(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
脂肪酸油混合物の40から65重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)とを含む脂肪酸油混合物と;ここで前記EPA及びDHAはエチルエステル及びトリグセリドから選択される形であり;及び
予備濃縮物の総重量に対して10から40重量%の少なくとも一種の非イオン性界面活性剤と;ここで前記少なくとも一種の非イオン性界面活性剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80及びその混合物から選択される;
を含み、
脂肪酸油混合物以外の薬学的活性剤を含まない、
予備濃縮物。
前記脂肪酸油混合物中のEPA:DHA重量比が1:10〜10:1、1:8〜8:1、1:6〜6:1、1:5〜5:1、1:4〜4:1、1:3〜3:1、1:2〜2:1、1:1〜2:1、または1:2〜1:3の範囲である、請求項1に記載の予備濃縮物。
前記少なくとも一種の非イオン性界面活性剤が、前記予備濃縮物の総重量に対して10重量%〜30重量%、または10重量%〜25重量%を構成する、請求項1ないし5のいずれかに記載の予備濃縮物。
短鎖アルコール類、グリコールエーテル類、ピロリジン誘導体、2-ピロリドン、胆汁酸塩及びその混合物から選択される少なくとも一種の補助界面活性剤をさらに含む、請求項1ないし7のいずれかに記載の予備濃縮物。
脂肪酸油混合物:全界面活性剤の重量比が、1:1〜8:1、1.1〜6:1、1:1〜5:1、1:1〜4:1または1:1〜3:1の範囲である、請求項1ないし9のいずれかに記載の予備濃縮物。
前記予備濃縮物がさらに、低級アルコール類及びポリオール類から選択される少なくとも一種の薬学的に許容可能な溶媒を含む、請求項1ないし10のいずれかに記載の予備濃縮物。
前記カプセルの充填量が0.400g〜1.300g、0.600g〜1.200g、または0.800g〜1.000gの範囲である、請求項14に記載の予備濃縮物。
前記予備濃縮物は、水性溶液中で自己ナノ乳化薬物送達系(SNEDDS)、自己ミクロ乳化薬物送達系(SMEDDS)または自己乳化薬物送達系(SEDDS)から選択される薬物送達系を形成する、請求項1ないし15のいずれかに記載の予備濃縮物。
前記予備濃縮物が、短鎖アルコール類、グリコールエーテル類、ピロリジン誘導体、2-ピロリドン、胆汁酸塩及びその混合物から選択される少なくとも一種の補助界面活性剤をさらに含む、請求項17に記載の方法。
前記予備濃縮物が、水性溶液中で自己ナノ乳化薬物送達系(SNEDDS)、自己ミクロ乳化薬物送達系(SMEDDS)または自己乳化薬物送達系(SEDDS)から選択される薬物送達系を形成する、請求項17に記載の方法。
【背景技術】
【0004】
ヒトでは、コレステロール及びトリグリセリドは血流中のリポタンパク質の一部であり、超遠心分離法により、高密度リポタンパク質(HDL)、中密度リポタンパク質(IDL)、低密度リポタンパク質(LDL)、及び超低密度リポタンパク質(VLDL)画分に分離することができ
る。コレステロール及びトリグリセリドは肝臓で合成され、VLDLに取り込まれ、血漿中に放出される。高レベルの総コレステロール(total-C)、LDL-C及びアポリポタンパク質B(LDL-C及びVLDL-Cの膜複合体)は、ヒトアテローム性動脈硬化症と、低レベルのHDL-C及びそ
の輸送複合体とを促進する;アポリポタンパク質Aもアテローム性動脈硬化症の進行に関
与する。さらに、ヒトにおいて心血管疾患の有病率及び死亡率は、total-C及びLDL-Cレベルに正比例し、HDL-Cレベルに反比例する。さらに、non-HDLコレステロールは、高トリグリセリド血症、血管疾患、アテローム性動脈硬化症、及び関連疾患の指標であると示唆されている。実際、NCEP ATP IIIは、治療目的としてnon-HDLコレステロール低下を明記
する。
【0005】
オメガ-3脂肪酸は、血漿脂質レベル、心臓血管及び免疫機能、インスリン作用及び神経発達、並びに視覚機能を調整することができる。魚油と一般的に称される海産油も、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)などのオメガ-3脂肪酸の供給源であり、脂質代謝を調整することが知見されている。植物ベースの油及び微生物油もオメガ-3脂肪酸の供給源である。オメガ-3脂肪酸は、高血圧及び高グリセリド血症などの心臓血管疾患の危険因子、並びに凝固因子VIIリン脂質複合体活性に有益な効果をもたらすことが
できる。オメガ-3脂肪酸は、血清トリグリセリドを低下させ、血清HDLコレステロールを
上昇させ、最大血圧及び最小血圧及び/または脈拍を低下させ、並びに血液凝固因子VII-
リン脂質複合体の活性を低下させえる。さらにオメガ-3脂肪酸は通常、重篤な副作用を引き起こすことなく、耐容性良好である。
【0006】
オメガ-3脂肪酸の幾つかの製剤が開発されてきた。たとえばオメガ-3脂肪酸油混合物の
一つの形状は、商品名Omacor(登録商標)/Lovaza(商標)/Zodin(登録商標)/Seacor(登録商
標)などのDHA及びEPA含有魚油由来の主にオメガ-3、長鎖、多価不飽和脂肪酸の濃縮物で
ある。たとえば、米国特許第5,502,077号(特許文献1)、同第5,656,667号(特許文献2)及び同第5,698,594号(特許文献3)を参照されたい。特にLovaza(商標)の各1000mgカプセル
は、少なくとも90%のオメガ-3脂肪酸エチルエステル(84%EPA/DHA);約465mgのEPAエチル
エステル及び約375mgのDHAエチルエステルを含む。
【0007】
さらにたとえばEPA/DHAエチルエステルは、治療薬の送達用組成物中でも使用されてき
た。たとえば米国特許第6,284,268号(Cyclosporine Therapeutics Ltd.)(特許文献4)
は、経口投与用にオメガ-3脂肪酸油と、シクロスポリンなどの水に溶解しにくい治療薬とを含む自己乳化ミクロエマルションまたはエマルション予備濃縮物の医薬組成物について記載する。シクロスポリンは、オメガ-3脂肪酸油と追加のまたは相乗的な治療作用をもつと主張されている。米国特許第6,284,268号(特許文献4)は、オメガ-3脂肪酸を含むシク
ロスポリン製剤の高い溶解性及び安定性について開示する。PCT国際特許出願国際公開第WO99/29300号(RTP Pharma)(特許文献5)は、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド類、遊離脂肪酸及び脂肪酸並びにその誘導体から選択される疎水性成分をベースとした自己乳化フェノフィブラート製剤に関する。
【0008】
しかしながら、少なくともC
24以下の長鎖脂肪酸及びアルコール類は、可逆的に相互転
換することが示唆されている。脂肪アルコール類を脂肪酸に転換する酵素システムが肝臓、線維芽細胞及び脳に存在する。組織によっては、脂肪酸は還元されてアルコールになる可能性がある。脂肪酸分子のカルボン酸官能基は結合をターゲットとするが、このイオン化可能な基は、分子が腸壁などの細胞膜を横断するのを妨げることがある。結果として、カルボン酸官能基はエステルとして保護されることが多い。エステルはカルボン酸よりは極性が低いが、脂肪細胞膜をもっと容易に横断することができる。一度血流中に入ると、エステルは血液中の酵素エステラーゼにより加水分解されて遊離カルボン酸に戻ることができる。血漿酵素が十分に早くエステルを加水分解しないこともあるかもしれないが、エステルの遊離カルボン酸への転換は主に肝臓で起きる。多価不飽和脂肪のエチルエステルはインビボで加水分解されて遊離カルボン酸になることもできる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示の特別な側面について、以下詳細に記載する。本出願及び本明細書中で明らかに
される用語及び定義は、本開示における意味を表すものとする。本明細書で参照及び上記参照の特許及び科学的文献は、本明細書中、参照として含まれる。本明細書中で提供される用語及び定義は、参照により含まれる用語及び/または定義と食い違う場合には、調整
する。
【0023】
単数形「a」、「an」及び「the」は、他に記載しない限り、複数形も包含する。
【0024】
「およそ」及び「約」なる用語は、参照した数字または値と殆ど同一であることを意味する。本明細書中で使用するように、「およそ」及び「約」なる用語は、一般的に具体的な量、頻度または値の±10%を包含するものと理解すべきである。
【0025】
本明細書中で使用する「投与する」、「投与」または「投与している」なる用語は、(1)本開示に従って予備濃縮物を健康管理者またはその委任代理人若しくはその管理のもと
で提供、付与、投与及び/または処方することをさし、及び(2)本開示に従って予備濃縮物を患者または彼若しくは彼女自身によって利用、服用または消費することをさす。
【0026】
本開示は、脂肪酸油混合物と少なくとも一種の界面活性剤とを含む医薬及び補助(サプ
リメント)予備濃縮物、並びにその使用法を提供する。本開示の予備濃縮物は、水性媒体
と混合すると、小さいまたは非常に小さい平均粒径の分散体を生成することができる。そのような分散体は、ナノエマルション、ミクロエマルションまたはエマルションとして特徴付けできる。たとえば、送達時、予備濃縮物は胃液または他の生理学的液体と分散体を形成して、自己ナノ乳化薬物送達系(SNEDDS)、自己ミクロ乳化薬物送達系(SMEDDS)または自己乳化薬物送達系(SEDDS)を生成すると考えられる。
【0027】
脂肪酸油混合物
本開示の組成物は、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)を含む少なくとも一種の脂肪酸油混合物を含む。本明細書中で使用するように、「脂肪酸油混合物(fatty acid oil mixture)としては、不飽和(たとえば一価不飽和、多価不飽和)また
は飽和脂肪酸、並びにその薬学的に許容可能なエステル、遊離酸、モノ-、ジ-及びトリグリセリド、誘導体、抱合体(conjugate)、前駆体、塩及び混合物などの脂肪酸が挙げられ
る。少なくとも一つの態様において、脂肪酸油混合物は、たとえばエチルエステル及びトリグリセリドから選択される形のオメガ-3脂肪酸などの脂肪酸を含む。
【0028】
「オメガ-3脂肪酸」なる用語としては、天然及び合成オメガ-3脂肪酸、並びにその薬学的に許容可能なエステル、遊離酸、トリグリセリド、誘導体、抱合体(たとえばいずれも
本明細書中、参照として含まれるZalogaら、米国特許出願第2004/0254357号及び、Horrobinら、米国特許第6,245,811号を参照されたい)、前駆体、塩及び混合物が挙げられる。オメガ-3脂肪酸の例としては、オメガ-3多価不飽和、長鎖脂肪酸、たとえばエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、α-リノレン酸(ALA)、ヘンエイコサペンタエン酸(HPA)、ドコサペンタエン酸(DPA)、エイコサテトラエン酸(ETA)、エイコサトリエン酸(ETE)、及びオクタデカテトラエン酸(即ち、ステアリドン酸、STA);オメガ-3脂肪酸とグ
リセロールとのエステル、たとえばモノ-、ジ-及びトリグリセリド;並びにオメガ-3脂肪酸と一級、二級及び/または三級アルコールとのエステル、たとえば脂肪酸メチルエステ
ル及び脂肪酸エチルエステルが挙げられるが、これらに限定されない。本開示に従ったオメガ-3脂肪酸、そのエステル、トリグリセリド、誘導体、抱合体、前駆体、塩及び/また
は混合物は、海産油(marine oil)(たとえば魚油及び精製魚油濃縮物)、藻油(algae oil)、微生物油(microbial oil)及び植物ベースの油などの油の成分として及び/またはその純粋形で使用することができる。
【0029】
本開示のある態様においては、脂肪酸油混合物はEPA及びDHAを含む。さらにたとえば、
脂肪酸油混合物は、エチルエステル及びトリグリセリドから選択される形のEPA及びDHAを含む。
【0030】
本開示の脂肪酸油混合物はさらに、EPA及びDHA以外の少なくとも一種の脂肪酸を含むことができる。そのような脂肪酸の例としては、EPA及びDHA以外のオメガ-3脂肪酸並びにオメガ-6脂肪酸が挙げられるが、これらに限定されない。たとえば本開示のある態様においては、脂肪酸油混合物は、α-リノレン酸(ALA)、ヘンエイコサペンタエン酸(HPA)、ドコ
サペンタエン酸(DPA)、エイコサテトラエン酸(ETA)、エイコサトリエン酸(ETE)、及びス
テアリドン酸(STA)から選択される少なくとも一種の脂肪酸を含む。ある態様においては
、EPA及びDHA以外の少なくとも一種の脂肪酸は、リノレン酸、ガンマ-リノレン酸(GLA)、アラキドン酸(AA)、ドコサペンタエン酸(即ちオスボンド酸)、及びその混合物から選択される。ある態様においては、EPA及びDHA以外の少なくとも一種の脂肪酸は、エチルエステル及びトリグリセリドから選択される形である。
【0031】
本開示により包含されるさらなる脂肪酸、またはその混合物(脂肪酸油混合物)の例としては、ヨーロッパ薬局方オメガ-3エチルエステル90及び精製海産油、ヨーロッパ薬局方オメガ-3酸トリグセリド、ヨーロッパ薬局方オメガ-3酸エチルエステル60、ヨーロッパ薬局方富オメガ-3酸魚油モノグラフ(monograph)、及び/またはたとえばUSP魚油モノグラフが
挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
本開示に好適な様々な脂肪酸を含む脂肪酸油混合物の市販品の例としては、Incromega(商標)、オメガ-3海産油濃縮物、たとえばIncromega(商標)TG7010 SR、Incromegar(商標)E7010 SR、Incromega(商標)TG6015、Incromega(商標)EPA500TG SR、Incromega(商標)E400200 SR、Incromega(商標)E4010、Incromega(商標)DHA700TG SR、Incromega(商標)DHA700E SR、Incromega(商標)DHA500TG SR、Incromega(商標)TG3322 SR、Incromega(商標)E3322 SR、Incromega(商標)TG3322、Incromega(商標)E3322、Incromega(商標)Trio TG/EE(Croda International PLC、Yorkshire、イギリス);EPAX6000FA、EPAX5000TG、EPAX4510TG、EPAX2050TG、EPAX7010EE、EPAX5500EE、EPAX5500TG、EPAX5000EE、EPAX5000TG
、EPAX6000EE、EPAX6000TG、EPAX6000FA、EPAX6500EE、EPAX6500TG、EPAX4510TG、EPAX1050TG、EPAX2050TG、EPAX7010TG、EPAX7010EE、EPAX6015TG/EE、EPAX4020TG、及びEPAX4020EE(EPAXはノルウェーの会社Austevoll Seafood ASAの全額出資子会社である);Omacor(登録商標)/Lovaza(商標)/Zodin(登録商標)/Seacor(登録商標)完成薬品、K85EE、及びAGP
103(Pronova BioPharma Norge AS);MEG-3(登録商標)EPA/DHA魚油濃縮物(Ocean Nutrition Canada);DHA FNO“Functional Nutritional Oil”及びDHA CL“Clear Liquid”(Lonza);Superba(商標)Krill Oil(Aker);Martek製DHAを含むオメガ-3製品;Neptuneオキアミ油(Neptune);Mollers製肝油製品及びアンチリフラックス魚油濃縮物(TG);Lysiオメガ-3魚油;Seven Seas Triomega(登録商標)肝油ブレンド(Seven Seas);Fri
Flyt Omega-3(Vesteralens);及びEpadel(Mochida)が挙げられるが、これらに限定されない。これらの市販品の態様は、海産物、藻類、微生物及び植物ベースの供給源などの種々の供給源から(単数または複数種類の)オメガ-3脂肪酸を得るために、エステル交換プロセスまたは製造法の結果として、種々のオメガ-3脂肪酸、組み合わせ及び他の成分を提供する。
【0033】
本開示のある態様においては、脂肪酸油混合物は少なくとも一種の脂肪酸誘導体、たとえばアルファ-置換オメガ-3脂肪酸誘導体を含む。少なくとも一種のアルファ置換オメガ-3脂肪酸誘導体は、たとえばオメガ-3脂肪酸の官能基から二番目の炭素原子で、水素、ヒ
ドロキシル基、アルキル基、たとえばC
1-C
3アルキル基及びアルコキシから選択される少
なくとも一つの置換基で置換されていてもよい。本開示の一態様では、少なくとも一種のアルファ-置換オメガ-3脂肪酸誘導体は、一置換及び二置換脂肪酸から選択される。一態
様において、少なくとも一種のアルファ-置換オメガ-3脂肪酸は、2〜6個の二重結合をも
つアルファ-置換C
14-C
24アルケンから選択される。別の態様では、少なくとも一種のアルファ-置換オメガ-3脂肪酸誘導体は、cis配置で5または6個の二重結合をもつアルファ-置
換C
14-C
24アルケンから選択される。
【0034】
ある態様においては、脂肪酸油混合物は、アルファ-置換脂肪酸誘導体の形のEPA及び/
またはDHAを含む。たとえば一態様において、脂肪酸油混合物は、アルファ-置換誘導体の形でEPAを含む。別の態様では、脂肪酸油混合物は、アルファ-置換誘導体の形でDHAを含
む。また別の態様では、脂肪酸油混合物は、アルファ-置換誘導体の形でEPA及びDHAを含
む。
【0035】
ある態様においては、脂肪酸油混合物はEPA及びDHAを含み、さらに少なくとも一種のアルファ-置換オメガ-3脂肪酸誘導体を含む。たとえば、ある態様においては、脂肪酸油混
合物はEPA及びDHAと、アルファ-置換誘導体の形の少なくとも一種のEPA及びDHAとを含む
。
【0036】
別の態様では、脂肪酸油混合物のEPA及びDHAは、少なくとも一種のアルファ-置換オメ
ガ-3脂肪酸誘導体である。
【0037】
本開示に従った脂肪酸油混合物は、動物油及び/または非動物油から誘導することがで
きる。本開示のある態様においては、脂肪酸油混合物は、海産油、藻油、植物ベースの油及び微生物油から選択される少なくとも一種の油に由来する。海産油としては、魚油、オキアミ油及び魚に由来する脂質組成物(lipid composition)などが挙げられる。植物ベースの油としては、亜麻仁油、キャノーラ油、からし油、及び大豆油などが挙げられる。微生物油としては、Martekによる製品が挙げられる。本開示の少なくとも一つの態様では、脂肪酸油混合物は、魚油などの海産油に由来する。少なくとも一つの態様では、海産油は精製魚油である。
【0038】
本開示のある態様においては、脂肪酸油混合物のオメガ-3脂肪酸などの脂肪酸は、エチルエステルなどのアルキルエステルなどにエステル化されている。他の態様では、脂肪酸は、モノ-、ジ-及びトリグリセリドから選択される。
【0039】
ある態様においては、脂肪酸油混合物は、アンチョビ油またはツナ油など由来の脂肪の多い魚種の油体(body oil)のエステル交換、及び続いて尿素分別、続いて分子蒸留を含
む物理化学精製プロセスにより得られる。ある態様においては、粗な油混合物は、エステル交換前に、環境汚染物質及び/またはコレステロール量を減らすストリッピングプロセ
スにかけることもできる。
【0040】
別の態様では、脂肪酸油混合物は、超臨界CO
2抽出またはクロマトグラフィー方法を使
用することにより、魚油濃縮物から主なEPA及びDHAを濃縮(up-concentrate)することができる。
【0041】
本開示のある態様においては、脂肪酸油混合物のオメガ-3脂肪酸の少なくとも一つはcis配置をもつ。たとえば、(全てZ)-9,12,15-オクタデカトリエン酸(ALA)、(全てZ)-6,9,12,15-オクタデカテトラエン酸(STA)、(全て-Z)-11,14,17-エイコサトリエン酸(ETE)、(全
て-Z)-5,8,11,14,17-エイコサペンタエン(EPA)、(全て-Z)-4,7,10,13,16,19-ドコサヘキ
サエン酸(DHA)、(全て-Z)-8,11,14,17-エイコサテトラエン酸(ETA)、(全て-Z)-7,10,13,16,19-ドコサペンタエン酸(DPA)、(全て-Z)-6,9,12,15,19-ヘンエイコサペンタエン(HPA)
;(全て-Z)-5,8,11,14-エイコサテトラエン酸、(全て-Z)-4,7,10,13,16-ドコサペンタエ
ン酸(オスボンド酸)、(全て-Z)-9,12-オクタデカジエン酸(リノレン)、(全て-Z)-5,8,11,14-エイコサテトラエン酸(AA)、(全て-Z)-6,9,12-オクタデカトリエン酸(GLA);(Z)-9-オ
クタデセン酸(オレイン酸)、13(Z)-ドコサエン酸(エルカ酸)、(R-(Z))-12-ヒドロキシ-9-オクタデセン酸(リシノール酸)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
本開示のある態様においては、脂肪酸油混合物のEPA:DHAの重量比は、約1:10〜約10
:1、約1:8〜約8:1、約1:6〜約6:1、約1:5〜約5:1、約1:4〜約4:1、約1:3〜約3:1、約1:2〜約2:1の範囲である。少なくとも一つの態様では、脂肪酸油混合物のEPA:DHAの重量比は、約1:2〜約2:1の範囲である。少なくとも一つの態様では、脂肪酸油混
合物のEPA:DHAの重量比は、約1:1〜約2:1の範囲である。少なくとも一つの態様では、脂肪酸油混合物のEPA:DHAの重量比は、約1:2〜約1:3の範囲である。
【0043】
薬剤
本開示のある態様においては、脂肪酸油混合物は、活性薬剤成分(active pharmaceutical ingredient:API)として作用する。たとえば、本開示は、脂肪酸油混合物と少なく
とも一種の界面活性剤をと含む医薬組成物を提供する。ある態様においては、脂肪酸油混合物は、薬学的に許容可能な量で配合される。本明細書中で使用するように、「薬学的有効量:なる用語は、少なくとも一つの健康問題などの治療の必要な被験者に、影響、症状など少なくとも一つの健康問題を治療、たとえば軽減及び/または緩和するのに十分な量
を意味する。本開示の少なくとも幾つかの態様では、脂肪酸油混合物は追加の活性成分を含まない。
【0044】
予備濃縮物が薬学的予備濃縮物である場合、脂肪酸油混合物は脂肪酸油混合物の少なくとも75重量%のEPA及びDHAを含む。ある態様においては、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも80重量%のEPA及びDHA、たとえば脂肪酸油混合物の少なくとも85重量%
、少なくとも90重量%または少なくとも95重量%のEPA及びDHAを含む。ある態様においては、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも80重量%のEPA及びDHA、たとえば脂肪酸油混合物の約85重量%、約90重量%、約95重量%またはその間の任意の数字のEPA及びDHAを含み得る。
【0045】
たとえばある態様においては、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約75重量%〜約95重量%のEPA及びDHA、たとえば脂肪酸油混合物の約75重量%〜約90重量%、約75重量%〜約88重量%、約75重量%〜約85重量%、約75重量%〜約80重量%、約80重量%〜約95重量%、約80重量%〜約90重量%、約80重量%〜約85重量%、約85重量%〜約95重量%、約85重量%〜約90重量%、さらにたとえば約90重量%〜約95重量%またはその間の任意の数字のEPA及びDHAを含む。少なくとも一つの態様において、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約80重量%〜約85重量%のEPA及びDHA、たとえば約80重量%〜約88重量%、たとえば約84重量%のEPA及びDHAを含む。
【0046】
ある態様においては、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも95重量%のEPA
若しくはDHA、またはEPA及びDHAを含み、ここで前記EPA及びDHAはエチルエステル形であ
る。
【0047】
さらなる態様では、脂肪酸油混合物は他のオメガ-3脂肪酸を含むことができる。たとえば本開示は、脂肪酸油混合物の少なくとも90重量%のオメガ-3脂肪酸を包含する。
【0048】
一態様において、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約75重量%〜約88重量%のEPA
及びDHAを含み、ここで前記EPA及びDHAはエチルエステル形であり、ここで前記脂肪酸油
混合物は脂肪酸油混合物の少なくとも90重量%のエチルエステル形のオメガ-3脂肪酸を含む。
【0049】
別の態様では、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約75重量%〜約88重量%のEPA及
びDHAを含み、ここで前記EPA及びDHAはエチルエステル形であり、ここで前記脂肪酸油混
合物は脂肪酸油混合物の少なくとも90重量%のエチルエステル形のオメガ-3脂肪酸を含み、ここで前記脂肪酸油混合物はα-リノレン酸(ALA)を含む。
【0050】
一態様において、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約80重量%〜約88重量%のEPA
及びDHAを含み、ここで前記EPA及びDHAはエチルエステル形であり、さらにエチルエステ
ル形のオメガ-3脂肪酸を含む。
【0051】
別の態様では、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約80重量%〜約88重量%のEPA及
びDHAを含み、ここで前記EPA及びDHAはエチルエステル形であり、さらに脂肪酸油混合物
の約1重量%〜約4重量%のエチルエステル形の(全てZ-オメガ-3)-6,9,12,15,18-ヘンエイコサペンタエン酸(HPA)を含む。
【0052】
別の態様では、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約80重量%〜約88重量%のEPA及
びDHAを含み、ここで前記EPA及びDHAはエチルエステル形であり、並びに脂肪酸油混合物
の約1重量%〜約4重量%のEPA及びDHA以外の脂肪酸エチルエステルを含み、ここでEPA及
びDHA以外の前記脂肪酸エチルエステルは、C
20、C
21またはC
22炭素原子をもつ。
【0053】
一態様において、脂肪酸油混合物はK85EEまたはAGP103(Pronova BioPharma Norge AS)を含むことができる。別の態様では、脂肪酸油混合物は、K85TG(Pronova BioPharma Norge AS)を含むことができる。
【0054】
EPA及びDHA製品
少なくとも一つの態様において、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも75重量%のEPA及びDHAを含み、そのうち少なくとも95重量%はEPAである。別の態様では、脂
肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも80重量%のEPA及びDHAを含み、そのうち少なくとも95%はEPAである。さらに別の態様では、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも90重量%のEPA及びDHAを含み、そのうち少なくとも95%はEPAである。
【0055】
別の態様では、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも75重量%のEPA及びDHAを含み、そのうち少なくとも95%はDHAである。たとえば、一態様において、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも80重量%のEPA及びDHAを含み、そのうち少なくとも95%はDHAである。別の態様では、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも90重量%のEPA及びDHAを含み、そのうち少なくとも95%はDHAである。
【0056】
栄養補助食品
本発明はさらに、脂肪酸油混合物と少なくとも一種の界面活性剤とを含む補助食品または栄養補助物を提供し、ここで前記脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の75重量%未満のEPA及びDHAを含む。ある態様においては、脂肪酸油は脂肪酸油混合物の70重量%未満、たとえば65重量%未満、60重量%未満、55重量%未満、50重量%未満、45重量%未満、40重量%未満、または35重量%未満のEPA及びDHAを含む。
【0057】
ある態様においては、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約25重量%〜約75重量%、たとえば約30重量%〜約75重量%、約30重量%〜約70重量%、約30重量%〜約65重量%、約30重量%〜約55重量%、約30重量%〜約50重量%、約30重量%〜約45重量%、約30重量%〜約40重量%、さらにたとえば約30重量%〜約35重量%のEPA及びDHAを含む。
【0058】
本開示のある態様においては、脂肪酸油混合物の脂肪酸、たとえばオメガ-3脂肪酸は、アルキルエステルなどにエステル化される。アルキルエステルとしては、エチル、メチル、プロピル及びブチルエステル並びにその混合物が挙げられるが、これらに限定されない
。別の態様では、脂肪酸はモノ-、ジ-及びトリグリセリドから選択される。たとえば、脂肪酸油混合物は、メチルエステル、エチルエステル及びトリグリセリドから選択される形で、脂肪酸油混合物の約25重量%〜約75重量%のEPA及びDHAを含む。
【0059】
界面活性剤/予備濃縮物
本開示はさらに、予備濃縮組成物を提供する。本明細書中で使用するように、「予備濃縮物(preconcentrate)」なる用語は、脂肪油混合物と少なくとも一種の界面活性剤とを含む組成物をさす。
【0060】
界面活性剤は、たとえば液体の表面張力または二つの脂質の間の表面張力を低下させることができる。たとえば、本開示に従った界面活性剤は、脂肪酸油混合物と水溶液との間の表面張力を低下させることができる。
【0061】
化学的に言えば、界面活性剤は少なくとも一つの親水性部分と少なくとも一つの疎水性(即ち、親油性)部分とをもつ分子である。界面活性剤の特性は、界面活性剤の親水性-親
油性バランス(HLB)値に反映することができ、ここでHLB値は界面活性剤の親水性対親油性特性の度合いの尺度である。HLB値は通常は、0〜20の範囲であり、ここでHLB値0は高い親水性を表し、HLB値20は高い親油性を表す。界面活性剤は、他の界面活性剤と組み合わせ
て使用することが多く、ここでHLB値は加法的である。界面活性剤混合物のHLB値は、以下のようにして計算することができる:
HLB
A(界面活性剤Aの画分)+HLB
B(界面活性剤Bの画分)=HLB
A+Bmixture
【0062】
界面活性剤は通常、アニオン性またはカチオン性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤など、イオン性界面活性剤として分類される。界面活性剤が二つの反対に帯電した基を持つ場合、その界面活性剤は両性イオン性界面活性剤という。他のタイプの界面活性剤としては、リン脂質が挙げられる。
【0063】
本開示の少なくとも一つの態様では、予備濃縮物は、非イオン性、アニオン性、カチオン性及び両性イオン性界面活性剤から選択される少なくとも一種の界面活性剤を含む。
【0064】
本開示に好適な非イオン性界面活性剤の非限定的な例は以下に記載する。
【0065】
Pluronic(登録商標)界面活性剤は、中央に疎水性ポリマー(ポリオキシプロピレン(ポリ(プロピレンオキシド)))、その両側に親水性ポリマー(ポリオキシエチレン(ポリ(エチレ
ンオキシド)))とから構成される非イオン性コポリマーである。種々の市販で入手可能なPluronic(登録商標)製品を表1に列記する。
【0067】
Brij(登録商標)は、ポリエチレンエーテルを含む非イオン性界面活性剤である。種々の市販で入手可能なBrij(登録商標)を表2に列記する。
【0069】
Span(登録商標)は、ソルビタンエステルを含む非イオン性界面活性剤である。Span(登
録商標)は、Aldrichなどの様々な供給源から利用可能である。種々の市販で入手可能なSpan(登録商標)を表3に列記する。
【0071】
Tween(登録商標)(ポリソルベート)は、ポリオキシエチレンソルビタンエステルを含む
非イオン性界面活性剤である。種々の市販で入手可能なTween(登録商標)製品を表4に列
記する。
【0073】
Myrj(登録商標)は、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルを含む非イオン性界面活性剤である。種々の市販で入手可能なMyrj(登録商標)を表5に列記する。
【0075】
Cremophor(登録商標)は非イオン性界面活性剤である。種々の市販で入手可能なCremophor(登録商標)は、表6に列記する。
【0077】
本開示に従って、他の例示的な非イオン性界面活性剤としては、ジアセチルモノグリセリド、ジエチレングリコールモノパルミトステアレート、エチレングリコールモノパルミトステアレート、グリセリルベヘネート、グリセリルジステアレート、グリセリルモノリノレート、グリセリルモノオレエート、グリセリルモノステアレート、マクロゴールセトステアリルエーテル類、たとえばセトマクロゴール1000及びポリオキシ20セトステアリルエーテル、マクロゴール15ヒドロキシステアレート、マクロゴールラウリルエーテル類、たとえばラウレス4及ラウロマクロゴール400、マクロゴールモノメチルエーテル、マクロゴールオレイルエーテル、たとえばポリオキシ10オレイルエーテル、マクロゴールステアレート類、たとえばポリオキシ40ステアレート、メンフェゴール、モノ及びジグリセリド、ノノキシノール類、たとえばノノキシノール-9、ノノキシノール-10及びノノキシノー
ル-11、オクトキシノール類、たとえばオクトキシノール9及びオクトキシノール10、ポリオキサマー類、たとえばポリオキサレン、ポリオキサマー188、ポリオキサマー407、ポリオキシルひまし油、たとえばポリオキシル35ひまし油、ポリオキシル水素化ひまし油、たとえばポリオキシル40水素化ひまし油、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールラウレート、たとえばプロピレングリコールジラウレート及びプロピレングリコールモノラウレートが挙げられるが、これらに限定されない。さらなる例としては、プロピレングリコールモノパルミトステアレート、キライア、ソルビタンエステル及び蔗糖エステル類が挙げられる。
【0078】
本開示に好適なアニオン性界面活性剤としては、パーフルオロカルボン酸とパーフルオロスルホン酸の塩、アルキル硫酸塩、たとえばドデシル硫酸ナトリウム及びラウリル硫酸アンモニウム、硫酸エーテル、たとえばラウリルエーテル硫酸ナトリウム及びアルキルベンゼンスルホン酸塩が挙げられる。
【0079】
本開示に好適なカチオン性界面活性剤としては、四級アンモニウム化合物、たとえば塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、及び臭化セチルトリメチルアンモニウムまたは他のトリメチルアルキルアンモニウム塩が挙げられる。
【0080】
両性イオン性界面活性剤としては、ドデシルベタイン類、ココアンフォグリシネート類及びコカミドプロピルベタイン類が挙げられるが、これらに限定されない。
【0081】
本開示のある態様においては、界面活性剤は、リン脂質、その誘導体またはその類似体を含むことができる。そのような界面活性剤は、天然、合成及び半合成リン脂質、その誘導体及びその類似体から選択することができる。リン脂質は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、及びホスファチジルイノシトールなどから選択される「天然」または海産物由来であってもよい。脂肪酸部分は、14:0
、16:0、1n-7、18:0、18:1n-9、18:1n-7、18:2n-6、18:3n-3、18:4n-3、20:4n-6、20:5n-3、22:5n-3、及び22:6n-3、またはその任意の組み合わせから選択することができる。一態様において、脂肪酸部分は、パルミチン酸、EPA及びDHAから選択される。代表的なリン脂質界面活性剤としては、飽和、不飽和及び/または多価不飽和脂質をもつホ
スファチジルコリン類、たとえばジオレイルホスファチジルコリン、ジペンタデカノイルホスファチジルコリン、ジラウロイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジエイコサペンタエノイル(EPA)コリン、ジドコサヘキサノイル(DHA)コリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルセリン及びホスファチジルイノシトールが挙げられる。他の代表的なリン脂質界面活性剤としては、大豆レシチン、卵レシチン、ジオレイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルグリセロール、PEG-イル化(PEG-ylated)リン脂質、及びジミリストイルホスファチジルコリンが挙げられる。
【0082】
本開示に好適なほかの代表的な界面活性剤を表7に列記する。
【0084】
本開示のある態様においては、少なくとも一種の界面活性剤は、Labrasol、Cremophor
RH40も、CremophorとTween-80の組み合わせも含まない。
【0085】
ある態様においては、少なくとも一種の界面活性剤は、約10未満、たとえば約9未満、
または約8未満の親水性-親油性バランス(HLB)をもつ。
【0086】
補助界面活性剤
ある態様においては、本開示の組成物はさらに少なくとも一種の補助界面活性剤を含む。本明細書中で使用するように、「補助界面活性剤」なる用語は、エマルションを形成しやすいようになど、予備濃縮物の乳化及び/または安定性を増加または増強するなど、影
響を及ぼすために少なくとも一種の界面活性剤と組み合わせて予備濃縮物に添加する物質を意味する。ある態様においては、少なくとも一種の補助界面活性剤は親水性である。ある態様においては、少なくとも一種の補助界面活性剤は遊離酸の形ではない。
【0087】
本開示に好適な補助界面活性剤の例としては、1〜6個の炭素原子をもつ短鎖アルコール類(たとえばエタノール)、ベンジルアルコール、アルカンジオール及びトリオール類(た
とえばプロピレングリコール、グリセロール、ポリエチレングリコール類、たとえばPEG
及びPEG400)、グリコールエーテル類、たとえばテトラグリコール及びグリコフロール(たとえばテトラヒドロフルフリルPEGエーテル)、ピロリジン誘導体、たとえばN-メチルピロリドン(たとえばPharmasolve(登録商標))及び2-ピロリドン(たとえばSuluphor(登録商標)P)並びに胆汁酸塩、たとえばナトリウムデオキシコレートが挙げられるが、これらに限定されない。さらなる例としてはオレイン酸エチルが挙げられる。
【0088】
ある態様においては、少なくとも一種の補助界面活性剤は、予備濃縮物の重量に対して約1重量%〜約10重量%を構成する。
【0089】
溶媒
ある態様においては、本開示に従った組成物、たとえば予備濃縮物はさらに少なくとも一種の溶媒を含む。本明細書で使用するように、「溶媒」なる用語は、水溶液中などで予備濃縮物の稠度(consistency)に影響を与える及び/またはこれを変えるために予備濃縮物に添加される物質を意味する。ある態様においては、溶媒は疎水性である。本開示に好適な疎水性溶媒としては、アルコール類、たとえば水混和性アルコール類、たとえば無水エタノール及び/またはグリセロール、及びグリコール類、たとえばエチレンオキシド、た
とえば1,2-プロピレングリコールなどのオキシドから得られるグリコール類が挙げられるが、これらに限定されない。他の非限定的な例としては、ポリオール類、たとえばポリアルキレングリコール、たとえばポリ(C
2-3)アルキレングリコール、たとえばポリエチレングリコールが挙げられる。少なくとも一つの態様では、少なくとも一つの溶媒は、薬学的に許容可能な溶媒である。
【0090】
本開示のある態様においては、予備濃縮物は、エタノールなどのアルコールなどの溶媒及び補助界面活性剤の両方として作用する少なくとも一種の物質を含む。他の態様では、予備濃縮物は、別の物質である少なくとも一種の補助界面活性剤と少なくとも一種の溶媒とを含む。たとえば、ある態様においては、予備濃縮物は、補助界面活性剤としてエタノールと、溶媒としてグリセロールとを含む。
【0091】
本開示のある態様においては、予備濃縮物は、脂肪酸油混合物の少なくとも75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)を含む脂肪酸油混合物と、少なくとも一種の界面活性剤とを含む薬学的予備濃縮物であり、ここで前記EPA及びDHAはエチルエステル及びトリグリセリドから選択される形である。
【0092】
ある態様においては、薬学的予備濃縮物は、脂肪酸油混合物の少なくとも95重量%のEP
Aエチルエステル、DHAエチルエステル、またはその混合物を含む脂肪酸油混合物と;ポリソルベート20、ポリソルベート80及びその混合物から選択される少なくとも一種の界面活性剤とを含む。
【0093】
別の態様では、薬学的予備濃縮物は、脂肪酸油混合物の約80重量%〜約88重量%のEPA
及びDHAを含む脂肪酸油混合物と、ここで前記EPA及びDHAはエチルエステルの形であり;
ポリソルベート20、ポリソルベート80及びその混合物から選択される少なくとも一種の界面活性剤とを含み、ここで前記少なくとも一種の界面活性剤は、予備濃縮物の重量に対して40重量%未満を構成する。
【0094】
別の態様では、薬学的予備濃縮物は、脂肪酸油混合物の約80重量%〜約88重量%のEPA
及びDHAを含む脂肪酸油混合物と;ここで前記EPA及びDHAはエチルエステルの形であり;
ポリソルベート20、ポリソルベート80及びその混合物から選択される少なくとも一種の界面活性剤とを含み、前記少なくとも一種の界面活性剤は、予備濃縮物の重量に対して35重量%未満を構成する。
【0095】
ある態様においては、たとえば薬学的予備濃縮物は脂肪酸油混合物としてK85EEと、ポ
リソルベート20、ポリソルベート80及びその混合物から選択される少なくとも一種の界面活性剤とを含む。
【0096】
別の態様では、薬学的予備濃縮物は、脂肪酸油混合物の約80重量%〜約88重量%のEPA
及びDHAを含む脂肪酸油混合物と;ここで前記EPA及びDHAはエチルエステルの形であり;
ポリソルベート80から選択される少なくとも一種の界面活性剤と;エタノールを含む少なくとも一種の補助界面活性剤とを含む。
【0097】
ある態様においては、予備濃縮物はゼラチンカプセルの状態であるか、錠剤に充填される。
【0098】
他の態様では、薬学的予備濃縮物は、脂肪酸油混合物の約25重量%〜約75重量%のEPA
及びDHAを含む脂肪酸油混合物と;ここで前記EPA及びDHAはエチルエステル及びトリグリ
セリドから選択される形であり;少なくとも一種の界面活性剤とを含む補助食品予備濃縮物または栄養補助予備濃縮物である。
【0099】
ある態様においては、予備濃縮物の脂肪酸油混合物:総界面活性剤の重量比は、約1:1〜約200:1、約1:1〜約100:1、約1:1〜約50:1、約1:1〜約10:1、約1:1〜約8:1、約1.1〜6:1、約1:1〜約5:1、約1:1〜約4:1、または約1:1〜約3:1である。
【0100】
ある態様においては、少なくとも一種の界面活性剤は、予備濃縮物の総重量に対して約0.5重量%〜約40重量%を構成する。たとえば、ある態様においては、少なくとも一種の
界面活性剤は、予備濃縮物の総重量に対して約1重量%〜約35重量%、約5重量%〜約35重量%、約10重量%〜約35重量%、約15重量%〜約35重量%、約15重量%〜約30重量%、または約20重量%〜約30重量%を構成する。一態様において、少なくとも一種の界面活性剤は、予備濃縮物の総重量の約20重量%を構成する。
【0101】
SNEDDS/SMEDDS/SEDDS
本開示の予備濃縮物は、自己ナノ乳化薬物送達系(SNEDDS)、自己ミクロ乳化薬物送達系(SMEDDS)または自己乳化薬物送達系(SEDDS)の形状であり得、ここで前記予備濃縮物は水
溶液中でエマルションを形成する。
【0102】
理論的に束縛されないが、体内の胃液及び/または腸媒体と接触すると、予備濃縮物はS
NEDDS、SMEDDSまたはSEDDSを形成し、ここで前記予備濃縮物はミセル粒子を含むエマルションを形成すると考えられる。エマルションは、たとえば体内で摂取するために脂肪酸の安定性を増加または改善するか、または吸収のために表面積を増大することができる。従ってSNEDDS/SMEDDS/SEDDSは、インビボで加水分解、溶解性、生体利用効率、吸収または
これらの任意の組み合わせを増強または改善することができる。
【0103】
一般に、公知のSNEDDS/SMEDDS/SEDDS製剤は、約10mgの薬剤及び約500mgの界面活性剤/
補助界面活性剤を含む。現在開示されているSNEDDS/SMEDDS/SEDDSは、逆の関係をもって
いるかもしれない。即ち、活性薬剤(active pharmaceutical ingredient:API)を含む
脂肪酸油混合物は、界面活性剤の量よりも多い。
【0104】
SNEDDS/SMEDDS/SEDDSは、約5nm〜約10μmの範囲である粒径(即ち、粒子の直径)を含む
ことができる。たとえば、ある態様においては、粒径は約5nm〜約1μm、たとえば約50nm
〜約750nm、約100nm〜約500nmまたは約150nm〜約350nmの範囲である。
【0105】
賦形剤
現在開示されている組成物はさらに、賦形剤などの少なくとも一種の非活性薬剤を含むことができる。非活性成分は、安全、便利及び/または使用に許容可能であるように、活
性成分を可溶化、懸濁、増粘、希釈、乳化、安定化、保存、保護、着色、フレーバー付与及び/または適応させることができる。少なくとも一種の非活性成分は、コロイド状二酸
化ケイ素、クロスポビドン、ラクトース一水和物、レシチン、微結晶質セルロース、ポリビニルアルコール、ポビドン、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、タルク、二酸化チタン、及びキサンタンガムが挙げられえる。
【0106】
現在開示されている組成物はさらに、少なくとも一種の酸化防止剤を含むことができる。本開示に好適な酸化防止剤の例としては、たとえば、α-トコフェロール(ビタミンE)、EDTAカルシウム二ナトリウム、アルファトコフェリルアセテート、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、及びブチルヒドロキシアニソール(BHA)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0107】
現在開示されている組成物はさらに、少なくとも一種の超崩壊剤(superdisintegrant)
を含むことができる。超崩壊剤はたとえば、崩壊剤の効能を改善することができるので、従来の崩壊剤と比較して使用レベルが減らせる。超崩壊剤の例としては、クロスカーメロース(架橋セルロース)、クロスポビドン(架橋ポリマー)、ナトリウムスターチグリコレート(架橋スターチ)及び大豆多糖類が挙げられるが、これらに限定されない。超崩壊剤の市販品の例としては、Kollidon(登録商標)(BASF)、Polyplasdone(登録商標)XL(ISP)、及びAc-DiSOl(FMC BioPolymer)が挙げられる。
【0108】
本開示のある態様においては、本組成物は少なくとも一種の超崩壊剤を組成物の約1重
量%〜約25重量%、たとえば組成物の約1重量%〜約20重量%、または約1重量%〜約15重量%含む。ある態様においては、少なくとも一種の超崩壊剤を含む組成物は、錠剤形である。
【0109】
現在開示されている組成物は、カプセル、錠剤または他の任意の薬剤送達系で投与することができる。たとえば、組成物は、ゼラチンカプセルなどに封入することができる。ある態様においては、予備濃縮物はゼラチンカプセルに封入する。
【0110】
本開示のある態様においては、カプセル充填物の内容量(fill content)は、約0.400g
〜約1.600gの範囲である。たとえばある態様においては、カプセル充填物の内容量は、約0.400g〜約1.300g、約0.600g〜約1.200g、約0.600g〜約0.800g、約0.800g〜約1.000、約1
.000g〜約1.200gまたは、この間の任意の量の範囲である。たとえばある態様においては
、カプセル充填物の内容量は、約0.600g、約0.800g、約1.000gまたは約1.200gである。
【0111】
現在開示されているカプセルは、製造プロセスの間に、酸化を防止するために低酸素条件で製造することができる。本開示に従ったカプセル及び/またはミクロカプセルの製造
は、文献に記載の方法のいずれかに従って実施することができる。そのような方法の例としては、単純コアセルベーション法(たとえばES2009346号、欧州特許第EP0052510号及びEP0346879号参照)、複合コアセルベーション法(たとえばイギリス特許第GB1393805号参照)、二重エマルション法(米国特許第4,652,441号参照)、単純エマルション法(米国特許第5,445,832号)及び溶媒蒸発法(イギリス特許第GB2209937号)が挙げられるが、これらに限定
されない。これらの方法はたとえば、連続処理またはバッチサイズの柔軟性を提供することができる。
【0112】
方法または使用
本開示はさらに、少なくとも一つの健康問題の治療の必要な被験者で少なくとも一つの健康問題を治療及び/または制御する方法を包含する。現在開示されている組成物は、異
常な血漿中脂質レベル、心臓血管機能、免疫機能、視覚機能、インスリン作用、神経発達、心不全、及び心筋梗塞後などの少なくとも一つの健康問題の治療的処置及び/または制
御のために被験者に、カプセル、錠剤または他の任意の薬剤送達系で投与することができる。ある態様においては、前記少なくとも一つの健康問題は、混合型脂質異常症、脂質異常症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、心不全及び心筋梗塞後から選択される。
【0113】
一態様において、少なくとも一つの健康問題の治療の必要な被験者において少なくとも一つの健康問題を治療する方法であって、脂肪酸油混合物の約75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)を含む脂肪酸油混合物の薬学的有効量、ここで前記EPA及びDHAはエチルエステル及びトリグリセリドから選択される形であり、及び少なくとも一種の界面活性剤を含む予備濃縮物を前記被験者に投与することを含む。ある態様においては、本方法は、高まったトリグリセリドレベル、非-HDLコレステロールレベル、LDLコレステロールレベル、及び/またはVLDLコレステロールレベルの少なくとも一つを治療する。
【0114】
別の態様において、少なくとも一つの健康問題の治療の必要な被験者において少なくとも一つの健康問題を制御する方法であって、脂肪酸油混合物の約25重量%〜約75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)を含む脂肪酸油混合物と、ここで前記EPA及びDHAはエチルエステル及びトリグセリドから選択される形であり;少なくとも一種の界面活性剤とを含む補助予備濃縮物を前記被験者に投与することを含み、ここで前記少なくとも一種の健康問題が、異常な血漿中脂質レベル、心臓血管機能、免疫機能、視覚機能、インスリン作用、神経発達、心不全、及び心筋梗塞後から選択される、前記方法を提供する。
【0115】
ある態様においては、薬学的または補助予備濃縮物は、水溶液中で自己ナノ乳化薬物送達系(SNEDDS)、自己ミクロ乳化薬物送達系(SMEDDS)または自己乳化薬物送達系(SEDDS)を
形成する。ある態様においては、水溶液は胃媒体(gastric media)及び/または腸媒体(intestinal media)である。
【0116】
脂肪酸油混合物の一日分の総用量は、約0.600g〜約6.000gの範囲である。たとえばある態様においては、脂肪酸油混合物の総用量は、約0.800g〜約4.000g、約1.000g〜約4.000g、または約1.000g〜約2.000gの範囲である。一態様において、脂肪酸油混合物はK85EE及
びAGP103脂肪酸油組成物から選択される。
【0117】
現在開示されている予備濃縮物は、1〜10回の量、たとえば1〜4回/日、たとえば一回、二回、三回若しくは四回/日、さらにたとえば一回、二回若しくは三回/日で投与することができる。投与は、オメガ-3脂肪酸などの脂肪酸のある用量を被験者に投与する、経口または任意の他の投与形でありえる。
【0118】
以下の実施例は、本開示を説明するためのものであり、限定するものではない。当業者は、本明細書中に提供された開示と一致する追加の態様を想像するだろう。
【実施例】
【0119】
実施例1:予備濃縮物と溶媒との混和性
一定量のK85EE及びTween-80の予備濃縮物と溶媒との混和性を評価した。表8に記載さ
れた予備濃縮物は、重量対重量ベースで以下のスキームに従って製造した。予備濃縮物は、混合後と、室温で24時間貯蔵後に再び目視検査した。予備濃縮物なる表題のもとでは、「透明」なる表示は透明な均質混合物であることを示し;「混濁」なる表示は非均質混合物であることを示し、その場合は目視検査によりいくらか混濁が知見されることがある。混濁の程度は測定しなかった。
【0120】
【表8】
【0121】
【表9】
【0122】
【表10】
【0123】
【表11】
【0124】
実施例2:脂肪分解(リポリーシス)及び可溶化
K52EE及び様々な遊離脂肪酸及び界面活性剤を含む様々な予備濃縮物について脂肪分解(即ち加水分解)及び可溶化速度を分析するために実験を行った。具体的には、界面活性剤
の量が脂肪分解及び可溶化の速度及び程度に影響を与えるかについて四つの実験を設計した。脂肪分解は、K85EEを含むSMEDDS製剤で実施した。
【0125】
材料:
・胆汁酸:ブタ胆汁抽出物(Sigma)は、ヒオデオキシコール酸のグリシン及びタウリン抱
合体並びに他の胆汁酸塩を含む。
・膵リパーゼ、ブタ膵臓(Sigma)は、アミラーゼ、トリプシン、リパーゼ、リボヌクレア
ーゼ及びプロテアーゼなどの多くの酵素を含む。
・レシチン:リン脂質(LIPOID S PC、LIPOID AG製)
・トリズママレエート(Trizma maleate)(Sigma Aldrich)
・Tween 20、Molecular Biologyグレード(AppliCham Darmstadt)、Tween 80(Fluka)
・α-リノレン酸(Sigma 60%)、オレイン酸(Aldrich 90%)
・K85-EE及びK85-FA
予備濃縮物A〜Eは、表9にまとめたように製造した。
【0126】
【表12】
【0127】
脂肪分解の一般的な手順
Zangenbergらにより開発されたin vitro動的脂肪分解モデル(Zangenberg,N.H.ら、Eur.J.Pharm.Sci.、14巻、237-244頁、2001年;Zangenberg,N.H.ら、Eur.J.Pharm.Sci.、14
巻、115-122頁、2001年)を少々変形して使用した。脂肪分解は、ブタ胆汁抽出物の存在下、恒温600mlジャケット付ガラス容器中で、塩化カルシウムを連続添加しつつ実施した。
リパーゼ供給源はブタパンクレアチンであり、加水分解に続いて、pHスタット(pH 6.5)
を使用して水酸化ナトリウム溶液(1.0N)で滴定した。脂肪分解媒体の初期組成を表10に示す。
【0128】
【表13】
【0129】
全ての実験における最終体積は300mlであり、実験の間のカルシウム分注速度は、0.045mmol/分(0.09ml/分)であった。全ての実験において、添加したK85-EE量は5.58mg/mlに相
当した。
【0130】
HPLCによりK85-EE脂肪分解の経過を測定するために、粗なサンプルを抜き出し、希塩酸で酸性化した。EPA-EE、DHA-EE、EPA-FA及びDHA-FAの濃度は、HPLCで三回測定した。実験は、LC Agilent Technologies 1200シリーズ、カラム温度30℃、移動相(A)水(0.1%酢
酸)及び(B)MeCN(0.1%酢酸)、勾配液:0〜8分、70%Bから100%B;8〜15分、100%B;16〜16
分、100%B〜70%B;16〜20分、70%Bで実施した。流速は0.5ml/分、UV@210nM、インジェ
クション体積:5μl、及び実行時間:20分であった。
【0131】
EPAエチルエステル(EPA-EE)、DHAエチルエステル(DHA-EE)、EPA遊離酸(EPA-FA)及びDHA遊離酸(DHA-FA)濃度は、Omacor(登録商標)との比較用に、表11に示されたように経時及び計算された脂肪分解速度でモニターした。
【0132】
【表14】
【0133】
図1、4、7、10、3及び16は、実験したそれぞれのサンプルの脂肪分解の間のEPA-EE及びDHA-EEの消失並びにEPA-FA及びDHA-FAの出現をグラフを使って説明する。2分〜233分のサンプル点がグラフに含まれる。さらに、一次回帰線も含まれている。
【0134】
図2、5、8、11、14及び17は、実験したそれぞれのサンプルの様々な時間点におけるEPA+DHAの回復率を提供する。EPA-EE、DHA-EE、EPA-FA及びDHA-FAの合計としてデ
ータを提供し、理論量5580μg/mlの割合として表した。
【0135】
図3、6、9、12、15及び18は、EPA-EE、DHA-EE及び総K85EEの様々な時間点に
おける脂肪分解の割合をグラフを使って表している。値は、2分間の脂肪分解後にHPLCにより測定したEPA-EE及びDHA-EEの総量に対して計算した。
【0136】
実施例3:純水中のエマルション
EPAエチルエステル(465mg)、DHAエチルエステル(375mg)及びアルファ-トコフェロール(4mg)を含む一つのカプセルOMACOR(登録商標)中の油内容物を、表12に示すように様々な界面活性剤と一緒にシンチレーションバイアル中で混合した。水(10ml)を37度で添加し、混合物をVortexミキサーを使用して15秒間振盪した。1分後及び5分後に混合物を観察した。エマルションの均質性に関する目視スコアは以下の通りである:エマルションなし=スコア0、エマルションではあるが、均質エマルションではない=スコア1、均質エマル
ション=スコア2。
【0137】
混合後の混合物は、5分間、ローラーミキサーで回転した。このローラー試験の目視スコアも上記と同じである。
【0138】
【表15】
【0139】
【表16】
【0140】
【表17】
【0141】
実施例4:人工胃液中のエマルション
EPAエチルエステル(465mg)、DHAエチルエステル(375mg)及びアルファ-トコフェロール(4mg)を含む一つのカプセルOMACOR(登録商標)中の油内容物を、表13に示すように様々な界面活性剤と一緒にシンチレーションバイアル中で混合した。以下の実施例における実験設定は、水の代わりにペプシンを含まない人工胃液(欧州薬局方6.0、274頁)を使用した以外には、先の記載通りである。
【0142】
【表18】
【0143】
実施例5:模擬腸液中のエマルション
EPAエチルエステル(465mg)、DHAエチルエステル(375mg)及びアルファ-トコフェロール(4mg)を含む一つのカプセルOMACOR(登録商標)中の油内容物を、表14に示すように様々な界面活性剤と一緒にシンチレーションバイアル中で混合した。以下の実施例における実験設定は、水の代わりに膵臓粉末(pancreas powder)(欧州薬局方6.0、274頁)なしで模擬腸液pH6.8を使用した以外には、先の記載通りである。
【0144】
【表19】
【0145】
実施例6:エマルションの顕微鏡検査
実施例52(胃液)及び実施例58(腸液)からのエマルションは、24時間回転させた後、顕微鏡下で検査した。いずれのエマルションも水中油型の懸濁液であり、凝集傾向はなかった。
【0146】
実施例7:薬剤処方
表15の以下の実施例は、製造できる薬剤処方を説明する。
【0147】
【表20】
【0148】
一つの態様では、界面活性剤または界面活性剤の組み合わせは、Tween(登録商標)界面
活性剤;Tween(登録商標)20、Tween(登録商標)40、Tween(登録商標)60、Tween(登録商標)65、Tween(登録商標)80及びTween(登録商標)85から選択する。
【0149】
別の態様では、界面活性剤は、Tween(登録商標)界面活性剤と、Cremphor(登録商標)か
ら選択された界面活性剤との組み合わせから選択される、たとえばTween(登録商標)20とCremphor ELである。さらなる態様では、Tween(登録商標)20及びSolutol HS15界面活性
剤は、Tween(登録商標)20及びTween(登録商標)40と共に一緒に使用することができる。
【0150】
脂肪酸油混合物がK85EEまたはAGP-103油組成物である、薬学的予備濃縮物の脂肪酸油混合物を表16に示す。
【0151】
【表21】
【0152】
実施例8:人工胃液及び模擬腸液における追加のエマルション
予備濃縮物1〜23は、以下の表17に示されているようにEPA/DHAエチルエステル(1000mg K85EE)及び種々の界面活性剤及び界面活性剤の混合物で製造した。エマルションは、実施例4及び5に記載のように、胃液及び模擬腸液の両方で製造した。人工胃液及び模擬腸液中のエマルションに関しても結果は同じであり、表17に表す。
【0153】
【表22】
【0154】
【表23】
【0155】
人工胃液及び模擬腸液中で製造したエマルション4〜15は、静置したとき、数時間は均質(乳状)であった。エマルション1〜3は、調製後(即ち、数時間、静置後)、いくらか分離した。エマルション1〜15の顕微鏡検査から、平均粒径が100ミクロン未満であっ
たことが判明した。エマルション4を20秒間、均質化処理(UltraRurrax(IKA))すると、小さな粒径(<10ミクロン)の形成が実質的に増加した。
【0156】
調製した予備濃縮物をベースとして、0.5%非イオン性界面活性剤(たとえばCremophor(
登録商標))は、人工胃液及び模擬腸液のいずれにおいてもEPA/DHAエチルエステルを乳化
することができる。さらに、二種以上の界面活性剤を配合しても、エマルションを安定化するようである。さらに粒径は、乳化方法に依存して様々でありうる。