(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の課題は、カテーテル管を安定的かつ容易に末梢血管に無菌挿入するための方法および手段を提供することである。
【0014】
本発明のさらなる課題は、カテーテルの偶発的な離脱を防止するための手段を備えるカテーテル挿入システムを提供することである。
【0015】
本発明のさらなる課題は、一方の手でカテーテル装置を安定的に把持し、他方の手でカテーテルを針に沿って摺動させることができるカテーテル挿入システムを提供することである。
【0016】
本発明のさらなる課題は、が近位端から遠位方向に5cm以上離れた位置に配置された把持部を有するカテーテル挿入システムを提供することである。
【0017】
本発明のさらなる課題は、ガイドワイヤ等のガイド手段を必要としないカテーテル挿入システムを提供することである。
【0018】
本発明のさらなる課題および利点については、以下で詳述する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、カテーテルおよびこれに類する留置管状要素を経皮的に血管内に無菌挿入するためのカテーテル挿入システムを提供する。
【0020】
本発明は、近位ハブに取り外し可能に接続され、遠位部に配置されたカニューレと平行に延びる前方アームを備えるIVカテーテルを有することを特徴とするカテーテル挿入システムに関する。上記カテーテル挿入システムは、IVカテーテルに挿通される穿刺針を有する。また、IVカテーテルの近位部には、使用者が把持できるように構成された遠位方向に延びる2つのサイドアームが配置されている。カテーテルの挿入に際しては、まず穿刺針で血管を穿刺する。続いて、前方アームをカニューレとともに遠位方向に引っ張り、カニューレを血管内に挿入した後、サイドアームおよび穿刺針を近位方向に引き抜き、除去する。
【0021】
本発明はまた、上記カテーテル装置の挿入方法に関する。
【0022】
本明細書中で使用される「近位」という用語は、使用者に近づく方向および本装置における使用者に近い側の部分を指し、「遠位」という用語は、使用者から遠ざかる方向および本装置における使用者から遠い側の部分を指すものとする。
【0023】
本発明は、遠位部に配置されたカニューレ/シースと、近位部に取り外し可能に接続され、遠位方向に延びる前方アームとを有するカテーテルシステムおよびその挿入方法に関する。本発明において、カニューレの移動は、前方アームを介して行われる。把持手段がカニューレの近位端付近に配置された従来技術と異なり、本発明では、把持手段がカニューレの上方(カニューレの遠位端より遠位側の領域も含む)に配置される。この特徴により、使用者は、カテーテルをより快適な位置で把持および操作することができる。また、従来技術に比べてカニューレを容易かつ快適に挿入することができるため、カテーテルの挿入中の離脱を防止することができる。また、本発明では、血管に針(カニューレに挿通され、カニューレ外に突出している)を穿刺した直後にカニューレの挿入が行われるため、カニューレをより確実に挿入することができる。すなわち、穿刺直後にカニューレの一部を血管内に挿入することで、カテーテルが早期に離脱することを防止できるだけでなく、カニューレの残部を容易に、ゆっくりと、円滑かつ確実に挿入することができる。
【0024】
本発明は、挿入時にカテーテルを操作するための前方グリップを有することで、特に長尺(例えば、7cm以上)のカテーテルを安定的に挿入することができる。すなわち、本発明では、カテーテルおよび穿刺針の操作をより近い位置(遠位側)で行うことで、従来技術よりも快適かつ安定的にカテーテルを操作することができ、かつ、カテーテルの離脱のおそれを低減することができる。
【0025】
本発明では、カテーテルを適切な位置に挿入した後、カテーテルから前方アームおよび穿刺針を順次取り外す。カテーテルは、患者に固定および留置される。
【0026】
本発明では、平面視U字形状のサイドアームを備えるカニューレの上方に接続された前方アームを介してカニューレを操作および挿入することができる。
【0027】
本発明は、カニューレを保護するとともに、カテーテル挿入時に把持することでカテーテルの安定した操作を可能とする針ホルダユニット(またはカテーテル挟持ユニット)を有する。これにより、穿刺針およびカニューレを安定的に操作することができる。また、上記把持手段(針ホルダユニットまたはカテーテル挟持ユニット)は、カテーテルの挿入および固定後、容易に近位方向に抜去することができる。
【0028】
本発明は、遠位部に配置されたカニューレと、近位部に配置され、前記カニューレに接続された中空ハブとを備えるIVカテーテルと、前記IVカテーテルの近位部または前記IVカテーテルの近位部に接続された要素に取り外し可能に接続され、遠位方向に延びる前方アームと、前記カニューレに挿通され、前記カニューレの先端から突出するように構成された針とを有することを特徴とするカテーテル挿入システムに関する。
【0029】
前記IVカテーテルは、複数のサイドウイングを備えることが好ましい。
【0030】
前記IVカテーテルの近位部には、近位弁が配置されていることが好ましい。
【0031】
前記IVカテーテルの近位端部には、輸液ラインに接続可能であり、かつ、キャップを取り付け可能な中空端部が形成されていることが好ましい。
【0032】
前記前方アームの遠位端部には、第1前方グリップが配置されていることが好ましい。
【0033】
前記IVカテーテルの近位部には、近位弁が配置され、前記前方アームは、前記第1前方グリップと前記前方アームの近位端部に配置された近位接続部とを接続する中間部を備え、前記近位接続部は、近位方向に延び、前記近位弁の周囲に接続できるように湾曲した2つのアームを備えることが好ましい。
【0034】
前記前方アームは、前記第1前方グリップと前記前方アームの近位部に設けられた下方接続部とを接続する中間部を備え、前記下方接続部は、下方向に延びる湾曲した2つのアームを備えることが好ましい。
【0035】
前記下方接続部は、スナップオンクリップであることが好ましい。
【0036】
前記下方接続部が前記中空ハブに取り外し可能に接続されることで、前記前方アームが前記IVカテーテルに固定されることが好ましい。
【0037】
前記前方アームは、前記カニューレと平行に延びることが好ましい。
【0038】
前記前方アームの近位端部には、昇降可能な固定部が配置され、前記IVカテーテルの近位端部には、上方に突出する突起を備える中空端部が形成され、前記固定部の近位端部には、下方に突出する突起が設けられ、前記固定部に設けられた突起の遠位部は、前記中空端部に設けられた突起の近位部と接触および係合することが好ましい。
【0039】
前記前方アームは、可撓性材料を含むことが好ましい。
【0040】
前記中間部は、前記第1前方グリップに接続された遠位部と、前記遠位部よりも細く構成され、前記下方接続部に接続された近位部とを含み、前記中間部の近位部は、柔軟であることが好ましい。
【0041】
本発明は、前記針と、前記針と平行に延びる2つのサイドアームとを備える針ホルダユニットを有することが好ましい。
【0042】
前記針ホルダユニットは、近位ハブを備え、前記針は、前記近位ハブの遠位端に接続されることが好ましい。
【0043】
前記2つのサイドアームは、前記近位ハブの近位端に接続されることが好ましい。
【0044】
前記2つのサイドアームの遠位端部には、遠位方向に向かって徐々に接近するように傾斜した傾斜部が設けられていることが好ましい。
【0045】
前記2つのサイドアームの前記傾斜部より近位側の部分は、直線状かつ前記針と平行であることが好ましい。
【0046】
前記傾斜部の遠位端には、第2前方グリップが接続されていることが好ましい。
【0047】
前記第2前方グリップは、相互におよび前記針と平行に延びることが好ましい。
【0048】
前記第2前方グリップの内側には、前記針が通過する中空通路を形成するための半円形の切欠部がそれぞれ形成されていることが好ましい。
【0049】
前記前方アームは、前記前方アームの遠位端部に設けられた第1前方グリップと、前記前方アームの近位部に設けられた下方接続部とを接続する中間部を備え、前記第2前方グリップは、前記中間部を挟んで保持および/または固定するように構成されていることが好ましい。
【0050】
前記IVカテーテルの近位端部には、輸液ラインに接続可能であり、かつ、キャップを取り付け可能な中空端部が形成され、前記針ホルダユニットの近位ハブの一部が、前記IVカテーテルの近位端部に形成された中空端部内に挿入され、固定されることが好ましい。
【0051】
前記中間部は、前記中間部の遠位端から外側方向かつ近位方向に延びる2つの湾曲したフラップを備えることが好ましい。
【0052】
本発明は、前記針と、前記針と平行に延びる2つのサイドアームとを備える針ホルダユニットを有し、前記2つのサイドアームの遠位端部には、遠位方向に向かって徐々に接近するように傾斜した傾斜部が設けられ、前記傾斜部の遠位端には、第2前方グリップが接続され、前記第2前方グリップの遠位端の外側部分には、前記フラップを収容するための切り欠きが設けられていることが好ましい。
【0053】
本発明は、前記IVカテーテルの近位端部に形成された中空端部と、前記中空端部の近位端に接続(例えば、ルアー接続)された安全装置とをさらに有し、前記安全装置は、前記針に沿ってスライド可能であり、前記針の先端を自動的に感知および被覆するように構成されていることが好ましい。
【0054】
前記前方アームの近位部に設けられた下方接続部が前記安全装置に取り外し可能に接続されることで、前記前方アームが前記安全装置に固定されることが好ましい。
【0055】
本発明は、前記IVカテーテルの近位端部に形成された中空端部と、前記中空端部の近位端に接続(例えば、ルアー接続)された逆止弁とを有することが好ましい。
【0056】
前記逆止弁は、ダックビル弁またはダックビル弁を含む弁箱であることが好ましい。
【0057】
前記前方アームの近位部に設けられた下方接続部が前記弁箱に取り外し可能に接続されることで、前記前方アームが前記弁箱に固定されることが好ましい。
【0058】
前記カニューレおよび前記カニューレに挿通された針は、前記サイドアームの下端よりも高い位置に配置されることが好ましい。
【0059】
本発明は、前記カニューレを操作するための2つの把持部を有し、前記2つの把持部は、近位把持部と遠位把持部からなることが好ましい。
【0060】
前記針ホルダユニットを前記カニューレに取り付ける際、および/または、前記針ホルダユニットを前記カニューレから取り外す際、前記傾斜部と前記近位ハブおよび/または前記前方アームの近位部に設けられた下方接続部が接触することを防止するため、前記サイドアームは外側方向に開閉可能に構成されることが好ましい。
【0061】
また、本発明は、遠位部に配置されたカニューレと、近位部に配置され、前記カニューレに接続された中空ハブとを備え、さらに、近位端部に中空端部が形成されたIVカテーテルと、前記IVカテーテルの近位部または前記IVカテーテルの近位部に接続された要素に取り外し可能に接続され、遠位方向に延びる前方アームと、近位端に前記IVカテーテルを取り付けるための取付部を備えるカテーテル挟持ユニットとを有し、前記取付部の中空部の内面は、前記IVカテーテルの近位端部の表面に対応した形状を有し、前記表面を包囲するように構成され、前記カテーテル挟持ユニットは、前記取付部に接続された2つのサイドアームを備えることを特徴とするカテーテル挿入システムに関する。
【0062】
前記2つのサイドアームの遠位端部には、遠位方向に向かって徐々に接近するように傾斜した傾斜部が設けられていることが好ましい。
【0063】
前記2つのサイドアームの前記傾斜部より近位側の部分は、直線状かつ相互に平行であることが好ましい。
【0064】
前記傾斜部の遠位端には、第2前方グリップが接続されていることが好ましい。
【0065】
前記第2前方グリップは、相互に平行に延びることが好ましい。
【0066】
前記第2前方グリップの内側には、前記針が通過する中空通路を形成するための半円形の切欠部がそれぞれ形成されていることが好ましい。
【0067】
前記前方アームは、前記前方アームの遠位端部に設けられた第1前方グリップと、前記前方アームの近位部に設けられた下方接続部とを接続する中間部を備え、前記下方接続部は、下方向に延びる湾曲した2つのアームを備え、前記第2前方グリップは、前記中間部を挟んで保持および/または固定するように構成されていることが好ましい。
【0068】
前記前方アームは、前記前方アームの遠位端部に設けられた第1前方グリップと、前記前方アームの近位部に設けられた下方接続部とを接続する中間部を備え、前記下方接続部は、下方向に延びる湾曲した2つのアームを備え、前記中間部は、前記中間部の遠位端から外側方向かつ近位方向に延びる2つの湾曲したフラップを備え、前記第2前方グリップの遠位端の外側には、前記フラップを収容するための切り欠きが設けられていることが好ましい。
【0069】
前記中空端部は、前記カテーテル挟持ユニットが前記IVカテーテルに取り付けられる際に停止する位置に係止具を備えることが好ましい。
【0070】
前記サイドアームは、前記サイドアームの近位端付近の内側面から内側方向に延びるスナップ部をそれぞれ備え、前記スナップ部は、内側に湾曲した2つのアームを備え、前記スナップ部が前記中空ハブまたは前記中空端部を挟持することで、前記サイドアームが前記中空ハブまたは前記中空端部に固定されることが好ましい。
【0071】
前記カニューレは、前記サイドアームの下端よりも高い位置に配置されることが好ましい。
【0072】
本発明は、前記カニューレを操作するための2つの把持部を有し、前記2つの把持部は、近位把持部と遠位把持部からなることが好ましい。
【0073】
前記前方アームは、前記前方アームの遠位端部に設けられた第1前方グリップと、前記前方アームの近位部に設けられた下方接続部とを接続する中間部を備え、前記下方接続部は、下方向に延びる湾曲した2つのアームを備え、前記カテーテル挟持ユニットを前記カニューレに取り付ける際、および/または、前記カテーテル挟持ユニットを前記カニューレから取り外す際に前記サイドアームの遠位端部に形成された傾斜部と前記近位ハブおよび/または前記下方接続部が接触することを防止するため、前記サイドアームは外側方向に開閉可能に構成されることが好ましい。
【0074】
また、本発明は、遠位部に配置されたカニューレと、近位部に配置され、前記カニューレに接続された中空ハブとを備え、さらに、近位端部に中空端部が形成されたIVカテーテルと、前記IVカテーテルの近位部または前記IVカテーテルの近位部に接続された要素に取り外し可能に接続され、前記IVカテーテルの遠位方向に延びる前方アームと、針と、前記針の近位端に接続され、かつ、係止具が設けられた近位ハブとを備える針ユニットと、前記針ユニットの近位ハブに前記IVカテーテルを取り付けるための取付部を備えるカテーテル挟持ユニットとを有し、前記取付部の中空部の内面は、前記IVカテーテルの近位端部の表面に対応した形状を有し、前記表面を包囲するように構成され、前記カテーテル挟持ユニットは、前記取付部に接続された2つのサイドアームを備え、前記針ユニットの近位ハブの遠位端部は、前記中空端部の近位端に接続されることを特徴とするカテーテル挿入システムに関する。
【0075】
また、本発明は、遠位端部に設けられた第1前方グリップと、近位部に設けられた下方接続部と、前記第1前方グリップと前記下方接続部を接続する中間部を有し、前記下方接続部は、下方向に延びる湾曲した2つのアームを備えることを特徴とする前方アームに関する。
【0076】
また、本発明は、遠位部に配置されたカニューレと、近位部に配置され、前記カニューレに接続された中空ハブとを備えるIVカテーテルと、前記下方接続部が前記中空ハブに取り付け可能に構成された上述の前方アームとを有することを特徴とするカテーテル挿入システムに関する。
【0077】
また、本発明は、近位端部に配置された取付部と、前記取付部に接続された2つのサイドアームとを有し、前記取付部の中空内面は、針ユニットの近位ハブ、カテーテルの近位ハブまたはカテーテルの近位端部の表面に対応した形状を有し、前記表面を包囲するように構成され、前記2つのサイドアームの遠位端部には、遠位方向に向かって徐々に接近するように傾斜した傾斜部が設けられ、前記2つのサイドアームの前記傾斜部より近位側の部分は、直線状かつ相互に平行であり、前記傾斜部の遠位端には、第2前方グリップが接続され、前記第2前方グリップは、相互に平行に延びることを特徴とするカテーテル挟持ユニットに関する。
【0078】
また、本発明は、遠位部に配置されたカニューレと、近位部または近位部に接続された要素に取り外し可能に接続され、遠位方向に延びる前方アームとを有するIVカテーテルシステムの挿入方法であって、前記カニューレに穿刺針を挿通し、前記穿刺針で患者の血管を穿刺するステップと、前記前方アームを遠位方向に移動することで、血管に前記カニューレを挿入するステップと、前記前方アームを遠位方向および近位方向に移動することで、カニューレを血管内の適切な位置に配置するステップと、前記穿刺針を前記IVカテーテルから近位方向に引き抜くステップと、前記前方アームを前記IVカテーテルまたは前記IVカテーテルに接続された要素から取り外すステップと、前記IVカテーテルを患者に固定するステップとを含むことを特徴とする方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【
図1A】
図1Aは、本発明の一実施形態に係るIVカテーテルの概略斜視図である。
【
図1B】
図1Bは、本発明の一実施形態に係るIVカテーテルの概略側面図である。
【
図1C】
図1Cは、本発明の一実施形態に係るIVカテーテルの概略背面図である。
【
図1D】
図1Dは、本発明の一実施形態に係るIVカテーテルの概略上面図である。
【
図1E】
図1Eは、本発明の一実施形態に係るIVカテーテルの概略底面図である。
【
図2A】
図2Aは、本発明の一実施形態に係る前方アームの概略斜視図である。
【
図2B】
図2Bは、本発明の一実施形態に係る前方アームの概略側面図である。
【
図2C】
図2Cは、本発明の一実施形態に係る前方アームの概略上面図である。
【
図2D】
図2Dは、本発明の一実施形態に係る前方アームの概略底面図である。
【
図3A】
図3Aは、前方アームが接続されたIVカテーテルの概略斜視図である。
【
図3B】
図3Bは、前方アームが接続されたIVカテーテルの概略側面図である。
【
図3C】
図3Cは、前方アームが接続されたIVカテーテルの概略背面図である。
【
図3D】
図3Dは、前方アームが接続されたIVカテーテルの概略上面図である。
【
図3E】
図3Eは、前方アームが接続されたIVカテーテルの概略底面図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明の一実施形態に係る針ホルダユニットの概略斜視図である。
【
図4B】
図4Bは、本発明の一実施形態に係る針ホルダユニットの概略斜視図である。
【
図4C】
図4Cは、本発明の一実施形態に係る針ホルダユニットの概略斜視図である。
【
図4D】
図4Dは、本発明の一実施形態に係る針ホルダユニットの概略側面図である。
【
図4E】
図4Eは、本発明の一実施形態に係る針ホルダユニットの概略背面図である。
【
図4F】
図4Fは、本発明の一実施形態に係る針ホルダユニットの概略上面図である。
【
図4G】
図4Gは、本発明の一実施形態に係る針ホルダユニットの概略底面図である。
【
図5A】
図5Aは、本発明の一実施形態に係るカテーテルシステムの概略斜視図である。
【
図5B】
図5Bは、本発明の一実施形態に係るカテーテルシステムの概略側面図である。
【
図5C】
図5Cは、本発明の一実施形態に係るカテーテルシステムの概略背面図である。
【
図5D】
図5Dは、本発明の一実施形態に係るカテーテルシステムの概略上面図である。
【
図5E】
図5Eは、本発明の一実施形態に係るカテーテルシステムの概略正面図である。
【
図5F】
図5Fは、本発明の一実施形態に係るカテーテルシステムの概略底面図である。
【
図6A】
図6Aは、別の形態の前方アームおよびカテーテル挟持ユニットを有する実施形態の概略図である。
【
図6B】
図6Bは、別の形態の前方アームおよびカテーテル挟持ユニットを有する実施形態の概略図である。
【
図6C】
図6Cは、別の形態の前方アームおよびカテーテル挟持ユニットを有する実施形態の概略図である。
【
図6D】
図6Dは、別の形態の前方アームおよびカテーテル挟持ユニットを有する実施形態の概略図である。
【
図6E】
図6Eは、別の形態の前方アームおよびカテーテル挟持ユニットを有する実施形態の概略図である。
【
図6F】
図6Fは、別の形態の前方アームおよびカテーテル挟持ユニットを有する実施形態の概略図である。
【
図6G】
図6Gは、別の形態の前方アームおよびカテーテル挟持ユニットを有する実施形態の概略図である。
【
図6H】
図6Hは、別の形態の前方アームおよびカテーテル挟持ユニットを有する実施形態の概略図である。
【
図7A】
図7Aは、別の実施形態に係る前方アームの概略斜視図である。
【
図7B】
図7Bは、別の実施形態に係る前方アームの概略側面図である。
【
図7C】
図7Cは、別の実施形態に係る前方アームの概略上面図である。
【
図7D】
図7Dは、別の実施形態に係る前方アームの概略底面図である。
【
図8A】
図8Aは、フラップおよび切り欠きを有するカテーテルシステムの概略図である。
【
図8B】
図8Bは、フラップおよび切り欠きを有するカテーテルシステムの概略図である。
【
図8C】
図8Cは、フラップおよび切り欠きを有するカテーテルシステムの概略図である。
【
図8D】
図8Dは、フラップおよび切り欠きを有するカテーテルシステムの概略図である。
【
図8E】
図8Eは、フラップおよび切り欠きを有するカテーテルシステムの概略図である。
【
図8F】
図8Fは、フラップおよび切り欠きを有するカテーテルシステムの概略図である。
【
図8G】
図8Gは、フラップおよび切り欠きを有するカテーテルシステムの概略図である。
【
図9A】
図9Aは、安全装置を有する実施形態の概略図である。
【
図9B】
図9Bは、安全装置を有する実施形態の概略図である。
【
図10】
図10は、ダックビル弁を有する実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0080】
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、図面中、同一の参照番号が付された構成要素は、同一のまたは対応する構成要素を示すものとする。
【0081】
本発明に係るカテーテル挿入システムは、2つの主要部からなる。第1の主要部は、血管に挿入にされる中空カニューレ、ハブ部および前方アームを備えるIVカテーテルである。第2の主要部は、針が接続されたハブを備える針ユニットである。上記針をカニューレに挿通し、カニューレの先端から突出させた後、血管への挿入を開始する。
【0082】
カテーテルの挿入は、針を皮膚に穿刺し、穿刺孔を通じてカニューレを血管内に挿入することで行われる。カニューレが血管内の正しい位置に到達すると、カニューレの先端部に血液が流入する。従来の装置では、装置の近位端に配置された把持部を介してカニューレを挿入していたため、カニューレの操作が不安定となり、穿刺孔からカニューレが離脱することがあった。本発明は、カニューレに接続された前方把持アームを備えることで、より血管に近い位置からカニューレを挿入することを可能にしている。これにより、カニューレが挿入途中で穿刺孔から離脱することで、血管を見失うおそれを低減することができる。
【0083】
本発明は、長尺のIVカテーテルを用いる場合に特に有用である。長尺カテーテルの場合、装置の近位端に位置する把持部が穿刺孔からより遠くなるため、把持部の操作性および安定性が低下する。そのため、カテーテルの先端が穿刺孔から離脱する可能性が高まる。
【0084】
図1Aは、本発明に係るIVカテーテル1の斜視図を示す。本実施形態において、カテーテル1は、中空カニューレ2と、中空カニューレ2の近位端に接続された中空ハブ5を有する。また、カテーテル1は、好ましくは、カテーテル1の手動操作を可能とし、さらにカテーテル1を接着剤で患者に固定できるようにするためのサイドウイング6aおよび6bと、注射器を用いて薬剤の注入を可能にするための近位弁7を有する。カテーテル1はさらに、カテーテルの使用時に輸液ラインに接続され、不使用時にはキャップが取り付けられる近位中空端部8を有する。ハブ5(端部8の遠位側に位置する)と端部8は中空部が連続するように接続されているため、ハブ5、端部8およびカニューレ2内に針を挿通することができる。
【0085】
図1B、
図1C、
図1Dおよび
図1Eは、それぞれIVカテーテル1の側面図、背面図、上面図および底面図を示す。
【0086】
本実施形態に係るIVカテーテルは、B. Braun社製のIntrocan Safety(登録商標)などの標準的なIVカテーテルである。本実施形態に係るIVカテーテル(またはその構成要素)は、ポリウレタン、PTFE、ポリエチレンのうちの1つまたは複数により構成される。本発明に係るIVカテーテルのカニューレは、直径が0.5〜2mmであり、長さが4〜15cm、好ましくは8cmである。ウイング、ハブ、端部および弁の大きさは、標準的なカテーテルと同等である。
【0087】
本発明は、IVカテーテル1に接続可能に構成された前方アーム10(
図2A参照)を有する。前方アーム10は、IVカテーテル1を遠位方向に移動させるための第1前方グリップ12を備える。
【0088】
前方アーム10は、第1前方グリップ12と近位接続部14を接続する中間部13を備える。
図3A〜3Dに示すように、近位接続部14は、近位方向に延びる内側に湾曲した2つのアーム14aおよび14bを備える。アーム14a、14bは、近位弁7を挟持するように近位弁7の周囲に接続される。
【0089】
本実施形態では、前方アーム10は、中間部13の近位端に取り付けられた下方接続部15を備える。下方接続部15は、下方向に延びる内側に湾曲した2つのアーム15aおよび15bを備える。アーム15a、15bがハブ5を挟持するようにハブ5の周囲に接続(好ましくは、スナップ接続)されることで、前方アーム10がカテーテル1に固定される。IVカテーテル1の挿入後、下方接続部15とハブ5の係合を解除するとともに近位接続部14をバルブ7から引き上げることで、容易に前方アーム10をIVカテーテル1から取り外すことができる。
【0090】
図2B、
図2Cおよび
図2Dは、それぞれ前方アーム10の側面図、上面図および底面図を示す。
【0091】
前方アーム10は、長さが4〜10cm、好ましくは7cmであり、幅が1.5〜5cm、好ましくは2cmであり、厚さが1〜5cm、好ましくは1.5cmである。
【0092】
第1前方グリップ12は、長さが5〜15mm、好ましくは10mmであり、幅が1〜10mm、好ましくは5mmであり、厚さが1〜4mm、好ましくは2mmである。
【0093】
中間部13は、長さが2〜8cm、好ましくは5cmであり、幅が1〜5mm、好ましくは2mmであり、厚さが1〜5mm、好ましくは2mmである。
【0094】
アーム14a、14bは、長さが1〜4cm、好ましくは1.5cmであり、幅が1〜5mm、好ましくは2mmであり、厚さが1〜3mm、好ましくは1.5mmである。
【0095】
アーム15a、15bは、長さが3〜10mm、好ましくは7mmであり、幅が2〜6mm、好ましくは3mmであり、厚さが0.8〜3mm、好ましくは1.5mmである。
【0096】
カニューレ2は、第1前方グリップ12の遠位端を2〜5cm越えて延びていることが好ましい。
【0097】
図3Aは、前方アーム10が接続されたIVカテーテル1を示す。図示のように、アーム15a、15bはハブ5の周囲に接続され、アーム14a、14bはバルブ7の周囲に接続されている。
図3B、
図3C、
図3Dおよび
図3Eは、それぞれ前方アーム10が接続されたIVカテーテル1の側面図、背面図、上面図および底面図を示す。
【0098】
本発明は、針ホルダユニット20を有する。
図4A〜4Gに示すように、針ホルダユニット20は、近位ハブ22の遠位端に接続された穿刺針21を備える。針ホルダユニット20はさらに、近位ハブ22の近位端に接続された2つのサイドアーム25aおよび25bを備える。サイドアーム25a、25bは、スナップ接続、接着または一体成形により近位ハブ22に接続される。サイドアーム25a、25bの長さは、通常3〜8cm、好ましくは5cmであり、カニューレ2よりも3〜5cm短くなるように設定される。サイドアーム25a、25bの幅は、通常0.5〜5cm、好ましくは1cmである。サイドアーム25a、25bの遠位端部には、遠位方向に向かって徐々に接近するように傾斜した傾斜部26a、26bが設けられる。サイドアーム25a、25bの傾斜部26a、26bより近位側の部分は、直線状かつ相互に(および針21と)平行である。傾斜部26a、26bの遠位端には、第2前方グリップ27aおよび27bが接続されている。第2前方グリップ27a、27bは、針ホルダユニット20を把持する際に指当て部として機能すると同時に、カニューレ2の保護板としても機能する。
図4Cに示すように、第2前方グリップ27aおよび27bは、互いに(および針21と)平行であり、針21が通過する中空通路29を形成するための半円形の内側切欠部28aおよび28bを備える。また、第2前方グリップ27a、27bは、中間部13を挟んで保持および/または固定することが好ましい。
【0099】
図4A〜4Gは、針ホルダユニット20を示す。
図4D、
図4E、
図4Fおよび
図4Gは、それぞれ針ホルダユニット20の側面図、背面図、上面図および底面図を示す。
【0100】
針ホルダユニット20は、IVカテーテル1に接続される。
図5A〜5Fに示すように、針21は、カテーテルシステム30の中空カニューレ2に挿通される。さらに、ハブ22の一部が、中空端部8内に挿入され、固定される。このとき、針21は中空カニューレ2の先端から突出する。前方アーム10の中間部13と2つのサイドアーム25a、25bにより、カニューレ2のさらなる保護が可能となり、また、カニューレ2の上部および側部に指が触れることを防止することができる。
【0101】
針ホルダユニット20は、医療グレードのポリマー、例えば、ポリプロピレンなどの可撓性ポリマーで構成されることが好ましい。
【0102】
針21は、好ましくはステンレス鋼で構成され、長さが5〜15cm、好ましくは9cmであり、直径が0.25〜1.2mm、好ましくは0.8mmである。
【0103】
ハブ22は、長さが1〜4cm、好ましくは2cmであり、直径が0.5〜1.5cm、好ましくは0.6cmである。
【0104】
サイドアーム25a、25b(傾斜部26a、26bを含む)は、長さが4〜10cm、好ましくは6cmであり、幅が1〜5mm、好ましくは3mmであり、厚さが1〜3mm、好ましくは2mmである。
【0105】
傾斜部26a、26bは、長さが0.5〜3cm、好ましくは1cmであり、幅が1〜5mm、好ましくは3mmであり、厚さが1〜3mm、好ましくは2mmである。
【0106】
第2前方グリップ27a、27bは、長さが3〜20mm、好ましくは12mmであり、幅が3〜15mmであり、厚さが1〜5mm、好ましくは2mmである。
【0107】
図5A〜5Fは、カテーテルシステム30を示す。本発明に係るカテーテル装置の使用者は、まず、カテーテルシステム30を把持し、針21を患者の血管内に挿入する。このとき、針21は、他の構成要素に対して遠位方向および近位方向に移動しないように固定されながら挿入される。カテーテルシステム30は、一方の手でサイドアーム25a、25bまたは傾斜部26a、26bを介して把持することができ、特に、第2前方グリップ27a、27bを介して把持することで、より安定した把持が可能である。針21により血管が穿刺され、カニューレ2の先端部が血管内の正しい位置に挿入されると、血液がカニューレ2内に流入する。
【0108】
これに対し、従来の装置では、カテーテルの把持とカニューレの操作(遠位方向および近位方向への移動)を装置の近位部において行う必要がある。すなわち、カニューレを血管に挿入する際、両手の位置が近接するため、不快感を生じさせる。そのため、カテーテル装置を把持している手の振動などによりカテーテル装置の把持が不安定となり、結果、カテーテルの先端が血管から離脱し、カニューレの再挿入や新たな穿刺孔の形成を余儀なくされるおそれがある。また、カニューレを操作するための把持部を把持する際に、一方の(カニューレを操作する方の)手がカテーテル装置の近位部に接触することで、カテーテル装置の振動やカテーテルの離脱を引き起こす。
【0109】
本発明は、上述の従来装置におけるカテーテルの離脱要因を除去するとともに、カテーテルを容易かつ快適に挿入することを可能にしている。すなわち、本発明では、前方アーム10を介して、カニューレ2を迅速に血管内に挿入することができる。前方アーム10は、長尺のカテーテルを正確かつ他の構成要素に接触することなく挿入するために特に有用である。また、本発明では、血管内に挿入されたカニューレ2の離脱を防止することができる。すなわち、カテーテルシステム30を挿入する際、近位端付近に両手を配置する必要がないため、カニューレの操作性および把持の安定性を確保することができる。また、カテーテルシステム30の近位端部への手の接触や手ぶれによって生じる衝撃や振動を低減することができる。
【0110】
針21を血管に穿刺し、血液がカニューレ2に流入したことが確認できたら、第1前方グリップ12を遠位方向に移動する。カニューレ2は、カテーテル1のハブ5(カニューレ2の近位側に配置されている)に接続された前方アーム10を介して第1前方グリップ12に接続されているため、第1前方グリップ12とともに遠位方向に移動する。その際、使用者は、片方の手の1本の指で第1前方グリップ12を遠位方向に移動し、残りの指でサイドアーム25a、25bを把持することができる。あるいは、他方の手で第1前方グリップ12を遠位方向および近位方向に移動することもできる。これにより、従来装置のように2つの把持部がカテーテルシステムの近位端付近に存在することに起因するカニューレの離脱を防止することができる。これは、長尺のカテーテルを用いる場合に特に有用である。また、サイドアーム25a、25bを有することで、挿入時にカニューレに手が接触(および汚染)するおそれを低減することができる。
【0111】
カニューレ2の挿入が完了したら、針ホルダユニット20を抜去する。針ホルダユニット20の抜去は、一方の手で第1前方グリップ12を把持してカニューレ2を固定しながら、他方の手で針ホルダユニット20を近位方向に引っ張ることで行われる。その際、傾斜部26a、26bがハブ5(およびアーム15a、15b、端部8などのハブ5に接続された構成要素)に到達すると、サイドアーム25a、25bが外側に開くため、円滑に針ホルダユニット20(針21を含む)を引き抜くことができる。
【0112】
針21が中空端部8から引き出されたら、針ホルダユニット20の抜去が完了する。
【0113】
針ホルダユニット20を除去した後、前方アーム10を取り外す。前方アーム10の除去は、下方接続部15のアーム15a、15bとハブ5の係合を解除し、近位接続部14をバルブ7の周囲から引き上げることで行われる。残されたIVカテーテル1は、サイドウイング等を介して患者に固定される。
【0114】
図5Aは、カテーテルシステム30の斜視図を示す。
図5B、
図5C、
図5D、
図5Eおよび
図5Fは、それぞれカテーテルシステム30の側面図、背面図、上面図、正面図および底面図を示す。
【0115】
別の実施形態では、IVカテーテルに前方アーム10および針ユニットが接続されてもよい。
図6A〜6Hは、IVカテーテル1’(
図6B参照)に前方アーム10’(
図6A参照)が接続された本発明の一実施形態を示す。前方アーム10’は、IVカテーテル1’を遠位方向に移動させるための第1前方グリップ12を備える(
図6Bに示すIVカテーテル1’は、サイドウイングを備えていない)。
【0116】
前方アーム10’の近位端部には、IVカテーテル1’の近位中空端部8’(
図6E〜6Hの場合、IVカテーテル1’’の近位中空端部8’’)に設けられた突起部51に係合および接続されるように構成された昇降可能な固定部50が配置されている。固定部50の近位端部には、下方に突出し、遠位部が突起部51の近位部と接触および係合するように構成された突起が設けられている。IVカテーテル1’は、カニューレ2の近位端に接続された中空ハブ5’を有する。前方アーム10’は、第1前方グリップ12と固定部50を接続する中間部13を備える。また、前方アーム10’には、ハブ5’の周囲に接続(好ましくは、クリップ接続)される2つのアーム15a’および15b’を備える下方接続部15が設けられている。
【0117】
IVカテーテル1’の挿入後、下方接続部15’とハブ5’の係合を解除し、近位接続部をバルブ7から引き上げることで、容易に前方アーム10’をIVカテーテル1’から取り外すことができる。
【0118】
前方アーム10’は、前方アーム10と共通する構成部分については、前方アーム10と同様の寸法および材料で構成される。固定部50の長さは、通常8〜20mmである。
【0119】
突起部51は、高さが2〜6mm、厚さが1〜2mmである。
【0120】
本発明の別の実施形態は、針を備えておらず、近位側にIVカテーテル1’’(
図6E〜6H参照)と接続される接続手段を備えている点を除き針ホルダユニット20と共通の構成要素(例えば、サイドアーム)を備えるカテーテル挟持ユニット60(
図6D参照)を有する。カテーテル挟持ユニット60は、針ホルダユニット20と同様に、カニューレ2を保護する機能を有する2つのサイドアーム25a’および25b’を備える。
【0121】
本発明の一実施形態では、カテーテル挟持ユニット60の近位端部には、IVカテーテル1’’を取り付けるための取付部61が配置される。取付部61の中空部の内面は、カテーテルの近位ハブ(または近位端部)の表面に対応した形状を有し、前記表面を包囲するように構成されている。取付部61の中空部内面を中空端部8’’の表面に沿って遠位方向に摺動することで、取付部61とカテーテルの近位ハブを係合することができる。
【0122】
図6E〜6Hに示す実施形態では、取付部61の中空部の内面は、正方形の四隅が円形に形成された(円形部80)断面形状を有する。取付部61の中空部内面は、カテーテル1’’の近位側の中空端部8’’の表面に沿って摺動可能に形成されている。中空端部8’’の表面には、長手方向に延びる複数の筒状突起90(取付部61の中空部内面の円形部80に対応する形状を備える)が互いに平行かつ周方向等間隔に配置されている。中空端部8’’の表面には、取付部61をカテーテルの近位ハブに沿って遠位方向に摺動する際に取付部61を所定位置で停止させるための係止具85が設置されている。係止具85は、筒状突起90の遠位端における中空端部8’’および筒状突起90の周縁部に配置されることが好ましい。また、係止具85の周縁部は、中空端部8’’の周縁部と一部重複していることが好ましい。
【0123】
サイドアーム25a’、25b’は、取付部61に接続されている。サイドアーム25a’、25b’は、スナップ接続、接着または一体成形により取付部61に接続される。取付部61は、サイドアーム25a’、25b’が開いた状態で中空端部8’’表面を摺動する。サイドアーム25a’、25b’の近位端付近には、スナップ部62aおよび62bが設置されている。スナップ部62a、62bは、サイドアーム25a’、25b’の内側面から内側方向に延びるように配置されている。スナップ部62a、62bは、それぞれカテーテルの近位ハブまたは中空端部8’’を挟持するように内側に湾曲した2つのアームを備える。取付部61が所定位置まで摺動されると、スナップ部62a、62bがカテーテルハブ(または中空端部8’’)を挟持するようにサイドアーム25a’、25b’がカテーテルに向かって内側方向に折り畳まれる。これにより、サイドアーム25a’、25b’がカテーテルの近位ハブ(または中空端部8’’)に固定される。
【0124】
サイドアーム25a’、25b’の遠位端部には、遠位方向に向かって徐々に接近するように傾斜した傾斜部26a’、26b’が設けられる。サイドアーム25a’、25b’の傾斜部26a’、26b’より近位側の部分は、直線状かつ相互に(および針21と)平行である。傾斜部26a’、26b’の遠位端には、第2前方グリップ27a’および27b’が接続されている。第2前方グリップ27a’、27b’の内側には、IVカテーテルが通過する中空通路(中空通路29と同様)を形成するための半円形の切欠部がそれぞれ形成されている。また、第2前方グリップ27a’、27b’は、中間部13を挟んで保持および/または固定することが好ましい。本発明の使用に際しては、IVカテーテルに穿刺針が挿通される。
【0125】
カニューレ2の挿入が完了したら、カテーテル挟持ユニット60および針(不図示)を近位方向に引き抜き、除去する。続いて、下方接続部15’のアームとハブ5’の係合を解除し、前方アーム10’をIVカテーテル1から取り外す。
【0126】
図6Gは、前方アーム10’およびカテーテル挟持ユニット60が接続されたIVカテーテル1’’を示す。
図6Hは、前方アーム10’およびカテーテル挟持ユニット60が、サイドアーム25a’、25b’が閉じた状態で接続されたIVカテーテル1’’を示す。
【0127】
サイドアーム25a’、25b’および前方アーム10’は、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ABSまたはナイロン等の材料で構成されることが好ましい。
【0128】
サイドアーム25a’、25b’、傾斜部26a’、26b’および指当て部27a’、27b’は、針ホルダユニット20のサイドアーム25a、25b、傾斜部26a、26bおよび第2前方グリップ27a、27bと同様の寸法および材料で構成される。
【0129】
取付部61の厚さは、0.8〜3mm、好ましくは2mmである。係止具85の厚さは、0.8〜3mm、好ましくは2mmである。筒状突起90と円形部80は、効率的に係合できるよう形状および大きさが部分的に異なる。カテーテルの近位ハブおよび近位端部の大きさは、使用するカテーテルに応じて異なる。
【0130】
サイドアーム25a’、25b’は、針ユニットよりも短く、遠位端における長さが2〜6cmである。
【0131】
前方アームは、可撓性材料で構成されることが好ましい。これにより、カニューレを様々な角度で動かすことが可能となるため、患者の腕によってカテーテルの挿入が妨げられないよう、挿入角度を調整することができる。
【0132】
本発明の一実施形態では、前方アーム110(
図7A〜7D参照)は、第1前方グリップ12に接続された遠位部113aと、遠位部113aよりも細く構成され、下方接続部115に接続された近位部113bとを含む中間部113を備える。下方接続部115は、カテーテルハブの周囲に接続(好ましくは、クリップ接続)される2つのアーム115aおよび115bを備える。
【0133】
遠位部113aは、針ホルダユニット20のサイドアーム25a、25b、傾斜部26a、26bおよび第2前方グリップ27a、27bと同等の寸法および材料で構成される。近位部113bは、遠位部113aよりも細く、柔軟であることが好ましい。近位部113bと遠位部113aの柔軟性の差は、両者の断面形状の相違によって生じる。近位部113bは可撓性材料を含み、好ましくは、ポリプロピレン、ポリエチレンまたはナイロンで構成される。
【0134】
近位部113bは、長さが前方アーム110の全長(前方アーム10および10’の全長と同等)の1/4〜3/4、好ましくは1/3であり、幅が1〜4mm、好ましくは2mmであり、厚さが0.5〜3mm、好ましくは2mmである。
【0135】
前方アーム110を有するIVカテーテルの使用方法は、以下で述べる相違点/利点を除き、前方アーム10および10’に関して説明した方法と同様である。まず、血管内に針を穿刺し、前方アーム110をカニューレ2と平行かつ遠位方向および近位方向に移動する。カニューレ2が離脱しないよう十分深く挿入した後、遠位部113a(または第1前方グリップ112)を持ち上げる(このとき、近位部113bは湾曲する)。続いて、遠位部113a(または第1前方グリップ112)を持ち上げた状態で遠位方向および近位方向に移動して、カニューレ2を最後まで挿入する。
【0136】
その際、1本の指(例えば、人差し指)で第1前方グリップ112の底部を持ち上げ、他の指(例えば、親指)で遠位部113aを遠位方向に動かすことができる。持ち上げられた遠位部113aは、カニューレ2に対して様々な角度をとることができる。上記角度は、カニューレ2の移動に合わせて変化させることができる。例えば、0°で挿入を開始し、90°で挿入を終了することができる。あるいは、挿入途中で90°とし、そのまま最終位置まで挿入してもよい。カニューレ2の挿入が完了したら、前方アーム110を(例えば、下方接続部115の係合を解除することで)取り外す。
【0137】
本実施形態は、例えば、患者の腕が折り畳まれた状態でもカニューレを挿入することができる利点がある。例えば、カニューレを前腕部から挿入し、第1前方グリップ112の遠位端が上腕に到達すると同時に遠位部113a(または第1前方グリップ112)を上方に持ち上げることで、腕を折り畳んだままカニューレの挿入を完了させることができる。
【0138】
図7A、
図7B、
図7Cおよび
図7Dは、それぞれ前方アーム110の斜視図、側面図、上面図および底面図を示す。
【0139】
本発明の別の実施形態では、前方アーム110は、中間部113の遠位端から外側方向かつ近位方向に延びる2つの湾曲したフラップ116aおよび116bを備える。フラップ116a、116bは、カテーテル挟持ユニット60の第2前方グリップ27a’、27b’(あるいは針ホルダユニット20の第2前方グリップ27a、27b)を挟持するように構成されている。本実施形態によれば、カテーテルシステム30(前方アーム110および針ホルダユニット20(またはカテーテル挟持ユニット60)を有するカテーテル1)が使用前に分解することを防止することができる。
【0140】
図7A〜7Dには、近位部113bとフラップの両方を有する実施形態が示されているが、これに限定されるものではなく、一方のみを有していてもよい。
【0141】
図8A〜8Eは、前方アーム110とカテーテル挟持ユニット60が接続されたIVカテーテル1’’を示す。図示の実施形態では、第2前方グリップ27a’、27b’の少なくとも遠位端が、前方アーム110の湾曲フラップ116a、116bにより挟持されている。カニューレ2を血管に挿入するために前方アーム110を遠位方向に移動すると、これに伴ってフラップ116a、116bが遠位方向に移動し、第2前方グリップ27a’、27b’から分離される。これにより、第2前方グリップ27a’、27b’がフラップ116a、116bから解放され、第2前方グリップ27a’、27b’を外側方向に開くことが可能となる。
【0142】
図8A、8B、8Cおよび8Dは、それぞれ前方アーム110とカテーテル挟持ユニット60が接続されたIVカテーテル1’’の斜視図、側面図、上面図および底面図を示す。
【0143】
第2前方グリップ27a’、27b’の遠位端の外側部分には、フラップ116a、116bを収容するための切り欠き117が設けられることが好ましい。
【0144】
第2前方グリップ27a’、27b’の遠位端には、外側方向に突出し、上記切り欠き117を備える平板状の突出部118が設けられる。
【0145】
図8Eは、フラップ116a、116bが切り欠き117に収容された状態を示す。
図8Fは、前方アーム110とカテーテル1’’の構成要素を除外して表示した第2前方グリップ27a’、27b’の拡大図を示す。
図8Gは、突出部118および切り欠き117が設けられた第2前方グリップ27a’、27b’(前方アーム110とカテーテル1’’の構成要素は除外)を備えるカテーテル挟持ユニット60の正面図を示す。
【0146】
上述した実施形態において、針ホルダユニット20に関する実施形態は、カテーテル挟持ユニット60に関する実施形態にも適用可能であり、その逆も同様である。例えば、カテーテル挟持ユニット60のサイドアーム、傾斜部、第2前方グリップ、切り欠き、中空通路およびスナップ部の構造、サイズおよび材料は、針ホルダユニット20のものと同様である。したがって、例えば、前方アーム110’を針ホルダユニット20に使用することも可能である。
【0147】
突出部118は、長さが4〜15mm、好ましくは9mmであり、幅が1〜8mm、好ましくは3mmであり、厚さが1〜4mm、好ましくは2mmである。
【0148】
フラップ116a、116bは、長さが2〜15mm、好ましくは7mmであり、幅が1〜5mm、好ましくは3mmであり、厚さが1〜5mm、好ましくは2mmである。
【0149】
切り欠き117の大きさは、フラップ116a、116bを収容できるように設定される。
【0150】
本発明の別の実施形態では、安全装置を備える穿刺針が使用される。すなわち、カテーテルを患者の血管に挿入する際に穿刺針が使用者(医師等)の手等に刺さらないようにするための安全設計を施すことができる。
【0151】
本発明の別の実施形態は、
図9Aおよび
図9Bに示すように、安全装置90を有する。安全装置90は、針21を挿通することができる中空の円筒状要素である。安全装置90は、針21に沿ってスライド可能であり、針21の先端を自動的に感知および被覆するように構成されている
【0152】
安全装置90は、IVカテーテル(1、1’、1’’)の中空端部(8、8’、8’’)の近位端に接続(例えば、ルアー接続)される。したがって、前方アーム(10、10’、110)を遠位方向に移動すると、安全装置90が中空端部(8、8’、8’’)とともに遠位方向に移動する。そのため、穿刺針が使用者の手に刺さるおそれを除去することができる。
【0153】
図9Aは、中空端部8’の近位端に接続された安全装置90を示す。
図9Bは、針ホルダユニット20の針21に取り付けられた安全装置90を示す。カテーテルの挿入前、安全装置90は、カテーテル1’の中空端部8’の近位端に接続されている。針21がカテーテル1’に完全に挿通されると、安全装置90の近位部がハブ22の遠位端に接触する。
【0154】
本発明の一実施形態(不図示)では、下方接続部15をハブ(5、5’)ではなく安全装置90に接続することで、前方アーム(10、10’、110)を安全装置90に固定することができる。アーム15a、15bは、安全装置90の周囲に接続(好ましくは、スナップ接続)される。カニューレ2は、ハブ(5、5’)および中空端部(8、8’、8’’)を介して安全装置90に接続されているため、カテーテル(1、1’、1’’)は、前方アーム(10、10’、110)とともに遠位方向および近位方向に移動する。
【0155】
安全装置90は、長さが3〜20mm、好ましくは6mmであり、直径が3〜15mm、好ましくは8mmである。安全装置90は、鋼、チタン、ポリマー、またはこれらの組み合わせにより構成される。安全装置90として、例えば、B. Braun社製のCertofix Safety(登録商標)、Merit Medical Systems社製のMerit advance safety needle(登録商標)およびISIPS社製のSafety Vascular Access Needles(登録商標)を用いることができる。
【0156】
上述した安全装置を備える穿刺針は、カテーテル挟持ユニット60、IVカテーテル1’’および前方アーム110とともに使用される。
【0157】
安全装置の構造の一例として、針の先端から数ミリメートル手前に厚肉部を設け、針を近位方向に引っ張ると上記厚肉部が安全装置の近位部で係止されるように構成したものが挙げられる。本構造では、厚肉部が安全装置の近位部に到達すると、安全装置の遠位部に配置された閉鎖アームの遠位端が針の先端を被覆することで、針が使用者の手に刺さる危険を低減することができる。
【0158】
本発明の一実施形態において、上記構造を備える安全装置90がカテーテルの端部(8、8’、8’’)内に配置される。また、他の実施形態では、カテーテルの端部(8、8’、8’’)内に上記構造が設けられる。
【0159】
本発明の別の実施形態では、カテーテル(1、1’、1’’)の中空端部(8、8’、8’’)の近位端に接続(例えば、ルアー接続)された逆止弁を備える。逆止弁は、例えばダックビル弁である。ダックビル弁の遠位部は、合成エラストマーを含み、逆流による汚染を防止するために鳥の嘴状に形成されている。ダックビル弁の近位端は、穿刺針を収容するように構成されている。したがって、針(例えば、針21)を挿入する際は、ダックビル弁の遠位端が部分的に開くことで針を通過させることができ、針を抜去する際は、ダックビル弁が自動的に閉鎖されることで血液等の逆流を防止することができる。
【0160】
ダックビル弁は、弁箱95内に配置されることが好ましい。弁箱95は、IVカテーテル(1、1’、1’’)の中空端部(8、8’、8’’)の近位端に接続(例えば、ルアー接続)される。したがって、前方アーム(10、10’、110)を遠位方向に移動すると、弁箱95が中空端部(8、8’、8’’)とともに遠位方向に移動する。
【0161】
図10は、中空端部8’の近位端に接続(例えば、ルアー接続)された弁箱95を示す。カテーテルの挿入前、弁箱95は、カテーテル1’の中空端部8’の近位端に接続されている。針21がカテーテル1’に完全に挿通されると、弁箱95の近位部がハブ22の遠位端に接触する。
【0162】
本発明の一実施形態(不図示)では、下方接続部15をハブ(5、5’)ではなく弁箱95に接続することで、前方アーム(10、10’、110)を弁箱95に固定することができる。アーム15a、15bは、弁箱95の周囲に接続(好ましくは、スナップ接続)される。カニューレ2はハブ(5、5’)および中空端部(8、8’、8’’)を介して弁箱95に接続されているため、カテーテル(1、1’、1’’)は、前方アーム(10、10’、110)とともに遠位方向および近位方向に移動する。
【0163】
弁箱95は、長さが5〜10mmであり、直径が2〜6mmである。上述した弁箱95を備える穿刺針は、カテーテル挟持ユニット60、IVカテーテル1’’および前方アーム110とともに使用される。
【0164】
本発明の別の実施形態では、ダックビル弁は、中空端部8’内に配置される。
【0165】
図11A〜11Eは、針ユニット200を有する本発明の一実施形態を示す。針ユニット200は、針21の近位端に接続されたハブ205を備える。ハブ205は、前述の中空端部8’’が備える係止具85および筒状突起90に対応し、これらと同様の寸法、材料等で構成された係止具85’および筒状突起90’を備える。カテーテル挟持ユニット60は、(前述の中空端部8’’に接続される場合と同様に)針ユニット200に接続され、固定される。針ユニット200は、IVカテーテル1’の中空端部8’のハブ205の遠位端部に接続(例えば、ルアー接続)される。このとき、針21は、カニューレ2の先端から突出する。
【0166】
図11Aは、針ユニット200を示す。
図11Bは、針ユニット200が接続されたIVカテーテル1’を示す。
図11Cは、針ユニット200およびカテーテル挟持ユニット60が接続されたIVカテーテル1’を示す。
図11Dおよび
図11Eは、針ユニット200、カテーテル挟持ユニット60および前方アーム10’が接続されたIVカテーテル1’を示す。
【0167】
針ユニット200、カテーテル挟持ユニット60および前方アーム10’が接続されたIVカテーテル1’の使用方法について述べる。まず、血管内に針21を穿刺した後、前方アーム10’を遠位方向に移動させてカニューレ2を血管内に挿入する。カニューレ2の挿入が完了したら、針ユニット200および中空端部8’間の接続を解除し、針ユニット200およびカテーテル挟持ユニット60を近位方向に引き抜き、除去する。続いて、前方アーム10’をIVカテーテル1’から取り外す。残されたIVカテーテル1は、患者に固定される。なお、上述の手順において、針ユニット200を抜去する前に、カテーテル挟持ユニット60を(近位方向に摺動させることで)針ユニット200から取り外してもよい。また、前方アーム10’は、カニューレ2の挿入後であれば、どの段階で取り外してもよい。
【0168】
本実施形態においても、前方アーム110を使用することができる。この場合、針ユニット200のハブの遠位部は、安全装置90または弁箱95と接続される。
【0169】
本発明は、カニューレ2を操作(例えば、遠位方向への移動)できるように構成された少なくとも2つの把持部を有する。2つの把持部の一方は、従来技術と同様にカテーテルの近位部、例えば、中空端部(8、8’、8’’)、ハブ(5、5’)、バルブ7、ウイング6a、6bに配置される。他方は、カテーテルの遠位部、例えば、前方アーム(好ましくは、第1前方グリップ12)に配置される。使用者は、カテーテルの操作に用いる把持部を適宜切り替えることができる。
【0170】
近位側の把持部は、針の近位端部または針の近位端部に取り付けられた構成要素(例えば、針ホルダユニット20、ハブ205等)に配置されてもよい。これにより、針を効率的に穿刺することができる。
【0171】
本発明の一実施形態において、カニューレ2および(カニューレ2に挿通された)針21は、針ホルダユニット20のサイドアーム25a、25bの下端よりも高い位置に配置される。好ましくは、カニューレ2および針21は、サイドアーム25a、25bの下端と上端の中間位置とほぼ同じ高さに配置される(
図5B等参照)。このような構成を備えることで、カニューレ2の保護を強化するとともに、カニューレ2(および針21)が患者の肌等に接触して汚染されることを防止することができる。針ホルダユニット20は、ハブ22に接続された針21が、サイドアーム25a、25bの下端よりも高い位置に配置されるように構成される。これに合わせて、中空通路29の位置、および中空端部8とハブ22の接続位置も調整される。
【0172】
同様に、カテーテル挟持ユニット60とIVカテーテル1’’を接続する場合も、カニューレ2がカテーテル挟持ユニット60のサイドアーム25a’、25b’の下端よりも高い位置に配置される。
【0173】
さらに、カテーテル挟持ユニット60と針ユニット200の近位ハブ205を接続する場合も、針21がカテーテル挟持ユニット60のサイドアーム25a’、25b’の下端よりも高い位置に配置される。これに合わせて、中空端部8’とハブ205の接続位置も調整される。
【0174】
本発明は、さらに、上述したすべての実施形態およびこれらの組み合わせに係るIVカテーテルの挿入方法に関する。
【0175】
本発明に係るIVカテーテルの挿入方法は、A)IVカテーテルのカニューレに穿刺針を挿通し、穿刺針で患者の血管を穿刺するステップと、B)IVカテーテルの近位部またはIVカテーテルの近位部に接続された要素に取り外し可能に接続され、遠位方向に延びる前方アームを遠位方向に移動することで、血管にカニューレを挿入するステップと、C)前方アームを遠位方向および近位方向に移動することで、カニューレを血管内の適切な位置に配置するステップと、D)穿刺針をIVカテーテルから近位方向に引き抜くステップと、E)前方アームをIVカテーテルまたはIVカテーテルに接続された要素から取り外すステップと、F)IVカテーテルを患者(例えば、患者の皮膚等)に固定するステップを含む。
【0176】
本発明に係るIVカテーテルの挿入方法は、上述の針ホルダユニットまたはカテーテル挟持ユニットを用いて行われることが好ましい。針ホルダユニットまたはカテーテル挟持ユニットは、上記ステップD)において穿刺針とともに近位方向に引き抜かれる。
【0177】
針ホルダユニットを備える実施形態において、上記ステップD)は針ホルダユニットを近位方向に引っ張ることで行われる。
【0178】
固定部50および突起部51を備える実施形態において、上記ステップE)には、固定部50を引き上げて前方アームから取り外すステップが含まれる。
【0179】
カテーテル挟持ユニット60を備える実施形態では、上記ステップD)の後、カテーテル挟持ユニット60を近位方向に引っ張ってIVカテーテルから取り外すステップが含まれる。
【0180】
柔軟な前方アーム110(または、遠位部113aと柔軟な近位部113bからなる中間部を備える前方アーム110)を備える実施形態において、上記ステップC)には、前方アーム110の遠位部113aを持ち上げるステップが含まれる。
【0181】
本発明の一実施形態において、上記ステップB)およびC)は、カテーテルシステムを把持している手の指によって行われる。
【0182】
本発明の一実施形態において、上記ステップC)は、カテーテルシステムを把持していない手によって行われる。
【0183】
針ユニット200(
図11A〜11Eを参照)を備える実施形態において、上記ステップD)は、針ユニット200を近位方向に引っ張ることで行われる。
【0184】
上述の実施形態は、本発明において採用し得る実施形態を例示したものであり、本発明の範囲はこれらに限定されない。実施形態の異同に関わらず、上述した複数の構成要素を組み合わせることで、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形を行うことが可能である。