【実施例】
【0039】
以下に実施例を示して、本実施形態をより詳細に説明するが、本実施形態は以下に記載の実施例によって限定されるものではない。なお実施例及び比較例に記載した触媒組成は各元素の仕込み組成と同じ値である。
【0040】
[実施例1]
組成がMo
12.00Bi
0.37Fe
1.53Co
4.11Ni
3.30Ce
0.81Rb
0.14で表される金属酸化物を40質量%のシリカに担持した触媒を、以下の手順で製造した。
【0041】
30質量%のSiO
2を含むシリカゾル1333gに、水200gに溶解させたシュウ酸二水和物25.0gを加えた(前駆体スラリーにおいて金属元素の総和に対し0.039モル当量)。次いで、866.3gの水に溶解させた481.9gのパラモリブデン酸アンモニウム[(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2O]を撹拌下で加え、さらに、16.6質量%の硝酸393.8gに溶解させた41.1gの硝酸ビスマス[Bi(NO
3)
3・5H
2O]、140.6gの硝酸鉄[Fe(NO
3)
3・9H
2O]、272.3gの硝酸コバルト[Co(NO
3)
2・6H
2O]、218.2gの硝酸ニッケル[Ni(NO
3)
2・6H
2O]、80.3gの硝酸セリウム[Ce(NO
3)
3・6H
2O]、4.81gの硝酸ルビジウム[RbNO
3]を加え、原料スラリーを調製した。上記原料スラリーを33℃で3.5時間撹拌し、前駆体スラリーを調製した。得られた前駆体スラリーの粘度は62cpであった。なお、前駆体スラリーの粘度は、B形粘度計(東機産業株式会社製「TVB−10」)により測定することとし、以下の実施例及び比較例でも同様とした。次いで、前駆体スラリーを回転円盤式の噴霧乾燥器を用いて乾燥させた。このとき、乾燥機入口の空気温度は230℃とし、出口の空気温度は110℃とした。また、円盤の回転数は12500回転/分に設定した。得られた乾燥体を200℃で5分間保持し、200℃から450℃まで2.5℃/分で昇温し、450℃で20分間保持することで脱硝した。得られた脱硝粉を590℃で2時間焼成して、触媒を得た。
【0042】
[実施例2]
原料スラリーを40℃で3.5時間撹拌した以外は実施例1と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は51cpであった。
【0043】
[実施例3]
原料スラリーを46℃で3.5時間撹拌した以外は実施例1と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は45cpであった。
【0044】
[実施例4]
原料スラリーを40℃で1時間撹拌した以外は実施例1と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は63cpであった。
【0045】
[実施例5]
原料スラリーを41℃で6時間撹拌した以外は実施例1と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は42cpであった。
【0046】
[実施例6]
シュウ酸二水和物に代えて、200gの水に溶解させた酒石酸22.5gをシリカゾルに添加した(前駆体スラリーにおいて金属元素の総和に対し0.030モル当量)ことと、原料スラリーを40℃で3.5時間撹拌したこと以外は実施例1と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は46cpであった。
【0047】
[実施例7]
組成がMo
12.00Bi
0.39Fe
1.60Ni
6.97Mg
0.77Ce
0.63Rb
0.17で表される金属酸化物を40質量%のシリカに担持した触媒を、以下の手順で製造した。
【0048】
30質量%のSiO
2を含むシリカゾル1333gに、水200gに溶解させたシュウ酸二水和物25.0gを加えた(前駆体スラリーにおいて金属元素の総和に対し0.038モル当量)。873.5gの水に溶解させた485.9gのパラモリブデン酸アンモニウム[(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2O]を撹拌下で加え、さらに、16.6質量%の硝酸396.7gに溶解させた43.1gの硝酸ビスマス[Bi(NO
3)
3・5H
2O]、148.0gの硝酸鉄[Fe(NO
3)
3・9H
2O]、464.7gの硝酸ニッケル[Ni(NO
3)
2・6H
2O]、45.5gの硝酸マグネシウム[Mg(NO
3)
2・6H
2O]、62.6gの硝酸セリウム[Ce(NO
3)
3・6H
2O]、5.89gの硝酸ルビジウム[RbNO
3]を加え、原料スラリーを調製した。上記原料スラリーを32℃で3.5時間撹拌し、前駆体スラリーを調製した。得られた前駆体スラリーの粘度は105cpであった。次いで、前駆体スラリーを回転円盤式の噴霧乾燥器を用いて乾燥させた。このとき、乾燥機入口の空気温度は230℃とし、出口の空気温度は110℃とした。また、円盤の回転数は12500回転/分に設定した。得られた乾燥体を200℃で5分間保持し、200℃から450℃まで2.5℃/分で昇温し、450℃で20分間保持することで脱硝した。得られた脱硝粉を580℃で2時間焼成して、触媒を得た。
【0049】
[実施例8]
原料スラリーを41℃で3.5時間撹拌した以外は実施例7と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は81cpであった。
【0050】
[実施例9]
シュウ酸二水和物に代えて、200gの水に溶解させた酒石酸22.5gをシリカゾルに添加した(前駆体スラリーにおいて金属元素の総和に対し0.028モル当量)ことと、原料スラリーを40℃で3.5時間撹拌した以外は実施例7と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は74cpであった。
【0051】
[実施例10]
組成がMo
12.00Bi
1.20Fe
0.60Ni
7.80Cr
1.20K
0.48で表される金属酸化物を60質量%のシリカに担持した触媒を、以下の手順で製造した。
【0052】
30質量%のSiO
2を含むシリカゾル2000gに、水200gに溶解させたシュウ酸二水和物25.0gを加えた(前駆体スラリーにおいて金属元素の総和に対し0.059モル当量)。553.7gの水に溶解させた308.0gのパラモリブデン酸アンモニウム[(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2O]を撹拌下で加え、さらに、16.6質量%の硝酸387.6gに溶解させた84.6gの硝酸ビスマス[Bi(NO
3)
3・5H
2O]、35.2gの硝酸鉄[Fe(NO
3)
3・9H
2O]、329.8gの硝酸ニッケル[Ni(NO
3)
2・6H
2O]、69.8gの硝酸クロム[Cr(NO
3)
3・9H
2O]、7.06gの硝酸カリウム[KNO
3]を加え、原料スラリーを調製した。
上記原料スラリーを42℃で3.5時間撹拌し、前駆体スラリーを調製した。得られた前駆体スラリーの粘度は43cpであった。次いで、前駆体スラリーを回転円盤式の噴霧乾燥器を用いて乾燥させた。このとき、乾燥機入口の空気温度は230℃とし、出口の空気温度は110℃とした。また、円盤の回転数は12500回転/分に設定した。得られた乾燥体を200℃で5分間保持し、200℃から450℃まで2.5℃/分で昇温し、450℃で20分間保持することで脱硝した。得られた脱硝粉を590℃で2時間焼成して、触媒を得た。
【0053】
[実施例11]
組成がMo
12.00Bi
0.57Fe
1.01Co
6.83Ni
0.98Mg
0.98Ce
0.38Rb
0.12で表される金属酸化物を40質量%のシリカに担持した触媒を、以下の手順で製造した。
【0054】
30質量%のSiO
2を含むシリカゾル1333gに、水200gに溶解させたシュウ酸二水和物25.0gを加えた(前駆体スラリーにおいて金属元素の総和に対し0.038モル当量)。866.4gの水に溶解させた482.0gのパラモリブデン酸アンモニウム[(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2O]を撹拌下で加え、さらに、16.6質量%の硝酸395.2gに溶解させた62.7gの硝酸ビスマス[Bi(NO
3)
3・5H
2O]、93.0gの硝酸鉄[Fe(NO
3)
3・9H
2O]、452.3gの硝酸コバルト[Co(NO
3)
2・6H
2O]、64.5gの硝酸ニッケル[Ni(NO
3)
2・6H
2O]、56.9gの硝酸マグネシウム[Mg(NO
3)
2・6H
2O]、37.4gの硝酸セリウム[Ce(NO
3)
3・6H
2O]、3.93gの硝酸ルビジウム[RbNO
3]を加え、原料スラリーを調製した。
上記原料スラリーを32℃で3.5時間撹拌し、前駆体スラリーを調製した。得られた前駆体スラリーの粘度は73cpであった。次いで、前駆体スラリーを回転円盤式の噴霧乾燥器を用いて乾燥させた。このとき、乾燥機入口の空気温度は230℃とし、出口の空気温度は110℃とした。また、円盤の回転数は12500回転/分に設定した。得られた乾燥体を200℃で5分間保持し、200℃から450℃まで2.5℃/分で昇温し、450℃で20分間保持することで脱硝した。得られた脱硝粉を590℃で2時間焼成して、触媒を得た。
【0055】
[実施例12]
原料スラリーを40℃で3.5時間撹拌した以外は実施例11と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は58cpであった。
【0056】
[実施例13]
原料スラリーを47℃で3.5時間撹拌した以外は実施例11と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は50cpであった。
【0057】
[実施例14]
原料スラリーを41℃で1時間撹拌した以外は実施例11と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は74cpであった。
【0058】
[実施例15]
原料スラリーを40℃で6時間撹拌した以外は実施例11と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は49cpであった。
【0059】
[実施例16]
シュウ酸二水和物に代えて、200gの水に溶解させた酒石酸22.5gをシリカゾルに添加した(前駆体スラリーにおいて金属元素の総和に対し0.029モル当量)ことと、原料スラリーを40℃で3.5時間撹拌した以外は実施例7と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は40cpであった。
【0060】
[実施例17]
組成がMo
12.00Bi
0.57Fe
1.01Co
2.24Ni
6.54Ce
0.38Rb
0.12で表される金属酸化物を40質量%のシリカに担持した触媒を、以下の手順で製造した。
30質量%のSiO
2を含むシリカゾル1333gに、水200gに溶解させたシュウ酸二水和物25.0gを加えた(前駆体スラリーにおいて金属元素の総和に対し0.039モル当量)。855.9gの水に溶解させた479.5gのパラモリブデン酸アンモニウム[(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2O]を撹拌下で加え、さらに、16.6質量%の硝酸393.2gに溶解させた61.9gの硝酸ビスマス[Bi(NO
3)
3・5H
2O]、91.9gの硝酸鉄[Fe(NO
3)
3・9H
2O]、146.8gの硝酸コバルト[Co(NO
3)
2・6H
2O]、427.2gの硝酸ニッケル[Ni(NO
3)
2・6H
2O]、36.9gの硝酸セリウム[Ce(NO
3)
3・6H
2O]、3.88gの硝酸ルビジウム[RbNO
3]を加え、原料スラリーを調製した。
上記原料スラリーを38℃で3.5時間撹拌し、前駆体スラリーを調製した。得られた前駆体スラリーの粘度は85cpであった。次いで、前駆体スラリーを回転円盤式の噴霧乾燥器を用いて乾燥させた。このとき、乾燥機入口の空気温度は230℃とし、出口の空気温度は110℃とした。また、円盤の回転数は12500回転/分に設定した。得られた乾燥体を200℃で5分間保持し、200℃から450℃まで2.5℃/分で昇温し、450℃で20分間保持することで脱硝した。得られた脱硝粉を600℃で2時間焼成して、触媒を得た。
【0061】
[実施例18]
組成がMo
12.00Bi
0.82Fe
1.45Co
8.14Ce
0.55Rb
0.13で表される金属酸化物を40質量%のシリカに担持した触媒を、以下の手順で製造した。
【0062】
30質量%のSiO
2を含むシリカゾル1333gに、水200gに溶解させたシュウ酸二水和物25.0gを加えた(前駆体スラリーにおいて金属元素の総和に対し0.039モル当量)。855.9gの水に溶解させた462.7gのパラモリブデン酸アンモニウム[(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2O]を撹拌下で加え、さらに、16.6質量%の硝酸391.1gに溶解させた88.5gの硝酸ビスマス[Bi(NO
3)
3・5H
2O]、128.2gの硝酸鉄[Fe(NO
3)
3・9H
2O]、517.3gの硝酸コバルト[Co(NO
3)
2・6H
2O]、52.4gの硝酸セリウム[Ce(NO
3)
3・6H
2O]、4.06gの硝酸ルビジウム[RbNO
3]を加え、原料スラリーを調製した。
上記原料スラリーを39℃で3.5時間撹拌し、前駆体スラリーを調製した。得られた前駆体スラリーの粘度は80cpであった。次いで、前駆体スラリーを回転円盤式の噴霧乾燥器を用いて乾燥させた。このとき、乾燥機入口の空気温度は230℃とし、出口の空気温度は110℃とした。また、円盤の回転数は12500回転/分に設定した。得られた乾燥体を200℃で5分間保持し、200℃から450℃まで2.5℃/分で昇温し、450℃で20分間保持することで脱硝した。得られた脱硝粉を585℃で2時間焼成して、触媒を得た。
【0063】
[実施例19]
組成がMo
12.00Bi
1.05Fe
1.40Co
8.15Ce
0.70Rb
0.13で表される金属酸化物を40質量%のシリカに担持した触媒を、以下の手順で製造した。
【0064】
30質量%のSiO
2を含むシリカゾル1333gに、水200gに溶解させたシュウ酸二水和物25.0gを加えた(前駆体スラリーにおいて金属元素の総和に対し0.040モル当量)。810.3gの水に溶解させた450.8gのパラモリブデン酸アンモニウム[(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2O]を撹拌下で加え、さらに、16.6質量%の硝酸388.6gに溶解させた108.1gの硝酸ビスマス[Bi(NO
3)
3・5H
2O]、120.1gの硝酸鉄[Fe(NO
3)
3・9H
2O]、504.7gの硝酸コバルト[Co(NO
3)
2・6H
2O]、64.5gの硝酸セリウム[Ce(NO
3)
3・6H
2O]、3.96gの硝酸ルビジウム[RbNO
3]を加え、原料スラリーを調製した。
上記原料スラリーを40℃で3.5時間撹拌し、前駆体スラリーを調製した。得られた前駆体スラリーの粘度は74cpであった。次いで、前駆体スラリーを回転円盤式の噴霧乾燥器を用いて乾燥させた。このとき、乾燥機入口の空気温度は230℃とし、出口の空気温度は110℃とした。また、円盤の回転数は12500回転/分に設定した。得られた乾燥体を200℃で5分間保持し、200℃から450℃まで2.5℃/分で昇温し、450℃で20分間保持することで脱硝した。得られた脱硝粉を585℃で2時間焼成して、触媒を得た。
【0065】
[実施例20]
組成がMo
12.00Bi
0.84Fe
2.06Co
6.67Ce
0.56Rb
0.12で表される金属酸化物を40質量%のシリカに担持した触媒を、以下の手順で製造した。
【0066】
30質量%のSiO
2を含むシリカゾル1333gに、水200gに溶解させたシュウ酸二水和物25.0gを加えた(前駆体スラリーにおいて金属元素の総和に対し0.040モル当量)。849.4gの水に溶解させた472.5gのパラモリブデン酸アンモニウム[(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2O]を撹拌下で加え、さらに、16.6質量%の硝酸391.6gに溶解させた90.7gの硝酸ビスマス[Bi(NO
3)
3・5H
2O]、185.4gの硝酸鉄[Fe(NO
3)
3・9H
2O]、432.8gの硝酸コバルト[Co(NO
3)
2・6H
2O]、54.4gの硝酸セリウム[Ce(NO
3)
3・6H
2O]、3.96gの硝酸ルビジウム[RbNO
3]を加え、原料スラリーを調製した。
上記原料スラリーを40℃で3.5時間撹拌し、前駆体スラリーを調製した。得られた前駆体スラリーの粘度は106cpであった。次いで、前駆体スラリーを回転円盤式の噴霧乾燥器を用いて乾燥させた。このとき、乾燥機入口の空気温度は230℃とし、出口の空気温度は110℃とした。また、円盤の回転数は12500回転/分に設定した。得られた乾燥体を200℃で5分間保持し、200℃から450℃まで2.5℃/分で昇温し、450℃で20分間保持することで脱硝した。得られた脱硝粉を580℃で2時間焼成して、触媒を得た。
【0067】
[実施例21]
組成がMo
12.00Bi
0.27Fe
0.95Co
9.64Ce
0.18Rb
0.13で表される金属酸化物を40質量%のシリカに担持した触媒を、以下の手順で製造した。
【0068】
30質量%のSiO
2を含むシリカゾル1333gに、水200gに溶解させたシュウ酸二水和物25.0gを加えた(前駆体スラリーにおいて金属元素の総和に対し0.038モル当量)。869.3gの水に溶解させた483.6gのパラモリブデン酸アンモニウム[(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2O]を撹拌下で加え、さらに、16.6質量%の硝酸396.7gに溶解させた29.4gの硝酸ビスマス[Bi(NO
3)
3・5H
2O]、88.0gの硝酸鉄[Fe(NO
3)
3・9H
2O]、640.5gの硝酸コバルト[Co(NO
3)
2・6H
2O]、17.5gの硝酸セリウム[Ce(NO
3)
3・6H
2O]、4.31gの硝酸ルビジウム[RbNO
3]を加え、原料スラリーを調製した。
上記原料スラリーを41℃で3.5時間撹拌し、前駆体スラリーを調製した。得られた前駆体スラリーの粘度は90cpであった。次いで、前駆体スラリーを回転円盤式の噴霧乾燥器を用いて乾燥させた。このとき、乾燥機入口の空気温度は230℃とし、出口の空気温度は110℃とした。また、円盤の回転数は12500回転/分に設定した。得られた乾燥体を200℃で5分間保持し、200℃から450℃まで2.5℃/分で昇温し、450℃で20分間保持することで脱硝した。得られた脱硝粉を590℃で2時間焼成して、触媒を得た。
【0069】
[実施例22]
組成がMo
12.00Bi
0.27Fe
0.95Co
8.16Ni
1.48Ce
0.18Rb
0.13で表される金属酸化物を40質量%のシリカに担持した触媒を、以下の手順で製造した。
【0070】
30質量%のSiO
2を含むシリカゾル1333gに、水200gに溶解させたシュウ酸二水和物25.0gを加えた(前駆体スラリーにおいて金属元素の総和に対し0.038モル当量)。869.4gの水に溶解させた483.7gのパラモリブデン酸アンモニウム[(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2O]を撹拌下で加え、さらに、16.6質量%の硝酸396.7gに溶解させた29.4gの硝酸ビスマス[Bi(NO
3)
3・5H
2O]、88.0gの硝酸鉄[Fe(NO
3)
3・9H
2O]、542.5gの硝酸コバルト[Co(NO
3)
2・6H
2O]、98.0gの硝酸ニッケル[Ni(NO
3)
2・6H
2O]、17.6gの硝酸セリウム[Ce(NO
3)
3・6H
2O]、4.31gの硝酸ルビジウム[RbNO
3]を加え、原料スラリーを調製した。
上記原料スラリーを40℃で3.5時間撹拌し、前駆体スラリーを調製した。得られた前駆体スラリーの粘度は64cpであった。次いで、前駆体スラリーを回転円盤式の噴霧乾燥器を用いて乾燥させた。このとき、乾燥機入口の空気温度は230℃とし、出口の空気温度は110℃とした。また、円盤の回転数は12500回転/分に設定した。得られた乾燥体を200℃で5分間保持し、200℃から450℃まで2.5℃/分で昇温し、450℃で20分間保持することで脱硝した。得られた脱硝粉を585℃で2時間焼成して、触媒を得た。
【0071】
[実施例23]
組成がMo
12.00Bi
0.27Fe
0.95Co
7.67Ni
1.97Ce
0.18Rb
0.13で表される金属酸化物を40質量%のシリカに担持した触媒を、以下の手順で製造した。
【0072】
30質量%のSiO
2を含むシリカゾル1333gに、水200gに溶解させたシュウ酸二水和物25.0gを加えた(前駆体スラリーにおいて金属元素の総和に対し0.038モル当量)。869.4gの水に溶解させた483.7gのパラモリブデン酸アンモニウム[(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2O]を撹拌下で加え、さらに、16.6質量%の硝酸396.8gに溶解させた29.4gの硝酸ビスマス[Bi(NO
3)
3・5H
2O]、88.0gの硝酸鉄[Fe(NO
3)
3・9H
2O]、509.9gの硝酸コバルト[Co(NO
3)
2・6H
2O]、130.6gの硝酸ニッケル[Ni(NO
3)
2・6H
2O]、17.6gの硝酸セリウム[Ce(NO
3)
3・6H
2O]、4.31gの硝酸ルビジウム[RbNO
3]を加え、原料スラリーを調製した。
上記原料スラリーを39℃で3.5時間撹拌し、前駆体スラリーを調製した。得られた前駆体スラリーの粘度は74cpであった。次いで、前駆体スラリーを回転円盤式の噴霧乾燥器を用いて乾燥させた。このとき、乾燥機入口の空気温度は230℃とし、出口の空気温度は110℃とした。また、円盤の回転数は12500回転/分に設定した。得られた乾燥体を200℃で5分間保持し、200℃から450℃まで2.5℃/分で昇温し、450℃で20分間保持することで脱硝した。得られた脱硝粉を590℃で2時間焼成して、触媒を得た。
【0073】
[実施例24]
組成Mo
12.00Bi
0.27Fe
0.95Co
6.69Ni
2.95Ce
0.18Rb
0.13で表される金属酸化物を40質量%のシリカに担持した触媒を、以下の手順で製造した。
【0074】
30質量%のSiO
2を含むシリカゾル1333gに、水200gに溶解させたシュウ酸二水和物25.0gを加えた(前駆体スラリーにおいて金属元素の総和に対し0.038モル当量)。869.5gの水に溶解させた483.7gのパラモリブデン酸アンモニウム[(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2O]を撹拌下で加え、さらに、16.6質量%の硝酸396.8gに溶解させた29.4gの硝酸ビスマス[Bi(NO
3)
3・5H
2O]、88.0gの硝酸鉄[Fe(NO
3)
3・9H
2O]、444.5gの硝酸コバルト[Co(NO
3)
2・6H
2O]、195.9gの硝酸ニッケル[Ni(NO
3)
2・6H
2O]、17.6gの硝酸セリウム[Ce(NO
3)
3・6H
2O]、4.31gの硝酸ルビジウム[RbNO
3]を加え、原料スラリーを調製した。
上記原料スラリーを40℃で3.5時間撹拌し、前駆体スラリーを調製した。得られた前駆体スラリーの粘度は71cpであった。次いで、前駆体スラリーを回転円盤式の噴霧乾燥器を用いて乾燥させた。このとき、乾燥機入口の空気温度は230℃とし、出口の空気温度は110℃とした。また、円盤の回転数は12500回転/分に設定した。得られた乾燥体を200℃で5分間保持し、200℃から450℃まで2.5℃/分で昇温し、450℃で20分間保持することで脱硝した。得られた脱硝粉を595℃で2時間焼成して、触媒を得た。
【0075】
[比較例1]
原料スラリーを20℃で3.5時間撹拌した以外は実施例1と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は129cpであった。
【0076】
[比較例2]
原料スラリーを40℃で24時間撹拌した以外は実施例1と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は31cpであった。
【0077】
[比較例3]
原料スラリーを40℃で0.1時間撹拌した以外は実施例1と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は71cpであった。
【0078】
[比較例4]
シュウ酸二水和物を添加せず、原料スラリーを41℃で3.5時間撹拌した以外は実施例1と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は70cpであった。
【0079】
[比較例5]
シュウ酸二水和物を添加せず、原料スラリーを20℃で3.5時間撹拌した以外は実施例1と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は135cpであった。
【0080】
[比較例6]
原料スラリーを40℃で10時間撹拌した以外は実施例1と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は40cpであった。
【0081】
[比較例7]
原料スラリーを22℃で3.5時間撹拌した以外は実施例7と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は136cpであった。
【0082】
[比較例8]
原料スラリーを55℃で3.5時間撹拌した以外は実施例7と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は65cpであった。
【0083】
[比較例9]
原料スラリーを20℃で3.5時間撹拌した以外は実施例9と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は107cpであった。
【0084】
[比較例10]
原料スラリーを23℃で3.5時間撹拌した以外は実施例10と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は103cpであった。
【0085】
[比較例11]
原料スラリーを19℃で3.5時間撹拌した以外は実施例11と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は140cpであった。
【0086】
[比較例12]
原料スラリーを40℃で24時間撹拌した以外は実施例11と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は33cpであった。
【0087】
[比較例13]
原料スラリーを40℃で0.1時間撹拌した以外は実施例11と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は85cpであった。
【0088】
[比較例14]
シュウ酸二水和物を添加せず、原料スラリーを41℃で3.5時間撹拌した以外は実施例11と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は83cpであった。
【0089】
[比較例15]
シュウ酸二水和物を添加せず、原料スラリーを21℃で3.5時間撹拌した以外は実施例11と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は142cpであった。
【0090】
[比較例16]
原料スラリーを40℃で10時間撹拌した以外は実施例11と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は42cpであった。
【0091】
[比較例17]
原料スラリーを20℃で3.5時間撹拌した以外は実施例17と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は111cpであった。
【0092】
[比較例18]
原料スラリーを19℃で3.5時間撹拌した以外は実施例18と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は96cpであった。
【0093】
[比較例19]
原料スラリーを21℃で3.5時間撹拌した以外は実施例19と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は86cpであった。
【0094】
[比較例20]
原料スラリーを20℃で3.5時間撹拌した以外は実施例20と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は125cpであった。
【0095】
[比較例21]
原料スラリーを20℃で3.5時間撹拌した以外は実施例21と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は106cpであった。
【0096】
[比較例22]
原料スラリーを22℃で3.5時間撹拌した以外は実施例22と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は84cpであった。
【0097】
[比較例23]
原料スラリーを18℃で3.5時間撹拌した以外は実施例23と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は91cpであった。
【0098】
[比較例24]
原料スラリーを20℃で3.5時間撹拌した以外は実施例24と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は82cpであった。
【0099】
[比較例25]
原料スラリーを39℃で24時間撹拌した以外は実施例24と同様にして、触媒を製造した。このときスラリーの粘度は52cpであった。
【0100】
実施例1〜24及び比較例1〜25で得られた触媒の製造条件及び触媒の組成を表1に示した。
【0101】
〔アンモ酸化反応条件及び成績〕
プロピレンのアンモ酸化反応に使用する反応管には、10メッシュの金網を1cm間隔で16枚内蔵した内径25mmのパイレックス(登録商標)ガラス管を使用した。触媒量50cc、反応温度430℃、反応圧力0.17MPaに設定し、プロピレン9容積%の混合ガス(プロピレン、アンモニア、酸素、ヘリウム)を通過させた。各実施例及び比較例におけるアンモニア/プロピレンのモル比及び酸素/プロピレンのモル比は表2に示す値とした。プロピレンに対するアンモニアの容積比は、下記式で定義される硫酸原単位が20±2kg/T−ANとなるように設定した。プロピレンに対する酸素の容積比は、反応器出口ガスの酸素濃度が0.2±0.02容積%になるように設定した。また混合ガスの流速を変更することで、下記式で定義される接触時間を変更した。これによって下記式で定義されるプロピレン転化率が99.3±0.2%となるように設定した。反応によって生成するアクリロニトリル収率は下記式のように定義される値とした。
【0102】
【数3】
【0103】
〔耐磨耗性強度測定〕
“Test Method for Synthetic Fluid Cracking Catalyst”(American Cyanamid Co.Ltd.6/31−4m−1/57)に記載の方法(以下「ACC法」と称する。)に準じて、摩耗損失として触媒の耐摩耗性強度(アトリッション強度)の測定を行った。
アトリッション強度は摩耗損失で評価され、この摩耗損失は以下のように定義される値とした。
摩耗損失(%)=R/(S−Q)×100
上記式において、Qは0〜5時間の間に外部に摩耗飛散した触媒の質量(g)、Rは通常5〜20時間の間に外部に摩耗飛散した触媒の質量(g)、Sは試験に供した触媒の質量(g)とした。
【0104】
実施例及び比較例で得られた触媒の反応条件、反応成績、アトリッション強度を表2に示す。表2において、「AN収率」はアクリロニトリル収率を示し、「ATT強度」はアトリッション強度を示す。なお、反応時間は20時間とした。
【0105】
【表1】
【0106】
【表2】
【0107】
表2のとおり、本実施形態によって製造された触媒を使用したプロピレンのアンモ酸化反応において、良好な収率でアクリロニトリルを得ることができた。さらに本実施形態によって製造された触媒は流動床触媒として良好な摩耗強度を示した。