(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の実施形態を説明するための、車両エントリーシステムの一例を示す。
【0013】
図1に示す車両エントリーシステム1は、自動車等の車両Vに搭載される車載装置2と、車両の利用者によって所持される携帯端末3とを備え、車載装置2と携帯端末3との間の無線通信を介し、携帯端末3を車載装置2によって認証し、認証された携帯端末3によって車両Vを遠隔操作可能に構成されている。
【0014】
まず、車両Vは、駆動系電子制御部10を備える。駆動系電子制御部10は、車両の駆動機関、パワートレイン機構、ステアリング機構、制動機構等を制御する。駆動機関とは、車両Vの駆動に必要な駆動力を発生する機関であり、例えば内燃機関及び電動機である。パワートレイン機構とは、駆動機関で発生した駆動力を車両Vの駆動輪に伝達する機構である。ステアリング機構とは、車両Vの操舵輪の角度(舵角)を変更する機構である。制動機構とは、車両Vにおける制動力を発生させる機構である。
【0015】
車載装置2は、無線通信部11と、ドア開閉部12と、着座検出部13と、車載制御部14とを備える。
【0016】
無線通信部11は、アンテナ30と、信号処理回路31とを有し、無線通信を利用して携帯端末3との間で情報を送受する。無線通信部11の通信可能距離は1m〜数m程度が好適であり、かかる通信可能距離が得られる無線通信方式としては、例えばNFC(Near Field Communication)としてISO/IEC21418に規定される方式、Bluetooth(登録商標)としてIEEE 802.15に規定される方式等を例示することができる。
【0017】
アンテナ30は、情報を含む信号を送受するためのものであり、車両Vのフロントグリル、リアフレーム、ピラー等の適宜な箇所に一つ又は分散して複数設けられ、上記通信可能距離を有する通信可能エリアを車両Vの周囲に形成する。信号処理回路31は、アンテナ30によって受信した信号に対し復調等の信号処理を行って受信した信号に含まれる情報を復元し、また、携帯端末3に送信する情報に変調等の信号処理を行ってアンテナ30から送信する信号を生成する。アンテナ30によって受信した信号に含まれる情報は、信号処理回路31によって復元された後、車載制御部14に出力される。
【0018】
ドア開閉部12は、ロック装置20と、開閉装置21とを備え、車両ドアを閉状態にてロック可能且つ所定開度に開扉可能に構成されている。
【0019】
ロック装置20は、車両ドアの一般的なロック装置と同様に、ラッチ機構と、噛合解除機構と、施解錠機構とを含み、車両ドアに取り付けられている。
【0020】
ラッチ機構は、車両ボディに設けられるストライカにラッチを係合させ、さらにラッチにラチェットを噛合わせることによってストライカを拘束し、車両ドアを閉状態に保持する。
【0021】
噛合解除機構は、ラッチとラチェットとの噛合いを解除し、車両ドアを開扉可能とする。噛合解除機構は車両ドアに設けられるドアハンドルと連係されるオープンレバーを有し、ドアハンドルのドア開操作に応じてオープンレバーが動作され、オープンレバーの動作に応じてラチェットが噛合位置から噛合解除位置に移動される。
【0022】
施解錠機構は、ドアハンドルとオープンレバーとを連係させるアンロック状態と、ドアハンドルとオープンレバーとの連係を切断するロック状態とに切り替え可能であり、ロック状態において、ドアハンドルのドア開操作を無効とし、ドアを閉状態にてロックする。施解錠機構は、車両ドアに設けられるキーシリンダに連係されるロックレバーを有し、キーシリンダの解錠操作及び施錠操作に応じてロックレバーが動作され、ドアハンドルとオープンレバーとが連係され、またドアハンドルとオープンレバーとの連係が切断される。施解錠機構は、ロックレバーを動作させるモータ32をさらに有し、モータ32の回転に応じてキーシリンダの解錠操作及び施錠操作の場合と同様にロックレバーが動作される。
【0023】
そして、ロック装置20は、上記噛合解除機構のオープンレバーを動作させるモータ33をさらに有する。モータ33の回転に応じてオープンレバーが動作され、ドアハンドルのドア開操作を要することなくラチェットが噛合位置から噛合解除位置に移動され、車両ドアが開扉可能とされる。このようにモータを用いてラッチとラチェットとの噛合いを解除するロック装置としては、例えば特開2012−92516号公報に開示されるロック装置を用いることができる。
【0024】
開閉装置21は、モータ34を有する本体と、出力アームとを含み、本体は車両ボディに取り付けられ、出力アームは車両ドアに接続されている。モータ34の回転に応じて出力アームが回転され、車両ドアが開扉され、また閉扉される。このようにモータを用いて車両ドアを開閉させる開閉装置としては、例えば特開2005−320784号公報に記載された開閉装置を用いることができる。
【0025】
ドア開閉部12によって施解錠及び開閉される車両ドアは、特に限定されるものではないが、車両Vの運転席ドア及び助手席ドアが好適であり、運転席ドアが特に好適である。
【0026】
着座検出部13は、ドア開閉部12によって施解錠及び開閉される車両ドアに隣設される座席に設けられ、この座席への乗員の着座を検出する。着座検出部13としては、例えば圧力センサ等を用いることができる。着座検出部13は、乗員の着座を検出した場合に、着座検出信号を車載制御部14に出力する。
【0027】
車載制御部14は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びCPU(Central Processing Unit)を有する周知のマイクロコンピュータを主体として構成されている。ROMには、CPUによって実行されるアプリケーションプログラム、携帯端末3の認証に用いられる認証情報等が格納されている。
【0028】
上記アプリケーションプログラムに従って動作する車載制御部14は、無線通信部11(信号処理回路31)を制御し、車載装置2と携帯端末3との間の情報の送受を行う。また、車載制御部14は、携帯端末3から受信した情報及び着座検出部13から出力される着座検出信号に基づいてドア開閉部12(モータ32,33,34)を制御し、車両ドアの施解錠及び開閉を行う。さらに、車載制御部14は、通信バス35を介して駆動系電子制御部10と接続されており、駆動系電子制御部10の機能を利用して車両Vの駆動系を制御する。
【0029】
携帯端末3は、無線通信部40と、操作部41と、端末制御部42とを備える。
【0030】
無線通信部40は、アンテナ50と、信号処理回路51とを有し、無線通信を利用して車載装置2との間で情報を送受する。アンテナ50は、情報を含む信号を送受するものであり、信号処理回路51は、アンテナ50によって受信した信号に対し復調等の信号処理を行って受信した信号に含まれる情報を復元し、また、車載装置2に送信する情報に変調等の信号処理を行ってアンテナ50から送信する信号を生成する。アンテナ50によって受信した信号に含まれる情報は、信号処理回路51によって復元された後、端末制御部42に出力される。
【0031】
操作部41はタッチパネル52を有する。タッチパネル52は、操作画面を表示し、このタッチパネル52に対する操作を検出した場合に、操作検出信号を端末制御部42に出力する。
【0032】
端末制御部42は、ROM、RAM及びCPUを有する周知のマイクロコンピュータを主体として構成されている。ROMには、CPUによって実行されるアプリケーションプログラム、携帯端末3の認証に用いられる端末識別情報等が格納されている。
【0033】
上記アプリケーションプログラムに従って動作する端末制御部42は、無線通信部40(信号処理回路51)を制御して車載装置2と携帯端末3との間の情報の送受を行う。また、端末制御部42は、操作部41のタッチパネル52の画面表示を制御し、タッチパネル52から出力される操作検出信号に基づき、タッチパネル52に表示されている操作画面との関係においてタッチパネル52に対する操作を受け付ける。
【0034】
図2及び
図3は、車両エントリーシステム1によって実現される車両Vの遠隔操作の例を示す。なお、以下では、ドア開閉部12によって施解錠及び開閉される車両ドアは運転席ドアのみであるものとして説明する。
【0035】
図2に示す例では、車両Vが前向きに駐車されており、且つ車両Vの運転席側及び助手席側のいずれの側にも他車両が近接して駐車されており、車両Vが、運転席ドアを含む全てのサイドドアを乗車に十分な所定の開度で開扉できない状況におかれている。
【0036】
まず、利用者Uに所持された携帯端末3が、車載装置2の無線通信部11によって車両Vの周囲に形成される通信可能エリアAの範囲内に配置されている状態で、携帯端末3のタッチパネル52に対し、車両Vを遠隔操作するための規定の操作がなされ、操作に応じた指示情報が携帯端末3から車両Vの車載装置2に送信される。車載装置2の車載制御部14は、受信した指示情報に基づき、車両Vの駆動系及びドア開閉部12を制御する。
【0037】
車載制御部14による車両Vの駆動系の制御によって車両Vの駆動系(駆動機関)が始動され、車両Vが後方に直進される。そして、車両Vの運転席ドアが乗降に十分な開度(例えば45°)で開扉可能となる位置まで車両Vが後進された後、車両Vは停止される。さらに、必要に応じ、車載制御部14によるドア開閉部12の制御によって運転席ドアが乗降に十分な所定の開度で自動的に開扉される。
【0038】
図3に示す例では、車両Vが後向きに駐車されており、且つ車両Vの運転席側及び助手席側のいずれの側にも他車両が近接して駐車されており、車両Vが、運転席ドアを含む全てのサイドドアを乗車に十分な所定の開度で開扉できない状況におかれている。
【0039】
まず、利用者Uに所持された携帯端末3が、車載装置2の無線通信部11によって車両Vの周囲に形成される通信可能エリアAの範囲内に配置されている状態で、携帯端末3のタッチパネル52に対し、車両Vを遠隔操作するための規定の操作がなされ、操作に応じた指示情報が携帯端末3から車両Vの車載装置2に送信される。車載装置2の車載制御部14は、受信した指示情報に基づき、車両Vの駆動系及びドア開閉部12を制御する。
【0040】
車載制御部14による車両Vの駆動系の制御によって、車両Vの駆動系(駆動機関)が始動され、車両Vが前方に直進される。そして、車両Vの運転席ドアが乗降に十分な開度で開扉可能となる位置まで車両Vが前進された後、車両Vは停止される。さらに、必要に応じ、車載制御部14によるドア開閉部12の制御によって運転席ドアが乗降に十分な所定の開度で自動的に開扉される。
【0041】
なお、運転席ドアを自動的に開扉させる場合としては、
図2及び
図3に示すように、利用者Uが車両Vの運転席側に位置しており、車両Vの停止後、直ちに車両Vに乗り込める場合を例示することができる。
【0042】
図4は、車載装置2の車載制御部14によって実行される処理を示す。
【0043】
まず、車載制御部14は携帯端末3を認証する(ステップS1)。具体的には、車載制御部14は、端末識別情報の要求信号を断続的に送出する。携帯端末3が通信可能エリアAに配置されることにより、携帯端末3は端末識別情報の要求信号を受信し、要求信号を受信した携帯端末3から車載装置2に端末識別情報が送信される。車載制御部14は、受信した端末識別情報を車載制御部14に格納されている認証情報と照合し、端末識別情報と認証情報とが合致する場合に携帯端末3を認証する。認証結果は携帯端末3に送信される。
【0044】
携帯端末3の認証に成功した車載制御部14は(ステップS2−Yes)、携帯端末3から送信される指示情報を受信するまで待機し、指示情報としての車両Vの駆動系の始動指示を受信すると(ステップS3−Yes)、車両Vの駆動系電子制御部10の機能を利用して車両Vの駆動系を始動させる(ステップS4)。
【0045】
続いて、車載制御部14は、指示情報としての車両Vの前進指示若しくは前進開扉指示又は後進指示若しくは後進開扉指示のいずれかの指示を受信すると(ステップS5)、受信した指示に応じ、車両Vの駆動系電子制御部10の機能を利用して車両Vを前進又は後進させ、必要に応じてドア開閉部12を制御して運転席ドアを所定の開度で開扉させる。
【0046】
前進指示を受信した場合に(ステップS5−1)、車載制御部14は、運転席ドアが開扉可能となる位置まで車両Vを前進させる(ステップS6a)。また、前進開扉指示を受信した場合には(ステップS5−2)、車載制御部14は、運転席ドアが開扉可能となる位置まで車両Vを前進させ(ステップS7a)、さらに、前進後に運転席ドアを所定の開度で開扉させる(ステップS8a)。
【0047】
一方、後進指示を受信した場合には(ステップS5−3)、車載制御部14は、運転席ドアが開扉可能となる位置まで車両Vを後進させる(ステップS9a)。また、後進開扉指示を受信した場合には(ステップS5−4)、車載制御部14は、運転席ドアが開扉可能となる位置まで車両Vを後進させ(ステップS10a)、さらに、後進後に運転席ドアを所定の開度で開扉させる(ステップS11a)。
【0048】
なお、車両Vの前進及び後進において、車両Vの舵角が予め規定された直進許容範囲内である否かが車載制御部14によって判定され、舵角が直進許容範囲を超えている場合に、舵角が車載制御部14によって直進許容範囲内に修正される。ここで、直進許容範囲とは、車両Vが直進しているものとみなせる舵角の範囲をいう。
【0049】
また、運転席ドアの開扉可能位置は、例えば車両Vの移動量によって設定され、移動量は車載制御部14又は端末制御部42に予め登録される。移動量としては、特に限定されないが、例えば車両Vの全長である。また、前進の場合の移動量を車両Vの前端から運転席ドアの後端までの距離として、後進の場合の移動量を車両Vの後端から運転席ドアの前端までの距離として、前進の場合と後進の場合とで異なる移動量が設定されてもよい。
【0050】
また、運転席ドアの開扉可能位置は、携帯端末3を所持する利用者の位置に基づいて適応的に設定されてもよく、例えば運転席ドアが車幅方向に利用者と並ぶ位置である。運転席ドアと利用者との位置関係は、例えば信号の電波強度が距離に反比例して減衰する性質(距離減衰)を利用し、携帯端末3から送信され車載装置2によって受信された信号の電波強度、及び信号を受信した車載装置2のアンテナ30と運転席ドアの位置関係に基づいて検出することができる。
【0051】
さらに本例では、着座検出部13によって運転席への乗員の着座が検出されており、車載制御部14は、着座検出部13から出力される着座検出信号を受信すると(ステップS12−Yes)、ドア開閉部12を制御して運転席ドアを閉扉させる(ステップS13)。
【0052】
図5A〜
図5Eは、携帯端末3のタッチパネル52に表示される操作画面を示す。なお、携帯端末3は車載装置2によって認証されているものとする。
【0053】
まず、
図5Aに示すように、タッチパネル52には、端末制御部42の表示制御によってロック画面が表示される。本例では、タッチパネル52の画面ロックにパターンロックが用いられている。パターンロックとは、タッチパネルの表示領域を図中二点鎖線で示されるように複数の区画に分割し、そのうち複数の区画を順に繋ぐスワイプ操作を認証に利用するロック方法である。画面ロックを解除するためのスワイプ操作のパターンが利用者によって端末制御部42に予め登録されており、端末制御部42は、タッチパネル52に対するスワイプ操作(画面ロック解除操作)が端末制御部42に予め登録されているパターンと一致する場合に、タッチパネル52の画面ロックを解除する。
【0054】
画面ロックが解除された後、
図5Bに示すように、タッチパネル52には、端末制御部42の表示制御によって始動アイコンI1が表示される。端末制御部42は、始動アイコンI1のタッチ操作を受け付けることにより、車両Vの駆動系の始動指示を車載装置2に送信する。車載装置2では、始動指示を受信した車載制御部14によって車両Vの駆動系が始動される(
図4のステップS4参照)。
【0055】
始動アイコンI1のタッチ操作が端末制御部42によって受け付けられた後、
図5Cに示すように、タッチパネル52には、端末制御部42の表示制御によって前進階層アイコンI2及び後進階層アイコンI3が表示される。
【0056】
そして、前進階層アイコンI2のタッチ操作が端末制御部42によって受け付けられた場合に、
図5Dに示すように、タッチパネル52には、端末制御部42の表示制御によって前進アイコンI4及び前進開扉アイコンI5が表示される。端末制御部42は、前進アイコンI4のタッチ操作を受け付けることにより、車両Vの前進指示を車載装置2に送信し、前進開扉アイコンI5のタッチ操作を受け付けることにより、車両Vの前進開扉指示を車載装置2に送信する。車載装置2では、前進指示を受信した車載制御部14によって車両Vが前進され(
図4のステップS6a参照)、前進開扉指示を受信した車載制御部14によって車両Vが前進され、さらに前進後に運転席ドアが開扉される(
図4のステップS7a及びステップS8a参照)。
【0057】
また、後進階層アイコンI3のタッチ操作が端末制御部42によって受け付けられた場合に、
図5Eに示すように、タッチパネル52には、端末制御部42の表示制御によって後進アイコンI6及び後進開扉アイコンI7が表示される。そして、端末制御部42は、後進アイコンI6のタッチ操作を受け付けることにより、車両Vの後進指示を車載装置2に送信し、後進開扉アイコンI7のタッチ操作を受け付けることにより、車両Vの後進開扉指示を車載装置2に送信する。車載装置2では、後進指示を受信した車載制御部14によって車両Vが後進され(
図4のステップS9a参照)、後進開扉指示を受信した車載制御部14によって車両Vが後進され、さらに後進後に運転席ドアが開扉される(
図4のステップS10a及びステップS11a参照)。
【0058】
携帯端末3の上述した動作は、端末制御部42が所定のアプリケーションプログラムに従って動作することによって実現され、携帯端末3は、例えば無線通信部及びタッチパネルを備える公知のスマートフォンやタブレット端末に所定のアプリケーションプログラムがインストールされることによって構成される。アプリケーションプログラムは、当該プログラムをコンピュータが読取可能な一時的でない(non−transitory)記録媒体に記録されて提供可能であり、このような「コンピュータ読取可能な記録媒体」は、たとえば、CD−ROM(Compact Disc−ROM)等の光学媒体や、メモリカード等の磁気記録媒体等を含む。また、アプリケーションプログラムは、ネットワークを介したダウンロードによっても提供可能である。
【0059】
なお、携帯端末3の上述した動作は一例であり、適宜変更可能である。例えば、始動アイコンI1の表示及び始動アイコンI1のタッチ操作に基づく始動指示の送信が省略され、前進アイコンI4若しくは前進開扉アイコンI5又は後進アイコンI6若しくは後進開扉アイコンI7のタッチ操作に基づいて始動指示が送信されてもよい。さらに、前進開扉アイコンI5及び後進開扉アイコンI7のみとされ、タッチパネル52の画面ロック解除後、直ちに前進開扉アイコンI5及び後進開扉アイコンI7がタッチパネル52に表示されてもよい。また、車両Vの停止を指示するための停止アイコンがタッチパネル52に表示されてもよい。
【0060】
以上説明した車両エントリーシステム1によれば、例えば乗車に十分な開度で車両ドアを開扉した場合に隣り合う他車両に車両ドアが衝突してしまうような狭小なスペースに駐車されている車両Vを、携帯端末3による遠隔操作で、運転席ドアが開扉可能となる位置まで移動させることができ、移動後に必要に応じて運転席ドアを自動的に開扉させることができるので、乗車の際の利用者の利便性を高めることができる。
【0061】
さらに、本例では、着座検出部13によって運転席への利用者の着座を検出することにより、利用者が運転席に着座した後に運転席ドアを自動的に閉扉させることができるので、乗車の際の利用者の利便性を一層高めることができる。
【0062】
なお、ドア開閉部12によって開閉されるドアとして、運転席ドアに加えて助手席ドアを含んでもよい。助手席ドアを含む場合に、前進開扉アイコンI5又は後進開扉アイコンI7のタッチ操作に基づいて運転席ドア及び助手席ドアの両方のドアが開扉されてもよいし、例えば前進開扉アイコンI5又は後進開扉アイコンI7のタッチ操作の後、さらに開扉されるドアを選択するためのアイコンがタッチパネル52に表示され、このアイコンのタッチ操作に基づいて開扉されるドアが選択されてもよい。
【0063】
図6及び
図7は、携帯端末3の変形例を示す。
【0064】
携帯端末3は、無線通信部及びタッチパネルを備える公知のスマートフォンやタブレット端末に所定のアプリケーションプログラムがインストールされることによって構成されてもよいが、専用端末として構成されてもよく、専用端末として構成される場合に車両に特有の要素が付帯されてもよい。
図6及び
図7に示す例では、携帯端末3は、操作キー43及びキー保持部44をさらに備え、また、施錠ボタン53及び解錠ボタン54が操作部41に設けられている。
【0065】
操作キー43は、車両ドアに設けられるキーシリンダを手動操作するためのものであって、ドア開閉部12のロック装置20(
図1参照)に含まれる施解錠機構を手動操作によってロック状態とアンロック状態とに切り替えるためのものである。キー保持部44は操作キー43を分離可能に保持するものであって、ソレノイドロック等の電気錠によって構成されている。
【0066】
キー保持部44による操作キー43の保持及び保持の解除は端末制御部42によって制御されており、
図5Aに示したロック画面がタッチパネル52に表示されている状態で、タッチパネル52に対するスワイプ操作(画面ロック解除操作)が端末制御部42に予め登録されているパターンと一致する場合に、端末制御部42は、タッチパネル52の画面ロックを解除し、併せてキー保持部44による操作キー43の保持を解除する。
【0067】
施錠ボタン53及び解錠ボタン54は、タッチパネル52の外側に設けられた操作ボタンであって、押下式のスイッチ等によって構成されている。施錠ボタン53及び解錠ボタン54の操作は、タッチパネル52の画面ロックが解除された状態で、端末制御部42によって受け付けられる。そして、端末制御部42は、施錠ボタン53の操作を受け付けた場合に車両ドアのロック指示を車載装置2に送信し、解錠ボタン54の操作を受け付けた場合に車両ドアのロック解除指示を車載装置2に送信する。
【0068】
車載装置2では、ロック指示又はロック解除指示を受信した車載制御部14によって施解錠機構のモータ32(
図1参照)が駆動され、ロック指示に対して施解錠機構がロック状態とされ、これにより車両ドアがロックされ、また、ロック解除指示に対して施解錠機構がアンロック状態とされ、これにより車両ドアのロックが解除される。
【0069】
なお、前進開扉アイコンI5又は後進開扉アイコンI7のタッチ操作に基づいて車両ドアが開扉される際に、ドア開閉部12では、施解錠機構がロック状態であっても、噛合解除機構のモータ33(
図1参照)によってラチェットが噛合位置から噛合解除位置に移動されるが、好ましくは、前進開扉アイコンI5又は後進開扉アイコンI7のタッチ操作に基づき、解錠ボタン54の操作にかかわらずロック解除指示が車載装置2に送信され、施解錠機構がアンロック状態に切り替えられる。
【0070】
図8は、本発明の実施形態を説明するための、車両エントリーシステムの他の例を示す。なお、上述した車両エントリーシステム1と共通する要素には、共通の符号を付することにより、説明を省略する。
【0071】
図8に示す車両エントリーシステム101の車載装置102は、車両Vの周囲を撮像する撮像部15をさらに備える。なお、以下では、ドア開閉部12によって施解錠及び開閉される車両ドアは運転席ドアのみであるものとして説明する。
【0072】
撮像部15は、一つ又は複数のカメラを含み、車両Vの前方及び後方並びに運転席側の車側を含む車両Vの周囲を撮像可能に構成されている。カメラの数及び設置箇所は特に限定されないが、例えば車両Vのフロントグリル、リアフレーム、運転席側のピラーにそれぞれ設置される。
【0073】
車載制御部14は、撮像部15によって撮像される撮像画像から車両Vの周囲に存在する障害物を検出し、携帯端末3から受信した指示及び障害物の検出結果に基づいて、ドア開閉部12及び車両Vの駆動系を制御する。
【0074】
図9から
図12は、車載装置102の車載制御部14によって実行される処理を示す。
【0075】
まず、車載制御部14は、携帯端末3を認証する(ステップS1)。携帯端末3の認証に成功した車載制御部14は(ステップS2−Yes)、指示情報としての車両Vの駆動系の始動指示を受信すると(ステップS3−Yes)、車両Vの駆動系電子制御部10の機能を利用して車両Vの駆動系を始動させる(ステップS4)。
【0076】
続いて、車載制御部14は、指示情報としての車両Vの前進指示若しくは前進開扉指示又は後進指示若しくは後進開扉指示のいずれかの指示を受信すると(ステップS5)、受信した指示に応じ、車両Vの駆動系電子制御部10の機能を利用して車両Vを前進又は後進させ、必要に応じてドア開閉部12を制御して運転席ドアを開扉させる。
【0077】
前進指示を受信した場合に(ステップS5−1)、車載制御部14は、運転席ドアが開扉可能となる位置まで車両Vを前進させる(ステップS6b)。このとき、車載制御部14は、撮像部15によって撮像される撮像画像から車両Vの前方の障害物を検出し、障害物がない場合(ステップS20−Yes)に車両を前進させる(ステップS21)。一方、障害物がある場合(ステップS20−No)には車両を停止させ(ステップS22)、処理を終了する。
【0078】
また、前進開扉指示を受信した場合には(ステップS5−2)、まず、車載制御部14は、運転席ドアが開扉可能となる位置まで車両Vを前進させる(ステップS7b)。このとき、車載制御部14は、撮像部15によって撮像される撮像画像から車両Vの前方の障害物を検出し、障害物がない場合(ステップS20−Yes)に車両を前進させる(ステップS21)。一方、障害物がある場合(ステップS20−No)には車両を停止させ(ステップS22)、処理を終了する。
【0079】
そして、運転席ドアが開扉可能となる位置まで車両Vが前進した後に運転席ドアを開扉させる(ステップS8b)。このとき、車載制御部14は、撮像部15によって撮像される撮像画像から車両Vの運転席側の車側の障害物を検出し(ステップS23)、障害物がない場合(ステップS23−Yes)に運転席ドアを開扉させる(ステップS24)。一方、障害物がある場合(ステップS23−No)には運転席ドアを停止させ(ステップS25)、処理を終了する。
【0080】
後進指示を受信した場合には(ステップS5−3)、車載制御部14は、運転席ドアが開扉可能となる位置まで車両Vを後進させる(ステップS9b)。このとき、車載制御部14は、撮像部15によって撮像される撮像画像から車両Vの後方の障害物を検出し、障害物がない場合(ステップS26−Yes)に車両を後進させる(ステップS27)。一方、障害物がある場合(ステップS26−No)には車両を停止させ(ステップS28)、処理を終了する。
【0081】
また、後進開扉指示を受信した場合には(ステップS5−4)、まず、車載制御部14は、運転席ドアが開扉可能となる位置まで車両Vを後進させる(ステップS10b)。このとき、車載制御部14は、撮像部15によって撮像される撮像画像から車両Vの後方の障害物を検出し、障害物がない場合(ステップS26−Yes)に車両を後進させる(ステップS27)。一方、障害物がある場合(ステップS26−No)には車両を停止させ(ステップS28)、処理を終了する。
【0082】
そして、運転席ドアが開扉可能となる位置まで車両Vが後進した後に運転席ドアを開扉させる(ステップS11b)。このとき、車載制御部14は、撮像部15によって撮像される撮像画像から車両Vの運転席側の車側の障害物を検出し(ステップS22)、障害物がない場合(ステップS23−Yes)に運転席ドアを開扉させる(ステップS24)。一方、障害物がある場合(ステップS23−No)には運転席ドアを停止させ(ステップS25)、処理を終了する。
【0083】
なお、運転席側の車側に障害物がある場合に、ステップS25において、運転席ドアは反転閉扉されてもよい。
【0084】
以上説明した車両エントリーシステム101によれば、車両エントリーシステム1と同様に乗車の際の利用者の利便性を高めることができ、さらに、車両Vの進行方向に障害物が存在する場合に車両Vを自動的に停止させることができ、また、運転席ドアの開扉軌道上に障害物が存在する場合に運転席ドアを停止又は反転閉扉させることができるので、車両Vと障害物との接触を回避して障害物との接触による車両Vの損傷を防止することができる。