第一給気口と第二給気口とに供給する処理用ガスの供給速度を変更することが可能である。これにより、供給速度調整部の制御を簡便なものとしながらも、炭化物の自己発熱性を確実に低下させることができる。
【0016】
本発明に係る炭化物処理装置の更なる特徴構成は、
前記貯留槽の槽内温度を計測する温度計測部と、
前記槽内温度を制御する制御部と、をさらに備え、
前記温度計測部は、前記貯留槽の高さ方向における前記第一給気口と前記第二給気口との間の温度を計測する中間温度センサを有し、
前記制御部は、前記中間温度センサで検知した温度が第一所定温度範囲内になるように前記供給速度調整部を制御する点にある。
【0017】
上記構成によれば、制御部により第一給気口と第二給気口との間の炭化物の温度が第一所定温度範囲内になるように制御される。これにより、第一給気口と第二給気口との間の炭化物の過冷却を防止し、炭化物の処理効率を向上させることができる。
【0018】
本発明に係る炭化物処理装置の更なる特徴構成は、
前記貯留槽の槽内温度を計測する温度計測部と、
前記槽内温度を制御する制御部と、をさらに備え、
前記温度計測部は、前記貯留槽の高さ方向における前記第二給気口と前記排気口との間の温度を計測する排気側温度センサを有し、
前記制御部は、前記排気側温度センサで検知した温度が第二所定温度範囲内になるように前記供給速度調整部を制御する点にある。
【0019】
貯留槽における炭化物が堆積している領域の槽内温度は炭化物の温度である。したがって上記構成によれば、制御部により第二給気口と排気口との間の炭化物の温度が第二所定温度範囲内になるように制御される。これにより、第二給気口と排気口との間の炭化物の過剰な温度上昇を防止し、安全で効率よく炭化物処理を実現可能となる。
【0020】
上記目的を達成するための本発明に係る炭化物処理方法の特徴構成は、
自己発熱性を有する炭化物を貯留槽に貯留する貯留ステップと、
前記貯留槽に給気する給気ステップと、
前記貯留槽から排気する排気ステップと、
前記給気ステップで給気するために処理用ガスを供給する通気ステップと、
を備え、
前記給気ステップは、
第一給気ステップと、
前記貯留槽の高さ方向における、前記第一給気ステップで給気する位置と前記排気ステップで排気する位置との間の位置から給気する第二給気ステップとを有し、
前記通気ステップは、前記第一給気ステップと前記第二給気ステップとで供給する前記処理用ガスの供給速度をそれぞれ変更する供給速度調整ステップを有する点にある。
【0021】
上記構成によれば、上述の炭化物処理装置と同様の作用効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0022】
処理中の自己発熱を適切に制御しつつ炭化物の自己発熱性を低下させる処理を行う炭化物処理装置、およびその方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第一実施形態の有機汚泥リサイクルシステムの構成図
図2】第一実施形態の炭化物処理装置の説明図
図3】温度センサの設置態様を説明する図
図4】酸素プローブの設置態様を説明する図
図5】側部供給部の設置態様を説明する上面視の断面図
図6】側部供給部の設置態様を説明する側面視の断面図
図7】第二実施形態の炭化物処理装置の説明図
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1から図7に基づいて、本発明の実施形態に係る炭化物処理装置および炭化物処理方法について説明する。
【0025】
〔第一実施形態〕
〔全体構成の説明〕
図1から図6に基づいて、第一実施形態に係る炭化物処理装置100を説明する。第一実施形態に係る炭化物処理装置100は、図1に示すように、例えば、下水汚泥などの有機汚泥をリサイクル燃料Fとして再利用する有機汚泥リサイクルシステム200の炭化物処理に用いられる。本実施形態では、有機汚泥リサイクルシステム200に、あらかじめ乾燥しペレット状に造粒された有機汚泥である乾燥汚泥Lが供給される場合を例示して説明する。有機汚泥リサイクルシステム200は、乾燥汚泥Lを炭化などして、リサイクル燃料Fを得る。
【0026】
図2に示すように、炭化物処理装置100は、後述する炭化物処理方法により、乾燥汚泥Lから得た炭化物Mの自己発熱性を低下させる処理(いわゆる、エージング処理(低温酸化処理)、以下では、「炭化物処理」と称する)を行う。
【0027】
有機汚泥リサイクルシステム200は、炭化物処理装置100に加えて、主として炭化炉10と、冷却器20と、ストックタンク27とを備える。
【0028】
乾燥汚泥Lは、例えば押し出し造粒法により円筒ペレット状に造粒されている。乾燥汚泥Lもしくは乾燥汚泥Lから得た炭化物Mやリサイクル燃料Fの粒子形状、かさ密度などの粒子物性を均質化して、有機汚泥リサイクルシステム200や炭化物処理装置100における炭化物Mなどのハンドリング性や炭化物処理の均一性を向上させるためである。
【0029】
図1に示すように、乾燥汚泥Lは、炭化炉10に供給されて炭化される。これにより円筒ペレット状の炭化物Mを得る。炭化炉10から排出された炭化物Mは冷却器20で加湿および冷却される。その後、炭化物処理装置100に所定時間貯留される。炭化物処理装置100は、貯留された炭化物Mに所定時間酸素を含有する処理用ガスGを通気して、炭化物処理を行う(図2参照)。炭化物処理をなされた炭化物Mは、安全にタンクなどに貯留可能なリサイクル燃料Fとなり、炭化物処理装置100から排出される。炭化物処理装置100から排出されたリサイクル燃料Fは、市場への出荷に備えてストックタンク27に貯留される。以下では、炭化炉10からストックタンク27に向かう炭化物Mもしくはリサイクル燃料Fの搬送経路の下流側を単に下流側と称し、その逆を上流側と称する。
【0030】
〔各部の説明〕
炭化炉10は、乾燥汚泥Lを低酸素雰囲気下で加熱(以下では、「炭化処理」と称する場合がある)して炭化物Mを得る装置である。炭化炉10は、ロータリーキルンで構成されている。炭化炉10は、ロータリーキルン方式のほか流動床式やスクリュー式などでもよい。炭化炉10は、乾燥汚泥Lを温度250℃から600℃程度で炭化処理する。
【0031】
本実施形態において炭化炉10では、炭化処理の際、乾燥汚泥Lから可燃性ガスが生成する。当該可燃性ガスは、例えば二次燃焼炉12に供給されて燃焼された後、排熱回収機やスクラバなどの排ガス処理設備13を経て燃焼排気Efとして外部に排出される。炭化物Mは、炭化炉10から排出された後、シュート11などを介して冷却器20に投入される。
【0032】
冷却器20は、炭化物Mを冷却する装置である。冷却器20は、本実施形態では、ケーシング内に設けたスクリューによって炭化物Mを移動させるスクリュー搬送装置に冷却水CWを供給するノズル20Eを取り付けた装置である。本実施形態では、冷却器20は、炭化物Mをスクリューで一方向に搬送し、当該搬送される炭化物Mに冷却水CWを噴霧供給している。
【0033】
冷却器20の内部の炭化物Mは、冷却水CWの蒸発潜熱により冷却される。本実施形態では、炭化物Mは60℃未満まで急冷される。本実施形態では、冷却水CWの噴霧供給により、炭化物Mは冷却されると共に加湿される。本実施形態では、炭化物Mが、ドライベース(完全に乾燥した炭化物重量に対する重量比)で5%から20%、特に好ましくは7%から15%程度の水分となるように加湿される。
【0034】
本実施形態において冷却器20には、炭化物Mの流れと対向する向きに、窒素などの不活性ガスであるキャリアガスCGが通流されている。冷却器20では、キャリアガスCG、および、冷却水CWの水蒸気に加えて、一酸化炭素ガスなどの可燃性ガスや臭気を有するガスが生じる。そのため、本実施形態では、冷却器20の排気は、排気管14を介して二次燃焼炉12に導入している。冷却された炭化物Mは、冷却器20からフライトコンベア22に供給される。本実施形態では、炭化物Mが、冷却器20とフライトコンベア22の投入口(図示せず)とを仕切るロータリーバルブ21を介してフライトコンベア22に供給される。
【0035】
冷却器20から排出された炭化物Mは、フライトコンベア22によりクッションタンク23に搬送され、クッションタンク23から炭化物処理装置100に供給される。本実施形態では、クッションタンク23に搬送された炭化物Mは、ロータリーバルブ31a(図2参照)を介して炭化物処理装置100に供給される。なお、フライトコンベア22などを用いる代わりに、冷却器20から排出された炭化物Mを、シュートなどを経て炭化物処理装置100に供給してもよい。また、フライトコンベア22で搬送する代わりに、空気輸送、ベルトコンベヤ、バケットコンベヤなどを用いて搬送してもよい。
【0036】
炭化物処理装置100は、炭化物Mを炭化物処理して、リサイクル燃料Fを得る装置である。炭化物処理装置100については後述する。炭化物処理装置100で得たリサイクル燃料Fは、フライトコンベア25からクッションタンク26に輸送される。この際、フライトコンベア25の上流にはチラーから冷媒が供給されている熱交換器などの空気冷却装置25aが配置され、この空気冷却装置25aで冷却された空気Aを用いてリサイクル燃料Fを冷却する場合がある。リサイクル燃料Fは、クッションタンク26からストックタンク27に投入されて出荷時まで保管される。
【0037】
炭化物処理装置100について詳述する。炭化物処理装置100は、図2に示すように、炭化物Mを貯留して炭化物処理を行う貯留槽3と、貯留槽3に処理用ガスGを給気する給気口である底部供給部34(給気口の一例、第一給気口の一例)および側部供給部35(給気口の一例、第二給気口の一例)と、貯留槽3から排気ガスEを排気する排気管33(排気口の一例)と、底部供給部34や側部供給部35に処理用ガスGを供給する通気部4と、底部供給部34と側部供給部35とに供給する処理用ガスGの供給速度をそれぞれ変更する供給速度調整部42とを少なくとも備えている。なお、処理用ガスGは酸素を含有する気体であり、本実施形態では外気を中性能フィルタなどで濾過して取り込んだ空気Aである。
【0038】
炭化物処理装置100はさらに、貯留槽3の槽内温度を計測する温度計測部Tと、貯留槽3の槽内の酸素濃度を計測する酸素濃度計測部Sと、炭化物処理装置100の動作全体を制御する制御部9と、を備えている。
【0039】
貯留槽3の槽内温度とは、堆積物Bの温度を計測した値のことをいう。ただし、貯留槽3内部において堆積物Bが存在しない領域における槽内温度は当該領域の雰囲気温度のことを言う。
【0040】
炭化物処理装置100は、後述するように、炭化物Mを貯留槽3に貯留する貯留ステップと、貯留槽3に給気する給気ステップと、貯留槽3から排気する排気ステップと、給気ステップで給気するために処理用ガスGを供給する通気ステップとを行って、炭化物Mの炭化物処理を実現し、リサイクル燃料Fを得る。給気ステップにおいては、第一給気ステップと、貯留槽3の高さ方向における、第一給気ステップで給気する位置と排気ステップで排気する位置との間の位置から給気する第二給気ステップとが実行される。また、通気ステップにおいては、第一給気ステップと第二給気ステップとで供給する処理用ガスGの供給速度をそれぞれ変更する供給速度調整ステップが実行される。
【0041】
貯留槽3は、炭化物Mを鉛直方向に積み増して層状に貯留する金属製の容器である。また、貯留槽3は当該層状に貯留した炭化物Mを、層状態を維持しつつ次工程に供給(マスフローで排出)する供給容器である。貯留槽3は、貯留槽3の容器本体30の内部空間に炭化物Mを投入する投入口となる投入部31と、貯留槽3の内部空間からリサイクル燃料Fを排出する排出部32と、貯留槽3の内部空間に処理用ガスGを給気する給気口である底部供給部34および側部供給部35とを有する。
【0042】
処理用ガスGは、本実施形態では炭化物Mに酸素を供給するキャリアガスである。また、処理用ガスGは、炭化物Mを冷却する冷媒である。
【0043】
処理用ガスGは、貯留槽3の内部空間に導入されたのち堆積物Bの粒子層を貯留槽3の高さ方向における下方から上方に向けて通過する。つまり処理用ガスGは炭化物Mの搬送方向に対して向流で通流する。処理用ガスGは、堆積物Bの粒子層を通過する際、炭化物Mの粒子表面と固気接触し、当該粒子表面における表面官能基などを酸化する。処理用ガスGの通気量に応じて、すなわち、酸素供給量に応じて炭化物Mの酸化が進行する。この酸化に応じて、炭化物Mは発熱する。処理用ガスGの供給速度を増加させると、すなわち、酸素の供給速度を増加させると炭化物Mの酸化速度(処理速度)は早くなる。これにより、炭化物Mの単位時間当たりの発熱量が増加する。
【0044】
処理用ガスGは、貯留槽3の内部空間に導入されたのち堆積物Bの粒子層を通過しつつ炭化物Mの粒子表面と固気接触し、炭化物Mを冷却する。処理用ガスGの通気量に応じて炭化物Mが冷却される。処理用ガスGの供給速度を増加させると、炭化物Mはよりいっそう冷却される。炭化物Mが冷却されると、酸化速度が低下する。
【0045】
上述のごとく、炭化物Mは処理用ガスGの供給により自己発熱すると共に冷却される。そのため、貯留槽3の槽内温度は、処理用ガスGの供給に伴う炭化物Mの自己発熱と、処理用ガスGの供給に伴う冷却とのバランスにより定まる。通常は、ある程度の供給速度以上で処理用ガスGを供給すると、炭化物Mの酸化反応の速度は飽和する。したがって、通常は、処理用ガスGの供給速度を増加させると、貯留槽3の槽内温度は低下する。処理用ガスGの供給速度を減少させると、貯留槽3の槽内温度は上昇する。
【0046】
容器本体30は、上端を閉塞する天板30aを有する筒状の上部容器30Tと、上部容器30Tから下方に向けてすり鉢状(コーン状)に窄む下部容器30Uと、を一体的に備えている。貯留槽3の断面形状は円形であり、下部容器30Uが窄む角度(コーン角度)は、排出部32から炭化物M(リサイクル燃料F)がマスフローで排出される角度に設定されている。なお、下部容器30Uが窄む角度がマスフローで排出される角度に設定できない場合は、例えば貯留槽3の槽内における上部容器30Tと下部容器30Uとの境界近傍であって、貯留槽3の径方向の中央付近に、陣笠形状の邪魔板(いわゆる、コーンバッフル)を設けてもよい。
【0047】
容器本体30は、上部容器30Tの上端である容器上面の天板30aに設けられた投入部31と、上部容器30Tの側方の壁部に設けられた側部供給部35と、下部容器30Uの下端部に設けられた排出部32および底部供給部34とを有する。
【0048】
投入部31は、貯留槽3の内部空間とつながる供給管と、当該供給管に設けられたロータリーバルブ31aとを有する。貯留槽3は、ロータリーバルブ31aにより、上流側の雰囲気と縁切りされた状態で炭化物Mを内部空間に投入することができる。本実施形態では、投入部31に一定の供給速度で連続的に炭化物Mが供給される。
【0049】
排出部32は、下部容器30Uの下端である端部30bに設けられている。排出部32は、貯留槽3の内部空間とつながる排出管32bと、排出管32bに設けられた炭化物M(リサイクル燃料F)の排出装置としてのロータリーバルブ32aとを有する。
【0050】
排出管32bは、本実施形態では円筒状の管であり、下部容器30Uの端部30bから下方に向けて設けられている。貯留槽3は、ロータリーバルブ32aにより、下流側の雰囲気と縁切りされた状態で、リサイクル燃料Fを貯留槽3の内部空間から貯留槽3の下方に排出することができる。本実施形態では、排出部32から連続的にリサイクル燃料Fが排出される。
【0051】
本実施形態では、上述のごとく、貯留槽3には、一定の供給速度で連続的に炭化物Mが投入部31から投入されて、貯留槽3から、連続的にリサイクル燃料Fが排出部32から排出される。炭化物M(リサイクル燃料F)の貯留槽3での平均滞留時間は、例えば2日(48時間)となるように制御される。滞留時間は、炭化物Mからリサイクル燃料Fを得るために必要十分な長さが設定されている。滞留時間が短すぎると、炭化物Mの自己発熱性を十分に低下せしめることができず、リサイクル燃料Fの安全性を担保できない。滞留時間が長すぎると、リサイクル燃料Fの生産効率が低下して不経済となるため好ましくない。
【0052】
底部供給部34は、下部容器30Uの下端部から内部空間に処理用ガスGを導入し、堆積物Bに処理用ガスGを供給する気体の給気口である。底部供給部34は、排出部32の排出管32bにおけるロータリーバルブ32aの上流側(貯留槽3の内部空間側)に接続されている。これにより、底部供給部34から供給された処理用ガスGは、貯留槽3の下部容器30Uの下端の端部30bから堆積物Bの粒子層に通気される。以下では、底部供給部34から供給される処理用ガスGを第一ガスG1と称する。
【0053】
側部供給部35は、上部容器30Tの壁部から内部空間に処理用ガスGを導入し、堆積物Bに処理用ガスGを供給する気体の供給口である。側部供給部35は、上部容器30Tの下方側に設けられた第一側部供給部36と、第一側部供給部36よりも上方側に設けられた第二側部供給部37とを有する。以下では、第一側部供給部36から供給される処理用ガスGを第二ガスG2と称する。第二側部供給部37から供給される処理用ガスGを第三ガスG3と称する。
【0054】
第一側部供給部36は、図5図6に示すように、上部容器30Tの径方向外側において外周に沿う環状の管であるマニホールド36aと、マニホールド36aと上部容器30Tの内部空間とを接続する複数で一組の分配管36bと、当該分配管36b毎に設けられたバルブ36cとを有する。第二ガスG2は、マニホールド36aでそれぞれの分配管36bに分配された後、上部容器30Tの内部空間に供給される。バルブ36cにより、当該供給に供する分配管36bの本数を変更することができる。例えば、第二ガスG2の供給速度に応じて供給に供する分配管36bの本数を変更する。第二ガスG2の供給速度が十分多い場合は、全ての分配管36bから供給する。一方、第二ガスG2の供給速度が少なくなる場合は、一部の分配管36bから供給する。つまり、分配管36b一本当たりの第二ガスG2の供給速度を一定範囲内に設定する。これにより、それぞれの分配管36bでの流量の偏りを防止する。
【0055】
第二側部供給部37は、図6に示すように、上部容器30Tの径方向外側において外周に沿う環状の管であるマニホールド37aと、マニホールド37aと上部容器30Tの内部空間とを接続する複数で一組の分配管37bと、当該分配管37b毎に設けられたバルブ37cとを有する。第三ガスG3は、マニホールド37aでそれぞれの分配管37bに分配された後、上部容器30Tの内部空間に供給される。バルブ37cにより、当該供給に供する分配管37bの本数を変更することができる。例えば、第三ガスG3の供給速度に応じて供給に供する分配管37bの本数を変更する。この変更は、上述の分配管36bの場合と同様である。第二側部供給部37を上面視で観た場合、マニホールド37a、分配管37bおよびバルブ37cは、図5に示す第一側部供給部36のマニホールド36a、分配管36bおよびバルブ36cに対応するため図示を省略する。
【0056】
排気管33は、図2に示すように、貯留槽3の天板30aに設けられている。排気管33は、貯留槽3内部の気体を外部へ放出する管であり、排気ガスEの出口である。排気管33には、貯留槽3の内部空間を正圧に維持すべく、排気ガスEの通流の抵抗となる抵抗体33aが設けられている。抵抗体33aについては後述する。
【0057】
通気部4は、吸引した空気A(外気)を処理用ガスGとして給気する。通気部4は、ファンやブロアなどの送風機41と、処理用ガスGを底部供給部34と側部供給部35とに供給する供給速度を変更する調整弁である供給速度調整部42と、処理用ガスGの供給配管(配管41a、配管40aおよび配管40b)と、抵抗体33aと、を有する。
【0058】
処理用ガスGの供給配管は、送風機41から底部供給部34に処理用ガスG(第一ガスG1)を供給する配管41aと、配管41aと分岐点D1で分岐し、分岐点D1から第一側部供給部36へ処理用ガスG(第二ガスG2)を供給する配管40aと、配管40aと分岐点D2で分岐し、分岐点D2から第二側部供給部37へ処理用ガスG(第三ガスG3)を供給する配管40bとを有する。
【0059】
供給速度調整部42は、処理用ガスGを第一ガスG1と残りのガスとに分配し、第一ガスG1の供給速度を調節する第一弁42aと、当該残りのガスを第二ガスG2と第三ガスG3とに分配し第二ガスG2の供給速度を調節する第二弁42bと、第三ガスG3の供給速度を調節する第三弁42cとを有する。第一弁42aは、配管41aにおける分岐点D1と第一側部供給部36との間に設けられている。第二弁42bは、配管40aにおける分岐点D2と第一側部供給部36との間に設けられている。第三弁42cは、配管40bに設けられている。第一弁42a、第二弁42b、および第三弁42cは、例えば開度調整が可能なバタフライバルブやボールバルブなどの調整弁である。
【0060】
抵抗体33aは、例えばバタフライバルブなどの開度調整可能な調整弁である。抵抗体33aは、貯留槽3の内部圧力を調整するために用いる。抵抗体33aにより、貯留槽3の内部空間を正圧に維持する。抵抗体33aの開度の変更により排気ガスEの通流の抵抗を変更可能である。抵抗体33aの開度を小さくして排気ガスEの通流の抵抗を大きくすると貯留槽3の内部空間の圧力は正圧側に変化する。抵抗体33aの開度を大きくして排気ガスEの通流の抵抗を小さくすると貯留槽3の内部空間の圧力は正圧側ゼロに近づく。貯留槽3の内部空間の圧力を所定の大きさ(例えば、0kPaを超えて0.3kPa以下)の正圧に維持することで、底部供給部34以外から貯留槽3の内部空間に酸素を含有する気体が流入(侵入)することを防止している。貯留槽3の内部空間への侵入を防ぐことで、当該侵入により炭化物Mが局所的に発熱して発火したり、一部が過冷却されたりするような不具合を未然防止している。
【0061】
貯留槽3に供給される処理用ガスGの供給速度は、送風機41の出力を大小変更することで調整可能である。処理用ガスGの供給速度は、送風機41の出力を大きくすると増加し、出力を小さくすると減少する。また、貯留槽3に供給される処理用ガスGの供給速度は、第一弁42a、第二弁42bおよび第三弁42cの開度を大小変更させることで調整することができる。処理用ガスGの供給速度は、第一弁42aなどの開度を大きくすると増加し、開度を小さくすると減少する。第一ガスG1、第二ガスG2、および第三ガスG3の供給割合(それぞれの供給速度の比率)は、第一弁42a、第二弁42bおよび第三弁42cの開度のバランス変更により調整することができる。第一ガスG1などの供給割合は、それぞれ対応する第一弁42aなどの開度を大きくすると増加し、開度を小さくすると減少する。送風機41の出力制御や、第一弁42aや抵抗体33aなど調整弁の開度制御は後述する制御部9が行う。
【0062】
堆積物Bの粒子層を通過した排気ガスE(処理用ガスG)は、貯留槽3の上端部に設けられた排気管33から排気ガスEとして外部に排気される。排気ガスEは、二次燃焼炉12(図1参照)などに導入されて浄化された後、大気に排出される。排気ガスEの酸素濃度は外気の酸素濃度よりも低く、例えば5体積パーセント程度である。炭化物Mの自己発熱により加熱されるため、排気ガスEの温度はおおよそ50℃を超え、60℃未満である。
【0063】
貯留槽3には、温度計測部Tのセンサプローブである温度センサT1〜T5(以下では、温度センサT1〜T5を総称して、単に「温度センサ」と称する場合がある)が取り付けられている。本実施形態では、温度センサは先端に温度の検出部(以下では単に「センサの先端」と称する)を有する棒状のセンサプローブであり、測温抵抗体を用いている。温度センサは、熱電対や、その他のセンサを用いてもよい。
【0064】
温度センサは、貯留槽3の壁部に設置されている。温度センサは、棒状のセンサプローブを貯留槽3の側面外側から容器本体30の壁部に貫通させ、貯留槽3の槽内の内部にセンサの先端が配置されるように容器本体30の径方向に沿うように取り付けられている。温度センサは、図2に示すように、貯留槽3の下方(下流側)から上方(上流側)に向けて温度センサT1から温度センサT5の順に貯留槽3に取り付けられている。なお、温度センサは、容器本体30の径方向に沿うように取り付けられる場合に限られず、容器本体30の径方向に沿う向きから鉛直方向の上向きもしくは下向きに傾斜して取り付けてもよいし、径方向に沿う向きから容器本体30の周方向に沿う向きに傾斜して取り付けてもよい。また、温度センサの取り付け方は、壁部を貫通させる方法に限られず、例えば、天板30aから垂下させるように取り付けてもよい。
【0065】
温度センサT1は、下部容器30Uの壁部から槽内に向けて挿入されている。温度センサT1は、下部容器30Uの壁部に垂直に交わり、鉛直方向の上向きに傾斜した取付角度で設けられている。温度センサT1は、本実施形態では、それぞれ3つのセンサプローブを含んで構成されている。
【0066】
温度センサT2は、貯留槽3の上部容器30Tの下方部位の壁部から槽内に向けて挿入されている。本実施形態において温度センサT2は、上部容器30Tと下部容器30Uとの接続部分のやや上方位置に設けられている。
【0067】
温度センサT3〜T5は、貯留槽3の上部容器30Tの壁部から槽内に向けて挿入されている。温度センサT2〜T5は、本実施形態では、それぞれ3つのセンサプローブを含んで構成されている。
【0068】
温度センサT3は、貯留槽3の壁部における同じ高さ位置において、例えば図3に示すように、それぞれ等間隔で、貯留槽3の上方から見て時計回りに、温度センサT31、温度センサT32、温度センサT33を有している。これら温度センサT31〜T33で計測された値を平均して温度センサT3の計測値とする。なお、温度センサT3は、温度センサT31〜T33のいずれか1つでもよいし、温度センサT31〜T33のいずれか2つの組合せもよい。また、温度センサT31〜T33で計測された値の平均値ではなく、温度センサT31〜T33で計測された値のうち最も高い値を温度センサT3の計測値としてもよい。
【0069】
温度センサT31は、センサの先端が、貯留槽3の径方向における中央部の深さまで挿入されている。温度センサT32は、そのセンサの先端が、貯留槽3の壁部と、貯留槽3の径方向中央部との間の位置の深さまで挿入されている。温度センサT33は、センサの先端が、貯留槽3の壁部からやや内側の位置の深さまで挿入されている。なお、本実施形態では温度センサT31〜T33はそれぞれ挿入の深さが異なるが、それぞれ挿入の深さが同じでもよい。
【0070】
温度センサT2、および温度センサT4、温度センサT5は、取り付け高さが異なるが、それぞれ取付態様は温度センサT3と同様である。温度センサT1は、温度センサT3と取付角度が異なるがその他の取付態様は温度センサT3と同様である。
【0071】
貯留槽3には、図2に示すように、酸素濃度計測部Sの空気サンプリングノズルである吸引管S1〜S5(以下では、吸引管S1〜S5を総称して、単に「酸素プローブ」と称する場合がある)が取り付けられている。吸引管S2〜S5は、酸素濃度計(図示せず)に接続された管を貯留槽3の上部容器30Tの側面外側から上部容器30Tの壁部に貫通させて容器本体30の径方向に沿い設けられている。吸引管S2〜S5は、容器本体30の径方向における中央部分に管の先端が配置されている。吸引管S1は、酸素濃度計(図示せず)に接続された管を貯留槽3の下部容器30Uの側面外側から下部容器30Uの壁部に貫通させて容器本体30の径方向に沿い設けられている。吸引管S1は、下部容器30Uの径方向における中央部分に管の先端が配置されている。このように酸素プローブは、貯留槽3内の気体を管で吸引して酸素濃度計で酸素濃度を計測できるように取り付けられている。なお、酸素プローブは、貯留槽3の下方(下流側)から上方(上流側)に向けて吸引管S1〜S5の順に貯留槽3に取り付けられている。図4には、吸引管S3の取り付け態様の一例を図示している。なお、吸引管S3以外の酸素プローブの取り付け態様も同様である。酸素プローブは、温度センサの場合と同様に、鉛直方向の上向きもしくは下向きや周方向に沿う向きに傾斜して取り付けてもよい。
【0072】
図2に示す制御部9は、炭化物処理装置100の全体的な動作を制御する中央制御機構である。制御部9は、例えば、各種の処理を実現するためのソフトウェアプログラムと、該ソフトウェアプログラムを実行するCPUと、該CPUによって制御される各種ハードウェアなどによって構成することができる。本実施形態では、制御部9は、CPUと入出力回路などとを包含して有するコンピュータである。制御部9の動作に必要なプログラムやデータ、制御パラメータは、本実施形態では記憶部(図示せず)に保存される。なお、これらプログラムやデータ保存先は特に限定されない。これらプログラムやデータは、別途専用に設けられたディスクやフラッシュメモリなどの記憶装置に保存される態様であってもよい。また、通信可能に接続された外部のサーバや記憶部などであっても構わない。
【0073】
制御部9は、記憶部に記憶されたプログラムの実行により、温度計測部Tが計測した貯留槽3の槽内温度が所定の温度範囲内であることを判定する温度判定部91と、酸素濃度計測部Sが計測した貯留槽3の槽内の酸素濃度が所定の濃度以上であることを判定する濃度判定部92と、温度判定部91および濃度判定部92の判定に基づいて送風機41や供給速度調整部42などの通気部4を制御する通気制御部99とをソフトウェア的に実現させている。
【0074】
温度判定部91は、堆積物Bの槽高さ方向における複数の層領域ごとに、槽内温度が所定の温度範囲内であるか否かを判定している。濃度判定部92は、堆積物Bの槽高さ方向における複数の層領域ごとに、酸素濃度が所定の濃度以上であるか否かを判定している。
【0075】
複数の層領域について説明する。本実施形態において上述の複数の層領域は、図2に示す堆積層B1、堆積層B2、および堆積層B3である。以下では、堆積層B1、堆積層B2、および堆積層B3を堆積物Bの粒子層として包括的に説明する際は、単に「層領域」と称する。
【0076】
本実施形態において通気制御部99は、上述の層領域として、貯留槽3における堆積物Bの下方(下流)から上方(上流)に向けて順に、堆積層B1、堆積層B2、堆積層B3を仮想的に定めている。本実施形態では、各層領域の体積はそれぞれ等しくなるように定められている。なお、各層領域の体積をそれぞれ異なるように定めてもよい。
【0077】
堆積層B1は、貯留槽3の槽内の最底部から、図2に示す温度センサT2および吸引管S2を覆う程度の範囲までを含む層である。堆積層B2は、堆積層B1の上層(上流側の層)であり、図2に示す温度センサT3および吸引管S3を覆う程度の範囲までを含む層である。堆積層B3は、堆積層B2の上層であり、図2に示す温度センサT4および吸引管S4を覆う程度の範囲までを含む層である。なお、本実施形態では、温度センサT5および吸引管S5は、堆積物Bに覆われておらず、堆積物Bを通過した排気ガスEと接触している。この場合、温度センサT2が中間温度センサに対応する。また、温度センサT3と温度センサT4とが排気側温度センサに対応する。以下では、温度センサT2が検知した温度を堆積層B1の温度として説明する。また、温度センサT3が検知した温度を堆積層B2の温度として説明する。また、温度センサT4が検知した温度を堆積層B3の温度として説明する。
【0078】
なお、第一側部供給部36は堆積層B2に処理用ガスGを供給可能な位置にあり、堆積物Bの層における上方から約50体積パーセントの位置にある。第一側部供給部36は温度センサT3よりも貯留槽3の高さ方向における下方、すなわち、処理用ガスGの通流方向における上流側に設けられている。第一側部供給部36は、温度センサT2よりも貯留槽3の高さ方向における上方、すなわち、処理用ガスGの通流方向における下流側に設けられている。
【0079】
また、第二側部供給部37は堆積層B3に処理用ガスGを供給可能な位置にあり、堆積物Bの層における上方から約25体積パーセントの位置にある。第二側部供給部37は温度センサT4よりも貯留槽3の高さ方向における下方、すなわち、処理用ガスGの通流方向における上流側に設けられている。第二側部供給部37は、温度センサT3よりも貯留槽3の高さ方向における上方、すなわち、処理用ガスGの通流方向における下流側に設けられている。
【0080】
温度判定部91は、層領域ごとに槽内温度が所定温度範囲内であるか否かを判定している。なお、本実施形態にいう「層領域ごとに判定している」との概念は、少なくとも一つの特定の層領域(例えば堆積層B3)について判定することを言い、二つ以上の層領域(例えば堆積層B2と堆積層B3)のそれぞれに対して判定を行うことを含む。本実施形態では、温度判定部91は、堆積層B2および堆積層B3の槽内温度がそれぞれ第二温度範囲(第二所定温度の一例)内であるか否かを判定している。第二温度範囲は、例えば45℃以上60℃未満である。また、温度判定部91は、堆積層B1の槽内温度が第一温度範囲内(第一所定温度の一例)であるか否かを判定している。第一温度範囲は、例えば40℃以上50℃未満である。
【0081】
濃度判定部92は、層領域ごとに酸素濃度が所定濃度以上であるか否か判定している。なお、層領域ごとの判定に係る概念は温度判定部91の場合と同様である。本実施形態では、濃度判定部92は、堆積層B2および堆積層B3の酸素濃度が第一濃度以上であるか否かを判定している。第一濃度は、例えば4体積パーセントである。また、濃度判定部92は、堆積層B1の酸素濃度が第二濃度以上であるか否かを判定している。第二濃度は、例えば15体積%である。
【0082】
通気制御部99は温度判定部91の判定結果に基づいて、堆積層B3の槽内温度が第二温度範囲を超えている場合、第三弁42cの開度を大きくして第三ガスG3の供給速度を増加させ、第二温度範囲を下回る場合、第三弁42cの開度を小さくして第三ガスG3の供給速度を減少させる。
【0083】
通気制御部99は温度判定部91の判定結果に基づいて、堆積層B2の槽内温度が第二温度範囲を超えている場合、第二弁42bの開度を大きくして第二ガスG2の供給速度を増加させ、第二温度範囲を下回る場合、第二弁42bの開度を小さくして第二ガスG2の供給速度を減少させる。
【0084】
通気制御部99は温度判定部91の判定結果に基づいて、堆積層B3の槽内温度が第二温度範囲を下回り、かつ、堆積層B2の槽内温度が第二温度範囲を下回る場合は、上記に加えて第一弁42aの開度を小さくして第一ガスG1の供給速度を減少させる。
【0085】
通気制御部99は温度判定部91の判定結果に基づいて、堆積層B1の槽内温度が第一温度範囲を超えている場合、第一弁42aの開度を大きくして第一ガスG1の供給速度を増加させ、第一温度範囲を下回る場合、第一弁42aの開度を小さくして第一ガスG1の供給速度を減少させる。なお、以下の説明においても第一ガスG1などの供給速度を調整する場合は第一弁42a等の開度調整を同様に行うが、説明は省略する。
【0086】
通気制御部99は濃度判定部92の判定結果に基づいて、堆積層B3の酸素濃度が第一濃度未満である場合、第三ガスG3の供給速度を増加させる。
【0087】
通気制御部99は濃度判定部92の判定結果に基づいて、堆積層B2の酸素濃度が第一濃度未満である場合、第二ガスG2の供給速度を増加させる。
【0088】
通気制御部99は濃度判定部92の判定結果に基づいて、堆積層B3の酸素濃度が第一濃度未満であり、かつ、堆積層B2の酸素濃度が第一濃度未満である場合、上記に加えて第一ガスG1の供給速度を増加させる。
【0089】
通気制御部99は濃度判定部92の判定結果に基づいて、堆積層B1の酸素濃度が第二濃度未満である場合、第一ガスG1の供給速度を増加させる。
【0090】
なお、通気制御部99は、濃度判定部92の判定結果よりも温度判定部91の判定結果に基づいた制御を優先する。例えば、堆積層B3の酸素濃度が第一濃度未満であっても、堆積層B3の槽内温度が第二温度範囲を下回る場合は、第三ガスG3の供給速度を減少させる。
【0091】
制御部9は、側部供給部35を有する炭化物処理装置100において上記のような制御を行うことで、炭化物Mの過冷却と過熱を防止しつつ、効率の良い炭化物処理を実現する。例えば、第一側部供給部36や第二側部供給部37などの側部供給部35を有さない炭化物処理装置の場合には、堆積層B1、堆積層B2、および堆積層B3の槽内温度がそれぞれ30℃付近、40℃付近、および60℃付近、などの偏った温度分布になる。一方、本実施形態における炭化物処理装置100の場合には、堆積層B1、堆積層B2、および堆積層B3の槽内温度がそれぞれ45℃以上50℃未満、45℃以上55℃未満、および50℃以上60℃未満といった具合に、貯留槽3の高さ方向において広い範囲で炭化物処理に適した温度を維持し、炭化物処理を促進させることが可能となる。
【0092】
〔第二実施形態〕
図7に基づいて、第二実施形態に係る炭化物処理装置100を説明する。第二実施形態の炭化物処理装置100の構成は、第一実施形態に係る炭化物処理装置100に対して通気部4の構成が異なる。
【0093】
第一実施形態に係る炭化物処理装置100は、第一側部供給部36が、送風機41から側部供給部35に処理用ガスGを供給する配管41aと分岐点D1で分岐し、分岐点D1から第一側部供給部36へ処理用ガスGを第二ガスG2として供給する配管40aと接続されていた。これに代えて、第二実施形態の炭化物処理装置100は、第一側部供給部36が、配管51aなどを備えた循環部50を介して排気管33と接続されており、温度調整した排気ガスEを補助ガスHとして供給し、配管40bが配管41aと分岐点D2で分岐している点で異なり、他は同じである。
【0094】
循環部50は、排気管33と第一側部供給部36とを接続する配管51aと、配管51aに設けられた送風機51と、配管51aに設けられ、送風機51と第一側部供給部36との間に設けられた冷却器55とを有する。
【0095】
送風機51は、排気管33から排気ガスEを吸引して補助ガスHとして第一側部供給部36に向けて送風するファンやブロアなどの送風装置である。送風機51の出力制御は通気制御部99が行う。貯留槽3に供給される補助ガスHの供給速度は、送風機51の出力を大小変更することで調整可能である。補助ガスHの供給速度は、送風機51の出力を大きくすると増加し、出力を小さくすると減少する。
【0096】
冷却器55は、補助ガスHが通流する空間内に補助ガス冷却水SWを噴霧供給するノズル55aを有する。冷却器55は、補助ガス冷却水SWの供給速度や供給温度を変更することで、排気ガスEを冷却し、また、加湿して、補助ガスHを得る。補助ガス冷却水SWの供給速度や供給温度の調整は通気制御部99の制御に基づいて行う。
【0097】
排気ガスEの酸素濃度は、第一実施形態で説明したようにおおよそ5体積パーセント程度である。したがって、排気ガスEである補助ガスHを貯留槽3内部へ循環供給する場合、貯留槽3内部の酸素濃度は低下する。貯留槽3の槽内温度は、補助ガスHの温度の高低により上昇または低下する。
【0098】
通気制御部99は温度判定部91の判定結果に基づいて、堆積層B3の槽内温度が第二温度範囲を超えている場合、第三ガスG3の供給速度を増加させ、第二温度範囲を下回る場合、第三ガスG3の供給速度を減少させる。
【0099】
通気制御部99は温度判定部91の判定結果に基づいて、堆積層B2の槽内温度が第二温度範囲を超えている場合、補助ガスHの温度を低下させ、第二温度範囲を下回る場合、補助ガスHの温度を上昇させる。
【0100】
通気制御部99は温度判定部91の判定結果に基づいて、堆積層B3の槽内温度が第二温度範囲を下回り、かつ、堆積層B2の槽内温度が第二温度範囲を下回る場合、第一ガスG1の供給速度を維持しつつ、補助ガスHの温度を上昇させる。この場合、通気制御部99は、さらに補助ガスHの供給速度を増加させてもよい。堆積層B1このように、炭化物Mの自己発熱に加えて補助ガスHの熱エネルギーを利用することで、炭化物Mを速やかに温めて、酸化反応を促進することができる。なお、堆積層B1については第一実施形態と同様である。
【0101】
通気制御部99は濃度判定部92の判定結果に基づいて、堆積層B3の酸素濃度が第一濃度未満である場合、第三ガスG3の供給速度を増加させる。通気制御部99は、堆積層B2の酸素濃度が第二濃度未満である場合、補助ガスHの供給速度を減少させる。通気制御部99は、堆積層B3の酸素濃度が第一濃度未満であり、かつ、堆積層B2の酸素濃度が第一濃度未満である場合、第一ガスG1の供給速度を増加させる。なお、第一実施形態の場合と同様に、通気制御部99は、温度判定部91の判定結果に基づいた制御を優先する。また、堆積層B1については第一実施形態と同様である。
【0102】
以上のようにして、処理中の自己発熱を適切に制御しつつ炭化物の自己発熱性を低下させる処理炭化物処理装置および炭化物処理方法を提供することができる。
【0103】
〔別実施形態〕
(1)上記第一実施形態では、第二給気口である側部供給部35は第一側部供給部36と第一側部供給部36よりも上方側に設けられた第二側部供給部37との二つの給気口を有する場合を説明したがこれに限られない。側部供給部35は、第一側部供給部36もしくは第二側部供給部37のいずれか一方としてもよい。また、側部供給部35は、三つ以上の給気口を有してもよい。
【0104】
(2)上記第一実施形態では、温度判定部91は、堆積層B3および堆積層B2の槽内温度が第二温度範囲内であるか否かと、堆積層B1の槽内温度が第一温度範囲内であるか否かとを判定し、通気制御部99は温度判定部91の判定結果に基づいて、第一ガスG1、第二ガスG2、第三ガスG3のそれぞれの供給速度を増加減少させる制御を行う場合を説明した。しかしながら、温度判定部91は、堆積層B1の槽内温度が第一温度範囲内であるか否かの判定と共に、少なくとも堆積層B3もしくは堆積層B2のいずれか一方の槽内温度が第二温度範囲内であるか否かを判定すればよい。この場合、通気制御部99は温度判定部91の判定に基づいて、第一ガスG1の供給速度の制御を行うと共に、第三ガスG3の供給速度もしくは第二ガスG2の供給速度の少なくとも一方を制御すればよい。例えば、温度判定部91は、堆積層B3の槽内温度が第二温度範囲内であるか否かのみを判定し、通気制御部99は第三ガスG3の供給速度のみを増減させる構成とすることも可能である。また、温度判定部91は、堆積層B3の槽内温度が第二温度範囲内であるか否かのみを判定し通気制御部99は第二ガスG2の供給速度のみを増減させる構成とすることも可能である。
【0105】
(3)上記第一実施形態では、温度判定部91は、堆積層B3および堆積層B2の槽内温度が第二温度範囲内であるか否かと、堆積層B1の槽内温度が第一所定温度範囲内としての第一温度範囲内であるか否かとを判定し、通気制御部99は温度判定部91の判定結果に基づいて、第一ガスG1、第二ガスG2、第三ガスG3のそれぞれの供給速度を増加減少させる制御を行う場合を説明した。しかしながら、温度判定部91が、堆積層B1の温度の判定を行わず、通気制御部99が第一ガスG1の供給速度の制御を行わない場合もある。この場合、例えば、温度判定部91は、堆積層B3の槽内温度が別の第二温度範囲(例えば、50℃以上60℃未満)内であるか否かを判定し、当該判定に基づいて通気制御部99が第三ガスG3の供給速度の制御を行う。また、温度判定部91は、堆積層B2の槽内温度が別の第一温度範囲(例えば、45℃以上55℃未満)内であるか否かを判定し、当該判定に基づいて通気制御部99が第二ガスG2の供給速度の制御を行う。第一ガスG1は、第一弁42aの開度を固定し、制御しない。この実施形態では、第一側部供給部36が第一給気口に対応し、第一側部供給部36よりも上方側に設けられ、第一側部供給部36と排気管33との間に設けられた第二側部供給部37が第二給気口に対応する。また、温度センサT3が中間温度センサに対応する。また、温度センサT4が排気側温度センサに対応する。このように、中間温度センサは、貯留槽3の高さ方向における下方側の給気口と上方側の給気口との間の温度センサを対応させてよく、当該温度センサに対応する層領域の温度を第一温度範囲内になるように制御してもよい。
【0106】
(4)上記実施形態では、貯留槽3からリサイクル燃料Fを排出するための排出装置としてロータリーバルブ32aを用い、下流側の雰囲気と縁切りされた状態で、リサイクル燃料Fを排出する場合を例示した。しかしながら、排出装置は、ペレット状などのリサイクル燃料Fの形状に応じて使用可能な装置であって、下流側の雰囲気が制限なく貯留槽3に流入しない状態でリサイクル燃料Fを貯留槽3の内部空間から排出できる装置、もしくは構成を有していればよい。
【0107】
例えば、ロータリーバルブ32aの代わりに、貯留槽3を下流側の雰囲気と物理的に縁切りしながら排出することができる排出装置であるダブルダンパを用いてもよい。もしくは、スクリュー式の排出機やテーブルフィーダー式の排出装置を用い、その排出口に処理用ガスGを向流で通流させて、下流側の雰囲気が制限なく貯留槽3に流入しない状態を維持する構成を採用することもできる。
【0108】
(5)上記実施形態では、貯留槽3の下端である下部容器30Uの端部30bから下方に向けて設けられている排出管32bにロータリーバルブ32aが設けられており、貯留槽3の下方にリサイクル燃料Fを排出する場合を例示した。しかしながら、排出装置は、貯留槽3の下方にリサイクル燃料Fを排出する構成に限られない。
【0109】
例えば貯留槽3の側面にスクリュー式の排出機やテーブルフィーダー式の排出装置の排出口を設け、貯留槽3の側面からリサイクル燃料Fを排出してもよい。
【0110】
(6)上記実施形態では、処理用ガスGは、炭化物Mの搬送方向に対して向流で堆積物Bの粒子層を通流する場合を例示して説明したが、処理用ガスGは、炭化物Mの搬送方向に対して並流で堆積物Bの粒子層を通流させてもよい。この場合、底部供給部34と排気管33との上下関係は貯留槽3の高さ方向において逆になる。同様に、第一側部供給部36と第二側部供給部37の上下関係も逆になる。温度計測部Tや酸素濃度計測部Sも同様である。この場合、排気管33は、下部容器30Uのすり鉢状の壁部の一部を金属金網などに置き換えて、当該金属金網から排気ガスEを廃棄するなどの構成を有することができる。このように並流で処理用ガスGを通流させることで、処理用ガスGの通流方向における上流側にあり冷却されやすい側に発熱性の高い炭化物Mの堆積物Bを配置し、十分な酸素を供給と、活発な自己発熱の冷却とをバランスさせて炭化物処理を促進することができる。一方、ある程度炭化物処理が進行して自己発熱性が低下した下流側の炭化物Mの堆積物Bには、加熱された処理用ガスGを通流させて、炭化物処理を促進することができる。
【0111】
(7)上記第二実施形態では、排気ガスEを吸引して補助ガスHとする場合を例示したが、排気ガスEに代えて燃焼排気Efを吸引して補助ガスHとすることもできる。
【0112】
(8)上記第一実施形態では、供給速度調整部42は、処理用ガスGを第一ガスG1と残りのガスとに分配し、第一ガスG1の供給速度を調節する第一弁42aと、当該残りのガスを第二ガスG2と第三ガスG3とに分配し第二ガスG2の供給速度を調節する第二弁42bと、第三ガスG3の供給速度を調節する第三弁42cとを有する構成である場合を説明した。しかしながら、供給速度調整部42は、第一ガスG1、第二ガスG2、および第三ガスG3の供給割合のみを変更する構成としてもよい。例えば、供給速度調整部42は、処理用ガスGの流量センサを装備する場合がある。そして、第一弁42a、第二弁42b、もしくは第三弁42cの開度を変更すると共に、処理用ガスGの流量が一定となるように通気制御部99が送風機41の出力を調整する。これにより、第一ガスG1、第二ガスG2、および第三ガスG3の供給割合のみを変更することができる。
【0113】
(9)上記第一実施形態では、温度判定部91は、堆積層B2および堆積層B3の槽内温度がそれぞれ第二温度範囲(第二所定温度の一例)内であるか否かを判定し、通気制御部99が当該判定に基づいて第三ガスG3や第二ガスG2の供給速度を制御する場合を説明した。しかしながら、温度判定部91は、堆積層B2および堆積層B3の槽内温度が、それぞれ別々の第二温度範囲内であるかどうかを判定する場合もある。例えば、堆積層B2の槽内温度が別の第二温度範囲(例えば、40℃以上50℃未満)であるかどうかを判定し、堆積層B3の槽内温度がさらに別の第二温度範囲(例えば、50℃以上60℃未満)内であるかどうかを判定する。この場合、温度判定部91が判定する堆積層B3に対応させる第二温度範囲は、堆積層B2に対応させる第二温度範囲よりも高い温度の範囲に設定するのが好ましい。
【0114】
(10)上記第一実施形態では、複数の層領域として、堆積層B1、堆積層B2、および堆積層B3という具合に三つの層領域が仮想的に定められる場合を説明したが、複数の層領域の定め方はこれに限られない。例えば、それぞれに対応する温度計測部Tのセンサプローブを設けて四つ以上の層領域が定められてもよい。この場合、側部供給部35として、第一側部供給部36や第二側部供給部37に加えて、さらに別の(第三以上)の側部供給部35を有してもよい。このように三つ以上の側部供給部35を有する場合、それぞれの側部供給部35のうち少なくとも一つ(たとえば、第三の側部供給部35)と排気管33との間のセンサプローブを排気側温度センサとみなし、これらセンサプローブで検知した温度に対して個別に第二所定温度範囲を定め、これらセンサプローブで検知した温度が第二所定温度範囲になるように制御することもできる。
【0115】
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明は、処理中の自己発熱を適切に制御しつつ炭化物の自己発熱性を低下させる処理を行う炭化物処理装置、およびその方法に適用できる。
【符号の説明】
【0117】
3 :貯留槽
4 :通気部
9 :制御部
34 :底部供給部(給気口、第一給気口)
35 :側部供給部(給気口、第二給気口)
36 :第一側部供給部(給気口、第一給気口、第二給気口)
37 :第二側部供給部(給気口、第二給気口)
42 :供給速度調整部
42a :第一弁(供給速度調整部)
42b :第二弁(供給速度調整部)
42c :第三弁(供給速度調整部)
100 :炭化物処理装置
G :処理用ガス
G1 :第一ガス(処理用ガス)
G2 :第二ガス(処理用ガス)
G3 :第三ガス(処理用ガス)
H :補助ガス(処理用ガス)
M :炭化物
T :温度計測部
T2 :温度センサ(中間温度センサ)
T3 :温度センサ(排気側温度センサ、中間温度センサ)
T4 :温度センサ(排気側温度センサ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7