特許第6722308号(P6722308)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6722308デプリーションモードトランジスタとエンハンスメントモードトランジスタとを制御するための回路要素
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  • 特許6722308-デプリーションモードトランジスタとエンハンスメントモードトランジスタとを制御するための回路要素 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6722308
(24)【登録日】2020年6月23日
(45)【発行日】2020年7月15日
(54)【発明の名称】デプリーションモードトランジスタとエンハンスメントモードトランジスタとを制御するための回路要素
(51)【国際特許分類】
   H02M 1/08 20060101AFI20200706BHJP
   H02M 1/00 20070101ALI20200706BHJP
   H03K 17/08 20060101ALI20200706BHJP
   H03K 17/687 20060101ALI20200706BHJP
【FI】
   H02M1/08 A
   H02M1/08 341A
   H02M1/00 J
   H03K17/08 C
   H03K17/687 A
【請求項の数】14
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-5639(P2019-5639)
(22)【出願日】2019年1月17日
(62)【分割の表示】特願2016-531716(P2016-531716)の分割
【原出願日】2014年11月17日
(65)【公開番号】特開2019-83684(P2019-83684A)
(43)【公開日】2019年5月30日
【審査請求日】2019年1月24日
(31)【優先権主張番号】61/904,777
(32)【優先日】2013年11月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390020248
【氏名又は名称】日本テキサス・インスツルメンツ合同会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【上記1名の代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ダグラス シーマン
(72)【発明者】
【氏名】サンディープ アール バール
(72)【発明者】
【氏名】デビッド アイ アンダーソン
【審査官】 東 昌秋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−78111(JP,A)
【文献】 特開2005−73423(JP,A)
【文献】 特開2010−130557(JP,A)
【文献】 特開2011−10487(JP,A)
【文献】 特開平10−233506(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 1/00− 7/98
H03K 17/00−17/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デプリーションモードトランジスタとエンハンスメントモードトランジスタとを制御するための制御回路要素であって、
前記デプリーションモードトランジスタのゲートに結合されるように適合される第1の制御ノードと、
前記エンハンスメントモードトランジスタのゲートに結合されるように適合される第2の制御ノードと、
前記デプリーションモードトランジスタのソースと前記エンハンスメントモードトランジスタのドレインとに結合されるように適合される接続ノードと、
前記エンハンスメントモードトランジスタのソースに結合されるように適合される接地ノードと、
前記接地ノードよりも低い電圧を受信するように適合される負電圧入力ノードと、
前記第1の制御ノードに結合されるドレインと、少なくと1つの第1の論理デバイスを介して入力ノードに結合されるゲートと、前記接地ノードに結合されるソースとを有する第1のトランジスタと、
前記第1の制御ノードに結合されるドレインと、少なくとも1つの第2の論理デバイスを介して前記入力ノードに結合されるゲートと、前記負電圧入力ノードに結合されるソースとを有する第2のトランジスタと、
を含む、制御回路要素。
【請求項2】
請求項1に記載の制御回路要素であって、
前記デプリーションモードトランジスタがガリウム窒化物高電子移動度トランジスタである、制御回路要素。
【請求項3】
請求項1に記載の制御回路要素であって、
前記エンハンスメントモードトランジスタがNFETである、制御回路要素。
【請求項4】
請求項1に記載の制御回路要素であって、
前記第1のトランジスタがPFETであり、前記第2のトランジスタがNFETである、制御回路要素。
【請求項5】
請求項1に記載の制御回路要素であって、
前記少なくとも1つの第1の論理デバイスが、前記入力ノードが第1の論理状態を有することに応答して前記第1のトランジスタをオンにするように適合され、前記入力ノードが第2の論理状態を有することに応答して前記第1のトランジスタをオフにするように適合され、
前記少なくとも1つの第2の論理デバイスが、前記入力ノードが前記第1の論理状態を有することに応答して前記第2のトランジスタをオフにするように適合され、前記入力ノードが前記第2の論理状態を有することに応答して前記第2のトランジスタをオンにするように適合される、制御回路要素。
【請求項6】
請求項1に記載の制御回路要素であって、
前記エンハンスメントモードトランジスタのソースに結合されるように適合される第1の電圧ノードであって、前記第1のトランジスタのソースに結合される、前記第1の電圧ノードと、
前記第2のトランジスタのソースに結合される第2の電圧ノードであって、前記第2の電圧ノードの電圧が前記デプリーションモードトランジスタをオフにするためのものである、前記第2の電圧ノードと、
を更に含む、制御回路要素。
【請求項7】
請求項1に記載の制御回路要素であって、
前記接続ノードと前記第2の制御ノードとに結合される欠陥検出回路要素であって、前記接続ノードにおける電圧と前記第2の制御ノードにおける電圧とに応答して欠陥コンディションを検出するように適合される、前記欠陥検出回路要素を更に含む、制御回路要素。
【請求項8】
請求項7に記載の制御回路要素であって、
前記欠陥検出回路要素が、前記欠陥コンディションがあることに応答して前記エンハンスメントモードトランジスタをオフにするために前記第2の制御ノードを介して信号を出力することにより前記デプリーションモードトランジスタをオフにするように適合される、制御回路要素。
【請求項9】
請求項7に記載の制御回路要素であって、
前記欠陥コンディションが、不足電圧コンディションと過電圧コンディションと過電流コンディションと過熱コンディションとの少なくとも1つを含む、制御回路要素。
【請求項10】
請求項7に記載の制御回路要素であって、
前記欠陥検出回路要素が前記少なくとも1つの第1の論理デバイスと前記少なくとも1つの第2の論理デバイスとに結合される、制御回路要素。
【請求項11】
請求項7に記載の制御回路要素であって、
前記少なくとも1つの第1の論理デバイスが、前記欠陥コンディションがないことに応答して前記第1のトランジスタをオンにするように適合され、前記欠陥コンディションがあることに応答して前記第1のトランジスタをオフにするように適合され、
前記少なくとも1つの第2の論理デバイスが、前記欠陥コンディションがないことに応答して前記第2のトランジスタをオフにするように適合され、前記欠陥コンディションがあることに応答して前記第2のトランジスタをオンにするように適合される、制御回路要素。
【請求項12】
デプリーションモードトランジスタとエンハンスメントモードトランジスタとを制御するための制御回路要素であって、
前記デプリーションモードトランジスタのゲートに結合されるように適合される第1の制御ノードと、
前記エンハンスメントモードトランジスタのゲートに結合されるように適合される第2の制御ノードと、
前記デプリーションモードトランジスタのソースと前記エンハンスメントモードトランジスタのドレインとに結合されるように適合される検出ノードと、
前記第1の制御ノードに結合されるドレインと、少なくとも1つの第1の論理デバイスを介して入力ノードに結合されるゲートとを有する第1のトランジスタであって、PFETである、前記第1のトランジスタと、
前記第1の制御ノードに結合されるドレインと、少なくとも1つの第2の論理デバイスを介して前記入力ノードに結合されるゲートとを有する第2のトランジスタであって、NFETである、前記第2のトランジスタと、
前記検出ノードと前記第2の制御ノードとに結合される欠陥検出回路要素であって、前記少なくとも1つの第1の論理デバイスと前記少なくとも1つの第2の論理デバイスとに結合され、前記検出ノードにおける電圧と前記第2の制御ノードにおける電圧とに応答して欠陥コンディションを検出するように適合され、前記欠陥コンディションがあることに応答して前記エンハンスメントモードトランジスタをオフにするために前記第2の制御ノードを介して信号を出力することにより前記デプリーションモードトランジスタをオフにするように適合され、前記欠陥コンディションが不足電圧コンディションと過電圧コンディションと過電流コンディションと過熱コンディションとの少なくとも1つを含む、前記欠陥検出回路要素と、
を含み、
前記少なくとも1つの第1の論理デバイスが、前記入力ノードが第1の論理状態を有することに応答して前記第1のトランジスタをオンにするように適合され、前記入力ノードが第2の論理状態を有することに応答して前記第1のトランジスタをオフにするように適合され、
前記少なくとも1つの第2の論理デバイスが、前記入力ノードが前記第1の論理状態を有することに応答して前記第2のトランジスタをオフにするように適合され、前記入力ノードが前記第2の論理状態を有することに応答して前記第2のトランジスタをオンにするように適合され、
前記少なくとも1つの第1の論理デバイスが、前記欠陥コンディションがないことに応答して前記第1のトランジスタをオンにするように適合され、前記欠陥コンディションがあることに応答して前記第1のトランジスタをオフにするように適合され、
前記少なくとも1つの第2の論理デバイスが、前記欠陥コンディションがないことに応答して前記第2のトランジスタをオフにするように適合され、前記欠陥コンディションがあることに応答して前記第2のトランジスタをオンにするように適合される、制御回路要素。
【請求項13】
請求項12に記載の制御回路要素であって、
前記デプリーションモードトランジスタがガリウム窒化物高電子移動度トランジスタである、制御回路要素。
【請求項14】
請求項12に記載の制御回路要素であって、
前記エンハンスメントモードトランジスタのソースに結合されるように適合される第1の電圧ノードであって、前記第1のトランジスタのソースに結合される、前記第1の電圧ノードと、
前記第2のトランジスタのソースに結合される第2の電圧ノードであって、前記第2の電圧ノードの電圧が前記デプリーションモードトランジスタをオフにするためのものである、前記第2の電圧ノードと、
を更に含む、制御回路要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、概して電子回路要素に関し、特に、デプリーションモードトランジスタを制御するための方法及び回路要素に関連する。
【背景技術】
【0002】
多くの状況において、ガリウム窒化物(GaN)高電子移動度トランジスタ(HEMT)及びシリコンカーバイド(SiC)接合ゲート電界効果トランジスタ(JFET)などのデプリーションモード(dモード)トランジスタは、エンハンスメントモード(eモード)トランジスタより優れたスイッチング性能を有する。それにもかかわらず、幾つかのパワー電子回路実装において、ノーマリー「オン」dモードトランジスタ(例えば、そのVGS=0Vである)は、安全性に関して問題を起こし得る。これに対し、ノーマリー「オフ」eモードトランジスタは、何らかの欠陥条件に応答してクロスコンダクション(短絡など)を実質的に防ぐことを助け得る。
【発明の概要】
【0003】
記載される例において、第1のトランジスタが、デプリーションモードトランジスタのソースに結合されるドレインと、第1の電圧ノードに結合されるソースと、制御ノードに結合されるゲートとを有する。第2のトランジスタが、デプリーションモードトランジスタのゲートに結合されるドレインと、第1の電圧ノードに結合されるソースと、少なくとも一つの第1の論理デバイスを介して入力ノードに結合されるゲートとを有する。第3のトランジスタが、デプリーションモードトランジスタのゲートに結合されるドレインと、第2の電圧ノードに結合されるソースと、少なくとも一つの第2の論理デバイスを介して入力ノードに結合されるゲートとを有する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】例示の実施例の回路要素の概略の電気的回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図1は、例示の実施例の回路要素100の概略の電気的回路図である。図1に示すように、GaN HEMTなどの高電圧dモードトランジスタ102が、低電圧eモードNFET(LVスイッチ)104と直列に接続される。第1の例において、LVスイッチ104は個別部品(discrete)である。第2の例において、LVスイッチ104は、別の構成要素と統合される(ドライバ回路要素105と統合されるなど)。
【0006】
dモードトランジスタ102のドレインが、その電圧が600ボルト(又はそれ以上)までわたり得る電圧出力ノードVOUTに接続される。dモードトランジスタ102のソースが、LVスイッチ104のドレインに接続される。LVスイッチ104のソースが、その電圧が0ボルトである接地ノードGNDなどの電圧基準ノードに接続される。少なくとも一つの例において、接地ノードGNDは、グローバル接地の代わりにローカル接地に接続される。
【0007】
LVスイッチ104は、(a)通常オペレーションのためにオンになり、そのため、nチャネル金属酸化物半導体(NMOS)スイッチングダイナミクスが、通常オペレーションの間、回路要素100の全体的なスイッチングダイナミクスから実質的に取り除かれ、(b)一つ又は複数の検出された欠陥条件に応答して(スタートアップの間など)安全(デバイス保護など)のためオフになる。このような欠陥条件の例には、不足電圧(under−voltage)、過電圧、過電流、及び過温度がある。
【0008】
例えば、+12V、+5V、及び−12Vのノードの電圧に応答して、不足電圧ロックアウト(UVLO)回路要素106が、(a)不足電圧コンディションが存在するか又は存在しないか、及び(b)過電圧コンディションが存在するか又は存在しないかを検出する。このような検出に応答して、UVLO回路要素106は、PGOODライン上の信号を、ANDゲート108及び110のそれぞれの第1の入力に出力する。従って、UVLO回路要素106が不足電圧コンディションも過電圧コンディションも検出しないことに応答して、PGOODライン上のUVLO回路要素106からの信号は、バイナリ論理1(真)状態を有する。逆に、UVLO回路要素106が不足電圧コンディション又は過電圧コンディションのいずれかを検出することに応答して、PGOODライン上のUVLO回路要素106からの信号は、バイナリ論理0(偽)状態を有する。
【0009】
同様に、LVスイッチ104のゲートにおける及びLVスイッチ104のドレインにおける電圧に応答して、過電流保護(OCP)過熱保護(OTP)回路要素112が、(a)過電流コンディションが存在するか又は存在しないか、及び(b)過熱コンディションが存在するか又は存在しないか否かを検出する。このような検出に応答して、OCP OTP回路要素112は、/FAULTライン上の信号をANDゲート108及び110のそれぞれの第2の入力に出力する。従って、OCP OTP回路要素112が過電流コンディションも過熱コンディションも検出しないことに応答して、/FAULTライン上のOCP OTP回路要素112からの信号は、バイナリ論理1(真=欠陥なし)状態を有する。逆に、OCP OTP回路要素112が過電流コンディション又は過熱コンディションのいずれかを検出することに応答して、/FAULTライン上のOCP OTP回路要素112からの信号は、バイナリ論理0(偽=欠陥)状態を有する。OCP OTP回路要素112及びUVLO回路要素106は、欠陥検出回路要素の例である。
【0010】
ANDゲート110の出力が、バッファ114を介して制御ノード115に結合される。制御ノード115は、LVスイッチ104のゲートに結合される。従って、PGOODライン上の信号が真状態を有する場合、及び/FAULTライン上の信号が真状態を有する場合、ANDゲート110の出力は真状態を有し、LVスイッチ104は通常オペレーションのためオンになる。逆に、PGOODライン上の信号が偽状態を有するか、又は/FAULTライン上の信号が偽状態を有する場合、ANDゲート110の出力は偽状態を有し、LVスイッチ104は、これらの検出された欠陥条件の一つ又は複数に応答して安全のためオフになる。
【0011】
同様に、ANDゲート108の出力が、インバータ116を介してnチャネル電界効果トランジスタ(NFET)118のゲートに結合される。NFET118のソースが接地ノードGNDに接続され、NFET118のドレインが
ノードに接続される。従って、PGOODライン上の信号が真状態を有する場合、及び/FAULTライン上の信号が真状態を有する場合、ANDゲート108の出力は真状態を有し、そのため、NFET118はオフになる。逆に、PGOODライン上の信号が偽状態を有する場合、又は/FAULTライン上の信号が偽状態を有する場合、ANDゲート108の出力は偽状態を有し、それにより、NFET118がオンになる。NFET118をオンにすることにより、
ノードが、NFET118を介して0ボルトに結合され、それにより、検出された欠陥条件の一つ又は複数の存在を(
ノードを介して)通信する。
【0012】
また、ANDゲート108の出力は、ANDゲート120の第1の入力に接続される。入力ノードINが、バッファ122を介してANDゲート120の第2の入力に結合される。そのため、入力ノードINがバイナリ論理0(偽)状態を有する場合、ANDゲート120の出力は偽状態を有する。
【0013】
通常オペレーションでは、入力ノードINは、バイナリ論理1(真)状態とバイナリ論理0(偽)状態との間で交番するパルス幅変調された(PWM)信号を(PWMコントローラなどから)受け取る。従って、通常オペレーションの間、(a)PGOODライン上の信号が真状態を有する場合、及び/FAULTライン上の信号が真状態を有する場合、入力ノードINの論理状態はANDゲート120を介して伝搬し、そのため、ANDゲート120の出力は入力ノードINと同じ論理(真又は偽のいずれか)状態を有し、(b)逆に、PGOODライン上の信号が偽状態を有する場合、又は/FAULTライン上の信号が偽状態を有する場合、ANDゲート120の出力は偽状態を有する。
【0014】
ノードにおける12ボルトの入力電圧(+12Vノード)に応答して、低ドロップアウト(LDO)レギュレータ124が、ノードにおいて5ボルトの電圧(+5Vノード)を生成する。+12Vノードは、pチャネル電界効果トランジスタ(PFET)126のソースに接続される。反転バックブーストコントローラ128が、PFET126のゲートに及びNFET130のゲートに接続される。NFET130のソースがライン132に接続される。スイッチノードSWが、PFET126のドレインに及びNFET130のドレインに接続される。少なくとも一つの例において、インダクタ(明確にするため図には示していない)が、スイッチノードSWと、その電圧が0ボルトである接地ノードGNDとの間に接続される。従って、フィードバックノードFBにおける信号(電圧信号など)に応答して、コントローラ128は、ライン132上の−12ボルトの電圧をレギュレートするためにPFET126及びNFET130の(オンとオフの間の)スイッチングを制御する。別の例において、コントローラ128は、ライン132上の−12ボルトの電圧(−12Vノード)をレギュレートするために反転チャージポンプにより置き換えられる。
【0015】
dモードトランジスタ102のゲートが、PFET134のドレインに及びNFET136のドレインに接続される。PFET134のソースが、その電圧が0ボルトである接地ノードGNDに接続され、NFET136のソースが、その電圧が−12ボルトであるライン132に接続される。PFET134のボディダイオード138が、PFET134のドレインからPFET134のソースに接続される。
【0016】
インバータ140、ORゲート142、及びバッファ144に対し、バイナリ論理0(偽)状態が−5ボルトで表わされ、バイナリ論理1(真)状態が0ボルトで表わされる。インバータ146、ANDゲート148、及びバッファ150に対し、バイナリ論理0(偽)状態が−12ボルトで表わされ、バイナリ論理1(真)状態が−7ボルトで表わされる。
【0017】
レベルシフタ(L/S)152が、(a)ANDゲート120の出力を受け取り、(b)このような出力を、インバータ140及び146に適した対応する信号に変換する。従って、偽状態を有するANDゲート120の出力に応答して、L/S152は、(a)その電圧が−5ボルトである信号をインバータ140の入力に、及び(b)その電圧が−12ボルトである信号をインバータ146の入力に出力する。逆に、真状態を有するANDゲート120の出力に応答して、L/S152は、(a)その電圧が0ボルトである信号をインバータ140の入力に、及び(b)その電圧が−7ボルトである信号をインバータ146の入力に出力する。
【0018】
インバータ140の出力が、ORゲート142の第1の入力に接続される。ORゲート142の出力が、バッファ144の入力に接続される。バッファ144の出力が、PFET134のゲートに接続される。
【0019】
インバータ146の出力が、ANDゲート148の第1の入力に接続される。ANDゲート148の出力が、バッファ150の入力に接続される。バッファ150の出力が、NFET136のゲートに接続される。
【0020】
レベルシフタ(L/S)154が、(a)ANDゲート148の出力を受け取り、(b)このような出力を、ORゲート142に適した対応する信号に変換する。従って、(a)偽状態(−12ボルト)を有するANDゲート148の出力に応答して、L/S154は、その電圧が−5ボルトである信号を(ORゲート142の第2の入力に)出力し、(b)逆に、真状態(−7ボルト)を有するANDゲート148の出力に応答して、L/S154は、その電圧が0ボルトである信号を(ORゲート142の第2の入力に)出力する。
【0021】
同様に、レベルシフタ(L/S)154は、(a)ORゲート142の出力を受け取り、(b)このような出力を、ANDゲート148に適した対応する信号に変換する。従って、(a)偽状態(−5ボルト)を有するORゲート142の出力に応答して、L/S154は、その電圧が−12ボルトである信号を(ANDゲート148の第2の入力に)出力し、(b)逆に、真状態(0ボルト)を有するORゲート142の出力に応答して、L/S154は、その電圧が−7ボルトである信号を(ANDゲート148の第2の入力に)出力する。
【0022】
このようにして、インバータ140及び146のそれぞれの出力は互いと同じ論理状態を有し、このような論理状態はORゲート142及びANDゲート148のそれぞれの出力によりラッチされる。
【0023】
少なくとも一つの実施例において、dモードトランジスタ102の閾値電圧(VT)が−10ボルトであり、そのため、dモードトランジスタ102のゲートは、LVスイッチ104のソースに対して負の電位から動作する。例えば、通常オペレーションの間、回路要素100は、dモードトランジスタ102のゲートを0ボルトと−12ボルトの間でアクティブに切り替えるように動作し得る。従って、回路要素100は、本来のdモードデバイスの優れたスイッチング性能を達成し、制御可能なエッジレートを維持する一方で、カスコード配置の固有のノーマーリーオフ能力を保持する。
【0024】
dモードトランジスタ102をオフにするために、入力ノードINが偽状態にクリアされ、そのため、ANDゲート120の出力は偽状態を有し、それにより、PFET134をオフにし、NFET136をオンにする。同様に、一つ又は複数の検出された欠陥条件に応答して(入力ノードINが偽状態にクリアされるか又は真状態に設定されるかに関係なく)、ANDゲート120の出力は偽状態を有し、それにより、PFET134をオフにし、NFET136をオンにする。このようにしてNFET136をオンにすることにより、dモードトランジスタ102のゲートは、その電圧が−12ボルトであるライン132にNFET136を介して結合され、そのため、dモードトランジスタ102はオフにされる。
【0025】
dモードトランジスタ102をオンにするために、入力ノードINが真状態に設定され、そのため、ANDゲート120の出力は真状態を有し(ANDゲート108の出力が同様に真状態を有する場合にのみ)、それにより、PFET134をオンにし、NFET136をオフにする。このようにしてPFET134をオンにすることにより、
(a)dモードトランジスタ102のゲートは、PFET134を介して、その電圧が0ボルトである接地ノードGNDに(及び同様にLVスイッチ104のソースに)結合され、そのため、dモードトランジスタ102のVGSがLVスイッチ104のVDSにほぼ等しく(しかし極性が反対であり)、
(b)従って、LVスイッチ104オンになる場合、LVスイッチ104のVDSが比較的小さく、dモードトランジスタ102のVGSが比較的小さく、そのため、dモードトランジスタ102がオンになる。
【0026】
ドライバ回路要素105が、給電されない場合、LVスイッチ104はオフになり、dモードトランジスタ102のゲートは、ダイオード138を介して(接地ノードGNDの)0ボルト近くに結合される。又は、ドライバ回路要素105が電力を有するが、+12V、+5V、又は−12Vノードの一つ又は複数のいずれかがその適切な電圧レベルにない場合、PGOODライン上のUVLO回路要素106からの信号はバイナリ論理0(偽)状態を有し、そのため、LVスイッチ104はオフになる。LVスイッチ104がオフになる場合、(検出された欠陥条件の一つ又は複数に応答して安全のためなど)、LVスイッチ104のVDSが増大し、これは最終的に、dモードトランジスタ102のVGSをその閾値電圧(VT)に到達(及び超え続け)させ、そのため、たとえライン132が−12ボルトのその適切な電圧レベルではない場合であっても、dモードトランジスタ102はオフとなり始める(及び継続する)。
【0027】
本発明の特許請求の範囲内で、説明した例示の実施例に変形が成され得、多くの他の実施例が可能である。
図1