【実施例】
【0037】
以下に詳述するように、銀微粒子を調製した後、この銀微粒子を用いて導電性ペーストを作成した。
【0038】
〔実施例1〕
<銀微粒子の調製>
・工程1a
2Lビーカーに、粉末状酸化銀(東洋化学工業製 酸化銀特級、粒度分布30μm以下、平均粒径6μm)を54.25g、メチルシクロヘキサン(沸点101℃の非極性炭化水素溶媒)を225g加えて撹拌した後、30秒間かけてギ酸を22.8g加えて撹拌した。
【0039】
・工程1b
ギ酸銀生成による発熱がおさまり、液温が30℃になった時点で、オレイルアミン(1級アミン、分子量267.49)4.35g、ジブチルアミン(2級アミン、分子量129.24)64g、メチルシクロヘキサン40gを同時に加えて分解的還元反応を行った。液温は58℃まで上昇した。液温が40℃以下になった時点で撹拌を停止した。
【0040】
・工程1c
得られた濃紺色の分散液を1Lナス型フラスコに移し、エバポレーター(商品名:N−1100S、東京理科器械製)を用いて、40℃、50hPaの条件で、反応溶媒のメチルシクロヘキサンを留去した。銀微粒子を含有する、スラリー状の残渣を得た。
【0041】
・工程1d
脱メチルシクロヘキサン後の残渣にメタノールを200g加えた後3分間撹拌を行った。メタノールを加えると銀微粒子の凝集が起こり、1級アミンと2級アミンを被覆してなる銀微粒子はメタノール中に分散することなく、沈殿した。余剰のギ酸やアミン、またはそれらを含有する塩などの成分の相当量は、メタノールに溶解される。その後、上澄み層をデカンテーションにより除去した(1回目の洗浄)。次いで同様にメタノール125gを加え3分間撹拌を行い、上澄み層をデカンテーションにより除去した(2回目の洗浄)。さらに同様にメタノールを10g加え3分間撹拌し、上澄み層をデカンテーションにより除去し(3回目の洗浄)、洗浄工程を終了した。
【0042】
・工程1e
工程1dから得られたメタノールで洗浄した残渣にメタノール125g、リシノール酸(極性溶媒に対して親和性を有する保護剤すなわち被覆剤として使用される有機酸)3.0gを加えて40℃で15分撹拌を行った。この段階で、銀微粒子はメタノールに完全には分散しておらず、メタノール中で沈殿している。メタノールをデカンテーションにより除去した後、メタノール75gを加えて3分間撹拌することで洗浄を行い、メタノールをデカンテーションにより除去した。得られた残渣にメタノール25gとマレイン酸モノエチル(極性溶媒に対して親和性を有する保護剤すなわち被覆剤として使用される有機酸)5gを加えて40℃で15分撹拌した。
【0043】
・工程1f
得られた銀微粒子とメタノールとの混合物にヘキサンを100g加えて3分間撹拌した。この微粒子は極性溶媒に対して親和性を有するため、炭化水素溶媒であるヘキサンを加えることで凝集し沈殿する。メタノールとヘキサンの混合層をデカンテーションで除去することで微粒子の洗浄を行った(1回目の洗浄)。メタノールとヘキサンの混合層をデカンテーションにより除去した後、ヘキサン100gを加えて3分間撹拌し、ヘキサンをデカンテーションにより除去することで微粒子の洗浄を行った(2回目の洗浄)。得られた残渣にアセトン100gを加えて3分間撹拌し、アセトンをデカンテーションにより除去した(3回目の洗浄)。得られた残渣にヘキサン50gを加えて3分間撹拌し、ヘキサンをデカンテーションにより除去すること(4回目の洗浄)で洗浄を終了した。洗浄後の残渣から洗浄溶剤を除いたもの(銀微粒子+被覆剤)の一部を熱分析したところ、銀微粒子と被覆剤の合計に対する銀微粒子の割合は93.0質量%であった。
【0044】
・工程1g
得られた銀微粒子(工程1fから得られた残渣)にイソプロパノール(IPA)を125g加えて、IPA分散液(被覆剤で被覆された銀微粒子がIPAに分散した分散液)を得た。このIPA分散液中には洗浄工程で用いた若干のメタノール、ヘキサン、アセトンが混入している。エバポレーターを用いて40℃、120hPaの条件でそれらの溶媒を蒸気圧の差を用いて選択的に除去した。IPA分散液を0.5μmのガラスフィルター(アドバンテック製)で濾過し、分散液中に少量含まれる凝集物を除去した。IPA分散液(175.1g)中に含まれる銀濃度(分散液全体に対する銀微粒子の質量割合)を測定すると、27.4質量%(銀収率:95質量%)であった。
【0045】
・工程1h
得られた銀微粒子のIPA分散液(工程1gから得られた分散液)175.1gのうち、73gを300mlのナスフラスコに取り、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(KHネオケム製)を5.0g加えて、エバポレーターを用いて60℃、30hPaの条件でIPAを除去した。これにより、銀微粒子のジエチレングリコールモノブチルエーテル分散液(25.0g)が得られ、銀濃度を測定すると80.0質量%であった。銀微粒子の平均粒径は15nmであった。
【0046】
<導電性ペーストの作成>
・工程1i
工程1hで得られた銀微粒子分散液25.0gのうち、11.63g(導電性ペーストに含まれる銀微粒子および被覆剤と、導電性ペーストに含まれる溶剤の一部との合計量に相当する)をポリプロピレン製の容器に取った。そこにジエチレングリコールモノブチルエーテル(KHネオケム製)を4.67g(工程1hで得られた銀微粒子分散液には溶剤が1.63g含まれているので、導電性ペーストに含まれる全溶剤量より1.63g少ない量)加え、撹拌脱泡装置(クラボウ社製、商品名:KK−V300、自転:720rpm、公転:935rpm)にて30秒間混合した。そこに、球状銀粉(DOWAエレクトロニクス株式会社製、商品名:Ag−2−1C、平均粒径1.0μm)、フレーク状銀粉:(徳力本店製、商品名:TC−506C、平均粒径3.6μm)をそれぞれ41.85gずつ加え、撹拌脱泡装置にて60秒間混合し、導電性銀ペーストを得た。得られた導電性銀ペーストの銀濃度を測定すると93.2質量%であった。
【0047】
銀微粒子の平均粒径は、動的光散乱法を用いたナノトラック粒度分析計(日機装製、商品名:UPA−EX 1.50)により測定した。
【0048】
<導電性ペーストの評価>
上記導電性ペーストについて、次の評価を行った。
【0049】
・ボイドの評価
導電性ペースト100mgを銀めっき銅基板にディスペンス印刷し、ペースト膜厚が100μmとなるようにシリコンチップ(金めっき付き、10mm□)を搭載した。その後、焼成炉(エスペック製、商品名:PHH−101M)を用いて下記の温度条件で焼成を行った。
【0050】
温度条件:
室温から昇温速度10℃/分で120℃に昇温し、120℃で30分保持し、次いで昇温速度10℃/分で250℃に昇温し、250℃で60分保持。
【0051】
焼成した10mm□チップの接合サンプルは、中心部分を切断・研磨したのちに、SEM(日立ハイテクノロジーズ製、商品名:S3400N型走査電子顕微鏡)を用いてボイドを評価した。
【0052】
接合サンプルの切断面に観察されたボイドのうち、最も大きいボイドの長軸方向の長さをボイドの大きさ(μm)として表1に示す。最も大きいボイドの長軸方向の長さが20μm未満である場合、表1のボイドの大きさの欄に「−」と示した。
【0053】
・粘度測定
E型粘度計(東機産業製、商品名:TV−25)を用いて回転数10rpm、20℃にて粘度を測定した。
【0054】
表1に、これらの評価結果を、導電性ペーストの製造条件とともに示す。
【0055】
以下実施例2〜10について説明するが、これらの例では被覆剤の量を変化させている。表1に実施例2〜10の導電性ペーストの製造条件と評価結果も示す。
【0056】
〔実施例2〕
工程1iにおいて、配合するジエチレングリコールモノブチルエーテルの量を3.99gに変更したこと、およびジエチレングリコールモノブチルエーテル添加に続いて、さらにリシノール酸0.34g、マレイン酸モノエチル0.34gを配合したうえで撹拌脱泡装置で混合したこと以外は実施例1と同様にして、導電性銀ペーストを製造し、評価した。
【0057】
〔実施例3〕
工程1iにおいて、配合するジエチレングリコールモノブチルエーテルの量を4.10gに変更したこと、およびジエチレングリコールモノブチルエーテル添加に続いて、さらにリシノール酸0.285g、マレイン酸モノエチル0.285gを配合したうえで撹拌脱泡装置で混合したこと以外は実施例1と同様にして、導電性銀ペーストを製造し、評価した。
【0058】
〔実施例4〕
工程1iにおいて、配合するジエチレングリコールモノブチルエーテルの量を4.22gに変更したこと、およびジエチレングリコールモノブチルエーテル添加に続いて、さらにリシノール酸0.225g、マレイン酸モノエチル0.225gを配合したうえで撹拌脱泡装置で混合したこと以外は実施例1と同様にして、導電性銀ペーストを製造し、評価した。
【0059】
〔実施例5〕
工程1iにおいて、配合するジエチレングリコールモノブチルエーテルの量を4.34gに変更したこと、およびジエチレングリコールモノブチルエーテル添加に続いて、さらにリシノール酸0.165g、マレイン酸モノエチル0.165gを配合したうえで撹拌脱泡装置で混合したこと以外は実施例1と同様にして、導電性銀ペーストを製造し、評価した。
【0060】
〔実施例6〕
工程1iにおいて、配合するジエチレングリコールモノブチルエーテルの量を4.45gに変更したこと、およびジエチレングリコールモノブチルエーテル添加に続いて、さらにリシノール酸0.11g、マレイン酸モノエチル0.11gを配合したうえで撹拌脱泡装置で混合したこと以外は実施例1と同様にして、導電性銀ペーストを製造し、評価した。
【0061】
〔実施例7〕
工程1iにおいて、配合するジエチレングリコールモノブチルエーテルの量を4.56gに変更したこと、およびジエチレングリコールモノブチルエーテル添加に続いて、さらにリシノール酸0.055g、マレイン酸モノエチル0.055gを配合したうえで撹拌脱泡装置で混合したこと以外は実施例1と同様にして、導電性銀ペーストを製造し、評価した。
【0062】
〔実施例8〕
本例では、以下に述べる点以外は実施例1と同様にして、導電性銀ペーストを製造し、評価した。
【0063】
・工程1fの変更
工程1fの4回目の洗浄で得られた残渣に、さらにアセトン100gを加えて3分間撹拌し、アセトンをデカンテーションにより除去した(5回目の洗浄)。得られた残渣にヘキサン50gを加えて3分間撹拌し、ヘキサンをデカンテーションにより除去すること(6回目の洗浄)で洗浄を終了した。洗浄後の残渣から洗浄溶剤を除いたもの(銀微粒子+被覆剤)を熱分析したところ、銀微粒子と被覆剤の合計に対する銀微粒子の割合は96.0質量%であった。
【0064】
・工程1iの変更
工程1iにおいて、配合するジエチレングリコールモノブチルエーテルの量を4.45gに変更し、また、エチレングリコールモノブチルエーテル添加に続いて、さらにリシノール酸0.11g、マレイン酸モノエチル0.11gを配合したうえで撹拌脱泡装置で混合した。
【0065】
なお、工程1gで得られたIPA分散液(175.1g)中に含まれる銀濃度(分散液全体に対する銀微粒子の質量割合)を測定すると、27.4質量%(銀収率:95質量%)であった。また、工程1gで得られた銀微粒子分散液からIPAを除去し、銀微粒子を得た。これを熱分析した結果、銀微粒子(被覆剤込み)中の銀固形分の割合(銀微粒子と被覆剤の合計量に対する銀微粒子の割合)は96.0質量%であった。
【0066】
また、工程1hで得られた銀微粒子のジエチレングリコールモノブチルエーテル分散液(25.0g)中の銀濃度を測定すると80.0質量%であった。銀微粒子の平均粒径は15nmであった。
【0067】
〔実施例9〕
工程1hまで実施例8と同様にして銀微粒子のジエチレングリコールモノブチルエーテル分散液(25.0g)を得たこと、工程1iにおいて、配合するジエチレングリコールモノブチルエーテルの量を4.56gに変更したこと、および工程1iで、ジエチレングリコールモノブチルエーテル添加に続いて、さらにリシノール酸0.055g、マレイン酸モノエチル0.055gを配合したうえで撹拌脱泡装置で混合したこと以外は実施例1と同様にして、導電性銀ペーストを製造し、評価した。
【0068】
〔実施例10〕
工程1hまで実施例8と同様にして銀微粒子のジエチレングリコールモノブチルエーテル分散液(25.0g)を得たこと、および工程1iにおいて、配合するジエチレングリコールモノブチルエーテルの量を4.67gに変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性銀ペーストを製造し、評価した。
【0069】
以下実施例11〜16について説明するが、これらの例では球状銀粉とフレーク状銀粉の比を変化させている。表2に、これら実施例の導電性ペーストの製造条件と評価結果を示し、また便宜上実施例1のデータも再掲した。
【0070】
〔実施例11〕
工程1iで配合する球状銀粉の量を83.70g、フレーク状銀粉を未配合とした以外は実施例1と同様にして同様にして、導電性銀ペーストを製造し、評価した。
【0071】
〔実施例12〕
工程1iで配合する球状銀粉を79.52gとし、フレーク状銀粉を4.19gとした以外は実施例1と同様にして、導電性銀ペーストを製造し、評価した。
【0072】
〔実施例13〕
工程1iで配合する球状銀粉を75.33gとし、フレーク状銀粉を8.37gとした以外は実施例1と同様にして、導電性銀ペーストを製造し、評価した。
【0073】
〔実施例14〕
工程1iで配合する球状銀粉を16.74gとし、フレーク状銀粉を66.96gとした以外は実施例1と同様にして、導電性銀ペーストを製造し、評価した。
【0074】
〔実施例15〕
工程1iで配合する球状銀粉を12.56gとし、フレーク状銀粉を71.14gとした以外は実施例1と同様にして、導電性銀ペーストを製造し、評価した。
【0075】
〔実施例16〕
工程1iで配合する球状銀粉を8.37gとし、フレーク状銀粉を75.33gとした以外は実施例1と同様にして、導電性銀ペーストを製造し、評価した。
【0076】
以下、実施例17〜22について説明するが、これらの例では金属成分の量を変化させている。表3に、これらの例の導電性ペーストの製造条件と評価結果を示し、また便宜上実施例7のデータを再掲した。
【0077】
〔実施例17〕
本例では、以下に述べる点以外は実施例1と同様にして、導電性銀ペーストを製造し、評価した。
【0078】
・工程1hの変更
工程1hにおいて、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(KHネオケム製)の添加量を2.0gに変更したこと以外は、実施例1の工程1hと同様にしてIPAを除去した。その結果、銀微粒子のジエチレングリコールモノブチルエーテル分散液(23.5g)が得られ、銀濃度を測定すると85.0質量%であった。銀微粒子の平均粒径は15nmであった。
【0079】
・工程1iの変更
上記で得られた銀微粒子のジエチレングリコールモノブチルエーテル分散液のうち、11.53gをポリプロピレン容器に取り分け、そこにジエチレングリコールモノブチルエーテル(KHネオケム製)0.26g、リシノール酸0.02g、マレイン酸モノエチル0.02gを配合した後、実施例1の工程1iと同様に撹拌脱泡装置で混合した。さらに、球状銀粉の添加量を44.1gとし、フレーク状銀粉の添加量を44.1gとした。
【0080】
〔実施例18〕
本例では、以下に述べる点以外は実施例1と同様にして、導電性銀ペーストを製造し、評価した。
【0081】
・工程1iの変更
工程1hで得られた銀微粒子のジエチレングリコールモノブチルエーテル分散液から12.125gをポリプロピレン容器に取り分け、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(KHネオケム製)を0.545g、リシノール酸0.015g、マレイン酸モノエチル0.015gを配合した後、実施例1の工程1iと同様に撹拌脱泡装置で混合した。さらに、球状銀粉の添加量を43.65gとし、フレーク状銀粉の添加量を43.65gとした。
【0082】
〔実施例19〕
本例では、以下に述べる点以外は実施例1と同様にして、導電性銀ペーストを製造し、評価した。
【0083】
・工程1iの変更
工程1hで得られた銀微粒子のジエチレングリコールモノブチルエーテル分散液から11.25gをポリプロピレン容器に取り分け、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(KHネオケム製)を7.64g、リシノール酸0.055g、マレイン酸モノエチル0.055gを配合した後、実施例1の工程1iと同様に撹拌脱泡装置で混合した。さらに、球状銀粉の添加量を40.50gとし、フレーク状銀粉の添加量を40.50gとした。
【0084】
〔実施例20〕
本例では、以下に述べる点以外は実施例1と同様にして、導電性銀ペーストを製造し、評価した。
【0085】
・工程1iの変更
工程1hで得られた銀微粒子のジエチレングリコールモノブチルエーテル分散液から11.25gをポリプロピレン容器に取り分け、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(KHネオケム製)を8.67g、リシノール酸0.055g、マレイン酸モノエチル0.055gを配合した後、実施例1の工程1iと同様に撹拌脱泡装置で混合した。さらに、球状銀粉の添加量を40.05gとし、フレーク状銀粉の添加量を40.05gとした。
【0086】
〔実施例21〕
本例では、以下に述べる点以外は実施例1と同様にして、導電性銀ペーストを製造し、評価した。
【0087】
・工程1iの変更
工程1hで得られた銀微粒子のジエチレングリコールモノブチルエーテル分散液から12.13gをポリプロピレン容器に取り分け、ジエチレングリコールモノブチルエーテルを9.69g、リシノール酸0.055g、マレイン酸モノエチル0.055gを配合した後、実施例1の工程1iと同様に撹拌脱泡装置で混合した。さらに、球状銀粉の添加量を39.60gとし、フレーク状銀粉の添加量を39.60gとした。
【0088】
〔実施例22〕
本例では、以下に述べる点以外は実施例1と同様にして、導電性銀ペーストを製造し、評価した。
【0089】
・工程1iの変更
工程1hで得られた銀微粒子のジエチレングリコールモノブチルエーテル分散液から12.13gをポリプロピレン容器に取り分け、ジエチレングリコールモノブチルエーテルを10.72g、リシノール酸0.055g、マレイン酸モノエチル0.055gを配合した後、実施例1の工程1iと同様に撹拌脱泡装置で混合した。さらに、球状銀粉の添加量を39.15gとし、フレーク状銀粉の添加量を39.15gとした。
【0090】
以下実施例23について説明するが、この例では溶剤の種類を変更した。
【0091】
〔実施例23〕
工程1hおよび1iで使用した溶剤の種類をジエチレングリコールモノブチルエーテルから2−エチル−1,3−ヘキサンジオールに変更した以外は実施例1と同様にして、導電性銀ペーストを製造し、評価した。
【0092】
表4に、この例の導電性ペーストの製造条件と評価結果を示す。なお、便宜上、実施例1に係るデータを表4に再掲した。
【0093】
以下実施例24および25について説明するが、これらの例では被覆剤としてリシノール酸およびマレイン酸モノエチルのいずれか一方のみを用いている。
【0094】
〔実施例24〕
本例では被覆剤としてリシノール酸のみを用いた。具体的には、次の点を除き、実施例1と同様にして、導電性銀ペーストを製造し、評価した。
【0095】
・工程1eにおいて、マレイン酸モノエチル5gに替えて、リシノール酸5gを使用した。
【0096】
・工程1g、1hおよび1iに替えて、以下の操作を行った。
工程1fから得られた銀微粒子(残渣)中の溶媒を、エバポレーターを用いて40℃、120hPaの条件で除去し、ペースト状の銀微粒子を得た(53.30g)。その中に含まれる銀濃度を測定すると、90.0質量%(銀収率:95質量%)であった。銀微粒子の平均粒径は15nmであった。
【0097】
得られた銀微粒子53.30gのうち、10.33g(導電性ペーストに含まれる銀微粒子と被覆剤との合計量に相当)をポリプロピレン製の容器に取り、そこにジエチレングリコールモノブチルエーテル(KHネオケム製)を5.97g加え、撹拌脱泡装置(クラボウ社製、商品名:KK−V300、自転:720rpm、公転:935rpm)にて30秒間混合した。そこに、実施例1と同じ球状銀粉およびフレーク状銀粉をそれぞれ41.85gずつ加え、撹拌脱泡装置にて60秒間混合し、導電性銀ペーストを得た。得られた導電性銀ペーストの銀濃度を測定すると93.1質量%であった。
【0098】
この例の製造条件および評価結果を表5に示す。表5には、実施例25の導電性ペーストの製造条件と評価結果も示す。
【0099】
〔実施例25〕
実施例26では被覆剤としてマレイン酸モノエチルのみを用いた。具体的には、次の点を除き、実施例1と同様にして、導電性銀ペーストを製造し、評価した。
【0100】
・工程1eにおいて、リシノール酸3gに替えて、マレイン酸モノエチル3gを使用した。
【0101】
・工程1g、1hおよび1iに替えて、以下の操作を行った。
得られた銀微粒子液中の溶媒をエバポレーターを用いて40℃、120hPaの条件で除去し、ペースト状の銀微粒子を得た(58.51g)。中に含まれる銀濃度を測定すると、82.0質量%(銀収率:95質量%)であった。銀微粒子の平均粒径は16nmであった。
【0102】
得られた銀微粒子58.51gのうち、11.34g(導電性ペーストに含まれる銀微粒子と被覆剤との合計量に相当)をポリプロピレン製の容器に取り、そこにジエチレングリコールモノブチルエーテル(KHネオケム製)を4.96g加え、撹拌脱泡装置(クラボウ社製、商品名:KK−V300、自転:720rpm、公転:935rpm)にて30秒間混合した。そこに、実施例1と同じ球状銀粉およびフレーク状銀粉をそれぞれ41.85gずつ加え、撹拌脱泡装置にて60秒間混合し、導電性銀ペーストを得た。得られた導電性銀ペーストの銀濃度を測定すると93.0質量%であった。
【0103】
〔比較例1〕
<銀微粒子の調製>
・工程2a
1000mlビーカーに粉末状酸化銀(東洋化学工業製 酸化銀特級、粒度分布30μm以下、平均粒径6μm)を54.25g、スワクリーン150(商品名、丸善石油化学製、沸点150℃、非極性炭化水素溶媒)を100.3g、トリブチルアミン76g(KHネオケム製)、NAA−35(商品名、オレイン酸、日油製)4.75gを加え、加熱しながら内温が75℃になるまで1時間撹拌した。内温が75℃に到達後、温度を保持したまま更に1時間撹拌を継続した。
【0104】
・工程2b
1時間撹拌後、ジブチルアミノプロピルアミン(KHネオケム製)5.4gを添加し、更に撹拌を継続した。75℃から内温の上昇が確認されたら加熱を止め、更に撹拌を継続した。オレイン酸銀の分解的還元反応により内温が125℃に到達するのを確認し、さらに撹拌しながら内温が50℃になるまで冷却した。
【0105】
・工程2c
得られた濃紺色の分散液にメタノール180g、水1.8gを添加、撹拌後、上澄み層をデカンテーションにより除去した。2回目は、メタノール180g、3回目は100gをそれぞれ添加し、同様の方法で粒子の洗浄を行い、スラリー状の残渣を得た。得られた残渣にヘプタン80gとジブチルアミノプロピルアミン7.5gを添加し撹拌した。静置後、上部のメタノール層をデカンテーションにより除去した。さらに、メタノール50gを添加、撹拌後上澄み層を除去した。さらに、メタノール50g、蒸留水0.5gを添加、撹拌後、上澄み層を除去した。
【0106】
・工程2d
工程2cから得られたヘプタン分散液を内温が60℃になるまで加熱し、メタノールおよび水を除去した。
【0107】
・工程2e
工程2dで得られたヘプタン分散液を0.2μmのPTFEフィルター(アドバンテック製)で濾過し、分散液中に少量含まれる凝集物を除去した。ヘプタン分散液を一部採取し、ヘプタン除去後、銀微粒子(被覆剤で被覆された銀微粒子)の有機物量を熱分析により測定した結果、有機物量は14.0質量%であった。また、ヘプタン分散液(94.0g)中の銀固形分(金属成分)の割合は52.1質量%であった。
【0108】
・工程2f
得られた銀微粒子のヘプタン分散液(工程2fから得られた分散液)94.0gのうち、50gを300mlのナスフラスコに取り、そこにテトラデカンを6.5g添加し、エバポレーターを用いて60℃30hPaの条件でヘプタンを除去した。これにより、銀微粒子のテトラデカン分散液(32.55g)が得られ、銀濃度を測定すると80.0質量%であった。
【0109】
<導電性ペーストの作成>
・工程2g
工程2fで得られた銀微粒子分散液32.55gのうち、11.61g(導電性ペーストに含まれる銀微粒子および被覆剤と、導電性ペーストに含まれる溶剤の一部との合計量に相当)をポリプロピレン製の容器に取り、そこにテトラデカンを4.69g(工程2fで得られた銀微粒子分散液には溶剤が0.81g含まれているので、導電性ペーストに含まれる全溶剤量より0.81g少ない量)加え、撹拌脱泡装置(クラボウ社製、商品名:KK−V300、自転:720rpm、公転:935rpm)にて30秒間混合した。そこに、実施例1と同じ球状銀粉およびフレーク状銀粉をそれぞれ41.85gずつ加え、撹拌脱泡装置にて60秒間混合し、導電性銀ペーストを得た。得られた導電性銀ペーストの銀濃度を測定すると93.0質量%であった。
【0110】
得られた導電性ペーストにつき、実施例1と同様の評価を行った。この例の製造条件および評価結果を表6に示す。なお表6には比較例2〜4の導電性ペーストの製造条件と評価結果も示す。
【0111】
〔比較例2〕
工程2gにおいて、配合する銀微粒子分散液の量を10.88g、配合するテトラデカン量を10.82gに変更した以外は比較例1と同様にして、導電性銀ペーストを製造し、評価した。
【0112】
〔比較例3〕
工程2gにおいて、配合する球状銀粉を83.7gとし、フレーク状銀粉を未配合とした以外は比較例1と同様にして、導電性銀ペーストを製造し、評価した。
【0113】
〔比較例4〕
工程2gにおいて、配合する銀微粒子分散液の量を10.88g、配合するテトラデカン量を10.82gに変更し、配合する球状銀粉を78.3gとし、フレーク状銀粉を未配合とした以外は比較例1と同様にして、導電性銀ペーストを製造し、評価した。
【0114】
【表1】
【0115】
【表2】
【0116】
【表3】
【0117】
【表4】
【0118】
【表5】
【0119】
【表6】