特許第6722787号(P6722787)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6722787
(24)【登録日】2020年6月24日
(45)【発行日】2020年7月15日
(54)【発明の名称】洗面器及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/22 20060101AFI20200706BHJP
   E03C 1/24 20060101ALI20200706BHJP
   A47K 1/04 20060101ALI20200706BHJP
【FI】
   E03C1/22 A
   E03C1/24 C
   A47K1/04 G
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-18673(P2019-18673)
(22)【出願日】2019年2月5日
(62)【分割の表示】特願2014-236771(P2014-236771)の分割
【原出願日】2014年11月21日
(65)【公開番号】特開2019-65702(P2019-65702A)
(43)【公開日】2019年4月25日
【審査請求日】2019年2月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】302045705
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】庄司 隆之
(72)【発明者】
【氏名】千枝 邦洋
(72)【発明者】
【氏名】吉原 新一朗
(72)【発明者】
【氏名】井川 良太
(72)【発明者】
【氏名】隅田 聡
(72)【発明者】
【氏名】袴田 英幹
(72)【発明者】
【氏名】近藤 栄一
(72)【発明者】
【氏名】西出 有佑
【審査官】 下井 功介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−187360(JP,A)
【文献】 特開2007−255024(JP,A)
【文献】 特開2002−275979(JP,A)
【文献】 特開2013−213087(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 1/00〜 1/14
E03C 1/12〜 1/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水口及びオーバーフロー孔を有するボウル部と、前記排水口から下方に向けて延びる排水管部と、前記オーバーフロー孔において前記ボウル部に連通するオーバーフロー管と前記排水管部とを接続する接続部と、を備え、前記ボウル部と前記排水管部と前記接続部とが一体に成形されており、
前記オーバーフロー管は洗面器とは別体である洗面器。
【請求項2】
前記ボウル部の前方に、前記ボウル部に一体に成形されているボウル前面カバー部を更に備える、
請求項1に記載の洗面器。
【請求項3】
前記ボウル部に一体に成形されている水栓用領域部を更に備え、前記水栓用領域部に水栓関連部材の固定用穴が設けられている
請求項1又は2に記載の洗面器。
【請求項4】
ゴム成分が添加されたアクリル樹脂からなる熱可塑性樹脂により成形されている、
請求項1〜3のいずれかに記載の洗面器。
【請求項5】
請求項1に記載の洗面器の製造方法であって、
少なくとも前記ボウル部と前記排水管部と前記接続部とを一体に射出成形により成形する
洗面器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗面器及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
洗面器は、一般的に、排水口及びオーバーフロー孔を有するボウル、排水口から下方に向けて延びる排水管、オーバーフロー孔と排水管とを連通させるオーバーフロー管などを備えている(下記特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5046633号公報
【特許文献2】特許第4839458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、各部材の継ぎ目において汚れが溜まりやすく、水漏れが発生しやすい。洗面器の構成要素の境界における汚れを低減し、水漏れを抑制することができる洗面器が望まれている。
【0005】
本発明は、洗面器の構成要素の境界における汚れを低減し、水漏れを抑制することができる洗面器、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、排水口及びオーバーフロー孔を有するボウル部と、前記排水口から下方に向けて延びる排水管部と、前記オーバーフロー孔において前記ボウル部に連通するオーバーフロー管と前記排水管部とを接続する接続部と、を備え、前記ボウル部と前記排水管部と前記接続部とが一体に成形されている洗面器に関する。
【0007】
また、前記ボウル部の前方に、前記ボウル部に一体に成形されているボウル前面カバー部を更に備えることが好ましい。
【0008】
また、前記ボウル部に一体に成形されている水栓用領域部を更に備え、前記水栓用領域部に水栓関連部材の固定用穴が設けられていることが好ましい。
【0009】
また、ゴム成分が添加されたアクリル樹脂からなる熱可塑性樹脂により成形されていることが好ましい。
【0010】
また、本発明は、前記洗面器の製造方法であって、少なくとも前記ボウル部と前記排水管部と前記接続部とを一体に射出成形により成形する洗面器の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、洗面器の構成要素の境界における汚れを低減し、水漏れを抑制することができる洗面器、及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る洗面化粧台1の全体構成を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る洗面化粧台1を上側から視た図である。
図3】本発明の実施形態に係る洗面化粧台1の洗面器3の構成を示す斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係る洗面化粧台1の排水管5及びオーバーフロー管6の構成を示す断面図である。
図5】実施形態に係る洗面器3における一体成形部分を示す斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の洗面化粧台の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係る洗面化粧台1の全体構成を示す斜視図である。図2は、本発明の実施形態に係る洗面化粧台1を上側から視た図である。図3は、本発明の実施形態に係る洗面化粧台1の洗面器3の構成を示す斜視図である。図4は、本発明の実施形態に係る洗面化粧台1の排水管5及びオーバーフロー管6の構成を示す断面図である。図5は、実施形態に係る洗面器3における一体成形部分を示す斜視断面図である。
【0014】
まず、本実施形態の洗面化粧台1の全体構成について説明する。
図1図4に示すように、本実施形態の洗面化粧台1は、下部キャビネット2と、洗面器3と、ミラーキャビネット11と、を備える。
【0015】
下部キャビネット2は、図1に示すように、洗面化粧台1の下部を構成し、前面に開閉扉を有した箱状に形成される。下部キャビネット2の内部には、小物等を収納する収納空間が形成される。収納空間の奥側には、洗面器3の排水口41(後述)に接続された排水管5が配置される。
【0016】
洗面器3は、図1及び図2に示すように、下部キャビネット2の上部に配置される。洗面器3は、凹状に形成されるボウル部31と、ボウル前面カバー部32と、洗面器3の奥側に配置される水栓用領域部としての第1上面部33と、幅方向の一端側に配置される第2上面部34と、排水管部としての排水管5と、オーバーフロー管6と、フランジ管60と、水栓部7と、を有する。
【0017】
ボウル部31は、平面視において、略矩形形状と、略矩形形状の一端(洗面化粧台1に対面した場合の右端)から奥側に延びる形状と、が連続した形状に形成される。ボウル部31は、平面視において、第1上面部33と第2上面部34と外枠とに挟まれる部分である。
【0018】
ボウル部31は、後述する水栓部7から吐出された水を受ける。ボウル部31は、図3に示すように、排水口41と、オーバーフロー孔42と、水栓関連部材の固定用穴としての吐水管固定用穴43と、水栓関連部材の固定用穴としての操作部固定用穴44と、を有する。吐水管固定用穴43及び操作部固定用穴44は、第1上面部33に設けられる。
【0019】
ボウル前面カバー部32は、ボウル部31の前方にボウル部31に一体に成形されており、前側に露出している。第1上面部33及び第2上面部34は、ボウル部31に一体に成形されている。
【0020】
排水口41は、図3及び図4に示すように、ボウル部31における略矩形形状の一端(洗面化粧台1に対面した場合の右端)から奥側に延びる部分の底部に設けられる。排水口41は、ボウル部31の底部を上下方向に貫通する。ボウル部31の底部は、平面状に形成され、排水口41側に向けて傾斜している。排水口41は、水栓部7から吐出されてボウル部31により一旦受け止められた水を、排水管5を介して、外部に排水する。排水管5は、排水口41の下部に接続され、排水口41から下方に向けて延びている。
【0021】
排水口41の内部には、図4に示すように、ヘアキャッチャー8が着脱自在に設置されている。排水口41の内部には、図4及び図5に示すように、回り止め凸条45が設けられている。回り止め凸条45は、上下方向に延びる凸条であり、ヘアキャッチャー8の回り止め凹部82b(後述)に嵌入されて、排水口41に対するヘアキャッチャー8の回り止めとして機能する。
排水口41には、図2及び図4に示すように、ヘアキャッチャー8の上方に、排水口41を開閉可能な排水栓9が配置される。
ヘアキャッチャー8及び排水栓9の詳細については後述する。
【0022】
オーバーフロー孔42は、図3に示すように、ボウル部31における略矩形形状の一端(洗面化粧台1に対面した場合の右端)から奥側に延びる部分の第2上面部34側の側面に設けられる。オーバーフロー孔42は、ボウル部31の側面を幅方向に貫通する。オーバーフロー孔42は、ボウル部31の底部から所定の高さの位置に設けられている。オーバーフロー孔42は、排水口41が排水栓9により閉じられた状態で、洗面器3に水が溜まって、オーバーフロー孔42の位置まで水位が上昇した場合に、後述するオーバーフロー管6を介して、水を外部に排出する。これにより、水がボウル部31から溢れることを抑制する。
【0023】
フランジ管60は、オーバーフロー孔42において、洗面器3のボウル部31とオーバーフロー管6の一端部とを接続する。フランジ管60は、フランジ部61と、筒状部62と、を有する。
【0024】
フランジ部61は、フランジ管60の一端部に形成される。フランジ部61は、オーバーフロー孔42において、洗面器3のボウル部31の内面側に位置しており、ボウル部31の内面に当接する。
【0025】
筒状部62は、フランジ部61に連続して形成される。筒状部62は、円筒状に形成される。筒状部62は、洗面器3のボウル部31の外面側において、オーバーフロー管6の上部L字管63(後述)の一端部に接続される。筒状部62の内部には、洗面器3のボウル部31の外面側において、玉鎖固定部材10(後述)が固定される。筒状部62の外面には、フランジ管ネジ部621が形成される。筒状部62のフランジ管ネジ部621は、上部L字管63の一端部の内面に形成される上部L字管ネジ部63aに螺合している。
【0026】
フランジ管60の筒状部62の内部には、玉鎖固定部材10が嵌め込まれて固定されている。玉鎖固定部材10には、玉鎖部材15の他端部が接続されている。つまり、玉鎖部材15の他端部は、フランジ管60の筒状部62の内部において、玉鎖固定部材10に接続される。玉鎖固定部材10は、オーバーフロー孔42の内部において、フランジ管60に固定される。
【0027】
玉鎖固定部材10は、フランジ管60の一部を塞いでおり、オーバーフロー孔42に侵入する異物を捕捉する機能を有する。
【0028】
オーバーフロー管6は、フランジ管60と排水管5とを接続する。オーバーフロー管6は、オーバーフロー孔42においてボウル部31に連通する。オーバーフロー管6は、上部L字管63と、上下管64と、下部L字管65と、を備える。
【0029】
上部L字管63は、全体として、略L字状に形成される。上部L字管63の一端部は、フランジ管60の筒状部62に接続される。
上部L字管63は、フランジ管60の他端部からボウル部31に対して離れる方向に所定長さ略水平方向に延び、下方に屈曲して、下方に所定長さ延びる。上部L字管63の他端部は、上下管64の上端部に接続される。
【0030】
上下管64は、上下方向に延びて形成される。上下管64の上端部は、上部L字管63の他端部に外挿される。上下管64の下端部は、下部L字管65の一端部に外挿される。
【0031】
下部L字管65は、全体として、略L字状に形成される。下部L字管65の一端部は、上下管64の下端部に接続される。下部L字管65は、上下管64の下端部から下方に所定長さ延び、洗面器3のボウル部31に近づく方向に屈曲して、その曲がり部分から洗面器3の排水管5の側に所定長さ水平方向に延びる。
下部L字管65の曲がり部分において、下部L字管65における洗面器3のボウル部31側の内面から突出する壁部67が形成される。
【0032】
下部L字管65の他端部には、接続筒部66が取り付けられている。接続筒部66の先端側の内面には、筒部ネジ部66aが形成されている。筒部ネジ部66aは、接続管51の一端部に形成される接続管ネジ部51aに螺合している。これにより、下部L字管65の他端部は、接続管51の一端部に接続される。
【0033】
接続管51は、オーバーフロー管6の下部L字管65と排水管5とを接続する接続部として機能する。接続管51の他端部は、排水管5の側面に接続されている。これにより、下部L字管65は、接続管51を介して、排水管5に接続されている。本実施形態においては、ボウル部31と排水管5と接続管51とは、一体に成形されている。
【0034】
水栓部7は、図1に示すように、吐水管71と、操作部72と、を有する。吐水管71は、吐水管固定用穴43(図3参照)を介して、洗面器3の第1上面部33に取り付けられる。操作部72は、操作部固定用穴44(図3参照)を介して、洗面器3の第1上面部33に取り付けられる。水栓部7においては、操作部72を操作することにより、吐水管71から水が吐出される。
【0035】
ミラーキャビネット11は、上下方向に延びる板状に形成される。ミラーキャビネット11は、洗面器3の後端部から上方に延びる。ミラーキャビネット11は、化粧鏡12と、複数の収納トレイ13と、照明部14と、を有する。
【0036】
化粧鏡12は、ミラーキャビネット11の幅方向の略中央において、洗面器3の上方側に取り付けられている。化粧鏡12は、平面状に形成される。化粧鏡12は、下端部が手前側になるように傾斜するように配置される。
【0037】
照明部14は、化粧鏡12の上方に配置される。照明部14は、1灯配置される。照明部14は、電球部14aと、電球部14aをカバーするカバー部材14bと、を有する。カバー部材14bは、電球部14aからの光を透過して、カバー部材14bの前面を介して、前方を照明すると共に、カバー部材14bの下面を介して、下方を照明する。そのため、照明部14は、前方に向けて光を照射する前方照射部としての機能を有し、かつ、その下面に設けられると共に下方に向けて光を照射する下方照射部としての機能を有する。つまり、照明部14は、下方照射部により下方に向けて光を照射することで、下方にも照明する。カバー部材14bは、半透明の樹脂材料により形成される。
【0038】
複数の収納トレイ13は、化粧鏡12の下方や化粧鏡12の両側に、配置されている。
【0039】
次に、少なくともボウル部31と排水管5と接続管51とが一体に成形されている成形部材(「一体成形部材」ともいう)の素材について説明する。本実施形態においては、一体成形部材は、ボウル前面カバー部32及び水栓用領域部としての第1上面部33も一体に成形されている。
素材としては、アクリル樹脂からなる熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。アクリル樹脂にゴム成分が添加されていると更に好ましい。ゴムとしては、例えば、アクリルゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴムが挙げられる。
【0040】
一体成形部材は、好ましくは、熱可塑性樹脂を射出成形することにより成形される。水栓用領域部としての第1上面部33に設けられる、水栓関連部材の固定用穴として吐水管固定用穴43及び操作部固定用穴44の形状は、入れ子を変えることにより、変更することができる。
【0041】
以上説明した本実施形態の洗面器3によれば、例えば、以下のような効果を奏する。
本実施形態の洗面器3は、排水口41及びオーバーフロー孔42を有するボウル部31と、排水口41から下方に向けて延びる排水管5と、オーバーフロー孔42においてボウル部31に連通するオーバーフロー管6と排水管5とを接続する接続管51と、を備え、ボウル部31と排水管5と接続管51とが一体に成形されている。
そのため、洗面器の構成要素の境界における汚れを低減でき、清掃性が高い。また、水漏れを抑制することができる。また、意匠性が高い。洗面器の部品点数を削減することができ、コスト(部材費、組立費、管理費など)を低減できる。
【0042】
また、本実施形態の洗面器3は、ボウル部31の前方に、ボウル部31に一体に成形されているボウル前面カバー部32を更に備える。そのため、ボウル部31とボウル前面カバー部32との境界において汚れを低減でき、清掃性が高い。また、水漏れを抑制することができる。
【0043】
また、本実施形態の洗面器3は、ボウル部31に一体に成形されている第1上面部33を更に備え、第1上面部33に、吐水管71用の吐水管固定用穴43及び操作部72用の操作部固定用穴44が設けられている。そのため、吐水管固定用穴43及び操作部固定用穴44を形成するための後加工工程を削減でき、コストダウンを図ることができる。
【0044】
また、本実施形態の洗面器3は、ゴム成分が添加されたアクリル樹脂からなる熱可塑性樹脂により成形されている。ゴムが添加されたアクリル樹脂は、ゴムが添加されていないアクリル樹脂と比べて、弾性率を低下させることができるため、成形歪み、吸水歪み及び冷熱繰り返し歪みに基づく発生応力が低い。そのため、アルコール等の溶剤に触れた場合や衝撃を受けた場合にクラックが発生しにくい。また、硬度を向上できる。
本実施形態の製造方法のような射出成形では、一般的に熱可塑性樹脂が用いられるが、熱可塑性樹脂は、プレス成形で一般的に用いられる熱硬化性樹脂よりも、耐溶剤性が低い。従って、アクリル樹脂からなる熱可塑性樹脂を射出成形して洗面器を成形する場合に、ゴム成分が添加されたアクリル樹脂を用いると、耐溶剤性が向上するため、特に好適である。
【0045】
また、本実施形態の洗面器の製造方法は、少なくともボウル部31と排水管5と接続管51とを一体に射出成形により成形する。そのため、洗面器3の部品点数を削減することができ、コスト(部材費、組立費、管理費など)を低減できる。また、洗面器をプレス形成により成形する場合と比べて、複雑な形状の洗面器を成形でき、サイクルタイムを短縮できる。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態においては、ボウル部31、排水管5及び接続管51に、ボウル前面カバー部32、吐水管固定用穴43及び操作部固定用穴44が一体に成形されているが、これに制限されない。ボウル前面カバー部32、吐水管固定用穴43及び操作部固定用穴44の一部又は全部は、一体に成形されていなくてもよい。
【符号の説明】
【0047】
3 洗面器
41 排水口
42 オーバーフロー孔
31 ボウル部
5 排水管(排水管部)
6 オーバーフロー管
51 接続管(接続部)
32 ボウル前面カバー部
33 第1上面部(水栓用領域部)
43 吐水管固定用穴(水栓関連部材の固定用穴)
44 操作部固定用穴(水栓関連部材の固定用穴)
図1
図2
図3
図4
図5