【実施例】
【0027】
図3、4、5に、この発明による電気自動二輪車の電池ボックス防護カバーを開示する。図面の開示によれば、電気自動二輪車2は、フレームユニット21前方にトップパイプ22を設け、トップパイプ22の上方に操向手段221を設ける。操向手段211の下方にはフロントフォーク23(フロントサスペンション)を設け、フロントフォーク23の下方には前輪24を回動自在に設ける。フレームユニット21には、トップパイプ22から車体後方に延伸するメインパイプ211が設けられ、メインパイプ211にはさらに車体後方に延伸するステップパイプを設け、該ステップパイプは、左右一対の左ステップパイプ212と、右ステップパイプ213とによってなり、左ステップパイプ212と、右ステップパイプ213から車体の後方に向かって左右一対のリアフレーム214を設ける。リアフレーム214は傾斜部2141とサイドフレーム部2142とを具え、左右の傾斜部2141の間に横パイプ2141aを設ける。リアフレーム214の後方下には後輪25を設ける。後輪25の一方の側には動力発生モータ3を設け、動力発生モータ3によって後輪25を駆動して電気自動二輪車2を前進させる。操向手段221の後方であって、かつ後輪25上方の位置には乗員シート26を配置する。乗員シート26と操向手段221との間には間隔を置く。電気自動二輪車2の外周にはボディカバーユニット27を設ける。ボディカバーユニット27は、操向手段221を被覆するハンドルカバー271を具え、ハンドルカバー271の下方には車体前端部を被覆するフロントカバー272を有するとともに、フロントカバー272の後方にフロントインナー273を具える。操向手段221と乗員シート26との間の下方にはステップボード274を設け、ステップボード274の下方には底部カバー275を設ける。電気自動二輪車2の乗員シート26の下方の両側にはサイドカバー276を設け、乗員シート26の前端部下方にセンターカバー277を設ける。また、乗員シート26下方には収納ボックス28を設ける。収納ボックス28の上方は乗員シート26によって覆われる。電気自動二輪車2の動力供給元について、この発明の図面に開示する方式は、動力発生モータ3によって後輪25を駆動する方式を例として挙げている。実務上、この発明による電気自動二輪車2は、モータを前に配置してチェーン、または駆動ベルトを介して後輪25を駆動するか、もしくはモータとギアボックスとによって駆動機構を構成して後輪25を駆動してもよい。よって、この発明における後輪25の駆動方式は、動力発生モータ3による方式だけに限らないことを予め述べておく。
【0028】
図3,4,5に開示するように、ステップボード274によってステップ部29を形成する。ステップ部29は、運転者が足を載せるために供する。ステップボード274と底部カバー275と、左ステップパイプ212と右ステップパイプ213とによって、収納空間Aを構成する。収納空間Aには電池4を収納する。電池4は動力発生モータ3に電気的に接続し、これにより、動力発生モータ3によって後輪25を駆動するための電源となり電力を供給する。よって、操向手段221に設けた制御手段(図示しない)によって動力発生モータ3を起動し、かつ後輪25を駆動し、電気自動二輪車2を走行させる。
【0029】
図3、4、5、6に開示するように、電池4は電池ボックス5に収納し、電池ボックス5は、電気自動二輪車2の車体の前後方向に沿って配置され、左ステップパイプ212と右ステップパイプ213とによって構成される収納空間Aに収納される。左ステップパイプ212には左軸支フレーム2121を設け、右ステップパイプ213には右軸支フレーム2131を設ける。左軸支フレーム2121と右軸支フレーム2131とは構造が同一である。よって。
図6において右軸支フレーム2131のみを例として開示し、説明する。右軸支フレーム2131の上方には右軸支部21311(左軸支フレーム2121には左軸支部21211)を設け、右軸支フレーム2131の下方には右螺設部21312(左軸支フレーム2121には左軸支部21212)を設ける。右軸支フレーム2131の前端には右軸支孔部21313(左軸支フレーム2121には左軸支孔部21213)を形成する。電池ボックス5の左右両側には車体の外方向に突起する支軸51を凸設する。電池ボックス5の両側に凸設する支軸51は、車体の前後方向に沿った電池ボックス5の中心線の上方に位置する。よって、電池ボックス5は支軸51によって車体の左右方向から左ステップパイプ212の左軸支フレーム2121の左軸支部21211と右ステップパイプ213の右軸支フレーム2131の右軸支部21311とに軸支される。電池ボックス5の一方の側には開放手段6を設け、かつ電池ボックス5の前端には防護カバー7を設ける。
【0030】
図3、4、5に開示するように、開放手段6は、動力ユニット61と、動力ユニット61に連動する被駆動部材62とを具え、動力ユニット61は右ステップパイプ213の右軸支フレーム2131に螺設される。また、動力ユニット61は動力発生モータ部611と伝動部612とを具える。被動部材62は歯が形成された部材であって。明確に言えば円弧状のラックである。被駆動部材62は電池ボックス5の一方の側に螺設される。図面では、右側に設けた場合を例として開示する。被駆動部材62は、動力ユニット61の伝動部612と歯合する。開放手段6は、電池ボックス5の右側か、もしくは左側に設ける。即ち、駆動手段6は左ステップパイプ212か、もしくは右ステップパイプ213のいずれに設けてもよい。実施例においては右ステップパイプ213に設ける場合を例とするが、但し、この発明の実施の方式は、係る方式に限定されるものではない。
【0031】
図4、5、6、7に開示するように、防護カバー7は、カバー本体7aと本体カバー本体7aの両端から一方に延伸する右側壁部7b及び左側壁部7cとによって略コの字状をなす蓋体である。よって、防護カバー7は電池ボックス5の電池出入口52を覆う。また、防護カバー7は下端に軸着部71を具え、支軸体72によって軸着部71を右軸支フレーム2131の右軸支
孔部21313と左軸支フレーム2121の左軸支孔部21213とに軸支する。よって、防護カバー7は支軸体72を中心として回動自在に設けられ、傾斜の動作を行なうことができるようになる。支軸体72の両端にはそれぞれ弾性部材Sを嵌着する。それぞれの弾性部材Sの両端は、それぞれ右軸支
孔部21313と左軸支
孔部21213及び軸着部71に支持される。よって、防護カバー7が傾く動作の確実性が得られる。防護カバー7の両側の左側壁部7cと右側壁部7bとには、左右それぞれにフック部材74、73を設ける。左右のフック部材74、73は、それぞれフック部731、741を具え、フック部731、741の上端縁部は前端に向かって傾斜してガイド部7311、7411を形成する。フック部材73と左側壁部7c及びフック部材74と右側壁部7bとの間には弾性部材S1を設け、左右のフック部材73、74の係止能力を確保する。防護カバー7の両端の左側壁部7cと右側壁部7bの前端部には、やや傾斜したガイド部75、76を形成する。電池ボックス5は、防護カバー7の左右のフック部材73、74に対応する位置にそれぞれ被係止突起53、54を凸設する。被係止突起53、54は、左右フック部材73、74の係止に供する。電池ボックス5には、別途防護カバー7のガイド部75、76に対応するそれぞれの位置にはガイド突起55、56を設ける。ガイド突起55、56には、ローラー551、561を回動自在に挿設する。ガイド突起55、56はガイド部75、76に圧接してガイドする。防護カバー7は電池ボックス5側の前端縁部に緩衝パッド77を嵌設し、電池ボックス5の電池出入口52の外周縁にも同様に緩衝パッド57を嵌設する。防護カバー7のカバー本体7a内の電池ボックス5に向かう側には複数の当接柱78を凸設する。当接柱78は電池ボックス5に収納された電池4への当接に供する。
【0032】
図3、4、7、8、9、10に開示するように、電池4を電池ボックス5から取り出す場合、開放手段6を起動すると、電池ボックス5が収納空間Aにおいて支軸51を中心にして車体の後方に向かって回転し、水平の状態となって収納位置に至り、電池ボックス5の被係止突起53、54に防護カバー7の左右のフック部材73、74のフック部731、741が係止する。また、電池ボックス5のガイド突起55、56は防護カバー7のガイド部75、76の最も内側(即ち、カバー本体7aに最も接近した箇所)に位置し、開放手段6が電池ボックス5を連動させると、電池ボックス5は支軸51を中心として車体の後方に向かって徐々に回転し、電池ボックス5の被係止突起53、54が徐々に防護カバー7の左右フック部材73、74のフック部731、741を圧迫し、防護カバー7の左右のフック部材73、74は、徐々に圧迫されて下方に回転する。同時に電池ボックス5のガイド突起55、56が防護カバー7のガイド部75、76に沿って、最も内側から外方向へ徐々に移動する(即ち、カバー本体7aから離れる)。よって、電池ボックス5は車体の後方に向かって回転し、同時に防護カバー7が支軸体72を中心として回転して斜めに偏った状態となり、電池ボックス5が地面に対して垂直に立った状態となる開放位置に至る。よって、電池4を電池ボックスから容易に取り出すことができる。
【0033】
図3、4、7、11、12、13、14に開示するように、電池4を電池ボックス5に収納し、かつ電池ボックス5を収納空間Aに収納するには、同様に開放手段6によって電池ボックス5を収納空間A内において回転させる。即ち、電池ボックス5は支軸51を中心として車体の前方に向かって回転して収納位置に至る。この場合、電池ボックス5は地面に対して垂直に立った状態を呈する開放位置から、開放手段6に連動して支軸51を中心にして車体の前方に向かって徐々に回転し、電池ボックス5のガイド突起55、56が防護カバー7のガイド部75、76の最も外側を圧迫しつつ、ガイド部75、76に沿って内方向(即ち、カバー本体aに接近する)へ徐々に移動する。よって、電池ボックス5は車体の前方に向かって回転し、同時に電池ボックス55のガイド突起55、56が防護カバー7のガイド部75、76を圧迫し、防護カバー7は車体の後方に向かって支軸体72を中心として、偏って移動する。電池ボックス5は車体の前方に向かって再度徐々に回転し、電池ボックス5の被係止突起53、54が防護カバー7のフック部材73、74のフック部731、741のガイド部7311、7411を圧迫し、防護カバー7のフック部材73、74は圧迫されて徐々に下方に回転する。電池ボックス5の被係止突起53、54が防護カバー7のフック部材73、74のフック部731、741のガイド部7311、7411の上端を越えると、電池ボックス5のガイド突起55、56は防護カバー7のガイド部75、76の最も内側(即ち、カバー本体7aに接近した箇所)に戻る。防護カバー7のフック部材73、74のフック部731、741は、弾性部材S1の付勢力によって電池ボックス5の被係止突起53、54に係止する。この場合、電池ボックス5は、ほぼ水平になって収納空間Aに収納され、かつ防護カバー7の上端がフック部材73、74によって電池ボックス5の被係止突起53、54に係止し、下端が支軸体72によって軸支されているため、電池ボックス5の電池出入口52上を安定して覆うことができ、同時に、防護カバー7のカバー本体7aに凸設された当接柱78が電池4に当接する。したがって、電池4は電池ボックス5内に安定して収納され、前後方向の衝撃による慣性力の作用で電池4が移動することを防ぎ、かつ電池ボックス5の隠蔽性と防塵性を高めることができる。
【0034】
この発明の主要な効果について説明すると、電池ボックス5は電池出入口52を具え、電池出入口52に電池出入口52を覆う防護カバー7設けることによって、電池4が電池ボックス5内に安定して収納され、前後方向の衝撃による慣性力の作用で電池4が移動することを防ぎ、かつ電池ボックス5の防塵性を高め、このため電気自動二輪車の使用上の効果を高めることができる。
【0035】
この発明の第2の効果について述べると、左ステップパイプ212、に左軸支フレーム2121を設け、右ステップパイプ213に右軸支フレーム2131を設け、電池ボックス5の一方の側に開放手段6を設け、開放手段6が動力ユニット61と及び動力ユニット61に連動する被駆動ユニット62を具え、動力ユニット61が右ステップ213に設けられ、被駆動ユニット62が電池ボックス5の外周面の一方の側に設けられ、動力ユニット61が動力発生モータ部611と伝動部612とを具え、被駆動ユニット62が伝動部612に歯合する。よって、開放手段6の取付けが容易で利便性が得られ、かつ開放手段6による開放と収納効果を確保することができる。
【0036】
この発明の第3の効果について述べると、左ステップパイプ212には左軸支フレーム2121を設け、右ステップパイプ213には右軸支フレーム2131を設け、右軸支フレーム2131には右軸支部21311を設け、左軸支フレーム2121には左軸支部21211を設け、電池ボックス5は支軸51によって車体の左右方向から左軸支部21211と右軸支部21311とに軸支され、防護カバー7は下端に軸着部71を具え、支軸体72によって軸着部71を右軸支フレーム2131の右軸支
孔部21313と左軸支フレーム2121の左軸支孔部21213とに軸支し、支軸体72の両端にはそれぞれ弾性部材Sを嵌着し、それぞれの弾性部材Sの両端は、それぞれ右軸支
孔部21313と左軸支
孔部21213及び軸着部71に支持される。よって、防護カバー7を回動自在に設ける開閉構造を簡易化し、防護カバー7を開放した場合の効果を高めることができる。
【0037】
この発明の第4の効果について述べると、防護カバー7が両端に右側壁部7bと左側壁部7cとを具え、右側壁部7bと左側壁部7cとには、左右それぞれにフック部材74、73を設け、左右のフック部材74、73は、それぞれフック部731、741を具え、フック部731、741の上端縁部は前端に向かって傾斜してガイド部7311、7411を形成し、フック部材73と左側壁部7c及びフック部材74と右側壁部7bとの間には弾性部材S1を設け、電池ボックス5は、左右のフック部材73、74に対応する位置にそれぞれ被係止突起53、54を凸設し、被係止突起53、54は、左右フック部材73、74の係止に供する。よって、防護カバー7の電池ボックス5に対する遮蔽の効果を高めることができる。
【0038】
この発明の第5の効果について述べると、防護カバー7の両端の左側壁部7cと右側壁部7bの前端部には、やや傾斜したガイド部75、76を形成し、電池ボックス5は、防護カバー7のガイド部75、76に対応する位置にそれぞれはガイド突起55、56を凸設する。よって、防護カバー7と電池ボックス5との連動の効果を確保することができる。
【0039】
この発明の第6の効果について述べると、ガイド突起55、56には、ローラー551、561を回動自在に挿設し、ガイド突起55、56はガイド部75、76に圧接してガイドする。よって、防護カバー7と電池ボックス5とのガイド、連動の効果を確保することができる。
【0040】
この発明の第7の効果について述べると、防護カバー7の電池ボックス5側の前端縁部に緩衝パッド77を嵌設し、電池ボックス5の電池出入口52の外周縁にも同様に緩衝パッド57を嵌設する。よって、防護カバー7の電池ボックス5に対する遮蔽性と防塵性を高めることができる。
【0041】
この発明の第8の効果について述べると、防護カバー7は、カバー本体7aと、及びカバー本体7aの両端に凸設した右側壁部7bと左側壁部7cとによってコの字状を呈する蓋体である。よって、保護カバー7の剛性、強度と防護カバー7の遮蔽効果を確保することができる。
【0042】
この発明の第9の効果について述べると、防護カバー7のカバー本体7a内に複数の当接柱78を凸設する。よって、電池4を電池ボックス5に収納した場合の収納の効果を高めることができる。
【0043】
この発明の第10の効果について述べると、乗員シート26の前端下方にセンターカバー277を設け、電池ボックス5は左ステップパイプ212と、右ステップパイプ213と、ステップボード274と底部カバー275とによって形成される収納空間Aに収納され、電池ボックス5の後方の少なくとも一部分がセンターカバー277よりもさらに後方に延伸する。よって、電池ボックス5が大型化しても、その他部材に対する干渉を防ぐことができ、電池ボックス5の使用上の効果を高めることができる。