特許第6722605号(P6722605)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6722605
(24)【登録日】2020年6月24日
(45)【発行日】2020年7月15日
(54)【発明の名称】球状物体上に印刷する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20200706BHJP
【FI】
   B41J2/01 109
   B41J2/01 305
   B41J2/01 401
   B41J2/01 451
【請求項の数】18
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-32712(P2017-32712)
(22)【出願日】2017年2月23日
(65)【公開番号】特開2017-159647(P2017-159647A)
(43)【公開日】2017年9月14日
【審査請求日】2020年2月20日
(31)【優先権主張番号】15/066,856
(32)【優先日】2016年3月10日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト・エイ・イリザリー
(72)【発明者】
【氏名】カルロス・マニュエル・テレロ
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド・アール・フェス
(72)【発明者】
【氏名】ブライン・アンドリュー・ハンナ
(72)【発明者】
【氏名】リン・シー・サックストン
【審査官】 中村 博之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−202490(JP,A)
【文献】 特開平07−068851(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3194775(JP,U)
【文献】 特表2000−505009(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0367184(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01−2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
球状物体上に印刷する装置において、
プリントヘッドと、
それぞれが単一軸まわりに回転する少なくとも2つの車輪であって、前記少なくとも2つの車輪が、それぞれ2つのディスクのスタックを備え、前記2つのディスクのそれぞれの外周が複数の円筒状ローラ及び複数のコネクタを備え、前記複数の円筒状ローラ及び前記複数のコネクタは、円筒状ローラとコネクタが交互に直列に配置されている、少なくとも2つの車輪と、
機械的アームに結合され、360度回転し且つ前記少なくとも2つの車輪に対して前記球状物体を固定するように配置された少なくとも1つのボール支持部と、
前記プリントヘッドを介して印刷するように所定位置へと前記少なくとも2つの車輪を介して前記球状物体を回転させるように前記プリントヘッド及び前記少なくとも2つの車輪と通信するコントローラとを備える、装置。
【請求項2】
前記プリントヘッドが、x軸及びy軸に沿った固定位置にある、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも2つの車輪のそれぞれの前記単一軸が異なる角度で配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも2つの車輪が、印刷流体を受けように前記プリントヘッドに向かって前記球状物体の任意の面を配置するように回転可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記2つのディスクのうちの第1のディスクの交互に直列である前記円筒状ローラ及び前記コネクタの外周が、前記2つのディスクの第2のディスクの交互に直列である前記円筒状ローラ及び前記コネクタの外周からオフセットされるように、前記2つの車輪が配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記円筒状ローラが、各車輪の回転軸に対して垂直である軸に沿って回転する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記球状物体と接触する前記少なくとも2つの車輪のうちの第1の車輪の前記円筒状ローラが、前記少なくとも2つの車輪のうちの第2の車輪の回転の前記単一軸に対して垂直である方向に回転する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記球状物体と接触する前記少なくとも2つの車輪のうちの第1の車輪の前記円筒状ローラが、前記少なくとも2つの車輪のうちの第1の車輪がその周りを回転する前記単一軸に対して平行である方向に回転する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記円筒状ローラが、ウレタンコーティングを有するプラスチックを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記円筒状ローラが、ゴム材料を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記機械的アームが、ばね付勢される、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記球状物体をマッピングするために原点を検出するように前記球状物体を走査する位置合わせモジュールをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
球状物体上に印刷する方法において、
前記球状物体上に印刷されるべき画像を受信することと、
360度回転するボール支持部を有する少なくとも1つの機械的アームを解放することと、
それぞれが単一軸まわりに回転する少なくとも2つの車輪であって、前記少なくとも2つの車輪が、それぞれ2つのディスクのスタックを備え、前記2つのディスクのそれぞれの外周が複数の円筒状ローラ及び複数のコネクタを備え、前記複数の円筒状ローラ及び前記複数のコネクタは円筒状ローラとコネクタが交互に直列に配置されている、少なくとも2つの車輪上に前記球状物体が配置されたことを検出することと、
前記少なくとも2つの車輪に対して前記球状物体を固定するように前記ボール支持部を有する前記少なくとも1つの機械的アームに係合することと、
固定されたプリントヘッドが前記球状物体上に前記画像を印刷するのを可能とするように前記球状物体を操作するように前記少なくとも2つの車輪を回転させることとを備える、方法。
【請求項14】
前記画像を印刷するように前記球状物体をマッピングするための原点を検出することを
さらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記検出することが、前記球状物体の弁に針を挿入することを備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも2つの車輪を回転させることには、前記少なくとも2つの車輪のうち第2の車輪を静止させたまま、前記少なくとも2つの車輪のうち第1の車輪を回転させることを含み、前記球状物体と接触する前記円筒状ローラが、前記第1の車輪が回転する方向に回転する、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
球状物体上に印刷する装置であって、
プリントヘッドと、
それぞれが単一軸まわりに回転する少なくとも2つの車輪であって、それぞれが2つのディスクのスタックを備え、前記2つのディスクのそれぞれの外周が、複数の円筒状ローラ及び複数の金属コネクタを備え、前記2つのディスクのスタックのうちの第1のディスクの前記複数の円筒状ローラが前記2つのディスクのスタックの第2のディスクの前記複数の金属コネクタに隣接し、前記2つのディスクのスタックのうちの前記第1のディスクの前記複数の金属コネクタが前記2つのディスクのスタックのうちの前記第2のディスクの前記複数の円筒状ローラに隣接するように、前記複数の円筒状ローラ及び前記複数の金属コネクタが交互に直列に配置されている少なくとも2つの車輪と、
前記少なくとも2つの車輪の上方に配置された機械的アームに結合され、360度回転し且つ前記少なくとも2つの車輪に対して前記球状物体を固定するように配置された少なくとも1つのボール支持部と、
前記プリントヘッド及び前記少なくとも2つの車輪に結合された少なくとも1つのモータと通信するコントローラであって、前記プリントヘッドを介して前記球状物体上に画像を印刷するように所定位置へと前記球状物体を移動し、前記球状物体が前記少なくとも1つのモータの動作を介して前記少なくとも2つの車輪とともに移動するコントローラとを備える、装置。
【請求項18】
前記球状物体をマッピングするために原点を検出するように前記球状物体を走査する位置合わせモジュールをさらに備える、請求項17に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、印刷に関し、より具体的には、球状物体上に印刷する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の印刷装置は、ボトル及び缶などの円筒状物体上に印刷するのを可能とする。例えば、ローラの経路は、印刷ヘッドの下方において円筒状物体を回転させ、円筒状物体上にラベル又はテキストを印刷するために使用されることができる。
【0003】
球状物体は、困難を提示する。いくつかの印刷装置は、吸引アームを使用し且つ単一の回転軸のみを提供するゴルフボールなどのより小さな球状物体上に印刷するのを可能とする。例えば、吸引アームは、画像又はテキストがゴルフボール上に印刷されるときに単一軸まわりにゴルフボールを回転させることができる。
【0004】
球状物体についてのプリンタの他の例は、ハイデルベルク社のJetmasterである。しかしながら、これらの印刷装置は、球状物体のまわりにプリントヘッドを操作するために6つのベクトル成分を必要とする。多数のベクトル成分を有することは、故障する可能性がある多くの機械部品及びモータと、動き品質、制御スキームなどのさらなる複雑さとを招く。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願明細書に例示された態様によれば、球状物体上に印刷する装置、方法及び持続的コンピュータ読み取り可能な媒体が提供される。実施形態の1つの開示された特徴は、プリントヘッドと、それぞれが単一軸まわりに回転する少なくとも2つの車輪と、機械的アームに結合され、360度回転し且つ少なくとも2つの車輪に対して球状物体を固定するように配置された少なくとも1つのボール支持部と、プリントヘッドを介して印刷するように所定位置へと少なくとも2つの車輪を介して球状物体を回転させるようにプリントヘッド及び少なくとも2つの車輪と通信するコントローラとを含む装置である。
【0006】
実施形態の他の開示された特徴は、球状物体上に印刷されるべき画像を受信することと、360度回転するボール支持部を有する少なくとも1つの機械的アームを解放することと、それぞれが単一軸まわりに回転する少なくとも2つの車輪上に球状物体が配置されたことを検出することと、少なくとも2つの車輪に対して球状物体を固定するようにボール支持部を有する少なくとも1つの機械的アームに係合することと、固定されたプリントヘッドが球状物体上に画像を印刷するのを可能とするように球状物体を操作するように少なくとも2つの車輪を回転させることとを含む方法である。
【0007】
実施形態の他の開示された特徴は、複数の命令が記憶された持続的コンピュータ読み取り可能な媒体において、複数の命令が、プロセッサによって実行されたときに、プロセッサに、球状物体上に印刷されるべき画像を受信し、360度回転するボール支持部を有する少なくとも1つの機械的アームを解放し、それぞれが単一軸まわりに回転する少なくとも2つの車輪上に球状物体が配置されたことを検出し、少なくとも2つの車輪に対して球状物体を固定するようにボール支持部を有する少なくとも1つの機械的アームに係合し、固定されたプリントヘッドが球状物体上に画像を印刷するのを可能とするように球状物体を操作するように少なくとも2つの車輪を回転させる動作を実行させる命令を含む媒体である。
【0008】
本開示の教示は、添付図面と関連して以下の詳細な説明を考慮することによって容易に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の例示的な装置のブロック図を図示している。
図2図2は、例示的な車輪を図示している。
図3図3は、車輪の回転軸の例示的なブロック図を図示している。
図4図4は、球状物体上に印刷する例示的な方法のフローチャートを図示している。
図5図5は、本願明細書に記載された機能を実行する際に使用するのに適したコンピュータの例示的なハイレベルブロック図を図示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
理解を容易とするために、図面に共通する同一要素を示すために、可能な限り同一の参照符号が使用されている。
【0011】
本開示は、球状物体上に印刷する装置及び方法を広く開示している。上述したように、球状物体上に印刷することは困難を提示する。いくつかの印刷装置は、吸引アームを使用し且つ単一の回転軸のみを提供するゴルフボールなどのより小さな球状物体上に印刷するのを可能とする。例えば、吸引アームは、画像又はテキストがゴルフボール上に印刷されるときに単一軸まわりにゴルフボールを回転させることができる。
【0012】
球状物体についてのプリンタの他の例は、ハイデルベルク社のJetmasterである。しかしながら、これらの印刷装置は、球状物体のまわりにプリントヘッドを操作するために6つのベクトル成分を必要とする。多数のベクトル成分を有することは、故障する可能性がある多くの機械部品及びモータと、動き品質、制御スキームなどのさらなる複雑さとを招く。
【0013】
本開示の実施形態は、球状物体を全方向に操作することができる複数の車輪を使用する装置を提供する。換言すれば、車輪は、360度全てにおいて球状物体を回転又は移動させることができる。本装置は、車輪が2つのベクトル成分を使用して球状物体を回転させながら固定されたプリントヘッドを使用することができる。
【0014】
図1は、本開示の例示的な装置100を図示している。1つの実施形態において、装置100は、少なくとも2つの車輪102と、機械的アーム106に結合された1つ以上のボール支持部104(また、球状キャスタ又は球状支持部と称することができる)と、プリントヘッド108と、位置合わせモジュール110とを含むことができる。1つの実施形態において、車輪102は、互い及び球状物体114の反対側に向かって角度付けられることができる。車輪102は、それぞれ、その後に1つ以上のモータ122に結合される車軸120に結合されることができる。
【0015】
1つの実施形態において、ボール支持部104は、機械的アーム106のまわりに自由に360度回転することができる。1つの実施形態において、機械的アーム106は、ボール支持部104を下方に引っ張るようにばね付勢されることができる。その結果、球状物体114が車輪102上に配置されると、ボール支持部104は、車輪102に対して所定位置に球状物体114を保持するように球状物体114に対して押し下げることができる。その結果、球状物体114は、ボール支持部104によって所定位置に保持されるとともに、車輪102は、印刷中に球状物体114を操作、移動又は回転させる。
【0016】
1つの実施形態において、プリントヘッド108は、球状物体114上に印刷流体を分配することができる。例えば、印刷流体は、球状物体114上にテキスト、画像、デザインなどをマーキングするように印刷インク又は他の流体とすることがきる。
【0017】
1つの実施形態において、位置合わせモジュール110は、球状物体114の原点を検出するために使用されることができる。例えば、画像が適切にマッピングされて球状物体114上に適切に印刷されるのを確実にするために、原点又は開始点が特定されるのを必要とすることができる。1つの実施形態において、位置合わせモジュール110は、固有のマーカーについて球状物体114を走査するためにビデオカメラ(例えば、赤、緑、青(RGB)、黒及び白、赤外線カメラなど)を含むことができる。例えば、マーカーは、ボール内の弁とすることができる。他の実施形態において、球状物体114は、装置100の内部に配置される前にドット又はいくつかの他の繊細なマーキングによってマーキングされてもよい。位置合わせモジュール110は、弁又はマークを検出し、その点を原点として設定することができる。
【0018】
他の実施形態において、位置合わせモジュール110は、圧力感知可能又は機械的とすることができる。例えば、針118への物理的接続に基づいて位置合わせモジュール110によって検出されるように針118が弁に挿入されることができる。針118は、球状物体114の原点として検出されることができる。
【0019】
1つの実施形態において、装置100はまた、コントローラ112も含むことができる。コントローラ112は、プロセッサと、プロセッサによって実行される命令を記憶する持続的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体として装備されることができる。1つの実施形態において、コントローラ112は、球状物体114のマップと、球状物体114上に印刷されるべき画像(例えば、テキスト、デザイン、グラフィック、ロゴ、写真など)とを受信することができる。
【0020】
1つの実施形態において、コントローラ112は、モータ122、機械的アーム106、プリントヘッド108及び位置合わせモジュール110と通信し、その動作を制御することができる。例えば、コントローラ112が球状物体114のマップ及び印刷されるべき画像を受信した後、コントローラ112は、機械的アーム106が破線126によって示されるような開放位置まで(矢印129によって示されるように)移動されるように、機械的アーム106を解放することができる。機械的アーム106は、ばね付勢されるか又は機械的に駆動されることができる。他の実施形態において、機械的アーム106は、オペレータによって手動で操作されてもよい。1つの実施形態において、プリントヘッド108は、球状物体114が装置100の内部の車輪102上に配置されるようにより多くの空間を提供するために上下に垂直に移動されることができる。
【0021】
球状物体114は、車輪102上に配置されることができる。1つの例において、位置合わせモジュール110はまた、球状物体114が車輪102上に配置されたときを検出するために使用されることができる。他の実施形態において、オペレータは、球状物体114が装置100内に及び車輪102上に配置されたことを示すコントローラ112への入力を提供してもよい。
【0022】
球状物体114が車輪102上にあると検出された場合、コントローラ112は、ボール支持部104が球状物体114に対して押圧するように機械的アーム106に係合することができる。他の実施形態において、オペレータは、球状物体114に対して閉鎖位置へと機械的アーム106を操作することができる。機械的アーム106の端部におけるボール支持部104は、印刷中に適所に球状物体114を保持するために使用されることができる。2つのボール支持部104が図1に図示されているが、任意数(より少数又はより多数)のボール支持部104が装置100に装備されてもよいことに留意すべきである。
【0023】
そして、コントローラ112は、1つ以上の車輪102を回転させるようにモータ122を動作させることができる。1つ以上の車輪102が回転するのにともない、球状物体114は、位置合わせモジュール110が原点(例えば、弁、スポット、マーク、針118など)を配置するのを可能とするように回転されることができる。原点が検出されると、コントローラ112は、その後、球状物体114上に画像を印刷するようにモータ122及びプリントヘッド108を制御することができる。例えば、プリントヘッド108の動作は、印刷流体が分配されるとき及び量を制御することを含むことができる。
【0024】
コントローラ112は、プリントヘッド108からの印刷流体を受けるように所定位置へと球状物体114を操作、回転、スピン又は移動するように車輪102の動作を制御することができる。1つの例において、プリントヘッド108は、x軸及びy軸に沿って固定されることができ、コントローラ112は、軸120及び車輪102のうちの1つ以上を回転させるようにモータ122を制御することができる。しかしながら、上述したように、プリントヘッド108は、球状物体114が装置100の内部の車輪102上に配置されたときに、プリントヘッドが球状物体114により近くに又は外れて移動するのを可能とするように上下に垂直に移動されることができる。
【0025】
注目すべきことに、球状物体114の360度全ては、2つのベクトル成分のみを使用してプリントヘッド108によって印刷されることができる。例えば、第1の車輪102は、一方向に回転することができ、第2の車輪102は、第1の車輪102の方向に対して直交する第2の方向に回転することができる。その結果、プリントヘッド108が固定位置にある場合であっても、球状物体114は、360度の全方向において球状物体114の任意の面上に印刷するように車輪102によって操作されることができる。
【0026】
1つの実施形態において、車輪102の設計は、球状物体114が2次元印刷のために操作されるのを可能とすることができる。図2は、車輪102のより詳細図を図示している。
【0027】
1つの実施形態において、各車輪102は、2つのディスク208及び210のスタックを含むことができる。各ディスク208及び210は、モータ122に結合される軸、ロッドなどに結合されることになる開口212を含むことができる。
【0028】
1つの実施形態において、各車輪102は、複数の円筒状ローラ202及び複数のコネクタ204から構成される外周を有することができる。1つの実施形態において、コネクタ204は、金属から製造されることができ、金属コネクタとすることができる。1つの実施形態において、円筒状ローラ202は、ウレタンコーティングを有するプラスチックとして製造されることができる。他の実施形態において、円筒状ローラ202は、ゴム材料から製造されることができる。
【0029】
1つの実施形態において、各車輪102の外周、外縁又は周囲は、交互に直列な円筒状ローラ202及びコネクタ204を含むことができる。換言すれば、各車輪102の外輪は、外輪が完成するまで他の金属コネクタ204にその後に接続される他の円筒状ローラ202にその後に接続される金属コネクタ204に接続される円筒状ローラ202などから製造されることができる。
【0030】
1つの実施形態において、ディスク208及び210は、ディスク208及び210の各外周がオフセットされるようにスタックされることができる。換言すれば、ディスク208の各円筒状ローラ202は、ディスク210のコネクタ204に隣接している。さらに、ディスク208の各コネクタ204は、ディスク210の円筒状ローラ202に隣接している。他の方法でいうと、ディスク208及び210の円筒状ローラ202が並べられず、ディスク208及び210のコネクタ204が並べられない限り、ディスク208及び210は、任意のオフセット構成でスタックされることができる。ディスク208及び210のオフセット配置は、円筒状ローラ202の少なくとも1つが常に球状物体114と接触していることを保証することができる。
【0031】
1つの実施形態において、円筒状ローラ202は、車輪102が回転しているときに球状物体114を「把持する」ように製造されることができる。さらに、円筒状ローラ202は、各車輪102が静止しているときに反対側の車輪102の回転軸に対して垂直な方向に回転するように製造されることができる。図3は、この関係の例を図示している。
【0032】
図3は、2つの車輪102及び102の1つの例示的な構成を図示している。1つの実施形態において、車輪102は、単一の回転軸302のまわりに回転することができ、車輪102は、単一の回転軸306のまわりに回転することができる。これら2つの回転軸302及び306を使用して、球状物体114は、任意の360度の位置に回転、スピン、移動又は操作されることができる。
【0033】
1つの実施形態において、円筒状ローラ202は、球状物体114と接触している円筒状ローラ202が各車輪102及び102の回転軸302又は306に対して垂直な軸まわりにそれぞれ回転することができるように設計されることができる。例えば、車輪102のディスク210の円筒状ローラ202の回転軸は、ページに入り且つ回転軸302に対して垂直である。同様に、車輪102のディスク210の円筒状ローラ202の回転軸は、ページに入り且つ回転軸306に対して垂直である。
【0034】
他の方法において説明されたように、球状物体114に接触している車輪102のディスク210の円筒状ローラ202は、車輪102の回転軸306に対して垂直な方向304に回転することができる。同様に、球状物体114に接触している車輪102のディスク210の円筒状ローラ202は、車輪102の回転軸302に対して垂直な方向308に回転することができる。
【0035】
さらに他の方法において説明されたように、球状物体114と接触している車輪102のディスク210の円筒状ローラ202は、車輪102の回転軸302に対して平行な方向304に回転することができる。同様に、球状物体114と接触している車輪102のディスク210の円筒状ローラ202は、車輪102の回転軸306に対して平行な方向308に回転することができる。その結果、車輪102及び102の設計は、球状物体114が周囲360度あらゆる方向に操作されるのを可能とする。
【0036】
図3は、車輪102及び102の1つの例示的な配置を図示していることに留意すべきである。しかしながら、車輪102及び102は、車輪102及び102が球状物体114を支持することができ且つ上述した互いに相対的な関係を維持することができる限り、球状物体114のまわりのどこに配置されてもよい。
【0037】
図1から図3の特徴は、必ずしも縮尺どおりに描かれていないことに留意すべきである。例えば、車輪102などのいくつかの特徴は、車輪102の詳細を図示するために大きく描かれることができる。例えば、車輪102は、球状物体114に対して2分の1から3分の1小さくすることができる。
【0038】
図4は、球状物体上に印刷する例示的な方法400のフローチャートを図示している。1つの実施形態において、方法400の1つ以上のステップ又は動作は、装置100(例えば、コントローラ112)及び/又は図5に図示され且つ以下に記載されるようなコンピュータによって実行されることができる。
【0039】
ブロック402において、方法400が開始される。ブロック404において、方法400は、球状物体上に印刷されるべき画像を受信する。例えば、球状物体上に2次元的に印刷されるべき画像(例えば、テキスト、グラフィック、デザイン、ロゴ、写真など)を設計するためにグラフィカルイラストツール、コンピュータ支援ドローイング(CAD)ツールなどが使用されることができる。画像は、球状物体上に印刷するために使用される装置のコントローラによって受信されることができる。
【0040】
1つの実施形態において、球状物体のマッピングも受信されることができる。画像は、原点又は開始点に基づいて球状物体上にマッピングされることができる。球状物体は、画像がマッピングにしたがって球状物体上に位置合わせされることができるように原点を検出するように走査されることができる。
【0041】
ブロック406において、方法400は、360度回転するボール支持部を有する少なくとも1つの機械的アームを解放する。例えば、機械的アームは、機械的アームが外れるように開放位置へと移動されることができる。1つの実施形態において、プリントヘッドはまた、球状物体のサイズに応じてより多くの空間を可能とするように垂直上方に移動されることもできる。
【0042】
ブロック408において、方法400は、球状物体が少なくとも2つの車輪上に配置されたことを検出する。例えば、オペレータは、少なくとも2つの車輪上に球状物体を配置することができる。センサ(例えば、上述した位置合わせモジュール)は、球状物体が少なくとも2つの車輪上に配置されたことを検出することができる。他の実施形態において、検出は、オペレータから受信した入力に基づくことができる。例えば、球状物体が所定位置にあり且つ印刷の準備ができているという信号をコントローラに送信するボタンが押下されることができる。
【0043】
ブロック410において、方法400は、少なくとも2つの車輪に対して球状物体を固定するようにボール支持部を有する少なくとも1つの機械的アームに係合する。例えば、機械的アームは、ばね付勢されることができるか又はコントローラによって制御される機械的駆動部を有することができる。機械的アームは、機械的アームの端部におけるボール支持部が球状物体にあたるように、閉鎖位置へと移動されることができる。1つの実施形態において、ばね付勢アーム又は機械的駆動部の力は、球状物体が印刷中に固定されるのを確実にするように、十分な力又は圧力によって2つの車輪に対して球状物体を押圧することができる。
【0044】
1つの実施形態において、ばね付勢機械的アーム又は機械的駆動部の使用は、様々な異なるサイズの球状物体が印刷されるのを可能とする。例えば、機械的アームの動きは、任意のサイズの球状物体に調整するのに十分柔軟であり得る。
【0045】
ブロック412において、方法400は、固定されたプリントヘッドが球状物体上に画像を印刷するのを可能とするように球状物体を操作するように少なくとも2つの車輪を回転させる。球状物体が固定されると、コントローラは、車輪に結合されたモータを介して少なくとも2つの車輪を制御することができる。例えば、コントローラは、球状物体上に画像を印刷するように様々な異なる位置へと球状物体を回転、操作、スピン又は移動させるように車輪の1つ以上を回転させることができる。
【0046】
1つの実施形態において、球状物体は、少なくとも2つの車輪及びボール支持部が汚れを防止するように最近印刷されたインクに触れないように操作されることができる。例えば、コントローラは、特定された原点に基づいてどの画像が最近印刷されたか及び車輪上の球状物体の位置決めの位置を知ることができる。1つの実施形態において、時間tが経過するまで(例えば、秒単位)車輪が最近印刷された画像上を移動しないように条件が設定されることができる。
【0047】
1つの実施形態において、印刷が完了した後、機械的アームは、再度係合解除されることができ、球状物体が除去されることができる。1つの実施形態において、球状物体は、汚れを防止するように球状物体が処理される前に印刷流体を乾燥させるのを可能とするように所定時間(例えば、1分、1時間など)の間、装置の内部に保持されることができる。ブロック414において、方法400は終了する。
【0048】
明示的に規定されていないが、上述した方法400の1つ以上のステップ、機能又は動作は、特定の用途のために必要とされる記憶、表示及び/又は出力ステップを含むことができることに留意すべきである。換言すれば、本方法において記載された任意のデータ、レコード、フィールド及び/又は中間結果は、特定の用途のために必要とされるように、他の装置に記憶、表示及び/又は出力することができる。さらにまた、判定動作を記載するか又は判定を含む図4におけるステップ、機能又は動作は、判定動作の双方の分岐が実行されることを必ずしも必要としない。換言すれば、判定動作の分岐の一方は、任意のステップとみなすことができる。
【0049】
図5は、本願明細書に記載された機能を実行するために専用の装置に変換されることができるコンピュータのハイレベルブロック図を示している。その結果、本開示の実施形態は、本願明細書に開示されているように、LANにおけるシェーピングデータトラフィックを改善するようにコンピュータの動作及び機能を改善する。
【0050】
図5に示されるように、コンピュータ500は、1つ以上のハードウェアプロセッサ要素502(例えば、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ又はマルチコアプロセッサ)と、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)及び/又は読み出し専用メモリ(ROM)などのメモリ504と、球状物体上に印刷するモジュール505と、様々な入力/出力装置506(例えば、これらに限定されるものではないが、テープドライブ、フロッピードライブ、ハードディスクドライブ又はコンパクトディスクドライブを含む記憶装置、受信機、送信機、スピーカ、ディスプレイ、音声合成装置、出力ポート、入力ポート及びユーザ入力装置(キーボード、キーパッド、マウス、マイクロホンなど))とを備える。1つのみのプロセッサ要素が示されているが、コンピュータは、複数のプロセッサ要素を使用することができることに留意すべきである。さらにまた、図には1台のコンピュータしか示されていないが、上述した方法が特定の例示的な例のために分散又は並列に実行される場合、すなわち、上述した方法のステップ又は方法全体が複数の又は並列コンピュータにわたって実行される場合、この図のコンピュータは、それらの複数のコンピュータのそれぞれを表すように意図される。さらにまた、1つ以上のハードウェアプロセッサは、仮想化又は共有コンピューティング環境をサポートするのに利用されることができる。仮想化されたコンピューティング環境は、コンピュータ、サーバ又は他のコンピューティングデバイスを表す1つ以上の仮想マシンをサポートすることができる。そのような仮想化された仮想マシンにおいて、ハードウェアプロセッサなどのハードウェアコンポーネント及びコンピュータ読み取り可能な記憶装置は、仮想化されるか又は論理的に表現されることができる。
【0051】
本開示は、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含むプログラマブルロジックアレイ(PLA)又はハードウェア装置上に装備されたステートマシンを使用して、ソフトウェア及び/又はソフトウェア及びハードウェアの組み合わせにおいて実装されることができ、コンピュータ、又は、例えば上述した方法に関連するコンピュータ読み取り可能な命令などの任意の他のハードウェア均等物が、上記開示された方法のステップ、機能及び/又は動作を実行するためのハードウェアプロセッサを構成するために使用されることができることに留意すべきである。1つの実施形態において、球状物体上に印刷する本モジュール又はプロセス505(例えば、コンピュータ実行可能な命令を含むソフトウェアプログラム)についての命令及びデータは、メモリ504にロードされることができ、例示的な方法400に関連して上述したようなステップ、機能又は動作を実行するようにハードウェアプロセッサ要素502によって実行されることができる。さらにまた、ハードウェアプロセッサが「動作」を実行するための命令を実行するとき、これは、直接動作を実行する、及び/又は、動作を実行するために他のハードウェア装置又は構成要素(例えば、コプロセッサなど)を容易とし、誘導し又は協働するハードウェアプロセッサを含むことができる。
【0052】
上述した方法に関するコンピュータ読み取り可能な命令又はソフトウェア命令を実行するプロセッサは、プログラミングされたプロセッサ又は特殊なプロセッサとして知覚され得る。そのため、本開示の球状物体上に印刷する本モジュール505(関連するデータ構造を含む)は、例えば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ROMメモリ、RAMメモリ、磁気又は光学ドライブ、デバイス又はディスケットなど、有形又は物理的(広義には持続的)読み取り可能な記憶装置又は媒体に記憶されることができる。より具体的には、コンピュータ読み取り可能な記憶装置は、コンピュータ又はアプリケーションサーバなどのプロセッサ又はコンピューティングデバイスによってアクセスされるべきデータ及び/又は命令などの情報を記憶する能力を提供する任意の物理的装置を含むことができる。
【0053】
上記開示された及び他の特徴及び機能の異形又はそれらの代替物は、多くの他の異なるシステム又はアプリケーションに組み合わされることができることが理解される。様々な現在の、予想外の又は予期しない代替、変更、変形又は改良は、当業者によって後で行われることができ、後に続く特許請求の範囲によって包含されるようにも意図される。
図1
図2
図3
図4
図5