(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御装置は、前記炊飯器が外部電源に接続され、炊飯の指示を待機している待機状態のとき、前記二次電池を充電させる請求項2〜4のいずれか1項に記載の炊飯器。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る炊飯器100について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。さらに、明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、これらの記載に限定されるものではない。
【0010】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る炊飯器の蓋を開放した状態の斜視図である。炊飯器100は、被加熱物である食品(例えば、米及び水)を加熱して炊き上げる炊飯器である。
図1に示すように、炊飯器100は、外観が有底筒状の炊飯器本体1と、炊飯器本体1に取り付けられ、炊飯器本体1の上面部1aの開口1bを開閉する蓋体10とを備えている。なお、
図1は、後述する内鍋2及び水容器3が炊飯器本体1から取り外されている状態を示している。
【0011】
[炊飯器本体1]
図2は、本発明の実施の形態1に係る炊飯器の構成を概略的に示す断面模式図である。炊飯器本体1は、内鍋2と、加熱手段としての加熱部5と、鍋底温度検知部6と、蒸気発生部8と、駆動部30と、各部および各装置を駆動制御して炊飯工程を実行する制御装置40と、二次電池50と、を備えている。
【0012】
(内鍋2)
内鍋2は、被加熱物を収容し、炊飯器本体1内に着脱可能に収容される。炊飯器本体1には、
図1に示すように、炊飯器本体1の上枠を構成する上面部1aに開口1bが設けられ、この炊飯器本体1内の開口1b内に内鍋2が着脱可能に収容される。内鍋2は、有底円筒形状を有し、誘導加熱により発熱する磁性体金属を含む材料で構成される。内鍋2の内部には、被加熱物である米および水が収容される。
【0013】
(加熱部5)
図2に示す加熱部5は、制御装置40により通電制御され、内鍋2を誘導加熱する加熱コイルである。なお、加熱手段として、加熱コイルに代えてシーズヒーター等の電気ヒーターを設けても良い。また、
図2の例では、内鍋2の底面近傍に加熱部5を配置しているが、加熱部5の配置は図示のものに限定されず、例えば内鍋2の底面近傍に加えて内鍋2の側面に沿って加熱部5を設けても良い。
【0014】
(鍋底温度検知部6)
鍋底温度検知部6は、例えばサーミスタで構成され、内鍋2の温度を検知する。本発明の実施の形態1に係る炊飯器の鍋底温度検知部6は、バネ等の弾性手段によって上方に付勢されており、炊飯器本体1に収容された内鍋2の底面に接する。鍋底温度検知部6が検知した内鍋2の温度に関する情報は、制御装置40において受信される。なお、鍋底温度検知部6の具体的構成はサーミスタに限定されず、内鍋2に接触して温度を検知する接触式温度センサーのほか、例えば赤外線センサー等の内鍋2の温度を非接触で検知する非接触式温度センサーを採用しても良い。
【0015】
(蒸気発生部8)
蒸気発生部8は、炊飯器本体1に収容され、内鍋2へ供給する蒸気を発生するものである。
図2において、蒸気発生部8は、点線で囲まれた範囲で表されており、内鍋2と制御装置40との間の炊飯器本体1内に収容されているが、蒸気発生部8の設置位置は任意であり、例えば、内鍋2を挟んで制御装置40と反対側の炊飯器本体1内に収容されてもよい。蒸気発生部8は、水容器3と、水容器受け部9と、水容器加熱部11とを備える。
【0016】
図3は、本発明の実施の形態1に係る炊飯器に収容される水容器の斜視図である。水容器3は、炊飯器本体1に着脱可能に収容され、蒸気を生成するための被加熱物である水を収容する。水容器3は、
図3に示すように、有底円筒形状を有し、誘導加熱により発熱する磁性体金属を含む材料で構成される。また、水容器3の水を収容する開口部3dの外周縁には径方向に環状に突出して形成された、フランジ状の水容器フランジ部3aが設けられている。水容器3の水容器フランジ部3aを
図1に示す水容器受け縁部9bに置くことで、水容器3が水容器受け部9内に収容される。なお、
図3において、水容器3は、径の異なる2つの円筒部が上下に配置されて形成されているが、底部から開口部までの径が同じ大きさであってもよい。また、水容器3は、平面視で円形の円筒柱状に形成されているが、例えば、平面視で楕円形の円筒形状に形成されてもよく、さらに、例えば、四角柱など、平面視で多角形の多角柱状に形成されてもよい。
【0017】
水容器受け部9は、炊飯器本体1に設けられ、水容器3を収容する。
図1及び
図2に示すように、水容器受け部9は、有底筒状に形成されていて、その内部に水容器3が着脱自在に収容される。水容器受け部9は、炊飯器本体1と一体で構成されてもよく、炊飯器本体1とは別体で構成されてもよい。
図1に示すように水容器受け部9の水容器3を収容する開口部9dの外周縁には、水容器フランジ部3aと対向するように、径方向に環状に突出して形成された、フランジ状の水容器受け縁部9bが設けられている。なお、
図1において、水容器受け部9は、平面視で円形の円筒形状に形成されているが、水容器3の形状に合致していれば平面視で楕円形の円筒形状に形成されてもよく、さらに、例えば、四角柱など、平面視で多角形の多角柱状に形成されてもよい。
【0018】
水容器加熱部11は、水容器3を加熱し内鍋2へ供給する蒸気を発生させる。
図2に示す、水容器加熱部11は、制御装置40により通電制御され、水容器3を誘導加熱する加熱コイルである。なお、加熱手段として、加熱コイルに代えてシーズヒーター等の電気ヒーターを設けても良い。また、
図2の例では、水容器3の下方の側面に沿って水容器加熱部11を配置しているが、水容器加熱部11の配置は図示のものに限定されず、例えば水容器3の下方の側面に加えて、水容器3の底面近傍に水容器加熱部11を設けても良い。
【0019】
(駆動部30)
図4は、本発明の実施の形態1に係る炊飯器の駆動部、並びに、制御装置の構成を説明するためのブロック図である。なお、
図4において、実線の矢印は、電力線を示しており、一方、点線の矢印は、制御線や信号線を示している。まず、
図4を用いて駆動部30について説明する。
【0020】
駆動部30は、外部電源からの電力を、加熱部5、蒸気発生部8の水容器加熱部11、蒸気加熱部18及び表示基板14に給電することができると共に、二次電池50に電力を蓄える機能を有する。また、駆動部30は、二次電池50からの電力を蒸気発生部8の水容器加熱部11、蒸気加熱部18及び表示基板14に給電する機能を有している。駆動部30は、充電切換部31と、AC−DC変換部32と、DC−AC変換部33と、電力切換部34と、充電残容量検出部35とを備える。
【0021】
充電切換部31は、制御装置40により制御され、外部電源から給電された電力(AC電源)を、二次電池50に充電するか否かを切り換える。充電切換部31は、二次電池50に充電する場合に、外部電源からの電力を、AC−DC変換部32を経由して二次電池50に供給する。
【0022】
AC−DC変換部32は、外部電源から給電されたAC電源を、DC電源に変換する。例えば、AC−DC変換部32は、トランス方式やスイッチング方式によって、交流から直流に変換する。 AC−DC変換部32は、変換したDC電源を二次電池50に供給する。
【0023】
DC−AC変換部33は、二次電池50から放電されたDC電源を、AC電源に変換する。例えば、DC−AC変換部33は、インバータ回路にて、直流から交流に変換する。DC−AC変換部33によって変換されたAC電源は、電力切換部34を通じて、水容器加熱部11、蒸気加熱部18及び表示基板14のいずれか1つ、又は2つ以上に供給される。
【0024】
電力切換部34は、制御装置40により制御され、加熱部5、水容器加熱部11、蒸気加熱部18及び表示基板14に対して給電するためのそれぞれの電力を、外部電源側を使用するか、二次電池50側を使用するかを切り換える。つまり、電力切換部34は、外部電源からの電力、又は、二次電池50からの電力(DC−AC変換部33で変換して得られた電力)を、加熱部5、水容器加熱部11、蒸気加熱部18及び表示基板14に対してそれぞれ給電する。ただし、加熱部5についての電力供給については安定した炊飯工程を維持する為に常に外部電源からの電力が用いられる。
【0025】
充電残容量検出部35は、バッテリセンサ等からなり、二次電池50の充電残容量を検出する。制御装置40は、充電残容量検出部35が検出した充電残容量(データ)を受信する。
【0026】
(制御装置40)
次に、
図4を用いて制御装置40について説明する。制御装置40は、駆動部30を制御し、加熱部5、蒸気発生部8の水容器加熱部11、蒸気加熱部18及び表示基板14に通電する電流を制御する。また、制御装置40は、二次電池50への充電及び二次電池50からの給電を制御する。さらに、制御装置40は、二次電池50から蒸気発生部8及び水容器加熱部11への電力供給がされている間、後述する操作表示部22に二次電池50の使用を表示する。そのほか、制御装置40は、炊飯器100の動作全般を制御する。制御装置40は、その機能を実現する回路デバイスのようなハードウェアで構成することができ、またはマイコンやCPUのような演算装置と、その上で実行されるソフトウェアとにより構成することもできる。制御装置40は、制御部41と、記憶部42と、計時部43と、演算部44と、を備える。
【0027】
制御部41は、制御線を通じて、駆動部30を制御する。すなわち、制御部41は、上述した充電切換部31を制御して、二次電池50に充電するか充電しないかを切り換える。また、制御部41は、上述した電力切換部34を制御して、加熱部5、水容器加熱部11、蒸気加熱部18及び表示基板14への給電を、外部電源からの電力、又は、二次電池50からの電力に切り換える。
【0028】
記憶部42は、駆動部30を制御するために必要な種々の情報を記憶する。 例えば、記憶部42は、二次電池50について、蓄電可能な最大容量や、停電時に備えた下限容量(蓄電容量下限)等の情報を記憶する。また、記憶部42は、AC−DC変換部32の変換効率、二次電池50の充放電効率、及び、DC−AC変換部33の変換効率等の情報を記憶する。更に、記憶部42は、炊飯メニューおよび炊飯する米の量に合わせた炊飯プログラムなども記憶する。
【0029】
計時部43は、例えば、タイマーやリアルタイムクロック等からなり、現在時刻などを計時する。
【0030】
演算部44は、二次電池50の充電残容量、記憶部42に記憶している情報、及び、蒸気発生部8の水容器加熱部11及び蒸気加熱部18へ供給される電力量に基づいて、二次電池50の充放電制御を決定する。また、演算部44は、操作表示部22において使用者により設定された炊飯メニュー、記憶部42に記憶されたプログラム、計時部43から取得する時間、内鍋内温度検知部4と鍋底温度検知部6の検出温度などに基づき、加熱部5、水容器加熱部11及び蒸気加熱部18の電力制御を行う。このような演算部44は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)など(何れも図示せず)を備え、制御装置40全体(機能的には、駆動部30)を制御する。
【0031】
(二次電池50)
二次電池50は、AC−DC変換部32から供給された電力(DC電源)を充電して電力を蓄える。そして、二次電池50は、蒸気発生部8と後述する蒸気加熱部18のいずれか一方若しくは両方に加熱のための電力を供給する。また、二次電池50は、表示基板14に電力を供給する。二次電池50は、制御装置40により充電及び給電が制御される。二次電池50は、
図2において、炊飯器本体1の底板1d上に設置されているが、二次電池50の設置位置は任意である。二次電池50は、充電を行うことにより電気を蓄えて繰り返し使用することが出来る電池であればよく、例えばニッケル水素充電池、リチウムイオン充電池等の高容量の二次電池である。
【0032】
[蓋体10]
蓋体10は、
図2に示すように、炊飯器本体1の上部の一端側に設けられたヒンジ部7によって開閉自在に支持され、
図1に示すように、炊飯器本体1の上面部1aの開口1bを開閉可能に覆う。蓋体10は、外蓋15と、内蓋16とを有する。また、
図2に示すように、外蓋15と、内蓋16との間の空間には、蒸気経路17と、蒸気加熱部18とが設けられている。さらに、外蓋15と、内蓋16との間の空間には、内鍋内温度検知部4が設けられている。
【0033】
(外蓋15及び内蓋16)
外蓋15は、蓋体10の上部および側部を構成し、外蓋15の下面(内鍋2に対向する面)には、内蓋16が着脱自在に取り付けられている。内蓋16は、例えばステンレスなどの金属で構成されており、外蓋15の炊飯器本体1側の面に係止材を介して取り付けられている。
図1に示すように、内蓋16の周縁部には、内鍋2の上端部外周との密閉性を確保するシール材である蓋パッキン19が取り付けられている。
図2に示すように、蓋体10の炊飯器本体1側の下面(水容器3に対向する面)には、蒸気発生部8で生成された蒸気が通る蒸気取入口17aが設けられている。また、蓋体10の炊飯器本体1側の下面(水容器3に対向する面)には、蒸気取入口17aを環状に囲って、水容器3の上端部外周との密閉性を確保するシール材である水パッキン21が取り付けられている。さらに、内蓋16には、水容器3内で発生した蒸気が通る蒸気口17bが設けられている。蒸気口17bは、蒸気経路17を介して水容器3の上部に設けられた蒸気取入口17aと通じている。
【0034】
図5は、本発明の実施の形態1に係る炊飯器の外観の斜視図である。蓋体10は、操作表示部22と表示基板14とを備える。
図5に示すように、操作表示部22は、蓋体10の上面に設けられている。この操作表示部22に設けられた操作ボタン22aを押したり触れたりすることで、炊飯器100は使用者からの操作を受け付ける。また、炊飯器100は、操作表示部22に設けられた表示パネル22bにおいて、操作入力に関する情報および炊飯器100の動作状態を表示する。操作表示部22における入力及び出力情報は、
図2に示す表示基板14を通じて制御装置40と通信される。表示基板14は、操作表示部22の操作ボタン22aに対応した各種スイッチ、操作表示部22の表示パネル22bに対応した液晶表示装置などの表示装置等が設置されている。操作表示部22に対して設定可能な項目としては、例えば、炊飯の開始、取り消し、炊飯予約、炊飯メニュー等がある。炊飯メニューの具体例としては、白米炊飯または玄米炊飯等の米の種類に関するもの、標準炊飯または早炊き炊飯等の炊飯時間に関するもの、かためまたはやわらかめ等の炊き上がりの米飯のかたさに関するもの等が挙げられる。操作表示部22が表示する項目としては、例えば、炊飯中または予約待機中等の炊飯器100の状態、設定されている炊飯メニューの内容、炊き上がりの予定時刻、現在時刻、炊飯する米の量等が挙げられる。また、操作表示部22は、二次電池50の使用時には、例えば、表示パネル22bに「バッテリー使用中」などの文字を表示し、あるいは発光ダイオードを点灯するなどして二次電池50の使用を視覚的に表示する。なお、ここで示した操作表示部22の具体的構成は一例であり、本発明を限定するものではない。
【0035】
(蒸気経路17)
蒸気経路17は、
図2に示すように、一端には蒸気取入口17aが形成され、他端には蒸気口17bが形成されており、水容器3の上部空間と内鍋2の上部空間とを連通させる管である。蒸気経路17は、蒸気発生部8を構成する水容器3で発生した蒸気を、蒸気取入口17aから取り込み、蒸気口17bから放出して内鍋2へと導く。蒸気経路17は、耐熱性のある樹脂、あるいは金属などで構成され、外蓋15に収容される。
【0036】
(蒸気加熱部18)
蒸気加熱部18は、蓋体10内の蒸気経路17に設置され、蒸気発生部8で発生した蒸気を内鍋2に流入する前に加熱するものである。
【0037】
(内鍋内温度検知部4)
内鍋内温度検知部4は、蓋体10の内鍋2の開口部と対面する部位に設けられており、内鍋2内の調理物(米や水)の温度を検知するために設けられたものである。内鍋内温度検知部4は、例えば、サーミスタ式温度センサーであるが、放射される赤外線を検知して温度を検知する赤外線式温度センサーでも良い。
【0038】
[炊飯工程]
図6は、本発明の実施の形態1に係る炊飯器の炊飯工程のタイミングチャートである。 続いて、本実施の形態1における炊飯器100の炊飯工程の動作について説明する。炊飯工程は、「予熱工程」と、「炊き上げ工程」と、「蒸らし工程」とからなる。この炊飯工程の制御主体は制御装置40である。操作表示部22に対して使用者が操作入力を行うと、炊飯器本体1に内蔵された制御装置40は、入力された炊飯メニューおよび炊飯する米の量に合わせた炊飯プログラムに従って、加熱部5を動作させて炊飯工程を実行する。
【0039】
図6において、実線で示す折れ線グラフは、内鍋内温度検知部4により検知する温度変化を表し、点線で示す折れ線グラフは、ご飯の温度変化を表している。また、
図6において、「加熱部5(使用電力)」、「二次電池50(充電)」、「蒸気発生部8(使用電力)」、「蒸気加熱部18(使用電力)」の項目の右側の表に表されている縦棒は、電力量を表す。より詳細には、縦棒の高さは、「加熱部5(使用電力)」と、「蒸気発生部8(使用電力)」と、「蒸気加熱部18(使用電力)」とにおける電力の使用量及び「二次電池50(充電)」における充電量を表す。また、縦棒の横の間隔は、「加熱部5(使用電力)」と、「蒸気発生部8(使用電力)」と、「蒸気加熱部18(使用電力)」とにおける電力の使用のタイミング及び「二次電池50(充電)」における充電のタイミングを表している。なお、この縦棒における高さと間隔は、概念的なものであり厳密なものではない。
【0040】
最初に、炊飯を行う米とその米量に対応する水とを内鍋2に入れ、内鍋2を炊飯器本体1内に内装する。さらに、水容器3に蒸気の発生に要する所定の量の水を入れ、水容器3を炊飯器本体1の水容器受け部9内に内装する。
【0041】
その後、使用者によって、蓋体10が閉められ、炊飯器100の操作表示部22が操作されて炊飯工程が開始される。炊飯工程が開始されると、制御装置40は予熱工程を実行する。この予熱工程では、米の吸水を促すために内鍋2内の米と水を所定の温度範囲に維持するように内鍋2を加熱しながら一定時間保持する。
【0042】
予熱工程終了後は、炊き上げ工程に移行する。この炊き上げ工程では、内鍋2に大きな電力(火力)が供給され、内鍋2内の米を炊き上げる。炊き上げ工程が進行し、内鍋2内の水が無くなると、鍋底温度検知部6での検出する温度変化を制御装置40で捉えることにより炊き上げ工程が終了となる。
【0043】
炊き上げ工程が終了すると蒸らし工程に移行する。この蒸らし工程は炊きあがった飯の水分を飯内で均一な状態に近づけるために行う工程であり、内鍋2への若干の電力(火力)投入を所定の時間行い蒸らし工程を完了する。
【0044】
炊き上げ工程から蒸らし工程にかけて、蒸気発生部8において水容器加熱部11の加熱により水容器3が加熱され、水容器3内の水が沸騰して蒸気が発生する。発生した蒸気は蒸気経路17を経由し蒸気加熱部18で加熱されて、内鍋2内に供給される。
【0045】
炊飯器100は、炊飯工程が終了すると、図示しない保温工程に移行する。この保温工程は、炊き上がった飯の温度を所定温度に維持するように制御するものである。
【0046】
[炊飯工程における二次電池の使用]
図7は、本発明の実施の形態1に係る炊飯器の炊飯工程における二次電池の制御フローを示す図である。ここで、炊飯器100の炊飯工程における二次電池50の使用について
図7及び
図6を用いて説明する。
【0047】
使用者による操作表示部22の操作により炊飯メニューが選択され、炊飯が開始される(ステップST1)。ここで、炊飯器100は、炊飯開始と共に予熱工程に入る(ステップST2)。次に、演算部44が、使用者によって選択された炊飯メニューに基づき、炊飯完了時間を算出する(ステップST3)。次に、演算部44は、炊飯完了時間に基づき予熱工程に必要な予熱時間を算出し(ステップST4)、炊き上げ工程開始時間を算出する(ステップST5)。次に、充電残容量検出部35は、二次電池50の充電量を確認し(ステップST6)、演算部44は、二次電池50の充電量が第1閾値(例えば、80%)以上であるか否かを判定する(ステップST7)。二次電池50は必ずしも100%の充電状態でなくてもよい。なお、第1閾値の設定は任意であり、例えば、各種炊飯メニューによって予め定められた値が記憶部42に記憶されている。演算部44は記憶部42に記憶されているデータを参照する。
【0048】
演算部44が、二次電池50の充電量が第1閾値以上であると判断した場合(ステップST7がYES)は、電力切換部34は、炊き上げ工程開始まで蒸気発生部8及び蒸気加熱部18への給電についての制御装置40からの指令を待機する(ステップST8)。演算部44が、二次電池50の充電量が第1閾値未満であると判断した場合(ステップST7がNO)には、演算部44は、炊き上げ工程開始までに二次電池の充電が完了するか否かを判定する(ステップST9)。充電が完了するか否かは、必ずしも100%の充電状態でなくてもよい。なお、充電完了の閾値の設定は任意であり、例えば、各種炊飯メニューによって予め定められた値が記憶部42に記憶されている。演算部44は、記憶部42に記憶されている値を参照する。
【0049】
演算部44が、炊き上げ工程開始までに二次電池50の充電が完了すると判断した場合(ステップST9がYES)には、制御部41は充電切換部31に指令を出し、二次電池50への給電を行う(ステップST10)。そして、制御部41は炊飯時の予熱工程において二次電池50を充電させる。充電残容量検出部35が、二次電池50の充電量を確認し、演算部44が、二次電池50の充電が完了したと判断すると(ステップST11)、電力切換部34は、炊き上げ工程開始まで蒸気発生部8及び蒸気加熱部18への給電についての制御装置40からの指令を待機する(ステップST12)。演算部44が、炊き上げ工程開始までに二次電池50の充電が完了しないと判断した場合(ステップST9がNO)は、制御部41は二次電池50への給電を行わない(ステップST13)。そして、電力切換部34は、炊き上げ工程開始まで蒸気発生部8及び蒸気加熱部18への給電についての制御装置40からの指令を待機する(ステップST14)。
【0050】
炊き上げ工程開始時(ステップST15)に、演算部44は、二次電池50の充電量が第1閾値(例えば、80%)以上であるか否かを判定する(ステップST16)。二次電池50は必ずしも100%の充電状態でなくてもよい。なお、第1閾値の設定は任意であり、例えば、各種炊飯メニューによって予め定められた値が記憶部42に記憶されている。演算部44は、記憶部42に記憶されている値を参照する。また、
図7では、ステップST16の閾値は、ステップST7と同じ第1閾値を使用しているが、ステップST16の閾値は、必ずしもステップST7の閾値と同じ値でなくてもよい。また、ステップST16の判断時の設定は任意であり、例えば、炊き上げ工程開始時間の1分前など、炊き上げ工程開始時間を起算時間として、起算時間より前の所定の時間に判定を行うように設定してもよい。
【0051】
演算部44が、二次電池50の充電量が第1閾値以上であると判断した場合(ステップST16がYES)は、制御部41の指示に基づき、電力切換部34は、二次電池50から蒸気発生部8の水容器加熱部11と蒸気加熱部18のいずれか一方若しくは両方に加熱のための電力を供給する(ステップST17)。演算部44が、二次電池50の充電量が第1閾値未満であると判断した場合(ステップST16がNO)は、制御部41の指示に基づき、電力切換部34は、外部電源から蒸気発生部8の水容器加熱部11及び蒸気加熱部18に電力を供給する(ステップST18)。
【0052】
以上のように、本発明の実施の形態1に係る炊飯器100は、蒸気発生部8と蒸気加熱部18のいずれか一方若しくは両方に加熱のための電力を供給する二次電池50を備えている。そのため、炊飯に必要な内鍋2を加熱するために必要な電力を損なうことなく、蒸気の発生及び加熱のために必要な電力を確保することができる。その結果、炊飯時に内鍋2を加熱するために必要な電力を維持することができ、米飯を美味しく炊飯するための理想的な炊飯制御を行うことができる。
【0053】
また、従来の炊飯器では、内鍋を加熱するために必要な電力を確保するために、蒸気を投入するタイミングが制約されていた。しかし、本発明の実施の形態1に係る炊飯器100は、内鍋2を加熱するために供給する電力を蒸気発生及び加熱のために使用する必要がなく、蒸気投入のタイミングを自由に制御することができる。その結果、米飯を美味しく炊飯するための炊飯制御を行うことができる。
【0054】
さらに、本発明の実施の形態1に係る炊飯器100は、二次電池50の使用時には、例えば、表示パネル22bに「バッテリー使用中」などの文字を表示し、あるいは発光ダイオード(図示せず)を点灯する。そのため、使用者は、二次電池50の使用を視覚的に認識することができ、二次電池50の使用状況を確認することができる。
【0055】
実施の形態2.
図8は、本発明の実施の形態2に係る炊飯器のタイマー予約炊飯時の炊飯工程における二次電池の制御フローを示す図である。ここで、本発明の実施の形態2に係る炊飯器として、炊飯器100のタイマー予約炊飯時の炊飯工程における二次電池50の使用について
図8を用いて説明する。
図1〜
図7の炊飯器100と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0056】
[タイマー予約炊飯時における二次電池の使用]
使用者による操作表示部22の操作により、タイマー予約炊飯が受け付けられる(ステップST21)。次に、演算部44は、使用者により選択された炊飯メニューに基づく炊飯完了予定時間から、炊飯工程開始時間を算出し(ステップST22)、炊飯工程開始時間から炊き上げ工程開始時間を算出する(ステップST23)。次に、充電残容量検出部35は、二次電池50の充電量を確認し(ステップST24)、演算部44は、炊き上げ工程開始までに二次電池50の充電が完了するか否かを判定する(ステップST25)。充電が完了するか否かは、必ずしも100%の充電状態でなくてもよい。なお、充電完了の閾値の設定は任意であり、例えば、各種炊飯メニューによって予め定められた値が記憶部42に記憶されている。演算部44は、記憶部42に記憶されている値を参照する。
【0057】
演算部44が、炊き上げ工程開始までに二次電池50の充電が完了すると判断した場合(ステップST25がYES)には、演算部44は、二次電池50の充電に必要な充電時間を算出する(ステップST26)。次に、演算部44は、必要な充電時間と、炊き上げ工程開始時間と、計時部43の現在時刻とに基づき、充電開始時刻を設定する(ステップST27)。また、充電開始時刻は、充電完了時間と炊き上げ工程開始時間との間の時間の間隔が所定の時間となるように設定される。充電完了時間と炊き上げ工程開始時間との間の時間の間隔は任意で有るが、できるだけ間隔が短いほうが望ましい。すなわち、充電完了時間ができるだけ炊き上げ工程開始時間に近い時間となるように、充電開始時刻が設定されることが望ましい。充電完了時間と炊き上げ工程開始時間との間の時間の間隔は、予め記憶部42に設定されている。
【0058】
充電開始時刻になると(ステップST28)、制御部41は電力切換部34に指令を出し、二次電池50への給電を行い、二次電池50の充電を開始する(ステップST29)。充電残容量検出部35が、二次電池50の充電量を確認し、演算部44が、充電完了と判断すると(ステップST30)、電力切換部34は、炊き上げ工程開始まで蒸気発生部8及び蒸気加熱部18への給電についての制御装置40からの指令を待機する(ステップST31)。演算部44が、炊き上げ工程までに二次電池50の充電が完了しないと判断した場合(ステップST25がNO)は、制御部41は二次電池50への給電を行わない(ステップST32)。そして、電力切換部34は、炊き上げ工程開始まで蒸気発生部8及び蒸気加熱部18への給電についての制御装置40からの指令を待機する(ステップST33)。
【0059】
炊き上げ工程開始時(ステップST34)に、演算部44は、二次電池50の充電量が第1閾値(例えば、80%)以上であるか否かを判定する(ステップST35)。二次電池50は必ずしも100%の充電状態でなくてもよい。なお、第1閾値の設定は任意であり、例えば、各種炊飯メニューによって予め定められた値が記憶部42に記憶されている。演算部44は、記憶部42に記憶されている値を参照する。また、ステップST35の判断時の設定は任意であり、例えば、炊き上げ工程開始時間の1分前など、炊き上げ工程開始時間を起算時間として、起算時間より前の所定の時間に判定を行うように設定してもよい。
【0060】
演算部44が、二次電池50の充電量が閾値以上であると判断した場合(ステップST35がYES)は、制御部41の指示に基づき、電力切換部34は、二次電池50から蒸気発生部8の水容器加熱部11と蒸気加熱部18のいずれか一方若しくは両方に加熱のための電力を供給する(ステップST36)。演算部44が、二次電池50の充電量が閾値未満であると判断した場合(ステップST35がNO)は、制御部41の指示に基づき、電力切換部34は、外部電源から蒸気発生部8の水容器加熱部11及び蒸気加熱部18に電力を供給する(ステップST37)。
【0061】
以上のように、本発明の実施の形態2に係る炊飯器100は、蒸気発生部8と蒸気加熱部18のいずれか一方若しくは両方に加熱のための電力を供給する二次電池50を備えている。そのため、炊飯に必要な内鍋2を加熱するために必要な電力を損なうことなく、蒸気の発生及び加熱のために必要な電力を確保することができる。その結果、炊飯時に内鍋2を加熱するために必要な電力を維持することができ、米飯を美味しく炊飯するための理想的な炊飯制御を行うことができる。
【0062】
また、従来の炊飯器では、内鍋を加熱するために必要な電力を確保するために、蒸気を投入するタイミングが制約されていた。しかし、本発明の実施の形態2に係る炊飯器100は、内鍋2を加熱するために供給する電力を蒸気発生及び加熱のために使用する必要がなく、蒸気投入のタイミングを自由に制御することができる。その結果、米飯を美味しく炊飯するための理想的な炊飯制御を行うことができる。
【0063】
さらに、本発明の実施の形態2に係る炊飯器100は、充電開始時刻(ステップST28)になると二次電池50への充電を開始する(ステップST29)する。このとき、充電開始時刻は、充電完了時間と炊き上げ工程開始時間との間の時間の間隔ができるだけ短い間隔に設定されており、充電完了時間ができるだけ炊き上げ工程開始時間に近い時間となるように設定されている。そのため、二次電池50が過充電とならず、二次電池50の寿命を延ばすことができる。
【0064】
実施の形態3.
図9は、本発明の実施の形態3に係る炊飯器の保温工程における二次電池の制御フローを示す図である。ここで、本発明の実施の形態3に係る炊飯器として、炊飯器100の保温工程における二次電池50の使用について
図9を用いて説明する。
図1〜
図7の炊飯器100と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0065】
[保温工程における二次電池の使用]
保温工程(ステップST41)において、使用者が保温していた米飯に潤いを与えたい場合がある。このとき、使用者は、
図5に示す操作表示部22に設けられた操作ボタン22aの1つである蒸気投入ボタン22a1を押し下げる(ステップST42)。なお、
図5において蒸気投入ボタン22a1は、左下の位置にあるボタンとしているが、蒸気投入ボタン22a1の設置位置は任意である。このとき、演算部44は、二次電池50の充電量が第2閾値(例えば、30%)以上であるかを判定する(ステップST43)。なお、第2閾値の設定は任意であり、予め定められた値が記憶部42に記憶されている。演算部44は、記憶部42に記憶されている値を参照する。演算部44が、二次電池50の充電量が第2閾値以上であると判断した場合(ステップST43がYES)は、制御部41の指示に基づき、電力切換部34は、二次電池50から蒸気発生部8の水容器加熱部11と蒸気加熱部18のいずれか一方若しくは両方に加熱のために電力を供給する(ステップST44)。演算部44が、二次電池50の充電量が第2閾値未満であると判断した場合(ステップST43がNO)は、制御部41の指示に基づき、電力切換部34は、外部電源から蒸気発生部8の水容器加熱部11と蒸気加熱部18に電力を供給する(ステップST45)。なお、制御装置40は、保温工程において二次電池50を充電させている。
【0066】
以上のように、本発明の実施の形態3に係る炊飯器100は、蒸気発生部8と蒸気加熱部18のいずれか一方若しくは両方に加熱のための電力を供給する二次電池50を備えている。したがって、使用者は、蒸気投入を自由に制御することができ、保温時においても米飯に潤いを与える事ができる。
【0067】
実施の形態4.
図10は、本発明の実施の形態4に係る炊飯器の待機状態における二次電池の制御フローを示す図である。ここで、本発明の実施の形態4に係る炊飯器として、炊飯器100の待機状態における二次電池50の使用について
図10を用いて説明する。
図1〜
図7の炊飯器100と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。なお、待機状態とは、炊飯器100が、外部電源に電源が接続されている状態で、炊飯の指示を待機している状態である。また、以下の待機状態における二次電池の制御フローは保温工程においても該当する。
【0068】
[待機状態における二次電池の使用]
炊飯が行われていない待機状態又は保温工程(ステップST61)において、充電残容量検出部35は、予め定められた間隔で二次電池50の充電量を確認する(ステップST62)。なお、この間隔は任意であり、例えば、常時充電量を確認してもよいし、一定の間隔をあけて確認してもよい。
【0069】
次に、演算部44は、二次電池50の充電量が第3閾値(例えば、95%)以上であるか否かを判定する(ステップST63)。なお、第3閾値の設定は任意であり、予め定められた値が記憶部42に記憶されており、演算部44は記憶部42に記憶されている値を参照する。演算部44が、二次電池50の充電量が第3閾値以上であると判断した場合(ステップST63がYES)は、制御部41の指示に基づき、電力切換部34は、二次電池50から表示基板14に電力を供給する(ステップST64)。表示基板14に供給された電力は、例えば液晶表示、バックライト、時計機能、音声出力等に使用される。
【0070】
演算部44が、二次電池50の充電量が第3閾値未満であると判断した場合(ステップST63がNO)には、制御部41は電力切換部34に指令を出し、二次電池50への給電を行う(ステップST65)。そして、制御装置40は、待機状態のとき、二次電池50を充電させる。この後、ステップST62に戻り、充電残容量検出部35が、二次電池50の充電量を確認する。
【0071】
以上のように、発明の実施の形態4に係る炊飯器100は、炊飯の指示を待機している待機状態又は保温工程において、二次電池50の充電量が第3閾値以上の場合には、二次電池50の電力を表示基板14に供給する。そのため、発明の実施の形態4に係る炊飯器100は、二次電池50の過充電を防ぐ事ができ、二次電池50の寿命を延ばすことができる。
【0072】
なお、本発明の実施の形態は、上記実施の形態1〜4に限定されない。例えば、本発明の実施の形態1に係る炊飯器100において、操作表示部22は、蓋体10に設けられているが、炊飯器本体1の側面に設けられていてもよい。また、発明の実施の形態1に係る炊飯器100において、二次電池50は、炊飯器本体1の底板1d上に設置されているが、炊飯器本体1の側壁に設けられてもよい。