(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
生体に取り付けて生体から生じる信号を検出する検出部と、前記検出部で検出した信号を外部に引き出すフラットケーブルと、前記フラットケーブルの先端に設けられる端子接続部と、を具備する生体用フレキシブル回路基板において、
前記検出部の上面に、電極を形成し、
前記端子接続部の上面に、2本の接続パターンを形成し、
前記フラットケーブルの上面に、前記電極と前記一方の接続パターン間を接続する回路パターンを形成し、
前記フラットケーブルの回路パターンの上面に絶縁層を形成して当該絶縁層の上面にシールドパターンを形成し、
前記シールドパターンを、前記端子接続部に形成したもう一方の接続パターンに接続し、
さらに前記フラットケーブルの下面側にシールドパターンを形成すると共に、前記検出部の下面にシールド用導電層を形成し、
前記フラットケーブルの下面側に形成されたシールドパターンを、前記フラットケーブルの上面側の前記接続パターンに接続されているシールドパターンに、スルホールを介して接続したことを特徴とする生体用フレキシブル回路基板。
【背景技術】
【0002】
従来、生体の皮膚に接触させて、生体内に発生する微弱電流を検出する生体用の電極が利用されている。この種の電極は、例えば特許文献1の第1図に示すように、電極(1)を人体の皮膚面(M)に貼り付け、この電極(1)にクリップ(3)によってリード線(4)を接続し、このリード線(4)を心電図等の測定機器に接続して使用される。しかしながら電極(1)を測定機器に接続するには、クリップ(3)やリード線(4)を使用しなければならないので、部品点数が多くなるばかりか、接続作業も煩雑になっていた。
【0003】
この問題を解決するには、電極と引出線を一体に1枚のフレキシブル回路基板上に形成すればよい(例えば特許文献2参照)。本願の
図7は、検出部110とフラットケーブル(引出線)130を1枚のフレキシブル回路基板で構成した生体用フレキシブル回路基板100の一例を示す斜視図である。同図に示すように生体用フレキシブル回路基板100は、円形の検出部110の中央に円形の電極103を形成し、検出部110の外周に接続されているフラットケーブル130の先端に端子接続部140を設け、端子接続部140上に形成した一方の接続パターン141と前記電極103間及び他方の接続パターン141と検出部110に形成される図示しないシールド用導電層間をそれぞれ接続するようにフラットケーブル130上に2本の回路パターン(回路パターン上には絶縁層が形成されているので、その記載は省略)を形成して構成されている。このように構成すれば、検出部110を生体の皮膚表面に貼り付け、端子接続部140を測定機器に接続するだけでその装着が完成するので取り付け作業が容易であり、また部品点数も少なくて済む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記生体用フレキシブル回路基板100は、これを生体に装着した際にフラットケーブル130の部分が生体表面に接触したり離れたりするが、フラットケーブル130の表面は滑らかなので、生体に接触した際に皮膚に密着して張り付き易く、汗の蒸発が妨げられて汗がべとつき、不快感を生じてしまうという問題があった。またフラットケーブル130は薄いので、その両側辺のエッジ部分が生体に接触した際に皮膚を傷つけてしまう(または傷つけられたと感じてしまう)恐れがあった。これらの問題は、例えばこの生体用フレキシブル回路基板100と測定機器(例えば心電図記録計)を長時間(例えば24時間または数日、数週間)生体に装着したまま生活を行うような場合、特に問題となる。
【0006】
このような問題を解決するため、
図8に示すように、フラットケーブル130の両面にフラットケーブル130と略同一寸法形状の可撓性のある発泡シート150,151を接着剤によって貼り付けてなる生体用フレキシブル回路基板100−2も考えられる(但し生体用フレキシブル回路基板100−2は従来技術ではない)。このように構成すれば、発泡シート150,151の表面は多数の凹凸があってざらついているので、フラットケーブル130の部分が生体表面に接触した際に皮膚に密着せず張り付かず、発汗が妨げられず、汗がべとつかない。またフラットケーブル130の厚みが厚くなり且つ発泡シート150,151は硬くないので、フラットケーブル130の両側辺の部分が生体に接触しても皮膚を傷つける恐れもない。
【0007】
しかしながら
図8に示す生体用フレキシブル回路基板100−2の場合、フラットケーブル130の両面に発泡シート150,151を接着剤で貼り付けるので、フラットケーブル130の両側辺に接着剤の層が露出し、このためフラットケーブル130の両側辺が生体に接触した際に生体に接着剤が触れて軽く接着し、いわゆるべたつき感が生じてしまう。この問題も、生体用フレキシブル回路基板100−2を長時間生体に装着したまま生活を行うような場合に特に不快感が増大し、問題となる。またフラットケーブル130に発泡シート150,151を接着剤で貼り付けるため専用の貼り付け治具が必要になって製造コストが増大し、また発泡シート150,151を接着剤で貼り付ける際に貼りずれが生じたり、フラットケーブル130と発泡シート150,151の間に気泡が入る等の不都合を生じる恐れもあった。
【0008】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、部品点数を少なくでき、生体表面に接触しても皮膚に密着せず張り付かず、また皮膚を傷つける恐れもなく、さらに接着剤等のべたつきによる不快感も生じない、製造の容易な生体用フレキシブル回路基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る生体用フレキシブル回路基板は、生体に取り付けて生体から生じる信号を検出する検出部と、前記検出部で検出した信号を外部に引き出すフラットケーブルと、前記フラットケーブルの先端に設けられる端子接続部と、を具備する生体用フレキシブル回路基板において、前記検出部の上面に、電極を形成し、前記端子接続部の上面に、2本の接続パターンを形成し、前記フラットケーブルの上面に、前記電極と前記一方の接続パターン間を接続する回路パターンを形成し、前記フラットケーブルの回路パターンの上面に絶縁層を形成して当該絶縁層の上面にシールドパターンを形成し、前記シールドパターンを、前記端子接続部に形成したもう一方の接続パターンに接続し、さらに前記フラットケーブルの下面側にシールドパターンを形成すると共に、前記検出部の下面にシールド用導電層を形成し
、前記フラットケーブルの下面側に形成されたシールドパターンを、前記フラットケーブルの上面側の前記接続パターンに接続されているシールドパターンに、スルホールを介して接続したことを特徴としている。
【0010】
また本発明は、上記特徴に加え、前記フラットケーブル下面のシールドパターンは、スルホールを介して前記もう一方の接続パターンに接続されることを特徴としている。
【0011】
また本発明は、上記特徴に加え、前記フラットケーブルの少なくとも上下面の内の何れか一方の面に、粘着性のない樹脂中に多数の中空を形成してなる発泡保護層を形成したことを特徴としている。
発泡保護層の表面はざらついているので、生体表面に接触しても皮膚に密着せず、発汗が妨げられず、汗が皮膚表面でべたつくことはない。従って肌触りが良い。
【発明の効果】
【0012】
本発明にかかる生体用フレキシブル回路基板によれば、部品点数を少なくでき、生体表面に接触しても皮膚に密着せず張り付かず、また皮膚を傷つける恐れもなく、さらに接着剤等のべたつきによる不快感も生じず、製造も容易にできる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る保護層付き生体用フレキシブル回路基板(以下「保護層付き生体用電極板」という)1−1の斜視図である。また
図2は
図1に示す保護層付き生体用電極板1−1のA−A断面部分の拡大斜視図である。
図1に示すように保護層付き生体用電極板1−1は、生体に取り付けて生体から生じる信号を検出する検出部11と、前記検出部11で検出した信号を外部に引き出すフラットケーブル31とを具備して構成されている。なお以下の説明において、「上」とは
図1に示す電極13が露出している面側をいい、「下」とはその反対側をいうものとする。
【0015】
保護層付き生体用電極板1−1の基材を構成するフレキシブル回路基板21(
図2参照)としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フイルム、ポリフェニレンスルフイド(PPS)フイルム、ポリイミド(PI)フイルム、ポリエーテルイミド(PEI)フイルム等の各種可撓性を有する合成樹脂フイルムが用いられる。
【0016】
検出部11は、円形に形成したフレキシブル回路基板21の上面中央に円形の電極13を形成し、一方電極13の周囲とフレキシブル回路基板21の下面全体にシールド用導電層(図示せず)を印刷し、上下のシールド用導電層をスルホールで電気的に接続し、これら上下のシールド用導電層の表面に絶縁層15を形成して構成されている。
【0017】
フラットケーブル31の先端には端子接続部40が設けられ、端子接続部40上には2本の接続パターン41が形成されている。そして一方の接続パターン41と前記電極13間がフラットケーブル31上に形成した回路パターン33(
図2参照)によって接続され、もう一方の接続パターン41と前記シールド用導電層間がフラットケーブル31上に形成した回路パターン(シールドパターン)37(
図2参照)によって接続されている。
【0018】
図2に示すようにフラットケーブル31の基材を構成する前記フレキシブル回路基板21の上面中央には、前述のように、一方の接続パターン41と電極13間を接続する直線状の回路パターン33が形成されている。回路パターン33は樹脂製の塗布ペースト中に導電粉を混合してなる導電ペーストをスクリーン印刷することによって構成されている。導電粉としてこの例では銀粉を用い、塗布ペーストとしてこの例ではウレタン系、エポキシ系、フェノール系等の樹脂材を溶剤に溶かしたものを用い、これによって銀ペーストとしている。なお導電ペースト用の導電粉としては、カーボン粉末等の他の導電粉を用いても良い(以下の各回路パターンにおいても同様)。
【0019】
回路パターン33の上には絶縁層35が形成されている。絶縁層35はフラットケーブル31の略全長と全幅を覆うように形成されている。絶縁層35は樹脂製の塗布ペーストをスクリーン印刷することによって構成されている。塗布ペーストとしてこの例ではウレタン系、エポキシ系、フェノール系等の樹脂材を溶剤に溶かしたレジスト材を用いている。
【0020】
絶縁層35の上面の略全体には、もう一方の接続パターン41とシールド用導電層間を接続する回路パターン(シールドパターン)37が形成されている。回路パターン37は前記回路パターン33と同様に、樹脂製の塗布ペースト中に導電粉を混合してなる導電ペーストをスクリーン印刷することによって構成されている。導電粉としてこの例では銀粉を用い、塗布ペーストとしてこの例ではウレタン系、エポキシ系、フェノール系等の樹脂材を溶剤に溶かしたものを用い、これによって銀ペーストとしている。
【0021】
回路パターン37の上には、絶縁層39が形成されている。絶縁層39は前記絶縁層35と同様に、フラットケーブル31の略全長と全幅を覆うように形成されている。絶縁層39は樹脂製の塗布ペーストをスクリーン印刷することによって構成されている。塗布ペーストとしてこの例ではウレタン系、エポキシ系、フェノール系等の樹脂材を溶剤に溶かしたレジスト材を用いている。
【0022】
一方フラットケーブル31の基材を構成するフレキシブル回路基板21の下面の略全体には、回路パターン(シールドパターン)43が形成されている。回路パターン43は前記検出部11の下面に形成されたシールド用導電層に接続され、スルホールを介して上面側のシールド用導電層、回路パターン37、接続パターン41に電気的に接続されている。回路パターン43は前記回路パターン37と同様に、樹脂製の塗布ペースト中に導電粉を混合してなる導電ペーストをスクリーン印刷することによって構成されている。導電粉としてこの例では銀粉を用い、塗布ペーストとしてこの例ではウレタン系、エポキシ系、フェノール系等の樹脂材を溶剤に溶かしたものを用い、これによって銀ペーストとしている。
【0023】
さらに回路パターン43の下面全体には、絶縁層45が形成されている。絶縁層45は前記絶縁層39と同様に、フラットケーブル31の略全長と全幅を覆うように形成されている。絶縁層45は樹脂製の塗布ペーストをスクリーン印刷することによって構成されている。塗布ペーストとしてこの例ではウレタン系、エポキシ系、フェノール系等の樹脂材を溶剤に溶かしたレジスト材を用いている。このときの状態を
図3に示す。
【0024】
そして本発明においてはさらに絶縁層39の上面(表面)の略全体に発泡保護層51を形成し、絶縁層45の下面(表面)の略全体にも発泡保護層53を形成している。両発泡保護層51,53は何れも、樹脂製の塗布ペーストをスクリーン印刷した後に加熱することでこの塗布ペースト中の発泡剤を熱膨張させこれによって多数の中空を形成することで構成されている。塗布ペーストとしてこの例ではウレタン系、エポキシ系等の樹脂材を溶剤に溶かしたレジスト材中に発泡剤を分散させたものを用いている。発泡剤としては、
図4(a)に示すように、熱可塑性樹脂製の外郭61内に所定の温度にてガス化又はガスの発生が可能な発泡材料63を封入した発泡剤60を用いている。外郭61は熱可塑性樹脂であり且つガスバリア性を有するものが好ましい。発泡材料63としては加熱によりガス化又はガスの発生が可能である物質を用い、さらには外郭61を形成する材料の軟化点以下の温度でガス化する物質であることが好ましい。
【0025】
そして上記
図3に示す状態のフラットケーブル31の絶縁層39の上面(表面)と絶縁層45の下面(表面)とにそれぞれ、前記発泡保護層51,53となる塗布ペーストを塗布し、外郭61を構成する熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度に加熱する。これによって発泡材料63自体のガス化又は発泡材料63の熱分解ガスによって熱膨張(発泡)し、
図4(b)に示すように膨張した外郭65内が中空67になり、塗布ペースト中に多数の中空部分が形成され、且つ塗布ペーストから溶剤が揮発して固化し、発泡保護層51,53が形成される。発泡保護層51,53の厚みは、印刷時の塗布ペーストの膜厚及び発泡量の調整で可変できる。
【0026】
なお実際の製造方法としては、大きなフレキシブル回路基板21上に複数組の電極13やシールド用導電層や回路パターン33,37,43や絶縁層15,35,39,45や接続パターン41や発泡保護層51,53等をスクリーン印刷等によって形成し、その後フレキシブル回路基板21を単品毎の検出部11とフラットケーブル31と端子接続部40の外形形状にカットし、これによって一度に多数の個品化された保護層付き生体用電極板1−1を得るようにすればよい。
【0027】
以上説明したように保護層付き生体用電極板1−1は、生体に取り付けて生体から生じる信号を検出する検出部11と、検出部11で検出した信号を外部に引き出すフラットケーブル31とを具備し、フラットケーブル31の表面に、樹脂製の塗布ペーストを加熱することでこの塗布ペースト中の発泡剤を熱膨張させて中空を形成してなる断熱効果の高い発泡保護層51,53を形成したので、このフラットケーブル31を生体表面に接触しても、発泡保護層51,53の表面はざらついているので皮膚に密着せず張り付かず、発汗が妨げられず、汗が皮膚表面でべたつくことはない。従って肌触りが良い。また塗布・乾燥(溶剤揮発)後の発泡保護層51,53には粘着性がなく、べたつきによる不快感は生じない。また塗布ペーストの塗布と加熱によって発泡保護層51,53を形成するので、製造が容易且つ確実に行える。また発泡保護層51,53は厚みが厚いので、絶縁効果も高い。
【0028】
特にこの保護層付き生体用電極板1−1においては、フラットケーブル31の部分に発泡保護層51,53を形成したので、生体への接触・離脱の多いフラットケーブル31の部分が生体表面に頻繁に接触しても皮膚に密着せず、肌触りがよく、また皮膚を傷つける恐れがなく、べたつきによる不快感も生じず、本発明の効果を特に効果的に発揮することができる。
【0029】
またこの保護層付き生体用電極板1−1においては、発泡保護層51,53をフラットケーブル31の表裏両表面の全幅に至る位置まで形成して厚みを厚くしているので、フラットケーブル31の両側辺が生体に接触した場合でも、皮膚が傷つけられる恐れ(または傷つけられたと感じてしまう恐れ)を確実の防止できる。
【0030】
またこの保護層付き生体用電極板1−1においては、回路パターン33,37,43と絶縁層35,39,45と発泡保護層51,53の各層形成工程を全てスクリーン印刷(スクリーン印刷機)によって行っているので、製造工程の自動化が図れ、
図8においてフラットケーブル130に発泡シート150,151を接着剤で貼り付ける際に必要な専用の貼り付け治具が不要であって製造が容易に行える。また
図8においてフラットケーブル130に発泡シート150,151を接着剤で貼り付ける際に生じる恐れのある貼りずれや気泡が入るという不都合もなくなり、不良発生を防ぐことができる。
【0031】
なお上記実施形態において回路パターン(シールドパターン)37,43や検出部11に設けるシールド用導電層は、回路パターン33や電極13等へのノイズの侵入を防ぐために設けられているものであり、場合によっては必ずしも設ける必要はない(以下の実施形態においても同様である)。
【0032】
図5は本発明の他の実施形態に係る保護層付き生体用電極板1−2のフラットケーブル31−2部分の断面拡大斜視図(
図2と同一断面部分を示す)である。また
図6は保護層付き生体用電極板1−2の斜視図である。
図5,
図6に示す保護層付き生体用電極板1−2において、前記
図1〜
図4に示す保護層付き生体用電極板1−1と同一又は相当部分には同一符号を付す(但し各符号には添え字「−2」を付す)。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記
図1〜
図4に示す実施形態と同じである。
【0033】
この保護層付き生体用電極板1−2においては、基材となるフレキシブル回路基板21−2の上面側のみに印刷を施しており、これによって前記フレキシブル回路基板21とはその印刷構成が異なっている。即ち保護層付き生体用電極板1−1はフレキシブル回路基板21の上下面に両面印刷する構成であるのに対して、保護層付き生体用電極板1−2はフレキシブル回路基板21−2の上面のみに片面印刷する構成である。従ってフラットケーブル31−2上の発泡保護層51−2も一方の表面(電極部13−2が露出する面側)のみに形成されている。
【0034】
そして
図5に示すように、フラットケーブル31−2の基材を構成するフレキシブル回路基板21−2の上面の略全体には、回路パターン(シールドパターン)43−2が形成されている。回路パターン43−2は、樹脂製の塗布ペースト中に導電粉を混合してなる導電ペーストをスクリーン印刷することによって構成されている。導電粉としてこの例では銀粉を用い、塗布ペーストとしてこの例ではウレタン系、エポキシ系、フェノール系等の樹脂材を溶剤に溶かしたものを用い、これによって銀ペーストとしている。
【0035】
回路パターン43−2の上面全体には、絶縁層45−2が形成されている。絶縁層45−2は、フラットケーブル31−2の略全長と全幅を覆うように形成されている。絶縁層45−2は樹脂製の塗布ペーストをスクリーン印刷することによって構成されている。塗布ペーストとしてこの例ではウレタン系、エポキシ系、フェノール系等の樹脂材を溶剤に溶かしたレジスト材を用いている。
【0036】
前記絶縁層45−2の上面中央には、一方の接続パターン41−2と電極13−2間を接続する回路パターン33−2が形成されている。回路パターン33−2は樹脂製の塗布ペースト中に導電粉を混合してなる導電ペーストをスクリーン印刷することによって構成されている。導電粉としてこの例では銀粉を用い、塗布ペーストとしてこの例ではウレタン系、エポキシ系、フェノール系等の樹脂材を溶剤に溶かしたものを用い、これによって銀ペーストとしている。
【0037】
回路パターン33−2の上には絶縁層35−2が形成されている。絶縁層35−2はフラットケーブル31−2の略全長と全幅を覆うように形成されている。絶縁層35−2は、前記絶縁層45−2と同様に、樹脂製の塗布ペーストをスクリーン印刷することによって構成されている。塗布ペーストとしてこの例ではウレタン系、エポキシ系、フェノール系等の樹脂材を溶剤に溶かしたレジスト材を用いている。
【0038】
絶縁層35−2の上面の略全体には、もう一方の接続パターン41−2とシールド用導電層間を接続する回路パターン(シールドパターン)37−2が形成されている。回路パターン37−2は前記回路パターン33−2と同様に、樹脂製の塗布ペースト中に導電粉を混合してなる導電ペーストをスクリーン印刷することによって構成されている。導電粉としてこの例では銀粉を用い、塗布ペーストとしてこの例ではウレタン系、エポキシ系、フェノール系等の樹脂材を溶剤に溶かしたものを用い、これによって銀ペーストとしている。なお回路パターン37−2と前記回路パターン43−2間は、端子接続部40−2の部分において、電気的に接続されている。
【0039】
回路パターン37−2の上には、絶縁層39−2が形成されている。絶縁層39−2は前記絶縁層35−2と同様に、フラットケーブル31の略全長と全幅を覆うように形成されている。絶縁層39−2は樹脂製の塗布ペーストをスクリーン印刷することによって構成されている。塗布ペーストとしてこの例ではウレタン系、エポキシ系、フェノール系等の樹脂材を溶剤に溶かしたレジスト材を用いている。
【0040】
そして絶縁層39−2の上面の略全体に発泡保護層51−2が形成されている。発泡保護層51−2の材質と形成方法は上記例と同じである。
【0041】
このように、回路パターン33−2,37−2,43−2や発泡保護層51−2はフレキシブル回路基板21−2の一方の面に形成してもよい。また回路パターンは1本でも良く、また3本以上でも良く、また複数本を同一面に並列に設けても良い。また上記例では回路パターンの上に絶縁層を形成し、その上に発泡保護層を形成しているが、発泡保護層に絶縁層を兼用させ、絶縁層を省略しても良い。また上記例ではフラットケーブル31,31−2の全幅にわたって発泡保護層を形成したが、場合によっては全幅に形成せず、その幅の一部に形成しても良い。また上記例ではフラットケーブル31,31−2の略全長にわたって発泡保護層を形成したが、場合によってはフラットケーブル31,31−2の長手方向の一部に形成しても良い。
【0042】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば上記実施形態では、1つの検出部11,11−2と1本のフラットケーブル31,31−2によって保護層付き生体用電極板1−1,1−2を構成したが、1枚の保護層付き生体用電極板に複数の検出部や複数本のフラットケーブルを一体に設けても良い。また保護層付き生体用電極板の形状は他の各種形状でも良く、また保護層付き生体用電極板には検出部やフラットケーブル以外の各種機能を発揮するための部品を設けても良い。
【0043】
また上記実施形態では、保護層付き生体用フレキシブル回路基板として本発明を保護層付き生体用電極板に利用した例を示したが、本発明は他の各種生体用回路基板に適用しても良い。さらに本発明は生体用以外の各種回路基板(即ち生体に触れる部分がない保護層付きフレキシブル回路基板)に適用しても良い。この場合、発泡保護層は、絶縁材としての機能と、衝撃吸収材としての機能と、断熱材としての機能を併せ持つことになる。
【0044】
また上記実施形態では、フラットケーブルの表面に発泡保護層を形成したが、フラットケーブル以外の回路基板上の生体に触れる可能性がある部分に発泡保護層を形成しても良い。また上記実施形態では回路パターンとして導電ペーストを用いたが、場合によっては金属箔のエッチングや蒸着による金属層を用いても良い。