特許第6722656号(P6722656)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6722656ネットワークベース超音波イメージングシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6722656
(24)【登録日】2020年6月24日
(45)【発行日】2020年7月15日
(54)【発明の名称】ネットワークベース超音波イメージングシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20200706BHJP
【FI】
   A61B8/14
【請求項の数】16
【全頁数】39
(21)【出願番号】特願2017-509615(P2017-509615)
(86)(22)【出願日】2015年8月18日
(65)【公表番号】特表2017-530744(P2017-530744A)
(43)【公表日】2017年10月19日
(86)【国際出願番号】US2015045703
(87)【国際公開番号】WO2016028787
(87)【国際公開日】20160225
【審査請求日】2018年8月9日
(31)【優先権主張番号】62/038,602
(32)【優先日】2014年8月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511032992
【氏名又は名称】マウイ イマギング,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ アール.コール
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリー デービス
(72)【発明者】
【氏名】デビッド スミス
(72)【発明者】
【氏名】デビッド スペクト
(72)【発明者】
【氏名】ビエト ナム レ
(72)【発明者】
【氏名】ラング ジェイ.ムチャルディ
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ ディジョバンニ セカンド
(72)【発明者】
【氏名】ナサン ダブリュー.オズボーン
(72)【発明者】
【氏名】ブルース アール.リツィ
【審査官】 冨永 昌彦
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/031642(WO,A1)
【文献】 特開2014−087448(JP,A)
【文献】 特表2011−529362(JP,A)
【文献】 特開2013−121493(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0058266(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第102112047(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 − 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波イメージングの方法であって:
非集束3次元ピングを、データ収集装置のプローブのトランスデューサアレイの送信素子から物体に送信するステップ;
該非集束3次元ピングのエコーを該トランスデューサアレイの複数の受信素子で受信するステップ;
該複数の受信素子のそれぞれからのアナログ信号をデジタルサンプルセットの完全なデータセットに変換するステップであって、該完全なデータセットが、全ての該受信素子からのデジタルサンプルセットを含む、該ステップ;
該デジタルサンプルセットのサブセットを遠隔サーバに電子的に転送するステップであって、該サブセットが、該完全なデータセットよりも少ないデジタルサンプルを含む、該ステップ;
該デジタルサンプルのサブセットを該遠隔サーバでビーム形成して、一連の2次元画像フレームを生成するステップ;
該一連の2次元画像フレームを組み合わせて品質限定ビデオストリームを形成するステップ;及び
該一連の2次元画像フレームから構成された該品質限定ビデオストリームを該遠隔サーバから表示装置に転送するステップを含む、前記方法。
【請求項2】
制御信号に応答して、前記完全なデータセットを前記データ収集装置から前記遠隔サーバに転送し、該完全なデータセットを該遠隔サーバで保存する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記デジタルサンプルセットの完全なデータセットの中から選択されたイメージングウィンドウに関連したデジタルサンプルを特定することによって、前記デジタルサンプルのサブセットに含められるデジタルサンプルを決定するステップをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記表示装置が、前記データ収集装置に物理的に取り付けられている、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記表示装置が、前記データ収集装置に物理的に取り付けられていない、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記表示装置が、モバイル装置である、請求項4記載の方法。
【請求項7】
前記プローブから送信される総数未満のピングに対応するデータサンプルのみを選択することによって、前記デジタルサンプルのサブセットに含められるデジタルサンプルを選択するステップをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記アレイの総数未満の受信素子に対応するデータサンプルのみを選択することによって、前記デジタルサンプルのサブセットに含められるデジタルサンプルを選択するステップをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記アレイの総数未満の受信開口に対応するデータサンプルのみを選択することによって、前記デジタルサンプルのサブセットに含められるデジタルサンプルを選択するステップをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
ネットワークベースイメージングシステムであって:
データ収集装置であって:
第1の複数のトランスデューサ素子から超音波信号を送信するように構成された送信制御電子機器を含むハウジング;
送信された超音波信号のエコーを受信するように構成された受信電子機器であって、該受信エコーを完全なデータセットとしてデジタル化して、該データ収集装置の共通のハウジング内に物理的に配置された第1のメモリ装置に保存するようにさらに構成されている、該受信電子機器;及び
該完全なデータセットのデジタルサンプルのサブセットを通信するように構成された通信電子機器を備える、該データ収集装置;
遠隔サーバ装置であって:
該データ収集装置の該通信電子機器によって通信される該デジタルサンプルのサブセットを受信するように構成されたサーバ通信電子機器;
該遠隔サーバ装置によって実行され、かつ該受信デジタルサンプルのサブセットを連続した画像フレームの品質限定ビデオストリームに変換するように構成されたビーム形成ソフトウェア;
該遠隔サーバ装置によって実行され、かつ該品質限定ビデオストリームを表示装置にストリーミング配信するように構成されたビデオストリーミングソフトウェアを備える、該遠隔サーバ装置を含む、前記ネットワークベースイメージングシステム。
【請求項11】
前記表示装置が:
該表示装置によって実行されるユーザインターフェイスソフトウェアであって、ユーザ入力を受信して1つ以上のビーム形成パラメータ又はビデオストリーミングパラメータを制御するように構成され、かつユーザ入力を前記遠隔サーバ装置のビーム形成ソフトウェアに転送するようにさらに構成され、かつ該遠隔サーバ装置前記完全なデータセットを転送するように構成されたユーザ入力制御装置をさらに含む、該ユーザインターフェイスソフトウェア;
該表示装置によって実行され、かつ前記ビデオストリームを該遠隔サーバ装置から受信して、該ビデオストリームを表示するように構成されたビデオディスプレイソフトウェアをさらに備える、請求項10記載のイメージングシステム。
【請求項12】
前記遠隔サーバ装置と通信する複数のデータ収集装置をさらに含む、請求項10記載のシステム。
【請求項13】
標的物体を表すボリュームデータを収集する方法であって:
非集束3次元ピングを、プローブのトランスデューサアレイの送信素子から該標的物体に送信するステップ;
該非集束3次元ピングのエコーを該トランスデューサアレイの複数の受信素子で受信するステップ;
該複数の受信素子のそれぞれからのアナログ信号をデジタルサンプルセットの完全なデータセットに変換するステップであって、該完全なデータセットが、全ての該受信素子からのデジタルサンプルセットを含む、該ステップ;
該デジタルサンプルセットのサブセットを遠隔サーバに電子的に転送するステップであって、該サブセットが、該完全なデータセットよりも少ないデジタルサンプルを含む、該ステップ;
該デジタルサンプルのサブセットを該遠隔サーバでビーム形成して、一連の2次元画像フレームを生成するステップ;
該一連の2次元画像フレームを組み合わせて品質限定ビデオストリームを形成するステップ;及び
該一連の2次元画像フレームから構成された該品質限定ビデオストリームを該遠隔サーバからモバイル表示装置に転送するステップを含む、前記方法。
【請求項14】
制御信号に応答して、前記完全なデータセットを前記遠隔サーバに転送して、該完全なデータセットを該遠隔サーバで保存する、請求項13記載の方法。
【請求項15】
超音波イメージングの方法であって:
複数の非集束3次元ピングを、プローブのトランスデューサアレイの複数の送信素子から3次元標的ボリュームに送信するステップ;
該非集束3次元ピングのエコーを該トランスデューサアレイの複数の受信素子で受信するステップ;
該複数の受信素子のそれぞれからのアナログ信号をデジタルサンプルセットの完全なデータセットに変換するステップであって、該完全なデータセットが、全ての該受信素子からのデジタルサンプルセットを含む、該ステップ;
該3次元標的ボリュームに交差する2次元平面を選択するステップ;
該選択された2次元平面に交差する3次元ボクセルを特定するステップ;
該選択された2次元平面に対応するデータサンプルのサブセットを特定するステップ;
該データサンプルのサブセットのみをコンピュータネットワークを介して遠隔サーバに通信するステップ;
該選択された2次元平面を表す2次元画像の品質限定ビデオストリームを該遠隔サーバから受信するステップ;及び
該プローブに隣接した表示装置に該品質限定ビデオストリームを表示するステップを含む、前記方法。
【請求項16】
ユーザコマンドに応答して、前記完全なデータセットを遠隔データ記憶装置に通信するステップをさらに含む、請求項15記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、引用により開示内容が本明細書中に組み込まれている2014年8月18日出願の米国仮特許出願第62/038,602号(名称:「ネットワークベース超音波イメージングシステム(Network-Based Ultrasound Imaging System)」)の利益を請求するものである。
【0002】
(引用による組み込み)
本明細書で言及される全ての刊行物及び特許出願は、それぞれの個別の刊行物又は特許出願が引用により明確かつ個別に組み込まれると示されたかのように、同程度に引用により本明細書中に組み込まれるものとする。
【0003】
(分野)
本出願は、一般に、超音波イメージングの分野に関し、より詳細にはネットワークベース超音波イメージングシステムに関する。
【背景技術】
【0004】
(背景)
超音波イメージングは、電離放射線に関連したリスクもMRIイメージングの合併症もなしに、比較的低コストの医用又は非医用イメージングを提供する。クライアント−サーバネットワークアーキテクチャの改善と組み合わせられた超音波イメージング技術の改善は、イメージングの課題を解決するために超音波イメージングの使用のさらなる機会を提供することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(開示の概要)
超音波イメージングの方法が提供され、該方法は、非集束3次元ピングを、データ収集装置のプローブのトランスデューサアレイの送信素子から物体に送信するステップ、該非集束3次元ピングのエコーを該トランスデューサアレイの複数の受信素子で受信するステップ、該複数の受信素子のそれぞれからのアナログ信号をデジタルサンプルセットの完全なデータセットに変換するステップであって、該完全なデータセットが、全ての該受信素子からのデジタルサンプルセットを含む、該ステップ、該デジタルサンプルセットのサブセットを遠隔サーバに電子的に転送するステップであって、該サブセットが、該完全なデータセットよりも少ないデジタルサンプルを含む、該ステップ、該デジタルサンプルのサブセットを該遠隔サーバでビーム形成して、一連の2次元画像フレームを生成するステップ、及び該一連の2次元画像フレームから構成されたビデオストリームを該遠隔サーバから表示装置に転送するステップを含む。
【0006】
一部の実施態様では、この方法は、制御信号に応答して、完全なデータセットをデータ収集装置から遠隔サーバに転送し、該完全なデータセットを該遠隔サーバで保存することをさらに含む。
【0007】
別の実施態様では、この方法は、デジタルサンプルセットの完全なデータセットの中から選択されたイメージングウィンドウに関連したデジタルサンプルを特定することによって、デジタルサンプルのサブセットに含められるデジタルサンプルを決定することをさらに含む。
【0008】
一部の実施態様では、表示装置は、データ収集装置に物理的に取り付けられている。他の実施態様では、表示装置は、データ収集装置に物理的に取り付けられていない。さらなる実施態様では、表示装置は、モバイル装置である。
【0009】
一部の実施態様では、この方法は、プローブから送信される総数未満のピングに対応するデータサンプルのみを選択することによって、デジタルサンプルのサブセットに含められるデジタルサンプルを選択することをさらに含む。
【0010】
一実施態様では、この方法は、アレイの総数未満の受信素子に対応するデータサンプルのみを選択することによって、デジタルサンプルのサブセットに含められるデジタルサンプルを選択することをさらに含む。
【0011】
他の実施態様では、この方法は、アレイの総数未満の受信開口子に対応するデータサンプルのみを選択することによって、デジタルサンプルのサブセットに含められるデジタルサンプルを選択することをさらに含む。
【0012】
ネットワークベースイメージングシステムが提供され、このネットワークベースイメージングシステムは、データ収集装置を備え、該データ収集装置は、第1の複数のトランスデューサ素子から超音波信号を送信するように構成された送信制御電子機器を含むハウジング、送信された超音波信号のエコーを受信するように構成された受信電子機器であって、該受信エコーを完全なデータセットとしてデジタル化して、該データ収集装置の共通のハウジング内に物理的に配置された第1のメモリ装置に保存するようにさらに構成されている、該受信電子機器、及び該完全なデータセットを通信するように構成された通信電子機器を備える。このシステムは、遠隔サーバ装置をさらに含み、該遠隔サーバ装置は、データ収集装置の通信電子機器によって通信されるデジタル化エコーを受信するように構成されたサーバ通信電子機器、遠隔サーバ装置によって実行され、かつ該受信デジタル化エコーを連続した画像フレームのストリームに変換するように構成されたビーム形成ソフトウェア、該遠隔サーバ装置によって実行され、かつ該ビデオを表示装置にストリーミング配信するように構成されたビデオストリーミングソフトウェアを備える。
【0013】
一部の実施態様では、表示装置は、該表示装置によって実行されるユーザインターフェイスソフトウェアであって、ユーザ入力を受信して1つ以上のビーム形成パラメータ又はビデオストリーミングパラメータを制御するように構成され、かつユーザ入力を遠隔サーバ装置のビーム形成ソフトウェアに転送するようにさらに構成され、かつ該遠隔サーバに完全なデータセットを転送するように構成されたユーザ入力制御装置をさらに含む、該ユーザインターフェイスソフトウェア、及び該表示装置によって実行され、かつビデオストリームを該遠隔サーバ装置から受信して、該ビデオストリームを表示するように構成されたビデオディスプレイソフトウェアをさらに備える。
【0014】
一部の実施態様では、このシステムは、遠隔サーバ装置と通信する複数のデータ収集装置をさらに含む。
【0015】
標的物体を表すボリュームデータを収集する方法が提供され、この方法は、非集束3次元ピングを、プローブのトランスデューサアレイの送信素子から該標的物体に送信するステップ、該非集束3次元ピングのエコーを該トランスデューサアレイの複数の受信素子で受信するステップ、該複数の受信素子のそれぞれからのアナログ信号をデジタルサンプルセットの完全なデータセットに変換するステップであって、該完全なデータセットが、全ての該受信素子からのデジタルサンプルセットを含む、該ステップ、該デジタルサンプルセットのサブセットを遠隔サーバに電子的に転送するステップであって、該サブセットが、該完全なデータセットよりも少ないデジタルサンプルを含む、該ステップ、該デジタルサンプルのサブセットを該遠隔サーバでビーム形成して、一連の2次元画像フレームを生成するステップ、該一連の2次元画像フレームから構成されたビデオストリームを該遠隔サーバからモバイル表示装置に転送するステップを含む。
【0016】
一部の実施態様では、この方法は、制御信号に応答して、完全なデータセットを遠隔サーバに転送して、該完全なデータセットを該遠隔サーバで保存することをさらに含む。
【0017】
超音波イメージングの方法も提供され、この方法は、複数の非集束3次元ピングを、プローブのトランスデューサアレイの複数の送信素子から3次元標的ボリュームに送信するステップ、該非集束3次元ピングのエコーを該トランスデューサアレイの複数の受信素子で受信するステップ、該複数の受信素子のそれぞれからのアナログ信号をデジタルサンプルセットの完全なデータセットに変換するステップであって、該完全なデータセットが、全ての該受信素子からのデジタルサンプルセットを含む、該ステップ、該3次元標的ボリュームに交差する2次元平面を選択するステップ、該選択された2次元平面に交差する3次元ボクセルを特定するステップ、該選択された2次元平面に対応するデータサンプルのサブセットを特定するステップ、該データサンプルのサブセットのみをコンピュータネットワークを介して遠隔サーバに通信するステップ、該選択された2次元平面を表す2次元画像のビデオストリームを該遠隔サーバから受信するステップ、及び該プローブに隣接した表示装置に該ビデオストリームを表示するステップを含む。
【0018】
一部の実施態様では、この方法は、ユーザコマンドに応答して、完全なデータセットを遠隔データ記憶装置に通信することをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、3次元ボリュームから得られる生エコーデータから2次元画像平面を直接ビーム形成するためのプロセスの一例を例示するプロセスフロー図である。
【0020】
図2図2は、3次元ボリュームをイメージングするための多数開口イメージングシステムの概略斜視図である。
【0021】
図3図3は、3次元ボリューム内の2次元平面を画像化する多数開口イメージングシステムの概略斜視図である。
【0022】
図4図4は、生データメモリを内蔵するイメージングシステムの一実施態様の概略図である。
【0023】
図5図5は、ネットワークベースイメージングシステムの一実施態様の概略図である。
【0024】
図6図6は、ネットワークベースイメージングシステムの別の実施態様の概略図である。
【0025】
図7図7は、ネットワークベースイメージングプロセスの実施態様の一例を例示するプロセスフロー図である。
【0026】
図8図8は、ネットワークベースイメージングシステムの別の実施態様の概略図である。
【0027】
図9図9は、ネットワークベースイメージングプロセスの実施態様の一例を例示するプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(詳細な説明)
(イントロダクションと定義)
様々な実施態様が、様々な解剖学的構造の超音波イメージングに関連付けて本明細書に記載されるが、本明細書に図示され、説明される多くの方法及び装置を、他の用途、例えば、非解剖学的構造及び物体のイメージング及び評価にも使用することができることを理解されたい。例えば、本明細書に記載のプローブ、システム、及び方法は、様々な機械的物体、構造的物体、又は材料、例えば、接合部、管、梁、板材、圧力容器、積層構造などの非破壊試験、検査、又は評価に使用することができる。以下の様々な実施態様は、後にビーム形成して処理し、画像データにするために、ビーム形成されていない生の超音波データを保存するように構成された超音波イメージングシステムを使用するシステム及び方法を含む。このようなシステムは、超音波イメージングシステムを用いる多くのユニークな方法を可能にする。
【0029】
本明細書において、例が、画像化されるべき媒体への超音波インパルスの送信及び送信された超音波インパルスのエコーの受信に関連付けて説明されるが、当業者であれば、本明細書に記載の多くの技術及びシステムを、他の形態のエネルギー、例えば、無線周波数信号、マイクロ波信号、X線、又は電磁スペクトルのその他の部分を含む電磁放射線の送信及び受信にも等しく適用可能であり得ることを理解されよう。
【0030】
本明細書で使用される「超音波トランスデューサ」及び「トランスデューサ」という語は、超音波イメージング技術の分野の技術者が理解する通常の意味を有することができ、限定されるものではないが、電気信号を超音波信号に変換することができ、かつ/又は逆も同様に行うことができる任意の1つの構成要素を指すこともある。例えば、一部の実施態様では、超音波トランスデューサは、圧電素子を含み得る。一部の他の実施態様では、超音波トランスデューサは、容量性微細加工超音波トランスデューサ(CMUT)又はその他電気音響トランスデューサ装置を含み得る。一部の実施態様では、トランスデューサは、他のエネルギー形態、例えば、電磁放射線の変換のための構成要素を含み得る。
【0031】
トランスデューサは、多数の個々のトランスデューサ素子のアレイで構成される場合が多い。本明細書で使用される「トランスデューサアレイ」又は「アレイ」という語は、一般に、共通の支持ブロックに取り付けられたトランスデューサ素子の集団を指す。このようなアレイは、1次元(1D)、2次元(2D)、1.X次元(1.XD)、又は3次元(3D)を有し得る。当業者に理解される他の次元のアレイも使用することができる。環状アレイ、例えば、同心円アレイ及び楕円アレイも使用することができる。トランスデューサアレイの素子は、アレイの最も小さい別個に機能する構成要素であり得る。例えば、圧電トランスデューサ素子のアレイの場合には、各素子は、単一の圧電結晶、又は圧電結晶の単一の機械加工部分とすることができる。
【0032】
本明細書で使用される「送信素子」及び「受信素子」という語は、超音波イメージング技術の分野の技術者が理解する通常の意味を有し得る。「送信素子」という語は、限定されるものではないが、電気信号が超音波信号に変換される送信機能を少なくとも瞬間的に果たす超音波トランスデューサ素子を指すこともある。同様に、「受信素子」という語は、限定されるものではないが、該素子に衝当する超音波信号を電気信号に変換する受信機能を少なくとも瞬間的に果たす超音波トランスデューサ素子を指すこともある。超音波の媒体への送信は、本明細書では「超音波照射」と呼ばれることもある。超音波を反射する物体又は構造は、「反射体」又は「散乱体」と呼ばれることもある。
【0033】
本明細書で使用される「開口」という語は、超音波信号を送信し、かつ/又は受信することができる概念的な「開口部」を指し得る。実際の実施では、開口は、単に、1つのトランスデューサ素子、又はイメージング制御電子機器によって又はビーム形成電子機器若しくはソフトウェアによって共通の群としてまとめて管理されるトランスデューサ素子群である。例えば、一部の実施態様では、開口は、隣接する開口の素子から物理的に分離することができる物理的な素子群とすることができる。しかしながら、隣接する開口は、必ずしも物理的に分離する必要はない。
【0034】
本明細書で使用される「受信開口」、「超音波照射開口」、及び/又は「送信開口」という語は、所望の物理的視点又は開口から所望の送信機能又は受信機能を果たす個々の素子、アレイ内の素子群、又は共通のハウジング内のアレイ全体さえも、又は多数の別個のアレイの素子群を指すために使用されることに留意されたい。一部の実施態様では、このような送信開口及び受信開口は、専用の機能を有する物理的に別個の構成要素として形成することができる。他の実施態様では、任意の数の送信開口及び/又は受信開口を、動的かつ必要に応じて電子的に定義することができる。他の実施態様では、多数開口超音波イメージングシステムは、専用の機能の開口と動的機能の開口との組み合わせを使用することができる。
【0035】
本明細書で使用される「全開口」という語は、全てのイメージング開口の全積算サイズを指す。言い換えれば、「全開口」という語は、特定のイメージングサイクルに使用される送信素子及び/又は受信素子の任意の組み合わせにおける最も遠いトランスデューサ素子間の最大距離によって決定される1つ以上の寸法を指すこともある。従って、全開口は、特定のサイクルで送信開口又は受信開口として指定される任意の数のサブ開口から構成される。単一開口イメージング構成の場合は、全開口、サブ開口、送信開口、及び受信開口は、全て同じ寸法を有する。多数アレイプローブの場合は、全開口の寸法は、全てのアレイの寸法の合計を含み得る。
【0036】
本明細書で使用される「ピングサイクル」という語は、送信開口から送信されるピング信号から始まり、受信トランスデューサ素子によって受信されるそのピングのエコーまでのサイクルを指すこともある。場合によっては、2つ以上のピングからのエコーを組み合わせて1つの画像フレームを生成し、そして多数のフレームを順に表示してビデオを生成することができる。従って、「画像サイクル」は、多数のピングサイクルからのエコーを含み得る。他の場合には、1つのピングサイクルは、1つの画像サイクルに一致し得る。
【0037】
一部の実施態様では、2つの開口が、連続アレイ上に互いに隣接して位置し得る。なお他の実施態様では、2つの開口は、少なくとも1つの素子が2つの別個の開口の一部として機能するように、連続アレイ上に互いに重ね合わせることができる。開口の位置、機能、素子の数、及び開口の物理的サイズを、特定の適用例に必要な任意の方式で動的に決定することができる。特定の適用例のこれらのパラメータに対する制約が以下に示され、かつ/又は、このような制約は当業者には明白であろう。
【0038】
本明細書に記載の素子及びアレイは、多機能であっても良い。すなわち、ある時点でのトランスデューサ素子又はアレイの送信機としての指定は、次の時点でのこれらの受信機としての即時の再指定を排除するものではない。さらに、本明細書の制御システムの実施態様は、このような指定を、ユーザ入力、プリセットスキャン、プリセット分解能基準、又は他の自動的に決定される基準に基づいて電子的に行う能力を有する。
【0039】
本明細書で使用される「点源送信」又は「ピング」という語は、1つの空間位置からの送信超音波エネルギーの媒体への導入を指すこともある。これは、1つの超音波トランスデューサ素子、又は1つの送信開口として一緒に送信する隣接するトランスデューサ素子の組み合わせを用いて達成することができる。点源送信開口からの1回の送信を、均一な球形波面に、又は2Dスライスを画像化する場合には該2Dスライス内の均一な円形波面に近づける。場合によっては、点源送信開口からの円形又は球形の波面の1回の送信は、本明細書では「ピング」又は「点源パルス」と呼ばれることもある。
【0040】
本明細書で使用される「画素解像度(pixel resolution)」という熟語は、画像における画素数の尺度を意味し、2つの正の整数で表すことができ、最初の整数が、画素列の数(画像幅)を指し、次の整数が、画素行の数(画像高さ)を指す。あるいは、画素解像度は、全画素数(例えば、行の数と列の数の積)、単位長さあたりの画素数、又は単位面積当たりの画素数で表すことができる。本明細書で使用される「画素解像度」は、画像で見ることができる詳細度を指す用語「分解能(resolution)」の他の使用とは区別される。例えば、「方位分解能」は、画素からなるデジタル画像として超音波画像平面の画像をどのように表し得るかに関係なく、このような平面の水平軸に沿った識別できる詳細度を指し得る。
【0041】
(ピングベース超音波イメージング)
様々な実施態様では、ピングベース超音波イメージングとも呼ばれる点源送信超音波イメージングは、従来のスキャンラインベースイメージングよりもいくつかの優れた点を有する。点源送信は、指向性スキャンラインに沿ってトランスデューサ素子アレイから特定の方向にエネルギーを集束させる「フェーズドアレイ送信」とは空間特性が異なる。非集束点源パルス(ピング)を、非集束波面を用いて可能な限り広い面積を超音波照射するように送信することができる。
【0042】
場合によっては、非集束「円形」波面を、1つの画像平面又は「スキャニング平面」に送信することができる。このような2次元集束は、トランスデューサ素子と画像化されるべき物体との間にレンズ効果材料を設けることによって達成することができる。1つの平面に集束されるピングは、2次元ピングと呼ばれることもある。
【0043】
ボリュームイメージングでは、非集束3次元ピングを、3次元ピングと呼ばれることもある実質的に球形の波面から送信することができる。
【0044】
送信されたピングのエコーは、目的の領域にある散乱体から戻され、そしてプローブの受信素子の全てによって受信され得る。受信素子は、以下にさらに説明されるように「受信開口」にグループ分けすることができる。これらのエコー信号をフィルタリングし、増幅し、デジタル化し、そして短期又は長期メモリ(特定のシステムの要求又は性能によって決まる)に保存することができる。
【0045】
次いで、画像を、点源から送信される波面が目的の領域で物理的に円形(2Dイメージングの場合)又は球形(3Dイメージングの場合)であると仮定することによって受信エコーから再構築することができる。実際は、2次元集束波面はまた、2D画像平面に垂直な次元にある程度は進入することがある。即ち、ある程度のエネルギーが、所望の2次元イメージング平面に垂直な次元に本質的に「漏れ」得る。
【0046】
加えて、「円形」波面は、変換する物質のユニークな軸外特性に従ってトランスデューサの前面の先の半円又は円の180度未満の部分に限定され得る。同様に、3次元の「球形」ピングを送信する場合、対応する波面は、使用される送信素子(複数可)の軸外特徴によって半球形又はより小さい断片的な球形部分の形状(例えば、「円錐」形状)を有し得る。
【0047】
受信エコーから画像を形成するプロセスは、一般に、本明細書では「ビーム形成」と呼ばれる。ピングベースイメージングでは、ビーム形成は、一般に、画像ウィンドウ内の各画素又はボクセルの位置に対応するエコーサンプルを決定することを含み得る。あるいは、ビーム形成は、逆、即ち、各受信エコーサンプルの画素表示位置を決定することを含み得る。各ピングが、画像化される領域全体を超音波照射するため、(低品質であるが)「完全な」画像を、1つのトランスデューサ素子のエコーで形成することができる。1つの受信トランスデューサ素子によって受信されるエコーから形成することができる画像は、サブ画像と呼ぶこともある。複数のトランスデューサ素子で受信されるエコーから形成されるサブ画像を組み合わせることによって画質を改善することができる。トランスデューサ素子は、「開口」にグループ分けすることができ、共通の開口の素子からのサブ画像を組み合わせて画像層を形成することができる。
【0048】
ソフトウェアベース又はハードウェアベースの動的ビーム形成技術を用いてピングベースエコーのビーム形成を行うことができ、この技術では、ビームフォーマの焦点を連続的に変化させて、画像化される特定の画素の位置に集束させることができる。このようなビームフォーマを使用して、点源パルスからの、受信したエコーの位置をプロットすることができる。一部の実施態様では、動的ビームフォーマは、送信機から個々の受信トランスデューサ素子までの信号の往復時間に基づいて各エコー信号の軌跡をプロットすることができる。
【0049】
送信された2次元集束ピングのエコーをビーム形成する場合は、1つの反射体の軌跡は、送信トランスデューサ素子(複数可)の位置に第1の楕円焦点を有し、かつ受信トランスデューサ素子の位置に第2の楕円焦点を有する楕円に沿って延在する。いくつかの他の可能な反射体が同じ楕円に沿って延在するが、同じ反射体のエコーは、受信開口の他の各受信トランスデューサ素子によっても受信される。各受信トランスデューサ素子の僅かに異なる位置は、各受信素子が、所与の反射体に対して僅かに異なる楕円を画定することを意味する。共通の受信開口の全ての素子の楕円をコヒーレント加算することによる結果の累積は、反射体の楕円の交差、従って、反射体を表す画素を表示する点に向かって収束することを示す。従って、任意の数の受信素子によって受信されるエコーの振幅を組み合わせて各画素値にすることができる。他の実施態様では、計算を異なる方式で行って、実質的に同じ画像に到達することができる。
【0050】
送信された3次元ピングのエコーをビーム形成する場合、実質的に同じプロセスに従うことができるが、各反射体の可能な軌跡が、送信トランスデューサ素子の位置にある第1の楕円焦点及び受信トランスデューサ素子の位置にある第2の楕円焦点を有する3次元楕円に位置する。従って、多数の受信素子で得られる特定の反射体の印象を組み合わせることにより、多数の楕円の3次元交差部にボクセル点を形成することができる。
【0051】
送信素子及び受信素子の相対3次元位置を表す情報の誤りは、実質的に画質を劣化させ得る。従って、校正プロセスを使用して、素子位置情報の誤りを最小限にすることができる。
【0052】
別個の受信素子によって受信されるエコー信号の組み合わせに様々なアルゴリズムを使用することができる。例えば、一部の実施態様は、エコー信号を個々に処理し、各エコー信号をその楕円に沿った全ての可能な位置にプロットし、次いで、次のエコー信号に進むことができる。あるいは、各画素位置を個々に処理し、次の2D画素位置又は3Dボクセル位置に進む前にその画素位置に寄与する可能性がある全てのエコーを特定して処理することができる。
【0053】
同じ又は異なる点源(又は多数の異なる点源)から送信される、1つ以上の後の送信ピングからビームフォーマによって形成される画像を組み合わせることによって、画質をさらに改善することができる。画質の改善は、2つ以上の受信開口によって形成される画像を組み合わせることによって達成することができる。別個にビーム形成された画像、画素、又はボクセルを組み合わせるプロセスは、本明細書では「画像層の組み合わせ」と呼ぶこともある。多数開口超音波プローブの多数の別個の開口で受信されるエコーからの画像を組み合わせることにより、画質をさらに改善することができる。「画像層の組み合わせ」という語は、2つ以上の重複する画素値、ボクセル値、又は完全な画像(即ち、画素値及び/又はボクセル値のアレイ)の組み合わせを指すこともあり、これらの重複値は、異なる送信ピング、異なる送信開口、及び/又は異なる受信開口を用いて得られる。画像層組み合わせプロセスの例は、参照され、引用により本明細書中に組み込まれている本出願人の先行出願に記載されている。
【0054】
一部の実施態様では、ピングベース多数開口イメージングは、第1の送信開口から点源ピング(例えば、2Dピング又は3Dピング)を送信して、2つ以上の受信開口の素子でエコーを受信することによって行うことができ、この受信開口の1つ以上は、送信開口の一部又は全ての素子を含み得る。画像は、ピング送信とエコーの受信との間の遅延時間、音速、及び送信トランスデューサ素子と受信トランスデューサ素子との相対位置に基づいて散乱体の位置を三角測量することによって形成することができる。結果として、超音波照射された領域全体のサブ画像を、各受信素子によって受信された各送信ピングのエコーから形成することができる。第1の受信開口にグループ分けされた多数の素子によって受信されたエコーからのサブ画像をコヒーレントに組み合わせることにより、交差する楕円に関連して上記の改善をもたらすことができる。第2の受信開口にグループ分けされた多数の素子によって受信されたエコーからのサブ画像も、コヒーレントに互いに組み合わせることができ、次いで、第1の開口画像と第2の開口画像をコヒーレント又はインコヒーレントに組み合わせることができる。
【0055】
一部の実施態様では、1つの時間領域フレームは、1つの送信ピングからの、2つ以上の受信開口で受信されるエコーから形成される画像を組み合わせることによって形成することができる。他の実施態様では、1つの時間領域フレームは、2つ以上の送信ピングからの、1つ以上の受信開口で受信されるエコーから形成される画像を組み合わせることによって形成することができる。一部のこのような実施態様では、多数の送信ピングは、異なる送信開口を起源とし得る。
【0056】
本明細書及び本出願人の先行出願に記載されているように、1つの平面に制限されないピング信号(例えば、3次元の半球又はほぼ半球の超音波信号)を送信して、画像化される媒体に延びた線に垂直な2次元において互いに離れた受信素子でエコーを受信することによって、同じピングベースイメージング技術を3Dボリュームデータに適用することができる。ピングベース3Dボリュームイメージング用に構成された多数開口超音波プローブは、大きい全開口を有することができ、この全開口は、意図するイメージング用途で予想されるあらゆるコヒーレンス幅よりも実質的に大きくすることができる。多数開口超音波プローブの例は、共に引用により本明細書中に組み込まれている米国特許出願公開第2012/0095343号として公開された本出願人の同時係属の米国特許出願第13/272,105号及び米国特許出願第14/279,052号に示され、説明されている。
【0057】
3Dボリュームデータは、上記と実質的に同じシステム及び方法を用いて収集し、保存することができる。典型的には、3Dイメージング用の多数開口プローブは、主に2Dイメージングを対象とするプローブよりも実質的に多いトランスデューサ素子を有し得る。従って、ピングベースイメージングプロセス中に3Dボリュームデータを収集して保存するためのイメージングシステムは、実質的により多くの受信チャネルを含み得、かつ大容量の生データメモリ装置も含み得る。3Dボリュームイメージング用のプローブで得られた生エコーデータは、メモリ装置に保存することができる。このようなボリューム生データは、2Dイメージング用に構成されたプローブで収集されるデータと同様に構築することができ、これによりエコーを、該エコーを受信した特定の受信素子及び該エコーを生成した特定の送信ピングに基づいて区別することができる。
【0058】
3Dピングベースエコーデータのビーム形成は、2Dピングベースエコーデータのビーム形成に使用されるシステム及び方法と同様のシステム及び方法を用いて行うこともできる。各デジタル化サンプル値は、目的の超音波照射領域から散乱体を表すことができる。2Dの場合でのように、その到着時の各受信サンプルの振幅並びに送信トランスデューサ及び受信トランスデューサの正確な3次元位置を分析して、散乱体の潜在的な位置を特定する点の軌跡を決定することができる。3Dの場合には、このような軌跡は、その焦点として送信トランスデューサ素子及び受信トランスデューサ素子の位置を有する3次元楕円である。送信トランスデューサ素子と受信トランスデューサ素子とのそれぞれのユニークな組み合わせは、同じ反射体を別の視野を画定することができる。従って、多数の送信−受信トランスデューサ素子の組み合わせからの情報を組み合わせることによって、各反射体の実際の3次元位置を、3次元ボリュームにおける3次元の点又はボクセルとしてより正確に表すことができる。
【0059】
例えば、一部の実施態様では、3Dボリュームにおいて反射体を表すボクセルの3Dアレイを、選択されたデジタルサンプルの評価で開始することによってコンピュータメモリで構築することができる。選択されたデジタル化サンプル値を、上記のように楕円に対応させることによって示される各ボクセルに書き込むことができる。1つおきに収集されたサンプル値で同じことを続けて、得られた全ての楕円を組み合わせることにより、より精密な画像を形成することができる。実際の散乱体を多数の楕円の交差によって示すことができ、他の楕円によって補強されない楕円の部分は、低レベルの信号を有する可能性があり、フィルタ又は他の画像処理ステップによって排除する又は減らすことができる。
【0060】
他の実施態様では、計算の順序は、生成されるべき最終的な3Dボリューム表現で選択されたボクセルで開始することによって変更することができる。例えば、選択されたボクセルについては、最も近接した保存されたサンプルを、各送信/受信対について特定することができる。次いで、選択されたボクセルに対応する全てのサンプル(即ち、ボクセルに交差する楕円を有する全てのサンプル)を評価し、合計(又は平均)してボクセルの最終的な表現を生成することができる。サンプルの選択されたボクセルに対する近さは、送信機(即ち、ピング信号が送信されてエコーサンプルを生成する送信機)の3次元位置から選択されたボクセル位置までのベクトル距離と、選択されたボクセル位置からサンプルが受信される受信機の位置までのベクトル距離とを計算することによって決定することができる。このような直線距離は、画像化される物体を通る音速で全経路長を除すことによって時分割サンプル値に関連し得る。受信データサンプルが保存され、かつ/又は送信されたピングが受信されるまでの時間に基づいて索引付けされる場合は、特定のボクセルに対応するサンプルを、上記のように素子位置データ及び音速データに基づいて特定することができる。このような方法を用いると、計算された時間に対応するサンプルは、選択されたボクセルに関連し得る。
【0061】
一部の実施態様では、最終的な3Dボリューム表現のボクセルは、多数の受信素子から、多数の受信開口から、多数のピングからの組み合わせデータ、又はこれらの様々な組み合わせから構成することができる。ここで、一例を、任意に選択されたボクセルを参照して説明する。第1のピング信号を第1の送信素子から送信することができ、そして各受信素子によって受信されたエコーをデジタル化して別個に保存することができる(例えば、1つのピング当たり1つの受信素子に付き1つのエコーストリング)。エコーデータの第1のセットを、第1の受信開口の素子によって受信される選択されたボクセルに対応する第1のピングからのエネルギーを表すものとして識別することができる。第1のピングから生成されるエコーデータの第2のセットも、第2の受信開口の素子によって受信される選択されたボクセルに対応するものとして識別することができる。
【0062】
次いで、第2のピング信号を、第2の異なる送信素子から送信することができる。第2のピングからのエネルギーを表すエコーデータの第3のセットを、第1の受信開口の素子によって受信される選択されたボクセルに対応するものとして識別することができる。第2のピングのエコーデータの第4のセットを、第2の受信開口の素子によって受信される選択されたボクセルに対応するものとして識別することができる。
【0063】
本開示を考慮すると明らかであるように、第1の受信開口の各素子から受信されるデータは、画像化されたボリュームにおける各ボクセルの個別の表現を提供することができる。従って、第1のデータセットは、第1の受信開口の個々の素子によって受信される選択されたボクセルを表す多数のデータ点を含み得る。第1のデータセットのデータ点を互いにコヒーレントに組み合わせて、選択されたボクセルの第1の印象を生成することができる。第2の受信開口の素子によって受信される第1のピングからの信号を表す第2のデータセットのデータ点を互いにコヒーレントに組み合わせて、選択されたボクセルの第2の印象を生成することができる。第1の受信開口の素子によって受信される第2のピングからの信号を表す第3のデータセットのデータ点を互いにコヒーレントに組み合わせて、この例の第3の印象を生成することができる。第2の受信開口の素子によって受信される第2のピングからの信号を表す第4のデータセットのデータ点を互いにコヒーレントに組み合わせて、選択されたボクセルの第4の印象を生成することができる。
【0064】
第1の選択されたボクセルの印象を第3の選択されたボクセルの印象とコヒーレントに組み合わせて、選択されたボクセルの第1の組み合わせボクセル印象を生成することができる。第1の印象と第3の印象の両方が同じ受信開口で得られたため、これらの印象は、位相相殺のリスクなしにコヒーレントに組み合わせることができる(第1の受信開口が目的の画像用途の最大コヒーレント幅よりも小さいサイズにされると仮定)。
【0065】
選択されたボクセルの第2の印象を第4の印象とコヒーレントに組み合わせて、選択されたボクセルの第2の組み合わせボクセル印象を生成することができる。
【0066】
一部の実施形態では、第1の開口の素子によって受信された第1のピングからのデータを、同じ第1の受信開口の同じ素子によって受信された第2のピングからのデータとコヒーレントに組み合わせるステップは、その他の組み合わせステップの前に行うことができる。一部の実施態様では、同じ受信素子によって受信された2つの別個のピングからの信号の組み合わせは、共通の受信開口の素子によって受信された信号の組み合わせの前又はこの組み合わせと同時に行うことができる。一部の実施態様では、受信した信号の一部のコヒーレントの組み合わせは、受信信号をデジタル化する前に電子的に(即ち、アナログ信号を組み合わせることによって)行うことができる。
【0067】
第1の組み合わせボクセル印象を、第2の組み合わせボクセル印象と組み合わせることができる。第1の受信開口及び第2の受信開口によって画定される全開口が、イメージング用途の全コヒーレント幅よりも大きい場合は、第1の組み合わせボクセル印象を第2の組み合わせボクセル印象とインコヒーレントに組み合わせて、選択されたボクセルの最終的な表現を得ることができる。
【0068】
選択されたボクセルの印象を組み合わせるこれらのステップを、画像化された3次元ボリュームの各ボクセルについて繰り返す又は並行に行って、全ボリュームの最終的な表現を得ることができる。他の実施態様では、これらのステップは、任意の数の送信ピング及び任意の数の受信開口を用いてその他の順序で行うことができる。多数の受信素子、受信開口、及び/又はピングからの信号を組み合わせるときに、コヒーレント加算技術とインコヒーレント加算技術の様々な他の組み合わせを使用することもできる。
【0069】
一部の実施態様では、上記の例のプロセス又は別のプロセスを使用して3Dボリュームの完全な表現を生成した後に、選択された平面を構成するボクセルの集団を特定し、1つの平面を、これらのボクセルからのデータを2次元ディスプレイに表示することによって表示のために選択することができる。
【0070】
他の実施態様では、選択された2次元平面は、完全な3Dボリュームをビーム形成するのではなく、ボリューム生データから直接ビーム形成することができる。これは、選択された平面の画像を形成するために必要な処理数を減らすために望ましいであろう。
【0071】
図1は、ピングベース多数開口イメージングシステムによって得られる3次元データから2次元平面をビーム形成するためのプロセス10の実施態様の一例を例示している。ブロック12に示されているように、イメージング信号を3次元ボリュームに送信することができる。ブロック14で、送信された信号からの信号を、イメージングプローブの受信素子によって受信することができる。ブロック16は、素子特有の生データセット(即ち、本明細書の他の部分に記載される各受信チャネルに対応する完全なエコーストリング)としてプローブの各受信トランスデューサ素子によって受信される信号をデジタル化することを含み得る。ブロック18で、超音波照射された3次元ボリューム内の2次元画像平面を、ユーザによって手動で、又はイメージング装置若しくは他のシステムによって自動で特定することができる。ブロック20で、選択された画像平面に交差する3次元ボクセルを特定することができる。ブロック22で、このプロセスは、特定されたボクセルに対応する完全な素子特有の生データセットのそれぞれの一部を特定することを含み得る。データセットの一部は、完全なサンプル及び/又はサンプル間の補間部分を含み得る。指定ボクセルに対応するデータサンプルの特定は、上記のように送信素子及び受信素子の既知の位置及び音速値(超音波周波数及び画像化される媒体の組成に基づき得る)に基づいて行うことができる。ブロック24で、このプロセスは、ビーム形成のために特定されたサンプルのみを選択して、選択された2次元画像平面の各画素の表示値を決定することによって進めることができる。
【0072】
図2は、3次元多数開口超音波イメージングプローブアレイ100(プローブハウジング及び支持構造が、単純にするために図面では省略されている)の一例の概略表現を例示し、このプローブアレイ100は、トランスデューサ素子のアレイ、及び長方形のブロックとして表された画像化されるべき目的の領域120(超音波照射される領域の実際の形状及びサイズは、使用されるプローブの詳細によって異なり得る)を含む。図2及び図3のプローブアレイ100は、2つの直交軸に曲率を有するものとして示され、この曲率により、少なくとも2次元において全ての素子が互いに離間した3次元アレイを形成する。代替の実施態様では、プローブアレイを実質的に平面にすることができ、全ての素子が実質的に同じ2次元平面に位置する。さらなる実施態様では、その他の構成も可能である。例えば、一部の素子は、共通の平面に位置させることができるが、他の素子は、画像化されるべき物体に対して内側又は外側に曲げることができる。本明細書の開示を考慮すると明らかなように、各素子の位置が、望ましい程度の精度及び正確さで分かっている限り、任意のアレイ形状を使用することができるが、一部のアレイ構造を、特定のイメージング用途のためにより最適に構成することができる。
【0073】
プローブアレイ100は、強調された複数の送信素子T1、T2、及びTnと共に示されている。場合によっては、送信素子は、送信専用とすることができ、別の場合には、トランスデューサ素子のいずれかを、特定の画像サイクル又はピングサイクルの送信素子として一時的に指定することができる。一部の実施態様では、アレイの任意の素子を、一時的又は永久的に送信素子として指定し、使用することができる。他の実施態様では、送信素子を、受信素子とは異なるように構成することができ、かつ/又は送信専用に使用することができる。送信素子は、2次元アレイ又は3次元アレイ内の任意の位置に配置することができる。
【0074】
一部の実施態様では、アレイ10の一部又は全ての素子は、送信信号のエコーを受信するように構成することができる。このような受信素子は、複数の受信開口にグループ分けすることができ、各受信開口は、本明細書に記載される1つ以上の受信素子を備える。素子の受信開口へのグループ分けは、イメージングが行われる前又は後の任意の時点で行うことができる。さらに、保存された生エコーデータを使用して、受信開口を、以下にさらに詳細に説明されるように、エコーデータの収集後に再設定することができる。
【0075】
図2は、2つの受信開口R1、R2、及びR3を示している。図示されているように、R1は、R2よりも多くの素子から構成されている。受信開口のそれぞれは、1次元、2次元、又は3次元において互いに離間させることができる任意の数のトランスデューサ素子を備え得ることを理解されたい。プローブアレイの素子は、必要に応じて任意の数の受信開口にグループ分けすることができる。各ピングのエコーを、受信素子の全て又は実質的に全てによって受信することができ、そして各素子によって受信されるエコーからの生エコーデータをデジタル化して生データメモリに保存することができるため、受信素子の受信開口へのグループ分けを、所与のイメージング計画のための開口の配置を最適化するためにイメージングの前、ライブのイメージング中、又は保存された生データの後の再検討中に設定又は調整することができる。
【0076】
一部の実施態様では、受信開口のサイズは、散乱体から受信開口の各素子までのどの経路でも音速が同じであるという仮定によって制限することができる。十分に狭い受信開口では、この仮定の単純化は許容範囲である。しかしながら、受信開口の幅が広くなると、エコーの戻り経路が、必然的に音速が異なる様々な種類の組織を通過する変曲点に達する(本明細書では「最大コヒーレント開口幅」、「最大コヒーレント幅」、又は「コヒーレント幅」と呼ばれる)。この全体の差異により、180度に達する位相シフトが生じると、最大コヒーレント受信開口幅を超える追加の受信素子は、画像を向上させるのではなく、実際には画像を劣化させる傾向になる。
【0077】
従って、最大コヒーレント幅よりも広い全開口幅を有する広幅プローブを使用するために、全プローブ幅を、多数の開口に物理的又は理論的に分割することができ、この分割される各開口は、意図するイメージング用途の最大コヒーレント開口幅以下の最大幅(例えば、円形の直径、楕円形の主軸の長さ、又は長方形/正方形の開口の対角線の長さ)に限定することができる(即ち、受信信号の位相相殺を回避するために十分に小さい)。最大コヒーレント幅は、患者によって、及び同じ患者でもプローブ位置によって異なり得る。一部の実施態様では、所与のイメージング計画に妥当な幅を決定することができる。他の実施態様では、多数開口超音波イメージング制御システムを、動的制御機構を用いて構成して、多数開口の利用可能な素子を、破壊的な位相相殺を回避するために十分に小さい群にさらに分割することができる。このような最大開口幅の決定は、位相相殺が検出されるまで徐々に増大する開口を用いて生成される画像、画像データ、又は他のデータを連続的に評価し、次いで1つ以上の開口サイズの増分による確認によって達成することができる。
【0078】
一部の実施態様では、最大コヒーレント幅よりも狭い幅の開口に素子をグループ分けすると、デザインの制約を満たすことがより困難になるであろう。例えば、検査される物質が、非常に狭い領域でその種類が多すぎると、最大コヒーレント幅よりも十分に小さい開口を形成することが実現困難である、又はコストがかかりすぎるであろう。同様に、システムが、かなりの深さで非常に小さい標的を画像化するようにデザインされると、許容される最大コヒーレント幅よりも広い幅の開口が必要であろう。このような場合、最大コヒーレント幅よりも広い幅の受信開口は、異なる経路に沿った音速の差異を考慮するためにさらなる調整又は補正を行うことができるようにすることにより調整することができ、これにより、非常に小さくて非常に深い標的をちょうど覆う領域に正確に焦点を合わせることができ、他の領域はやや焦点がぼけることがある。このような音速の調整の一部の例が本明細書に記載されているが、他の方法も知られている。
【0079】
ピング信号が、画像化されるべき領域全体を超音波照射するため、3次元ピングベースイメージングによって得られるボリュームエコーデータはシームレスである。対照的に、一連の2D平面スライスから構築されるボリュームデータは、画像データのある程度の補間を、隣接する平面スライス間の空間で必要とする傾向にある。同様に、一連の平スキャンラインから構築される個々の2D画像も、典型的には、像データのある程度の補間を、隣接するスキャンライン間の空間で必要とする。
【0080】
ピングベースボリュームエコーデータのシームレス性とは、補間を必要とせずに、3Dボリュームの任意の部分に沿って切り取られた任意の2Dスライスをビーム形成して表示できることを意味する。場合によっては、非平面又は曲面スライスを、ボリュームデータの断面に沿って切り取ることもできる。このような非平面又は曲面経路スライスの結果を、平らな平面画像又は遠近レンダリング(perspective rendering)のいずれかとして2次元ディスプレイに表示することができる。ボリューム情報は、3次元ディスプレイ、例えば、ホログラフィックディスプレイ又は立体ディスプレイによって表すこともできる。従って、一部の実施態様では、ボリュームイメージングセッションからの生エコーデータをメモリ装置から取り出すことができ、ボリュームの一部又は全てをビーム形成して画像として表示することができ、該ボリュームの所望の領域を(ソフトウェアによって自動で、又は操作者が手動で)選択することができ、かつ選択された領域を再ビーム形成して新しい画像として表すことができる。ボリューム生エコーデータは、以下に記載されるように様々な他の方法で使用することもできる。
【0081】
図3は、複数の送信素子T1、T2、T3、T4、T5並びに素子R3及びR4の2つの受信開口群を強調している概略的なプローブアレイ100を例示している。図3は、各送信素子T1、T2、T3、T4、T5によって送信された超音波エネルギーが1つの2D平面150内の反射体140まで移動する経路を示す光線ライン、及び該反射体140によって反射されたエコーが受信開口R3及びR4のそれぞれで受信されるまで移動する経路を表す破線の光線ラインも示している。図面から分かるように、送信素子及び受信素子は、全てが共通平面に沿って延在するわけではないが、示されている2D平面150内に位置する反射体は、送信素子のいずれかからの超音波エネルギーで照射することができ、かつエコーを、プローブアレイ100のどこかに位置する受信素子によって受信することができる。
【0082】
従って、たとえボリュームプローブを用いても、1つの2次元平面(例えば、平面150)に沿って延在する反射体をビーム形成のために選択して、超音波照射3次元ボリューム内から表示することができる。画像平面以外での送信機及び受信機の使用は、2Dプローブ(即ち、画像平面内で集束されるエネルギーを送信及び受信するように構成されたプローブ)で得られる同じ平面での点広がり関数よりも遥かに小さい点広がり関数を画像平面に垂直な次元で可能にする。
【0083】
以下にさらに詳細に説明されるように、受信エコーデータのビーム形成は、ライブのイメージングセッション中にリアルタイムで、及び/又はイメージングセッションの生エコーデータの取り出しによって後に行うことができる。使用されるプローブ及び特定の用途の必要性によって、生エコーデータセットを、1つ以上の個々の2次元平面をカバーするイメージングセッションのため、又は完全な3次元ボリュームのために収集して保存することができる。
【0084】
(生エコーデータ)
図4は、超音波イメージングシステム200の一部の実施態様に含めることができる構成要素を例示するブロック図である。図4のブロック図は、いくつかのサブシステム:送信制御サブシステム204、プローブサブシステム202、受信サブシステム210、画像形成サブシステム230、及びビデオサブシステム240を含む。ほとんどの超音波システムとは異なり、図4のシステムは、後に取り出して処理するためにビーム形成されていない生エコーデータを保存するように構成されたメモリ装置を提供する。一部の実施態様では、様々なサブシステムは、1つの装置内に物理的かつ論理的に含めることができる。他の実施態様では、サブシステムの一部又は全てを、他のサブシステムの一部又は全てを含む他の装置と通信することができる物理的に別個の装置又はシステムに含めることができる。図4の要素のさらなる詳細は、引用により全内容が本明細書中に組み込まれている米国特許出願公開第2014/0058266号として公開された本出願人の同時係属の米国特許出願第13/971,689号に記載されている。
【0085】
送信制御サブシステムは、一般に、送信された超音波パルスの形状、タイミング、周波数、又は他の特性を決定するための制御電子機器を含み得る。プローブサブシステムは、画像化されるべき媒体に超音波エネルギーを送信し、該媒体内からの送信されたエネルギーのエコーを受信するように構成された任意のプローブを含み得る。場合によっては、送信機能と受信機能を、物理的に、電子的に、及び/又は論理的に別個の装置に分離することができ、場合によっては、受信プローブは、反射エネルギーに加えて、直接送信されるエネルギーを受信することができる。場合によっては、図4のイメージングシステム200の1つ以上の要素を省略することができる。
【0086】
受信サブシステム210は、一般に、複数の別個のチャネル(例えば、一部の実施態様では、1つの受信トランスデューサ素子に付き1つのチャネル)を含むことができ、各チャネルは、プローブサブシステムの受信トランスデューサ素子からのアナログ信号の様々な増幅、フィルタリング、及び他の処理を行うように構成されたアナログフロントエンド(AFE)212を有する。AFEは、受信アナログ信号をデジタル信号に変換するように構成することができるアナログ・デジタル変換装置/システム(ADC)214に接続することができる。このようなデジタル信号は、デジタルメモリ装置、例えば、以下に記載される生データメモリ装置220に保存することができ、かつ/又は、任意に、画像形成サブシステム230の要素に直接送信することができる250。
【0087】
画像形成サブシステム230は、ビームフォーマブロック232を含み得、場合によっては、画像層組み合わせブロック234及び/又は他の処理ブロックも含み得る。画像形成サブシステム230は、一般に、受信サブシステム210又は生データメモリ220から受信したデジタル生エコーデータを一連の表示可能な画像に変換するように構成することができる。一部の実施態様では、画像形成サブシステム230によって形成された表示可能な画像を、画像バッファ記憶装置236に保存することができる。ビデオ/画像表示サブシステム240は、画像形成サブシステム230からの一連の表示可能な画像を、出力表示装置244で表示することができるアナログ又はデジタルビデオストリームに変換するように構成された構成要素、例えば、ビデオプロセッサブロック242を含み得る。ビデオ/画像表示サブシステム240は、異なる時間及び/又は異なる位置での表示のためにビデオストリームを保存するように構成されたアナログ又はデジタルメモリ装置も含み得る。画像形成サブシステムは、ビーム形成されて処理されたデジタルビデオファイルを保存するように構成されたビデオメモリ装置246も含み得る。
【0088】
本明細書に記載のデジタル記憶装置のいずれか、例えば、生データメモリ装置、ビデオメモリ装置、画像メモリ装置、及びデータウェアハウスなどは、任意の数のあらゆる適切な不揮発性デジタルメモリ装置又はこれらの組み合わせを含み得る。デジタル記憶装置の例としては、ハードディスクドライブ、固体ディスクドライブ、フラッシュメモリ装置、他の固体リムーバブル不揮発性記憶装置、例えば、SDカード又はUSBフラッシュメモリ装置、光学記憶装置、例えば、CD、DVD、又はブルーレイ、磁気テープ、又は任意の不揮発性デジタルメモリ装置を挙げることができる。場合によっては、アナログ記憶装置は、データの保存にも使用することができる。
【0089】
本明細書で使用される「エコーデータ」、「生エコーデータ」、及び「生データ」という熟語は、ビーム形成の前に任意の処理レベルで受信超音波エコーを表す保存されたエコー情報を指すこともある。様々な実施態様では、受信エコーデータは、純粋なアナログエコー信号から完全に処理されたデジタル画像又はさらにはデジタルビデオになるまでの様々な段階で保存することができる。例えば、生のアナログ信号は、アナログ記録媒体、例えば、アナログ磁気テープを用いて保存することができる。僅かに高いレベルの処理で、デジタルデータを、アナログ信号がアナログ・デジタル変換器を通過した直後に保存することができる。さらなる増分処理、例えば、バンドパスフィルタリング、補間、ダウンサンプリング、アップサンプリング、他のフィルタリングなどをデジタルエコーデータに対して行って、「生」出力データを、このような追加のフィルタリング又は処理ステップの後で保存することができる。次いで、このような生データをビーム形成して各受信エコーの画素位置を決定し、これにより画像を形成することができる。個々の静止画をフレームとして組み合わせて動画ビデオを作成することができる。本明細書に記載のシステム及び方法の一部の実施態様では、ほんの少しの処理を行った後、例えば、デジタルエコーデータのある程度のフィルタリング及び調整の後であるが、一切のビーム形成又は画像処理を行う前にデジタル化生エコーデータを保存することが望ましいであろう。
【0090】
「エコーデータ」という語は、一般に、受信素子によって受信されるデータを指すために本明細書で使用されるが、「エコーデータ」という語は、必ずしも反射される必要なく、超音波の直接送信から得られる受信した信号又は他の送信されたエネルギー信号をデジタル化することによって生成されるデータを含むことも意図する。従って、「エコーデータ」という熟語は、一般に、「受信データ」と同じ意味を有し得る。
【0091】
受信エコーデータに加えて、エコーデータの特定のセットを生成した1つ以上の送信超音波信号についての情報を保存することも望ましいであろう。例えば、上記の多数開口ピングベース超音波法で画像化する場合、エコーの特定のセットを生成した送信ピングについての情報を知ることが望ましい。このような情報は、1つ以上の送信素子の識別及び/又は位置、並びに送信超音波信号の周波数、振幅(大きさ)、パルス長(継続期間)、波形(形状)、又は該信号を表す他の情報を含み得る。
【0092】
送信データは、本明細書ではまとめて「TXデータ」と呼ぶこともある。一部の実施態様では、このようなTXデータは、生エコーデータが保存される同じ生データメモリ装置に明示的に保存することができる。例えば、送信信号を表すTXデータは、送信信号によって生エコーデータのセットが生成される前はヘッダとして、該生エコーデータのセットが生成された後はフッターとして保存することができる。他の実施態様では、TXデータは、ビーム形成プロセスを行っているどのシステム(例えば、PC、ラップトップ、タブレット、モバイル装置、サーバ、イメージングシステム、又は他の適切に構成された装置)にもアクセス可能な別個のメモリ装置に明示的に保存することができる。送信データが明示的に保存される実施態様では、「生エコーデータ」又は「生データ」という熟語は、このように明示的に保存されたTXデータも含み得る。
【0093】
TXデータは、黙示的に保存することもできる。例えば、イメージングシステムが、一貫した又は既知の順序で一貫して定義された超音波信号(例えば、一貫した振幅、波形、周波数、パルス長など)を送信するように構成されている場合は、このような情報は、ビーム形成プロセス中に仮定することができる。このような場合、エコーデータに関連させる必要がある情報は、送信トランスデューサ(複数可)の位置(又は識別)のみである。一部の実施態様では、このような情報は、生データメモリ内の生エコーデータの編成に基づいて黙示的に保存し、取り出すことができる。
【0094】
例えば、システムは、各ピングの後に一定数のエコー記録を保存するように構成することができる。このような実施態様では、第1のピングからのエコーを、メモリ位置0〜「n−1」(「n」は各ピングについて保存される記録数)で保存することができ、第2のピングからのエコーを、メモリ位置n〜2n−1に保存することができる。他の実施態様では、1つ以上の空の記録又は特別に符号化された記録を、エコーのセット間に残すことができる。一部の実施態様では、受信エコーデータは、送信ピングと受信エコーデータ点(又はエコーの群)との間の関係を暗示するために、様々なメモリインターリービング技術のいずれかを用いて保存すことができる。一般に、1つの受信素子によって受信される1つの送信ピングから得られるエコー又は他の信号に対応するデータ記録の集団は、本明細書では1つの「エコーストリング」と呼ばれることもある。
【0095】
「完全なエコーストリング」は、受信素子によって受信される1つのピングから得られる実質的に全てのデータを指すことがあり、「部分ストリング」又は「部分エコーストリング」は、受信素子によって受信される1つのピングの全てのエコーのサブセットを指すこともある。
【0096】
同様に、「完全なデータセット」は、送信信号の規定のセットから得られる実質的に全ての生データ(例えば、エコー又は直接受信された信号)を指すこともある。送信信号のセットは、送信ピングの識別可能なセット、所定時間内に送信された全てのピング若しくは他の信号、又はその他と定義することができる。「部分的なデータセット」は、送信信号の規定のセットから得られる全ての生データのサブセットを指すこともある。
【0097】
場合によっては、完全なエコーストリング又は完全なデータセットは、一部のデータが望ましくないとして廃棄され得るため、論理的に利用可能な全てのデータよりも少ないデータを含み得る。例えば、ピングの送信後の最初の数ミリ秒を表すデータは、所望のデータセットに意味のあるように寄与せず、従って無視することができる実質的なクロストーク又は他のノイズを含み得る。それでも、得られるデータセットは、送信ピング(又はピングのセット)から得られる所望のデータの全てを含む場合は、なお「完全なエコーストリング」又は「完全なデータセット」と見なすことができる。部分的なエコーストリング又は部分的なデータセットは、例えば、より迅速なデータ通信、又は処理リソースの制限を目的としてデータセットを制限するために、完全なエコーストリング又はデータセットからの記録のサブセットを選択することによって得ることができる。
【0098】
同様に、データが、一定の既知のサンプリングレートでサンプリングされるとすると、各エコーデータ点が受信された時間は、メモリ内のそのデータ点の位置から推測することができる。一部の実施態様では、同じ技術を使用して、多数の受信チャネルからのデータを1つの生データメモリ装置に黙示的に保存し、該データを整理/解釈することもできる。
【0099】
他の実施態様では、エコーデータを取り出すシステムが、どのエコー信号がどの受信トランスデューサ素子及び送信ピングに対応するかを決定できるならば、生データメモリ装置220に保存された生エコーデータを、所望に応じてその他の構造に物理的又は論理的に配置することができる。一部の実施態様では、共通の座標系に対して各受信トランスデューサ素子の正確な物理的な位置を表す位置データを、その同じ素子によって受信されるエコーデータに関連付けることができる情報と共に校正メモリ装置238に保存することができる。同様に、各送信トランスデューサ素子の正確な物理的な位置を表す位置データを、送信素子から送信された各ピングを表すTXデータに関連付けることができる情報と共に校正メモリ装置238に保存することができる。
【0100】
一般に、各トランスデューサ素子についての位置及び/又は性能情報を表す校正データを、ビーム形成動作を行う装置によって電子的にアクセス可能な任意の装置に物理的に配置することができる。例えば、校正データを、プローブ装置自体に、該プローブに有線若しくは無線接続によって接続されたイメージングシステムに、イメージングシステム、又はビーム形成動作を行うように構成されたサーバ若しくは他の計算装置によってアクセス可能なネットワーク対応データベースに配置することができる。
【0101】
一部の実施態様では、校正データは、性能情報も含み得る。性能情報は、素子に衝当するエコーを正確には表さない応答データを提供する程度まで損傷した素子を特定する情報を含み得る。不正確な情報の性質によって、損傷した素子からのデータは、得られる画像への悪影響を最小限にするために無視する、又は重み付けすることができる。
【0102】
一部の実施態様では、保存されたエコーデータに基づいた画像のビーム形成に有用なさらなる情報も、ビーム形成動作を行っている装置にアクセス可能なデジタル記憶装置に保存することができる。このようなさらなる情報の例としては、音速値、例えば、平均音速値、経路固有の音速値(例えば、送信開口から画素/ボクセル位置を経て受信開口に至る光線経路に沿った音速)、又は受信開口固有の音速値などを挙げることができる。さらなる保存された情報は、データ収集セッション中に使用される重み付け因子又はユーザが制御可能な設定も含み得る。
【0103】
一部の実施態様では、生データメモリ装置220内の各エコーストリングを、エコーを受信した受信トランスデューサ素子の位置を表す位置データ、及びエコーを生成するピングを送信した送信開口の1つ以上の送信素子の位置を表すデータに関連付けることができる。各エコーストリングも、送信ピングの特性、例えば、出力レベル、周波数、パルス長/信号形状、エミッタ効率などを表すTXデータに関連付けることができる。このような関連付けは、任意の適切なデータ構造を用いて行うことができる。
【0104】
場合によっては、生エコーデータは、臨床医又は看護者による該生エコーデータと患者、イメージングの日付/時間、イメージング位置、イメージング環境(周囲の温度、湿度、気圧など)、画像の収集中に使用されるイメージングシステムの設定、物体の表面温度、又は生データの使用に有用であり得る他の情報との関連付けを可能にする情報を含む様々な「メタデータ」に関連付けることもできる。その他のメタデータも、生エコーデータの記録に関連付けることができる。
【0105】
生エコーデータを保存する1つの利点は、情報を取り出し、処理し、そして後に再検討することができ、これにより、ビデオストリーム(例えば、シネループ)のみがイメージングセッションから保存された場合よりも制御及び柔軟性の度合いを遥かに大きくできることである。例えば、一実施態様では、患者が、専門技術者を訪問することができ、該専門技術者が、生エコーデータが収集され、保存されている間に超音波検査を行うことができる。数時間後、数日後、数週間後、さらには数か月後に(言い換えれば、患者の最初のセッション後の任意の時点で)、訓練を受けた専門家、例えば、医師が、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレット、又はイメージングシステムを使用して、検査セッション中に生成されるデータから得ることができる様々な画像を見直し、そして患者を再検査も再イメージングもすることなく生データを操作することによって新たな画像(即ち、イメージングセッション中に患者から形成されなかった画像)を形成することができる。一部の実施態様では、保存されたデータのこのような再検査は、生エコーデータへのアクセスでのみ可能ないくつかのプロセスを含み得る。
【0106】
一部の実施態様では、イメージングセッションからの生データは、校正用ファントムのイメージングの間に収集された生エコーデータと共に保存することができる。例えば、校正用ファントムのイメージングの間に得られる生エコーデータを、ライブのビーム形成中に立てられるトランスデューサ素子位置の仮定を訂正することによってイメージングセッションデータの後の校正に使用することができる。
【0107】
各トランスデューサ素子の位置を表す情報は、本出願人の先行出願に記載さているように校正プロセスによって得ることができる。このような素子位置データは、校正メモリ装置220に保存することができ、該校正メモリ装置220は、他の電子機器と共に物理的に配置しても良いし、又は遠隔のネットワーク対応サーバに配置しても良い。しかしながら、一部の実施態様では、素子位置情報は、校正作業の実施と生超音波データの収集との間で変更することができる。例えば、プローブは、生エコーデータ収集セッションの前又は最中に落下する、損傷する、又は他の方法で変化する可能性がある。
【0108】
一部の実施態様では、保存された生エコーデータを再処理する能力とは、生エコーデータが収集された後にプローブを実際に遡って再校正することができ、かつ該データを、更新された素子位置情報を用いて再ビーム形成することができることを意味する。
【0109】
他の実施態様では、生データメモリ装置に保存された生エコーデータを分析して、プローブが、実際に校正がずれているか否かを決定することができる。
【0110】
(生データ収集装置)
様々な実施態様では、ネットワークベースイメージングシステムは、生エコーデータの収集と収集された生エコーデータから得られる画像の形成及び表示とを切り離すという利点を提供することができる。結果として、ネットワークベースイメージングシステムの構成要素として動作するシステムは、2つの広義に定義されたモードで動作するように構成することができる。「ライブイメージング」モード又は「リアルタイムイメージング」モードでは、システムは、可能な限り短い待ち時間でエコーデータに基づいて画像を処理して表示するように構成することができる。待ち時間は、動作(例えば、画像化される物体に対するプローブの移動)を行う時とイメージングシステムが動作の結果を表示する時との間の時間遅延と定義することができる。ライブイメージングモードの様々な例が以下に記載される。
【0111】
第2の広義のモードは、「高品質データ収集」モードとして説明することができる。「高品質データ収集」モードが開始されると、ネットワークベースイメージングシステムのデータ収集構成要素が、所定期間の一定数のピングサイクル又は一定数の画像サイクルから生エコーデータを収集して、(TXデータ、及び本明細書に記載の他のデータと共に)保存することができる。高品質データ収集モード中は、完全なデータセットを、リアルタイムでビーム形成も他の処理も行う必要がない。一部の実施態様では、データ収集装置は、生データが収集されるときに外部(例えば、ネットワークに接続された)記憶装置にリアルタイムで該生データを保存することができる。他の実施態様では、例えば、リアルタイムネットワーク通信リソースが限定されているときは、データ収集装置は、リアルタイムでローカル記憶装置に生データを保存することができ、続いて、後のネットワークリソースがそれほど制約されていないときに収集データを外部(例えば、ネットワークに接続された)記憶装置に転送することができる。1つの遠隔データ記憶装置又は遠隔データ記憶装置の集団を、本明細書では「データウェアハウス」と呼ぶこともあり、該データウェアハウスは、必要に応じて任意の数のネットワーク接続データ記憶装置を含み得る。
【0112】
ネットワークベースイメージングシステムの実施態様は、一般に、送信、受信、及びデータ保存機能を実施するための、低価格の性能が限定されたハードウェアを有するデータ収集装置を含み得る。データ収集装置は、画像形成装置から物理的に切り離して物理的に遠隔に配置することができ、該画像形成装置は、ビーム形成及び画像処理機能を実施するための、コスト高の高性能ハードウェア及び/又はソフトウェアを備え得る。ネットワークベースイメージングシステムの一部の実施態様は、画像形成装置とネットワーク通信し、かつ/又は1つ以上のデータ収集装置と直接通信する最終使用ビューワ端末も含み得る。このようなビューワ端末は、収集された生データから形成される画像のリアルタイム又はタイムシフト視聴に使用することができる。一部の実施態様では、データ収集装置は、ネットワーク通信を介して1人以上の高度な訓練を受けた専門家によって、又はソフトウェア若しくは人工知能エージェントによって案内することができる比較的軽度の訓練を受けた技術者によって操作されるように構成することができる。
【0113】
一部の実施態様では、収集されて上記の生データメモリ装置に保存された生エコーデータを、後に外部(例えば、バックアップ)メモリ記憶装置にコピーする、転送する、又は他の方法で電子的に通信することができる。このようなデータ通信は、任意の利用可能な有線又は無線データ転送システム、例えば、ブルートゥース、IR/赤外線、USB、IEEE 1394ファイアワイヤ、Thunderbolt、又はイーサネット/イントラネット/インターネット(TCP/IP、FTPなど)などによって行うことができる。
【0114】
一部の実施態様では、生データは、再処理、再ビーム形成、及び画像の再生/視聴のために超音波イメージングシステム(例えば、超音波照射及び生エコーデータの収集に本来使用される同じシステム)、又は同様に構成された超音波イメージングシステムに戻すことができる。他の実施態様では、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレット、モバイル装置、ネットワーク接続サーバ、又は他のデジタル計算装置を、専用の超音波イメージングシステムを使用しないで生エコーデータをビーム形成及び/又は処理して画像にするためのソフトウェア及び/又はハードウェアを用いて構成することができる。
【0115】
他の実施態様では、生エコーデータを、その他の適切に構成された計算装置又はシステム、例えば、タブレット又はスマートフォンのソフトウェアによってビーム形成し、処理し、そして表示することができる。他の実施態様では、生エコーデータを、画像データを遠隔に保存し処理することができるネットワークにアクセス可能なサーバにネットワークを介してアップロードすることができる。
【0116】
図5は、エネルギー(例えば、超音波)データ収集及び通信装置260と遠隔画像形成及び表示システム262とに分割されたイメージングシステム201の一実施態様を例示している。データ収集及び通信装置260は、生エコーデータを通信装置264及び有線又は無線ネットワーク266を介して遠隔イメージングシステム262に通信するための最小限のハードウェア構成要素を備えるように構成することができる。
【0117】
図5のデータ収集装置260は、上記のようにプローブ202、送信制御装置204、AFE 212、及びADC 214を備え得る。あらゆるビーム形成又は画像処理の構成要素の代わりに、データ収集装置260は、生エコーデータをネットワーク266を介して遠隔システム262に通信するように構成された通信装置264を備え得る。遠隔システム262は、装置260によって収集された生エコーデータをビーム形成して処理するように構成されたハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを備え得る。
【0118】
一部の実施態様では、プローブ202は、2次元又は3次元で互いに離間され、かつ本明細書に記載の3Dボリューム超音波データを収集するように構成された超音波トランスデューサ素子を備えた超音波プローブであり得る。
【0119】
一部の実施態様では、通信装置264は、生エコーデータをリアルタイムで遠隔システム262にストリーミング配信するように構成することができる。他の実施態様では、データ収集装置260は、生エコーデータの短期保存のための内部メモリ装置220を(例えば、通信バッファとして)備え得る。他の実施態様では、データ収集及び通信装置260内の内部メモリ装置220は、生エコーデータを該収集装置260内に長期保存するように構成することができる。さらなる実施態様では、データ収集装置は、様々な用途のために構成された1つ又は2つ以上のメモリ装置220を備え得る。
【0120】
例えば、データ収集及び通信装置260は、ネットワーク266を介してリアルタイムデータを通信する直前にリアルタイムデータを保存するための循環バッファとして動作するように構成された第1のメモリ装置220を備え得る。データが装置260から通信されたら、該データを削除する、又は新たに得たデータで書き換えることができる。データ収集装置260は、操作者からのコマンドに応答してネットワークを介して通信されるべきフルセットの生エコーデータ用の循環バッファとして動作するように構成された第2のメモリ装置も備え得る。
【0121】
一部の実施態様では、図5に示されているようなシステム201は、例えば、データ収集セッション中に患者の固定位置に配置するように構成されたプローブを用いる場合は、データ収集装置260の操作者がディスプレイを必要としない環境で使用することができる。場合によっては、(例えば、患者及びデータ収集装置の操作者に加えて)第三者が、データ収集装置260によって得られ、データネットワーク266を介して通信される生エコーデータから形成されるリアルタイム画像を見ることができる。次いで、画像を見る第三者は、患者又は画像化されるべき他の物体へのプローブの配置に関連したリアルタイム命令を与えることができる。一部の実施態様では、このような位置決め命令は、例えば、電話又は他の音声接続によって口頭で伝達することができる。あるいは、プローブ配置命令を、プローブ自体にある表示器によって又は外部装置、例えば、表示画面又は他の装置によって操作者に通信することができる。
【0122】
例えば、カメラが組み込まれたタブレット装置を使用して、所定の位置のプローブ202で患者又は他の物体の光学画像を形成することができる。このタブレットは、患者(又は他の物体)上のプローブのより理想的な位置への移動の方向及び距離を示すように構成されたアプリケーションを含み得る。このような移動命令は、遠隔画像形成及び表示システム262で画像を見ている第三者が提供することができる。あるいは、プローブ位置決め命令は、タブレットの人工知能アプリケーションによって、又はタブレット若しくは他の表示画面に表示される画像上の方向指示器によって操作者に提供することができる。
【0123】
一部の実施態様では、遠隔画像形成及び表示システム262の一部又は全ての要素は、タブレット、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、モバイル装置、又はこのような要素の組み合わせで実施することができ、これらの要素は、本明細書ではまとめて「制御面」と呼ばれる。例えば、一部の実施態様では、画像形成、生データの保存、及び画像バッファリング機能を計算装置で実施することができ、該計算装置は、ユーザインターフェイス機能と共に表示及びビデオ処理機能を実施するように構成することができる制御面、例えば、ハンドヘルドタブレット装置で有線又は無線通信することができる。
【0124】
図6は、機能限定データ収集及び通信装置310、ネットワークベースビーム形成及びビデオ処理装置320、並びに有線又は無線データネットワークを介して互いに接続された1つ以上のビューワ端末330を含むイメージングシステム300の別の例を例示している。例示された例に示されているように、データ収集及び通信装置310は、プローブ202、送信制御装置204、AFE 212、ADC 214、生データメモリ装置220、通信装置264、及びディスプレイ244を備え得る。一部の実施態様では、プローブ202は、2次元又は3次元で互いに離間され、かつ本明細書に記載のように3Dボリューム超音波データを収集するように構成された超音波トランスデューサ素子を備える超音波プローブであり得る。
【0125】
ネットワークベースビーム形成及びビデオ処理装置320は、生データウェアハウス221を含む1つ以上のデジタル記憶装置、ビーム形成、画像層組み合わせ(例えば、上記のような)、及び他の画像形成プロセスを行うためのハードウェア及び/又はソフトウェアを備え得る画像形成サブシステム230を備え得る。ビーム形成及びビデオ処理装置320は、校正メモリ238、画像バッファ236、ビデオプロセッサ242、及びビデオメモリ246も備え得る。
【0126】
動作中は、イメージングシステム300を、患者又は画像化されるべき物体のライブのリアルタイムイメージングに使用することができる。リアルタイムイメージングプロセスの一例は、図7を参照して以下に説明される。ライブのリアルタイムイメージングは、プローブ202を用いて目的の領域に超音波パルス(例えば、非集束3次元ピング)を送信して該目的の領域からのエコー信号を受信することによって機能限定データ収集及び通信装置310を用いて行うことができる。受信信号及び他の情報(例えば、校正情報、TXデータ、装置識別子など)を、ネットワーク266を介してデータ収集及び通信装置310からビーム形成及びビデオ処理装置320に通信することができる。ビーム形成及びビデオ処理装置320は、エコーデータをビーム形成して画像を形成することができ、かつデータ収集及び通信装置310のディスプレイ244上での操作者への表示のためにネットワーク266を介して電子的に通信して該装置310に戻すことができるビデオストリームを表すデータを生成することができる。
【0127】
図6のデータ収集及び通信装置310は、画像化されるべき全3次元ボリュームにエネルギーを送信して、該全3次元ボリュームから該エネルギーを受信するように構成されたプローブを備え得る。あるいは、図6のデータ収集及び通信装置310は、1つのイメージング平面のみに超音波照射し、該平面からのエコーを受信するように構成されたプローブを備え得る。一部の実施態様では、図6のデータ収集及び通信装置310は、ビーム形成ハードウェア及びソフトウェアを省いて構成することができる。これにより、データ収集及び通信装置310を比較的低コストで形成することができ、かつ要求される電力が比較的低い構成要素を利用することができる。一部の実施形態では、いくつかのこのような低コストのデータ収集及び通信装置310は、ローカルネットワーク内(例えば、病院、医療センタ、イメージングセンタ、又はイメージングを行うことができる他の施設)に配置することができる。全てのこのような装置は、ローカルネットワークを介して同じビーム形成及びビデオ処理装置320を利用することができる。一部の実施態様では、ビーム形成及びビデオ処理装置320は、いくつかの同時ライブイメージングセッションの負荷を管理するためにいくつかのサーバを備え得る。
【0128】
ネットワークベースイメージングシステムを用いてライブのリアルタイムイメージングセッションを行うためには、処理されるべき生エコーデータの量を制限してリアルタイム画像を形成することが望ましいであろう。ネットワークを介して処理及び/又は通信されるべき生エコーデータの量は、1つ以上の様々なデータ削減方法を用いることによって削減することができる。これらの一部の例が以下に記載される。
【0129】
図5及び図6に例示されているようなネットワークベースビームフォーマの場合には、様々なデータ削減方法を使用して、データネットワーク266を介して各データ収集及び通信装置310からビーム形成及びビデオ処理装置320に通信されるデータの量を削減することができる。
【0130】
一例のデータ削減アプローチは、画像に処理されるべき削減されたデータサンプルのセットを、限定された画像ウィンドウを画定することによって特定することを含み得る。一部の実施態様では、ネットワークを介して処理及び/又は通信されるべき生エコーデータの量を、画定された画像ウィンドウの画像を形成するために必要な最小のサンプルウィンドウを決定することによって大幅に削減することができる。
【0131】
画像ウィンドウは、特定の2次元平面として(場合によっては3次元ボリュームの一部として)画定し、ズームレベルによって限定し、そして超音波照射される目的の物体の領域内での左右のパン及び上下の高さによってさらに制限することができる。画像ウィンドウは、データ収集及び通信装置310によって自動で、装置の操作者によって手動で、又は手動と自動の組み合わせで選択することができる。
【0132】
本明細書で使用される「サンプルウィンドウ」という語は、ある基準を満たす保存されたデータサンプルのセットを識別するサンプルの指数値の範囲又はリストを指すこともある。例えば、サンプルウィンドウは、超音波照射されるボリューム内のサイズ、位置、及び向きの面から画定され得る2次元画像ウィンドウの画素に対応するデータサンプルのセットとして定義することができる。
【0133】
一部の実施態様では、画像ウィンドウサンプルの選択によってデータセットを削減するためのプロセスは、(1)画像ウィンドウを画定するステップ、(2)画定された画像ウィンドウに対応する受信データサンプルを特定するステップ、及び(3)ネットワークを介した処理又は通信のために画定された画像ウィンドウに対応するサンプルのみを選択するステップを含み得る。
【0134】
一部の実施態様では、特定の画像ウィンドウの生成に必要な最適な生データサンプルのセット(各受信素子についてのピングによる最初から最後までの生データサンプル)を、画像ウィンドウの画素の最上部の行及び最下部の行に対応するサンプル数(又は他のサンプル識別指標)を計算し、そして削減された範囲のサンプルのみを遠隔のビーム形成及びビデオ処理装置320に通信することによって決定することができ;これらの範囲外の全ての生データサンプルは、その特定の画像ウィンドウのビーム形成には使用されないため、遠隔のビーム形成及びビデオ処理装置320に通信する必要はない。典型的には、そして選択されるズームレベルによって、各受信素子についてのピングによって収集された全サンプルの4分の1以下だけを、ビーム形成プロセス中に使用することができる。各TX-RX対は、所与の画像ウィンドウに対してやや異なる範囲の必要なサンプルを生成することができるが、全ての対の中でのばらつきは、全てのピング及び受信素子における最小の「初期」サンプル数/指標から最大の「後期」サンプル数/指標までを単純に使用することができるほど小さいであろう。
【0135】
1つのデータ削減技術は、図1を参照して上記説明されたように、3次元ボリュームを超音波照射することによって生成される生データから2次元画像を直接ビーム形成するプロセスを用いることを含み得る。このような実施態様では、削減されたデータセットは、選択された2次元画像平面に対応するデータのみを含み得るが、「完全な」生データセットは、全3次元ボリュームから受信したエコーデータを含み得る。
【0136】
ネットワークを介して処理又は通信されるべきデータサンプルのセットは、表示されるビデオストリームのフレームレートを効率的に低下させることによってさらに削減することができる。フレームレートの低下は、多数の方法で行うことができる。例えば、一部の実施態様では、フレームレートは、画像フレームに処理するために選択されるピングのエコーのみを選択することによって低下させることができる。言い換えれば、生データセットのサイズは、総数未満の送信ピングによって生成されるデータを用いることによって削減することができる。例えば、1つおきの送信ピングのエコーのみが処理のために選択されると、データセットを半分に削減することができる。他の例では、選択されるデータを、2つおきのピング、3つおきのピング、さらには4つおきのピングなどから受信されるデータに限定することができる。
【0137】
別の例では、生データを、データを精製した送信素子の位置及び/又は識別に基づいて選択することができる。例えば、プローブが、X個の送信開口(又は各送信開口が唯1つの素子を有する送信素子)を備える場合は、該X個の送信開口のそれぞれが、典型的なイメージングサイクル中にピングを送信し、次いで、ネットワークを介して処理又は通信されるべきデータセットを、送信素子のX/2、X/3、X/4、X/5などによって送信されるピングに対応するエコーデータサンプルのみを選択することによって削減することができる。一部の実施態様では、エコーデータが選択される送信素子を、プローブの素子の位置に基づいて選択することができる。例えば、プローブの下の狭い領域のみが対象である場合は、選択される送信素子を、該対象の狭い領域の上の送信素子に限定することができる。
【0138】
他の実施態様では、データセットは、ネットワークを介してデータを処理又は通信する前にエコーデータを予め組み合わせることによって削減することができる。例えば、2つの別個のピングに応答して同じ受信素子によって受信される受信データをコヒーレントに互いに組み合わせることができ、これにより2つのデータ点を1つに削減することができる。一部の実施態様では、第1のピングから生じる第1の受信素子によって受信される第1のエコーストリングを、第2のピングから生じる第1の受信素子によって受信される第2のエコーストリングとコヒーレントに組み合わせることができる。一部の実施態様では、同じ素子によって受信される2つ以上のピングのエコーを、他のデータ削減方法を行う前に組み合わせることができる。
【0139】
多くの他の方法を、ネットワークベースビームフォーマ及び画像形成装置320を用いてライブのリアルタイムイメージングセッションを行っているときに転送されるべき生エコーデータのセットを削減するために使用することができる。一例では、A/D変換器214の実数精度を厳密に測定することができ、サンプリングノイズ、変換ノイズ、又は量子化誤差に最も密接に対応するLSB(最下位ビット)ビットを、転送されるべきデータから取り除く又は排除することができる。例えば、0〜2ビットで十分に高い統計的エラー確率を有する16ビットADCの場合は、3〜15ビットのみで通信して連続するサンプルを相応にパックするのに十分であり得、必要な帯域幅が約20%減少される。
【0140】
別のデータ削減方法は、要求される帯域幅の対応する線形減少を用いて通信されるデータのフレームレートを、アナログフロントエンド(AFE)又は他の電子機器によってサポートされるフルフレームレートのごく一部まで低下させることを含み得る。
【0141】
別のデータ削減方法は、削減されたデータサンプルのセットをネットワーク266を介して通信する前に、要求に応じて可逆又は不可逆圧縮アルゴリズムを用いて生データサンプルのセットを圧縮し、要求される帯域幅のさらに潜在的な25%〜75%以上の削減を可能にすることを含み得る。
【0142】
別のデータ削減方法は、データが選択される受信素子の総数を削減することを含み得る。例えば、全ての受信素子のサブセットを選択することができ、選択された素子のみからの受信データを、ネットワークを介したビーム形成又は通信のために選択することができる。場合によっては、受信素子のサブセットを、超音波照射されるボリューム内の目的の特定の特徴に対する受信素子の位置に基づいて選択することができる。他の場合には、開口に割り当てられる素子の数を、例えば、選択された素子間の一部の受信素子を無視することによって、選択された素子からのデータのみを用いて削減することができる。
【0143】
他の実施態様では、例えば、削減されたデータセットに含めるべきいくつかの開口を選択すると共に、1つ以上の開口からのデータを排除することによって、全開口を無視することができる。一部の実施態様では、選択された開口間の素子群によって受信されるデータをデータセットから排除して、削減されたデータセットを生成することができる。
【0144】
場合によっては、いくつかのデータ削減技術を同時に適用することができ、全通信データが複合的に削減される。
【0145】
場合によっては、適用されるべきデータ削減のレベルは、特定のイメージング用途の所望の画質レベルに基づき得る。例えば、ユーザ又は自動化システムが、特定のイメージング用途が、高品質のリアルタイム画像を必要とすると決定すると、データ削減方法を、特定された用途に必要な最低レベルで画質を維持するために画質に対するその影響に基づいて選択することができる。他方、より低い画質が、特定されたイメージング用途で許容される場合は、画質を低下させる傾向にあり得るデータ削減方法を使用することができる。
【0146】
一部の実施態様では、データ収集及び通信装置310は、操作者による画像ウィンドウの選択、イメージングパラメータの調整、及び後の再検討及び分析のためのローカル及び/又は遠隔記憶装置への生エコーデータの収集を可能にする制御装置を備えたユーザインターフェイスを備え得る。生データの収集は、数秒(又はそれ以上)のイメージング中にトランスデューサ素子によって受信される生エコーデータを保存することを含み得る。収集された生データを、データ収集及び通信ブロック310の生データメモリ装置220に保存することができ、かつネットワーク266を介して遠隔のビーム形成及びビデオ処理ブロック320に通信し、そして生データウェアハウス221に保存することができる。
【0147】
場合によっては、データの削減に加えて、様々な処理削減調整を、ビーム形成、画像層組み合わせ、又は画像処理方法に対して行うことができる。例えば、少数のデータ組み合わせ(画像層組み合わせ)を行うことで、各画像フレームを生成するために必要な処理量を減らすことができる。同様に、画像層のコヒーレント加算とインコヒーレント加算とのバランスを調整することによって、画像フレームを生成するための処理サイクルの回数を増減することができる。他の実施態様では、その他の処理削減方法を使用することができる。
【0148】
データ収集及び通信装置310によって収集され保存される生データは、上記の技術を用いてデータを削減することなく又はデータを削減して、受信データの実質的に全てを含み得る。これにより、生データセットを、機能限定データ収集及び通信装置310でのリアルタイムイメージングに利用可能であり得るものよりも詳細な再検討及び分析に使用することができる。
【0149】
一部の実施態様では、図6のシステムは、ビューワ端末330、例えば、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、タブレット、スマートフォン、又は遠隔画像形成システムに接続するように構成された他の計算装置と組み合わせて使用することができる。例えば、プローブ202を制御する操作者は、ディスプレイ244の代わりに(又はこれに加えて)端末装置330で、ビデオ処理ブロック320によって生成されたビデオストリームを見ることができる。
【0150】
図7は、生データ収集装置、例えば、本明細書に記載された装置(例えば、図5の装置260、図6の装置310、図8の装置312、又はその他の適切に構成された装置)によって行うことができるネットワークベースイメージングプロセス400の一例を例示している。様々な実施態様では、図7のプロセス400のステップは、2つ以上の装置によって行うことができる。
【0151】
図7のプロセス400は、一般に、ライブのイメージングプロセスを行うと共に、限定されたデータセットを遠隔サーバ(例えば、図5の262、図6の320、又は図8の322)に通信するように構成することができ、該遠隔サーバは、ビーム形成動作を行うことができ、かつビデオストリームをデータ収集装置及び/又は隣接表示装置(例えば、ラップトップ、PC、タブレット、モバイル装置、又は他の制御面)に通信により戻すことができる。様々な実施態様では、ユーザインターフェイス要素を、データ収集装置に、別個の制御面装置に、又は別の装置に設けることができる。
【0152】
図7のプロセス400は、ブロック410に示されているイメージングプローブで信号を送信して受信するステップを含み得る。一部の実施態様では、ブロック410の動作は、ピングベース多数開口イメージングに関連して本明細書に説明された送信して受信することを含み得る。あるいは、信号の送信及び受信は、その他の適切なイメージングプロセスを含み得る。任意の適切なプローブ装置を使用することができる。
【0153】
ブロック412で、プロセス400は、受信信号を生データセットとしてデジタル化すること、及び完全な生データセットをローカルメモリ装置に保存することを含み得る。本明細書に記載されるように、受信信号のデジタル化は、任意の適切なアナログフロントエンド、アナログ・デジタル変換、並びに/又は他のハードウェア及びソフトウェア構成要素で行うことができる。ローカルメモリ装置は、任意の適切な揮発性又は不揮発性メモリ装置であり得る。
【0154】
上記のように、「完全なデータセット」は、送信信号の規定のセットから得られる実質的に全ての生データ(例えば、エコー又は直接受信される信号)を指すこともある。送信信号のセットは、送信ピングの識別可能なセット、所定の期間内に送信される全てのピング若しくは他の信号、又はその他と定義することができる。従って、例えば、完全なデータセットは、X個の送信ピングのセットから得られる全てのデジタル化受信信号を含み得、Xは、1〜100万以上の任意の数である(実用系は、例えば、プローブの多数の送信素子に基づいてピングのセットを規定することができる)。
【0155】
ブロック414で、プロセス400は、ネットワークを介して通信するために完全な保存された生データセットの一部を選択することを含み得る。データセットの選択された部分は、上記のいずれか1つ以上のデータ削減方法を含み得る。例えば、一部の実施態様では、選択された削減データセットは、選択された2次元画像平面に対応するデータのみを含み得るが、「完全な」生データセットは、全超音波照射3次元ボリュームから受信されるエコーデータを含み得る。
【0156】
ブロック416で、プロセス400は、選択された生データセット部分をネットワークを介して遠隔サーバに通信することを含み得る。本明細書に記載されているように、このネットワークは、任意のデータネットワークを含み得、この遠隔サーバは、任意の適切なサーバ装置を含み得る。一部の実施態様では、遠隔サーバは、プローブから数マイル(数キロ)以上の距離に物理的に配置することができ、他の実施態様では、遠隔サーバは、同じ部屋に配置することができる。サーバは、データ収集装置と同じ装置内に収容されていないという意味におけるだけで「遠隔」であり得る。
【0157】
遠隔サーバは、受信した情報を処理し、生データセット部分をビーム形成して、ビデオストリームを生成するために組み合わせることができる画像を形成することができる。遠隔サーバによって使用される方法は、本明細書に記載の様々な方法の例を含め、任意のビーム形成、画像層組み合わせ、及び/又は受信データに適切な他の画像処理技術を含み得る。
【0158】
ブロック418で、プロセス400は、ビデオストリームをネットワークを介して遠隔サーバから受信することを含み得る。ビデオストリームは、任意の適切なデジタルビデオ通信プロトコル又は方法を用いて通信することができる。ブロック420で、受信ビデオストリームを、イメージングプローブの操作者(データ収集装置も操作することができる)に表示することができる。
【0159】
ブロック422で、プロセス400は、本明細書に記載の「高品質データ収集モード」を開始するというユーザコマンドに応答して、完全な生データセットをネットワークを介して遠隔データ記憶装置に通信することを含み得る。上記の様々な例で説明されているように、遠隔データ記憶装置は、ビーム形成及び画像処理を行うために使用される同じ遠隔サーバと一体にしても良いし、又は該遠隔サーバと別個にしても良い。完全な生データセットを通信するために使用されるネットワークは、選択された生データセット部分を通信するために使用されるネットワークと同じネットワークでも異なるネットワークでも良い。様々な実施態様では、完全なデータセットは、遠隔データ記憶装置から取り出し、ビーム形成し、そしてほぼリアルタイム(例えば、遠隔データ記憶装置で受信されてから1秒又は数ミリ秒以内)又は任意の長い遅延時間で処理して画像にすることができる。
【0160】
様々な実施態様では、各ビューワ端末330は、イメージングパラメータを独立して制御するように構成された独立したユーザインターフェイス制御を備え得る。独立して制御されるイメージングパラメータは、ユーザに表示される画像に影響を与えるユーザが制御可能な情報の任意のアイテムを含み得る。例えば、イメージングパラメータは、ビーム形成パラメータ、例えば、音速及び画像ウィンドウの選択、又はビデオ処理パラメータ、例えば、輝度、コントラスト、ビデオフィルタなどを含み得る。
【0161】
図8は、ネットワークベース遠隔画像形成システム322と通信する機能限定データ収集及び通信装置312を備えたイメージングシステム302の代替の構成の一例を例示している。データ収集及び通信装置312は、該装置が、ビーム形成及び画像形成動作の一部又は全てをローカルで行うこと、及び品質限定(及び/又はより低いフレームレートの)リアルタイム画像を操作者に表示することを可能にするハードウェア及び/又はソフトウェア要素を任意に含み得る。データ収集及び通信装置312は、1人以上の遠隔の専門家(例えば、医師、音波検査者、又は他の訓練を受けた専門家)によるビューワ端末330を用いたリアルタイム及び/又はタイムシフト操作及び視聴のために、完全な品質の生エコーデータを全超音波照射3Dボリューム又は2D平面からネットワークベース画像形成システム322に通信するように構成することもできる。
【0162】
データ収集及び通信装置312は、プローブ202(例えば、上記の3Dイメージングプローブ又は2Dイメージングプローブ)、送信制御装置204、AFE 212、ADC 214、生データメモリ装置220、通信装置264、ビーム形成及び画像層組み合わせ動作を行うことができる画像形成ブロック231、ビデオプロセッサ242、及びディスプレイ244を備え得る。一部の実施態様では、データ収集及び通信装置312は、操作者が品質限定リアルタイム画像を見ることを可能にすると共に、完全な品質のデータを収集して保存し、そして生データウェアハウス221に通信することを可能にするために、比較的低い処理能力及び低い電力要件の構成要素を備え得る。
【0163】
図8のデータ収集及び通信装置312は、画像化されるべき全3次元ボリュームにエネルギーを送信して受信するように構成されたプローブを備え得る。一部の実施態様では、画像形成ブロック231は、3次元超音波照射ボリューム内の1つの平面から受信したエコーをビーム形成するように構成すると共に、任意に、(例えば、操作者のコマンドで)全3Dボリュームからの数秒に値する生エコーデータを内蔵生データメモリ220に保存し、かつ/又は3Dボリューム生データを生データウェアハウス221に通信するように構成することができる。
【0164】
データ収集及び通信装置312のハードウェア要件を制限するために、内蔵リアルタイムビーム形成及び画像形成及び表示ハードウェアを、超音波照射3Dボリューム内の1つ以上の2次元スライスの画像の形成及び処理に限定することができる。一部の実施態様では、ビーム形成され表示されるべき1つの2Dスライス(又は複数のスライス)を、操作者が手動で選択することができる。他の実施態様では、表示される画像平面は、特定のプローブ用に固定しても良いし、又はソフトウェアによって自動で選択しても良い。固定された平面は、例えば、プローブアレイの中心で交差する一対の直交平面(例えば、図3の平面150及び平面150に直交する垂直平面)、及び2つの垂直平面に直交する水平面を含み得る。固定された平面は、軸平面、角膜平面、矢状面、横断面、及び解剖学的イメージングで一般に使用される他の平面を含み得る。これらの2つ以上の平面は、ディスプレイ244に並置して表示することができる。あるいは、2つ、3つ、又は4つ以上のユーザが選択可能な(必ずしも直交する必要のない)平面も同時に表示することができる。
【0165】
加えて、画像形成ブロック231によって行われるべき処理量を、上記のデータ削減方法のいずれかを利用することによって、例えば、ピングベース多数開口イメージングで達成することができる最大フレームレートよりも実質的に低いフレームレートで画像を形成することによって制限することができる。
【0166】
図8のシステムは、リアルタイムで又は画像セッションが完了してから操作者が完全な品質の画像データを見ることを可能にするために、ビューワ端末330、例えば、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、タブレット、スマートフォン、又は遠隔画像形成システムに接続するように構成された他の計算装置と組み合わせて使用することもできる。
【0167】
一部の実施態様では、データ収集装置によって収集された生データの全て又は相当な部分を、リアルタイムで(又は可能な限りリアルタイムに近づけて)遠隔画像形成システム322に通信することができる。このような実施態様では、1人以上の遠隔のユーザが、ネットワークに接続されたビューワ端末330によってイメージングセッションのほぼリアルタイムの画像を見ることができる。
【0168】
遠隔画像形成システム322は、校正メモリ装置238、生データウェアハウス221、及び画像処理サーバ324を備え得る。画像処理サーバは、本明細書に記載の任意のサブプロセス、例えば、ビーム形成、画像層組み合わせ、画像処理、ビデオ処理などを行うのに適したハードウェア及びソフトウェア要素を備え得る。画像処理サーバ324は、特定の画像セッションのためにビューワ端末又はデータ収集及び通信装置312を操作するユーザの要求に基づいて、生データを生データウェアハウスから、そして対応する校正データを校正メモリから取り出すように構成することもできる。
【0169】
一部の実施態様では、遠隔のユーザは、データ収集及び通信装置312の操作者によって見られている画像ウィンドウが存在する場合は該画像ウィンドウとは完全に無関係の1つ以上の画像ウィンドウを選択することができる。同様に、遠隔のユーザは、データ収集及び通信装置312の操作者に表示される画像を必ずしも変更することなく、該操作者によって使用されている設定とは独立にビーム形成パラメータ及び画像形成パラメータを調整することができる。遠隔のビューワのユーザが調整できる変数としては、音速値、ズームレベル、ウィンドウのパン、因子の重み付け、画像層組み合わせアルゴリズムなどを挙げることができる。
【0170】
ピングベースビーム形成に加えて、ビームフォーマ技術は、スキャンラインベースイメージングシステムに組み込むために別個にパッケージングする又はサーバにインストールして、ネットワーク接続によってスキャンラインベースイメージングシステムで使用可能にすることができる。一部の実施態様では、データ収集装置は、従来の超音波(又は他の)イメージングプローブに対する電気信号の送受信を傍受するように構成されたタップを備え得る。
【0171】
図9は、少なくともいくつかのビーム形成電子機器及びイメージング処理電子機器、例えば、図8を参照して本明細書で説明された装置312を備える生データ収集装置によって行うことができるネットワークベースイメージングプロセス450の一例を例示している。様々な実施態様では、図9のプロセス450のステップは、2つ以上の装置によって行うことができる。
【0172】
図9のプロセス450は、一般に、限定されたデータセットをビーム形成して処理するために内臓プロセッサを用いてライブイメージングプロセスを行って、完全な品質のビデオストリームを生成することができる完全なデータセットを収集して保存すると共に品質限定ビデオストリームを表示するように構成することができる。コマンドで、完全なデータセットを、ネットワークを介して遠隔記憶装置に通信することができる。様々な実施態様では、ユーザインターフェイス要素を、データ収集装置に、別個の制御面装置に、又は別の装置に設けることができる。
【0173】
図9のプロセス450は、ブロック452に示されているイメージングプローブで信号を送信して受信することを含み得る。一部の実施態様では、ブロック452の動作は、ピングベース多数開口イメージングに関連して本明細書で説明された送信して受信するステップを含み得る。あるいは、信号の送信及び受信は、その他の適切なイメージングプロセスを含み得る。任意の適切なプローブ装置を使用することができる。
【0174】
ブロック454で、プロセス450は、受信信号を生データセットとしてデジタル化すること、及び完全な生データセットをローカルメモリ装置に保存することを含み得る。本明細書に記載されているように、受信信号のデジタル化は、任意の適切なアナログフロントエンド、アナログ・デジタル変換、及び/又は他のハードウェア及びソフトウェア構成要素で行うことができる。ローカルメモリ装置は、任意の適切な揮発性又は不揮発性メモリ装置であり得る。
【0175】
上記のように、「完全なデータセット」は、送信信号の規定のセットから得られる実質的に全ての生データ(例えば、エコー又は直接受信される信号)を指すこともある。送信信号のセットは、送信ピングの識別可能なセット、所定の期間内に送信される全てのピング若しくは他の信号、又はその他と定義することができる。従って、例えば、完全なデータセットは、X個の送信ピングのセットから得られる全てのデジタル化受信信号を含み得、Xは、1〜100万以上の任意の数である(実用系は、例えば、プローブの多数の送信素子に基づいてピングのセットを規定することができる)。
【0176】
ブロック456で、プロセス450は、リアルタイムビーム形成及び画像処理のために完全な保存された生データセットの一部を選択することを含み得る。データセットの選択された部分は、上記のいずれか1つ以上のデータ削減方法を含み得る。例えば、一部の実施態様では、選択された削減データセットは、選択された2次元画像平面に対応するデータのみを含み得るが、「完全な」生データセットは、全超音波照射3次元ボリュームから受信されるエコーデータを含み得る。
【0177】
ブロック458で、選択された生データセット部分を処理及びビーム形成して品質限定ビデオストリームを生成することができる。データ収集及び通信装置312内での画像処理ブロック231及びビデオ処理ブロック242は、選択された生データ部分をビーム形成及び処理して、品質限定ビデオストリームを生成するために組み合わせることができる画像を形成することができる。画像処理ブロック231によって使用される方法は、本明細書に記載の様々な方法の例を含め、任意のビーム形成、画像層組み合わせ、及び/又は選択されたデータに適切な他の画像処理技術を含み得る。
【0178】
ブロック460で、品質限定ビデオストリームを、イメージングプローブの操作者(データ収集及び通信装置312も操作することができる)に表示することができる。
【0179】
ブロック462で、プロセス450は、本明細書に記載の「高品質データ収集モード」を開始するというユーザコマンドに応答して、完全な生データセットをネットワークを介して遠隔データ記憶装置に通信することを含み得る。上記の様々な例で説明されているように、遠隔データ記憶装置は、ビーム形成及び画像処理を行うために使用される同じ遠隔サーバと一体にしても良いし、又は該遠隔サーバと別個にしても良い。完全な生データセットを通信するために使用されるネットワークは、選択された生データセット部分を通信するために使用されるネットワークと同じネットワークでも異なるネットワークでも良い。様々な実施態様では、完全なデータセットは、遠隔データ記憶装置から取り出し、ビーム形成し、そしてほぼリアルタイム(例えば、遠隔データ記憶装置で受信されてから1秒又は数ミリ秒以内)又は任意の長い遅延時間で処理して画像にすることができる。
【0180】
取り出した完全なデータセットを画像処理サーバ324によって処理して、品質限定ビデオストリームよりも高品質のビデオストリームを生成することができる。また、取り出した完全なデータセットを画像処理サーバ324によって処理して、データ収集装置の操作者によってリアルタイムで見られる画像及び/又はビデオとは完全に異なる画像及び/又はビデオを生成することもできる。
【0181】
(遠隔誘導イメージング)
一部の実施態様では、患者又は他の物体上のプローブの位置決めにおいて、より熟練した操作者が、上記のような機能限定データ収集及び通信装置の操作者を遠隔誘導することができる。あるいは、又はこれに加えて、プローブ位置決めガイダンスは、自動システムによって提供することもできる。
【0182】
様々な実施態様では、自動ガイダンスは、コンピュータ支援検出技術を利用して画像内の特徴を認識して、所望の標的物体をより完全に捕捉するようにプローブの動作を指示する人工知能システムによって提供することができる。あるいは、自動ガイダンスは、患者(又は他の物体)に配置されたプローブの光学画像を得ることによって提供することができる。このような光学画像は、ウェブカメラ又は他のコンピュータ接続デジタルカメラで得ることができる。解剖学的特徴を認識するように構成された人工知能ソフトウェアを使用してユーザを案内して、標的器官又は他の物体をイメージングするための理想的な位置にプローブを配置することができる。一部の実施態様では、レーザポインタ又は他の表示器を使用して、プローブの動作命令を操作者に示すことができる。
【0183】
あるいは、所望の器官又は他の物体を画像化するためにプローブをどこに配置するかのイラストレーションを用いた患者のマネキンモックアップの静的画像又は動的画像によって操作者を案内することができる。
【0184】
(データの通信及び保存)
様々な実施態様では、図5図8のシステムは、生エコーデータに加えて情報をネットワークベース記憶装置に通信するように構成することができる。例えば、このシステムは、生エコーデータと共に様々な注釈及び/又はヘッダ情報を通信することができる。このような注釈/ヘッダデータにより、臨床医又は看護者が生エコーデータを患者、例えば、非特定化患者ID番号に関連付けるのを可能にする情報を含み得る。加えて、情報、例えば、データ収集セッションの日付/時間、データ収集セッションの位置、画像収集中に使用されるイメージングシステムの設定、プローブ識別子、校正データ、環境データ、又はビーム形成若しくは生データを用いる他の処理に有用であり得る他の情報。
【0185】
データ削減方法の一部の例が、上記説明されている。これらの方法に加えて、データウェアハウスに送信される前に、追加のプロセスを行って生エコーデータをパッケージングする、圧縮する、注釈付けする、又は他の方法で変更することができる。
【0186】
一部の実施態様では、各プローブは、それ自体のハードコードされたグローバル一意識別子(GUID)を備え得る。現在の日時の数値表現と組み合わせられたGUIDは、各データ収集セッションの一意識別子を生成するための基礎として使用することができる。次いで、一意識別子を、データ収集セッションからの生エコーデータに関連付けられて該生エコーデータと共に保存されるヘッダデータに関連付けることができる。ヘッダのデータは、要素、例えば:データ収集の日時、データ収集の地理的な位置、患者(又は画像化されるべき他の物体)を識別するID番号、プローブの設定、ライブイメージング中に使用されるユーザインターフェイスの設定、及びその他の関連する情報を含み得る。一意識別子及びヘッダの情報は、生データセットに関連付けて、ローカルに及び/又はデータウェアハウスに保存することができる。保存された情報は、無制限のアクセスで将来いつでも参照することができる。
【0187】
本発明は、特定の好ましい実施態様及び例の文脈で開示されているが、当業者であれば、本発明が、特別に開示された実施態様だけではなく他の代替の実施態様並びに/又は本発明及びその明らかな変更形態や等価物の使用にまで拡大されることを理解されよう。上記の実施態様の様々な変更形態は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義される一般原理を、本発明の概念又は範囲から逸脱することなく他の実施態様に適用することができる。従って、本明細書で開示される本発明の範囲は、上記の特定の開示された実施態様によって限定されるべきものではなく、以下の特許請求の範囲の正しい解釈によってのみ決定されるべきものである。
【0188】
特に、材料及び製造技術は、当業者のレベルの範囲内で利用することができる。さらに、単数のアイテムの言及は、同じアイテムが複数存在する可能性があることを含む。より具体的には、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される単数形「1つの(a)」、「及び(and)」、「前記(said)」、及び「該(the)」は、文脈上明らかに他の意味に解釈するべき場合を除き、複数の指示対象を含む。また、特段の記載がない限り、本明細書で使用される「又は」という語は、提示される全ての代替物を含み、一般的に使用される句「及び/又は」と本質的に同じ意味である。特許請求の範囲は、任意の要素を排除するように起草できることにさらに留意されたい。従って、この文章は、クレームの構成要素の記述に関連した「だけ(solely)」及び「のみ(only)」などの排他的な語の使用、又は「負の」限定の使用のための先行詞としての役割を果たすことを目的とする。本明細書に特段の記載がない限り、本明細書で使用される全ての科学技術用語は、本発明の属する分野の一般的な技術者が一般に理解する意味と同じ意味を有する。
本件出願は、以下の構成の発明を提供する。
(構成1)
超音波イメージングの方法であって:
非集束3次元ピングを、データ収集装置のプローブのトランスデューサアレイの送信素子から物体に送信するステップ;
該非集束3次元ピングのエコーを該トランスデューサアレイの複数の受信素子で受信するステップ;
該複数の受信素子のそれぞれからのアナログ信号をデジタルサンプルセットの完全なデータセットに変換するステップであって、該完全なデータセットが、全ての該受信素子からのデジタルサンプルセットを含む、該ステップ;
該デジタルサンプルセットのサブセットを遠隔サーバに電子的に転送するステップであって、該サブセットが、該完全なデータセットよりも少ないデジタルサンプルを含む、該ステップ;
該デジタルサンプルのサブセットを該遠隔サーバでビーム形成して、一連の2次元画像フレームを生成するステップ;及び
該一連の2次元画像フレームから構成されたビデオストリームを該遠隔サーバから表示装置に転送するステップを含む、前記方法。
(構成2)
制御信号に応答して、前記完全なデータセットを前記データ収集装置から前記遠隔サーバに転送し、該完全なデータセットを該遠隔サーバで保存する、構成1記載の方法。
(構成3)
前記デジタルサンプルセットの完全なデータセットの中から選択されたイメージングウィンドウに関連したデジタルサンプルを特定することによって、前記デジタルサンプルのサブセットに含められるデジタルサンプルを決定するステップをさらに含む、構成1記載の方法。
(構成4)
前記表示装置が、前記データ収集装置に物理的に取り付けられている、構成1記載の方法。
(構成5)
前記表示装置が、前記データ収集装置に物理的に取り付けられていない、構成1記載の方法。
(構成6)
前記表示装置が、モバイル装置である、構成4記載の方法。
(構成7)
前記プローブから送信される総数未満のピングに対応するデータサンプルのみを選択することによって、前記デジタルサンプルのサブセットに含められるデジタルサンプルを選択するステップをさらに含む、構成1記載の方法。
(構成8)
前記アレイの総数未満の受信素子に対応するデータサンプルのみを選択することによって、前記デジタルサンプルのサブセットに含められるデジタルサンプルを選択するステップをさらに含む、構成1記載の方法。
(構成9)
前記アレイの総数未満の受信開口子に対応するデータサンプルのみを選択することによって、前記デジタルサンプルのサブセットに含められるデジタルサンプルを選択するステップをさらに含む、構成1記載の方法。
(構成10)
ネットワークベースイメージングシステムであって:
データ収集装置であって:
第1の複数のトランスデューサ素子から超音波信号を送信するように構成された送信制御電子機器を含むハウジング;
送信された超音波信号のエコーを受信するように構成された受信電子機器であって、該受信エコーを完全なデータセットとしてデジタル化して、該データ収集装置の共通のハウジング内に物理的に配置された第1のメモリ装置に保存するようにさらに構成されている、該受信電子機器;及び
該完全なデータセットを通信するように構成された通信電子機器を備える、該データ収集装置;
遠隔サーバ装置であって:
該データ収集装置の該通信電子機器によって通信される該デジタル化エコーを受信するように構成されたサーバ通信電子機器;
該遠隔サーバ装置によって実行され、かつ該受信デジタル化エコーを連続した画像フレームのビデオストリームに変換するように構成されたビーム形成ソフトウェア;
該遠隔サーバ装置によって実行され、かつ該ビデオを表示装置にストリーミング配信するように構成されたビデオストリーミングソフトウェアを備える、該遠隔サーバ装置を含む、前記ネットワークベースイメージングシステム。
(構成11)
前記表示装置が:
該表示装置によって実行されるユーザインターフェイスソフトウェアであって、ユーザ入力を受信して1つ以上のビーム形成パラメータ又はビデオストリーミングパラメータを制御するように構成され、かつユーザ入力を前記遠隔サーバ装置のビーム形成ソフトウェアに転送するようにさらに構成され、かつ該遠隔サーバに完全なデータセットを転送するように構成されたユーザ入力制御装置をさらに含む、該ユーザインターフェイスソフトウェア;
該表示装置によって実行され、かつ前記ビデオストリームを該遠隔サーバ装置から受信して、該ビデオストリームを表示するように構成されたビデオディスプレイソフトウェアをさらに備える、構成10記載のイメージングシステム。
(構成12)
前記遠隔サーバ装置と通信する複数のデータ収集装置をさらに含む、構成10記載のシステム。
(構成13)
標的物体を表すボリュームデータを収集する方法であって:
非集束3次元ピングを、プローブのトランスデューサアレイの送信素子から該標的物体に送信するステップ;
該非集束3次元ピングのエコーを該トランスデューサアレイの複数の受信素子で受信するステップ;
該複数の受信素子のそれぞれからのアナログ信号をデジタルサンプルセットの完全なデータセットに変換するステップであって、該完全なデータセットが、全ての該受信素子からのデジタルサンプルセットを含む、該ステップ;
該デジタルサンプルセットのサブセットを遠隔サーバに電子的に転送するステップであって、該サブセットが、該完全なデータセットよりも少ないデジタルサンプルを含む、該ステップ;
該デジタルサンプルのサブセットを該遠隔サーバでビーム形成して、一連の2次元画像フレームを生成するステップ;及び
該一連の2次元画像フレームから構成されたビデオストリームを該遠隔サーバからモバイル表示装置に転送するステップを含む、前記方法。
(構成14)
制御信号に応答して、前記完全なデータセットを前記遠隔サーバに転送して、該完全なデータセットを該遠隔サーバで保存する、構成13記載の方法。
(構成15)
超音波イメージングの方法であって:
複数の非集束3次元ピングを、プローブのトランスデューサアレイの複数の送信素子から3次元標的ボリュームに送信するステップ;
該非集束3次元ピングのエコーを該トランスデューサアレイの複数の受信素子で受信するステップ;
該複数の受信素子のそれぞれからのアナログ信号をデジタルサンプルセットの完全なデータセットに変換するステップであって、該完全なデータセットが、全ての該受信素子からのデジタルサンプルセットを含む、該ステップ;
該3次元標的ボリュームに交差する2次元平面を選択するステップ;
該選択された2次元平面に交差する3次元ボクセルを特定するステップ;
該選択された2次元平面に対応するデータサンプルのサブセットを特定するステップ;
該データサンプルのサブセットのみをコンピュータネットワークを介して遠隔サーバに通信するステップ;
該選択された2次元平面を表す2次元画像のビデオストリームを該遠隔サーバから受信するステップ;及び
該プローブに隣接した表示装置に該ビデオストリームを表示するステップを含む、前記方法。
(構成16)
ユーザコマンドに応答して、前記完全なデータセットを遠隔データ記憶装置に通信するステップをさらに含む、構成15記載の方法。
図1
図2
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図5
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図8
図9