特許第6722750号(P6722750)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6722750-ガス漏洩試験器を較正する方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6722750
(24)【登録日】2020年6月24日
(45)【発行日】2020年7月15日
(54)【発明の名称】ガス漏洩試験器を較正する方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/02 20060101AFI20200706BHJP
【FI】
   G01M3/02 A
【請求項の数】9
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2018-236925(P2018-236925)
(22)【出願日】2018年12月19日
(62)【分割の表示】特願2016-535419(P2016-535419)の分割
【原出願日】2014年8月13日
(65)【公開番号】特開2019-66489(P2019-66489A)
(43)【公開日】2019年4月25日
【審査請求日】2019年1月17日
(31)【優先権主張番号】102013216450.5
(32)【優先日】2013年8月20日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500469855
【氏名又は名称】インフィコン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Inficon GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100086793
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅士
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142608
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 由佳
(74)【代理人】
【識別番号】100154771
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 大輔
(72)【発明者】
【氏名】ヴィッツ・ルディ
【審査官】 本村 眞也
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−259033(JP,A)
【文献】 特開2006−189425(JP,A)
【文献】 特表2008−547009(JP,A)
【文献】 特表2002−537552(JP,A)
【文献】 特表平09−508471(JP,A)
【文献】 特開昭59−040137(JP,A)
【文献】 特開平06−201508(JP,A)
【文献】 米国特許第05777203(US,A)
【文献】 日本工業規格JIS Z 2331:2006 付属書3(規定)吸込法(スニッファー法),日本,2006年,p.13,URL,https://kikakurui.com/z2/Z2331-2006-01.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 3/00−3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器壁を貫通する毛管(18)を備えて気体の充填された容器(12)を使用し、ガス漏洩試験器を較正する方法であって、
前記容器に該容器の周囲の雰囲気から空気を取り込んで充填し、
前記気体中の空気(20)の含有率を少なくとも10%とし、
前記容器はガス漏洩検出器の試験と較正用の漏洩試験器として、前記毛管(18)
が、所定の既知の漏洩速度で前記気体を外部に漏洩するものとし、
前記気体として、別のヘリウム源またはアルゴン源から取り込まれたヘリウムまたはアルゴンを用いることなく、
前記毛管を通じて前記漏洩試験器から流出する前記気体中の前記空気(20)に天然に含まれるヘリウムまたはアルゴンのを前記ガス漏洩検出器で測定することにより、該ガス漏洩検出器の機能または精度試験する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記毛管(18)からの漏洩速度が最大で10−6mbar・l/sである、方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法において、前記空気(20)が50%未満の相対湿度を有する、方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法において、前記空気(20)中のヘリウム含有率が3〜7ppmである、方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法において、前記空気(20)中のアルゴン含有率が0.5%〜2%である、方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法において、前記容器(12)が着脱自在の端部キャップ(16)を備えた円筒形容器(12)であり、前記毛管(18)が該キャップを貫通して案内されている、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、前記円筒形容器(12)がガラス製である方法。
【請求項8】
請求項6または7に記載の方法において、前記キャップ(16)が金属製である方法。
【請求項9】
請求項6から8のいずれか一項に記載の方法において、前記円筒形容器(12)が5cm以下の長さと、1cm以下の直径を有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス漏洩検出器の試験および較正に使用される、漏洩試験器に関する。
【背景技術】
【0002】
漏洩試験器は、試験ガスが充填された容器を備え、所定の既知の漏洩速度で漏洩が生じる漏洩口をともない、これによってテストガスは、外部へ流出する。漏洩試験器から流出するガスを測定することにより、ガス漏洩検出器の機能や精度を検証することができる。
【0003】
特許文献1(欧州特許第0742894)は、比較的低い漏洩速度10−7mbar・l/s以上が得られる毛管を備えた漏洩試験器を記載している。かかる毛管は、空気中の水分によって閉塞された場合、使用不能となるので、際限なく小さくすることはできない。今日までのところ、漏洩速度10−12mbar・l/s以下を達成できる漏洩試験器は知られていない。かかる漏洩速度を達成するには、漏洩試験器の漏洩量を非常に小さなものとする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第0742894号明細書
【発明の概要】
【0005】
本発明は、10−12mbar・l/s台の低い漏洩速度で漏洩を生じる漏洩試験器を提供することを目的とする。
【0006】
本発明の漏洩試験器(試験用漏洩器)は、請求項1に記載の特性によって定義されるものである。
【0007】
本発明の漏洩試験器は、少なくとも10%が空気からなるガスを充填された容器を備えたものである。自余の割合のガスは、例えば窒素であってもよい。容器の壁は、少なくとも一つの毛管に貫通されている。毛管は、漏洩速度が10−5mbar・l/sから10−7mbar・l/s、好ましくは10−6mbar・l/sとなる。空気は毛管の閉塞を生ぜず、通常は一定割合のヘリウムと、一定割合のアルゴンを含む。ヘリウムとアルゴンは、ガス漏洩検出で使用される典型的な試験ガスである。容器内の空気中のヘリウムの割合は、3〜7ppmの範囲、好ましくは約3.5〜約5.5ppmの範囲である。特にヘリウムの割合は5ppmであることが好ましい。本明細書中、「約」とは、±10%のゆらぎを示すものとする。容器内の空気中のアルゴンの割合は、0.1〜2%の範囲、好ましくは約0.8〜約1.2%である。特に好ましいアルゴンの割合は約1%である。
【0008】
漏洩試験器の容器に空気を充填した場合、漏洩試験器に別途充填用ノズルを設ける必要がない。かかるノズルが存在した場合、外寸が大きくなり、小さなテストチャンバ内での使用に支障がでる。
【0009】
容器が前端部にカバーを有するか、あるいは端部キャップを有する円筒であることが特に好ましい。該端部キャップは、毛管によって貫通される。円筒は、長さで5cm、直径で約1cmを越えないものとすべきである。毛管は、円筒内で中心軸に沿って案内されるものとしてもよい。容器をガラス製のものとし、端部キャップを金属製のものとすることが特に好ましい。かかる容器は、特に小さな試験チャンバの中で用いることができ、簡単に充填することができる。充填は単に端部キャップをはずし、ガスを空気とともに容器内に流入させることによって行うことができる。円筒形の漏洩試験容器は、表面積が小さく、隙間や凹部がないために試験チャンバ内で簡単に排気することができる。
【0010】
空気中の水分による毛管の閉塞を避けるため、容器内のガスは相対湿度50%未満とすべきであり、相対湿度40%であることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、漏洩試験器の縦断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、漏洩試験器の縦断面を示す図である。
【0013】
漏洩試験器10は、一方の端面に閉じられた底部14を有し、他方の端面に開口を有するガラス製の円筒容器12を備え、開口端は、金属製の端部キャップ16によってしっかりと閉じられている。毛管18は、金属キャップ16を貫通し、円筒容器12の長手方向中心軸に沿って配置されている。
【0014】
円筒容器12には、ヘリウム含有率5ppm、アルゴン含有率1%の空気20が充填されている。毛管18からの漏洩速度は、10−6mbar・l/sとなる。空気の湿度は、約40%である。
この構成により漏洩試験器10における有効ガス流量は、ヘリウムに対して1×10−6mbar・l/s・5ppm=5×10−12mbar・l/s、アルゴンに対して1×10−6mbar・l/s・1%=1×10−8mbar・l/sとなる。
なお、本発明は、実施の態様として以下の内容を含む。
〔態様1〕
気体の充填された容器(12)と、容器壁を貫通する毛管(18)とを備え、該気体中の空気(20)の含有率が少なくとも10%である、漏洩試験器(10)。
〔態様2〕
態様1に記載の漏洩試験器(10)において、毛管(18)からの漏洩速度が最大で10−6mbar・l/sである、漏洩試験器(10)。
〔態様3〕
態様1または2に記載の漏洩試験器(10)において、前記空気(20)が50%未満、好ましくは40%未満の相対湿度を有する、漏洩試験器(10)。
〔態様4〕
態様1〜3のいずれか一態様に記載の漏洩試験器(10)において、空気(20)中のヘリウム含有率が3〜7ppm、好ましくは約4.5〜約5.5ppmである、漏洩試験器(10)。
〔態様5〕
態様1〜4のいずれか一態様に記載の漏洩試験器(10)において、空気(20)中のアルゴン含有率が約0.5%〜約2%、好ましくは約0.8%〜約1.2%である、漏洩試験器(10)。
〔態様6〕
態様1〜5のいずれか一態様に記載の漏洩試験器(10)において、前記容器(12)が着脱自在の端部キャップ(16)を備えた円筒形容器(12)であり、前記毛管(18)が該キャップを貫通して案内されている、漏洩試験器(10)。
〔態様7〕
態様6に記載の漏洩試験器(10)において、前記円筒(12)がガラス製である漏洩試験器(10)。
〔態様8〕
態様6または7に記載の漏洩試験器(10)において、前記キャップ(16)が金属製である漏洩試験器(10)。
〔態様9〕
態様6から8のいずれか一態様に記載の漏洩試験器(10)において、前記容器(12)が5cm以下、好ましくは約4cmの長さと、1cm以下、好ましくは約0.8cmの直径を有する、漏洩試験器(10)。
【符号の説明】
【0015】
10 漏洩試験器
12 円筒容器
14 底部
16 キャップ
18 毛管
20 空気
図1