【課題を解決するための手段】
【0011】
冒頭において述べられたような種類に従ったツール容器に関して、この目的は減衰要素により、好ましくは材料結合によってクランプチャックがベース本体に接続されることのみによって解決される。
【0012】
本発明の目的はこの方法で十分に解決される。即ち、本発明に従って、減衰要素によってクランプチャックとベース本体は互いに十分に分離される、何故なら減衰要素は別として、クランプチャックとベース本体の間に接続が無いからである。
【0013】
これにより、減衰要素による振動の有効な減衰が可能となる。
【0014】
減衰要素の材料の弾性率は、ベース本体及び/又はクランプチャックの材料の弾性率とは可成り異なる。減衰要素の材料の弾性率は、非線形特性であるのが好ましく、それによって、特に効果的な減衰が所望の範囲で得られる。
【0015】
本発明に従ったツール容器に関して、負荷の方向とは関係なく、負荷は支持ベースの材料に比して比較的軟らかい弾性材料を介して向けられ、この方法で減衰される。このようにして、ツール容器の静剛性が減少する。
【0016】
本発明の更なる構成に従って、減衰要素は弾性材料から構成される。ここで、減衰要素は例えばポリウレタン又はゴム材料から構成される。
【0017】
そのような弾性材料に関して、ツール容器の特に有効な効果が得られるが、なお十分な剛性が残っている。特にポリウレタンベース(PUR)又はゴムベースの弾性材料は、クランプチャックとツール容器の間の十分に頑丈な接続を確実にし、十分高い正確性を有する材料係合によりベース本体とクランプチャックとの間の接続を可能にし、真の連続した瑕疵が最小化される。
【0018】
本発明の更なる展開例に従って、減衰要素は形状記憶合金から作られる。
【0019】
そのような構成について、特に有利な振動減衰が得られる。
【0020】
本発明の更なる展開例に従って、減衰要素はクランプチャックの保持セクションとベース本体との間の環状ギャップに延びる。
【0021】
この方法で、クランプチャックとベース本体の間の材料による連続的な接続が減衰要素によって、確実になる。
【0022】
本発明の更なる展開例に従って、減衰要素はベース本体とクランプチャックと共に確実に(positively)形作られる。この目的を達成すべく、例えば突起があり、特に減衰要素の多数の側部を設けた基本的な形式の突起がある。
【0023】
また、この方法で確実な嵌合により、効果的なトルク伝達が確実になる。
【0024】
本発明の更なる展開例に従って、少なくともベース本体又はクランプチャックにて、ねじ付きセクションが配備され、該ねじ付きセクションにより、好ましくはクランプナットによって、ベース本体に対してクランプチャックを付勢することが出来る。
【0025】
この方法で、ベース本体とクランプチャックの間の付勢が得られ、例えば特定の減衰特性を確実にする。
【0026】
この目的を達成すべく、ねじ付きセクションはクランプナットと協働し、クランプねじとねじ付きセクションとの間に弾性ディスクが配置され、該弾性ディスクの硬さは選択可能であるのが好ましい。
【0027】
この方法で、ベース本体とクランプチャックは両方向に互いに分離される。弾性ディスクの硬さを選択的に選ぶことにより、両方向に選択的な付勢が設定される。
【0028】
本発明の更なる展開例に従って、クランプチャックは熱収縮で嵌合するクランプチャックであるように構成される。
【0029】
そのようなクランプチャックの構成に関して、本発明は特に有利に用いられる、何故ならこの方法で高い精度でツールをクランプすることがシャフト径が小さくとも確実になる。
【0030】
本発明の更なる展開例に従って、クランプチャックと同様にベース本体にて、中心化フランジが夫々配備され、該中心化フランジは成形時の環状形によって2つの部品を互いに対して中心化(センタリング、centering)し、減衰要素を加硫処理(vulcanizing)するように構成される。
【0031】
この方法で、特に良好なクランプチャック及びベース本体の互いに対する中心化が確実になる。
【0032】
本発明は、ベース本体と共にツール容器を生成して、回転的に駆動される駆動スピンドルに連結するデバイスによっても解決され、その上にツールをクランプするクランプチャックが受け入れられ、ツール容器はベース本体と弾性材料から作られるクランプチャックの間に減衰要素を備え、該デバイスは内部に凹部が配備された型を備え、該凹部内でクランプチャック及びベース本体が互いに中心化されて受け入れられ、軸方向の変位に対して固定され、デバイスは更にクランプチャックとベース本体の間のギャップに圧力下に弾性材料を供給するための少なくとも1つの通路と、型内の少なくとも1つの排出通路を備える。
【0033】
そのようなデバイスに関して、圧力下に弾性材料を供給し加硫処理時に、ベース本体とクランプチャックとの間の正確な位置決めが確実になり、ツール容器は非常に良い動作(running)特性を有する。このように、ベース本体とクランプチャックの間の比較的高い精度の位置決めとの結果になる。
【0034】
この構成の好ましい展開例に従って、位置決め用の中心化本体がクランプチャックの軸方向端部に配備され、中心化本体はその外面がベース本体の内面に対向した状態で置かれて中心化を達成し、圧力下でギャップ内に弾性材料を供給することを可能にすべく供給通路を備えている。
【0035】
型の孔内でクランプチャック及びベース本体を中心化することに加えて、この方法における中心化本体によって、内側領域内の中心化が改善され、全体的に正確さが改善される。
【0036】
この実施形態の好ましい展開例に従って、中心化本体は延長部を備え、該延長部はクランプチャックの端部の雌ねじに螺合する雄ねじを有する。
【0037】
この方法で、クランプチャックにおける中心化本体の直接的な係合が可能となり、減衰要素の加硫処理の後に容易に解除される良好な中心化(センタリング)を達成する。
【0038】
本発明の更なる実施形態に従って、中心化本体にて、圧力ラインを介してベース本体を通って弾性材料を供給する圧力ポートが配備されている。
【0039】
この特徴によって、圧力下に弾性材料を中心化本体内に直接供給し、該中心化本体から供給通路を介してギャップ内に供給することが確実になる。
【0040】
本発明の更なる展開例にて、型にてベース本体とクランプチャックを軸方向に固定するためにストッパが配備される。
【0041】
この方法で、弾性材料が圧力下にギャップ内に供給されるときに、ベース本体とクランプチャックの互いに対する軸方向の位置決めを正確に設定することが確実になる。
【0042】
本発明の更なる好ましい展開例にて、型はその上に配備された中心化トラスによってベース本体とクランプチャックを中心化するように構成された内面を含む。
【0043】
この方法で、ベース本体とクランプチャックの互いに対する非常に正確な中心化が可能となる。
【0044】
本発明の目的は更に、ツール容器を作る方法によって解決され、該ツール容器は回転的に駆動される駆動スピンドルと連結するベース本体を備え、該ベース本体上にツールをクランプするクランプチャックが配備され、ベース本体とクランプチャックの間に弾性材料から作られた連続的な減衰要素を備え、該方法は、
【0045】
(a) 凹部を有する型を配備するステップと、
【0046】
(b) 凹部内にベース本体とクランプチャックを導入して中心化し、ベース本体とクランプチャックの保持セクションの間に連続的なギャップを残すステップと、
【0047】
(c) 型内でベース本体とクランプチャックを軸方向に固定するステップと、
【0048】
(d) 圧力下で、ベース本体とクランプチャックの保持セクションの間のギャップ内に、該ギャップが完全に充填されるまで、ベース本体を通って弾性材料を供給するステップであって、ギャップの端部にて、型内の少なくとも1つの排出通路によって外側への追い出し(purge)が実行されるステップと、
【0049】
(e) 弾性材料を加硫処理するステップと、
【0050】
(f) 型からツール容器を取り外すステップとを備えている。
【0051】
そのような生成によって、ベース本体とクランプチャックの間の良好な繋がりであって、該2つの部分の互いに対する正確な中心化が可能になる。
【0052】
ここで好ましくは、型内の凹部の内面にて、ベース本体とクランプチャックの中心化の為に、ベース本体とクランプチャックにおける中心化トラスが用いられる。
【0053】
この方法にて、ベース本体とクランプチャックの互いに対する非常に正確な中心化が外側から可能になる。
【0054】
本発明に従った更に好ましい実施形態において、ベース本体とクランプチャックの軸方向端部の間に、中心化本体が挿入され、該中心化本体によって保持セクションはベース本体の割り当てられた内面に関して中心化され、弾性材料は中心化本体内の供給通路を通ってギャップ内に供給される。
【0055】
この方法にて、外側におけるクランプチャックとベース本体の間の中心化に加えて、ベース本体とクランプチャックの間の内側領域内の中心化が確実になり、全体的に更に正確さが改善されることを確実にする。
【0056】
ここにおいて、弾性材料は圧力ライン内に供給されるのが好ましく、該圧力ラインは中心化本体内に屈曲され(yield)、例えばねじによって螺合され得る。
【0057】
ポリウレタン又はゴムが弾性材料として用いられるのが好ましい。
【0058】
両材料により、高い剛性が可能となり、ツール容器は減衰要素が屈することなく、十分ンに高いトルクを伝達することが出来る。同時に、これらの材料は高温耐性を有して、収縮嵌め工程により減衰要素の熱的過負荷の危険なく、熱的収縮嵌めを使用することが出来る。
【0059】
弾性材料は少なくとも100バール、好ましくは500バールの圧力で供給されるのが好ましく、100℃から280℃、好ましくは120℃から200℃の温度で加硫処理されるのが好ましい。
【0060】
ここで、通常は加硫処理は約150℃から200℃の範囲内、好ましくは約180℃で実行される。
【0061】
作動時に、減衰要素は十分に熱的耐性があり、クランプチャックの表面における約180℃の温度は常に耐性があり、ツール容器への如何なる損傷もなく、約200℃への短時間の温度上昇が可能である。
【0062】
以降に記載される本発明の上記の特徴と利点は、所定の組み合わせのみに用いられ得ず、本発明の範囲を離れることなく、異なる組み合わせ又は独立して用いられる。