(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る調理器の外観斜視図であり、
図2は、本発明の実施の形態1に係る調理器の縦断面概略図である。
以下、本実施の形態1では、調理器が炊飯器100である場合について説明する。
図1および
図2に示すように、本実施の形態1に係る炊飯器100は、内部に米などの調理物である被加熱物を保持する有底筒状の内釜30と、内釜30が取り出し自在に収容され、内釜30を誘導加熱する例えば加熱コイルである加熱手段11を有する箱体形状の本体10と、本体10に開閉自在に設けられた蓋体20と、蓋体20の内釜30側となる面、つまり下面に着脱自在に取り付けられ、蓋体20で本体10の上面を閉じた際に、内釜30の上部開口を閉塞する内蓋22と、を備えている。
【0012】
内釜30は、外周面の上側に、外側に向かって突出したフランジ31が外周に沿って設けられている。加熱手段11は、それぞれ円環状に形成され、内釜30が収容される開口の底部に配置されている。その底部の中央には、加熱手段11により誘導加熱される内釜30の底部外側の温度を検知する温度検知手段13が設けられている。温度検知手段は、例えばサーミスタなどの温度センサーである。
【0013】
蓋体20の上面の前面側には、炊飯ボタンなどの各種操作ボタンおよび液晶画面を備えた操作表示パネル21が設けられている。また、操作表示パネル21には、蓋体20を「自動開閉」するか「手動開閉」するかを選択する開閉方法選択ボタン21aが設けられている。なお、本実施の形態1では、開閉方法選択ボタン21aは操作表示パネル21に設けられているとしたが、操作表示パネル21とは別体に設けられていてもよい。
【0014】
蓋体20の内部には、各種操作ボタンからの入力に基づいて、本体10の内部の背面側に設けられた電源基板16に制御信号を出力するとともに、液晶パネルに炊飯器100の動作状態などを表示させる制御装置50が設けられている。なお、制御装置50は、その機能を実現する回路デバイスのようなハードウェアで構成することもできるし、CPU、マイコンなどの演算装置とその動作を規定するソフトウェアで構成することもできる。
【0015】
また、電源基板16は、商用電源を高周波電力に変換して加熱手段11に供給するための回路が実装されたものであり、インバーター回路を構成するスイッチング素子などの部品で構成されている。
【0016】
蓋体20の背面側には、駆動して蓋体20を開閉させる蓋体開閉手段12が設けられている。蓋体開閉手段12は、例えばステッピングモーター、サーボモーター、などである。
【0017】
本体10の前面には、蓋体20を手動で開ける際に押下される開閉ボタン14が設けられている。開閉方法選択ボタン21aにより「手動開閉」が選択されている場合、開閉ボタン14からの入力が有効となり、この開閉ボタン14が押下されることで、蓋体開閉手段12が動作して蓋体20が開閉するようになっている。つまり、開閉ボタン14を押下することで、調理器を使用する人(以下、使用者と称する)が手動で蓋体20を開閉することができる。
【0018】
また、本体10の前面かつ開閉ボタン14の下側には、基準範囲内の人または物の有無を検知する人物検知手段17が設けられている。人物検知手段17は、例えば近接センサー(人感センサー)、モーションセンサー、などである。ここで、基準範囲内とは、例えば炊飯器100から50cm以内である。開閉方法選択ボタン21aにより「自動開閉」が選択されている場合、開閉ボタン14からの入力が無効となり、人物検知手段17の検知結果に応じて、蓋体開閉手段12が動作して蓋体20が開閉するようになっている。つまり、人または物の位置に応じて自動で蓋体20を開閉することができる。
【0019】
なお、近接センサーとしては、一般的な赤外線検知による赤外線センサー、超音波により距離および角度を検知する超音波センサー、などである。
【0020】
また、本実施の形態1では、人物検知手段17の取り付け位置を本体10の前面としたが、それに限定されず、蓋体20の上面、前面、などとしてもよい。人物検知手段17が検知できる範囲、言い換えれば視野角を、近接センサーである場合は、誤検知の発生が無いように精度高く設定する必要がある。
【0021】
本体10の内部の前面側には、蓋体20の開閉を検知する蓋体開閉検知手段15が設けられている。蓋体開閉検知手段15は、例えば蓋体20の開閉に連動するように取り付けられたマイクロスイッチ、磁石とホール素子、などである。
【0022】
図3は、本発明の実施の形態1に係る調理器の機能ブロック図である。
本実施の形態1に係る制御装置50は、メイン制御部51と、駆動部52と、を備えている。メイン制御部51は、温度検知手段13、蓋体開閉検知手段15、および、人物検知手段17から入力された情報などに基づいて、蓋体20の自動開閉の判定など各種判定を行ったり、操作表示パネル21の炊飯ボタンが押下されたら、炊飯動作を開始したりするものである。駆動部52は、メイン制御部51からの指示により、加熱手段11および蓋体開閉手段12を駆動するものである。
【0023】
図4は、本発明の実施の形態1に係る調理器の制御フローを示す図である。
以下、本実施の形態1に係る炊飯器100において、「自動開閉」が選択されている際の蓋体20の開閉処理について、
図4を用いて説明する。
【0024】
まず、メイン制御部51は、蓋体開閉検知手段15から入力された情報に基づいて、蓋体20が閉じているかどうかを判定する(ステップS101)。
【0025】
ステップS101において、メイン制御部51は、蓋体20が閉じていると判定した場合(ステップS101のYES)、人物検知手段17から入力された情報に基づいて、基準範囲内に人がいるかどうかを判定する(ステップS102)。
【0026】
ステップS102において、メイン制御部51が、基準範囲内に人がいると判定した場合(ステップS102のYES)、駆動部52は、蓋体開閉手段12を駆動して、蓋体20を開ける(ステップS103)。一方、メイン制御部51が、基準範囲内に人がいないと判定した場合(ステップS102のNO)、ステップS101に戻る。
【0027】
ステップS101において、メイン制御部51は、蓋体20が開いていると判定した場合(ステップS101のNO)、人物検知手段17から入力された情報に基づいて、基準範囲内に人がいないかどうかを判定する(ステップS104)。
【0028】
ステップS104において、メイン制御部51が、基準範囲内に人がいないと判定した場合(ステップS104のYES)、駆動部52は、蓋体開閉手段12を駆動して、蓋体20を閉じる(ステップS105)。一方、メイン制御部51が、基準範囲内に人がいると判定した場合(ステップS104のNO)、ステップS101に戻る。
【0029】
以上、本実施の形態1に係る調理器は、上面が開口した本体10と、本体10の上面開口部を開閉自在に覆う蓋体20と、本体10内に着脱自在に収納される内釜30と、内釜30を加熱する加熱手段11と、内釜30の温度を検知する温度検知手段13と、蓋体20の開閉を検知する蓋体開閉検知手段15と、蓋体20を開閉する蓋体開閉手段12と、基準範囲内の人の有無を検知する人物検知手段17と、蓋体開閉検知手段15および人物検知手段17の検知結果に基づいて、蓋体20が開閉するように蓋体開閉手段12を動作させる制御装置50と、を備えたものである。
【0030】
本実施の形態1に係る調理器によれば、蓋体20の開閉を検知する蓋体開閉検知手段15および基準範囲内の人の有無を検知する人物検知手段17の検知結果に基づいて、蓋体20が開閉するように蓋体開閉手段12を動作させるため、本体10内に内釜30を収納した状態で水位調節したいような場合でも、自動的に蓋体20が閉まるようなことがない。そのため、使い勝手を向上させることができる。
【0031】
また、本実施の形態1に係る調理器の制御装置50は、蓋体開閉検知手段15により、蓋体20が閉じていることを検知し、かつ、人物検知手段17により、基準範囲内に人がいることを検知した場合、蓋体20が開くように蓋体開閉手段12を動作させるものである。また、蓋体開閉検知手段15により、蓋体20が開いていることを検知し、かつ、人物検知手段17により、基準範囲内に人がいないことを検知した場合、蓋体20が閉じるように蓋体開閉手段12を動作させるものである。
【0032】
本実施の形態1に係る調理器によれば、蓋体20の開閉の基準が調理器に対する人の位置となり、本体10内に内釜30を収納した状態で水位調節したいような場合でも、自動的に蓋体20が閉まるようなことがない。そのため、使い勝手を向上させることができる。
【0033】
なお、本実施の形態1では、人物検知手段17が本体10の前面かつ開閉ボタン14の下側の位置に設けられているとしたが、それに限定されず、蓋体20などに設けてもよい。
【0034】
実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態2について説明するが、実施の形態1と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
【0035】
図5は、本発明の実施の形態2に係る調理器の機能ブロック図である。
以下、本実施の形態2では、調理器が炊飯器100である場合について説明する。
本実施の形態2に係る制御装置50は、メイン制御部51および駆動部52の他に、タイマ部53を備えている。タイマ部53は、時間を計測し、また、その計測した時間を保持するものである。
【0036】
図6は、本発明の実施の形態2に係る調理器の制御フローを示す図である。
以下、本実施の形態2に係る炊飯器100において、「自動開閉」が選択されている際の蓋体20の開閉処理について、
図6を用いて説明する。
【0037】
まず、タイマ部53は、時間tを初期化した後、時間tの計測を開始する(ステップS201)。次に、メイン制御部51は、蓋体開閉検知手段15から入力された情報に基づいて、蓋体20が閉じているかどうかを判定する(ステップS202)。
【0038】
ステップS202において、メイン制御部51は、蓋体20が閉じていると判定した場合(ステップS202のYES)、人物検知手段17から入力された情報に基づいて、基準範囲内に人がいるかどうかを判定する(ステップS203)。
【0039】
ステップS203において、メイン制御部51は、基準範囲内に人がいると判定した場合(ステップS203のYES)、時間tが第一基準時間(例えば3秒)以上経過しているかどうかを判定する(ステップS204)。一方、メイン制御部51が、基準範囲内に人がいないと判定した場合(ステップS203のNO)、ステップS201に戻る。
【0040】
ステップS204において、メイン制御部51が、時間tが第一基準時間以上経過していると判定した場合(ステップS204のYES)、駆動部52は、蓋体開閉手段12を駆動して、蓋体20を開ける(ステップS205)。一方、メイン制御部51が、時間tが第一基準時間以上経過していないと判定した場合(ステップS204のNO)、ステップS203に戻る。
【0041】
ステップS202において、メイン制御部51は、蓋体20が開いていると判定した場合(ステップS202のNO)、人物検知手段17から入力された情報に基づいて、基準範囲内に人がいないかどうかを判定する(ステップS206)。
【0042】
ステップS206において、メイン制御部51は、基準範囲内に人がいないと判定した場合(ステップS206のYES)、時間tが第二基準時間(例えば3秒)以上経過しているかどうかを判定する(ステップS207)。一方、メイン制御部51が、基準範囲内に人がいると判定した場合(ステップS206のNO)、ステップS201に戻る。
【0043】
ステップS207において、メイン制御部51が、時間tが第二基準時間以上経過していると判定した場合(ステップS207のYES)、駆動部52は、蓋体開閉手段12を駆動して、蓋体20を閉じる(ステップS208)。一方、メイン制御部51が、時間tが第二基準時間以上経過していないと判定した場合(ステップS207のNO)、ステップS206に戻る。
【0044】
ここで、第一基準時間および第二基準時間には、メイン制御部51が、実際に基準範囲内に人がいると判定するのに十分な値を設定される。つまり、つまり、第一基準時間および第二基準時間には、実際に基準範囲内に人がいるのか、それとも人が炊飯器100の近くを横切っただけなのかを、判定するのに適した値が設定される。なお、第一基準時間と第二基準時間とは、同じ値にしてもよいし、異なる値にしてもよい。
【0045】
以上、本実施の形態2に係る調理器の制御装置50は、蓋体開閉検知手段15により、蓋体20が閉じていることを検知し、かつ、人物検知手段17により、基準範囲内に人がいることを第一基準時間以上継続して検知した場合、蓋体20が開くように蓋体開閉手段12を動作させるものである。また、蓋体開閉検知手段15により、蓋体20が開いていることを検知し、かつ、人物検知手段17により、基準範囲内に人がいないことを第二基準時間以上継続して検知した場合、蓋体20が閉じるように蓋体開閉手段12を動作させるものである。
【0046】
本実施の形態2に係る調理器によれば、人物検知手段17により、基準範囲内に人がいることを第一基準時間以上継続して検知しないと蓋体20を開かないため、人が炊飯器100の近くを横切ったような場合に、蓋体20を開いてしまうのを抑制することができる。また、人物検知手段17により、基準範囲内に人がいることを第二基準時間以上継続して検知しないと蓋体20を閉じないため、人が炊飯器100の近くから一瞬離れたような場合に、蓋体20を閉じてしまうのを抑制することができる。
【0047】
実施の形態3.
以下、本発明の実施の形態3について説明するが、実施の形態1および2と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1および2と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
【0048】
図7は、本発明の実施の形態3に係る調理器の機能ブロック図である。
以下、本実施の形態3では、調理器が炊飯器100である場合について説明する。
本実施の形態3に係る炊飯器100は、
図7に示すように報知手段18を備えている。報知手段18は、例えば液晶による表示装置、または、スピーカーによる発音装置などである。
【0049】
本実施の形態3に係る炊飯器100では、蓋体開閉手段12により自動で蓋体20が開く際に、報知手段18により現在の炊飯器100の状態が報知される。具体的には、音声で報知する場合を例にすると、「蓋体を開きます、ご注意ください。現在の設定は、”白米ふつう”の取消モードです。お米を研いで炊飯の準備をしてください。」、「蓋体を開きます、ご注意ください。現在は保温中です、速やかにご飯をよそってください。」、などが報知されることが考えられる。
【0050】
以上、本実施の形態3に係る調理器は、報知を行う報知手段18を備え、制御装置50は、蓋体20が開くように蓋体開閉手段12を動作させる際に、報知手段18により、現在の調理器の状態を報知するものである。
【0051】
本実施の形態3に係る調理器によれば、自動で蓋体20が開く際に、報知手段18により現在の調理器の状態を報知してくれるため、誤操作を抑制し、使い勝手を向上させることができる。
【0052】
なお、報知手段18により、現在の調理器の状態を報知するタイミングとしては、蓋体20が開くように蓋体開閉手段12を動作させると同時であってもよいし、蓋体20が開くように蓋体開閉手段12を動作させる前または後であってもよい。
【0053】
実施の形態4.
以下、本発明の実施の形態4について説明するが、実施の形態1〜3と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1〜3と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
【0054】
図8は、本発明の実施の形態4に係る調理器の付属品であるしゃもじ40の斜視図である。
以下、本実施の形態4では、調理器が炊飯器100である場合について説明する。
本実施の形態4に係る炊飯器100は、
図8に示すように調理用の付属品としてしゃもじ40を備えている。このしゃもじ40には、ICタグ41が設けられている。また、本実施の形態4において、人物検知手段17は、ICタグリーダーであり、しゃもじ40に設けられているICタグ41を読み取ることにより、基準範囲内の物、つまり調理用の付属品であるしゃもじ40の有無を検知する。
【0055】
本実施の形態4に係る調理器の機能ブロック図は、
図3に示すものと同じであるため、説明を省略する。
図9は、本発明の実施の形態4に係る調理器の制御フローを示す図である。
以下、本実施の形態4に係る炊飯器100において、「自動開閉」が選択されている際の蓋体20の開閉処理について、
図9を用いて説明する。
【0056】
まず、メイン制御部51は、蓋体開閉検知手段15から入力された情報に基づいて、蓋体20が閉じているかどうかを判定する(ステップ301)。
【0057】
ステップS301において、メイン制御部51は、蓋体20が閉じていると判定した場合(ステップS301のYES)、人物検知手段17から入力された情報に基づいて、基準範囲内に物であるしゃもじ40があるかどうかを判定する(ステップS302)。
【0058】
ステップS302において、メイン制御部51が、基準範囲内にしゃもじ40があると判定した場合(ステップS302のYES)、駆動部52は、蓋体開閉手段12を駆動して、蓋体20を開ける(ステップS303)。一方、メイン制御部51が、基準範囲内にしゃもじ40がないと判定した場合(ステップS302のNO)、ステップS301に戻る。
【0059】
ステップS301において、メイン制御部51は、蓋体20が開いていると判定した場合(ステップS301のNO)、人物検知手段17から入力された情報に基づいて、基準範囲内にしゃもじ40がないかどうかを判定する(ステップS304)。
【0060】
ステップS304において、メイン制御部51が、基準範囲内にしゃもじ40がないと判定した場合(ステップS304のYES)、駆動部52は、蓋体開閉手段12を駆動して、蓋体20を閉じる(ステップS305)。一方、メイン制御部51が、基準範囲内にしゃもじ40があると判定した場合(ステップS304のNO)、ステップS301に戻る。
【0061】
以上、本実施の形態4に係る調理器は、調理用の付属品を備え、付属品にはICタグ41が設けられており、人物検知手段17は、ICタグ41を読み取るICタグリーダーである。
【0062】
本実施の形態4に係る調理器によれば、基準範囲内の物(付属品)の有無を検知する人物検知手段17の検知結果に基づいて、蓋体開閉手段12を動作させて蓋体20を開閉させる。また、蓋体20の開閉の基準が調理器に対する物の位置となる。そのため、本体10内に内釜30を収納した状態で水位調節したいような場合でも、自動的に蓋体20が閉まるようなことがなく、使い勝手を向上させることができる。
【0063】
なお、実施の形態2のように、基準範囲内の物の有無を基準時間以上検知した場合に、蓋体開閉手段12を動作させて蓋体20を開閉させるようにしてもよい。そうすることで、付属品が炊飯器100の近くを横切ったような場合に、基準範囲内に付属品があると判定し、蓋体20を開けてしまうのを抑制することができる。また、付属品が炊飯器100の近くから一瞬離れたような場合に、基準範囲内に付属品がないと判定し、蓋体20を閉じてしまうのを抑制することができる。
【0064】
なお、本実施の形態4に係る炊飯器100は、調理用の付属品としてしゃもじ40を備えているとしたが、それに限定されず、おたま、計量カップなどを備え、それらにICタグ41を設けてもよい。また、しゃもじ40にはICタグ41が設けられており、人物検知手段17はICタグリーダーであるとしたが、それに限定されない。例えば、しゃもじ40にはバーコードが設けられており、人物検知手段17はバーコードリーダーであるとしてもよいし、しゃもじ40にはマグネットが設けられており、人物検知手段17は磁気センサーであるとしてもよい。
【0065】
実施の形態5.
以下、本発明の実施の形態5について説明するが、実施の形態1〜4と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1〜4と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
【0066】
以下、本実施の形態5では、調理器が炊飯器100である場合について説明する。
本実施の形態5において、人物検知手段17は、撮像素子の画像解析などによるモーションセンサーであり、モーションセンサーは画像を認識し、人の身振り、手振りなどの動き(ジェスチャー)を処理して検知する。そして、制御装置50のメイン制御部51は、モーションセンサーが、人の特定の動きを検知したと判定した場合、蓋体開閉手段12を動作させて蓋体20を開閉する。
【0067】
例えば、モーションセンサーが、人が手を上下に振ったのを検知した場合は、蓋体20を開け、人が手を左右に振ったのを検知した場合は、蓋体20を閉じる、などである。また、モーションセンサーが、人が手を上下に振ったのを検知し、かつ、人が頭を上下に振ったのを検知した場合は、蓋体20を開けるなど、動きの種類を複数組み合わせてもよい。
【0068】
以上、本実施の形態5に係る調理器は、人物検知手段17は、人の動きを検知するモーションセンサーであり、制御装置50は、蓋体開閉検知手段15により、蓋体20が閉じていることを検知し、かつ、人物検知手段17により、人が第一の特定の動きをしたことを検知した場合、蓋体20が開くように蓋体開閉手段12を動作させるものである。また、蓋体開閉検知手段15により、蓋体20が開いていることを検知し、かつ、人物検知手段17により、人が第二の特定の動きをしたことを検知した場合、蓋体20が閉じるように蓋体開閉手段12を動作させるものである。
【0069】
本実施の形態5に係る調理器によれば、人が基準範囲内にいるかどうかではなく、人の動きの違いに基づいて、蓋体20が開閉するように蓋体開閉手段12を動作させるため、誤検知を抑制することができ、蓋体20の誤開閉を抑制することができる。また、例えば使用者の両手が塞がっている場合などでも、調理器に触れずに使用者の意思で蓋体20の開閉を行うことができるため、使い勝手を向上させることができる。また、動きの種類を複数組み合わせることで、誤検知をよりいっそう抑制することができる。
【0070】
なお、人物検知手段17がモーションセンサーである場合は、人がモーションセンサーに近づいただけで誤検知が発生するという場合が無くなるので、視野角を広範囲に設定することができる。また、モーションセンサーで視野角を広くした方が使い勝手がよくなる場合は、モーションセンサーを例えば炊飯器100とは別体として天井などに設置してもよい。
【0071】
実施の形態6.
以下、本発明の実施の形態6について説明するが、実施の形態1〜5と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1〜5と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
【0072】
本実施の形態6に係る調理器の機能ブロック図は、
図3に示すものと同じであるため、説明を省略する。
図10は、本発明の実施の形態6に係る調理器の制御フローを示す図である。
以下、本実施の形態6では、調理器が炊飯器100である場合について説明する。
本実施の形態6に係る炊飯器100において、「自動開閉」が選択されている際の蓋体20の開閉処理について、
図10を用いて説明する。
【0073】
まず、メイン制御部51は、蓋体開閉検知手段15から入力された情報に基づいて、蓋体20が閉じているかどうかを判定する(ステップS401)。
【0074】
ステップS401において、メイン制御部51は、蓋体20が閉じていると判定した場合(ステップS401のYES)、人物検知手段17から入力された情報に基づいて、基準範囲内に人がいるかどうかを判定する(ステップS402)。
【0075】
ステップS402において、メイン制御部51は、基準範囲内に人がいると判定した場合(ステップS402のYES)、温度検知手段13から入力された情報に基づいて、内釜30の温度Tが第一基準温度(例えば50℃)以上であるかどうかを判定する(ステップS403)。一方、メイン制御部51が、基準範囲内に人がいないと判定した場合(ステップS402のNO)、ステップS401に戻る。
【0076】
ステップS403において、メイン制御部51が、内釜30の温度Tが第一基準温度以上であると判定した場合(ステップS403のYES)、処理を終了する。一方、メイン制御部51が、内釜30の温度Tが第一基準温度以上ではないと判定した場合(ステップS403のNO)、駆動部52は、蓋体開閉手段12を駆動して、蓋体20を開ける(ステップS404)。
【0077】
ステップS401において、メイン制御部51は、蓋体20が開いていると判定した場合(ステップS401のNO)、人物検知手段17から入力された情報に基づいて、基準範囲内に人がいないかどうかを判定する(ステップS405)。
【0078】
ステップS405において、メイン制御部51は、基準範囲内に人がいないと判定した場合(ステップS405のYES)、内釜30の温度Tが第二基準温度(例えば50℃)以上であるかどうかを判定する(ステップS406)。一方、メイン制御部51が、基準範囲内に人がいると判定した場合(ステップS405のNO)、ステップS401に戻る。
【0079】
ステップS406において、メイン制御部51が、内釜30の温度Tが第二基準温度以上であると判定した場合(ステップS406のYES)、処理を終了する。一方、メイン制御部51が、内釜30の温度Tが第二基準温度以上ではないと判定した場合(ステップS406のNO)、駆動部52は、蓋体開閉手段12を駆動して、蓋体20を閉じる(ステップS407)。
【0080】
ここで、第一基準温度および第二基準温度には、蓋体20を開けることにより、使用者が火傷したり、吹き零れが発生したりする恐れがある値が設定される。なお、第一基準時間と第二基準時間とは、同じ値にしてもよいし、異なる値にしてもよい。
【0081】
以上、本実施の形態6に係る調理器の制御装置50は、温度検知手段13により、内釜30の温度が基準温度以上であることを検知した場合、蓋体開閉検知手段15および人物検知手段17の検知結果に関わらず、蓋体開閉手段12を動作させないものである。
【0082】
本実施の形態6に係る調理器によれば、内釜30の温度が高いような場合には、蓋体20の開閉を行わないようにすることができるので、使用者が調理器を使用中に火傷したり、吹き零れが発生したりするのを抑制することができる。
【0083】
実施の形態7.
以下、本発明の実施の形態7について説明するが、実施の形態1〜6と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1〜6と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
【0084】
以下、本実施の形態7では、調理器が炊飯器100である場合について説明する。
本実施の形態7に係る炊飯器100の制御装置50は、炊飯を実行するモードである炊飯モード、炊飯を実行して被加熱物が炊きあがった後、内釜30内の被加熱物を加熱手段11によって保温するモードである保温モード、炊飯の予約設定が行われた後、予約設定された炊飯の実行を待機しているモードである予約待機モード、および、何も動作しておらず商用電源が接続されているだけのモードである取消モードを有している。
【0085】
そして、炊飯器100は、電源が入っている状態では、炊飯モード、保温モード、予約待機モード、取消モードの内、いずれかのモードに属している。また、上記の各モードの内、炊飯モードおよび保温モードは、加熱手段11が駆動され、内釜30の温度が高くなる可能性のあるモードであり、予約待機モードおよび取消モードでは、加熱手段11が駆動されないため、内釜30の温度が高くなる可能性のないモードである。
【0086】
本実施の形態7に係る調理器の機能ブロック図は、
図3に示すものと同じであるため、説明を省略する。
図11は、本発明の実施の形態7に係る調理器の制御フローを示す図である。
以下、本実施の形態7に係る炊飯器100において、「自動開閉」が選択されている際の蓋体20の開閉処理について、
図11を用いて説明する。
まず、メイン制御部51は、蓋体開閉検知手段15から入力された情報に基づいて、蓋体20が閉じているかどうかを判定する(ステップS501)。
【0087】
ステップS501において、メイン制御部51は、蓋体20が閉じていると判定した場合(ステップS501のYES)、人物検知手段17から入力された情報に基づいて、基準範囲内に人がいるかどうかを判定する(ステップS502)。
【0088】
ステップS502において、メイン制御部51は、基準範囲内に人がいると判定した場合(ステップS502のYES)、現在のモードが取消モードまたは予約待機モードであるかどうかを判定する(ステップS503)。一方、メイン制御部51が、基準範囲内に人がいないと判定した場合(ステップS502のNO)、ステップS501に戻る。
【0089】
ステップS503において、メイン制御部51が、現在のモードが取消モードまたは予約待機モードであると判定した場合(ステップS503のYES)、駆動部52は、蓋体開閉手段12を駆動して、蓋体20を開ける(ステップS504)。一方、メイン制御部51が、現在のモードが取消モードまたは予約待機モードではないと判定した場合(ステップS503のNO)、処理を終了する。
【0090】
ステップS501において、メイン制御部51は、蓋体20が開いていると判定した場合(ステップS501のNO)、人物検知手段17から入力された情報に基づいて、基準範囲内に人がいないかどうかを判定する(ステップS505)。
【0091】
ステップS505において、メイン制御部51は、基準範囲内に人がいないと判定した場合(ステップS505のYES)、現在のモードが取消モードまたは予約待機モードであるかどうかを判定する(ステップS506)。一方、メイン制御部51が、基準範囲内に人がいると判定した場合(ステップS505のNO)、ステップS501に戻る。
【0092】
ステップS506において、メイン制御部51が、現在のモードが取消モードまたは予約待機モードであると判定した場合(ステップS506のYES)、駆動部52は、蓋体開閉手段12を駆動して、蓋体20を閉じる(ステップS507)。一方、メイン制御部51が、現在のモードが取消モードまたは予約待機モードではないと判定した場合(ステップS506のNO)、処理を終了する。
【0093】
以上、本実施の形態7に係る調理器の制御装置50は、加熱手段11を駆動するモードと、加熱手段11を駆動しないモードとを有し、現在のモードが加熱手段11を駆動するモードである場合、蓋体開閉検知手段15および人物検知手段17の検知結果に関わらず、蓋体開閉手段12を動作させないものである。
【0094】
本実施の形態7に係る調理器によれば、加熱手段11を駆動して内釜30の温度が高くなる可能性があるモードの時には、蓋体20の開閉を行わないようにするので、使用者が調理器を使用中に火傷したり、吹き零れが発生したりするのを抑制することができる。
【0095】
実施の形態8.
以下、本発明の実施の形態8について説明するが、実施の形態1〜7と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1〜7と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
【0096】
図12は、本発明の実施の形態8に係る調理器の動作を示す調理工程図である。
以下、本実施の形態8では、調理器が炊飯器100である場合について説明する。
本実施の形態8に係る炊飯器100の炊飯動作について、
図12を用いて説明する。
米および水が入った内釜30が本体10にセットされた状態で、操作表示パネル21の炊飯ボタンが押下されると、メイン制御部51は炊飯動作を開始する。
【0097】
炊飯動作が開始されたら、メイン制御部51は、設定された炊飯条件に応じた制御パターンで加熱手段11などを制御する。炊飯動作は、
図12に示すように、予熱工程、炊飯工程、および、むらし工程で構成されている。予熱工程は、米に吸水させるための工程であり、炊飯工程は、被炊飯物である水を沸騰させ、その沸騰状態を維持して米への吸水と余分な水の蒸発を同時に行い、米の澱粉を糊化させながら内釜30内の水を無くしていく工程であり、むらし工程は、炊きあがったご飯を蒸らして内釜30内の状態を均一に仕上げる工程である。
【0098】
予熱工程は、米が糊化する温度よりも低温の水に米を浸して予め米に吸水させることで、以降の工程、特に炊飯工程において、米の中心部まで十分に糊化できるようにする工程である。また、予熱工程は、米に含まれる酵素により澱粉を分解して糖を生成させ、ご飯の甘みを生み出す工程でもある。予熱工程では、内釜30内部の温度が所定の温度(通常50〜60℃)の状態で、所定時間(通常約15分間)維持される。
【0099】
予熱工程が終了すると、炊飯工程に移行する。炊飯工程では、内釜30の底部外側の温度を検知する温度検知手段13が所定の温度になってから、内釜30内部の温度を検知する内部温度センサー(図示せず)が所定の温度になるまでの時間差を計測することによって、被炊飯物の量、すなわち炊飯量を判定している。
【0100】
内部温度センサーが所定の温度に達したら、米の澱粉を糊化させて糊化度を50〜60%程度まで引き上げる。
【0101】
ここで「糊化」とは、米中の澱粉が水を吸収し、さらに熱が加わることで膨潤、軟化した状態をいう。炊飯工程では、内釜30内に水がある間は、内釜30内の水が沸騰状態を維持するように、駆動部52が加熱手段11を駆動し、被炊飯物の量、つまり炊飯量に応じた火力で加熱動作を行う。
【0102】
この加熱動作により米への吸水と余分な水の蒸発とを同時に行い、米の澱粉を糊化させながら内釜30内の水が無くなると、内釜30の温度が上昇し温度検知手段13の温度が所定の温度(水の沸点以上、通常130℃前後)に到達するまで加熱を行う。
【0103】
なお、沸騰状態を維持する時間は、被炊飯物の量、つまり炊飯量によって変わり、炊飯量が多い場合は沸騰状態を維持する時間が長くなってしまい、炊飯動作全体の時間も長くなってしまう。
【0104】
炊飯工程が終了すると、むらし工程に移行する。むらし工程は、米の澱粉の糊化をさらに促進して糊化度を100%近くまで引き上げる工程である。むらし工程では内釜30底のごはんが焦げたり乾燥したりするのを避けつつ、ごはんの温度が低下するのを防ぎ、糊化を促進させて内釜30内のごはんの状態を均一化するため、休止と加熱を交互に複数回繰り返す。
【0105】
本実施の形態8に係る調理器の機能ブロック図は、
図3に示すものと同じであるため、説明を省略する。
図13は、本発明の実施の形態8に係る調理器の制御フローを示す図である。
以下、本実施の形態8に係る炊飯器100において、「自動開閉」が選択されている際の蓋体20の開閉処理について、
図13を用いて説明する。
【0106】
まず、メイン制御部51は、蓋体開閉検知手段15から入力された情報に基づいて、蓋体20が閉じているかどうかを判定する(ステップS601)。
【0107】
ステップS601において、メイン制御部51は、蓋体20が閉じていると判定した場合(ステップS601のYES)、人物検知手段17から入力された情報に基づいて、基準範囲内に人がいるかどうかを判定する(ステップS602)。
【0108】
ステップS602において、メイン制御部51は、基準範囲内に人がいると判定した場合(ステップS602のYES)、現在が特定の工程(例えば予熱工程中)を実行中であるかどうかを判定する(ステップS603)。一方、メイン制御部51が、基準範囲内に人がいないと判定した場合(ステップS602のNO)、ステップS601に戻る。
【0109】
ステップS603において、メイン制御部51が、現在が特定の工程(例えば予熱工程中)を実行中であると判定した場合(ステップS603のYES)、駆動部52は、蓋体開閉手段12を駆動して、蓋体20を開ける(ステップS604)。一方、メイン制御部51が、現在が特定の工程を実行中ではないと判定した場合(ステップS603のNO)、処理を終了する。
【0110】
ステップS601において、メイン制御部51は、蓋体20が開いていると判定した場合(ステップS601のNO)、人物検知手段17から入力された情報に基づいて、基準範囲内に人がいないかどうかを判定する(ステップS605)。
【0111】
ステップS605において、メイン制御部51は、基準範囲内に人がいないと判定した場合(ステップS605のYES)、現在が特定の工程(例えば予熱工程中)を実行中であるかどうかを判定する(ステップS606)。一方、メイン制御部51が、基準範囲内に人がいると判定した場合(ステップS605のNO)、ステップS601に戻る。
【0112】
ステップS606において、メイン制御部51が、現在が特定の工程を実行中であると判定した場合(ステップS606のYES)、駆動部52は、蓋体開閉手段12を駆動して、蓋体20を閉じる(ステップS607)。一方、メイン制御部51が、現在が特定の工程を実行中ではないと判定した場合(ステップS606のNO)、処理を終了する。
【0113】
以上、本実施の形態8に係る調理器の制御装置50は、調理を行う際に実行される複数の工程を有し、特定の工程実行中の場合、蓋体開閉検知手段15および人物検知手段17の検知結果に基づいて、蓋体20が開閉するように蓋体開閉手段12を動作させ、特定の工程以外の工程実行中の場合、蓋体開閉検知手段15および人物検知手段17の検知結果に関わらず、蓋体開閉手段12を動作させないものである。
【0114】
本実施の形態8に係る調理器によれば、特定の工程を実行中の場合のみ、蓋体開閉手段12を動作させるため、例えば具材の投入が必要な予熱工程を実行中のみ蓋体20の開閉を行うようにすることができ、具材で手が塞がっているような場合でも具材投入をスムーズに行うことができる。また、その他の工程では蓋体20の開閉を行わないようにするため、例えば内釜30内の米および水が沸騰状態となる炊飯工程を実行中に蓋体20の開閉を行わないようにすることができ、蓋体20が開いて使用者が火傷したり、吹き零れが発生したりするのを抑制することができる。
【0115】
実施の形態9.
以下、本発明の実施の形態9について説明するが、実施の形態1〜8と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1〜8と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
【0116】
本実施の形態9に係る調理器の機能ブロック図は、
図3に示すものと同じであるため、説明を省略する。
図14は、本発明の実施の形態9に係る調理器の制御フローを示す図である。
以下、本実施の形態9では、調理器が炊飯器100である場合について説明する。
本実施の形態9に係る炊飯器100において、「自動開閉」が選択されている際の蓋体20の開閉処理について、
図14を用いて説明する。
【0117】
まず、メイン制御部51は、蓋体開閉検知手段15から入力された情報に基づいて、蓋体20が閉じているかどうかを判定する(ステップS701)。
【0118】
ステップS701において、メイン制御部51は、蓋体20が閉じていると判定した場合(ステップS701のYES)、人物検知手段17から入力された情報に基づいて、基準範囲内に人がいるかどうかを判定する(ステップS702)。
【0119】
ステップS702において、メイン制御部51は、基準範囲内に人がいると判定した場合(ステップS702のYES)、現在が特定の工程(例えば炊飯工程中)を実行中であるかどうかを判定する(ステップS703)。一方、メイン制御部51が、基準範囲内に人がいないと判定した場合(ステップS702のNO)、ステップS701に戻る。
【0120】
ステップS703において、メイン制御部51が、現在が特定の工程を実行中であると判定した場合(ステップS703のYES)、処理を終了する。一方、メイン制御部51が、現在が特定の工程を実行中ではないと判定した場合(ステップS703のNO)、駆動部52は、蓋体開閉手段12を駆動して、蓋体20を開ける(ステップS704)。
【0121】
ステップS701において、メイン制御部51は、蓋体20が開いていると判定した場合(ステップS701のNO)、人物検知手段17から入力された情報に基づいて、基準範囲内に人がいないかどうかを判定する(ステップS705)。
【0122】
ステップS705において、メイン制御部51は、基準範囲内に人がいないと判定した場合(ステップS705のYES)、現在が特定の工程(例えば炊飯工程中)を実行中であるかどうかを判定する(ステップS706)。一方、メイン制御部51が、基準範囲内に人がいると判定した場合(ステップS705のNO)、ステップS701に戻る。
【0123】
ステップS706において、メイン制御部51が、現在が特定の工程を実行中であると判定した場合(ステップS706のYES)、処理を終了する。一方、メイン制御部51が、現在が特定の工程を実行中ではないと判定した場合(ステップS706のNO)、駆動部52は、蓋体開閉手段12を駆動して、蓋体20を閉じる(ステップS707)。
【0124】
以上、本実施の形態9に係る調理器の制御装置50は、調理を行う際に実行される複数の工程を有し、特定の工程実行中の場合、蓋体開閉検知手段15および人物検知手段17の検知結果に関わらず、蓋体開閉手段12を動作させず、特定の工程以外の工程実行中の場合、蓋体開閉検知手段15および人物検知手段17の検知結果に基づいて、蓋体20が開閉するように蓋体開閉手段12を動作させるものである。
【0125】
本実施の形態9に係る調理器によれば、特定の工程を実行中の場合、蓋体開閉手段12を動作させないようにするため、例えば内釜30内の米および水が沸騰状態となる炊飯工程を実行中に蓋体20の開閉を行わないようにすることができ、蓋体20が開いて使用者が火傷したり、吹き零れが発生したりするのを抑制することができる。また、その他の工程では蓋体20の開閉を行うようにするため、例えば具材の投入が必要な予熱工程を実行中に蓋体20の開閉を行うことができ、具材で手が塞がっているような場合でも具材投入をスムーズに行うことができる。
【0126】
図15は、本発明の実施の形態9に係る調理器の動作を示す調理工程図である。
なお、本実施の形態9では、特定の工程の全期間中で蓋体20が開かないようになっているが、特定の工程を実行中かつ特定の期間中のみ、例えば
図15に示すように、内部温度センサーにより内釜30内の水が沸騰状態であることを検知したららそれ以降の間、つまり、炊飯工程の沸騰期間中のみ、蓋体20が開かないようにしてもよい。
【0127】
以上、本実施の形態9に係る調理器の制御装置50は、特定の工程実行中かつ特定の期間中の場合、蓋体開閉検知手段15および人物検知手段17の検知結果に関わらず、蓋体開閉手段12を動作させず、特定の工程実行中かつ特定の期間中以外の場合、蓋体開閉検知手段15および人物検知手段17の検知結果に基づいて、蓋体20が開閉するように蓋体開閉手段12を動作させるものである。
【0128】
本実施の形態9に係る調理器によれば、特定の工程を実行中かつ特定の期間中のみ蓋体開閉手段12を動作させないため、例えば炊飯工程の沸騰状態の時のみ蓋体20の開閉を行わないようにすることができ、蓋体20が開いて使用者が火傷したり、吹き零れが発生したりするのを抑制することができる。また、それ以外の期間中は蓋体開閉手段12を動作させるため、蓋体20の開閉を行わない期間を減らすことができ、使い勝手を向上させることができる。
【0129】
実施の形態10.
以下、本発明の実施の形態10について説明するが、実施の形態1〜9と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1〜9と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
【0130】
本実施の形態10に係る調理器の機能ブロック図は、
図7に示すものと同じであるため、説明を省略する。
図16は、本発明の実施の形態10に係る調理器の制御フローを示す図である。
以下、本実施の形態10では、調理器が炊飯器100である場合について説明する。
本実施の形態10に係る炊飯器100において、「自動開閉」が選択されている際の蓋体20の開閉処理について、
図16を用いて説明する。
【0131】
まず、メイン制御部51は、蓋体開閉検知手段15から入力された情報に基づいて、蓋体20が閉じているかどうかを判定する(ステップS801)。
【0132】
ステップS801において、メイン制御部51は、蓋体20が閉じていると判定した場合(ステップS801のYES)、人物検知手段17から入力された情報に基づいて、基準範囲内に人がいるかどうかを判定する(ステップS802)。
【0133】
ステップS802において、メイン制御部51は、基準範囲内に人がいると判定した場合(ステップS802のYES)、現在が特定の工程(例えば予熱工程中)を実行中であるかどうかを判定する(ステップS803)。一方、メイン制御部51が、基準範囲内に人がいないと判定した場合(ステップS802のNO)、ステップS801に戻る。
【0134】
ステップS803において、メイン制御部51が、現在が特定の工程を実行中であると判定した場合(ステップS803のYES)、駆動部52は、報知手段18により、調理手順に関する報知、例えば「具材を入れてください」と報知した後(ステップS804)、蓋体開閉手段12を駆動して、蓋体20を開ける(ステップS805)。一方、メイン制御部51が、現在が特定の工程を実行中ではないと判定した場合(ステップS803のNO)、処理を終了する。
【0135】
ステップS801において、メイン制御部51は、蓋体20が開いていると判定した場合(ステップS801のNO)、人物検知手段17から入力された情報に基づいて、基準範囲内に人がいないかどうかを判定する(ステップS806)。
【0136】
ステップS806において、メイン制御部51は、基準範囲内に人がいないと判定した場合(ステップS806のYES)、現在が特定の工程(例えば予熱工程中)を実行中であるかどうかを判定する(ステップS807)。一方、メイン制御部51が、基準範囲内に人がいると判定した場合(ステップS806のNO)、ステップS801に戻る。
【0137】
ステップS807において、メイン制御部51が、現在が特定の工程を実行中であると判定した場合(ステップS807のYES)、駆動部52は、蓋体開閉手段12を駆動して、蓋体20を閉じる(ステップS808)。一方、メイン制御部51が、現在が特定の工程を実行中ではないと判定した場合(ステップS807のNO)、処理を終了する。
【0138】
以上、本実施の形態10に係る調理器は、報知を行う報知手段18を備え、制御装置50は、蓋体20が開くように蓋体開閉手段12を動作させる際に、報知手段18により、調理手順に関する報知を行うものである。
【0139】
本実施の形態10に係る調理器によれば、自動で蓋体20を開ける際に、報知手段18により調理手順に関する報知を行うため、例えば具材投入のタイミングを報知することができ、使い勝手を向上させることができる。
【0140】
なお、報知手段18により、調理手順に関する報知を行うタイミングとしては、蓋体20が開くように蓋体開閉手段12を動作させると同時であってもよいし、蓋体20が開くように蓋体開閉手段12を動作させる前または後であってもよい。
【0141】
実施の形態11.
以下、本発明の実施の形態11について説明するが、実施の形態1〜10と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1〜10と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
【0142】
本実施の形態11に係る調理器の機能ブロック図は、
図7に示すものと同じであるため、説明を省略する。
図17は、本発明の実施の形態11に係る調理器の制御フローを示す図である。
以下、本実施の形態11では、調理器が炊飯器100である場合について説明する。
本実施の形態11に係る炊飯器100において、「自動開閉」が選択されている際の蓋体20の開閉処理について、
図17を用いて説明する。
【0143】
まず、メイン制御部51は、蓋体開閉検知手段15から入力された情報に基づいて、蓋体20が閉じているかどうかを判定する(ステップS901)。
【0144】
ステップS901において、メイン制御部51は、蓋体20が閉じていると判定した場合(ステップS901のYES)、人物検知手段17から入力された情報に基づいて、基準範囲内に人がいるかどうかを判定する(ステップS902)。
【0145】
ステップS902において、メイン制御部51が、基準範囲内に人がいると判定した場合(ステップS902のYES)、駆動部52は、報知手段18により「蓋体を開きますか?」と報知するとともに、タイマ部53は、時間tを初期化した後、時間tの計測を開始し(ステップS903)、ステップS904に進む。一方、メイン制御部51が、基準範囲内に人がいないと判定した場合(ステップS902のNO)、ステップS901に戻る。
【0146】
ステップS904〜S906において、メイン制御部51が、タイムアウトとなる時間が経過するより前に操作表示パネル21から「はい」などの蓋体20を開く指示が入力されたことを判定した場合(ステップS906のYES)、駆動部52は、蓋体開閉手段12を駆動して、蓋体20を開ける(ステップS907)。一方、メイン制御部51が、タイムアウトとなる時間が経過するより前に操作表示パネル21から「いいえ」などの蓋体20を開かない指示が入力されたことを判定した場合(ステップS906のNO)、または、タイムアウトとなる時間(例えば10秒)以上経過したことを判定した場合(ステップS904のYES)、処理を終了する。
【0147】
ステップS901において、メイン制御部51は、蓋体20が開いていると判定した場合(ステップS901のNO)、人物検知手段17から入力された情報に基づいて、基準範囲内に人がいないかどうかを判定する(ステップS908)。
【0148】
ステップS908において、メイン制御部51が、基準範囲内に人がいないと判定した場合(ステップS908のYES)、駆動部52は、報知手段18により「蓋体を閉じますか?」と報知するとともに、タイマ部53は、時間tを初期化した後、時間tの計測を開始し(ステップS909)、ステップS910に進む。一方、メイン制御部51が、基準範囲内に人がいないと判定した場合(ステップS908のNO)、ステップS901に戻る。
【0149】
ステップS910〜S912において、メイン制御部51が、タイムアウトとなる時間が経過するより前に操作表示パネル21から「はい」などの蓋体20を閉じる指示が入力されたことを判定した場合(ステップS912のYES)、駆動部52は、蓋体開閉手段12を駆動して、蓋体20を閉じる(ステップS913)。一方、メイン制御部51が、タイムアウトとなる時間が経過するより前に操作表示パネル21から「いいえ」などの蓋体20を閉じない指示が入力されたことを判定した場合(ステップS912のNO)、または、時間tがタイムアウトとなる時間以上経過したことを判定した場合(ステップS910のYES)、処理を終了する。
【0150】
以上、本実施の形態11に係る調理器は、報知を行う報知手段18と、操作入力が行われる操作表示パネル21と、を備え、制御装置50は、蓋体開閉検知手段15により、蓋体20が閉じていることを検知し、かつ、人物検知手段17により、基準範囲内に人がいることを検知した場合、報知手段18により、自動で蓋体20を開くかどうかを使用者に確認する報知を行った後、操作表示パネル21により、自動で蓋体20を開く指示が入力されたら、蓋体20が開くように蓋体開閉手段12を動作させるものである。また、制御装置50は、蓋体開閉検知手段15により、蓋体20が開いていることを検知し、かつ、人物検知手段17により、基準範囲内に人または物がないことを検知した場合、報知手段18により、自動で蓋体20を閉じるかどうかを使用者に確認する報知を行った後、操作表示パネル21により、自動で蓋体20を閉じる指示が入力されたら、蓋体20が閉じるように蓋体開閉手段12を動作させるものである。
【0151】
本実施の形態11に係る調理器によれば、自動で蓋体20を開閉させる際に、蓋体20の開閉を使用者に確認してから蓋体20を開閉させるため、蓋体20の不必要な開閉動作を抑制することができ、また、使用者の知らない間に蓋体20が開閉してしまうことを抑制することができる。
【0152】
なお、本実施の形態11に係る調理器では、自動で蓋体20を開くかどうか、および、自動で蓋体20を閉じるかどうかの指示入力が、操作入力が行われる操作表示パネル21により行われる構成としたが、それに限定されない。例えば、上記の指示入力が、音声マイクと音声認識とにより構成され、「はい」、「いいえ」という使用者の声を判断する指示入力部により行われる構成としてもよい。この様に構成することで、使用者は、手がふさがった状態であっても指示入力を行うことができる。
【0153】
実施の形態12.
以下、本発明の実施の形態12について説明するが、実施の形態1〜11と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1〜11と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
【0154】
本実施の形態12に係る調理器の機能ブロック図は、
図7に示すものと同じであるため、説明を省略する。
図18は、本発明の実施の形態12に係る調理器の制御フローを示す図である。
以下、本実施の形態12では、調理器が炊飯器100である場合について説明する。
本実施の形態12に係る炊飯器100において、「自動開閉」が選択されている際の蓋体20の開閉処理について、
図18を用いて説明する。
【0155】
まず、メイン制御部51は、蓋体開閉検知手段15から入力された情報に基づいて、蓋体20が閉じているかどうかを判定する(ステップS1001)。
【0156】
ステップS1001において、メイン制御部51は、蓋体20が閉じていると判定した場合(ステップS1001のYES)、人物検知手段17から入力された情報に基づいて、基準範囲内に人がいるかどうかを判定する(ステップS1002)。
【0157】
ステップS1002において、メイン制御部51は、基準範囲内に人がいると判定した場合(ステップS1002のYES)、温度検知手段13から入力された情報に基づいて、内釜30の温度Tが第一基準温度(例えば50℃)以上であるかどうかを判定する(ステップS1003)。一方、メイン制御部51が、基準範囲内に人がいないと判定した場合(ステップS1002のNO)、ステップS1001に戻る。
【0158】
ステップS1003において、メイン制御部51が、内釜30の温度Tが第一基準温度以上ではないと判定した場合(ステップS1003のNO)、駆動部52は、蓋体開閉手段12を駆動して、蓋体20を開ける(ステップS1004)。一方、メイン制御部51が、内釜30の温度Tが第一基準温度以上であると判定した場合(ステップS1003のYES)、駆動部52は、報知手段18により「手動で蓋体を開きますか?」と報知するとともに、タイマ部53は、時間tを初期化した後、時間tの計測を開始し(ステップS1005)、ステップS1006に進む。
【0159】
ステップS1006〜S1008において、メイン制御部51は、タイムアウトとなる時間が経過するより前に操作表示パネル21から「はい」などの蓋体20を開く指示が入力されたことを判定した場合(ステップS1008のYES)、開閉ボタン14からの入力を有効にする。この後、使用者により開閉ボタン14が押下されることで、蓋体開閉手段12が動作して蓋体20が開く。一方、メイン制御部51が、タイムアウトとなる時間が経過するより前に操作表示パネル21から「いいえ」などの蓋体20を開かない指示が入力されたことを判定した場合(ステップS1008のNO)、または、タイムアウトとなる時間(例えば10秒)以上経過したことを判定した場合(ステップS1006のYES)、処理を終了する。
【0160】
ステップS1001において、メイン制御部51は、蓋体20が開いていると判定した場合(ステップS1001のNO)、人物検知手段17から入力された情報に基づいて、基準範囲内に人がいないかどうかを判定する(ステップS1010)。
【0161】
ステップS1010において、メイン制御部51は、基準範囲内に人がいないと判定した場合(ステップS1010のYES)、内釜30の温度Tが第二基準温度(例えば50℃)以上であるかどうかを判定する(ステップS1011)。一方、メイン制御部51が、基準範囲内に人がいると判定した場合(ステップS1010のNO)、ステップS1001に戻る。
【0162】
ステップS1011において、メイン制御部51が、内釜30の温度Tが第二基準温度以上ではないと判定した場合(ステップS1011のNO)、駆動部52は、蓋体開閉手段12を駆動して、蓋体20を閉じる(ステップS1012)。一方、メイン制御部51が、内釜30の温度Tが第二基準温度以上であると判定した場合(ステップS1011のYES)、駆動部52は、報知手段18により「手動で蓋体を閉じますか?」と報知するとともに、タイマ部53は、時間tを初期化した後、時間tの計測を開始し(ステップS1013)、ステップS1014に進む。
【0163】
ステップS1014〜S1016において、メイン制御部51は、タイムアウトとなる時間が経過するより前に操作表示パネル21から「はい」などの蓋体20を閉じる指示が入力されたことを判定した場合(ステップS1016のYES)、開閉ボタン14からの入力を有効にする(ステップS1017)。この後、使用者により開閉ボタン14が押下されることで、蓋体開閉手段12が動作して蓋体20が閉じる。一方、メイン制御部51が、タイムアウトとなる時間が経過するより前に操作表示パネル21から「いいえ」などの蓋体20を閉じない指示が入力されたことを判定した場合(ステップS1016のNO)、または、タイムアウトとなる時間以上経過したことを判定した場合(ステップS1014のYES)、処理を終了する。
【0164】
ここで、第一基準温度および第二基準温度には、蓋体20を開けることにより、使用者が火傷したり、吹き零れが発生したりする恐れがある値が設定される。なお、第一基準温度と第二基準温度とは、同じ値にしてもよいし、異なる値にしてもよい。
【0165】
以上、本実施の形態12に係る調理器は、報知を行う報知手段18と、操作入力が行われる操作表示パネル21と、使用者から蓋体20の開閉指示を受け付ける開閉ボタン14と、開閉ボタン14からの入力を無効にするか有効にするかの選択が行われる開閉方法選択ボタン21aと、を備え、開閉方法選択ボタン21aにより開閉ボタン14からの入力を無効にする選択が行われている場合において、制御装置50は、蓋体開閉検知手段15により、蓋体20が閉じていることを検知し、かつ、人物検知手段17により、基準範囲内に人または物があることを検知し、かつ、温度検知手段13により、内釜30の温度が基準温度以上であることを検知した場合、報知手段18により、手動で蓋体20を開くかどうかを使用者に確認する報知を行った後、操作表示パネル21により、手動で蓋体20を開く指示が入力されたら、開閉ボタン14からの入力を有効にするものである。
【0166】
本実施の形態12に係る調理器によれば、内釜30の温度が高く、自動で蓋体20の開閉が行われないような場合でも、使用者が希望する場合には、手動による蓋体20の開閉を行うことができる。そのため、内釜30の温度が高くても、使用者が安全であると判断した場合、手動で蓋体20の開閉を行うことができるため、使い勝手を向上させることができる。
【0167】
なお、本実施の形態12に係る調理器では、手動で蓋体20を開くかどうか、および、手動で蓋体20を閉じるかどうかの指示入力が、操作入力が行われる操作表示パネル21と、開閉ボタン14からの入力を無効にするか有効にするかの選択が行われる開閉方法選択ボタン21aとにより行われる構成としたが、それに限定されない。例えば、上記の指示入力が、音声マイクと音声認識とにより構成され、「はい」、「いいえ」という使用者の声を判断する指示入力部により行われる構成としてもよい。この様に構成することで、使用者は、手がふさがった状態であっても指示入力を行うことができる。
【0168】
実施の形態13.
以下、本発明の実施の形態13について説明するが、実施の形態1〜12と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1〜12と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
【0169】
本実施の形態13に係る調理器の機能ブロック図は、
図7に示すものと同じであるため、説明を省略する。
図19は、本発明の実施の形態13に係る調理器の制御フローを示す図である。
以下、本実施の形態13では、調理器が炊飯器100である場合について説明する。
本実施の形態13に係る炊飯器100において、「自動開閉」が選択されている際の蓋体20の開閉処理について、
図19を用いて説明する。
【0170】
まず、メイン制御部51は、蓋体開閉検知手段15から入力された情報に基づいて、蓋体20が閉じているかどうかを判定する(ステップS1101)。
【0171】
ステップS1101において、メイン制御部51は、蓋体20が閉じていると判定した場合(ステップS1101のYES)、人物検知手段17から入力された情報に基づいて、基準範囲内に人がいるかどうかを判定する(ステップS1102)。
【0172】
ステップS1102において、メイン制御部51は、基準範囲内に人がいると判定した場合(ステップS1102のYES)、温度検知手段13から入力された情報に基づいて、内釜30の温度Tが第一基準温度(例えば50℃)以上であるかどうかを判定する(ステップS1103)。一方、メイン制御部51が、基準範囲内に人がいないと判定した場合(ステップS1102のNO)、ステップS1101に戻る。
【0173】
ステップS1103において、メイン制御部51が、内釜30の温度Tが第一基準温度以上ではないと判定した場合(ステップS1103のNO)、駆動部52は、蓋体開閉手段12を駆動して、蓋体20を開ける(ステップS1104)。一方、メイン制御部51が、内釜30の温度Tが第一基準温度以上であると判定した場合(ステップS1103のYES)、駆動部52は、報知手段18により「蓋体開の禁止を許可しますか?」と報知するとともに、タイマ部53は、時間tを初期化した後、時間tの計測を開始し(ステップS1105)、ステップS1106に進む。
【0174】
ステップS1106〜S1108において、メイン制御部51が、タイムアウトとなる時間が経過するより前に操作表示パネル21から「いいえ」などの蓋体20を開くのを禁止しない指示が入力されたことを判定した場合(ステップS1108のYES)、駆動部52は、蓋体開閉手段12を駆動して、蓋体20を開ける(ステップS1104)。一方、メイン制御部51が、タイムアウトとなる時間が経過するより前に操作表示パネル21から「はい」などの蓋体20を開くのを禁止する指示が入力されたことを判定した場合(ステップS1108のNO)、または、タイムアウトとなる時間以上経過したことを判定した場合(ステップS1106のYES)、処理を終了する。
【0175】
ステップS1101において、メイン制御部51は、蓋体20が開いていると判定した場合(ステップS1101のNO)、人物検知手段17から入力された情報に基づいて、基準範囲内に人がいないかどうかを判定する(ステップS1109)。
【0176】
ステップS1109において、メイン制御部51は、基準範囲内に人がいないと判定した場合(ステップS1109のYES)、内釜30の温度Tが第二基準温度(例えば50℃)以上であるかどうかを判定する(ステップS1110)。一方、メイン制御部51が、基準範囲内に人がいると判定した場合(ステップS1109のNO)、ステップS1101に戻る。
【0177】
ステップS1110において、メイン制御部51が、内釜30の温度Tが第二基準温度以上ではないと判定した場合(ステップS1110のNO)、駆動部52は、蓋体開閉手段12を駆動して、蓋体20を閉じる(ステップS1111)。一方、メイン制御部51が、内釜30の温度Tが第二基準温度以上であると判定した場合(ステップS1110のYES)、報知手段18により「蓋体閉の禁止を許可しますか?」と報知するとともに、タイマ部53は、時間tを初期化した後、時間tの計測を開始し(ステップS1112)、ステップS1113に進む。
【0178】
ステップS1113〜S1115において、メイン制御部51が、タイムアウトとなる時間が経過するより前に操作表示パネル21から「いいえ」などの蓋体20を閉じるのを禁止しない指示が入力されたことを判定した場合(ステップS1115のYES)、駆動部52は、蓋体開閉手段12を駆動して、蓋体20を閉じる(ステップS1111)。一方、メイン制御部51が、タイムアウトとなる時間が経過するより前に操作表示パネル21から「はい」などの蓋体20を閉じるのを禁止する指示が入力されたことを判定した場合(ステップS1115のNO)、または、タイムアウトとなる時間以上経過したことを判定した場合(ステップS1113のYES)、処理を終了する。
【0179】
ここで、第一基準温度および第二基準温度には、蓋体20を開けることにより、使用者が火傷したり、吹き零れが発生したりする恐れがある値が設定される。なお、第一基準温度と第二基準温度とは、同じ値にしてもよいし、異なる値にしてもよい。
【0180】
以上、本実施の形態13に係る調理器は、報知を行う報知手段18と、操作入力が行われる操作表示パネル21と、を備え、制御装置50は、蓋体開閉検知手段15により、蓋体20が開いていることを検知し、かつ、人物検知手段17により、基準範囲内に人がいることを検知し、かつ、温度検知手段13により、内釜30の温度が基準温度以上であることを検知した場合、報知手段18により、自動で蓋体20を開くのを禁止してよいかどうかを使用者に確認する報知を行った後、操作表示パネル21により、自動で蓋体20を開くのを禁止しない指示が入力されたら、蓋体20が開くように蓋体開閉手段12を動作させるものである。また、制御装置50は、蓋体開閉検知手段15により、蓋体20が開いていることを検知し、かつ、人物検知手段17により、基準範囲内に人がいないことを検知し、かつ、温度検知手段13により、内釜30の温度が基準温度以上であることを検知した場合、報知手段18により、自動で蓋体20を閉じるのを禁止してよいかどうかを使用者に確認する報知を行った後、操作表示パネル21により、自動で蓋体20を閉じるのを禁止しない指示が入力されたら、蓋体20が閉じるように蓋体開閉手段12を動作させるものである。
【0181】
本実施の形態13に係る調理器によれば、内釜30の温度が高く、本来であれば自動で蓋体20の開閉が行われないような場合でも、使用者が希望する場合には、自動による蓋体20の開閉を行うことができる。そのため、内釜30の温度が高くても、使用者が安全であると判断した場合、自動で蓋体20の開閉を行うことができるため、使い勝手を向上させることができる。
【0182】
なお、本実施の形態13に係る調理器では、自動で蓋体20を開くのを禁止してよいかどうか、および、自動で蓋体20を閉じるのを禁止してよいかどうかの指示入力が、操作入力が行われる操作表示パネル21により行われる構成としたが、それに限定されない。例えば、上記の指示入力が、音声マイクと音声認識とにより構成され、「はい」、「いいえ」という使用者の声を判断する指示入力部により行われる構成としてもよい。この様に構成することで、使用者は、手がふさがった状態であっても指示入力を行うことができる。
【0183】
なお、開閉ボタン14は、本発明の「開閉指示部」に相当し、操作表示パネル21は、本発明の「操作部」に相当し、開閉方法選択ボタン21aは、本発明の「開閉方法選択部」に相当する。
【0184】
また、本実施の形態1〜13では、調理器が炊飯器100である場合について説明したが、それに限定されず、炊飯器100の代わりに例えば圧力調理器、スロークッカーなどとしてもよい。