(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の装置においては、回転ブラシを回転、急停止させるために、モータの駆動力が、真空クラッチブレーキのようなカップリング手段を介して、回転体に断続的に伝達される。
【0005】
ところが、カップリング手段は、クラッチの摩耗による摩耗粉を発生させる。このため、カップリング手段をカバーで覆ってカバー内を吸引排気するといった、摩耗粉の搬送路上の物品への付着を防止する対策を講ずる必要がある。また、カップリング手段を構成するクラッチ、ベアリング、ベルト、回転体及び固定シャフトのような駆動系の部品は定期的に点検及び交換する必要があるため、上記の装置は、点検作業の時間を要し、部品交換の費用が生じる。さらに、カップリング手段はクラッチの切断、接続による大きな動作音を発生させるため、上記の装置を設置した生産ラインでは、搬送路のトラブルによる異音に早期に気付くことが困難である。また、カップリング手段は、一定の回転速度で回転しているモータの駆動力を接続時に回転体に伝達するため、上記の装置においては、回転体の回転速度を調節することが困難である。
このため、カップリング手段を必要としない振分装置の実現が望まれる。
【0006】
そのうえ、上記の装置においては、スタートセンサに加えてスピードディテクトセンサが設けられ、そのスピードディテクトセンサが物品の先端から後端までの通過中に出力する出力信号に基づいて、物品がスタートセンサに検出されてから回転体のセンターに到達するまでのタイミングを決定する時間データが作成される。その結果、物品の搬送速度を反映したタイミングで回転体を回転させるのに複雑なプロセスを必要とする。
このため、物品の搬送速度が、振分装置の回転体を回転させるタイミングに、簡単に反映されることが望まれる。
【0007】
また、一般に、搬送路上では、振り分けられた物品に過不足が生じることがある。2つの搬送路間の物品の過不足は、振分け時の空運転に起因して生じるだけでなく、パレタイザのような下流の設備における物品の搬送パターンに起因して生じることもある。物品の過不足が生じた場合、物品が不足した搬送路上に、人手によって、物品が補充される。
【0008】
さらに、搬送路上の物品は、振分け時に転倒することがある。特に、物品がガラスびんであるときは、転倒したガラスびんに傷が付くだけではなく、転倒したガラスびんが接触した周囲のガラスびんにも傷が付くことがある。このため、搬送路上のガラスびんが転倒すると、転倒したガラスびんだけではなく、その周辺のガラスびんも搬送路上から除去・廃棄される。そして、除去・廃棄したガラスびんの代わりに、新たなガラスびんが、人手によって、搬送路上に補充される。
このため、振り分けられた物品の過不足が自動的に補正されることが望まれる。
【0009】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、カップリング手段を必要としない振分装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の
第1の振分装置は、第1の搬送路上を順次に搬送されてきた物品を前記第1の搬送路の外側へ選択的に移動させる振分装置であって、前記第1の搬送路上から前記物品を選択的に押し出す回転体と、前記回転体を駆動するサーボモータと、前記回転体よりも上流側で、前記第1の搬送路上の物品を検出して検出信号を出力する検出センサと、前記検出信号に基づいて、前記サーボモータを制御する制御部とを備え
、前記回転体は、前記物品を前記第1の搬送路から第2の搬送路へ選択的に押し出し、前記回転体よりも下流側で前記第1及び第2の搬送路にそれぞれ振り分けられた物品間の相対的な過不足数を検出するための監視センサを更に備え、前記制御部は、前記過不足数を補正するように、前記サーボモータを制御することを特徴としている。
また、本発明の第2の振分装置は、第1の搬送路上を順次に搬送されてきた物品を前記第1の搬送路の外側へ選択的に移動させる振分装置であって、前記第1の搬送路上から前記物品を選択的に押し出す回転体と、前記回転体を駆動するサーボモータと、前記回転体よりも上流側で、前記第1の搬送路上の物品を検出して検出信号を出力する検出センサと、前記検出信号に基づいて、前記サーボモータを制御する制御部とを備え、前記回転体は、前記物品を前記第1の搬送路から第2の搬送路へ選択的に押し出し、前記制御部は、前記第1の搬送路に振り分けられた物品が一度に下流工程に送られる第1バッチ処理数と、前記第2の搬送路に振り分けられた物品が一度に下流工程に送られる第2バッチ処理数との合計数の物品を前記第1及び第2の搬送路に交互に振り分けるように、前記サーボモータを制御し、続いて、前記第1及び第2の搬送路のうちのバッチ処理数が多い方の搬送路上へ、前記第1バッチ処理数と前記第2バッチ処理数との差分数だけ物品を振り分けるように、前記サーボモータを補正制御することを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の振分装置によれば、サーボモータによって回転体が駆動されるため、真空クラッチブレーキのようなカップリング手段を必要としない。これにより、クラッチの摩耗による摩耗粉が発生せず、摩耗粉が搬送路周辺の環境を汚染しないため、厳しい品質管理が要求される包装用容器や食品等を清潔に搬送することができる。また、摩耗粉の搬送路上の物品への付着を防止するカバーを設ける必要がないため、コンベヤの美感を確保することができる。また、カップリング手段の点検作業の時間、及び部品交換の費用が省くことができる。さらに、カップリング手段のような大きな動作音を発生しないため、トラブルによる異音に気付くことができる。また、サーボモータは、回転速度が調節できるだけでなく、回転体の高速回転及び急停止をカップリング手段なしで実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1に、本発明の実施形態に係る振分装置のブロック図を示す。
図1に示すように、本振分装置は、振分装置本体1と制御部2とを備えている。振分装置本体1には、搬送路上を順次に搬送されてきた物品を搬送路の外側へ選択的に押し出す回転体としての回転ブラシ11と、回転ブラシ11を駆動するサーボモータ12とが設けられている。
【0014】
本振分装置はまた、搬送路上の物品を検出して検出信号を出力する検出センサ31と、搬送路の移動量に対応する回数のパルス信号を出力するエンコーダ32とを備えている。制御部2は、検出信号が出力されてからパルス信号が所定回数出力されたときに、サーボモータ12に駆動信号を出力する。
【0015】
本振分装置は、振り分けられた物品間の相対的な過不足数を検出するための第1監視センサ33及び第2監視センサ34を更に備えている。制御部2は、過不足数を補正するように、サーボモータを補正制御する。制御部2はまた、渋滞センサ35が搬送路上の物品の渋滞(詰まり)を検知したときには、搬送を停止させる。
【0016】
図2に、振分装置を設置した搬送ラインの全体概略図を示す。
図2に示す搬送ラインは、ガラスびん(びん)bを2つのレーン41及び42に振り分けて、二列供給装置(びんスクレーパ)5に搬送する。二列供給装置5は、所定数のびんを二列ずつパレタイザ6へ送出し、これにより、びんbがパレタイザ6上に効率よく配列される。なお、制御部2は、制御盤20に格納されている。
【0017】
図3に、
図2中の破線Mで囲まれた搬送ラインの要部及び振分装置本体1の上面図を示す。振分装置本体1は、Aレーン41とBレーン42とが並走する区間において、Aレーン41の脇に配置されている。
【0018】
Aレーン41及びBレーン42は、互いに同じ速度で、図面左側から右側へ移動している。Aレーン41上を搬送されてきたびんbは、振分装置本体1の回転ブラシ11によって矢印Yの方向へ選択的に押し出され、Bレーン42に振り分けられる。
図3は、Aレーン41を搬送されてきたびんが、Aレーン41とBレーン42とに交互に振り分けられている様子を示す。
【0019】
検出センサ31は、振分装置本体1の回転ブラシ11よりも上流側に配置されている。検出センサ31は、回帰反射型のセンサであり、Aレーン41を挟んで配置された投受光器31aと反射板31bとから構成されている。投受光器31aから出射した光は、反射板31bで反射され、投受光器31aで受光される。投受光器31aから出射した光がびんbによって遮られたときに、検出センサ31は検出信号を出力する。
【0020】
エンコーダ32は、コンベヤ40(Aレーン41、Bレーン42)に配置されたコンベヤプーリ(図示せず)の回転を検出するため、Bレーン42脇に取り付けられている。コンベヤプーリは、コンベヤ40の500mmの移動量で1回転し、エンコーダ32は、コンベヤプーリ1回転当たり500パルスを出力する。したがって、エンコーダ32の1パルスは、Aレーン41の移動量1mmに相当することになる。
【0021】
なお、エンコーダ32は、Bレーン42側に配置されているが、
図4に示すように、Aレーン41及びBレーン42は、共通のコンベヤ40上をガイド43で仕切っているに過ぎず、並走区間におけるAレーン41の移動量と、Bレーン42の移動量は同一である。したがって、エンコーダ32は、Aレーン41の移動量に応じてパルスを出力することができる。
【0022】
渋滞センサ35は、渋滞を検出するために、振分装置本体1よりも下流にあって、振分装置本体1の近くに配置されている。渋滞センサ35も、検出センサ31と同様に回帰反射型のセンサであり、Aレーン41とBレーン42とを挟んで配置された投受光器35aと反射板35bとから構成されている。渋滞センサ35も、投受光器35aから出射した光がびんによって遮られたときにびんを検出する。そして、びんによる遮光時間が所定時間以上のときに、渋滞を検出することが好ましい。また、びんによる遮光中に、びんの胴径よりも長い搬送距離に相当するエンコーダパルス数が出力された場合に、渋滞を検出するようにしてもよい。
【0023】
また、
図2に示すように、第1監視センサ33及び第2監視センサ34は、振分装置本体1よりも下流で、二列供給装置5の手前に配置されている。第1監視センサ33及び第2監視センサ34も、検出センサ31と同様に、回帰反射型のセンサであり、投受光器から出射した光がびんによって遮られたときにびんを検出する。そして、びんによる遮光時間が所定時間以上のときに、びんの停滞を検出することが好ましい。また、びんによる遮光中に、びんの胴径よりも長い搬送距離に相当するエンコーダパルス数が出力された場合に、びんの停滞を検出するようにしてもよい。
【0024】
振分装置本体1の上面図を示した
図3に加え、
図4に、振分装置本体1の側面図を示す。振分装置本体1は、ブラケット19によりコンベヤ40に取り付けられている。回転ブラシ11は、軸受けフランジ13によって回転自在に支持され、サーボモータ12は、モータベース18に固定されている。回転ブラシ11の回転軸に固定されたブラシ側プーリ14と、サーボモータ12の回転軸に固定されたモータ側プーリ17との間には、タイミングベルト16が掛け渡されている。タイミングベルト16には、テンションプーリ15により張力が掛けられている。これにより、サーボモータ12の回転がタイミングベルト16を介して回転ブラシ11に伝達される。
【0025】
サーボモータ12は、回転速度及び回転角度を検出してフィードバックするクローズドループ方式で制御されるため、回転ブラシ11を回転、急停止させることができる。サーボモータ12はまた、回転ブラシ11の回転速度を、振り分けられる物品に合わせて調節でき、かつ、回転ブラシ11を、正確な回転角度で停止させることができる。
【0026】
図4に示すように、回転ブラシ11の円周上には、回転方向に次第に長くなるブラシが植設されている。回転ブラシ11は、ブラシの毛足の長い側をAレーン41の反対側に向けた回転角度で停止している。そして、サーボモータ12により、高速で1回転し、再び同じ回転角度で停止する。
【0027】
サーボモータ12は、真空クラッチブレーキのようなカップリング手段を必要としないため、本振分装置においては、クラッチ摩耗による摩耗粉が発生しない。また、本振分装置では、カップリング手段の点検作業の時間、及び部品交換の費用が省くことができる。さらに、カップリング手段のような大きな動作音を発生しないため、トラブルによる異音に気付くことができる。
【0028】
次に、
図5に、振分制御のフローチャートを示す。検出センサ31が、Aレーン41上を搬送されてきたびんbを検出すると(S61)、制御部2は、カウンタ(図示せず)をインクリメントする(S62)。
【0029】
制御部2は、カウンタのカウントが設定値nに達したか否かを判定する(S63)。設定値nは、n本目のびんをBレーン42に振り分けるために設定される。例えば、びんbをAレーン41とBレーン42とに交互に振り分ける場合には、n=2と設定される。
【0030】
カウントが設定値nのときに、エンコーダ32のパルスをカウントする(S64)。そして、エンコーダが所定の設定数mのパルス信号(エンコーダパルス)を出力すると(S65)、制御部2は、サーボモータ12へ駆動信号を出力する(S66)。続いて、制御部2は、カウンタをリセットして次のびんbの検出に備える(S67)。
【0031】
図6に、振分制御のタイミングチャートを示す。
図6は、びんbを交互に振り分けるように、ステップS63でn=2と設定し、ステップS65でm=3と設定した場合を示す。このため、検出信号出力の2回に1回に対してサーボモータ駆動信号が出力される。また、検出センサ31から検出信号が出力されてから、3番目のエンコーダパルスが出力されたときに、サーボモータ駆動信号が出力される。
【0032】
エンコーダ32の出力するパルスの数は、コンベヤ40の速度に関係なく、コンベヤ40の移動量に対応する。その結果、
図6に示すように、コンベヤ40が減速したときには、エンコーダパルスの出力間隔が長くなり、一方、コンベヤ40が加速したときには、エンコーダパルスの出力間隔が短くなる。さらに、コンベヤ40が停止した場合には、パルスの出力も停止する。3番目のエンコーダパルスが出力されたときには、びんbは、コンベヤ40の速度に関係なく、Aレーン41上の同じ位置に到達している。したがって、びんbの搬送速度を、回転ブラシ11を回転させるタイミングに、簡単に反映させることができる。これにより、サーボモータ12は、コンベヤ40の速度に関係なく、的確なタイミングで駆動される。
【0033】
回転ブラシ11を回転させてびんbを押し出す際には、回転ブラシ11をびんbの搬送方向の中央部に接触させる必要がある。回転ブラシ11がびんbの中央部以外の部分に接触すると、びんbを押し出すことが困難となったり、びんbが転倒したりするおそれがある。
【0034】
そのため、制御部2は、検出センサ31によって検出されたときのびんbの位置から、回転ブラシ11がびんbの搬送方向に沿った中央部に当接するときのびんbの位置までのAレーン41移動量(即ち、コンベヤ40の移動量)に相当する回数だけエンコーダパルスが出力されたときに、サーボモータ駆動信号を出力する。検出センサ31によって検出されてから、びんbの中央部が回転ブラシ11の正面に到達するまでのコンベヤ40の移動量は、びんbの胴径によって異なる。このため、サーボモータ駆動信号を出力させるときのエンコーダパルスの数は、びんbの胴径に応じて設定される。
【0035】
図7に、エンコーダのパルス数と物品の位置との関係を模式的に示す。
図7に示すように、胴径が小さいびんbの場合には、検出信号が出力されてから、7番目のエンコーダパルスが出力されたときに、サーボモータ駆動信号S1が出力されている。これにより、びんbの中央部に、回転ブラシ11を接触させることができる。一方、7番目のエンコーダパルスが出力されたときには、広口びんb’の中央部は、回転ブラシ11の正面に到達していない。そこで、広口びんb’の場合には、検出信号が出力されてから、8番目のエンコーダパルスが出力されたときに、サーボモータ駆動信号S1が出力されている。これにより、広口びんb’の中央部に、回転ブラシ11を接触させることができる。
【0036】
このようにして、本振分装置によれば、びんの胴径に合わせて的確なタイミングで回転ブラシ11を回転させることができる。なお、検出センサ31から回転ブラシ11までの搬送距離に基づいて、びんの胴径ごとに、最適なエンコーダパルス数を登録しておくことが好ましい。
このようにしてAレーン41とBレーン42とに交互に振り分けられたびんbは、パレタイザ6へびんbを送出する二列供給装置5へ搬送される。
【0037】
図8に、パレタイザ6上のびんの配列パターンと、二列供給装置5上のびんの配列パターンを示す模式図を示す。パレタイザ6には、二列供給装置5側から奇数番目の列に10本のびん(1,3,5,7,9,11,13,15,17,19)が配列され、偶数番目の列に9本のびん(2,4,6,8,10,12,14,16,18)が配列された異数千鳥配列パターンで、びんが配列されている。
【0038】
二列供給装置5(ボトルスクレーパ)は、Aレーン51に10本のびん(1,3,5,7,9,11,13,15,17,19)を配列し、かつBレーン52に9本のびん(2,4,6,8,10,12,14,16,18)を配列し、2つのレーン51及び52上のびんを一度にパレタイザ6へ送出する。すなわち、二列供給装置5は、Aレーン51では10本のびんをバッチ処理し、Bレーン52では9本のびんをバッチ処理している。
【0039】
図9に、二列供給装置5へ搬送される物品の搬送路上の貯留状態を示す模式図を示す。二列供給装置5においてバッチ処理を行うために、二列供給装置5の手前で、コンベヤのAレーン41及びBレーン42上に、ある程度の本数のびんが貯留される必要がある。
図9では、Aレーン41上に、21〜43番の奇数番目のびんが貯留し、Bレーン42上に、20〜42番の偶数番目のびんが貯留している。そして、二列供給装置5の入り口に配置されたストッパ53の開閉により、Aレーン41からはびんbが10本ずつ取り込まれ、Bレーン42からはびんbが9本ずつ取り込まれる。
【0040】
ところで、二列供給装置5は、Aレーン51でバッチ処理する本数(10本)が、二列供給装置5のBレーン52でバッチ処理する本数(9本)よりも1本多いため、バッチ処理ごとにコンベヤのAレーン41から二列供給装置5に送られる本数(10本)は、コンベヤのBレーン42から送られる本数(9本)よりも1本多くなる。その結果、本振分装置により、Aレーン41とBレーン42とに交互に振り分けた場合、Aレーン41上のびんの本数が、Bレーン42上のびんの本数に対して相対的に不足することになる。
【0041】
ここで、
図10に、搬送路上の物品の過不足を模式的に示す。
図10では、Aレーン41上のびんの本数が、Bレーン42上のびんの本数に対して5本不足している。この5本分の空間を破線Lで模式的に示す。このようなAレーン41及びBレーン42にそれぞれ振り分けられたびんの本数の相対的な過不足数が拡大すると、二列供給装置5の稼働に支障を来し、搬送ラインが停止するおそれがある。
そこで、以下に説明するように、レーン間の相対的な過不足数を検出し、その過不足数を補正するように、サーボモータ12が制御され、過不足数を補正する。
【0042】
図11に、過不足監視のフローチャートを示す。第1監視センサ33によってAレーン(A列)41上のびんbだけが停滞していない場合(S121で「No」かつS122で「Yes」の場合)には、Aレーンの不足数が計数される(S123)。また、第2監視センサ34によってBレーン(B列)42上のびんbだけが停滞していない場合(S121で「Yes」かつS124で「No」の場合)には、Bレーンの不足数が計数される(S125)。
また、渋滞センサ35によって、振分装置本体の下流側近くでびんの渋滞が検出されたとき(S126)には、コンベヤ40の上流コンベヤを停止させ物品の供給を止める。(S127)。
【0043】
Aレーン41上のびんの停滞の有無は、コンベヤのAレーン41上のびんを検出する第1の監視センサ33によって検出される。第1の監視センサ33は、二列供給装置5のストッパ53の手前に、二列供給装置のAレーン51のバッチ処理数(10本)と同数番目(10本目)のびんが溜まったときに、そのびんを検出できる位置に配置されるとよい。
【0044】
また、Bレーン42上のびんの停滞の有無は、コンベヤのBレーン42上のびんを検出する第2の監視センサ34によって検出される。第2の監視センサ34は、二列供給装置5のストッパ53の手前に、二列供給装置のBレーン52のバッチ処理数(9本)と同数番目(9本目)のびんが溜まったときに、そのびんを検出できる位置に配置されるとよい。
【0045】
図12に、不足数計数のフローチャートを示す。Aレーン(A列)の不足数の計数処理と、Bレーン(B列)不足数の計数処理とは、実質的に同じであるので、ここでは、Aレーン上のびんの不足数の計数処理として説明する。
Bレーン42上のびんの停滞が検出された後、第1監視センサ33により、Aレーン41上を通過するびんの本数を計数する(S131、S132)。そして、Aレーン41上のびんも停滞したときの計数値を不足数として決定する(S133,S134)。
なお、Bレーン上のびんの不足数の計数は、第2監視センサ34により行われる。
【0046】
図13に、補正制御のフローチャートを示す。補正制御にあたっては、検出センサ31が検出したびんを計数する(S141,S142)。そして、Aレーン(A列)41上のびんが不足しているときには、不足数分のびんを、サーボモータ12を駆動させずに、そのままAレーン41に連続的に振り分ける(S143、S145)。例えば、Aレーン41上のびんが5本不足しているときには、一時的に、5本のびんがAレーン41へ連続的に振り分けられる。
【0047】
一方、Bレーン(B列)42上のびんが不足しているときには、不足数分のびんを、サーボモータ12を駆動させて、回転ブラシにより、Bレーン42上に連続的に振り分ける(S143〜S145)。例えば、Bレーン42上のびんが5本不足しているときには、一時的に、5本のびんがBレーン42へ連続的に振り分けられる。このようにして、不足数分のびんを、Aレーン41又はBレーン42に連続して振り分けることができる。
なお、補正制御は、通常の振分制御の間に任意のタイミングで挿入することができる。
【0048】
これにより、二つのレーン41及び42間で振り分けられたびんの過不足が生じた場合であっても、振り分けられたびんの過不足が自動的に補正される。特に、コンベアヤ上で倒れたびんが除去されたときにも、自動的に振分が補正されるため、人手でびんを補充する必要がない。
【0049】
図14に、他の補正制御のフローチャートを示す。
図8に示した二列供給装置5では、Aレーン51ではびんを10本ずつバッチ処理し、Bレーン52ではびんを9本ずつバッチ処理しているため、バッチ処理ごとに、コンベヤのAレーン41上のびんが、Bレーン42上のびんに対して1本ずつ不足することになる。そこで、以下のようにして、この不足数を自動的に補正する
【0050】
検出センサ31に検出されたびんを計数し(S151,S152)、二列供給装置5のAレーン51でのバッチ処理数(10本)とBレーン52でのバッチ処理数(9本)との合計本数(19本)までのびんについては、
図5に示したフローチャートに従って、交互に振り分ける通常の振分処理を行う(S153,S154)。ただし、ステップS63においてn=2とする。
【0051】
続いて、検出センサ31に更に検出されたびんを計数し(S157、S158)、二列供給装置5のAレーン51のバッチ処理数(10本)とBレーン52のバッチ処理数(9本)との差分(10−9=1本)だけ、サーボモータ12を駆動させずに、そのままAレーン41に連続的に振り分ける(S159、S161)。
なお、二列供給装置5のAレーン51のバッチ処理数が、Bレーン52のバッチ処理数よりも少ない場合には、コンベヤのBレーン42上のびんが不足することになるので、その差分の数のびんを、サーボモータ12を駆動して回転ブラシ11を回転させて、連続的にBレーン42へ連続的に振り分ける(S159〜S161)。
【0052】
このように、自動的にレーン間のびんの過不足が補正されるため、下流の二列供給装置5においてレーン間のバッチ処理数が異なる場合であっても、二列供給装置5の稼働に支障を来すことを防止することができる。
なお、
図13に示した補正制御のフローと、
図14に補正した補正制御のフローを組み合わせてもよい。
【0053】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能である。上述した実施形態では、空のガラスびんを振分けた例を説明したが、本発明は、ガラスびん等の容器に限らず、種々の物品を振分けることができる。
また、上述した実施形態では、物品を2つの搬送路に振り分ける例を説明したが、本発明の振分装置は、物品を搬送路上から選択的に排除するために利用することもできる。
【0054】
また、上述した実施形態では、回転体として、ナイロン製のブラシを植設した回転ブラシを使用した例を説明したが、回転体は、これに限定されず、物品を選択的に押し出すことができるものであればよい。例えば、ブラシの代わりにスポンジを設けた回転体を使用することもできる。ブラシ及びスポンジの円周上の形状は、同心状でもよいし、偏芯状でもよい。さらに、物品表面の傷を防止するために、物品との接触面は球面状とすることが好ましい。
また、回転体として回転ブラシを採用した場合、ブラシの材質は、ナイロンに限定されず、樹脂及びゴムなどの種々の弾性体を使用することができる。また、ブラシの先端形状は、物品表面の傷を防止するために、球面状とすることが好ましい。
また、回転体の設置は上段・下段の2個ではなく、上段のみ又は下段のみの1個の回転体でもよい。
また、上述した実施形態では、検出センサ、第1及び第2監視センサ、及び渋滞センサとして、回帰反射型のセンサを使用した例を説明したが、これらセンサは限定されず、投光器からの発光を受光器で受光する透過型のセンサを使用してもよい。センサなどのタイプは、物品の形状に応じて選択することができる。