(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記中間リードに結合されて、前記信号に対応する復号出力信号の組を前記入力リード上に生成するポインタ回路の組をさらに備え、前記共振信号を受け取るように結合されていない前記中間リードは、第1の2進電圧に保持される、
請求項1に記載のデコーダ。
ストローブ信号を受け取るようにさらに結合され、前記ポインタ回路は、前記ストローブ信号がアサートされた時に前記中間リード上の前記信号に対して論理関数を実行し、前記ストローブ信号は、前記共振信号が前記第1の2進電圧とは逆の第2の2進電圧にある時にアサートされる、
請求項2に記載のデコーダ。
【背景技術】
【0002】
通常、デコーダ回路は、符号化値信号(encoded value signal)を取得してこれを異なる形式に変換する。符号化信号は、複雑さの面で復号信号よりも多少は効率的になり得る。効率性の低い(すなわち、単純な2進値の組を表すのに多くのビットを必要とする)符号化信号の例には、暗号化に使用されるものがある。効率性の高い符号化スキームの例には、記憶値の配列を示すポインタの位置を2進値で表す2進符号化がある。2進値000は位置0を表し、2進値100は位置4を表し、他にも様々である。Nビットの2進値から復号される位置は、2
N個存在する。先行技術には、多くのタイプのデコーダが存在する。
【0003】
本発明は、一連のメモリ位置を示すポインタとして使用されるような2進デコーダに関する。本発明は、アドレスなどのデジタル値を復号する方法にも関する。本発明は、その他の用途で使用されるデコーダ及び復号方法にも関する。
【0004】
一般に、コンピュータ集積回路チップ(又はIC)は、スタティックランダムアクセスメモリ(又はSRAM)などのメモリの位置又はアドレスを示すデコーダを有する。通常、これらのアドレスデコーダは2進符号化されて、各符号化された2進値が一意的なメモリ位置を示すようにメモリアレイ全体にアクセスする。
図1に、信号A
0〜A
2それぞれを受け取り、これらの信号をデコーダ12によって復号して8つのポインタ又はワードリードW
0〜W
7上に信号を供給する、3ビットアドレスバスを有するSRAM10のアーキテクチャを示す。各ワードリードWは、ビットセル14の特定の行R
0〜R
7がメモリ位置又は「ワード」を含むことを可能にする信号を供給し、これによってこのワードがさらなる制御ロジックに依存して書き込まれ又は読み取られるようにする。
【0005】
図2に、ゲートレベルで構築された先行技術の3−8アドレスデコーダ12を示す。アドレスデコーダ12は、アドレス信号A
0〜A
2を受け取って、反転アドレス信号及び非反転アドレス信号の両方を配線16−0〜16−5上に供給し、これらの信号はさらにANDゲートの組8−0〜8−7に供給され、ANDゲートは、ポインタ回路の機能を果たしてこれらの信号からポインタリードW
0〜W
7上に信号を生成する。
図3は、アドレスビットの各組み合わせについてどの出力ワードリードW
0〜W
7がhighに駆動されるかを示す真理値表である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
SRAM10は、3つのアドレス信号のみを受け取って8つの行を有するが、典型的なSRAMは、3よりも多くのアドレス信号を受け取って8よりも多くの行を有する。従って、典型的なSRAMはSRAM10よりも長く、そのデコーダはデコーダ12よりも長い。デコーダ12及び配線16は、アレイの高さ全体に及ぶので、さらに大きなアレイでは、配線16の容量が相当に大きい。配線16は、継続的に新たなアドレス値で駆動されるので、配線16の静電容量は、絶え間なく充電と放電が行われ、従ってデコーダの消費電力は、SRAM10が消費する電力全体の大きな要因になる。例えば、従来のCMOS回路によって中間配線16のうちの1つがhighの2進電圧から接地に放電されると、1/2C
16V
2に等しいエネルギー量が消費される(C
16は、この配線の静電容量であり、Vは、この配線上の放電前の電圧である)。(消散する電力量はC
16V
2Fであり、Fはスイッチング周波数である。)本発明の1つの目的は、消費電力の減少を示す新規のデコーダ及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によって構成されるデコーダは、例えばアドレスに対応する情報などの情報を搬送する配線の組を含む。配線の少なくとも一部に共振信号が付与される。1つの実施形態では、ポインタ回路の組が、これらの配線に含まれる情報を選択時間に復号して、そこから1又は2以上のデコーダ出力信号を生成する。
【0009】
1つの実施形態では、配線の一部が共振信号を搬送する一方で、他の配線は第1の2進電圧レベルにある。ポインタ回路は、共振信号が第1の2進電圧レベルとは逆の第2の2進電圧レベルにある時に配線上の信号を復号する。
【0010】
1つの実施形態では、ポインタ回路が、共振信号が第2の2進電圧レベルにある時にアクティブになるストローブ信号にも結合されることによって、共振信号が第2の2進電圧レベルにある時に、ポインタ回路に配線上の信号を復号させる。
【0011】
1つの実施形態では、第1の2進電圧レベルが2進lowの電圧レベルであり、第2の2進電圧レベルが2進highの電圧レベルである。別の実施形態では、第1の2進電圧レベルが2進highの電圧レベルであり、第2の2進電圧レベルが2進lowの電圧レベルである。
【0012】
1つの実施形態では、共振信号が共振回路によって供給される。スイッチの組が、組内の配線を共振回路に対して結合又は分離する。これらのスイッチは、共振信号が第1の2進電圧レベルにある時に状態を変化させる。配線の組の電圧は共振回路によって増減するので、これらの配線上の電圧を増減させる工程が消費する電力は、配線とDC電源との間、又は配線と接地との間に接続されたトランジスタによって配線のプルアップ及びプルダウンが行われる場合よりも少ない。
【0013】
1つの実施形態では、アドレスが変化した場合、共振信号が第1の2進電圧レベルにある時にスイッチが状態を変化させる。共振回路に結合される配線の数は常に変化しないので、共振回路に結合された容量性負荷は実質的に同じままである。この容量性負荷は、共振回路と協働して共振信号の周波数を定める。アドレスが変化した場合でも共振回路に結合される配線の数は変化しないので、共振信号の周波数は変化しない。
【0014】
1つの実施形態では、デコーダが、SRAM、DRAM、ROM、EEPROM又はフラッシュメモリなどのメモリのためのアドレスデコーダである。
【0015】
本発明による方法は、デコーダ内の配線の組における一部の配線に共振信号を付与するステップと、信号に応答して復号出力信号を生成するポインタ回路の組にこれらの信号を供給するステップとを含む。
【0016】
1つの実施形態では、方法が、組内の共振信号を受け取らない配線に第1の2進電圧を付与するステップをさらに含む。ポインタ回路にストローブ信号を付与して、ポインタ回路による復号出力信号の生成を可能にする。
【0017】
1つの実施形態では、方法が、アドレスを受け取るステップと、アドレスに応答して、配線の組内の共振信号を受け取る一部の配線を選択するステップと、アドレスに応答して、配線の組内の第1の2進電圧を受け取る他の配線を選択するステップとをさらに含む。
【0018】
1つの実施形態では、方法が、共振信号が第1の2進電圧とは逆の第2の2進電圧にある時にストローブ信号を付与するステップをさらに含む。
【0019】
1つの実施形態では、方法が、共振回路を用いて共振信号を生成するステップをさらに含む。配線は、静電容量を示す。共振信号を受け取るように結合された配線の静電容量は、共振回路と協働して共振信号の周波数を定める。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図4に、本発明によって構成される3−8デコーダ100を示す。デコーダ100は、3つの信号A
0〜A
2を受け取り、これに応答して中間リード116上に中間信号の組を生成する。(ポインタ回路として機能する)MOSダイナミックゲートの組118−0〜118−7は、中間リード116上の信号を受け取り、これに応答してリードW
0〜W
7のうちの選択された1つのリード上にデコーダ出力信号をアサートする。ダイナミックゲート118のうちの単一のゲート(ダイナミックゲート118−0)を
図5に示す。
【0022】
1つの実施形態では、リードW
0〜W
7をSRAMセルのアレイに結合してSRAMセルの行を選択する。本明細書では、信号A
0〜A
2をアドレス信号と呼び、リードW
0〜W
7をワード線と呼ぶ。しかしながら、他の実施形態では、デコーダ100が他の用途で使用される。このような用途では、信号A
0〜A
2がアドレスである必要はなく、リードW
0〜W
7上の信号がメモリセルの行を示す必要はない。
【0023】
中間リード116は、スイッチの組120に結合される。
図4に示すように、リード116は、対、すなわち対116−0〜116−2に分割され、各対は、スイッチ対120−0〜120−2及びアドレス信号A
0〜A
2のうちの1つに対応する(
図4aを参照)。1つの実施形態では、スイッチ120の各々が、信号A
0と信号A
0の論理反転とによってそれぞれ駆動される、PMOSトランジスタ121pとNMOSトランジスタ121nなどのトランジスタ対として実装される。
【0024】
デコーダ100は、共振回路104から共振信号RSR(通常は正弦波)を受け取るための共振入力信号リード102も含む。スイッチ120−0は、対応する2進アドレス信号A
0に応答して、共振入力信号リード102を対116−0内の中間リードのうちの第1の中間リード116−0a又は中間リードのうちの第2の中間リード116−0bのいずれかに結合する。スイッチ120−1及び120−2も、同様に対応するアドレス信号A
1及びA
2に応答して、共振入力信号リード102を対116−1及び116−2内の対応する中間リードに結合する。従って、所与の時点において、中間リード116の半分が共振信号RSRを搬送し、中間リード116の残りの半分がキーパー回路150によって接地に保持される(
図4及び
図4b)。
【0025】
ダイナミックゲート118の各々は、4つのPMOSプルアップトランジスタ122、124、126及び128と、NMOSプルダウントランジスタ130とを含む。デコーダ100にワード線Wのうちの1つを選択させて駆動させることが望ましい場合、トランジスタ122及び130のゲートは、アクティブなlowストローブ信号STRBnを受け取る。トランジスタ124、126及び128のゲートは、リード116上の信号が純粋にデジタルであって反転及び非反転アドレス信号A
0〜A
2を含む場合にダイナミックゲート118がデジタル3−8デコーダ機能を実行するように、対116−0〜116−2内の中間リードの様々な順列を受け取るように配線接続される。
【0026】
デコーダ100を作動させることが望ましい場合、ストローブ信号STRBnはlowにアサートされる。(ストローブ信号STRBnがhighの時には、全てのダイナミックゲート118の出力信号が常にlowである。)重要なこととして、ストローブ信号STRBnがlowになるのは、共振信号RSRがそのピーク電圧又はその付近にあって、ダイナミックゲート118のPMOSデバイスがその閾値以下の動作領域にあり、又は完全にオフになるほど十分に高い時のみである。従って、ストローブ信号STRBnがlowの時には、共振信号RSRを受け取るように結合されたリード116上の信号が、ダイナミックゲート118によって2進1として処理される。共振信号RSRを受け取らないリードは接地(すなわち、2進0)に保持されるので、ダイナミックゲート118は、論理的にNANDゲートとして機能する。ダイナミックゲート118のうちの1つのみが、そのトランジスタ124、126及び128のゲートを全てlowに保持させ、この1つのダイナミックゲート118のみがその出力信号をhighに高め、従って1つのワード線Wのみが選択される。(共振信号RSRを受け取らないリード116を接地に保持する方法については後述する)。
【0027】
図5は、ダイナミックゲート118−0の概略的拡大図である。
図6は、アドレス信号A
0、A
1及びA
2と、ダイナミックゲート118−0内のトランジスタ124、126及び128のゲート124g、126g及び128gにおける信号と、ストローブ信号STRBnと、ワード線W
0上の出力信号との関係を示すタイミング図である。時間T0中には、信号A
0及びA
2がhighであり、信号A
1がlowである。従って、スイッチ120−0及び120−2は、リード116−0a及び116−2aに共振信号RSRを付与し、さらにこれらのリードが、ダイナミックゲート118−0内のゲート124g及び128gに信号RSRを付与する。リード116−1aは0ボルトであり、これによってダイナミックゲート118−0内のトランジスタ126のゲート126gにも0ボルトが付与される。信号STRBnは、時間T0内の短い期間T1中にのみlowになる。信号STRBnは、時間T1よりも前にはトランジスタ122をオフ、トランジスタ130をオンに保ち、従ってトランジスタ130によってワード線W
0が接地に保持される。
【0028】
時間T1において信号STRBnがlowになると、共振信号RSRがhighになるので、トランジスタ124のゲート124g及びトランジスタ128のゲート128gはhighであり、トランジスタ124及び126は時間T1中にオフであり、ダイナミックゲート118−0の出力信号は時間T1中にlowである。(時間T1中には、2進high及びlowの電圧をワード線W
0に接続する経路は存在しないが、ワード線W
0の静電容量がワード線W
0を接地に保つ。)
【0029】
時間T0の終了時(時間T2の開始時)には、信号A
0及びA
1が状態を切り替える。信号A
0はlowになり、信号A
1はhighになる。従って、ゲート124gが接地に保持され、ゲート126gが共振信号RSRを受け取る。このことは、時間T2中にトランジスタ124がオンのままであることを意味する。しかしながら、時間T2中にストローブ信号STRBnがlowになった時には、信号RSRはhighであり、ゲート126g及び128gはhigh電圧であり、トランジスタ126及び128はオフであり、従ってリードW0上の出力信号はlowのままである。
【0030】
時間T2の終了時(時間T3の開始時)には、信号A
2がlowになる。従って、時間T3中には、ゲート128gにおける信号がlowになり、トランジスタ128はオンのままである。しかしながら、時間T3中にストローブ信号STRBnがlowになった時には、信号RSRはhighであり、ゲート128gにおける信号はhighであり、トランジスタ128はオフのままである。従って、時間T3中には、リードW0上の信号はlowのままである。
【0031】
時間T3の終了時(時間T4の開始時)には、信号A
1がlowになる。従って、トランジスタ124、126及び128のゲート124g、126g及び128gは全てlowであり、トランジスタ124、126及び128は全てオンである。従って、ストローブ信号STRBnがlowになるとすぐにトランジスタ122がオンになり、トランジスタ130がオフになり、リードW
0上の出力信号がhighになる。(デコーダ100を使用してセルの行を選択する実施形態では、リードW
0に対応するセルの行が選択される)。
【0032】
時間T4の終了時には、信号A
1がhighになる。その後は、アドレス信号A
0、A
1又はA
2のうちの少なくとも1つがhighであり、リード116−0a、116−1a又は116−2aのうちの少なくとも1つが共振信号RSRを受け取るように結合され、信号STRBnがlowである時間中にゲート124g、126g又は128gのうちの少なくとも1つがhighであり、信号STRBnがlowである時間中にトランジスタ124、126又は128のうちの少なくとも1つがオフであり、リードW0上のダイナミックゲート118−0の出力信号はlowのままである。
【0033】
リード116が共振信号RSRを受け取るように結合されていない時のリード116のlowへの保持
スイッチ120は、共振信号RSRが2進0の電圧レベルにある時にのみ状態を変化させる。従って、アドレス信号A0がlowになる時間T2の開始時には、スイッチ120−0がリード116−0aを信号RSRから分離することによって、リード116−0aは概ね接地電位にある。その後、少なくともしばらくの間、リード116−0aは、リード116−0aをlowに保つ静電容量を有するが、1つの実施形態では、リード116の各々がキーパー回路150(
図4)に結合される。1つの実施形態では、キーパー回路150が、2つのインバータINV0及びINV1(
図4bを参照)を含む。通常、インバータINV1は弱く、すなわちインバータINV1内のトランジスタは小さく、たとえオンの場合でも抵抗性が高い。キーパー回路150は、他のデバイス又は電圧源がリード116を駆動していない時、すなわちこれらのリードが信号RSRを受け取るように結合されていない時に、リード116をlowに維持する。通常、キーパー回路150は、漏れ電流を克服するために約2nAなどの非常にわずかな電流しか引き出さない。従って、たとえキーパー回路150と共振回路104とが同時にワード線を駆動した場合でも、非常にわずかな電力しか消費されない。(キーパー回路150は、インバータINV1と信号RSRとの間の競合によって引き起こされるエネルギー損失をさらに最小化する抵抗器RKも含む)。
【0034】
他の実施形態では、インバータINV0、INV1の代わりに他のデバイスをキーパー回路150に使用することもできる。例えば、1つの実施形態では、リード116が信号RSRを受け取るように結合されていない時にリード116を接地するスイッチの組152(
図7)が設けられる。従って、信号A
0がlowの時には、スイッチ120−0のうちの第1のスイッチが信号RSRを受け取るようにリード116−0bを結合するが、信号A
0がhighの時には、スイッチ152内のスイッチのうちの1つ(信号A
0によって制御されるスイッチ152−0b)がリード116−0bを接地する。スイッチ152の各々は、信号A
0〜A
2のうちの1つの信号、又は信号A
0〜A
2のうちの1つの信号の論理反転によって制御される。
【0035】
或いは、リード116と接地との間に大型の抵抗器(図示せず)を設けることもできる。このような抵抗器は、信号RSRがhighであってリード116に付与されている時には大きな電流を引き出さず、リード116が信号RSRを受け取るように結合されていない時にはこれらのリードを接地させておくのに十分なものである。
【0036】
共振回路
上述したように、共振回路104は、リード116を駆動するために使用される。通常、共振回路は、直列構成又は並列構成のインダクタ及びコンデンサを含む。
図9及び
図10に、インダクタ及びコンデンサを含み、それぞれバイポーラトランジスタ及びMOSトランジスタを用いた共振器の例140及び150を示す。当業では、LC共振回路が周知である。共振回路104には、共振器140、150、又は他の従来の共振回路を使用することができる。(別の実施形態では、単独のコンデンサC3が不要であり、代わりに共振器140及び150が、これらの共振器に結合されたリード116の静電容量と協働して共振を可能にする)。
【0037】
コンデンサでは、2つのプレートを横切る電場にエネルギーが蓄えられる。インダクタでは、電流を搬送するワイヤを循環する磁束鎖交にエネルギーが蓄えられる。コンデンサ及びインダクタを直列又は並列に接続することにより、電流がこれら2つのコンポーネント間で電荷を行き来させるにつれてコンデンサ又はインダクタのいずれかに交互にエネルギーを蓄えることができる「タンク」回路を形成することができる。電流がゼロに等しい時には、コンデンサに蓄えられるエネルギーがピークに達し、インダクタに蓄えられるエネルギーが最小になる。電流がピークに達すると、インダクタの磁束鎖交に蓄えられるエネルギーがピークに達し、コンデンサに蓄えられるエネルギーが最小に達する。(「放射」エネルギーを無視した)唯一のエネルギー損失は、信号経路内に見られるいずれかの寄生抵抗からの熱放散に由来する。対照的に、静電容量が供給電位から接地電位に切り替わることに関連するエネルギーは、(例えば、ある配線を2進1の電圧源に接続した後に2進ゼロの電圧源に接続することによって、CMOSトランジスタがこの配線に関連する静電容量の充電及び放電を行った時に生じるように)全て熱となって失われる。
【0038】
上述したように、リード116は、静電容量C
116として記号で示す(
図4)静電容量を示す。従って、従来の先行技術のCMOS回路によってリード116がhigh及びlowに駆動された場合、デコーダ100は電力損失を示すようになるが、これは共振回路を用いてリード116を駆動することによって回避される。
【0039】
共振回路104に結合されたこれらのリード116の所与の時点における総静電容量は、共振回路104と協働して信号RSRの周波数を定める。一般に、(所与の時点でリード116の半分が共振回路104に結合されるので)共振回路104に結合されるリード116の数は一定であるため、共振回路104に結合されたこれらの配線の総静電容量は一定であり、従って配線A
0〜A
2上の信号が変化しても信号RSRの周波数は変化しない。
【0040】
共振回路における共振には水晶を使用することもできるが、インダクタとしてモデル化できるその挙動面はコイルに由来するものではなく、むしろ電気的に刺激を受けると振動する水晶質量体の「等価直列」インダクタンスに由来するものである。1つのタイプの周知の水晶共振回路には、ピアス発振器がある。
図11に、水晶155及びRLC等価回路160を示す。インダクタ及びコンデンサは、いずれも「エネルギー貯蔵」素子である。(
図12及び
図13には、水晶を含む共振器170及び180を示す。共振器170及び180は、本出願人が2015年7月6日に出願した「3つの直列インバータを用いたピアス発振器(A Pierce Oscillator Using Three Series Inverters)」という名称の米国仮特許出願第62/231,458号に記載されているものであり、この文献は引用により本明細書に組み入れられる。)
【0041】
共振器170及び180は、コンデンサCL1及びCL2としてモデル化される静電容量を含む。静電容量CL2は、リード102に結合されたリード116の静電容量と、リード102に結合された他のいずれかの寄生容量とを含む。
【0042】
なお、水晶発振器170はインバータ171を含み、水晶発振器180はインバータ181、182及び183を含む。これらのインバータは、一般に利得素子の機能を果たし、2進スイッチング素子の機能は果たさない。従って、これらのインバータは、従来のCMOSデジタルスイッチングで発生する上述したCV
2Fの電力損を引き起こさない。
【0043】
デコーダ100における信号タイミング
図6のタイミング図で分かるように、スイッチ120は、共振信号RSRが2進0の電圧にある時に状態を変化させる。これにより、共振回路104によって駆動される負荷の電圧のあらゆる不連続性が防がれる。スイッチ120の状態を変化させて信号STRBnを生成するのに適したタイミング制御は、複数の方法のうちのいずれかで生じることができる。例えば、1つの実施形態では、信号A
0、A
1及びA
2が、信号RSRから導出された直交クロックを有する(すなわち、信号RSRがピーク値間の中間に存在する地点から90度だけ位相シフトしたクロックを有する)マイクロプロセッサ(図示せず)によって生成される。このような実施形態では、信号RSRが2進0の電圧にある時に、マイクロプロセッサが信号A
0、A
1及びA
2の状態を変化させる。
【0044】
或いは、信号RSRと同期しておらず正しい位相関係にない信号源191からアドレス情報がもたらされる場合、1つの実施形態では、正弦波信号RSR及びその逆正弦波RSRnを受け取るように結合された位相ロックループ192(
図18)がラッチ194に制御信号を供給し、このラッチ194が、信号RSRがlowの時に「非時間再調整(unretimred)」信号AU
0、AU
1及びAU
2を受け取り、これらの信号をラッチして同期信号A
0、A
1及びA
2を生成する。ラッチ194の内容は、スイッチ120を制御する。或いは、位相ロックループ192の代わりにプログラムマブル遅延回路又は遅延ロックループ回路を使用することもできる。位相ロックループ、遅延ロックループ及びプログラムマブル遅延回路は、当業で周知である。
【0045】
信号STRBnを生成する回路は、回路192に結合されたストローブ発生器196を含む。ストローブ発生器は、当業で周知である。他の技術を用いて適切なタイミング信号を生成することもできる。このようなストローブ発生器の例については、引用により本明細書に組み入れられる、本出願人が2015年7月27日に出願した「共振駆動回路を用いた低電力SRAMビットセル(A Low Power SRAM Bitcell Using Resonant Drive Circuitry)」という名称の米国仮特許出願(第62/282215号)を参照されたい。
【0046】
1つのプルアップPMOSトランジスタと4つのプルダウンNMOSトランジスタとを用いた実施形態
図4及び
図5では、ダイナミックゲート118の各々が、4つのPMOSプルアップトランジスタ122、124、126及び129と、1つのプルダウントランジスタ130とを含む。しかしながら、他の実施形態では、1つのPMOSプルアップトランジスタ185と、4つのNMOSプルダウントランジスタ186、187、188及び189とを有するダイナミックゲート184−0(
図8)などのダイナミックゲートを採用することもできる。この実施形態では、トランジスタ185及び189のゲート185g及び189gにストローブ信号STRBが付与される。トランジスタ186、187及び188のゲート186g、187g及び188gには、様々なリード116が付与される。この実施形態では、ストローブ信号STRBが正のストローブパルスであり、ゲート186g、187g及び188gにおける信号が全てhighであって、ストローブ信号STRBがhighである場合かつその場合に限り、リードW
0上の信号がlowになる。換言すれば、ダイナミックゲート184に付与される信号、及びリードW
0上におけるその出力信号の極性は、ダイナミックゲート118と共に使用される信号の逆である。
【0047】
8つの入力ビットを含む実施形態
図14は、8つの信号SEL
0〜SEL
7を受け取ってこれらの信号から256個の出力リードOUT
0〜OUT
255上に256個の復号出力信号を生成する8−256デコーダ200を示すブロック図である。(
図14の実施形態では、デコーダ200が、信号SEL
0〜SEL
7に対し、デコーダ100が信号A
0〜A
2に対して動作する方法と同様に動作する。同様に、リードOUT
0〜OUT
255も、リードW
0〜W
7と同様に駆動される。)デコーダ200は、入力信号SEL
0〜SEL
7と、共振信号RSRと、Vdd及び接地DC入力電圧とを受け取ってこれらの信号から8つのリードIO
0〜IO
7及び8つのリードIOb
0〜IOb
7上に信号を生成する第1のブロック202を含む。第1のブロック202は、8つのスイッチ対220−0〜220−7を含む。各スイッチ220は、信号SEL
0〜SEL
7のうちの1つ、リードIO
0〜IO
7のうちの1つ、及びリードIOb
0〜IOb
7のうちの1つに対応する。スイッチ220−0は、信号SEL0の状態に応じてリードIO
0又はIOb
0のいずれかに信号RSRを供給する。他のスイッチ220も、他のリードIO及びIObに対して同じ機能を実行する。従って、スイッチ220は、基本的にスイッチ120と同じ機能を実行する。
【0048】
図15は、1つのスイッチ対220−0、及びその関連する制御回路の概略図である。
図15を参照すると、インバータ224、PMOSパストランジスタ228のゲート、及びNMOSパストランジスタ230のゲートに信号SEL
0が供給される。インバータ224は、NMOSパストランジスタ232及びPMOS234を制御する。パストランジスタ228、230、232及び234は、信号SEL
0に応答して、リードIO
0又はIOb
0のいずれかに信号RSRを結合する。スイッチ対220内の他の7つのスイッチ対も同じ構成である。
【0049】
デコーダ200は、リードIO
0〜IO
7及びリードIOb
0〜IOb
7からの信号とストローブ信号STRBnとを受け取ってこれらの信号からリードOUT0〜OUT
255の上に256個の出力信号を生成するように結合された256個の第2のブロック236の例も含む。各ブロック236の例は、
図16に示すものと同様である。
図16を参照すると、各サブブロックが、第1のセル238及び第2のセル240を含む。第1のセル238は、配線IO
0又はIOb
0、IO
1又はIOb
1、IO
2又はIOb
2、及びIO
3又はIOb
3上の信号を受け取る。セル238は、ストローブ信号STRBn、並びに入力DC電圧Vdd及び接地も受け取る。ブロック238は、ブロック238内のダイナミックゲートがこれらの出力リード242と電圧Vddとの間に直列に結合された5つのプルアップPMOSトランジスタを有する点を除き、ダイナミックゲート118と同様のダイナミックゲートを含む。(このようなダイナミックゲートの例は、5つのプルアップPMOSトランジスタ244、245、246、247及び248と、1つのプルダウンNMOSトランジスタ449とを含む
図17のダイナミックゲート238−0である。)従って、ブロック238内のダイナミックゲートは、信号STRBnがアクティブ(low)である時に結合されるリードIO
0〜IO
3及びIOb
0〜IOb
3上の信号の論理NAND関数を実行する。
【0050】
第2のセル240は、配線IO
0〜IO
3又はIOb
0〜IOb
3上の信号の代わりに配線IO
4又はIOb
4、IO
5又はIOb
5、IO
6又はIOb
6及びIO
7又はIOb
7上の信号を受け取る点を除き、セル238と同一である。セル238及び240からの出力信号はNANDゲート250に結合され、NANDゲート250はさらにインバータ252に結合される。従って、セル238とセル240との組み合わせ、NANDゲート250及びインバータ252は、信号STRBnがアクティブ(low)である時に結合される配線IOと配線IObとの組み合わせ上の信号に対して協働的に論理NAND関数を実行し、ポインタ回路としての役割を果たす。
【0051】
上述したように、信号STRBnがlowの時には、配線IOと配線IObとの組み合わせの256個の順列に対して論理NAND関数を実行するように構成された256個のブロック236の例が存在する。従って、256個のブロック236の例は、リードOUT
0〜OUT
255上に出力信号を生成することにより、信号SEL
0〜SEL
7に対して8−256デコード機能を実行する。
【0052】
デコーダ100とデコーダ200の主な相違点は、1)デコーダ100は3−8デコーダであり、デコーダ200は8−256デコーダである点、及び2)デコーダ200内のデコーダゲートは、出力信号が共にAND演算される2つの5入力ダイナミックゲートに分割されるのに対し、デコーダ100内のデコーダゲートは分割されない点である。デコーダ200のゲートは、5つよりも多くのデバイスを直列に積み重ねることに関連する固有の遅延を避けるように分割される。しかしながら、他の実施形態では、他の数のCMOSゲート入力リードを使用することもできる。また、他の実施形態では、各デコーダサブブロック内に2つよりも多くのNANDゲートが存在する。換言すれば、ブロック236内に2つのサブブロックを有する代わりに、共にAND演算されるさらに多くのサブブロックが存在することができる。
【0053】
異なるタイプの論理ゲートを用いてPAL及びPLAと併用した実施形態
上述した実施形態は、論理NAND関数を実行するCMOSダイナミックゲートの組を使用する。しかしながら、デコーダは、例えば実際のCMOS NANDゲートなどの他のタイプの回路を用いて実装することもできると理解されるであろう。(このような実施形態では、信号RSRがそのピーク値にない時には、ストローブ信号を用いて消費電力を最小化することが望ましい。)他の実施形態では、ポインタ回路、或いはNOR、AND又はOR関数を実行するCMOS論理回路を使用することもできる。
【0054】
本発明は、アドレスデコーダの一部としてSRAMに組み込むことができるが、それぞれがゲートの組に結合された配線の組を含む他の回路に組み込むこともできる。例えば、通常、PLA、GAL及びPALは、反転入力信号及び非反転入力信号を搬送するバスを含む。このバスは、第1のゲートの組に結合され、このゲートの出力信号は、第2のゲートの組に結合される。(第1のゲートの組をANDゲートとする一方で、第2のゲートの組をORゲートとすることができる。或いは、他のタイプのPLA及びPALでは、第1及び第2のゲートの組がいずれもNANDゲートである。通常、バスと第1のゲートの組との間の接続は、マスク又は電気的にプログラム可能である。)PLA及びPALは、1988年7月19日に出願されてBirkner他に付与された米国特許第4,758,746号に記載されており、この文献は引用により本明細書に組み入れられる。
【0055】
PLA、GAL又はPALでは、第1のゲートの組がデコーダとして機能する。本発明の実施形態によれば、第1のゲートの組内のゲートの入力リードの一部が、共振回路及びストローブ信号によって駆動される。
【0056】
特定の実施形態に関して本発明を詳細に説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく形態及び細部の変更を行うことができると認識するであろう。例えば、本発明のデコーダは、異なる数の行を有するアレイと併用することができる。デコーダは、入力信号を完全に又は部分的に復号することができる。1つの実施形態では、デコーダが、上述した本出願人の「共振駆動回路を用いた低電力SRAMビットセル」という名称の仮特許出願に記載されるSRAMと併用される。さらに、デコーダは、例えばDRAM、ROM又はEEPROMなどの、SRAM以外のメモリと併用することもできる。さらに、デコーダは、メモリ以外の回路と併用することもできる。デコーダは、CMOS、NMOS、PMOS又はその他の技術で実装することができる。通常、DC電源電圧及び2進電圧レベルは0ボルト及び3ボルトであり、共振信号RSRは0ボルト〜3ボルトで振動するが、他の実施形態では他の電圧レベルが使用される。水晶共振器を使用する実施形態については、異なるタイプの共振材料(例えば、石英、セラミック材料、又はWessendorfに付与されて引用により本明細書に組み入れられる米国特許第7,183,868号の第7欄、6〜24行に記載される材料)を使用することができる。従って、このような変更は全て本発明の範囲に含まれる。