(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ケースと、前記ケースに収容されたバッテリーセルと、前記バッテリーセルに電気的に接続された電極端子(4101)と、前記ケースを封入するための蓋板(4102)とを含む、単セル(4100)であって、前記電極端子(4101)は前記蓋板(4102)に配置され、前記電極端子はバッテリーポスト(4104)を含み、このバッテリーポストは、前記蓋板(4102)を貫通し、かつ内部ガイド部材(4196)を使用することによって、前記バッテリーセルに電気的に接続され、前記単セルは、さらに、前記バッテリーポスト(4104)に取り付けられた電流遮断器(4200)を含み、前記電流遮断器(4200)は、前記ケース内のガスと連通するフリップ部材(4202)を有し、前記フリップ部材(4202)は、接続点を使用することによって、前記バッテリーポスト(4104)の外側端部面に接続され、前記接続点は、空気圧の作用下で切り離され得、
前記バッテリーポスト(4104)と前記蓋板(4102)との間に第1のセラミック製リング(4207)が接続され、
前記バッテリーポスト(4104)と前記フリップ部材の外周面との間に第2のセラミック製リング(4198)が接続され、
前記バッテリーポスト(4104)は、前記接続点を取り囲む環状ボス(4297)を有し、前記第1のセラミック製リング(4207)は、前記環状ボス(4297)の後方凹状部分に収容され、前記第1のセラミック製リング(4207)は、前記蓋板(4102)に接続され、前記環状ボス(4297)の半径方向外側側面は、前記第2のセラミック製リング(4198)を支持し、前記第2のセラミック製リング(4198)は、前記フリップ部材(4202)の前記外周面を支持している、
単セル。
前記フリップ部材(4202)にはノッチ(4205)が設けられていて、前記ノッチ(4205)は、前記接続点を取り囲んで配置されている、請求項1または2に記載の単セル。
前記接続点は、前記ケース内の第1の空気圧の作用下で引き離され得、前記ノッチ(4205)は、第2の空気圧の作用下で引き離され得、前記第2の空気圧は前記第1の空気圧を上回る、請求項4に記載の単セル。
前記フリップ部材(4202)はカバーキャップ(4210)によって覆われ、および前記カバーキャップ(4210)には空気孔(4197)が設けられている、請求項4に記載の単セル。
【発明を実施するための形態】
【0024】
下記では、添付図面を参照して、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。本明細書の具体的な実施形態は、単に本発明を説明するために使用され、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【0025】
他に特に規定がなければ、本発明で使用される「上、下、左、および右」などの位置の名詞は、一般的に、対応する添付図面の図面の平面の方向に基づいて定義され、「内および外」は、対応する構成要素の内側部分および外側部分を指す。
【0026】
本発明は、電流遮断器、単セル、バッテリーモジュール、電源バッテリー、および電気自動車の技術的な解決法を提供する。電流遮断器は、単セル内に配置される。複数の単セルは、直列や並列に接続されてバッテリーモジュールを形成し、バッテリーパック内に設置されて、電源バッテリーを形成し得る。さらに、電源バッテリーの分野に加えて、本発明において提供される様々な技術的な解決法は、さらに、他のバッテリーの分野にも広範に適用され得る。具体的には、本発明は、単セル100、1100、2100、3100、および4100に関し、および電流遮断器200、1200、3200、4200、および防爆弁2200に関する。さらに、本発明は、さらに、電源バッテリーを有する充電/放電保護システムに関する。下記では、添付図面を参照して実施形態について詳細に説明する。
【0027】
本発明は、最初に、複数の単セル100、1100、2100、3100、および4100を含むバッテリーモジュールを提供する。単セルは、ケースと、ケース内に収容されたバッテリーセルと、バッテリーセルに電気的に接続された電極端子101、1101、2101、3101、および4101と、ケースを封入するための蓋板102、1102、2102、3102、および4102とを含み得る。電極端子は蓋板に配置され、電流を入力および出力する。単セルは、電流遮断器200、1200、3200、および4200または防爆弁2200を含む。電流遮断器または防爆弁は、電極端子に電気的に接続される。それゆえ、電極端子での電流の入力および出力は、電流遮断器の作用下で制御され得る。すなわち、単セル内の電流遮断器または防爆弁は、通常、バッテリーセルに接続されている。この場合、電極端子は、正常に、電流を入力および出力して、単セルの充電/放電動作を完了できる。しかしながら、緊急状態では、例えば、バッテリーが過充電されるとき、電流遮断器または防爆弁は、電極端子の電流の入力および出力を停止し、バッテリーが過度の割合で再充電されるのを防止し得る。それゆえ、電流遮断器の信頼性は、重要な安全対策として、極めて重大である。すなわち、電流遮断器は、素早く応答することができる必要がある。さらに、電流遮断器または防爆弁は、選択的に、蓋板に対して固定されてもよい。すなわち、電流遮断器または防爆弁は、蓋板に直接固定されても、または蓋板に接続されるかまたは蓋板に対して固定された任意の構成要素に固定されてもよい。例えば、電流遮断器または防爆弁は、蓋板において電極端子に取り付けられる。
【0028】
本発明では、電流遮断器または防爆弁は、それぞれ、空気圧を感知するための機械的な構造である。具体的には、電流遮断器は、単セルのケース内のガスと連通し、かつ、空気圧の作用下で、電流遮断器を通る電流を遮断し得る。具体的には、内部構成要素間の接続は、送電すなわち電流の伝達を停止するために切り離されてもよく、それにより、タイミング良くバッテリーの充電/放電を停止する。空気圧源が使用されるのは:例えば、バッテリーの過充電が発生するなどの緊急時に、バッテリー内にガスを生成させ、それにより、ケース内の空気圧を上昇させるとか、または使用中にバッテリーに例外が発生したとき、バッテリーの温度を上昇させ、かつバッテリー内の空気圧を上昇させるとかすることにより、電流遮断器または防爆弁を駆動するための空気圧の力を生成する場合である。
【0029】
図1〜
図12は、いくつかの実施形態を提供する。
図3〜
図6、
図8、および
図10に示すように、電流遮断器200は、導電部材201と、導電部材201に電気的に接続されたフリップ部材202とを有する。フリップ部材202と導電部材201は、空気圧の作用下で、互いに電気的に切り離され得る。本発明では、電気的な切り離しは、異なる方法で実現され得る。間の接続点が切り離され得る。例えば、導電部材とフリップ部材との間の溶接スポットが除去されて、電気的な切り離しを実現する。あるいは、導電部材およびフリップ部材の少なくとも一方が破壊される。例えば、対応する構成要素に脆弱ノッチが作製されて、構造の切り離しを実現し、それにより、電気的な切り離しを実現する。すなわち、空気圧の作用下で機械的な構造を切り離すことによって電流を遮断する目的は、本発明において達成される。
【0030】
このようにして、例えば、バッテリーが過充電されるとき、バッテリー内に間隙が生じ、それゆえ空気圧が上昇する。この場合、フリップ部材202は、弾ける動作を実行することによって導電部材201から切り離されるため、電極端子101とその外部との間の回路が切り離され、かつ、バッテリーの充電が停止され、それにより、バッテリー内の空気圧がさらに上昇するのを回避し、かつ、バッテリーの安全性を保証する。
【0031】
電極端子101は、バッテリーセルに電気的に接続されたバッテリーポスト104を含む。例えば、バッテリーポスト104は、内部ガイド部材を使用することによって、バッテリーセルに接続されている。バッテリーポスト104は蓋板102を貫通して、ケースからの電流を誘導する。電流遮断器200はバッテリーポスト104に取り付けられる。このようにして、バッテリー内の空気圧は、バッテリーポスト104を使用することによって検出され得るため、感度は高い。さらに、電流遮断器200は、さらに電極端子に接続される必要はないため、それにより、プロセスを容易にする。
【0032】
電源バッテリーの分野などの分野では、高電流を通す必要がある。それゆえ、導電部材201およびフリップ部材202の溶接構造の安定性が保証され、高電流が溶接構造を破壊するのを防止する必要がある。このようにして、ある実施形態では、
図5および
図6に示すように、フリップ部材202と導電部材201は、ボス溶接構造を使用することによって、互いに接続される。ボス溶接構造は、ボス203、ボス203を収容する接続孔204、およびボス203と接続孔204との間に設置された環状溶接スポット217を含む。それゆえ、環状溶接スポット217を使用して、接続孔204に収容されたボス203を確実にしっかりと溶接し得、かつ電流の通る領域を大きくして、高電流を通すことを保証し得る。具体的には、ボス203は導電部材201に形成され、かつ接続孔204はフリップ部材202に形成される。さらに具体的には、フリップ部材202は第1のシート様構造に形成され、第1のシート様構造には接続孔204が設けられていて、導電部材201は第2のシート様構造に形成され、第2のシート様構造はボス203を備える。あるいは、別の実施形態では、ボス203はフリップ部材202に配置されてもよく、接続孔204は導電部材201に配置される。さらに、いくつかの実施形態では、その代わりに、フリップ部材202と導電部材201は、レーザ溶け込み溶接法などを使用することによって、溶接され得る。
【0033】
フリップ部材と導電部材は、ノッチを使用することによって、互いに電気的に切り離され得る。すなわち、別の領域にある脆弱部分よりも強度が劣る脆弱部分が、対応する部分に設けられる。導電部材とフリップ部材が互いに完全に切り離されるようにするために、ノッチは、通常、導電部材とフリップ部材との間の接続点、例えば、ボス溶接構造を取り囲む環状構造である。このようにして、電気的な切り離しは、導電部材またはフリップ部材の切り離しによって実現される。ノッチは、フリップ部材に形成されても、または導電部材に形成されてもよい。ある実施形態では、導電部材201にはノッチ205が設けられている。ノッチ205は、フリップ部材202に接続するための接続点を取り囲んでいる。すなわち、環状ノッチが導電部材201に配置されて、ボス203を取り囲んでいる。このようにして、バッテリー内の空気圧が上昇すると、ノッチ205は空気圧の作用下で引き離され得るため、ノッチ205によって取り囲まれるボス203の部分が、フリップ部材202と一緒に導電部材201から分離され、それにより、電流の遮断が実現される。あるいは、別の実装例では、ノッチは、フリップ部材202に形成され得る。
【0034】
図7に示すように、ノッチ205を引き離すのを助けるために、好ましくは、ノッチ205は楕円形である。このようにして、空気圧の作用下、輪郭の曲率が異なるため、曲率の大きい領域に応力がより容易に集中し、受ける力が強くなる。このようにして、そのような領域が最初に引き裂かれ、それにより、ノッチ205を引き離す感度を高め得る。さらに、この実施形態では、ボス203は円形であり、楕円形ノッチ205の中心とボス203の中心は、楕円の長軸の方向に沿ってずらされている。このようにして、楕円の長軸の2つの端部にある領域は、不均一な力を受け得るため、ノッチ205は、局所的な点で容易に引き離され、それにより、ノッチ205の感度が向上する。
【0035】
さらに、フリップ部材202と電極端子101は同軸に配置されてもよく、導電部材201は、電極端子101の軸方向線に対して傾斜して配置される。このようにして、より低い位置にあるノッチを最初に引き離すようにすることにより、ノッチ205を引き離す感度を高め得る。さらに、ノッチ205が楕円形であるとき、設計において、楕円の長軸と導電部材の軸方向線は傾斜して配置される。導電部材がバッテリーポストに取り付けられるとき、導電部材とバッテリーポストの軸方向線も、傾斜して配置される。このようにして、長軸の端部部分での曲率の大きい領域が、最初に容易に引き裂かれ、それにより、ノッチ205が、必要な時には、普通に、確実に引き離され得、および電流遮断器200の正常な動作を保証する。
【0036】
さらに、ノッチ205が引き離されるのをさらに確実にするために、その代わりに、
図7に示すように、設計上、ノッチ205には脆弱孔206が設けられている。このようにして、ノッチ205は、脆弱孔206の箇所で容易に引き離される。脆弱孔206のサイズ、および脆弱孔206の数量は、実際の状況に従って設定され得る。好ましくは、複数の脆弱孔206が、ノッチ205に沿って間隔をおいて配置される。脆弱の効果に加えて、ノッチが導電部材201に設計されるときには、脆弱孔206は、さらに、空気誘導のために使用され得るため、脆弱孔206を使用することによって、バッテリー内のガスが空気圧をフリップ部材202に適用し得る。
【0037】
図3、
図8、および
図10に示すように、電流遮断器200がバッテリーポスト104、104’、および104’’に取り付けられると、導電部材201は、バッテリーポスト104、104’、および104’’の外側端部面に接続され、およびフリップ部材202の外周面は、蓋板102に対して固定される。このようにして、空気圧の作用下で、フリップ部材202の外周面を支持点として使用し、導電部材201に形成されたノッチ205が引き離され得る。さらに、フリップ部材202を空気圧の作用下にあるようにするために、フリップ部材の外周面はシールされ得る、例えば、溶接によって蓋板に対して密接に接続させ、内部空気圧が、フリップ部材に力を加えて、ノッチ205を引き離し得るようにし得る。本明細書および同様の説明において、外側端部または内側端部は、バッテリーポストの軸方向に沿ってケースに対して定義され、環状部材に対する「内および外」、例えば、外周面は、半径方向に沿って環状部材の中心に対して定義される。
【0038】
導電部材201およびバッテリーポスト104’が固定されているときに、導電部材201にあるノッチ205が、依然として確実に引き離され得るようにするために、好ましくは、バッテリーポスト104の外側端部面には収容孔218が設けられていて、導電部材201の外周面は収容孔の内壁に固定される。このようにして、導電部材201は、環状の周面において安定的に固定され得る一方、ノッチ205の内側の領域は、ノッチ205の内側の領域がバッテリーポスト104に接続されないため、フリップ部材202の引張力またはガスの直接の圧力などの外力の作用下で、引き離され得る。
【0039】
本発明では、電流遮断器は、複数の方法でバッテリー内のガスと連通し得る。バッテリーポスト104および104’には、それぞれ、ケースの内側部分と電流遮断器200とを連通する空気誘導ダクトが設けられている。このようにして、空気圧は、バッテリーポスト104および104’の内部構造を直接使用することによって、電流遮断器に適用される。それゆえ、構造は、より単純になる。
【0040】
図8および
図9に示す実施形態では、空気誘導ダクトは、2つのタイプの空気誘導孔103を含む。第1のタイプの空気誘導孔103は、収容孔218とケースの内側部分とを連通するために使用される、すなわち、導電部材201に圧力を直接加えて、ノッチ205の孔を広げる。すなわち、空気誘導ダクトは、収容孔218とケースの内側部分とを連通するための空気誘導孔103を含む。第2のタイプの空気誘導孔103は、フリップ部材202とケースの内側部分とを連通して、フリップ部材に圧力を加えて、ノッチ205を引き離すために使用される。フリップ部材202の応力分配効率を向上させるために、収容孔を取り囲む複数のそのようなタイプの空気誘導孔103がある。それゆえ、2つのタイプの空気誘導孔103の共同作用下で、電流遮断器の感度が向上され得る。
【0041】
具体的には、
図8に示すように、バッテリーポスト104’は蓋板102に固定して接続されるため、電極端子の構造は安定している。外側端部の周面に、バッテリーポスト104’は半径方向ボス105を有し、半径方向ボス105は蓋板102に固定して接続され、第2のタイプの空気誘導孔103は半径方向ボス105に形成されるため、ガスは、フリップ部材202へと流れる。第1のタイプの空気誘導孔103は、バッテリーポスト104’内に、軸方向に沿って形成される。すなわち、半径方向ボス105に設置される空気誘導孔103を使用して、フリップ部材202に圧力を加える一方、収容孔218の下側の空気誘導孔103は、導電部材201に圧力を直接加え得る。
図9に示すように、本発明のこの実施形態では、バッテリーポスト104’の半径方向ボス105およびバッテリーポストの本体は、双方とも、空気誘導孔103が設けられている。バッテリーポストの本体にある第1のタイプの空気誘導孔103は、端部面にある収容孔218と連通しており、かつ4個の第1のタイプの空気誘導孔103があり、これらは、周方向に沿って等間隔に配置されている。あるいは、別の実施形態では、別の数量の第1のタイプの空気誘導孔103があってもよい。これは、本発明に限定されない。
【0042】
図3、
図8、および
図10に示すように、蓋板に電流が流れないようにするために、好ましくは、バッテリーポスト104、104’、および104’’は、蓋板に固定して接続されるときに、蓋板から絶縁される必要がある。それゆえ、バッテリーポスト104、104’、および104’’は、例えば、セラミックろう付けによって蓋板102に密接に接続されたセラミック製リング207および207’に固定して接続される。これにより、プラスチックやゴムを使用することによって実現された絶縁性よりも、高い信頼性および耐候性を達成し、かつ電流遮断器の安定的でかつ密接な接続が実現され得るだけでなく、バッテリーポストと蓋板との間の絶縁も実現され得る。具体的には、バッテリーポスト104、104’、および104’’の外側端部の周面は半径方向ボス105および105’を含み、セラミック製リング207および207’の内縁は、半径方向ボス105および105’を支持しかつそれに接続される半径方向支持体208および208’を有する。半径方向ボス105および105’は、セラミック製リング207および207’に組み込まれ、半径方向支持体208および208’に接続される。すなわち、半径方向支持体208および208’は比較的薄く、階段タイプの収容空間を形成し、そこに、バッテリーポスト104、104’、および104’’が組み込まれる。
【0043】
図11に示す実施形態では、バッテリーポストに空気誘導孔103が設けられている上述のガス放出方法とは異なり、複数の半径方向ボス105’および複数の半径方向支持体208’が、周方向に沿って間隔をおいて配置されている。すなわち、複数の半径方向ボス105’が、周方向に沿って間隔をおいて配置され、複数の半径方向支持体208’が、周方向に沿って間隔をおいて配置されている。さらに、複数の半径方向ボスは、複数の半径方向支持体と1対1で対応している。このようにして、ガス放出は、隣接する半径方向ボス105’間の間隔および半径方向支持体208’間の間隔を使用することによって、実現され得る。構造は、より単純に、かつ精巧になり、加工は容易であり、およびバッテリーポスト104’’は、さらに空気誘導ダクトを備える必要は全くない。それゆえ、導電部材201を組み立てるためのバッテリーポスト104’’の領域は、影響を受けない。さらに、導電部材201のサイズは最大にされて、ノッチのサイズを大きくし、かつノッチを引き離す感度を保証し得る。この実施形態では、等間隔に配置された3個の半径方向ボス105’があり、接続安定性および通気性の双方を保証する。別の実施形態では、別の数量の半径方向ボス、例えば、4個以上の半径方向ボスがあってもよい。
【0044】
セラミック製リング207および207’の外側端部面は、それぞれ、内側リングおよび外側リングを有する段付き構造に形成される。バッテリーポスト104、104’、および104’’は、内側リングと組み込み接続されている。一体形の半径方向ボス105の実施形態では、内側リングは、一体式環状半径方向支持体に形成されるが、分離可能な半径方向ボス105’の実施形態では、内側リングは、上述の間隔をおいて配置される複数の半径方向支持体208’に形成されるという違いがあり、それにより、構造全体をよりコンパクトにし、かつ接続をより安定的にする。
【0045】
上述の実施形態では、外部へ電流が流れる経路を確立するために、好ましくは、セラミック製リング207および207’の外側端部面は、導電リング216に密接に接続され、具体的には、外側リングに接続される。フリップ部材202の外周面は、導電リング216に固定して接続される。すなわち、フリップ部材202は、導電リングを使用することによって、セラミック製リング207および207’に接続される。導電リングは、フリップ部材と外部との間の電流ループを確立し得る。ノッチが引き離された後も、依然として導電リングがバッテリーポストに電気的に接続されて、電流遮断の機能を無効にしないようにするために、好ましくは、導電リング216は、セラミック製リングの外側リングに密接に接続されて、バッテリーポストから絶縁される。換言すると、バッテリーポスト104、104’、および104’’は、セラミック製リングを使用することによって、導電リング216から絶縁されている。さらに、導電リング216は、セラミック製リングに密接に接続されているため、フリップ部材の外周面はシールされ、ケース内の空気圧は、漏れることなく、フリップ部材に作用し得る。
【0046】
導電リングとフリップ部材との間に安定的な接続を実現するために、導電リング216の外側端部面にはL字状のラベットが設けられていて、導電リング216の内側端部面は、セラミック製リングの外側リングに接続するために使用される。フリップ部材202の外周面は、L字状のラベットに組み込まれ、かつそれを支持する。さらに、外周面は、フリップ部材202を覆うカバーキャップ210を使用することによって、L字状のラベットに密接に接続される。それゆえ、フリップ部材202の安定的なシーリングおよび組み立てが実現されている間、電流遮断器200は保護され得る。さらに、導電リング216は、カバーキャップに接続することによって、または互いに直接接続される電極ガイド部片を使用することによって、外界との電流ループを確立し得る。例えば、隣接する単セル100または隣接するバッテリーモジュールは、電極ガイド部片を使用することによって、互いに接続され得る。
【0047】
セラミック製リング207および207’を蓋板102に容易かつ密接に接続するために、好ましくは、セラミック製リング207および207’の内側端部面は、移行リング209に密接に接続される。移行リング209は、セラミックろう付けによってセラミック製リング207および207’に接続され得る。さらに、移行リング209は、蓋板102に密接に接続される。移行リング209は、さらに、セラミック製リング207および207’と蓋板102が間隔をおいて配置されるように、使用され得る。セラミック製リング207および207’は蓋板102と直接組み立てられないため、蓋板102は、セラミック製リングのろう付けの際に発生する高温から保護され得る。さらに、セラミック製リング207および207’の領域は、蓋板102と直接組み立てられる必要があることによっては、制限されない。さらに、セラミック製リング207および207’に特定の設計は必要とされないため、製造および組み立ては便利である。
【0048】
図3、
図8、および
図10に示すように、好ましくは、移行リング209は内側リングおよび外側リングを有し、Z字状の構造を形成する。蓋板102には貫通孔が設けられていて、そこをバッテリーポスト104、104’、および104’’が貫通する。貫通孔の端部面は階段構造である。移行リングの内側リングは、階段構造に組み込まれ、かつそれを支持している。すなわち、
図3、
図8および
図10では、内側リングは底部に設置され、および貫通孔内へと組み込まれており、それにより、それら2つの接触領域を大きくし、かつ接続安定性を保証する。
【0049】
それゆえ、上述の実施形態では、電流遮断器200を実現するために、フリップ部材202の外周面は、シールされる必要がある。具体的には、セラミック製リング207および207’は、フリップ部材の外周面と蓋板との間で密接に接続され、それにより、セラミック製シーリング構造を使用することによって、電流遮断器の安定的かつ信頼性の高い動作を実現する。そのようなセラミック製シーリング構造では、蓋板と移行リングとの間、移行リングとセラミック製リングとの間、セラミック製リングと導電リングとの間、および導電リングとフリップ部材との間の密接な接続によって、ケース内の空気圧は電流遮断器に効果的に作用できるため、電流遮断器の動作は信頼性が高い。組み立ての際、電流遮断器の耐漏性を保証するために、セラミック製リング207および207’は、セラミックろう付けによって、導電リング216、バッテリーポスト104、104’、および104’’、および移行リング209に、別々に、かつ密接に接続される。すなわち、導電リング216、バッテリーポスト104、104’、および104’’、および移行リング209は、最初に、独立したアセンブリを形成し、その後、レーザ溶接によって、移行リング209が蓋板102に組み立てられる。組み立て法は、便利であり、セラミック製リングは、ろう付けによって蓋板に溶接される必要がない。さらに、導電部材201は、レーザ溶接によってバッテリーポスト104、104’、および104’’に接続され得る。フリップ部材と導電部材は、レーザ溶け込み溶接によって、または上述のボス溶接構造を使用することによって、または別の方法で、互いに接続され得る。カバーキャップ210と導電リングは、レーザ溶接によって互いに接続され得る。さらに、バッテリーポスト104、104’、および104’’とバッテリーセルの誘導部片は、レーザ溶接によって溶接されて、電流遮断器のアセンブリ全体を完成させ得る。
【0050】
電流遮断器200の構造は、主に、上記で説明している。下記では、電流遮断器200の配置方法を説明する。
【0051】
上述の空気圧駆動型電流遮断器200の、正常でタイムリーな動作を保証するために、電流遮断器200のサイズは、比較的大きく設計され得る。このようにして、空気圧が変更され得ない場合、力を受ける領域を大きくすることによって、引張り強さを増大させ得る。例えば、フリップ部材の領域は比較的大きく設計して、フリップ部材の引張り強さを増大させる。
図1に示す実施形態では、電流遮断器200は、半径方向に沿って蓋板102から延出するように設計されて、サイズが大きくされている。この場合、バッテリーモジュールには、複数の単セル100がある。外側に延在する電流遮断器200が、隣接する単セル100にある電極端子に影響を及ぼさないようにするために、好ましくは、隣接する単セル間100で、電流遮断器200と、隣接する電極端子は、蓋板の伸長方向において、互い違いにずらされている。これにより、蓋板102に電極端子101が配置されていない領域を十分に使用し得るため、突出する電流遮断器は、蓋板にある構造に影響を及ぼさず、かつバッテリーパック内の空間の占有率は十分に低下され、それにより、封入体におけるエネルギー密度が増加する。本明細書および本発明の下記の説明では、「隣接する単セル間」、「電流遮断器と、隣接する電極端子との間」、または「隣接する電極端子間」の意味は、同じ単セル内で隣接する特徴の接続の代わりに、異なる単セル間の、隣接する特徴の接続を指すことに留意されたい。
【0052】
この実施形態では、電流遮断器200と、隣接する電極端子101は、蓋板の伸長方向において、互い違いにずらされている。別の実施形態では、その代わりに、電流遮断器200と、隣接する電極端子101は、高さ方向において、互い違いにずらされ得る。
【0053】
ある実施形態では、
図1に示すように、隣接する単セル100間で、電流遮断器200は、L字状の接続部材214を使用することによって、隣接する電極端子に接続される。L字状の接続部材214は、カバー部分211およびガイド部分212を有する。カバー部分211は、電流遮断器200を覆い、かつそれに接続される。ガイド部分212は、隣接する電極端子へと延在し、電極端子と隣接されるようにする。
図1に示すL字状の接続部材は、まず、蓋板の伸長方向において電極端子と位置合わせされ、その後、電極端子へと延在する。あるいは、別の実施形態では、L字状の接続部材は、まず、隣接する蓋板へと延在し、その後、電極端子へと延在し、それら2つの電気的接続を実現し得る。
【0054】
別の実施形態では、
図2に示すように、隣接する単セル100間で、電流遮断器200は、フリップ部材202を覆うカバーキャップ210を含む。カバーキャップ210は、蓋板102に沿って延在し、隣接する電極端子と位置合わせされる、すなわち、線形に配置されるカバー部分211とガイド部分212とを有し、線形のI型接続部材215を使用することによって、隣接する電極端子に接続される。I型接続部材215は、さらに、単セル100間で他の電極端子101を接続するように構成され得、そこには、電流遮断器200が配置されない。このようにして、そのような形状のカバーキャップ210によって、バッテリーモジュール全体が、基本的に、このタイプの接続部材のみを必要とし得る。
【0055】
図2に示す実施形態とは異なり、
図12に示すように、その代わりに、単セル100は、比較的大きい電流遮断器に適応するために、拡大され得る。具体的には、単セル100間では、電流遮断器200を備える単セル100の幅は、電流遮断器200を備えない単セルの幅よりも大きい。さらに、電流遮断器200は、蓋板102の幅の縁の近くまで延在するため、電流遮断器200も適応され得る。
【0056】
さらに、対応する単セルの幅が広いため、電流遮断器は、蓋板に突出しないようにされ得るため、隣接する電極端子は、互いに位置合わせされ得る。これはまた、蓋板102から延出する電流遮断器200の、隣接する蓋板102の溶接構造または別の構造に対する影響を回避し得る。さらに、好ましくは、電流遮断器と、隣接する電極端子は、線形のI型接続部材215を使用することによって、互いに接続されるようにされ得る。
【0057】
さらに、使用中、単セル100の幅が増大されるが、バッテリーセルの容量は増加されない。すなわち、電流遮断器200を備える単セル100のバッテリーセル容量は、電流遮断器を備えない単セル100のバッテリーセル容量と同じである。それゆえ、同じモジュール内に、異なる容量を備える単セルが存在することが回避され、それにより、BMSに対する影響を回避する。同じバッテリーセル容量であるため、ケース内の残余空間は、仕切り板を使用することによって、埋められ得る。すなわち、バッテリーセルは、仕切り板によって取り囲まれるため、バッテリーセルの組み立て構造は、安定的である。バッテリーモジュールのサイズおよび単セルのサイズを包括的に考慮して、バッテリーセルのサイズ対仕切り板のサイズの比は、1:1〜2:1とし得る。仕切り板は、電解質抵抗材料で作製され得る。
【0058】
さらに、電流遮断の効果、コスト、および組み立てを考慮して、同じモジュール内の複数の単セル100では、電流遮断器200を備える単セルの数は、3個以下である必要がある。好ましくは、電流遮断器200を備える単セルの数は、3個である。好ましくは、電流遮断器200を備える単セルは、バッテリーモジュールの中心部かつ端部部分上に設置される単セルである。バッテリーモジュールが、連続して配置されたn個の単セルを含む場合、バッテリーモジュールの端部部分上の単セルは、バッテリーモジュールの第1の単セル、およびバッテリーモジュールのn個目の単セルである。nが奇数であるとき、バッテリーモジュールの中心部にある単セルは、バッテリーモジュールの((n+1)/2)個目の単セルである。nが偶数であるとき、バッテリーモジュールの中心部にある単セルは、バッテリーモジュールの(n/2)個目の単セル、または((n+2)/2)個目の単セルであり、ここで、n≧3である。
【0059】
図1〜
図12による実施形態で提供される電流遮断器、単セル、およびバッテリーモジュール、
図1〜
図12の実施形態によるボス溶接構造、楕円形ノッチ、およびセラミック製リングなどの特徴は、本発明の思想から逸脱することなく、全て、下記の他の実施形態に適用され得る。下記では、
図13〜
図17を参照して、本発明の別の実施形態による単セルを説明する。
【0060】
図13〜
図15に示すように、実施形態は単セル1100を提供する。単セル1100は、ケースと、ケース内に収容されたバッテリーセルと、バッテリーセルに電気的に接続された電極端子1101と、ケースを封入するための蓋板1102とを含む。電極端子1101は、蓋板1102に配置されて、電流を入力および出力する。単セル1100は、さらに、ケース内のガスと連通する電流遮断器1200を含む。
図1〜
図12による実施形態において電極端子に取り付けられている方法とは異なり、電流遮断器1200は、蓋板に配置され、かつケース内のガスと連通している。電流遮断器1200は、導電部材1201と、導電部材1201に電気的に接続されたフリップ部材1202とを有する。フリップ部材1202と導電部材1201は、空気圧の作用下で、互いに電気的に切り離され得る。すなわち、電流遮断器1200の動作原理は、基本的には、
図1〜
図12による実施形態における電流遮断器と同じである。両動作原理において、回路は、単セル内の空気圧を感知することによって実現される、フリップ部材が弾けることに起因して、切り離される。
【0061】
図17に示すように、電流遮断器1200は電極端子に配置されないため、導電部材1201は、フリップ部材1202に接続された本体部分1299と、本体部分1299から電極端子1101まで延在しかつ電極端子1101に接続される接続部分1298とを含む。それゆえ、この実施形態では、電流遮断器1200は蓋板に配置される。これは、電極端子1101の高さが高くなることを回避することができ、それにより、蓋板の長さ空間を使用することによって、バッテリー容量密度を高める。
【0062】
図15〜
図17に示すように、この実施形態では、導電部材1201の本体部分1299は、ケース内のガスと連通しており、かつノッチ1205が設けられている。ノッチ1205は、フリップ部材1202に接続するための接続点の周りに配置される。このようにして、ノッチは、内部空気圧下で引き離され、それにより、フリップ部材と導電部材との間の電気的接続を切り離す。さらに、ノッチ1205には通気孔1206が設けられている。このようにして、通気孔1206を使用して、フリップ部材1202に空気圧を加えることができるようにし、フリップ部材を使用して、ノッチに引張力を加える。さらに、ノッチ1205は、通気孔1206の箇所において、容易に引き離され得、それにより、フリップ部材1202の感度を改善する。この場合、その代わりに、ノッチは、フリップ部材に配置されてもよい。ノッチ1205に沿って間隔をおいて配置される複数の通気孔1206があってもよい。さらに、ノッチ、通気孔などの特徴に関し、
図1〜
図12による実施形態における全ての特徴が、この実施形態に適用され得る。別の実施形態では、導電部材の本体部分およびフリップ部材には、別々にノッチが設けられていてもよい。このようにして、ケース内の空気圧が連続的に上昇するとき、導電部材にあるノッチを引き離すことに加えて、フリップ部材にあるノッチが、さらに引き離され得る。この場合、バッテリー内のガスは、フリップ部材から外部へ排出され得、それにより、単セルのケース内の空気圧がさらに上昇するのを回避する。さらに、バッテリーの封入体内のガスセンサーは、その代わりに、アラームを感知するかまたは回路を切り離すようにされ得る。この部分については、下記で詳細に説明する。
【0063】
具体的には、本体部分にあるノッチ1205は、ケース内の第1の空気圧の作用下で引き離され、フリップ部材にあるノッチは、ケース内の第2の空気圧の作用下で引き離され得、および第2の空気圧は第1の空気圧を上回る。すなわち、導電部材の本体部分にあるノッチの強度は、フリップ部材にあるノッチの強度を下回るため、導電部材の本体部分にあるノッチは、より小さい第1の空気圧によって、引き離され得る。フリップ部材にあるノッチは、空気圧が上昇しない限り、圧力除去のために、さらに引き離されることはない。
【0064】
この実施形態では、フリップ部材1202が、ケース内の空気圧の作用下となり得るのを保証するために、フリップ部材1202の外周面は導電部材1201に密接に接続されるため、ガスがフリップ部材の外周面から漏れるのを防止し、かつ圧力除去を防止する。具体的には、蓋板1102には、ケース内のガスと連通する通気孔が設けられ、および蓋板は、通気孔を取り囲む第1のセラミック製リング1207に密接に接続される。本体部分1299は第1のセラミック製リング1207に密接に接続されるため、内部空気圧は、外部に漏れる代わりに、本体部分1299に加えられ得る。さらに、フリップ部材1202を安定的に組み立てるために、フリップ部材1202の外周面は第2のセラミック製リング1296に密接に接続され、第2のセラミック製リングは導電部材1201に密接に接続される。それゆえ、第2のセラミック製リングの絶縁特徴によって、フリップ部材1202の外周面は安定的に支持されることができ、導電部材は、第2のセラミック製リング1296を使用することによって、フリップ部材1202の外周面から絶縁され得る。このようにして、ノッチ1205が引き離された後で、フリップ部材1202および導電部材1201が電流の切り離しが維持された後、それにより、電流を遮断する。
【0065】
具体的には、
図16および
図17に示すように、導電部材1201の本体部分1299は、ノッチ1205を取り囲む環状ボス1297を備える。このようにして、環状ボス1297の構造によって、半径方向において環状ボス1297の内側側面は、ノッチ1205および他の特徴を形成するために使用され、環状ボス1297の後方凹状部分は第1のセラミック製リング1207を密接に収容する。さらに、環状ボス1297の外側側面は、第2のセラミック製リング1296をしっかりと支持するために使用され得る。このようにして、この実施形態では、
図16および
図17に示す導電部材1201の独特の特徴によって、電流遮断器1200は、容易に取り付けられ得る。
【0066】
さらに、第1のセラミック製リング1207は、移行リング1209を使用することによって、蓋板1102に密接に接続される。
図17に示すように、移行リング1209は、通気孔の内壁に組み込まれた接続本体と、第1のセラミック製リング1207に接続するためのフランジリングとを有する。フランジリングは、半径方向に沿って接続本体から突出し、かつ蓋板に対して密接に押し付ける。それゆえ、電流遮断器1200の安定的な取り付けが保証され、第1のセラミック製リング1207は、蓋板1102に直接接続される必要がない。
【0067】
この実施形態では、接続の便宜上、好ましくは、
図17に示すように、電極端子1101は、蓋板1102を貫通してバッテリーセルに電気的に接続されたバッテリーポスト1104を含む。
図14および
図16に示すように、導電部材1201の接続部分1298には、スロット1295が設けられている。バッテリーポスト1104はスロット1295を突き抜け、バッテリーポスト1104はスロット1295に溶接されるため、バッテリーポスト1104は、導電部材1201に安定的に接続される。さらに、
図15に示すように、電流遮断器1200は、フリップ部材1202を覆いかつフリップ部材1202に電気的に接続される接続部材1210を含む。接続部材1210は、フリップ部材1202を覆うカバー部分1294と、カバー部分1294から延出するガイド部分1293とを含む。接続部材1210は、
図1〜
図12に示す実施形態によるL字状の接続部材214の構造と同じ構造に形成され得る。すなわち、カバー部分とガイド部分は、L字状の接続部材を形成する。このようにして、電流は、電流遮断器1200から隣接する電極端子へ、またはモジュールから出て、容易に誘導され得る。
【0068】
単セルの少なくとも1つが単セル1100であるバッテリーモジュールでは、電流遮断器は、半径方向において蓋板から延出し、それにより、力を受ける領域を大きくし、かつ引張り強さを増大させる。隣接する単セル間で、電流遮断器と、隣接する電極端子は、蓋板1102の伸長方向において、互い違いにずらされ、隣接する蓋板の構造の影響を回避する。さらに、
図1〜
図12による実施形態と同じく、電流遮断器1200を備える最大3個の単セル1100がある。
【0069】
図13〜
図17による実施形態で提供される単セルは上記で説明されており、
図1〜
図12の実施形態による異なる特徴が主に説明される。実施形態のこれらの特徴は、矛盾がないときには、互いに置き換えられてもまたは組み合わせられてもよい。このために、本発明において詳細について再び説明することはない。
【0070】
下記では、
図18を参照して、本発明の実施形態による単セル2100を説明する。単セル2100は、ケースと、ケース内に収容されたバッテリーセルと、バッテリーセルに電気的に接続された電極端子2101と、ケースを封入するための蓋板2102とを含む。電極端子2101は蓋板2102に配置される。単セルは、バッテリーセルに電気的に接続された第1の電極誘導部材2298と、電極端子2101に電気的に接続された第2の電極誘導部材2297とを含む。蓋板2102は、さらに、ケース内のガスと連通する防爆弁2200を備える。防爆弁2200は、第1の電極誘導部材2298と第2の電極誘導部材2297を接続するフリップ部材2202を有する。すなわち、2つの電極誘導部材は、フリップ部材2202を使用することによって、互いに接続される。
【0071】
第1の電極誘導部材2298および/または第2の電極誘導部材2297には、第1のノッチ2205が設けられている。第1のノッチ2205は、ケース内の空気圧の作用下で切り離されて、第1の電極誘導部材2298および/または第2の電極誘導部材2297を流れる電流を遮断し得る。すなわち、第1のノッチは、第1のノッチが設けられた電極誘導部材が切り離されるように使用され、それにより、電流を遮断する。それゆえ、バッテリーセルと電極端子は、2つの電極誘導部材のうちの少なくとも一方に第1のノッチが設けられるとき、互いに電気的に切り離され得、それにより、単セルと外部との間の電流を遮断する。さらに、フリップ部材2202には、さらに、第2のノッチ2299が設けられている。第2のノッチ2299は、ケース内の空気圧の作用下で切り離され得るため、ケース内のガスが、フリップ部材2202を通して外部へ排出される。すなわち、第2のノッチはガス放出に使用される。第2のノッチが切り離された後、内部ガスは外部へ排出され得、それにより、バッテリー内の空気圧のさらなる上昇によって引き起こされる爆発を回避し、かつ防爆効果を達成する。
【0072】
具体的には、第1のノッチは、ケース内の第1の空気圧の作用下で引き離され得、第2のノッチは、ケース内の第2の空気圧の作用下で引き離され得、第2の空気圧は第1の空気圧を上回る。すなわち、第1のノッチ2205の強度は、第2のノッチ2299の強度に劣るため、第1のノッチ2205は、より小さい第1の空気圧によって引き離され得る。第2のノッチ2299は、空気圧が上昇し続けない限り、圧力除去のためにさらに引き離されることはない。
【0073】
図18に示すように、この実施形態では、2つの電極誘導部材は、長尺状シート構造にあるとし得るため、電流は遮断され得る。第1のノッチ2205は、一方の面にある縁から他方の面の縁まで、長尺状シート構造の幅方向に沿って延在する。このようにして、長尺状シート構造は、第1のノッチに沿ってタイミング良く破壊され得る。フリップ部材2202は、環状外壁を備え得る。2つの電極誘導部材は、通電を実現するために、環状外壁に固定して接続され得る。具体的には、本発明では、フリップ部材の環状外壁は、例えば、ボス溶接構造にあるボスを使用することによって、形成され得る。さらに、フリップ部材は、さらに、円錐状リング構造に形成される。円錐状リングは、ボスからフリップ部材の外周面まで外向きに斜めに延在して、ボウル形状のフリップ部材を形成する。さらに、第2のノッチは、フリップ部材の周面の周りに円環形に形成され得るため、第2のノッチは、空気圧の作用下で完全に切り離され得、それにより、ガス圧力除去の効率を高める。具体的には、第2のノッチは、円錐状リング構造に形成され得る。フリップ部材が空気圧の作用下で効果的に第1のノッチと第2のノッチとを引き離すことができるようにするために、フリップ部材2202の外周面は、比較的安定した方法で、蓋板に密接に接続され、かつそれから絶縁される。それゆえ、一方では、ガスは、第1のノッチと第2のノッチが引き離されず、2つのノッチが効果的に使用されないときには、外部に排出されるのを防止され得る。他方では、蓋板は、接続が絶縁されていることによって、電流が流されないようにされ得る。
【0074】
この実施形態では、電極端子2101は、蓋板を貫通するバッテリーポストを含む。バッテリーポストは、第2のセラミック製リングを使用することによって、蓋板の外側側面から絶縁され、かつそれに接続されて、外部との電流ループの確立を容易にする。すなわち、隣接する単セル間の通電は、電極端子間の相互接続によって実現される。セラミック製リングを使用することによって、蓋板に電流が流されないようにする。さらに、第1のセラミック製リング2207は、フリップ部材2202の外周面と蓋板との間を密接に接続させ、シーリングおよび絶縁に同様に使用される。
【0075】
さらに、フリップ部材2202への接続を容易にするために、第1の移行部片2295は蓋板2102に固定して接続され、第2の移行部片2296は、フリップ部材2202の周面に固定して接続される。第1の移行部片および第2の移行部片は、アルミニウムシートとし得る。第1の移行部片2295および第2の移行部片2296は、第1のセラミック製リング2207と、同軸上に、ろう付け接続されている。このようにして、組み立ての際、2つの移行部片は、最初に、ろう付けによって第1のセラミック製リングに溶接され、その後、2つの固定部片が、別の構造に溶接される。これは、第1のセラミック製リングと、蓋板などの構造とのろう付けによって生成された高温を回避できる。それゆえ、組み立ては容易に実施され、第1のセラミック製リング2207は、密接した、安定的な、絶縁接続を実現するために使用され、蓋板2102は、電流が流されないようにされ得る。
【0076】
具体的には、第1の移行部片2295および第2の移行部片2296は、第1のセラミック製リングの2つの環状端部面に適合する環状構造とし得る。さらに、好ましくは、蓋板2102は環状ボスを備える。第1の移行部片2295は環状ボス内で支持される。第1のセラミック製リングは、環状ボスの内壁にぴったりと押し付け、かつ第2の移行部片2296の方へ延在するため、第1のセラミック製リングは、蓋板2102内に安定的に接続される。
【0077】
さらに、防爆弁は、さらに、保護フィルム2099を含み、これは、空気圧によって孔をあけることによって引き裂かれ得る。保護フィルムは、フリップ部材2202をしっかりと覆い、具体的には、フリップ部材から離れて第1の移行部片2295に接続される。このようにして、通常、保護フィルム2099は、防爆弁2200の内側部分を保護でき、防爆性が必要とされるときには、一定の空気圧、例えば、第2の空気圧によって孔をあけることによって引き裂かれ、それにより、防爆弁の防爆効果に対する影響を回避し得る。
【0078】
さらに、本発明では、2つのノッチが連続的に引き裂かれるようにするために、第1のノッチの残厚対第2のノッチの残厚の比は、1:3〜1:1.2、さらに、1:2〜1:1.3である。
【0079】
本発明の
図18による実施形態で提供された単セルについて、上記で説明している。下記では、
図22および
図23を参照して、本発明による実施形態について説明する。
【0080】
この実施形態は、単セル3100と、単セルを使用するバッテリーモジュールとを提供する。単セル3100は、ケースと、ケース内に収容されたバッテリーセルと、ケースを封入するための蓋板3102と、蓋板3102に配置された電極端子3101とを含む。単セル3100は、さらに、バッテリーセルに電気的に接続された内部ガイド部材3299、および内部ガイド部材3299と電極端子3101との間に接続された電流遮断器3200を含む。
図1〜
図12による実施形態でのバッテリーポストの外側端部に取り付けられている方法とは異なり、この実施形態における電流遮断器3200は、蓋板3102の内側側面に設置され、ケース内のガスと連通して、空気圧の作用下で、電流遮断器3200を流れる電流を遮断できる。外周面から半径方向に沿って外向きに延在するアダプタ部分3298が、電極端子3101に接続されているため、電極端子3101は、アダプタ部分3298を使用することによって、電流遮断器の外周面に接続される。
【0081】
このようにして、電極端子の外周面から半径方向に外向きに延在するアダプタ部分3298が使用されるため、電極端子に直接接続される方法と比較して、半径方向において外側側面がアダプタ部分3298に接続されている電流遮断器の領域は、より大きく設計され得、それにより、内部空気圧が電流遮断器に力を加える領域を大きくする。このようにして、電流遮断器が受ける力は大きくされ得るが、空気圧は変化しないままであり、それにより、電流遮断器3200の感度を改善し、タイミング良く電流遮断を実現する。特に、本発明のバッテリーが、電源バッテリーなどの大型バッテリーの分野に適用されるとき、正常に、高電流が送られる必要がある。それゆえ、アダプタ部分の追加、および電流遮断器のサイズの拡大は、双方とも、高電流の通電を容易にし得る。
【0082】
この実施形態では、アダプタ部分3298は環状構造に形成される。環状構造の内周面は、電極端子の外周面に接続され、外周面は、電流遮断器の外周面に接続されるため、電流遮断器の領域が大きくされる。あるいは、別の実施形態では、アダプタ部分3298は、半径方向に沿って延在しかつ周方向に沿って間隔をおいて配置される複数の接続ポストの構造とし得る。これはまた、電流遮断器の領域を大きくし得る。
【0083】
この実施形態では、電極端子および電流遮断器とのアダプタ部分の密接度を増し、かつ安定的な通電を保証するために、好ましくは、環状構造の内周面は、電極端子の内側端部の外周面にあるラベットに適合する。具体的には、電極端子の内側端部の外周面にはラベットが設けられていて、アダプタ部分の内周面は、ラベットに組み込まれ、かつ接続されている。このようにして、接続領域が大きくされるため、送電効率が改善される一方で、接続の安定性が保証される。電極端子の内側端部および外側端部は、ケースに対して、電極端子の軸方向に沿って定義される。すなわち、ケースの内側部分に近い端部が内側端部である。
【0084】
さらに、この実施形態では、環状構造の外周面は、ケース内部へ突出している。すなわち、環状構造は、環状キャップ構造に形成され、および電流遮断器は、外周面の内側側面においてラベットに適合する。これにより、接続の安定性を保証しかつ送電効率を改善するだけでなく、電流遮断器と電極端子は間隔を空け、それにより、空気圧の作用下での電流遮断器の切り離しのための空間を提供できる。
【0085】
この実施形態では、内部ガイド部材3299は、バッテリーセルに接続された接続部片(図示せず)を含む。接続部片は、バッテリーセルから蓋板の方へ延在する。さらに、内部ガイド部材は、さらに、電流遮断器を収容しかつ取り付けるための支持溝と、支持溝から反対方向に向かって延在する複数の接続板とを含み得る。これら接続板は、別々に、蓋板と絶縁接続され、それにより、蓋板に電流が流れないようにする。具体的には、接続板および接続溝は、一体式シート様構造を形成し得る。すなわち、接続溝は、2つの側壁および1つの底壁を含む。2つの側壁は、それぞれ、2つの側面で接続板に接続される。さらに、電流遮断器をケース内のガスと連通させるために、支持溝の底壁には、ケース内のガスと連通する空気流通孔が設けられるように設計され得る。
【0086】
この実施形態では、蓋板に電流が流れないようにするために、内部ガイド部材3299は、セラミック部材3296を使用することによって、蓋板3102の内側側面と絶縁接続される。具体的には、セラミック部材3296は、セラミックシートとして形成され、移行部片3294を使用することによって、内部ガイド部材3299および蓋板と溶接接続される。すなわち、2つの移行部片3294がある。移行部片は、セラミック部材3296の上面および下面に別々に設置されたアルミニウムシートとし得る。セラミック部材3296は、セラミック部材3296の上面に設置された移行部片3294を使用することによって、蓋板3102と溶接接続されている。さらに、セラミック部材3296は、さらに、セラミック部材3296の下面に設置された移行部片3294を使用することによって、内部ガイド部材3299と溶接接続されている。このようにして、セラミック部材3296と蓋板3102との間、およびセラミック部材3296と内部ガイド部材3299との間の溶接接続は、より容易に実現され、溶接構造は安定的である。セラミック部材3296は、セラミックろう付けによって、セラミック部材3296の上面および下面に設置された移行部片3294に接続され得る。セラミック部材3296の上面に設置された移行部片3294は、レーザ溶接によって蓋板3102に接続され得る。セラミック部材3296の下面に設置された移行部片3294は、レーザ溶接によって内部ガイド部材3299に接続され得る。
【0087】
この実施形態では、電流遮断器3200は、導電部材3201と、相互の電気的接続のために導電部材3201に接続されたフリップ部材3202とを有する。さらに、フリップ部材3202と導電部材3201は、作用下または空気圧で互いに電気的に切り離され得る。導電部材3201は、内部ガイド部材3299に接続され、かつケース内のガスと連通する空気誘導孔3213が設けられている。具体的には、導電部材3201は、内部ガイド部材の支持溝に組み込まれ、かつ接続される。このようにして、支持溝に形成された空気流通孔は、空気誘導孔3213とガス連通するため、フリップ部材3202は、ケース内のガスによって加えられた圧力を感知し(feel)、それにより、内部空気圧の作用下で、フリップ部材3202と導電部材3201との間の電気的接続を切り離す。フリップ部材3202の外周面およびアダプタ部分3298の外周面は互いに接続されて、電流接続経路を確立する。
【0088】
この実施形態では、電気的接続を切り離す方法で、導電部材3201にはノッチが設けられていて、ノッチは、フリップ部材3202に接続するための接続点を取り囲んで配置される。このようにして、内部空気圧の作用下で、ノッチは引き離され、それにより、導電部材とフリップ部材との間の電気的接続を切り離す。あるいは、別の実施形態では、ノッチは、フリップ部材に形成され得るか、またはそれら2つの間の接続点を引き離す方法が使用され得る。フリップ部材3202に空気圧を加えるために、フリップ部材3202の外周面は、絶縁部材3295を使用することによって、導電部材3201および/または内部ガイド部材3299と支持接続しており、それにより、絶縁部材3295を使用することによって、フリップ部材3202の組み立てを実現する。これにより、フリップ部材の外周面が内部ガイド部材3299および導電部材から確実に絶縁されるようにし得、それにより、フリップ部材が空気圧の作用下で導電部材から電気的に切り離された後も、フリップ部材が、依然として、外周面において、導電部材または内部ガイド部材に電気的に接続されるようにする。
【0089】
具体的には、絶縁部材は、セラミック製リングまたはシールリングなどの環状絶縁部材とし得る。絶縁部材には3つの接続方法がある。第1の方法では、絶縁部材は、導電部材3201をしっかりと支持し、具体的には、引き離される領域を取り囲む導電部材3201の領域を支持する。第2の方法では、絶縁部材は、内部ガイド部材3299を支持し、具体的には、導電部材3201を取り囲む内部ガイド部材3299の領域を支持する。第3方法では、絶縁部材は、内部ガイド部材3299および導電部材3201の双方を支持する。すなわち、
図23に示すように、絶縁部材は、内部ガイド部材3299と導電部材3201を接続する領域を支持する。
【0090】
導電部材とフリップ部材との間の安定的な通電を保証するために、特に、高電流電源バッテリーに適用可能となるように、
図1〜
図12による実施形態と同様に、導電部材にノッチ3205が設けられている場合、
図23に示すように、フリップ部材3202と導電部材3201は、ノッチ3205によって取り囲まれるボス溶接構造を使用することによって、互いに接続される。ボス溶接構造は、ボス3203、ボス3203を収容する接続孔3204、およびボス3203と接続孔3204との間に設置された環状溶接スポット3217を含み、それにより、高電流を効果的に通すことを保証する。具体的には、
図23に示すように、
図6に示すものとは異なり、ボス3203はフリップ部材3202に形成される一方で、接続孔3204は導電部材3201に形成される。さらに、それの代わりに、
図6と同じケースが使用され得る、すなわち、ボスは導電部材3201に形成され、接続孔3204はフリップ部材に形成される。
【0091】
さらに、
図22に示すように、導電部材3201は、キャップ状構造に形成され得る。キャップ状構造は、フリップ部材に接続されたキャップ本体と、キャップ本体を取り囲むキャップブリムとを含む。キャップブリムは、空気誘導孔が設けられていて、内部ガイド部材に接続される。キャップ本体は、フリップ部材の方へ突出している。フリップ部材は、シート様構造に形成され、絶縁部材3295は、シート様構造の外周面とキャップブリムとの間で接続される。それゆえ、本発明で提供される電流遮断器の構造は、コンパクトであり、および組み立ては安定的である。
【0092】
この実施形態では、外部との電流ループを確立するために、好ましくは、電極端子3101は、蓋板を貫通するバッテリーポスト3104を含む。バッテリーポストは、セラミック製リング3293を使用することによって、蓋板と絶縁接続しており、それにより、蓋板に電流が流れないようにする。さらに、アダプタ部分3298は、バッテリーポストの内側端部に接続され、蓋板から突出する部分を使用することによって、外部との電流ループを確立する。具体的には、セラミック製リング3293は、蓋板の外表面に密接に接続され、バッテリーポスト3104に密接に接続されて、蓋板内のシール効果を保証する。空気孔3292が、軸方向に沿ってバッテリーポストを貫通して形成される。このようにして、圧力下での切り離しのプロセスにおいて、電流遮断器3200は、蓋板内の閉キャビティの空気圧による影響を受けないが、外部の大気との圧力差を有し得るため、フリップ部材3202は、内圧と外圧との圧力差の作用下で動いて、ノッチ3205を引き離し得る。
【0093】
図22および
図23による実施形態で提供される単セルについて、上記で説明している。下記では、
図24を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0094】
この実施形態は、単セル4100と、単セルを使用するバッテリーモジュールとを提供する。単セル4100は、ケースと、ケース内に収容されたバッテリーセルと、バッテリーセルに電気的に接続された電極端子4101と、ケースを封入するための蓋板4102とを含む。電極端子4101は蓋板4102に配置される。電極端子はバッテリーポスト4104を含み、バッテリーポストは、蓋板4102を貫通し、かつ内部ガイド部材4196を使用することによってバッテリーセルに電気的に接続される。単セルは、さらに、バッテリーポスト4104に取り付けられた電流遮断器4200を含む。電流遮断器4200は、蓋板4102に対して固定されかつケース内のガスと連通するフリップ部材4202を有する。さらに、フリップ部材4202は、接続点を使用することによって、バッテリーポスト4104の外側端部面に接続される。接続点は、空気圧の作用下で切り離され得る。このようにして、この実装例での電流遮断器の動作原理は、空気圧によって、接続点においてバッテリーポスト4104からフリップ部材4202を直接分離することであり、それにより、フリップ部材4202とバッテリーポスト4104との間の電気的接続を切り離す。
【0095】
感度を向上させるために、好ましくは、フリップ部材4202は、単一の溶接スポット4199を使用することによって、バッテリーポストに接続される。例えば、スポット溶接によって生じた溶接スポット4199が使用される。さらに、レーザ溶接などの別の溶接手段が、実装例に使用され得る。それゆえ、この実装例では、溶接スポットの溶接の溶け込みおよび溶接幅が適切に設定されて、引張り圧を制御する。
【0096】
この実装例では、
図1〜
図12による実施形態と同様に、バッテリーポスト4104には、ケースの内側部分と連通する空気誘導孔4103が設けられているため、内部空気圧は、電流遮断器へ容易に誘導され得る。さらに、電流遮断器の信頼性をさらに向上させるために、好ましくは、フリップ部材4202にはノッチ4205が設けられている。ノッチ4205は、接続点を取り囲んで配置される。このようにして、接続点を引き離すことに加えて、ノッチ4205を引き離すことは、電流を遮断するためにも使用され得る。この実装例では、接続点を引き離すための空気圧は、ノッチを引き離すための空気圧とは異なる。具体的には、接続点は、ケース内の第1の空気圧の作用下で引き離され得、ノッチ4205は、第2の空気圧の作用下で引き離され得る。第2の空気圧は第1の空気圧を上回る。このようにして、ノッチ4205は、接続点のバックアップ手段として使用されて、バッテリーの安全性を保証し得る。一層好ましくは、フリップ部材4202は、カバーキャップ4210によって覆われる。カバーキャップ4210には空気孔4197が設けられている。このようにして、ノッチ4205が引き離された後、ケース内のガスは、フリップ部材を通過し、その後、空気孔4197から排出され、それにより、バッテリー内の圧力除去を実現し、かつバッテリー内での爆発を防止する。この原理は、
図18による実施形態の防爆弁と同様である。
【0097】
この実装例では、第1のセラミック製リング4207は、バッテリーポスト4104と蓋板4102との間に接続されているため、バッテリーポストは、セラミック構造を使用することによって安定的に取り付けられ、蓋板4102は、電流が流れないようにされる。さらに、第2のセラミック製リング4198は、バッテリーポスト4104とフリップ部材の外周面との間に密接に接続されるため、フリップ部材の外周面は、セラミック構造を使用することによってシールされ、それにより、内部ガスが効果的にフリップ部材に圧力を加えること、および、バッテリーポストがフリップ部材の外周面から絶縁され、および接続点またはノッチが引き離された後、フリップ部材が依然として導電性となることを防止することを保証する。
【0098】
具体的には、ある実施形態では、バッテリーポスト4104は、接続点を取り囲む環状ボス4297を有する。第1のセラミック製リング4207は、環状ボス4297の後方凹状部分に密接に収容される。第1のセラミック製リング4207は、蓋板4102に密接に接続される。環状ボス4297の半径方向外側側面は、第2のセラミック製リング4198をしっかりと支持する。第2のセラミック製リング4198は、フリップ部材4202の外周面をしっかりと支持する。このようにして、電流遮断器の構造全体がよりコンパクトであり、かつ、組み立ては安定的である。組み立てを容易にするために、第1のセラミック製リング4207は、移行リング4209を使用することによって、蓋板4102に密接に接続される。具体的には、セラミックろう付けは、密接な接続のために、移行リングおよび第1のセラミック製リング4207で実施され得る。
【0099】
本発明のいくつかの実施形態について、上記で説明している。下記では、
図5〜
図7、
図20、および
図21を参照して、本発明の実施形態について説明する。この実施形態は、単セルおよびバッテリーモジュールを提供する。上述の実施形態のものと同じ特徴の効果について、ここで再び詳細に説明することはしない。
【0100】
この実施形態は単セルを提供する。単セル100は、ケース109と、ケース109に収容されるバッテリーセル108と、バッテリーセル108に電気的に接続された電極端子101と、ケースを封入するための蓋板102とを含む。電極端子101は蓋板102に配置される。電極端子は、蓋板102を貫通してバッテリーセルに電気的に接続されるバッテリーポスト104’’’を含む。単セルは、さらに、バッテリーポスト104’’’に取り付けられた電流遮断器200を含む。電流遮断器200は、ケース内のガスと連通する。電流遮断器200は、導電部材201と、相互の電気的接続のために導電部材201に接続されるフリップ部材202とを有する。さらに、フリップ部材202と導電部材201は、空気圧の作用下で、互いに電気的に切り離され得る。導電部材201は、相互の電気的接続のために、バッテリーポスト104’’’に接続される。フリップ部材202と導電部材201は、ボス溶接構造を使用することによって、互いに接続される。ボス溶接構造は、ボス203、ボス203を収容する接続孔204、およびボス203と接続孔204との間に設置された環状溶接スポット217を含む。フリップ部材202は第1のシート様構造に形成される。第1のシート様構造には接続孔204が設けられている。導電部材201は第2のシート様構造に形成される。第2のシート様構造はボス203を備える。導電部材201にはノッチ205が設けられている。ノッチ205は、ボス203を取り囲んで配置される。導電部材201は、バッテリーポスト104’’’の外側端部面に接続される。フリップ部材202の外周面は、蓋板102に対して固定される。バッテリーポスト104’’’は、蓋板102に固定して接続され、バッテリーポスト104’’’には、ケースの内側部分と電流遮断器200とを連通する空気誘導ダクトが設けられている。バッテリーポスト104’’’は、蓋板102に密接に接続されたセラミック製リング207’’に取り付けられる。セラミック製リング207’’の外側端部面は、導電リング216’に密接に接続される。フリップ部材202の外周面は、導電リング216’に密接に接続される。バッテリーポスト104’’’と導電リング216’は、セラミック製リング207’’を使用することによって、絶縁される。このようにして、電流は、安定的に通電または遮断される。
【0101】
この実施形態では、バッテリーポスト104’’’の外側端部面には収容孔218’が設けられていて、導電部材201の外周面は、収容孔の内壁に固定される。
【0102】
この実施形態では、ノッチ205は楕円形であり、ボス203は円形であり、ノッチ205の中心とボス203の中心は、楕円の長軸の方向に沿ってずらされており、および楕円の長軸と電極端子の軸方向線は、傾斜して配置される。
【0103】
この実施形態では、さらに、バッテリーポスト104’’’の外側端部の周面は半径方向ボス105’’を有する。セラミック製リング207’’の内周面は、半径方向ボス105’’を支持しかつそれに接続される半径方向支持体208’’を有する。複数の半径方向ボス105’’が、周方向に沿って間隔をおいて配置される。複数の半径方向支持体208’’が、周方向に沿って間隔をおいて配置される。複数の半径方向ボスは、複数の半径方向支持体と1対1で対応している。
【0104】
この実施形態では、セラミック製リング207’’の外側端部面は、内側リングおよび外側リングを有する段付き構造に形成される。バッテリーポスト104’’’は、内側リングと組み込み接続される。外側リングは、バッテリーポスト104’’’から絶縁された導電リング216’に密接に接続される。フリップ部材202の外周面は、導電リング216’に固定して接続される。セラミック製リング207’’の内側端部面は、移行リング209’に密接に接続される。移行リング209’は、蓋板102に密接に接続されるため、セラミック製リング207’’と蓋板102は、間隔をおいて配置される。
【0105】
この実施形態では、セラミック製リング207’’は、セラミックろう付けによって、導電リング216’、バッテリーポスト104’’’、および移行リング209’に密接に接続される。
【0106】
この実施形態では、移行リング209’は、内側リングおよび外側リングを有して、Z字状の構造を形成する。蓋板には貫通孔が設けられていて、そこをバッテリーポスト104が貫通する。貫通孔の端部面は階段構造にある。移行リングの内側リングは、階段構造に組み込まれ、かつそれを支持する。
【0107】
この実施形態では、導電リング216’の外側端部面にはL字状のラベットが設けられている。フリップ部材202の外周面は、L字状のラベットに組み込まれ、かつそれを支持する。外周面は、フリップ部材202を覆うカバーキャップ210を使用することによって、L字状のラベットに密接に接続される。
【0108】
単セルの組み立てを実現するために、
図20および
図21に示すように、下方スペーサリング107がバッテリーセル108に接続され、上方スペーサリング106が、蓋板102の下に接続される。上方および下方スペーサリングは、絶縁材で作製され得る。単セル100は、さらに、バッテリーセルに接続された内部接続シート110を含む。内部接続シート110は、上方スペーサリング107と下方スペーサリング106との間に延在する。バッテリーポスト104’’’の下面は、階段部分を備える。階段部分は、蓋板102および上方スペーサリング106を貫通し、かつ内部接続シート110の端部部分に留められる。このようにして、電流は、バッテリーセル108からバッテリーポスト104’’’へ送られ、蓋板102は、ケース109から絶縁され、かつ電流が流れないようにする。
【0109】
この実施形態において提供されるバッテリーモジュールによれば、バッテリーモジュールは複数の単セルを含む。単セルの少なくとも1つは、上述の単セルである。電流遮断器200は、半径方向に沿って蓋板102から延出する。隣接する単セル100間で、電流遮断器200と、隣接する電極端子は、蓋板の伸長方向において互い違いにずらされている。さらに、
図1に示すように、隣接する単セル100間で、電流遮断器200は、L字状の接続部材214を使用することによって、隣接する電極端子に接続される。L字状の接続部材214は、カバー部分211およびガイド部分212を有する。カバー部分211は、電流遮断器200を覆い、かつそれに接続される。ガイド部分212は、隣接する電極端子まで延在する。
【0110】
さらに、この実施形態は、さらに、電源バッテリーを提供する。電源バッテリーは、封入体と、封入体に収容されたバッテリーモジュールとを含む。バッテリーモジュールは、上述のバッテリーモジュールである。封入体内に、可燃性ガスを検出するためのガス検出装置が配置される。ガス検出装置は、電流遮断器の近くに配置されて、充電/放電保護システムに対して可燃性ガス信号を提供する。さらに、コストおよび効果を考慮して、バッテリーモジュールは、電流遮断器を1つだけ有する必要がある。
【0111】
電流遮断器または防爆弁を有する単セルについて、上記で説明されている。電流遮断器または防爆弁は、それぞれ、電流遮断器または防爆弁の機械的な構造を使用することによって、安全対策を実施する。下記では、電気制御によって安全性を改良するために充電/放電保護システムを含む電源バッテリーについて詳細に説明する。
【0112】
図19に示すように、本発明は電源バッテリーを提供する。電源バッテリーは、電流遮断器または防爆弁を有する電源バッテリー、または別のタイプの電源バッテリーとし得る。電源バッテリーは、封入体と、封入体に収容された複数の単セル100とを含む。例えば、複数の単セル100は、直列または並列に接続されて、バッテリーモジュールを形成し得る。電源バッテリー内の可燃性ガスを検出するためのガス検出装置300、例えば、ガスセンサーは、封入体内に配置されて、電源バッテリーの充電/放電回路をスイッチオフするかどうかを示す信号を提供する。
【0113】
電源バッテリー内に設置されたガス検出装置300を含むことに加えて、電源バッテリーに含まれる充電/放電保護システムは、さらに、制御装置400および回路スイッチオン/オフ装置を含む。
【0114】
ガス検出装置300は、可燃性ガス信号を制御装置400にフィードバックする。制御装置400は、可燃性ガス信号に従って、電源バッテリー制御の充電/放電回路をスイッチオフするために、回路スイッチオン/オフ装置を制御するように構成される。すなわち、本発明の安全性は、封入体内に可燃性ガスがあるかどうかの検出によって実行される自動制御である。バッテリーの過充電などの緊急状態では、可燃性ガスは、バッテリー内で生じる。ガスの一部は、様々な方法で、多かれ少なかれ、封入体の内側部分へ漏れる。この場合、ガス検出装置、例えば、ガスセンサーは、可燃性ガスを検出し、かつそのような情報を制御装置へフィードバックし得る。制御装置は、可燃性ガスが検出されるかどうか、またはある量の検出された可燃性ガスがあるかどうかに従って、電源バッテリーの充電/放電回路を切り離すかどうかを決定する。可燃性ガスが検出されると、またはある量の可燃性ガスが、事前設定された閾値を超えると、回路スイッチオン/オフ装置は、電源バッテリーの充電/放電回路を切り離すように制御されて、電源バッテリーの安全性を保証し得る。
【0115】
起こり得るリスクをさらに低下させるために、電源バッテリーは、さらに、制御装置400によって制御されるアラーム装置500を含む。このようにして、関係者は、音声、フラッシュ、またはサイレンなどのアラーム装置によって、その場所から避難するように指示され得、それにより、起こり得るリスクを低下させる。
【0116】
図19に示すように、制御装置400は、電源バッテリーのホストコンピュータ主制御チップ401、および主制御チップと信号接続する制御モジュール402を含む。制御モジュール402は、回路スイッチオン/オフ装置と信号接続している。回路スイッチオン/オフ装置は、制御モジュール402によって制御される、充電/放電回路に設置されたリレー403とし得、充電/放電回路をスイッチオフする。さらに、アラーム装置500は、アラーム指令からのアラームを受信するために、ホストコンピュータ制御チップ401と信号接続し得る。
【0117】
具体的な動作プロセスでは、デジタルアナログ変換、サンプル値記憶、および他の処理が、ガスセンサーが取得した信号で実行され得る。さらに、障害検出が、さらに、システムで実行され得る。システムで障害が発生していないとき、ガス濃度処理が、取得された信号でさらに実行されて、可燃性ガスの漏れが発生しているかどうかを決定し得る。可燃性ガスの漏れの濃度が閾値を超えるとき、ホストコンピュータ主制御チップ401は、電流の遮断およびアラームの動作を実行する。
【0118】
この実装例では、ガス検出装置は、単セルの外部に配置される。本発明の上述の実装例においては、可燃性ガスは、電流遮断器または防爆弁を使用することによって、外部へ排出され得る。さらに、弁がガスを外部へ排出できるという条件で、様々な公知の従来の防爆弁を使用して、ガスを外部へ排出し得る。すなわち、バッテリーモジュールでは、単セルの少なくとも1つは、単セル内のガス圧の作用下で、充電/放電回路を切り離すための電流遮断器、すなわち、上述の電流遮断器を備える。さらに、電流遮断器は、切り離し状態でケース内のガスを外部へ排出できる。このようにして、封入体内のガス検出装置は、外部へ排出された可燃性ガスを検出できる。この場合、バッテリーの過充電の緊急事態が発生していることを示す。さらに、システムの感度を改善するために、好ましくは、ガス検出装置は電流遮断器の近くに配置されるため、ガス検出装置は、可燃性ガスが放出された後で、タイミング良く、対応する信号を検出し、および信号を制御装置へフィードバックし得る。さらに、電流遮断器に加えて、いくつかの実装例では、単セルの少なくとも1つは、単セル内のガス圧の作用下で、ガスを排出できる防爆弁、例えば、
図18による実施形態の防爆弁を備える。この場合、ガス検出装置は、防爆弁の近くに配置され得る。
【0119】
ガスを外部へ排出するために、上述の実装例のそれぞれにおける電流遮断器は、カバー部材を備える。カバー部材には、外部と連通する空気孔が設けられている。このようにして、ケース内のガスは、フリップ部材と導電部材が互いに電気的に切り離された後、フリップ部材を使用することによって、外部へ排出され得る。具体的には、この場合、フリップ部材には、ケース内の空気圧によって引き離され得るノッチが設けられ得る。
図13〜
図17による実施形態では、フリップ部材にあるノッチの圧縮強度は、導電部材の本体部分にあるノッチの強度を上回り得る。あるいは、
図18による実施形態では、フリップ部材にあるノッチの圧縮強度は、2つの電極誘導部材にあるノッチの強度を上回り得る。このようにして、電流が遮断された後に、ガスを放出するプロセスが実施される。さらに、
図1〜
図12による実施形態の電流遮断器が使用されるとき、フリップ部材には、上述のノッチが設けられている。
【0120】
さらに、カバー部材にある空気孔は、さらに、電流遮断器が大気との圧力差を受けることができるようにするので、フリップ部材の作用が実現される。本明細書のカバー部材は、
図1〜
図12による実施形態のカバーキャップ210としても、または
図13〜
図17による実施形態の接続部材1210としても、または
図18による実施形態の保護フィルム2099などとしてもよい。このようにして、対応するノッチが引き離された後、ガスは、例えば、
図1〜
図12による実施形態の空気孔213を使用することによって、外部へ排出され得るため、ガス検出装置は、タイミング良く、パックへ漏れる可燃性ガスを検出できる。
【0121】
本発明の実施形態を、添付図面を参照して、詳細に説明している。しかしながら、本発明は、上述の実施形態における具体的な詳細に限定されない。本発明の技術的思想内で、様々な単純な変形が、本発明の技術的な解決法になされ得る。これらの単純な変形は全て、本発明の保護範囲内に入る。
【0122】
さらに、上述の具体的な実施形態において説明した具体的な技術的特徴は、矛盾がないときには、いずれかの適切な方法で組み合わせられ得ることに留意されたい。不必要な繰り返しを回避するために、考えられる組み合わせ方法を本発明においてさらに説明することはしない。
【0123】
さらに、本発明の異なる実施形態は無作為に組み合わせられ得、および組み合わせはまた、組み合わせが本発明の思想から逸脱しないという条件で、本発明によって開示された内容として考慮され得る。
【0124】
最後に、本発明の上述の発明的思想を導入する研究開発の背景について、説明する。
【0125】
環境汚染がますます悪化し、新エネルギー車の開発が新しい国家戦略計画となっている。現在、新エネルギー車の全電気自動車およびプラグインハイブリッド車が、自動車市場を独占している。電気自動車の分野では、航続距離が電気自動車の開発を制限している主な要因であり、航続距離は、バッテリーセルのエネルギー密度に依存する。現在のところ、市場のバッテリーセルには、主に2つの物質がある:三元物質およびリン酸鉄リチウム。三元物質は高エネルギー密度であるが、安全性能に劣る。特に、過充電は、火災または爆発の原因となる。これは、安全性能に対して厳しい基準を有する自動車産業にとって、大きな課題である。
【0126】
より大きなバッテリー容量は、航続距離をより良好にするため、三元物質の安全性能を改善するためのいくつかの解決法が、三元物質の安全性を保証するために使用される必要がある。しかしながら、物質の性能をさらに改善することが困難であるため、構造に関する解決法を考慮する必要がある。
【0127】
関連技術において説明したように、バッテリーパックの既存の設計において、電圧および電流の温度管理、およびモジュール内のバッテリーセルの制御を実行するためには、BMSが主に使用されている。しかしながら、実際の使用プロセスでは、依然として、バッテリーセルの堅牢性および管理ソフトウェアの信頼性の偶発的なリスクがある。具体的には、モバイル機器に関する人々の使用習慣に言及すると、人々は、通常、車体をコンセントにつないで、電気自動車を四六時中再充電する。BMSソフトウェアを使用して再充電を制御しているため、そのようなバッテリーは、長時間再充電されるにすぎない。しかしながら、ソフトウェア検出が失敗するか、または別の例外が発生する場合、封入体のループにおけるバッテリーセルの過充電のリスクが発生する。それゆえ、本発明の発明者は、バッテリーに対する機械的保護を提供する設計を考え、バッテリーの安全性リスクがソフトウェア障害後に発生しないようにしている。
【0128】
機械的保護対策に関し、本発明の発明者が、過充電などの緊急状態においてバッテリーの電流遮断タイミングの法則があることを独創的に見出している。はっきり言うと、電極端子で電流を遮断できる電流遮断器または防爆弁は、過充電などの緊急状態では内部空気圧が上昇するという原理に従って設計され得る。このようにして、電極端子を通した入力または出力が制御され得、それにより、安全性を保証する。
【0129】
さらに、自動車において使用される電源バッテリーの容量は、通常、3Cバッテリーの十数倍であり、電源バッテリーの貫通電流は、マイナークラスのバッテリーの数十倍またはさらには数百倍である。それゆえ、シートは、さらに、非常に高い貫通電流に耐える必要がある。さらに、電源バッテリーの耐候性および耐漏性に対する要求は、使用環境ゆえに、より厳しくなる。これらの問題が収集されてから、本発明の技術的な解決法が見出されている。さらに、試験によって確認されたように、本発明の実装例のいずれにおいても、電流遮断器または防爆弁は、バッテリーにおける電流をタイミング良く遮断でき、それにより、安全性を効果的に向上させている。