(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記マスタ通信装置は、複数サイトの前記スレーブ通信装置の識別情報を予め登録し、前記処理装置から取得した前記識別情報に基づき接続すべきスレーブ通信装置を選択して接続し、
前記処理装置は、前記内燃力非常用発電設備を診断する
ことを特徴とする請求項1に記載の遠隔監視システム。
前記スレーブ通信装置は、前記マスタ通信装置と通信する通信部と、前記内燃力非常用発電設備に接続して内燃力非常用発電設備に指令信号を付与するとともに、前記内燃力非常用発電設備から稼働情報を取得するリモートI/O装置を含んで構成する
ことを特徴とする請求項1に記載の遠隔監視システム。
前記マスタ通信装置は、さらに、予め所定の通信端末の第2の識別情報を登録し、前記処理装置から取得した前記第2の識別情報に基づき接続すべき前記通信端末を選択して接続し、前記書式ファイルを選択した前記通信端末に送信する
ことを特徴とする請求項8に記載の遠隔監視システム。
【背景技術】
【0002】
内燃力非常用発電設備は、病院、商業施設、大規模オフィスビル等、商用電力の供給が一時的に中止(停電)すると影響度合いの大きい施設に設置される。その役割は、商用電力が停電したとき、速やかに起動し、所定時間、必要な電力を前記施設に供給することである。
【0003】
先の東日本大震災において、被災地域に設置されていた内燃力非常用発電設備の一部は正常に作動しなかった。震災時に発生した内燃力非常用発電設備の不具合は、その多くが、燃料切れや津波の被害等を除いて点検・整備不良によるものである。従来も非常用発電機の点検は様々な保守業者によって定期的に行われてきたにも拘わらず、この事態を食い止めることができなかった。近年の自然災害に伴う大規模停電等の増大により、いざという時に動かなければ設置目的を果たさない内燃力非常用発電設備をいつでも動くように万全の状態に保持することが、設備を保有する施設のオーナに対して求められている。
【0004】
内燃力非常用発電設備には、停電を検知したときに確実に起動することが求められる。そのために、内燃力非常用発電設備には法令(消防法等)で定める定期検査を義務づけられている。例えば消防法では、機器点検を6か月ごとに、総合点検を1年ごとに行うこと等を義務づけられている。
【0005】
現在は、施設のオーナ等は、保守会社と定期検査の契約を結び、保守会社の保守員により定期検査を行うことが一般的である。具体的には、保守員が内燃力非常用発電設備の設置場所に出向き、定期検査で定められた検査項目を実施し、その結果を所定の書式に整理してオーナに報告する形をとっている。
【0006】
一方、特許文献1では、非常用発電装置を離れた場所から遠隔監視・操作する非常用発電システムが提案されている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
以下、内燃力非常用発電設備を非常用発電設備と表記する。
図1は、本実施形態に係る非常用発電設備40の遠隔監視システム100の概要を示す図である。遠隔監視システム100は、処理装置10と、処理装置10に接続するマスタ通信装置20と、マスタ通信装置20とLTE回線等の高速無線通信回線で接続するスレーブ通信装置30と、を含む構成である。スレーブ通信装置30は、非常用発電設備40への指令入力と非常用発電設備40からのデータ出力を受信する。なお、LTEは、Long Term Evolutionの略称である。
【0015】
処理装置10とマスタ通信装置20とは監視センタに配設される。スレーブ通信装置30は、非常用発電設備40ごとに配設され、通信部31とリモートI/O装置32を含んで構成し、リモートI/O装置32は非常用発電設備40との信号の入出力を行う。
【0016】
すなわち、スレーブ通信装置30は、マスタ通信装置20と通信する通信部31と、非常用発電設備40に接続して非常用発電設備40に指令信号を付与するとともに、非常用発電設備40から稼働情報を取得するリモートI/O装置32を含んで構成する。
【0017】
処理装置10は、保守対象とする非常用発電設備40の識別情報を特定し、マスタ通信装置20に送信する。マスタ通信装置20は、識別情報を受信し、識別情報に基づき、接続するスレーブ通信装置30を選択して接続する。
【0018】
具体的には、マスタ通信装置20は、複数サイトのスレーブ通信装置30の識別情報を予め登録し、処理装置10から取得した識別情報に基づき接続すべきスレーブ通信装置30を選択して接続する。
【0019】
保守員は、処理装置10に備えられた接触入力可能な表示装置に表示されたボタンを押すことにより、非常用発電設備40を遠隔で操作して診断を行う。診断の詳細については、
図3を参照して後記する。
【0020】
非常用発電設備40は、例えば、ディーゼルエンジン、ガスエンジン、ガスタービン等の内燃力を利用して発電機を回転させることによって発電を行う発電設備であり、非常時に始動して、電力を発生させる発電設備を意味する。非常用発電設備40は、停電時に、40秒始動の始動時間が要求される。
【0021】
消防法・建築基準法で定める避難・消火・排煙設備等の防災設備においては、停電発生後に非常用発電設備40が自動起動し、火災が発生したときにすぐに電力供給できるよう40秒以内に所定の出力電圧を確立することが求められる。この40秒以内はガスタービンを想定している。しかしながら、本件の主要対象としているディーゼルエンジンを使用した非常用発電設備40においては、さらに厳しい条件で起動することを目指すものである。
【0022】
本実施形態では、遠隔に設置された処理装置10から運転指令を出力してから遠隔監視対象の発電機が所定の出力電圧を確立し、発電機電圧確立信号が動作するまでに要する時間(発電機電圧確立時間TE)を10秒以内に設定している。
【0023】
図2は、非常用発電設備40の10秒始動のタイムスケジュールの例を示す図である。停電事象が発生すると、非常用発電設備40は、停電確認、セル噛合確認後、発電開始し規定電圧に達し、発電確立までの時間を10秒以内としている。発電確立後、発電側負荷切替し、非常用発電設備40は、負荷に対し給電を行う。商用電源側の復電が確認されると、商用側負荷切替えを行い、無負荷運転後、非常用発電設備40は停止処理に入る。なお、図中の27R、88C等の符号は、日本電機工業会規格JEM1090による。
【0024】
本実施形態の非常用発電設備40の遠隔操作による保守点検では、停電の事象が発生した場合を想定しての発電側負荷切替え前までの始動試験と、無負荷の運転試験と、商用電源側の復電が確認された場合とを想定しての停止試験等を行う。なお、オーナの要求によっては、負荷運転の保守点検を実施してもよい。
【0025】
図3は、本実施形態に係る処理装置10の構成を示す図である。処理装置10は、処理部11、記憶部12、入力部13、表示部14(表示装置)、通信接続部15を有する。処理部11は、中央演算処理装置(CPU)であり、入力部13からの入力を受付け又は非常用発電設備40の各種稼働情報を、マスタ通信装置20を介して取得する入力処理部111、非常用発電設備40の健全性(制御電源の健全性(バッテリ健全性)、発電機の健全性等)を診断する診断部112、表示部14への出力又は非常用発電設備40への指令信号を、マスタ通信装置20を介して送信する出力処理部113等を有する。
【0026】
記憶部12には、非常用発電設備40の識別番号、型式等の情報である発電設備情報121、非常用発電設備40の各設置環境(地理的要因、季節的要因、設備的要因)の情報である設置環境情報122、非常用発電設備40の各点検結果の情報である点検結果情報123、所定期間の点検結果情報に基づき異常予兆があるか否かの診断結果である異常予兆診断情報124、点検結果をオーナに報告する点検結果報告書情報125等が記憶されている。
【0027】
入力部13は、キーボードやマウス等のコンピュータに指示を入力するための装置であり、プログラム起動等の指示を入力する。表示部14は、ディスプレイ等であり、処理装置10による処理の実行状況や実行結果等を表示する。通信接続部15は、マスタ通信装置20を接続する。
【0028】
処理装置10の出力処理部113は、非常用発電設備40を診断した結果を、予め記憶した書式ファイル(点検結果報告書60、
図8参照)に記録し、記憶部12に記憶する。
【0029】
診断部112には、第1の診断、第2の診断、異常予兆診断(
図6参照)等の機能を有する。診断部112は、第1の診断として、非常用発電設備40の起動に使用するバッテリの電圧低下を検出することにより、セルモータが正常に起動する電圧を確保できるか診断する。診断部112は、所定電圧を下回るとき、バッテリ異常と診断する。バッテリの電圧は、セルモータを正常に駆動するためには、所定の電圧出力を常に有することが必要である。
【0030】
診断部112は、第2の診断として、非常用発電設備40に運転指令を出力してから所定の発電機電圧が確立し、発電機電圧確立信号が動作するまでに要する時間(発電機電圧確立時間TE)が、所定の時間(基準時間T0)を超えたときに、発電機異常と診断する。基準時間T0は、非常用発電設備40が設置されている設置環境(地理的要因、季節的要因、設備的要因)に基づき、非常用発電設備40ごとに設定される。
【0031】
地理的要因とは、非常用発電設備40を設置した場所により変動する温度、湿度の要因である。これらの要因により、エンジンオイルの粘度が変化し、同じ型式の非常用発電設備40であっても、発電機電圧確立時間TEは変化する。
季節的要因とは、非常用発電設備40が設置してある季節により変動する温度、湿度の要因である。これらの要因により、同じ型式の非常用発電設備40であっても、季節により発電機電圧確立時間TEは変化する。
設備的要因とは、同じ非常用発電設備40の型式であっても、個体差による特性の違いの要因である。非常用発電設備40として、遠隔操作により運転指令を出力してから所定の発電機電圧が確立し、発電機電圧確立信号が動作するまでに要する時間(発電機電圧確立時間TE)は、設備として重要な要素であり、正常起動時と比べてこれを超えないように設備の健全性を保持する必要がある。
【0032】
図4は、本実施形態に係る非常用発電設備40側の入出力構成を示す図である。リモートI/O装置32のDO(Degital Output)として運転指令、停止指令等がある。リモートI/O装置32のDI(Degital Input)として、外気温、制御電源電圧(又はバッテリ電圧)、オイル圧力(油圧力)、発電電圧、運転開始信号、故障一括信号、電圧確立信号等がある。
【0033】
図5は、本実施形態に係る遠隔操作による点検周期の例を示す図である。適宜
図1、
図3を参照する。消防法では、前記したように、機器点検を6か月ごとに、総合点検を1年ごとに行うこと等を義務づけられている。すなわち、法令点検としての定期点検は、6か月、1年、と比較的長いスパンで行われる。これに対し、本実施形態では、例えば、点検周期として毎月一回、遠隔操作による試験運転が実施される。
【0034】
処理装置10は、前記したように、非常用発電設備40が備えるバッテリの出力電圧の低下度合に基づきバッテリの健全性と、非常用発電設備40に運転指令を出力してから非常用発電設備40に備えられた発電機が所定の電圧を確立し、発電機電圧確立信号が動作するまでに要する発電機電圧確立時間TEの大きさに基づき前記発電機の健全性と、を監視する。
【0035】
処理装置10は、マスタ通信装置20を介して非常用発電設備40からバッテリ電圧低下検出信号と発電機電圧確立信号と、を取り込み、バッテリ電圧低下検出信号が動作したときにバッテリが異常であると診断し、非常用発電設備40に運転指令を出力してから発電機電圧確立信号が動作するまでに要する時間を算出して発電機電圧確立時間TEを求め、発電機電圧確立時間TEが予め定められた基準時間T0を超えたときに発電機が異常であると診断する。
【0036】
基準時間T0は、非常用発電設備40が設置されている設置環境(地理的要因、季節的要因、設備的要因)に基づき、非常用発電設備40ごとに設定される。
【0037】
図6は、本実施形態に係る異常予兆診断を説明するための図であり、(a)は月別の発電機電圧確立時間TEの推移であり、(b)は同じ月の年別の発電機電圧確立時間TEの推移である。
【0038】
処理装置10の診断部112は、異常予兆診断として、一年を複数の分割期間に区切り、現在が属する分割期間を関連分割期間とし、関連分割期間における所定期間の過去の前記発電機電圧確立時間TEと現在の前記発電機電圧確立時間TEのトレンドを算出し、発電機電圧確立時間TEが大きくなることを示す傾きがあるときに非常用発電設備40に異常予兆が存在すると診断する。
【0039】
図6を参照して具体的に説明すると、1年を複数の分割期間に区切り、それぞれを「分割期間」とする。
図6(a)の例では、月が「分割期間」である。現在が2019年1月とすると、関連分割期間を「1月」に設定する。診断部112は、
図6(b)に示すように、過去の「1月」の発電機電圧確立時間TEを抽出する。図では、過去4年分のデータが取得されたので、そのトレンドを算出し、異常傾向にあるか否かを診断する。
【0040】
図6(b)に示す例では、発電機電圧確立時間TEが10秒以内に収まっているが、過去と現在のトレンドを比較して発電機電圧確立時間TEの推移が大きくなる傾向が認められる場合には、非常用発電設備40に何らかの異常予兆が存在する可能性がある。このため、診断部112は、非常用発電設備40から取得するデータに基づいて、監視対象の異常予兆診断を行った上で、その診断結果をオーナに報告することで、部品交換時期等の提案を行うことが可能となる。
【0041】
図7は、本実施形態に係る運転管理画面50の例を示す図である。運転管理画面50は、表示部14(
図3参照)に表示される画面である。運転管理画面50には、接続先表示部51、接続先一覧ボタン51A、試験運転電源への通信状態表示部52、試験運転電源の接続ボタン53A、試験運転電源の切断ボタン53B、試験運転電源の運転開始ボタン54A、試験運転電源の運転停止ボタン54B、試験運転電源の運転状態表示部55、運転状態表示部55のうちの詳細情報である監視項目部56、印刷ボタン57、CSV出力ボタン58、測定値グラフ部59等がある。なお、CSVは、comma-separated valuesの略称である。
【0042】
接続先一覧ボタン51Aがクリックされると、登録された接続先がプルダウンメニューとして一覧表示され、選択された接続先とその接続先の型式、IPアドレスが、接続先表示部51に表示される。
【0043】
接続ボタン53Aがクリックされると、接続先に表示されていた現地に接続される。なお、接続先は常に一か所としている。これにより、試験運転電源は確実に一か所となる。また、切断ボタン53Bがクリックされると、接続先に表示されていた現地とは非接続となる。通信状態表示部52には、接続中か、非接続かが表示される。
【0044】
運転開始ボタン54Aがクリックされると、リモートI/O装置32のDO(Degital Output)モジュールより運転指令が出力される。運転停止ボタン54Bがクリックされると、リモートI/O装置32のDOより停止指令が出力される。
【0045】
運転状態表示部55には、運転開始、発電中、故障一括、制御電源電圧低下等のランプ表示部がある。リモートI/O装置32のDI(Degital Input)モジュールに信号が入力された際、ランプ表示を反転させる。
図5に示す例では、運転開始がされ、発電中であることがわかる。また、発電中の故障信号がでておらず、制御電源の電圧低下も見られないことがわかる。
【0046】
監視項目部56は、外気温度、発電電圧、オイル圧力等の各監視項目に対する現在値、最大値、異常であるか否かの閾値が表示される。
【0047】
印刷ボタン57がクリックされると、報告書フォーマットにデータが自動入力され、印刷プレビューが表示される。データはデータベースより抽出してデータ入力される。CSV出力ボタンがクリックすることで過去の起動来歴が表示され、選択することでその起動時に採取されたデータがCSV出力される。
【0048】
本実施形態の処理装置10は、接触入力可能な表示装置(例えば、表示部14)を備え、表示装置は、非常用発電設備40に備えられたコントロールパネル上のボタンスイッチ群を模擬した入力アイコン群(例えば、運転開始ボタン54A、運転停止ボタン54B)を備え、保守員が入力アイコン群を押圧することにより、対応する信号を非常用発電設備40に送信することができる。
【0049】
表示装置は、入力アイコン群と同一画面上に非常用発電設備40の稼働情報を示すインジケータ群(例えば、監視項目部56)を備え、インジケータ群は、非常用発電設備40から取得した対応する稼働情報の大きさを表示する。
【0050】
保守員は、ボタンが表示された同一画面において表示されているインジケータに表示された稼動情報を確認するとともに、それぞれのインジケータの近傍に配設された異常表示器を確認し、インジケータにおいて対応する稼動情報が正常範囲を超えた範囲を示し、さらに、異常表示器が点灯していることを確認したときに稼動情報を異常と判断する。
【0051】
図8は、本実施形態に係る点検結果報告書60の例を示す図である。点検結果報告書60には、1年間の点検結果が記録されている。測定項目として「遠方起動操作確認」、「外気温」、「始動時間」(運転指令から電圧確立までの時間)、「潤滑油圧力」、「発電機電圧」、「制御電源」、「遠方停止操作確認」、判定結果である「判定」がある。毎月1回、起動・停止等の起動停止確認をすることで、経験豊かな保守員、経験の浅い保守員、何れのスキルであっても同一レベルで内燃力非常用発電設備の保守点検を遠隔で行い、非常用発電設備40の健全性を保持することを可能としている。
【0052】
点検結果報告書60から、例えば、「始動時間」については、検査から10か月間は、8秒で起動できていたが、最近2か月は、9秒となっている。「始動時間」の管理値は、10秒以内(
図7参照)なので、正常起動であるが今後の変化に注意を要することがわかる。
【0053】
図9は、本実施形態に係る書式ファイルを通信端末に送信する例を示す図である。マスタ通信装置20は、さらに、予め所定の通信端末70の第2の識別情報を登録し、処理装置10から取得した第2の識別情報に基づき接続すべき通信端末70を選択して接続し、書式ファイル(例えば、点検結果報告書80)を選択した通信端末70に送信する。
【0054】
送信する手順は、点検結果報告書80の診断結果により、処理方法が異なる。
(1)診断結果に異常が無い場合は、選択した通信端末70に書式ファイルを自動送信する。
(2)診断結果に異状が有る場合は、処理装置10の表示部14に書式ファイルに記録された情報を表示し、保守員がその内容を確認し、次の処理をする。
(2−1)保守員が何らかの対応をする必要がある場合
保守員は、対応する必要があると判断した場合には必要な対応をし、非常用発電設備40を健全な状態に戻す。その上で再度、動作確認試験を行い、書式ファイルを作成し直して、書式ファイルが選択した通信端末70に送信される。
(2−2)保守員が内容を確認し、特段の対応を必要としない場合
表示部14に表示された「送信ボタン」を保守員が押圧(押下)することにより、書式ファイルが選択された通信端末70に送信される。
【0055】
施設のオーナ等は、通信端末70に送信された書式ファイルをみて、現在の非常用発電設備40の状態をいち早く知ることができる。
【0056】
本実施形態の遠隔監視システム100によれば、法令(消防法等)で定められた定期検査とは別に遠隔診断により、内燃力非常用発電設備が確実に起動することを確認するために必要な診断を行い、必要時に確実に起動することを保証することができる。
【0057】
また、経験豊かな保守員、経験の浅い保守員、何れのスキルであっても同一レベルで内燃力非常用発電設備の保守点検を遠隔で行い、前記内燃力非常用発電設備の健全性を保持することを可能とする。
【課題】経験の浅い保守員であっても経験の高い保守員と同一レベルで内燃力非常用発電設備の保守点検を遠隔で行い、内燃力非常用発電設備の健全性を保持することを可能とする遠隔監視システムを提供する。
【解決手段】遠隔監視システム100は、非常用発電設備40を遠隔で監視する遠隔監視システムであって、処理装置10と、処理装置10に接続されたマスタ通信装置20と、マスタ通信装置20と無線通信回線で接続されて非常用発電設備40と処理装置10との間の信号のやり取りを行うスレーブ通信装置30と、を含んで構成し、処理装置10は、非常用発電設備40が備えるバッテリの出力電圧の低下度合に基づきバッテリの健全性と、非常用発電設備40に運転指令を出力してから内燃力非常用発電設備に備えられた発電機が所定の電圧を確立し、発電機電圧確立信号が動作するまでに要する発電機電圧確立時間の大きさに基づき発電機の健全性と、を監視する。