(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記弾性ユニットは、前記ハウジングの上側面と前記ボビンの上側面に結合される上側バネと、前記ハウジングの下側面と前記ボビンの下側面に結合される下側バネと、を含み、
前記下側バネは、相互離隔する2つの分割バネを含み、
前記2つの分割バネは、前記第1のコイル部及び前記基板を電気的に連結することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載のレンズ駆動モータ。
前記上側バネ及び前記下側バネは、前記ハウジングに結合される外側部と、前記ボビンに結合される内側部と、前記外側部と前記内側部とを連結する連結部と、を含むことを特徴とする請求項8に記載のレンズ駆動モータ。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の好ましい実施例は、添付された図面を参照して、詳細に説明する。
【0028】
特別な定義がない限り、本明細書における全ての用語は、当業者が理解する用語の一般的な意味と同一であり、もし、本明細書で使用されている用語が、当該用語の一般的な意味と衝突する場合には、本明細書で使用されている定義に従う。
【0029】
ただし、以下に記述される発明は、本発明の実施例を説明するためのものであるだけであって、本発明の権利範囲を限定するためのものではなく、明細書全般にわたって同一に使用された参照番号は、同一の構成要素を示す。
【0030】
以下、図面を参照して、実施形態におけるレンズ駆動モータを詳細に説明すると、次の通りである。
【0031】
図1は、本発明の実施形態に係るレンズ駆動モータの分解斜視図、
図2は、本発明の実施形態に係るレンズ駆動モータからカバー缶を除去した図、
図3は、本発明の実施形態に係るレンズ駆動モータの側断面図、
図4は、本発明の実施形態に係るレンズ駆動モータのハウジングとボビンとの結合状態を上側から示す図、
図5は、本発明の実施形態に係るレンズ駆動モータの第1のターミナル部341aと第2のコイル部との結合状態を示す斜視図、
図6は、
図5の基板と第2のコイル部との結合状態を示す斜視図、
図7は、本発明の実施形態に係るマグネット部、ホールセンサ部、基板、及びベースを示す図、
図8は、本発明の実施形態に係る弾性ユニットの上側面図、
図9は、本発明の実施形態に係るレンズ駆動モータの第1のコイル部に印加される電流の変化による変位を概略的に示すグラフであり、
図10は、本発明の実施形態に係るレンズ駆動モータの移動経路を示す図である。
【0032】
図1を参照すると、実施形態に係るレンズ駆動モータは、大きく、可動子200と、固定子300とを含む。また、実施形態は、カバー缶100、弾性ユニット400をさらに含み、また、ホールセンサ部500をさらに含む。実施形態において、z軸は、光軸方向を意味し、x軸は、前記z軸と垂直方向、y軸は、前記z軸及びx軸に垂直な方向を意味する。
【0033】
図1及び
図3を参照すると、前記カバー缶100は、後述する可動子200及び固定子300を収容し、上側面に、後述するレンズ部(図示せず)が露出する開口部が形成され、下側面は開放されて、後述するベース350によって閉鎖されることにより、レンズ駆動モータの外観を形成することができる。
【0034】
図示のように、前記カバー缶100は、上側面に開口部が形成され、下側面が開放される直方体の形状に形成されてもよいが、このようなカバー缶100の形状は、多様に形成することができる。要するに、カバー缶100の形状は、上側から見たとき、4角形状または八角形状であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0035】
前記カバー缶100は、内側面が、後述するベース350の側面及び/または上面と密着して、前記ベース350によって下側面の全部又は一部が閉鎖され、外部の衝撃から内部の構成要素を保護すると同時に、外部の汚染物質の浸透防止機能を有する。
【0036】
また、図示していないが、前記カバー缶100は、さらに締結片(図示せず)を含むことができ、これは、少なくとも一面の下端部に形成することができる。一方、ベース350には、前記締結片が挿入される締結溝(図示せず)が側面に形成され、レンズ駆動モータのさらに堅固な密閉機能、及び締結機能を具現することができる。
【0037】
また、前記カバー缶100は、携帯電話等により発生する外部の電波干渉からレンズ駆動モータの構成要素を保護する機能も果たすことができる。したがって、前記カバー缶100は、金属材で形成されてもよいが、射出物または金属材を用いたインサート射出物など、様々な材質でも形成可能である。
【0038】
前記可動子200は、ボビン210と、マグネット部220とを含む。
【0039】
図1乃至
図4を参照すると、前記ボビン210は、外周面210aに、前記の各々のマグネットが装着されるマグネット溝211が形成され、このようなマグネット溝211は、マグネットの形状に対応するように形成することができ、またはマグネットが安着できる安着部が形成されることもある。
【0040】
また、図示していないが、前記ボビン210の上側面及び/または下側面には、後述するベース350の上側で前記ボビン210が支持できるように、上側バネ410及び/または下側バネ420の内側部412a,422aと締結される締結突起(図示せず)が形成される。締結突起の形状は、円形、角形、またはこれらの組み合わせでよい。
【0041】
また、
図4を参照すると、前記ボビン210は、外周面210aに少なくとも1つ以上の突出した回転防止部213が形成される。一方、回転防止部213は、一例として、4つで形成することができる。実施形態では、AF駆動及び/またはOIS駆動がボビン210の動きだけで具現されるため、前記ボビン210には、回転防止部213が形成できることである。
【0042】
つまり、x軸とy軸に対するボビン210の移動時、前記ボビン210の外周面210aと回転防止部213は、ハウジング310の内周面と共にボビン210の衝撃を緩和すると同時に、ボビン210の回転角を制限することができる。例えば、x、y軸の衝撃は、回転防止部213とハウジング310の内側面とが接して緩和し、x、y軸に対する対角線方向の衝撃は、ボビン210の外周面210aとハウジング310の内側面とが接して緩和し、回転に対する衝撃は、ボビン210の外周面210aで回転防止部213の開始部分とハウジング310の内側面とが接して緩和することができる。
【0043】
また、
図4を参照すると、x軸及び/またはy軸に対する衝撃防止は、ボビン及びハウジングの直線部Dを利用することができ、対角線の部分に対する影響は、ボビン及びハウジングのラウンド部Rを利用することができ、回転(rotation)部分に対する衝撃防止は、直線部とラウンド部との間に位置するストッパーSを利用することができる。
【0044】
また、ボビン210の上側面または下側面には、少なくとも2つ以上形成された固定片212が形成され、これらの固定片212に、後述する上側バネ410または下側バネ420の内側部412a,422aの折り曲げ部412aa,422aaが配置される。これらの固定片212は、ボビン210の下側面にも形成してもよく、前記固定片212と折り曲げ部412aa,422aaは、前記ボビン210と、上側バネ410または下側バネ420の組み立てを容易にガイドすることができ、堅固な固定を具現できるようにする。
【0045】
図1及び
図3を参照すると、前記マグネット部220は、前記ボビン210に配置され、前記ボビン210の外側面に等間隔に配置された4つのマグネットを含む。これらの各々のマグネットは、前記ボビン210の外側面に接着剤をもって固定されるか、前記ボビン210のマグネット溝211に挿入されて固定でき、後者の場合、接着剤を、前記マグネット溝211、またはマグネットの下面及び/または側面に塗布して固定することもできる。
【0046】
また、前記マグネット部220は、図示しているように、前記ボビン210の外側面に配置してもよいが、前記ボビン210の4つの角に等間隔に装着され、内部体積の効率的な使用を図ることができる。
【0047】
前記マグネットの形状は、三角柱状、四角柱状、台形柱状など、角柱状であってもよく、角柱状に一部の曲線を含むこともできる。また、前記マグネットは、加工時の角が、一部曲面を有するように加工することもできる。
【0048】
実施形態において、前記の各々のマグネットは、N極とS極が水平方向に磁化されたマグネットであってもよく、このようなマグネットの構造的形状と、後述する第1のコイル部320及び第2のコイル部330は、フレミングの左手の法則により、相互作用して、前記ボビン210を移動させることができる。具体的に、前記マグネットは、前記ボビン210の方向がN極、前記第1のコイル部320の方向がS極に磁化され、その逆の磁化方向も可能である。このような場合、前記第1のコイル部320は、電源を印加されて、前記マグネットに固定されたボビン210をz軸方向に移動させ、前記第2のコイル部330は、電源を印加されて、前記マグネットに固定されたボビン210を、x軸及び/またはy軸に移動させることができる。
【0049】
前記固定子300は、第1のコイル部320、第2のコイル部330、ハウジング310、及びベース350を含む。
【0050】
図1乃至
図3を参照すると、前記第1のコイル部320と第2のコイル部330は、前記マグネット部220と対応するように、それぞれ配置される。
【0051】
具体的には、前記第1のコイル部320は、前記マグネット部220の外側面に対向するように配置され、後述するハウジング310に直接巻線されるか、または予め巻線されたコイルが装着されて配置される。このような第1のコイル部320は、AF(Auto Focusing)コイルであってもよく、後述する基板340から電源を印加されて、前記ボビン210に配置されたマグネット部220との相互作用で、前記ボビン210を光軸方向に移動させることができる。
【0052】
前記第1のコイル部320は、後述するハウジング310の支持部312の外側面に配置され、前記支持部312の下側端に形成されるガイドリブ312bによって固定される。このような第1のコイル部320は、前記支持部312に巻線され、予め巻線された第1のコイル部320が、前記支持部312に装着されてもよい。
【0053】
または、4つの個別の第1のコイルが前記ハウジング310の外側面に90°間隔で配置されてもよい。このような第1のコイル部320の巻線されたコイルの一端と他端は、後述する基板340上の第1の端子部344に電気的に接続されて電源を印加されることができる。エポキシやソルダリングなどによる接着を含む導電性の物質を用いる方法は、第1のコイル部320と第1の端子部344の電気的な接続に利用されてもよい。
【0054】
図1、及び
図4乃至
図6を参照すると、前記第2のコイル部330は、前記マグネット部220の下側面に対応するように、後述する基板340上に配置することができる。このような第2のコイル部330は、基板上に配置されるOIS(Optical Image Stabilization)コイルであってもよい。また、前記第2のコイル部330は、前記基板340上の各辺に個別に備えられてもよく、この場合、個別に電源を印加される4つの第2のコイルであってもよい。また、前記第2のコイル部330は、FP(Fine Pattern)コイルで形成することができる。また、第2のコイルの一端と他端は、後述する基板340上に形成される第2の端子部343にそれぞれ電気的に接続されて、電源を印加されることができる。エポキシまたはソルダリングなどによる接着を含む導電性の物質を用いる方法は、電気的な接続に利用されてもよい。
【0055】
図1乃至
図4を参照すると、前記ハウジング310は、中央が開口した上側面311と、前記上側面311の角にそれぞれ形成されて、前記第1のコイル部320が外側面に配置される支持部312とを含む。
【0056】
具体的に、前記ハウジング310の上側面311には、前記上側バネ410が締結される結合突起311a、及び/または、前記上側バネ410が固定される融着突起311bが形成される。これらの結合突起311aは、後述する上側バネ410の配置時に、外側部411aの配置を容易にガイドすることができる。また、前記結合突起311aは、前記ボビンを光軸方向に動くことができる空間を確保することができ、つまり、前記ボビンが、後述するベースから離れる方向に動くことのできる空間を確保することができ、また、前記結合突起311aの上面は、カバー缶100の内側面と接触することができる。
【0057】
前記融着突起311bは、後述する上側バネ410の融着溝または融着ホールと締結されて、熱を加えて融着し、前記上側バネ410を堅固に配置することができる。このような結合突起311a及び/または融着突起311bは、上側面311に共に示されているが、いずれか1つだけハウジング310の上側面311に形成されてもよく、この場合、上側バネとハウジングを固定すると同時に、上側バネの上側方向へ動くことのできる空間を確保することもできる。また、ハウジング310の下側面にも形成されて、後述する下側バネ420と同様に締結することもできる。
【0058】
また、前記ハウジング310の上側面311には、前記外側部411a,421aが結合される、上側面311で光軸方向に凹入される段差部311cが形成される。このような段差部311cは、前記ボビン210が光軸から下側方向である−Z方向に移動するとき、共に移動する上側バネ410の内側部412a,422a及び連結部413a,423aを考慮した構造的形状である。つまり、前記の下側方向は、前記ボビンが、後述するベースと近づく方向であってもよい。また、これと類似する機能のためのベース340のリセス部353は、後述する。
【0059】
また、前記ハウジング310の内側面は、前記ボビン210の外側面と対応する形状に形成され、また、前記ハウジングの内側面は、前記ボビンの外側面と所定間隔離隔して形成される。つまり、前記ハウジング310に固定された第1のコイル部320の内側面は、前記ボビンに固定されたマグネット部の外側面と一定距離離隔されている。また、前記ハウジング310の内側面は、前記ボビン210の外周面210a及び回転防止部213の形状に対応するように形成され、このような構造的形状は、回転方向を含むボビン210の全方向の衝撃防止の緩和に利点を有する。
【0060】
また、前記ハウジング310の支持部312は、前記上側面311の下側の角にそれぞれ形成され、射出成形などにより、一体型に形成することができる。ここで、前記支持部312は、後述するベース350の固定突起351と一定距離離隔された対応面312aが形成される。この場合、前記第1のコイル部320は、前記支持部に配置されて、八角形状を有し、または、前記対応面に配置される部分は、曲面状を有し、ハウジングの側面に、両方にある支持部に配置される部分は、直線状を有する形状を有してもよい。
【0061】
また、前記ハウジング310の支持部312の下側端には、前記第1のコイル部320を支持するガイドリブ312bが形成され、前記第1のコイルの巻線または装着を堅固に固定することができる。
【0062】
このようなハウジング310は、OIS駆動時にも固定されているため、前記カバー缶100と一体または単一の部品として具現することができる。つまり、カバー缶100とハウジング310との間の離隔空間が不要であり、製品の体積を著しく減少させることができる。
【0063】
図1、
図5、及び
図6を参照すると、前記基板340は、後述するベース350の上側面に配置されて、前記第2のコイル部330に電源を印加することができ、前記第1のコイル部320にも電源を印加することができる。
【0064】
具体的には、前記基板340の上側面は、電源が外部から印加されるための第1のターミナル部341a及び/または第2のターミナル部341bが下側に折り曲げられて形成され、他の電源基板340または外部から電源が印加されて前記第2のコイル部330及び/または第1のコイル部320に電源を印加することができる。前記基板340の下側面には、前記ホールセンサ部500が実装され、前記第1のターミナル部341a及び/または第2のターミナル部341bに電気的に接続する。
【0065】
このような第1のターミナル部341aと第2のターミナル部341bは、ホールセンサ部500の2つのホールセンサが配置される基板の辺を除いた辺にそれぞれ形成されることが、効率的な空間の確保のために望ましいが、これに限定されるものではない。
【0066】
このような基板340は、前記レンズ部とz軸上に対応する中央が開口したFPCB(Flexible Printed Circuit Board)に具現されることができる。
【0067】
また、このような基板340は、後述するベース350に容易に固定されるように、少なくとも1つ以上の締結ホール342または締結溝が形成され、後述するベース350は、前記締結ホール342、または締結溝に対応する締結突起352が形成される。締結ホール、または締結溝及び締結突起の形状は、円形または角形であってもよく、角型の場合、四角形状を有してもよく、また、個数は、少なくとも2つ以上有してもよく、位置は、角部に配置することができる。
【0068】
また、このような基板340は、前記第2のコイル部330のそれぞれのコイルが電気的に接続できる第2の端子部343と、前記第1のコイル部320のコイルが電気的に接続できる第1の端子部344が上側面に形成される。このような第2の端子部343または第1の端子部344は、前記基板340の上側面にいずれか1つでも形成してもよく、前記第2の端子部343は、それぞれの第2のコイルに電気的に接続されるように、複数本形成してもよい。つまり、コイルは、一端と他端が存在するため、前記の各々のソルダリング部は、2つのソルダリングポイントが一対を成すことができる。また、基板の内部で4つの第2のコイルのうち、2つずつ電気的に接続される場合には、2つの第2のコイルが対を成して、2つのソルダリングポイントが対を成すことができる。
【0069】
図1乃至
図3、及び
図5を参照すると、前記ベース350は、前記可動子200を支持し、中央に、前記ボビン210の下側面と所定間隔離隔される。具体的に、前記ベース350は、前記ハウジング310を支持し、中央に前記ボビン210の下側面と所定間隔離隔して位置できるように下側へ凹入されたリセス部353が形成され、前記リセス部353の中央には、前記レンズ部に対応する貫通ホールが形成される。つまり、前記リセス部353は、前記ボビンが下側方向に移動できる空間を確保することができ、または、設計に応じて、前記リセス部が無くても前記ボビンが下側方向に移動できる空間があれば、前記リセス部は、必須構成要素ではなくてもよい。
【0070】
また、前記ベース350の一側面は、前記第1のターミナル部341aが安着される第1のターミナル溝354と、前記第2のターミナル部341bが安着される第2のターミナル溝(図示せず)が形成され、これらのターミナル溝は、前記基板340のターミナル部の個数に応じて対応して形成することができる。前記第1のターミナル溝354及び/または第2のターミナル溝は、前記基板のターミナル部341が外側に突出しないように、ターミナル溝354の深さでなり得、前記ターミナル部341が2つであれば、前記ベースの2つの側面にターミナル溝354が形成され、この場合、2つのターミナル溝354は、互いに反対の側面に形成される。
【0071】
また、前記ベース350は、上側の角にそれぞれ突出して、前記カバー缶100の内側面またはハウジング310の外側面と接する固定突起351が形成され、このような固定突起351は、前記カバー缶100及び/またはハウジング310の締結を容易にガイドすると同時に、締結後、堅固な固定を図ることができる。もし、ハウジングの外側面と接するように固定突起が形成される場合には、前記の接する面と一定距離離隔される位置に第1のコイル部に配置され、前記ハウジングの外側面と第1のコイル部が干渉しないようにすることができる。
【0072】
また、前記ベース350は、前記基板340の締結ホール342及び/または締結溝と対応する締結突起352が上側面に形成され、前記基板340の下側に配置されるホールセンサ部500をそれぞれ収容できるホールセンサ収容溝355が形成される。
【0073】
また、図示していないが、前記ベース350は、前記カバー缶100の締結片が挿入される締結溝が形成される。このような締結溝は、前記締結片の長さに対応する形状に前記ベース350の外側面に局部的に形成されるか、または、前記締結片を含む前記カバー缶100の下端の所定の部分が挿入できるように前記ベース350の外側面に全体的に形成することができる。
【0074】
また、前記ベース350は、後述するイメージセンサ(図示せず)を保護するセンサホルダーの機能を果たすことができ、この場合、ベース350の側面に沿って下側方向に突出部が形成される。また、前記ベース350は、フィルタ360を位置させるために備えられてもよい。
【0075】
図1乃至
図3、及び
図8を参照すると、前記弾性ユニット400は、上側バネ410と下側バネ420とを含み、ハウジング310ではないボビン210だけがAF駆動及び/またはOIS駆動時に動くため、側面バネは、備えられなくてもよい。
【0076】
前記の上側バネ410及び下側バネ420は、ハウジング310のそれぞれの辺の部分に配置された別個のバネからなってもよいが、生産の効率性のために、単一の板材が折り曲げ及び切断された形状からなる板バネで形成することができる。
【0077】
したがって、前記上側バネ410は、前記ハウジング310の上側面311とボビン210の上側面に、それぞれ、一端と他端が固定され、前記下側バネ420は、前記ハウジング310の下側面とボビン210の下側面に、それぞれ、一端と他端が固定される。
【0078】
ここで、前記上側バネ410は、前記ハウジング310の上側面311に配置され、前記結合突起311aと対応する結合溝411aa及び/または前記融着突起311bと対応する融着溝411bbが形成される外側部411aと、前記ボビン210の上側面に固定される内側部412aと、前記外側部411aと内側部412aとを連結する連結部413aと、を含む。前記内側部412aは、前記ボビン210の上側面の形状に対応するように略円形からなり、外側部411aは、前記ハウジング310の形状に支持できるように略四角形状からなる。
【0079】
つまり、前記上側バネ410は、前記ハウジング310の上面及びボビン210の上面に締結されて、前記ボビン210を支持し、前述したハウジング310の段差部311c及びベース350のリセス部353の構造的形状により、前記ボビン210のz軸を基準に上側移動だけでなく、下側移動時、復帰力を供する。また、前記上側バネ410の連結部413aは、x軸及び/またはy軸に対して同じ弾性力を有するようにベンディングされて形成することができ、これは、側面バネが必要ないボビン210の全方向の駆動のためである。ここで、ボビンの全方向とは、垂直方向(z軸方向)及び/または水平方向(x軸の横方向及び/またはy軸の縦方向)を意味する。また、前記の上側バネ410と下側バネ420は、それぞれ、単一の板バネで形成され、同じ厚さを有する。
【0080】
また、第1のコイル部320が前記基板340に直接ソルダリングできる構造であるため、前記の上側バネ410または下側バネ420が、前記第1のコイル部320と電気的に連通する必要がないため、単一の板材バネをもって具現可能であり、組み立ての簡素化、耐久性の強化、製品コストの減少などの利点がある。したがって、下側バネ420も、前記上側バネ410と同一に形成することができる。または、前記第1のコイルが下側バネの外側部に電気的に接続され、下側バネの外側部が前記基板に電気的に接続されてもよい。
【0081】
つまり、前記下側バネ420は、前記ハウジング310の下側面に配置され、前記結合突起311aと対応する結合溝421aa、または前記融着突起311bと対応する融着溝421bbが形成される外側部421aと、前記ボビン210の上側面に固定される内側部422aと、前記外側部421aと内側部422aとを連結する連結部423aと、を含む。前記内側部422aは、前記ボビン210の下側面の形状に対応するように略円形からなり、外側部421aは、前記ハウジング310の形状に支持できるように略四角形状からなる。
【0082】
また、前記下側バネ420は、前記ハウジング310の下面及びボビン210の下面に締結され、前記ボビン210を支持し、前述したハウジング310の段差部311c及びハウジング310のリセス部353の構造的形状により、前記ボビン210のz軸を基準に上側移動だけでなく、下側移動時、復帰力を供することができる。また、前記下側バネ420の連結部423aは、x軸及び/またはy軸に対して同じ弾性力を有するようにベンディングされて形成することができ、これは、側面バネが必要ないボビン210の全方向の駆動のためである。ここで、ボビンの全方向とは、垂直方向(z軸方向)及び/または水平方向(x軸の横方向及び/またはy軸の縦方向)を意味する。
【0083】
前記ホールセンサ部500は、前記マグネット部220の移動を感知することにより、可動子の位置をセンシングし、レンズ駆動モータを精密に制御するために備えられる。
【0084】
前記ホールセンサ部500は、前記マグネット部200の中心と一直線上に備えられており、x軸とy軸の変位を感知しなければならないため、前記ホールセンサ部500は、前記基板340の角のうち、隣接する辺にそれぞれ配置された2つのホールセンサを含み、前記ベース350には、前記の各々のホールセンサを収容できるホールセンサ収容溝355が形成される。実施形態は、2つのホールセンサを含むが、3つ、4つ以上を含むことも可能である。
【0085】
また、このようなホールセンサ部500は、前記マグネット部220よりも第2のコイル部330に隣接して備えられており、マグネットで形成される磁場の強さが、コイルで形成される電磁場の強さよりも数百倍大きいことを考えると、マグネット部220の移動感知において、第2のコイル部330の影響は、考慮の対象とならない。
【0086】
一方、実施形態で説明される接着剤は、熱硬化性エポキシ、またはUVエポキシで具現することができ、熱またはUVの露出によって硬化される。ただし、熱硬化性エポキシを用いると、オーブンに移動して、または直接熱を加えて硬化する方式であり、UV(紫外線)エポキシを用いると、前記の接着剤にUV(紫外線)を加えて硬化する方式である。
【0087】
また、前記接着剤は、熱硬化とUV(紫外線)硬化が混用できるエポキシであってもよく、熱硬化やUV(紫外線)硬化のいずれも可能であり、このうち、いずれか1つを選択して硬化できるエポキシであってもよい。前記接着剤は、前記エポキシに限らず、接着できる物質であれば、どちらでも代替可能である。
【0088】
このような構成を含む本発明の実施形態に係るレンズ駆動モータは、レンズ部が固定されるボビン210だけが、x、y、z軸の全方向に駆動され、移動することができる。
【0089】
図3を参照すると、実施形態のボビン210は、z軸方向に上昇及び下降の運動だけでなく、水平方向に移動することができる。つまり、本発明の実施形態では、ボビン210が基準位置から垂直方向及び/または水平方向に移動することができるため、前記ボビン210の下端部側は、ベース350から所定間隔離隔されて配置され、前記ベース350は、離隔距離を確保するためにリセス部353を有する。
【0090】
具体的に、実施形態のボビン210の移動は、個々の第2のコイルに個別に駆動信号が印加されると、前記ボビン210の下端部側の所定の部位は、上昇し、光軸を基準に対向する部位は、下降するようになるため、基準位置よりも下方に空間的なマージンが要求される。したがって、ボビン210の下端部とベース350との間に垂直方向及び/または水平方向に移動が可能な空間が設けられることである。
【0091】
このようなボビンの水平方向への移動の制御は、次の通りである。
【0092】
表1は、4つの第2のコイルをそれぞれ独立して駆動するときのテーブルを示す。ここで、下記の表1に記載のCoil1とCoil3は、x軸上に相互対向されて配置された第2のコイルであり、Coil2とCoil4は、y軸上に相互対向されて配置された第2のコイルである。
【0094】
上記表1において、0と1で示されている変数は、印加される制御信号のon、offで表示されるが、より正確には、印加される制御信号の入力電圧の差と理解することができ、水平方向の移動距離の程度を制御するために前記制御信号の強さは、多様に設定することもできる。
【0095】
図9を参照すると、表1のように、個別に第2のコイルに印加される電圧を制御することにより、水平方向へのブレ補正のための移動を制御することができるようになる。また、水平方向の移動と垂直方向の移動を同時に制御することもできるが、例えば、上記表で移動部の出力が−Y、+X、−Xに行われると、−Y軸方向へのどんな位置であれ移動しながら、独立に第1のコイルに電力を印加して上昇または下降することができる。つまり、第1のコイルに電流を正方向に印加時、上側方向にボビンが移動し、第1のコイルに電流の方向を逆方向に印加時、下側方向に移動する。第1のコイルの電流量によって、ボビンの動く位置は、変化される。
【0096】
また、上記表において、移動部の出力が+X、+Yに行われると、
図9のように、対角線方向に水平移動することができる。
【0097】
実施形態において、AF駆動とOIS駆動を同時にするためには、それぞれのコイルへの電源の印加レベルを調節して行うことができる。
【0098】
一方、前記第2のコイル部330のコイルは、一対で制御されてもよく、これは、下記の表2の通りである。
【0100】
このような表2の説明は、表1のそれと同様であり、表2のように、2つの対向するコイル同士の一対で制御するのであれば、駆動パワーをさらに増加させることができる長所がある。
【0101】
このような実施形態に係るレンズ駆動モータの垂直方向及び/または水平方向への移動距離は、
図3に示されたX1とX2の離隔距離(ボビン210とハウジング310との間の距離)、及び/または、Z1とZ2の離隔距離(ボビン210とハウジング310との間の距離)に制限され、約50μmから200μmの水平移動距離を有するように離隔距離を具現することができ、また、約50μmから400μmの垂直移動距離を有するように離隔距離を具現することができる。
【0102】
また、実施形態は、前述したように、ハウジング310にリセス部353を形成して、OIS駆動時、垂直方向及び/または水平方向への移動空間を確保することができる。
【0103】
具体的には、
図3を参照すると、実施形態は、AF駆動時、z軸を基準に上側方向であるZ1方向に移動されるだけでなく、Z2方向に移動されることができる。
図9を参照すると、両方向のAF駆動のための一実施形態を把握することができる。このような実施形態において、第1のコイル部320に電源が印加されていない正常状態では、ユーザが最も多く被写体を撮影する距離である50cmから1mの間の付近で電流及び/または電圧の消耗値が最小となるように設計することができる。上側方向のボビン210の移動距離Z1が下側方向のボビン210の移動距離Z2よりも大きく設計されることが、効率的な電源の使用のために、好ましいが、これに限定されるものではない。ここで、
図8に示された電流値、または変位(Displacement)は、一例を示すだけであって、各構成要素の重量、環境に応じて異ならせて設計することができる。
【0104】
一方、実施形態に係るレンズ駆動モータは、カメラモジュールに取り付けることができ、このようなカメラモジュールは、携帯電話またはノート型パソコン、カメラ付き携帯電話、PDA、スマート、トイ(toy)などの多様なマルチメディアの分野、ひいては、監視カメラやビデオテープレコーダーの情報端末などの画像入力機器に備えられることができる。
【0105】
要するに、実施形態に係るレンズ駆動モータがカメラモジュールに備えられる場合、前記カメラモジュールは、図示していないが、レンズ部、フィルタ、印刷回路基板、及びイメージセンサなどをさらに含むことができる。
【0106】
前記ボビンには、レンズ部(図示せず)が結合されてカメラモジュールに組み立てることができ、前記レンズ部は、レンズバレルであってもよく、これに限らず、レンズを支持できるホルダー構造であれば、どちらでも含めることができる。実施形態は、前記レンズ部がレンズバレルである場合を例に挙げて説明する。
【0107】
前記レンズ部は、前記ベース350の上側に設けられており、前記フィルタ360、または、後述するイメージセンサと対応する位置に配置される。このようなレンズ部は、1つ以上のレンズ(図示せず)が備えられる。
【0108】
前記ボビン210は、前記レンズ部と結合されて前記レンズ部を固定し、このようなレンズ部とボビン210との結合方式は、図示しているように、ねじ山を、ボビン210の内周面とレンズ部の外周面210aに、それぞれ形成するねじ山結合方式を用いることもできるが、接着剤を用いる無ねじ山方式により結合することもできる。もちろん、ネジ山結合方式でも、ネジ山締結後、接着剤を用いて、相互間にさらに堅固な装着を図ることもできる。
【0109】
前記フィルタ360は、前記ベース350の中央に形成された通孔ホールに装着することができ、赤外線フィルタ(Infrared Ray Filter)、またはブルーフィルタが備えられる。また、前記フィルタ360は、例えば、フィルム材質、またはガラス材質で形成されてもよく、撮像面保護用のカバー硝子、カバーガラスなどの平板状の光学的フィルタ360に赤外線遮断コーティング物質などが配置されてもよい。また、前記ベース350のほか、さらに、前記ベース350の下部に別途のセンサホルダーが位置してもよい。
【0110】
一方、フィルタ360が、レンズの外側に設けられる場合にあっては、フィルタ360を別途に構成することなく、レンズ面にコーティング処理して、赤外線の遮断を可能にすることもできることは、もちろんである。
【0111】
前記印刷回路基板(図示せず)は、上側面の中央部にイメージセンサ(図示せず)が実装されており、カメラモジュールを駆動するための各種の素子(図示せず)が実装されている。
【0112】
前記イメージセンサ(図示せず)は、前記レンズ部に収容された1つ以上のレンズ(図示せず)と、光軸方向に沿って位置できるように、前記印刷回路基板の上側面の中央部に実装することができる。このようなイメージセンサは、レンズを介して入射された対象物の光信号を電気信号に変換する。
【0113】
上述したように、本発明の実施形態に係るレンズ駆動モータ及び/またはカメラモジュールは、ボビンが、ティルティングと、高さ方向の移動を具現することができるため、構造が単純になり、小型化が可能であり、製品コストが節減され、印加される電源の効率が向上できる利点がある。
【0114】
以上、上記の説明により、当業者であれば、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で様々な変更及び修正が可能であることが分かり、本発明の技術的範囲は、実施例に記載された内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲及びそれに均等な範囲によって定められるべきである。