特許第6722966号(P6722966)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6722966
(24)【登録日】2020年6月25日
(45)【発行日】2020年7月15日
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20120101AFI20200706BHJP
【FI】
   G06Q10/06
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-47227(P2020-47227)
(22)【出願日】2020年3月18日
【審査請求日】2020年3月18日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517170454
【氏名又は名称】ナレッジ・マーチャントワークス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】特許業務法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】染谷 剛史
【審査官】 鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2019−191718(JP,A)
【文献】 特開2016−059658(JP,A)
【文献】 特開2014−115700(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第109493439(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
業務の効率化を支援する情報処理装置であって、
記憶部と、処理部とを備え、
前記記憶部は、従業者を識別するための特徴情報と、前記従業者の基本所作の情報とを記憶し、
前記処理部は、
前記記憶部に記憶された前記特徴情報及び前記基本所作の情報を読出可能に構成され、且つ
取得部と、特定部と、判定部と、通知部として機能するように構成され
前記取得部は、所定の範囲を撮影する少なくとも1つの撮影装置から動画情報を取得可能に構成され、
前記特定部は、前記特徴情報に基づいて、顔認識処理により前記動画情報に含まれる従業者を特定可能に構成され、
前記判定部は、前記従業者の基本所作の情報に基づいて、前記動画情報に含まれる前記従業者の所作が基本所作と異なる場合に、該従業者を対象者と判定可能に構成され、
前記通知部は、前記対象者に対応付けられた携帯端末へ注意を通知可能に構成される
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記基本所作は、業務手順である
情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記通知部は、前記業務手順が記載されたマニュアル又は該マニュアルへのリンクを前記携帯端末へ通知する
情報処理装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の情報処理装置において、
前記業務手順は、飲食物の提供手順である
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記特定部は、顔認識処理により前記動画情報に含まれる非従業者を特定し、
前記基本所作は、前記非従業者の有無により変化する
情報処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理装置において、
前記基本所作は、接客対応である
情報処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理装置において、
顧客情報取得部を備え、
前記顧客情報取得部は、前記特定部が認識した前記非従業者の購入履歴に基づく顧客情報を取得可能に構成され、
前記通知部は、前記顧客情報を前記携帯端末へ通知する
情報処理装置。
【請求項8】
プログラムであって、
コンピュータを請求項1〜請求項7の何れか1つに記載の情報処理装置として機能させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗や工場等で作業に従事する従業者に対しては、作業手順等が定められていることが多く、この作業手順に従うことで、従業者の作業効率が向上する。しかしながら、習熟度の低さ等に起因して、従業者の所作が作業手順とは異なるものとなってしまうことがあり、管理者等が従業者へ注意を促すことが必要になる。
【0003】
管理者が従業者へ注意を促すためには、管理者が従業者の所作を注視する必要があり、管理者の負担が高く、また、注視されている従業者の心理的な負荷を負うことになる。したがって、管理者によらず、従業者へ注意を促すことのできる方策が望まれる。なお、カメラが撮像した画像から、店員の行動を特定する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−071414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従業者へ注意を促す際には、従業者が基本的な所作に反した時点で、その本人に対して注意を行うことが望ましい。
【0006】
本発明では上記事情を鑑み、従業者へ適切に注意を促し、業務の効率化を支援することのできる情報処理装置及びプログラムを提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、業務の効率化を支援する情報処理装置であって、取得部と、特定部と、判定部と、通知部とを備え、前記取得部は、所定の範囲を撮影する少なくとも1つの撮影装置から動画情報を取得可能に構成され、前記特定部は、顔認識処理により前記動画情報に含まれる従業者を特定可能に構成され、前記判定部は、前記動画情報に含まれる前記従業者の所作が基本所作と異なる場合に、該従業者を対象者と判定可能に構成され、前記通知部は、前記対象者に対応付けられた携帯端末へ注意を通知可能に構成される情報処理装置が提供される。
【0008】
本発明の一態様によれば、店長や上長等の管理者にではなく、従業者本人に注意が通知されるので、自律的な組織の構築への貢献が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る情報処理装置1と他の装置との接続構成を示した図である。
図2】情報処理装置1の構成を示した図である。
図3】情報処理装置100の機能的な構成を示すブロック図である。
図4】通知部105による通知を受けた携帯端末3の表示画面の例を示した図である。
図5】情報処理装置100の動作の流れを示すアクティビティ図である。
図6】情報処理装置100の動作の流れを示すアクティビティ図である。
図7】情報処理装置110の機能的な構成を示すブロック図である。
図8】通知部116による通知を受けた携帯端末3の表示画面の例を示した図である。
図9】情報処理装置110の動作の流れを示すアクティビティ図である。
図10】情報処理装置110の動作の流れを示すアクティビティ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0011】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0012】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、電圧・電流といった信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0013】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0014】
1.全体構成
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理装置1と他の装置との接続構成を示した図である。同図に示すように、情報処理装置1は、撮影装置2−1〜撮影装置2−n、携帯端末3−1〜携帯端末3−mのそれぞれと、ネットワーク4を介して通信可能に接続される。撮影装置2−1〜撮影装置2−nは、いずれも従業者の就業場所を動画撮影するものであり、専用のものであってもよく、防犯カメラ等を流用してもよい。携帯端末3−1〜携帯端末3−mは、それぞれ、スマートフォンやタブレット等の通信可能な機器であり、従業者のそれぞれが携帯するものである。
【0015】
2.情報処理装置1の構成
図2は、情報処理装置1の構成を示した図である。同図に示すように、情報処理装置1は、処理部11と、記憶部12と、一時記憶部13と、外部装置接続部14と、通信部15とを有しており、これらの構成要素が情報処理装置1の内部において通信バス16を介して電気的に接続されている。
【0016】
処理部11は、例えば、中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)により実現されるもので、記憶部12に記憶された所定のプログラムに従って動作し、種々の機能を実現する。
【0017】
記憶部12は、様々な情報を記憶する不揮発性の記憶媒体である。これは、例えばハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)やソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスにより実現される。なお、記憶部12は、情報処理装置1と通信可能な別の装置に配するようにすることも可能である。
【0018】
一時記憶部13は、揮発性の記憶媒体である。これは、例えばランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリにより実現され、処理部11が動作する際に一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶する。
【0019】
外部装置接続部14は、例えばユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus:USB)や高精細度マルチメディアインターフェース(High−Definition Multimedia Interface:HDMI)といった規格に準じた接続部であり、キーボード等の入力装置やモニタ等の表示装置を接続可能としている。
【0020】
通信部15は、例えばローカルエリアネットワーク(Local Area Network:LAN)規格に準じた通信手段であり、情報処理装置1とローカルエリアネットワークやこれを介したインターネット等のネットワーク4との間の通信を実現する。
【0021】
なお、情報処理装置1には、汎用のサーバ向けのコンピュータやパーソナルコンピュータ等を利用することが可能であり、複数のコンピュータを用いて情報処理装置1を構成することも可能である。
【0022】
3.実施例1
実施例1では、工場や店舗等で作業に従事する従業者を支援する場合を説明する。実施例1における従業者は、マニュアル等で定められた業務手順に従って作業を行う。このため、従業者が業務手順に従っている際の所作を基本所作とする。
【0023】
3−1.情報処理装置100の機能
まず、情報処理装置100の機能について説明する。情報処理装置100は、情報処理装置1でプログラムを動作させることにより実現されるものである。
【0024】
図3は、情報処理装置100の機能的な構成を示すブロック図である。情報処理装置100は、業務の効率化を支援するもので、取得部101と、特定部102と、情報記憶部103と、判定部104と、通知部105とを備える。なお、情報記憶部103は、記憶部12の一部であり、プログラムを動作させることにより実現されるものではないが、説明の便宜上、情報処理装置100が情報記憶部103を備えているものとする。
【0025】
取得部101は、所定の範囲を撮影する少なくとも1つの撮影装置、例えば撮影装置2−1から動画情報を取得可能に構成される。もちろん、撮影装置2−1〜撮影装置2−nの全てから動画情報を取得するようにしてもよい。
【0026】
特定部102は、顔認識処理により動画情報に含まれる従業者を特定可能に構成される。顔認識処理に際しては、予め情報記憶部103に記憶されている従業者の特徴情報を用いる。
【0027】
情報記憶部103は、特定部102による顔認識処理に必要な従業者の特徴情報や、判定部104が判定に用いる基本所作の情報等を記憶する。
【0028】
判定部104は、動画情報に含まれる従業者の所作が基本所作と異なる場合に、該従業者を対象者と判定可能に構成される。従業者の所作は、例えば、従業者の動線に基づいて特定されるものであり、ある場所から別の場所への移動したこと等を特定する。また、従業者の手や腕の動きを特徴として所作を特定するようにしてもよい。基本所作は、業務手順又は業務手順に従って動作した場合の動線や特徴である。業務手順は、例えば、飲食店における飲食物の提供手順である。判定部104は、特定した従業者の所作と基本所作とを比較し、相違した場合に、その従業者を通知部105による通知対象として判定する。
【0029】
通知部105は、判定部104が判定した対象者に対応付けられた携帯端末3へ注意を通知可能に構成される。なお、携帯端末3は、携帯端末3−1〜携帯端末3−mのうち、対象者が携帯しているものである。
【0030】
通知部105による通知は、例えば、図4に示すように、「手順をまちがえませんでしたか?」のような文字列を携帯端末3に表示させることで行う。図4は、通知部105による通知を受けた携帯端末3の表示画面の例を示した図である。また、通知部105は、図4に示すように、「マニュアルを開く」等の業務手順が記載されたマニュアル又は当該マニュアルへのリンクを携帯端末3へ通知するようにしてもよい。
【0031】
このような情報処理装置100を実現するため、コンピュータである情報処理装置1を業務の効率化を支援する情報処理装置100として動作させるプログラムは、情報処理装置1を取得部101と、特定部102と、判定部104と、通知部105とを備える情報処理装置100として動作させる。取得部101は、所定の範囲を撮影する少なくとも1つの撮影装置2−1等から動画情報を取得可能に構成される。特定部102は、顔認識処理により動画情報に含まれる従業者を特定可能に構成される。判定部104は、動画情報に含まれる従業者の所作が基本所作と異なる場合に、該従業者を対象者と判定可能に構成される。通知部105は、対象者に対応付けられた携帯端末へ注意を通知可能に構成される。
【0032】
3−2.情報処理装置100の動作
次に、情報処理装置100の動作について説明する。図5及び図6は、情報処理装置100の動作の流れを示すアクティビティ図である。
【0033】
情報処理装置100は、動作を開始すると、まず、取得部101が動画情報の取得を開始する(A101)。動画情報は、撮影装置2−1〜撮影装置2−nの少なくとも1つから取得する。この動画情報の取得は、メンテナンス等により情報処理装置100が動作を停止するまで続けられる。
【0034】
次に、特定部102が動画情報から未特定の人物が検出すると、当該人物の顔認識処理を行い(A102)、当該人物の特定を行う。そして、顔認識処理の結果、特定した人物が従業者であった場合には、判定部104及び通知部105により、特定した従業者に対する支援を行う(A103)。この従業者に対する支援は、特定した従業者毎に行い、その処理は、並列して行われる。なお、この支援については後述する。一方、顔認識処理の結果、特定した人物が非従業者であった場合には、何ら処理は行わないが、当該人物を特定人物として以後顔認識処理を行わない。ただし、特定した人物が従業者と非従業者のいずれの場合も、動画情報から検出できない状態になり、再度、検出できる状態になった場合には、未特定の人物として顔認証処理を行う。特定部102は、これらの処理を繰り返す。
【0035】
続いて、特定した従業者に対する支援について説明する。判定部104は、動画情報から従業者の所作を識別する(A131)。従業者の所作は、従業者の動線や手、腕の動きを特徴として識別する。そして、判定部104は、識別した所作を基本所作と比較する(A132)。比較の結果、両者に相違がなければ、判定部104は、所作の識別と比較を繰り返す。
【0036】
一方、識別した従業者の所作と基本所作とに相違があった場合には、判定部104は、当該従業者を対象者に認定する(A133)。そして、対象者に認定された従業者に対して通知部105が注意を通知する(A134)。注意の通知は、図4に示したような形態で行われる。
【0037】
また、識別した従業者の所作と基本所作とに相違があった場合、その相違が、従業者の工場や店舗等の従業場所からの退出に起因するものであった場合、当該従業者が休憩又は退勤するものとして、注意を通知せずに、当該従業者に対する支援を終了する。
【0038】
このように、情報処理装置100により、店長や上長等の管理者にではなく、従業者本人に注意が通知されるので、自律的な組織の構築につながることになる。
【0039】
4.実施例2
実施例2では、店舗、特に、店舗全般に商品が陳列されている店舗等で作業に従事する従業者を支援する場合を説明する。実施例2における従業者は、来店客の有無で業務が異なり、来店者がいない場合には、店舗内の巡回や商品の整理等を行い、来店客がいる場合には接客を行う。このため、基本所作は、来店客の有無で変化するものとする。
【0040】
4−1.情報処理装置110の機能
まず、情報処理装置110の機能について説明する。情報処理装置110は、情報処理装置1でプログラムを動作させることにより実現されるものである。
【0041】
図7は、情報処理装置110の機能的な構成を示すブロック図である。情報処理装置110は、業務の効率化を支援するもので、取得部111と、特定部112と、情報記憶部113と、顧客情報取得部114と、判定部115と、通知部116とを備える。なお、情報記憶部113は、記憶部12の一部であり、プログラムを動作させることにより実現されるものではないが、説明の便宜上、情報処理装置110が情報記憶部113を備えているものとする。
【0042】
取得部111は、所定の範囲を撮影する少なくとも1つの撮影装置、例えば撮影装置2−1から動画情報を取得可能に構成される。もちろん、撮影装置2−1〜撮影装置2−nの全てから動画情報を取得するようにしてもよい。
【0043】
特定部112は、顔認識処理により動画情報に含まれる従業者を特定可能に構成される。また、特定部112は、顔認識処理により動画情報に含まれる非従業者を特定する。顔認識処理に際しては、予め情報記憶部113に記憶されている従業者の特徴情報を用いる。
【0044】
情報記憶部113は、特定部112による顔認識処理に必要な従業者及び非従業者の特徴情報や、判定部115が判定に用いる基本所作の情報等を記憶する。
【0045】
顧客情報取得部114は、特定部112が認識した非従業者を顧客として、その顧客の購入履歴に基づく顧客情報を取得可能に構成される。また、顧客情報取得部114は、非従業者が来店した場合に、特定部112に記憶されている基本所作を変更する。つまり、基本所作は、非従業者の有無により変化する。
非従業者が存在しない場合、つまり、顧客が来店していない場合には、基本所作は、店舗内の巡回や商品の整理等であり、非従業者が存在する場合、つまり、顧客が来店している場合には、基本所作は、接客対応である。
【0046】
判定部115は、動画情報に含まれる従業者の所作が基本所作と異なる場合に、該従業者を対象者と判定可能に構成される。従業者の所作は、例えば、従業者の動線に基づいて特定されるものであり、ある場所から別の場所への移動したこと等を特定する。また、従業者の手や腕の動きを特徴として所作を特定するようにしてもよい。判定部115は、特定した従業者の所作と基本所作とを比較し、相違した場合に、その従業者を通知部116による通知対象として判定する。
【0047】
通知部116は、判定部115が判定した対象者に対応付けられた携帯端末3へ注意を通知可能に構成される。なお、携帯端末3は、携帯端末3−1〜携帯端末3−mのうち、対象者が携帯しているものである。
【0048】
通知部116による通知は、例えば、図8に示すように、「接客してください。」、「お客様がご来店です。」のような文字列を携帯端末3に表示させることで行う。図8は、通知部116による通知を受けた携帯端末3の表示画面の例を示した図である。また、通知部116は、図8に示すように、「お客様情報」として該当する顧客(非従業者)の購入履歴に基づく嗜好等の顧客情報を携帯端末3へ通知するようにしてもよい。
【0049】
このような情報処理装置110を実現するため、コンピュータである情報処理装置1を業務の効率化を支援する情報処理装置110として動作させるプログラムは、情報処理装置1を取得部111と、特定部112と、顧客情報取得部114と、判定部115と、通知部116とを備える情報処理装置110として動作させる。
【0050】
なお、情報処理装置110は、店舗等の従業者の支援に限らず、会社等の受付業務の支援に利用することもできる。
【0051】
4−2.情報処理装置110の動作
次に、情報処理装置110の動作について説明する。図9及び図10は、情報処理装置110の動作の流れを示すアクティビティ図である。
【0052】
情報処理装置110は、動作を開始すると、まず、取得部111が動画情報の取得を開始する(A201)。動画情報は、撮影装置2−1〜撮影装置2−nの少なくとも1つから取得する。この動画情報の取得は、メンテナンス等により情報処理装置110が動作を停止するまで続けられる。
【0053】
次に、特定部112が動画情報から未特定の人物が検出すると、当該人物の顔認識処理を行い(A202)、当該人物の特定を行う。そして、顔認識処理の結果、特定した人物が従業者であった場合には、判定部115及び通知部116により、特定した従業者に対する支援を行う(A203)。この従業者に対する支援は、特定した従業者毎に行い、その処理は、並列して行われる。なお、この支援については後述する。
【0054】
一方、顔認識処理の結果、特定した人物が非従業者であった場合には、顧客情報取得部114が情報記憶部113から特定した非従業者の顧客情報を取得する(A204)。情報記憶部113に特定した非従業者の顧客情報が記憶されていない場合には、顧客情報の取得は省略する。そして、顧客情報取得部114は、情報記憶部113に記憶されている基本所作を接客対応に変更する(A205)。このとき、当該非従業者への接客を予め定められた従業者に行わせたい場合には、顧客情報取得部114は、その従業者に対応する基本所作のみを接客対応に変更する。
【0055】
特定部112は、顔認識処理を行った人物を特定人物として以後顔認識処理を行わない。ただし、特定した人物が従業者と非従業者のいずれの場合も、動画情報から検出できない状態になり、再度、検出できる状態になった場合には、未特定の人物として顔認証処理を行う。特定部112は、これらの処理を繰り返す。
【0056】
続いて、特定した従業者に対する支援について説明する。判定部115は、動画情報から従業者の所作を識別する(A231)。従業者の所作は、従業者の動線や手、腕の動きを特徴として識別する。そして、判定部115は、識別した所作を基本所作と比較する(A232)。比較の結果、両者に相違がなければ、判定部104は、所作の識別と比較を繰り返す。
【0057】
一方、識別した従業者の所作と基本所作とに相違があった場合には、判定部115は、当該従業者を対象者に認定する(A233)。そして、対象者に認定された従業者に対して通知部116が注意を通知する(A234)。注意の通知は、図8に示したような形態で行われる。なお、基本所作は、非従業者である顧客が来店した際に変更されるため、顧客が来店した際には、従業者の所作と基本所作とに相違が生じることとなる。
【0058】
また、識別した従業者の所作と基本所作とに相違があった場合、その相違が、従業者の店舗等の従業場所からの退出に起因するものであった場合、当該従業者が休憩又は退勤するものとして、注意を通知せずに、当該従業者に対する支援を終了する。
【0059】
このように、情報処理装置100により、店長や上長等の管理者にではなく、従業者本人に注意が通知されるので、自律的な組織の構築につながることになる。
【0060】
5.その他
本発明は、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理装置において、前記基本所作は、業務手順である情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記通知部は、前記業務手順が記載されたマニュアル又は該マニュアルへのリンクを前記携帯端末へ通知する情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記業務手順は、飲食物の提供手順である情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記特定部は、顔認識処理により前記動画情報に含まれる非従業者を特定し、前記基本所作は、前記非従業者の有無により変化する情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記基本所作は、接客対応である情報処理装置。
前記情報処理装置において、顧客情報取得部を備え、前記顧客情報取得部は、前記特定部が認識した前記非従業者の購入履歴に基づく顧客情報を取得可能に構成され、前記通知部は、前記顧客情報を前記携帯端末へ通知する情報処理装置。
コンピュータを業務の効率化を支援する情報処理装置として動作させるプログラムであって、前記情報処理装置は、取得部と、特定部と、判定部と、通知部とを備え、前記取得部は、所定の範囲を撮影する少なくとも1つの撮影装置から動画情報を取得可能に構成され、前記特定部は、顔認識処理により前記動画情報に含まれる従業者を特定可能に構成され、前記判定部は、前記動画情報に含まれる前記従業者の所作が基本所作と異なる場合に、該従業者を対象者と判定可能に構成され、前記通知部は、前記対象者に対応付けられた携帯端末へ注意を通知可能に構成されるプログラム。
もちろん、この限りではない。
【0061】
また、上記のプログラムを格納する、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として提供してもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 :情報処理装置
2−1 :撮影装置
2−n :撮影装置
3 :携帯端末
3−1 :携帯端末
3−m :携帯端末
4 :ネットワーク
11 :処理部
12 :記憶部
13 :一時記憶部
14 :外部装置接続部
15 :通信部
16 :通信バス
100 :情報処理装置
101 :取得部
102 :特定部
103 :情報記憶部
104 :判定部
105 :通知部
110 :情報処理装置
111 :取得部
112 :特定部
113 :情報記憶部
114 :顧客情報取得部
115 :判定部
116 :通知部
【要約】
【課題】従業者へ適切に注意を促し、業務の効率化を支援することのできる情報処理装置及びプログラムを提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、業務の効率化を支援する情報処理装置であって、取得部と、特定部と、判定部と、通知部とを備え、前記取得部は、所定の範囲を撮影する少なくとも1つの撮影装置から動画情報を取得可能に構成され、前記特定部は、顔認識処理により前記動画情報に含まれる従業者を特定可能に構成され、前記判定部は、前記動画情報に含まれる前記従業者の所作が基本所作と異なる場合に、該従業者を対象者と判定可能に構成され、前記通知部は、前記対象者に対応付けられた携帯端末へ注意を通知可能に構成される情報処理装置が提供される。
【選択図】図1
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図10