(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
シリコーン(A)及び液状ポリマー(B)の合計重量に基づいて、シリコーン(A)の含有量が60〜98重量%、液状ポリマー(B)の含有量が2〜40重量%である請求項1に記載の消泡剤。
【発明を実施するための形態】
【0009】
重量平均分子量(Mw)が20万〜100万(好ましくは30万〜80万、さらに好ましくは35万〜75万)であるシリコーン(A)としては、ポリジメチルシロキサン(a1)、α,ω−ジヒドロキシ−ポリジメチルシロキサン(a2)及びα−アミノプロピルポリジメチルシロキサン(a3)が含まれる。
【0010】
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィにより、分子量既知のポリスチレンを標準物質として測定される。
【0011】
シリコーン(A)は市場から容易に入手でき、ポリジメチルシロキサン(a1)としては、KF-9008、KF-9011、KF-9013、KF-9014、KF-9028、KF-9030、MK-15H、X-21-5495、KF−9028、KF−9030、X−21−5613、X−21−5666、X−21−5847及びX−21−5849(以上、信越化学工業株式会社);SH200−1,000,000cs、BY16−140、BY11-003、BY11-007、BY11-014、BY11-026、BY11-040、BY22-019、BY22-020、BY22-034、BY22-055、BY22-060、SH200及びBY25-320(以上、東レ・ダウコーニング株式会社)等が挙げられる。
【0012】
α、ω−ジヒドロキシ−ポリジメチルシロキサン(a2)としては、X−21−5613、X−21−5666(以上、信越化学工業株式会社);1501Fluid、1503Fluid及びCB−1556Fluid(以上、東レ・ダウコーニング株式会社)等が挙げられる。
【0013】
α−アミノプロピルポリジメチルシロキサン(a3)としては、KF−8017、KF−8018及びKF−8020(信越化学工業株式会社)等が挙げられる。
【0014】
シリコーン(A)のうち、ポリジメチルシロキサン(a1)、α、ω−ジヒドロキシ−ジメチルシロキサン(a2)及びこれらの混合物が好ましく、さらに好ましくはポリジメチルシロキサン(a1)である。
【0015】
液状ポリマー(B)の液状とは、JIS K7117−1:1999に準拠したブルックフィールド形回転式粘度計で測定した粘度{そのものの粘度(ニートの粘度)}が1,000Pa・s(25℃)以下であることを意味する。
【0016】
液状ポリマー(B)の粘度(JIS K7117−1:1999、25℃、Pa・s、ニートの粘度)としては、0.3〜100が好ましく、さらに好ましくは0.6〜95、特に好ましくは0.7〜90である。
【0017】
液状ポリマー(B)としては、液状であれば特に限定されないが、ポリαオレフィン(a1)、ポリジエン(b2)及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0018】
ポリαオレフィン(b1)としては、αオレフィンから構成され、液状の(共)重合体であれば、特に限定されない。
【0019】
αオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン及び1−オクテン等が使用できる。これらのうち、エチレン、プロピレン及び1−ブテンが好ましく、さらに好ましくはエチレン及びプロピレンである。
【0020】
ポリαオレフィン(b1)のうち、塗膜の仕上がり外観及び耐汚染性の観点から、エチレン−αオレフィン共重合体及びポリプロピレンが好ましく、さらに好ましくはエチレン−プロピレン共重合体である。
【0021】
ポリαオレフィンは市場から容易に入手でき、ルーカント(登録商標)シリーズ{HC−40(830mPa・s)、HC−100(2.6Pa・s)、HC−600(27Pa・s)、HC−1100(50Pa・s)、HC−2000(95Pa・s)}等(三井化学株式会社)が挙げられる。なお、括弧内の数値はそれぞれJIS K7117−1:1999に準拠したブルックフィールド形回転式粘度計を用いて、25℃で測定した粘度である。
【0022】
ポリジエン(b2)としては、液状のポリジエンであれば制限ないが、ポリブタジエン及びブタジエン共重合体が好ましく、特に好ましくはポリブタジエンである。
【0023】
ブタジエン共重合体の共重合単量体としては、アクリロニトリル及びスチレン等が挙げられる。
【0024】
ポリジエン(b2)としては市場から容易に入手でき、POLYVEST(登録商標)110(ポリブタジエン、650mPa・s)、POLYVEST130(ポリブタジエン、2.4Pa・s)等(エボニックジャパン株式会社)が挙げられる。なお、括弧内の数値はそれぞれJIS K7117−1:1999に準拠したブルックフィールド形回転式粘度計を用いて、25℃で測定した粘度である。
【0025】
液状ポリマー(B)としては、ポリαオレフィン(a1)、ポリジエン(b2)及びこれらの混合物以外に、ポリ(メタ)アクリレート(b3)、ポリアルキレンオキサイド化合物(b4)及びこれらの混合物等を用いてもよい。
【0026】
ポリ(メタ)アクリレート(b3)としては、液状のポリ(メタ)アクリレートであれば制限なく、ポリアクリレート、ポリメタクリレート及びアクリレート/メタクリレート共重合体等が使用できる。(メタ)アクリレートとしては、炭素数1〜30のアルキルと(メタ)アクリル酸とのエステル等が挙げられる。なお、「・・(メタ)アクリ・・」とは、「・・アクリ・・」及び「・・メタクリ・・」を意味する。
【0027】
ポリアルキレンオキサイド化合物(b4)としては、液状のポリアルキレンオキサイド化合物であれば制限なく、活性水素化合物とアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイド等)との反応体等が挙げられる。
【0028】
これらの液状ポリマー(B)のうち、ポリαオレフィン(b1)及びポリジエン(b2)が好ましく、さらに好ましくはポリαオレフィン(b1)である。
【0029】
シリコーン(A)の含有量(重量%)は、シリコーン(A)及び液状ポリマー(B)の合計重量に基づいて、60〜98が好ましく、さら好ましくは65〜95、特に好ましくは70〜95である。また、液状ポリマー(B)の含有量(重量%)は、シリコーン(A)及び液状ポリマー(B)の合計重量に基づいて、2〜40が好ましく、さら好ましくは5〜35、特に好ましくは5〜30である。これらの範囲であると、塗膜の仕上がり外観及び耐汚染性がさらに良好となる。
【0030】
本発明の消泡剤には、さらに、シリコーン(A)よりも重量平均分子量が小さいポリオルガノシロキサン(C)を含有させることができる。
【0031】
ポリオルガノシロキサン(C)としては、シリコーン(A)を除いたポリオルガノシロキサンであれば制限なく使用できる。
【0032】
ポリオルガノシロキサン(C)としては、シリコーン(A)を均一に溶解できることが好ましく、0.6〜1000(好ましくは0.6〜2)cSt(25℃)であるポリジメチルシロキサン(KF−96シリーズ:信越化学工業株式会社、SH200シリーズ:東レ・ダウコーニング株式会社等)、及び環状ジメチルシロキサン(ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン及びデカメチルシクロペンタシロキサン等)等が使用できる。これらのうち、ポリジメチルシロキサン及び環状ジメチルシロキサンが好ましい。
【0033】
ポリオルガノシロキサン(C)を含有する場合、ポリオルガノシロキサン(C)の含有量(重量%)は、シリコーン(A)及び液状ポリマー(B)の合計重量に基づいて、50〜900が好ましい。この範囲にあると、消泡性能がさらに良好となる。
【0034】
本発明の消泡剤には、さらに溶剤(D)を含有してもよい。
【0035】
溶剤(D)としては、シリコーン(A)及び液状ポリマー(B)並びに必要によりオルガノシロキサン(C)を均一に溶解できれば特に制限ないが、炭素数3〜9のケトン(D1)、炭素数5〜12の炭化水素(D2)及び炭素数3〜6の酢酸エステル(D3)等が挙げられる。
【0036】
炭素数3〜9のケトン(D1)としては、ジメチルケトン(アセトン)、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ジイソブチルケトン(DIBK)及びシクロヘキサノン等が挙げられる。
【0037】
炭素数5〜12の炭化水素(D2)としては、直鎖飽和炭化水素(n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン及びn−ドデカン等)、分岐飽和炭化水素(sec−ペンタン、tert−ペンタン及びイソドデカン等)、直鎖不飽和炭化水素(1−ペンテン、1−ヘキセン及び1−ドデセン等)及び分岐不飽和炭化水素(イソペンテン、3−メチル−1−ブテン、2,2−ジメチルー1ープロペン及びイソドデセン等)等が挙げられる。
【0038】
炭素数3〜6の酢酸エステル(D3)としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル及び酢酸ブチル等が挙げられる。
【0039】
溶剤(D)を含有する場合、溶剤(D)の含有量(重量部)は、シリコーン(A)及び液状ポリマー(B)の合計100重量部に対して、100〜20000が好ましく、さらに好ましくは400〜2000である。この範囲であると、消泡性能及び塗膜の仕上がり外観がさらに良好となる。
【0040】
本発明の消泡剤には、さらに、疎水性シリカを含有させてもよい。疎水性シリカを含有すると、消泡性能がさらに良好となる。
【0041】
疎水性シリカとしては、本発明の消泡剤中に微分散できれば大きさ、種類等に制限はないが、疎水性シリカのBET法による比表面積は少なくとも50m
2/gであることが好ましい。
【0042】
BET法による比表面積は、JIS Z8830:2013「ガス吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法」に準拠し、乾燥した状態の疎水性シリカを気体吸着法(キャリアガス法)の一点法で測定する。キャリアガスとしては窒素−ヘリウムの混合ガスを用いる。そして脱着ピークの値から比表面積を算出することができる。
【0043】
疎水性シリカとしては、市場から容易に入手でき、たとえば、商品名として、Nipsil SS−10、SS−40、SS−50及びSS−100(東ソー・シリカ株式会社、「Nipsil」は東ソー・シリカ株式会社 の登録商標である。)、AEROSIL R972、RX200及びRY200(日本アエロジル株式会社、「AEROSIL」はエボニック デグサ ゲーエムベーハーの登録商標である。 )、TS−530、TS−610、TS−720(キャボットカーボン社)、AEROSIL R202,R805及びR812(デグサジャパン株式会社)、REOLOSIL MT−10、DM−10及びDM−20S(株式会社トクヤマ、「REOLOSIL」は同社の登録商標である。)、並びにSYLOPHOBIC100、702、505及び603(富士シリシア化学株式会社、「SYLOPHOBIC」は同社の登録商標である。)等が挙げられる。
【0044】
疎水性シリカを含有する場合、疎水性シリカの含有量(重量%)は、液状ポリマー(A)及びフッ素変性オルガノポリシロキサン(B)の合計重量に基づいて、0.5〜50が好ましく、さらに好ましくは1〜30である。この範囲であると、消泡性がさらに良好となる。
【0045】
本発明の消泡剤は、シリコーン(A)及び液状ポリマー(B)並びに必要により、ポリオルガノシロキサン(C)、溶剤(D)及び/又は疎水性シリカを均一混合して調製できる。
溶剤(D)を含有させる場合、これらの揮発性を考慮して、できるだけ低い温度(10〜50℃が好ましく、さらに好ましくは20〜40℃)で均一混合することが好ましい。
【0046】
本発明の消泡剤は、水系発泡液及び非水系発泡液のいずれにも効果があるが、非水系発泡液により効果的であり、特に非水系コーティング組成物に効果的である。非水系コーティング組成物のうち、さらに産業製品や建造物の塗装に用いられる非水系塗料、床用コーティング材及び屋上用防水塗料等に効果的である。なお、水系発泡液とは水を含む発泡液を意味し、非水系発泡液(非水系コーティング組成物等)とは水を含まない発泡液(コーティング組成物等)を意味する。
【0047】
本発明の非水系コーティング組成物は、上記の消泡剤、フィラー及びバインダーを含有してなるが、上記の消泡剤以外の成分(フィラー及びバインダー)は公知のものが使用できる。
【0048】
フィラーとして、無機微粒子(雲母、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化鉄、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等)及び有機微粒子(アクリルビーズ、シリコンビーズ及びポリエチレンワックス等)等が使用できる。
【0049】
バインダーとしては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、アクリル樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル及びこれらの混合物等が使用できる。
【0050】
非水系コーティング組成物中の消泡剤の含有量(重量%)は、上記の消泡剤、フィラー及びバインダーの重量に基づいて、0.05〜1が好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.5である。
【0051】
フィラーの含有量(重量%)は、上記の消泡剤、フィラー及びバインダーの重量に基づいて、4〜80が好ましく、さらに好ましくは9.5〜70である。
【0052】
バインダーの含有量(重量%)は、上記の消泡剤、フィラー及びバインダーの重量に基づいて、19〜95が好ましく、さらに好ましくは29.5〜90である。
【0053】
本発明の非水系コーティング組成物には、一般的な非水系コーティング組成物に配合できる添加剤を本発明の効果に影響しない範囲内で含有できる。このような添加剤としては、硬化剤、増粘剤、可塑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、レベリング剤、顔料分散剤、皮張り防止剤、ドライヤー、艶消し剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、低汚染化剤及び触媒等が挙げられる。
【0054】
本発明の非水系コーティング組成物は、従来公知の方法で製造することが可能である。即ち、上記の消泡剤、フィラー、バインダー及び必要により添加剤を均一に混合することにより得られる。
【実施例】
【0055】
以下、特記しない限り、部は重量部を、%は重量%を意味する。
重量平均分子量は以下の装置及び条件で測定した。
測定装置 ;東ソー株式会社製 HLC−8220
カラム ;東ソー株式会社製ガードカラムHXL−H、東ソー株式会社製 TSKgel SuperHZ4000、東ソー株式会社製 TSKgel SuperHZ3000、東ソー株式会社製 TSKgel SuperHZ2000及び東ソー株式会社製 TSKgel SuperHZ2000を直列に繋いだもの
検出器 ;RI(示差屈折計)
データ処理;東ソー株式会社製 SC−8010
カラム温度; 40℃
溶 媒 ;テトラヒドロフラン
流 速 ;1.0ml/分
標準物質 ;ポリスチレン
サンプル :1%テトラヒドロフラン溶液
【0056】
(実施例1)
シリコーン(A1、SH200−1,000,000cs、東レ・ダウコーニング株式会社、ポリジメチルシロキサン、重量平均分子量23万)65部、液状ポリマー(B1、ルーカントHC−2000、三井化学株式会社、エチレン・プロピレン共重合体、25℃粘度95Pa・s)35部及び溶剤(D11、メチルイソブチルケトン)900部を均一に混合し、本発明の消泡剤(1)を得た。
【0057】
(実施例2)
シリコーン(A2、BY16−140、東レ・ダウコーニング株式会社、ポリジメチルシロキサン、重量平均分子量50万)95部、液状ポリマー(B2、ルーカントHC−40、三井化学株式会社、エチレン・プロピレン共重合体、25℃粘度830mPa・s)5部、ポリオルガノシロキサン(C1、デカメチルシクロペンタシロキサン、分子量370、信越化学工業株式会社、KF−995)900部及び溶剤(D12、ジイソブチルケトン)1000部を均一に混合し、本発明の消泡剤(2)を得た。
【0058】
(実施例3)
シリコーン(A3、KF−9008、信越化学工業株式会社、重量平均分子量70万のポリジメチルシロキサンを20%含有したポリオルガノシロキサン(C1)希釈溶液)450部(ポリジメチルシロキサン90部及びデカメチルシクロペンタシロキサン360部の混合溶液)、液状ポリマー(B3、POLYVEST110、エボニックジャパン株式会社、ポリブタジエン、25℃粘度650mPa・s)10部及び溶剤(D31、酢酸ブチル)2000部を均一に混合し、本発明の消泡剤(3)を得た。
【0059】
(実施例4)
シリコーン(A4、KF−9028、信越化学工業株式会社、重量平均分子量35万のポリジメチルシロキサンを20質量%含有したポリオルガノシロキサン(C1)希釈溶液)425部(ポリジメチルシロキサン85部及びデカメチルシクロペンタシロキサン340部の混合溶液)、液状ポリマー(B2)15部及び溶剤(D11)400部を均一に混合し、本発明の消泡剤(4)を得た。
【0060】
(実施例5)
シリコーン(A1)70部、液状ポリマー(B2)30部、ポリオルガノシロキサン(C2、ポリジメチルシロキサン、信越化学工業株式会社、KF−96L−1cs、重量平均分子量300)50部及び溶剤(D31)1000部を均一に混合し、本発明の消泡剤(5)を得た。
【0061】
(比較例1)
フルオロシリコーン(信越化学工業株式会社、FA−630、フルオロカーボン変性ジメチルシロキサン)100部及び溶剤(D11)2000部を均一に混合し、比較用の消泡剤(H1)を得た。
【0062】
評価試料として、本発明の消泡剤(1)〜(5)及び比較用の消泡剤(H1)を用いて、つぎの配合組成で均一混合して、評価用の非水系コーティング組成物(1)〜(5)及び(H1)を調製した{各番号は実施例、比較例で得た消泡剤の番号に対応する。}。また、評価試料を使用しないこと以外、同様にして、非水系コーティング組成物(ブランク)を調製した。
【0063】
アクリデイックA−837(※1) 147部
タイペークR−930(※2) 228部
ミネラルスピリット 80部
エフカRM1920(※3) 2部
アクリデイックA−848(※1) 508部
ミネラルスピリット 30部
評価試料(消泡剤) 5部
【0064】
※1 ポリオール樹脂、DIC株式会社、「アクリディック」はDIC株式会社の登録商標である。
※2 二酸化チタン、石原産業株式会社、「タイペーク」は石原産業株式会社の登録商標である。
※3 増粘剤、BASFジャパン株式会社、「efka」はビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアの登録商標である。
【0065】
性能試験1(消泡性能、仕上がり外観)
非水系コーティング組成物(1)〜(5)、(H1)及び(ブランク)の各1000部をミネラルスピリットで希釈してストーマー粘度計で77KU(25℃)になるように調整した後、25℃に温調し、これと、硬化剤{バーノックDN−990、DIC株式会社、ポリイソシアネート、「バーノック」はDIC株式会社の登録商標である。)81.7部とを均一混合し、25℃でブリキ板に中毛ウールローラー(大塚刷毛製造株式会社)にて、塗布量50g(30cm×30cmあたり)となるよう塗装し、塗装開始から発生した泡が消失するまでの時間を計測し、以下の基準により消泡性能を判定した。また、25℃、24時間乾燥後の塗膜のクレーターの個数を数え、以下の基準により、仕上がり外観を判定した。これらの判定結果を表1に示した。
【0066】
○:15秒未満で泡が消失した
△:15以上30秒未満で泡が消失した
×:泡が消失するのに30秒以上かかった
【0067】
○:クレーターが2個以下(30cm×30cmあたり)
△:クレーターが3〜5個(30cm×30cmあたり)
×:クレーターが6個以上(30cm×30cmあたり)
【0068】
性能試験2(耐汚染性)
非水系コーティング組成物(1)〜(5)、(H1)及び(ブランク)の各1000部をミネラルスピリットで希釈してストーマー粘度計で77KU(25℃)になるように調整した後、10×30cmのステンレス板に、JIS K5658:2010の付属書Bに規定されたすき間150μmのフィルムアプリケーターで塗装し、7日間室温(25℃)で乾燥させた塗装板を愛知県東海市の地上高18m(6階建屋の屋上)の屋外雨垂れ試験台(ステンレス製、縦80cm、横110cm、5mm間隔にて深さ5mmの集雨溝を持つ屋根(水平面に対して30度の傾斜を持つ)を備える)に塗装面を垂直に、かつ塗装面が真北を向くようにして取り付け、屋根の集雨溝からの雨水が塗装面を伝わって流れるようにして30日放置し、汚れの程度を以下の基準により評価して、これを耐汚染性とし、表1に示した。
【0069】
○:雨水の垂れが目立たない
△:雨水の垂れ跡がやや濃い
×:雨水の垂れ跡が濃くはっきりしている
【0070】
【表1】
【0071】
本発明の消泡剤は、表1に示すとおり、比較用の消泡剤に比べて、消泡性能に優れ、塗膜の仕上がり外観及び耐汚染性に優れていた。