特許第6723114号(P6723114)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6723114
(24)【登録日】2020年6月25日
(45)【発行日】2020年7月15日
(54)【発明の名称】炊飯器
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20200706BHJP
【FI】
   A47J27/00 109A
   A47J27/00 103E
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-168715(P2016-168715)
(22)【出願日】2016年8月31日
(65)【公開番号】特開2018-33646(P2018-33646A)
(43)【公開日】2018年3月8日
【審査請求日】2018年12月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】特許業務法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】小暮 栄治
【審査官】 礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−125607(JP,A)
【文献】 特開平11−244139(JP,A)
【文献】 特開2016−101237(JP,A)
【文献】 特開2010−213888(JP,A)
【文献】 特開平11−267012(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00 − 36/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内釜が出し入れ自在に収納される本体部と、
前記本体部に回動自在に設けられ、当該本体部に収納された内釜の開口を開閉する蓋部と、
前記蓋部の上部に取り外し自在に装着され、炊飯中に前記内釜内に発生するおねばを含む蒸気を取り込んでおねばと蒸気とを分離し、蒸気のみを外へ排出する蒸気排出容器と、
前記内釜を加熱する加熱手段と、
炊飯を開始する炊飯キーを有する操作部と、
前記蒸気排出容器の装着の有無を検知する容器検知手段と、
前記炊飯キーからの炊飯開始の指示を検知したときに、前記容器検知手段により前記蒸気排出容器の装着が検知されなかったときには、炊飯開始を停止する制御手段と、を備え
前記制御手段は、炊飯中に前記容器検知手段により前記蒸気排出容器の装着が外れたことが検知されたときには、吹きこぼれないように前記加熱手段の火力を制御することを特徴とする炊飯器。
【請求項2】
報知手段を備え、
前記制御手段は、前記容器検知手段により前記蒸気排出容器の装着が検知されなかったときには、前記蒸気排出容器の装着を前記報知手段を通して促すことを特徴とする請求項1記載の炊飯器。
【請求項3】
前記容器検知手段は、マイクロスイッチあるいはリードスイッチの何れかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の炊飯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、おねばと蒸気を分離し、蒸気のみを外へ排出する蒸気排出容器を備えた炊飯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の炊飯器には、内釜を収納する本体部と、この本体部に収納された内釜を開閉する蓋部と、内釜を加熱する加熱手段と、蓋部の上部に取り外し自在に装着された蒸気排出容器とを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−244139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
蒸気排出容器を備えた炊飯器では、蒸気排出容器が蓋部に装着されていない場合でも炊飯を開始し、また、炊飯中に誤って蒸気排出容器を蓋部から外された場合でも炊飯を継続している。このため、炊飯中におねばと蒸気とが吹き出し、火傷をする恐れがあった。また、おねばと蒸気とが吹き出した場合には、炊飯器そのものの清掃、その周辺の清掃が必要になり、また、蒸気排出容器を蓋部から外した状態ではご飯の炊きあがりも悪くなっている。
【0005】
本発明は、前述のような課題を解決するためになされたもので、蒸気排出容器が蓋部に装着されていない場合、炊飯を実行しないようにした炊飯器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る炊飯器は、内釜が出し入れ自在に収納される本体部と、本体部に回動自在に設けられ、本体部に収納された内釜の開口を開閉する蓋部と、蓋部の上部に取り外し自在に装着され、炊飯中に内釜内に発生するおねばを含む蒸気を取り込んでおねばと蒸気とを分離し、蒸気のみを外へ排出する蒸気排出容器と、内釜を加熱する加熱手段と、炊飯を開始する炊飯キーを有する操作部と、蒸気排出容器の装着の有無を検知する容器検知手段と、炊飯キーからの炊飯開始の指示を検知したときに、容器検知手段により蒸気排出容器の装着が検知されなかったときには、炊飯開始を停止する制御手段と、を備え、制御手段は、炊飯中に容器検知手段により蒸気排出容器の装着が外れたことが検知されたときには、吹きこぼれないように加熱手段の火力を制御するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、炊飯キーからの炊飯開始の指示を検知したときに、容器検知手段により蒸気排出容器の装着が検知されなかったときには、炊飯開始を停止するようにしている。この構成により、蒸気排出容器の未装着での炊飯を防止できる。このため、炊飯器の蓋部からの蒸気とおねばの吹出しを防止でき、蒸気とおねばの吹出しによる火傷の危険性を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態1に係る炊飯器の外観を示す斜視図である。
図2図1に示す炊飯器の縦断面図である。
図3図1の蒸気排出容器及び蓋部の一部を拡大して示す縦断面図である。
図4図3において蓋部から蒸気排出容器を取り外した状態を示す縦断面図である。
図5図2の炊飯器における蒸気排出容器の装着の有無に基づく動作を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施の形態2に係る炊飯器の蒸気排出容器及び蓋部の一部を拡大して示す縦断面図である。
図7図6において蓋部から蒸気排出容器を取り外した状態を示す縦断面図である。
図8】本発明の実施の形態3に係る炊飯器の蒸気排出容器及び蓋部の一部を拡大して示す縦断面図である。
図9図8において蓋部から蒸気排出容器を取り外した状態を示す縦断面図である。
図10図8の容器検知手段の変形例を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る炊飯器の外観を示す斜視図、図2図1に示す炊飯器の縦断面図、図3図1の蒸気排出容器及び蓋部の一部を拡大して示す縦断面図、図4図3において蓋部から蒸気排出容器を取り外した状態を示す縦断面図である。
本実施の形態1に係る炊飯器100は、図1及び図2に示すように、内釜11が出し入れ自在に収納され、収納された内釜11を加熱する加熱手段である誘導加熱コイル12を有する本体部10と、本体部10に回動自在に設けられ、本体部10に収納された内釜11の開口を開閉する蓋部30と、本体部10の前部に設けられた操作表示部50と、蓋部30の上部に取り外し自在に装着され、炊飯中に内釜11内に発生するおねばを含む蒸気を取り込んでおねばと蒸気とを分離し、蒸気のみを炊飯器100の外へ排出する蒸気排出容器70とを備えている。
【0010】
本体部10は、側面部が筒状に形成された外枠13と、外枠13の上部に設けられた上枠14と、外枠13の下部に設けられ、本体部10の底板16を形成する下枠15とで外郭が構成されている。また、本体部10は、筒形状の内遮熱板17と、内遮熱板17の外周面に密着して取り付けられた胴ヒーター18と、内遮熱板17の下に設置されたほぼ深皿形状のコイル台19と、誘導加熱コイル12の下方に設置されたフェライト20と、コイル台19の中央部に設けられた温度センサー21と、電源基板22とを備えている。この本体部10には、内遮熱板17とコイル台19とで有底筒形状の内釜収納部23が形成されている。
【0011】
前述の誘導加熱コイル12は、通電により交番磁界を発生し、内釜11を電磁誘導により加熱する。胴ヒーター18は、炊飯時および保温時に通電されて発熱する。フェライト20は、誘導加熱コイル12から放出されるノイズを低減する防磁材により形成されている。温度センサー21は、例えばサーミスタからなり、内釜11の底部に当接して内釜11の温度を検出する。
【0012】
電源基板22には、胴ヒーター18に通電するヒーター通電回路、後述する蓋ヒーター37に通電する蓋ヒーター通電回路、交流電力を直流電力に変換する整流回路、整流回路からの直流電力を高周波電力に変換し誘導加熱コイル12に供給するインバーター回路、インバーター回路を制御する加熱制御回路等が実装されている。インバーター回路のスイッチング素子には放熱フィンが設けられている。
【0013】
蓋部30は、上蓋31と、上蓋31の下側に取り付けられ、後方にヒンジ部33を備えた下蓋32と、下蓋32に取り外し自在に装着された内蓋34とを備え、本体部10の上枠14の開口、即ち、本体部10に形成された内釜収納部23の開口を閉じたときに係止ボタン40により係止される。上蓋31の中央部には、蒸気排出容器70を収容する凹部35が設けられている。下蓋32には、内釜11側に配置された仕切板36と、仕切板36の上面に設置された渦巻状の蓋ヒーター37とが設けられている。蓋ヒーター37は、胴ヒーター18と同様に、炊飯時および保温時に通電されて発熱する。
【0014】
仕切板36には、蒸気排出容器70が取り外し自在に挿入される取付穴38が設けられている。内蓋34の内釜11側の周縁部には、例えばシリコンゴムによりリング状に形成されたパッキン34aが取り付けられている。また、内蓋34は、仕切板36に設けられた取付穴38に対向する部分に、内釜11側に凹んで形成された蒸気抜き部34bが設けられている。この蒸気抜き部34bには、内釜11内の蒸気を抜くための蒸気穴34cが設けられている。
【0015】
操作表示部50は、炊飯キー、保温キー、機能設定キー等を有する操作部51と、この操作部51の設定に応じて炊飯動作、炊飯機能等を表示する表示部52(図2参照)とを備えている。この操作表示部50には、表示部52と対向する位置に表示窓52aが設けられている(図1参照)。本体部10の内側の前部には、操作表示部50に対向する位置に操作基板53が設置されている。この操作基板53には、操作部51からの操作信号に応じて、電源基板22の加熱制御回路、ヒーター通電回路等を動作させる指令信号を出力すると共に、操作信号に基づく炊飯動作を表示部52に表示する炊飯制御部53a、ブザー等が実装されている。
【0016】
炊飯制御部53aには、後述するが、炊飯キーからの炊飯開始の指示を検知すると、容器検知手段により蒸気排出容器70の装着が検知されたかどうかを判定し、蒸気排出容器70の装着が検知されなかったときには炊飯開始を停止する制御手段の機能を備えている。また、炊飯制御部53aには、容器検知手段により蒸気排出容器70の装着が検知されなかったときには、蒸気排出容器70の装着を報知手段の機能を有する表示部52を通して促すように構成されている。
【0017】
蒸気排出容器70は、分離自在に嵌め合わせられた上ケース71と下ケース72とで構成されている。下ケース72には、内釜11内で発生したおねばを含む蒸気を蒸気排出容器70内に取り込む案内筒72aが設けられている。また、この下ケース72には、蒸気から分離されたおねばを回収するおねば回収凹部72bが設けられている。案内筒72aの上端には、案内筒72aの径よりも大きい球状の弁体72cが載置されている。この弁体72cは、炊飯時の蒸気圧に応じて上下動し、内釜11内の蒸気を蒸気排出容器70内に導く。おねば回収凹部72bの底部には、上下動自在の開閉弁72dが取り付けられている。上ケース71には、蒸気を炊飯器100から外へ排出する蒸気口71aが設けられている。
【0018】
本実施の形態1においては、図2及び図3に示すように、下蓋32の仕切板26上に、容器検知手段である例えばマイクロスイッチ80が設置されている。このマイクロスイッチ80は、内部の接点をオン/オフする押しボタン81を備えている。その押しボタン81は、上蓋31の凹部35に設けられたパッキン39のリング穴に上下動自在に挿入されている。
【0019】
マイクロスイッチ80は、図3に示すように、蒸気排出容器70が取付穴38に挿入されて上蓋31の凹部35内に装着されている場合、押しボタン81が下方へ押圧されて接点をオンする。この時、マイクロスイッチ80からオン信号を操作基板53の炊飯制御部53aに出力される。また、図4に示すように、蒸気排出容器70を取付穴38から取り外した場合には、マイクロスイッチ80の押しボタン81は、パッキン39のリング穴を通って上蓋31の凹部35内に突出する。この時、マイクロスイッチ80の接点がオフ状態となり、これに伴いマイクロスイッチ80からのオン信号の出力が遮断される。
【0020】
次に、前記のように構成された炊飯器において、蒸気排出容器70の装着の有無に基づく動作を図5を用いて説明する。
図5図2の炊飯器における蒸気排出容器の装着の有無に基づく動作を示すフローチャートである。
炊飯制御部53aは、操作部51の炊飯キーがオンされると(ステップS1)、蒸気排出容器70が上蓋31の凹部35内に装着されたかどうかを判定する(ステップS2)。炊飯制御部53aは、マイクロスイッチ80からのオン信号が入力されたときには、蒸気排出容器70が上蓋31の凹部35内に装着されていると判定して、操作部51の操作に基づく炊飯動作を開始する(ステップS3)。
【0021】
また、炊飯制御部53aは、ステップS2において、マイクロスイッチ80からのオン信号が入力されないときには、蒸気排出容器70が上蓋31の凹部35内に装着されていないと判定して、報知手段であるブザー(図示せず)を起動してブザー音を発生させると共に、表示部52に「蒸気排出容器70が有りません。蒸気排出容器70を装着して下さい。」というメッセージを表示する(ステップS4、ステップS5)。
【0022】
以上のように本実施の形態1によれば、蒸気排出容器70が上蓋31の凹部35内に装着されていない場合、ブザー音で報知し、表示部52に蒸気排出容器70の装着を促す旨を表示すると共に、炊飯を行わないようにしている。この構成により、蒸気排出容器70の未装着での炊飯を防止でき、このため、炊飯器100の蓋部30からの蒸気とおねばの吹出しを防止でき、蒸気とおねばの吹出しによる火傷を防ぐことができる。
【0023】
実施の形態2.
なお、実施の形態1では、蒸気排出容器70の押しボタン81そのものがパッキン39のリング穴から露出しているが、本実施の形態2は、押しボタン81を保護するようにしたものである。
図6は本発明の実施の形態2に係る炊飯器の蒸気排出容器及び蓋部の一部を拡大して示す縦断面図、図7図6において蓋部から蒸気排出容器を取り外した状態を示す縦断面図である。なお、実施の形態1と同様の部分には同じ符号を付している。
【0024】
本発明の実施の形態2においては、図6及び図7に示すように、上蓋31の凹部35に設けられたパッキン39に一体成型された袋状のシール部39aの中に押しボタン81が挿入されている。そのパッキン39とシール部39aは、例えばシリコンゴムにより形成されている。
【0025】
図6に示すように、蒸気排出容器70が上蓋31の凹部35内に装着された場合、シール部39aは押しボタン81と共に下方へ押圧されて潰れた状態となる。この時、押しボタン81の下方への移動により接点がオンする。この時、マイクロスイッチ80からオン信号が炊飯制御部53aに出力される。
【0026】
また、図7に示すように、蒸気排出容器70を取付穴38から取り外した場合には、シール部39aは弾性により元の袋形状となり、マイクロスイッチ80の押しボタン81は、パッキン39のリング穴を通ってシール部39aの中で上蓋31の凹部35内に突出する。この時、マイクロスイッチ80の接点がオフ状態となり、これに伴いマイクロスイッチ80からのオン信号の出力が遮断される。
【0027】
以上のように本実施の形態2においては、押しボタン81を袋状のシール部39aにより保護するようにしているので、実施の形態1と同様の効果に加えて、押しボタン81に塵等が付着することがなくなり、このため、塵等の付着による押しボタン81の上下の動作が妨げられるということがない。
【0028】
実施の形態3.
実施の形態1では、蒸気排出容器70の装着をマイクロスイッチ80で検知するようにしたが、本実施の形態3は、マイクロスイッチ80に代えて、リードスイッチ83により蒸気排出容器70の装着を検知するようにしたものである。
図8は本発明の実施の形態3に係る炊飯器の蒸気排出容器及び蓋部の一部を拡大して示す縦断面図、図9図8において蓋部から蒸気排出容器を取り外した状態を示す縦断面図である。なお、実施の形態1と同様の部分には同じ符号を付している。
【0029】
本実施の形態3においては、図8及び図9に示すように、下蓋32の仕切板26上に、容器検知手段であるリードスイッチ83が設置されている。また、蒸気排出容器70の下ケース72のリードスイッチ83と対向する位置にマグネット84が設置されている。
【0030】
リードスイッチ83は、図8に示すように、蒸気排出容器70が取付穴38に挿入されて上蓋31の凹部35内に装着されている場合、リードスイッチ83がマグネット84の磁力によってオンする。この時、リードスイッチ83からオン信号を操作基板53の炊飯制御部53aに出力する。また、図9に示すように、蒸気排出容器70を取付穴38から取り外した場合には、リードスイッチ83は、マグネット84からの磁力を受けないためオフとなり、リードスイッチ83からのオン信号の出力が遮断される。
【0031】
この場合、炊飯制御部53aは、実施の形態1と同様に、蒸気排出容器70が上蓋31の凹部35内に装着されていないと判定して、報知手段であるブザー(図示せず)を起動してブザー音を発生させると共に、表示部52に「蒸気排出容器70が有りません。蒸気排出容器70を装着して下さい。」というメッセージを表示する。
【0032】
以上のように本実施の形態3においては、蒸気排出容器70が上蓋31の凹部35内に装着されていない場合に、ブザー音で報知すると共に、表示部52に蒸気排出容器70の装着を促す旨を表示すると共に、炊飯を行わないようにしている。この構成により、蒸気排出容器70の未装着での炊飯を防止でき、このため、炊飯器100の蓋部30からの蒸気とおねばの吹出しを防止でき、蒸気とおねばの吹出しによる火傷を防ぐことができる。
【0033】
なお、本実施の形態3では、下蓋32の仕切板26上にリードスイッチ83を設置し、蒸気排出容器70の下ケース72にマグネット84を設置したが、これに代えて、図10に示すようにしても良い。
図10図8の容器検知手段の変形例を示す縦断面図である。
図10に示す変形例においては、リードスイッチ83を、上蓋1の内側であって、蒸気排出容器70の上ケース71の前面部71bと対向する位置に設置し、マグネット89を、前述した上ケース71の前面部71bに設置している。
【0034】
この場合も、実施の形態3と同様に、使用者に対し装着忘れの蒸気排出容器70の装着を促すことができ、このため、蒸気排出容器70の装着忘れによる炊飯が行われなかったということを防止できる。
【0035】
また、蒸気排出容器70が上蓋31の凹部35内に装着されていない場合、炊飯を行わないようにしているので、蒸気排出容器70の未装着での炊飯を防止でき、このため、炊飯器100の蓋部30からの蒸気とおねばの噴出を防止でき、蒸気とおねばの噴出による火傷を防ぐことができる。
【0036】
なお、実施の形態1〜3では、蒸気排出容器70が上蓋31の凹部35内に装着されていない場合、炊飯キーに基づいて炊飯開始を実行しないようにしているが、これに限定されるものではない。
例えば、蒸気排出容器70の装着検知により炊飯を開始し、炊飯中にマイクロスイッチ80あるいはリードスイッチ83により蒸気排出容器70の装着が外れたことが検知されたときには、吹きこぼれないように加熱手段の火力を一定量低下させる火力制御を実施する。この火力制御は、炊飯制御部53aから加熱制御部に指示する。このようにした場合、吹きこぼれを起こすことなく、ご飯を炊くことができる。
【0037】
また、実施の形態1〜3では、蒸気排出容器70が上蓋31の凹部35内に装着されていない場合に、ブザー音で報知すると共に、表示部52に蒸気排出容器70が装着されていない旨を表示するようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、報知手段であるブザーから発せられるブザー音に代えて、音声で蒸気排出容器70の装着を促す旨を報知するようにしても良い。
【0038】
更に、マイクロスイッチ80あるいはリードスイッチ83を用いて蓋部30の開閉を検知するようにしても良い。例えば、蒸気排出容器70が上蓋31の凹部35内に装着されているときに、蓋部30が開いている場合には、蓋部30を閉じさせるように報知する。
【符号の説明】
【0039】
10 本体部、11 内釜、12 誘導加熱コイル、13 外枠、14 上枠、15 下枠、16 底板、17 内遮熱板、18 胴ヒーター、19 コイル台、20 フェライト、21 温度センサー、22 電源基板、23 内釜収納部、30 蓋部、31 上蓋、32 下蓋、33 ヒンジ部、34 内蓋、34a パッキン、34b 蒸気排出部、34c 蒸気抜け穴、35 凹部、36 仕切板、37 蓋ヒーター、38 取付穴、39 パッキン、39a シール部、40 係止ボタン、50 操作表示部、51 操作部、52 表示部、52a 表示窓、53 操作基板、70 蒸気排出容器、71 上ケース、71a 蒸気口、71b 前面部、72 下ケース、72a 案内筒、72b おねば回収凹部、72c 弁体、72d 開閉弁、80 マイクロスイッチ、81 押しボタン、83 リードスイッチ、84 マグネット、89 マグネット、100 炊飯器。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10