【課題を解決するための手段】
【0011】
この問題に対する解決策は、請求項1の特徴によって定義される。本発明によれば、接触要素は、負荷モジュールが挿入状態にあるとき、それらが、管の内部に配置されている、異なる極性の2つの接触エリアに、ほぼ半径方向において接触するように、配置される。この場合、ハウジングは、長手方向において中央にある領域であって、少なくとも1つの突出要素を有する領域と、長手方向において外側にある領域も有し、少なくとも1つの突出要素が、切り欠きの縁と相互作用し、また、外側領域が、切り欠きに隣接する領域において、管の内側ケーシングに重みをかけるように、負荷モジュールが、管構造の管であって、細長の切り欠きが設けられている、管に挿入され得る。外側領域のうちの1つにおける接触要素のうちの第1の接触要素は、第1の周縁位置に配置される。
【0012】
本発明による負荷モジュールは、管にほぼ完全に収容され得る。しかしながら、このことは、個々の要素が、管によって画定される断面の外に突き出ることができない、ということを意味しない。負荷モジュールのハウジングは、細長であり、したがって、管の幾何学的形状に適合している。長手方向における(すなわち、取り付け状態における管の長手方向軸に平行な)範囲は、例えば、短手方向における(すなわち、管に対して半径方向における)範囲よりも、少なくとも4倍大きく、特に少なくとも6倍大きい。
【0013】
本発明によれば、また先行技術とは対照的に、2つの接触要素は、それらが、管内を走っている導体に、ほぼ半径方向において接触するように、配置される。すなわち、接触要素によって画定される接触領域と、負荷モジュールが取り付け状態にあるときの管の内部における接触エリアとは、ハウジングのケーシング面と、管の内側ケーシングとの間に、ハウジングの端側ではほぼ軸方向ではなく位置する。
【0014】
この配置が、かなり簡単に、負荷モジュールとの電気接触がなされるのを可能にすることが確認されている。同時に、負荷モジュールは、管において容易かつ確実に機械的に保持され得る。第1の接触要素、例えば、導電性材料そのものから製造されている管要素は、切り欠きに隣接する領域において、管の接触エリアに直接接触することができる。
【0015】
切り欠きと相互作用する目的で、本発明による負荷モジュールのハウジンングは、長手方向において中央にある領域であって、少なくとも1つの突出要素を有する、領域と、長手方向において外側にある領域も有する。それにより、少なくとも1つの突出要素が切り欠きの縁と相互作用し、また、外側領域が、切り欠きに隣接する領域において、管の内側ケーシングに重みをかけるように、負荷モジュールは、管構造の管であって、細長の切り欠きが設けられている、管に挿入され得る。負荷モジュールは、このようにして、安全に、管上の規定位置に保持される。
【0016】
少なくとも1つの突出要素は、切り欠きの幾何学的形状に整合している平坦構造、または整合的に切り欠きの縁を再現する構造、または互いに間隔が空けられている点において、切り欠きの縁と相互作用する複数の構造、であり得る。少なくとも1つの突出要素と、切り欠きの縁との間の相互作用は、したがって、管構造の管における負荷モジュールのハウジングの位置の明確な規定に導く。
【0017】
本発明によれば、接触要素のうちの第1の接触要素は、負荷モジュールのハウジングの外側領域のうちの1つにおいて第1の周縁位置に配置される。接触要素は、負荷モジュールが挿入された場合、負荷モジュールの領域であって、切り欠きに隣接する、領域に配置されるのが好ましい。すなわち、第1の周縁位置は、少なくとも1つの突出要素を有する中央領域の周縁位置にほぼ対応する。第1の接触要素、例えば、導電性材料そのものから製造される管要素は、したがって、切り欠きに隣接する領域において、管の接触エリアに直接接触することができる。
【0018】
本発明は、3次元耐負荷管構造を有する家具システムであって、
a)管のうちの少なくとも1つが、管の内部に配置される異なる極性の2つの接触エリアを有する、複数の管と、
b)2つ以上の管を互いに機械的に締結させるための複数の3次元節点要素と、
c)家具システムの3次元耐負荷管構造の少なくとも1つの管への挿入用の少なくとも1つの負荷モジュールであって、負荷モジュールが、細長のハウジングを備え、負荷モジュールに電気接触するための2つの接触要素であって、異なる極性を有する、2つの接触要素が、前記ハウジングの外側に配置され、接触要素が、負荷モジュールが挿入状態にあるとき、それらが、管の内部に配置される異なる極性の2つの接触エリアに、ほぼ半径方向において接触するように、配置される、少なくとも1つの負荷モジュールと、を備える、家具システムにさらに関する。
【0019】
家具システムは、例えば、棚システム、キャビネットシステム、引き出しシステム、または前記構成要素の中からの様々な構成要素を備えるシステムであり得る。家具システムは、具体的には、モジュール式組立であり得る。このことは、多数の異なる構成が、限られた個数の基本要素(管、節点要素、ならびにビルトインおよびビルトオンの構成要素)での事実上、制限なしに組み立てられ得る、ことを意味する。
【0020】
管の断面は、様々な形状を呈することができる。例として、管の断面は、円形または正多角形の外側形状を有することができるが、不規則な閉形状または均一な開形状も考えられる。
【0021】
3次元節点要素は、締結状態において、すべてが必ずしも同じライン上または同じ平面にある必要がない、複数の管の接続を可能にする。架空の立方体の外側に配置される6つの接続点を有する節点要素が、特に好ましい。したがって、それの構造要素(管)が3次元長方形格子に沿って走る家具は、管、およびこの種類の節点要素を使用して組み立てられ得る。節点要素そのものは、適宜、立方体形状であることができるか、または異なる適切な形状、例えば球の形状を有することができる。節点要素は、同じ節点要素に締結される管間で、好ましくは2つの極を使用して、電気接続が生み出されるように設計され得る。
【0022】
この種類の家具システムは、特に、同じ出願人による2013年12月13日付けの、係属中の欧州特許出願第13 405 139.0号において説明されている。
【0023】
すべての管およびすべての節点要素が前記の接触エリアまたは電流導電性を有することが必須ではない。通電しない管および節点要素は、本発明による家具システムの範囲内で、通電する要素と組み合わせられ得る。
【0024】
負荷モジュールは、特に、照明要素を備えることができる。負荷モジュールが、家具システムの管によって画定される断面にほぼ完全に収容されるように、照明要素が、負荷モジュールに配置されるのが好ましい。結果として、都合のよい単純な外見が実現され得、家具システムによってもたらされる収容スペース、または前記収容スペースへの出入り口は、不利な影響を受けない。様々な照明要素、具体的には、1つの点状の光源もしくは平らな光源、または複数の光源を備える照明要素、拡散光を生成する照明要素、および対象とする光を生成する照明要素が考えられる。照明要素は、拡散体、反射体および/または遮蔽物で設計され得る。前記照明要素は、明るさおよび/または色もしくは色温度が調整され得るように設計され得る。光は、LEDまたはOLEDモジュールに基づき生成され得るが、他のテクノロジーも同様に適用可能である。
【0025】
他の機能を備える負荷モジュールも、同様に、本発明の対象である。前記負荷モジュールは、したがって、負荷、そうでなければ冷却、暖房、または喚起のデバイスを接続するための接続要素、例えばソケットおよび/またはプラグを備えることができる。負荷モジュールと同様に、制御モジュールまたはセンサモジュールが、管構造の管に収容され得る。前記制御モジュールまたはセンサモジュールは、例えば、同じモジュールにおいて一体化されている負荷、他の負荷モジュールおよび/または外部デバイスを制御するのに役立つ。センサは、具体的には、運動センサ、有無センサ、光センサ、または温度センサであり得る。さらに、センサは、特に家具システムと相互作用することができ、また、例えば、ドアの開放を検出することができる。例として、負荷モジュールの照明要素は、管構造の内部スペースであって、照明要素によって照明される、内部スペースを閉じる扉が開かれると、選択的にスイッチが入れられ得る。1つのモジュールが、いくつかの機能(負荷、制御装置、センサシステム)を行うことができる。
【0026】
挿入モジュール間の通信は、データが家具システムの電力伝送ラインにおいて変調されることによって、電力線通信(PLC:PowerLine Communicaion)により行われるのが好ましい。挿入モジュール(センサモジュール、制御モジュール、および負荷モジュール)には、対応する電子機器が含まれる。例えば、別個の制御ラインを介して、または、適切なプロトコル、例えばBluetooth(登録商標)によって無線で、といった他のタイプの伝送も同様に考えられる。
【0027】
モジュールは、中央データベースを用いて、または個々のモジュールにおける設定を用いてローカルに、割り当てが行われる、一意の番号によって特定される。割り当ての設定は、外部制御デバイスを用いて、またはモジュールのオペレータ制御装置のみによって開始され得る「ペアリング」方法によって、行われる。
【0028】
管のうちの少なくとも1つは、管に沿って第1の極性の電流と第2の極性の電流とを流すのに、管に沿って走り、かつ互いから絶縁される、2つの電流導体を有するのが好ましい。したがって、電流は、家具システムの管によって直接流され得、別個の給電ラインが余分となる。
【0029】
電流を流すための、互いから絶縁される2つの電流導体は、少なくとも1つの管において、互いに同軸に配置されるのが好ましい。この配置は、費用効果的にもたらされ得、小さな半径方向断面でかなり高い電流強度を可能にする。さらに、対応装備の管が節点要素と、簡単に組み合わされ得、そこでは、例えば、すでに述べられたEP13 405 139.0から明らかであるように、2つの極性が、管間で同軸式に同様に送られる。このことは、次に、関わっている家具システムの構造要素のすべてにおける特に簡単な導体配置につながる。
【0030】
少なくとも1つの管は、導電性材料から成り、かつ第1の極性を流す働きをする構造管要素と、第2の極性を流すのに、構造管要素に絶縁された様式で収容される内部導体と、を備えるのが好ましい。第1の極性は、具体的には、中性導体(接地)である。したがって、管の組立は、特に簡単である。
【0031】
内部導体は、管に挿入され、1つの端において絶縁される、導電性箔によって形成され得る。このことは、導体が提供される管の簡単な製造につながる。例えば、内部導体が、第1の極性を流す働きをする導電性材料から、絶縁層によって分離される対応する被覆によって形成され得る、といった他の変形形態が考えられる。
【0032】
代替として、導体は、それと違って、少なくとも1つの管内を走ることもできる。例として、導体は、互いに対して平行に線形式に配置され得る。
【0033】
少なくとも1つの管は、細長の切り欠きを備えるのが有利であり、少なくとも1つの負荷モジュールは、それが、細長の切り欠きを通して少なくとも1つの管に挿入され得るように設計されるのが有利である。負荷モジュールは、したがって、管構造がすでに完成されている場合にも、すなわち、管が、節点要素にすでに接続されている場合にも、管に挿入され得る。負荷モジュールは、管が節点要素から外される必要なしに、再び管からすぐに取り外され得るのも好ましい。したがって、構成が、素早くかつ容易に既存の要件に適合され得る。切り欠きが設けられているが、切り欠きを閉じるために、負荷モジュールを収容することがその時点では意図されない、管に遮蔽物が挿入され得る。
【0034】
切り欠きは、それが管の端までは及ばないように、管に配置されるのが有利である。このことは、管の高い程度の安定性を確実にし、節点要素または接続機構との相互作用の事象における問題を防ぐ。
【0035】
本発明によれば、負荷モジュールのハウジングの外側領域のうちの1つにおける接触要素のうちの第1の節点要素は、第1の周縁位置に配置される。接触要素は、負荷モジュールが挿入された場合、負荷モジュールの領域であって、切り欠きに隣接する、領域に配置されるのが好ましい。すなわち、第1の周縁位置は、少なくとも1つの突出要素を有する中央領域の周縁位置にほぼ一致する。第1の接触要素、例えば、導電性材料そのものから製造される管要素は、したがって、切り欠きに隣接する領域において、管の接触エリアに直接接触することができる。
【0036】
接触要素のうちの第2の接触要素は、少なくとも60°、好ましくは少なくとも90°、特に好ましくは少なくとも135°の角度を、第1の周縁位置と共に囲む第2の周縁位置に配置されるのが好ましい。このことは、接触要素の良好な支持につながり、不完全な接触動作が確実に回避される。
【0037】
好ましい実施形態において、第1の接触要素は、ほぼ中央領域の中心線の延長上に配置される一方、第2の接触要素は、その周縁位置において、180°ずれるように、ハウジングの後部側に配置される。少なくとも1つの負荷モジュールの接触要素のうちの第2の接触要素は、負荷モジュールが挿入された場合、したがって、負荷モジュールの領域であって、切り欠きに対して後部にある、領域に配置される。
【0038】
接触要素のうちの少なくとも1つ、具体的には、中央領域の周縁位置から間隔が空けられている周縁位置に位置する接触要素は、弾性設計であることが有利である。両方の接触要素が弾性設計であることも可能である。電気接触動作の確実性が、このようにして高められる。弾性接触子のうちの少なくとも1つは、電気接触するのに加え、モジュールを管に機械的に固定するのに役立つのも同様に好ましい。弾性接触子のうちの少なくとも1つ、具体的には、切り欠きから逸れているその側の負荷モジュールに配置される接触子が、割合に大きな撓みを有して設計される場合、管における安定した支持および位置付けは、ハウジングの比較的低い深さでも実現され得る。同時に、切り欠きを通した負荷モジュールの挿入および取り外しが、低い深さにより大幅に簡単にされる。
【0039】
照明要素の場合、光出口エリア、具体的には、突出要素の一部としての光出口エリアは、ハウジングの中央領域に配置されるのが有利である。放射光は、したがって、実質的に周囲の管によって妨げられることなく、照明されるべき立体角領域に達することができる。遮光損失が回避される。さらに、照明要素のスイッチが入れられた場合、都合のよい外見がもたらされる。
【0040】
好ましい実施形態において、本発明による照明要素は、したがって、光出口エリアを形成し、それの幾何学的形状が、照明要素が挿入され得る、管の切り欠きに一致する、突出要素を第1の側の中央領域に(または、第1の周縁領域に)有する細長のハウジングを有する。第1の極性を有する第1の接触要素は、中央領域の隣に配置される。第2の極性を有する第2の接触要素は、ハウジングの後部側に配置され(すなわち、第1の接触要素に対してほぼ180°ずれている周縁位置で)、弾性設計である。2つの接触要素は、照明要素に電気接触するのに役立つだけでなく、管の切り欠きにおいて前記照明要素を機械的に固定することも行う。
【0041】
本発明の特徴のさらなる有利な実施形態および組み合わせは、以下の「発明を実施するための形態」、および「特許請求の範囲」のすべてから集められ得る。