(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
一例において、増幅器システムは、入力電圧の増幅されたバージョンである出力電圧を生成するように構成される電圧増幅器であり得る。例えば、入力電圧は、フィードバックを介して提供される差動電圧であり得る。増幅器システムは、利得段、電流制限段、及び出力段を含み得る。利得段は、入力電圧に基づいて、シンク電流又はソース電流などの利得電流を導通するように構成され得る。例えば、入力電圧は、利得電流を導通させるために利得段における一つ又は複数のトランジスタを活性化し得る。出力段は、利得段に結合され、利得電流に基づく出力電流を生成するように、及び出力電流に基づいて出力電圧を提供するように構成される。
【0010】
電流制限段は、電流制限状態に関連付けられる利得電流の制限振幅を規定するように構成され得、電流制限状態は、出力電流に関連付けられる電流振幅制限に対応する。例えば、電流制限段は、差動入力電圧を構成する2つの電圧間の差に基づいて利得電流をシンク及び/又は利得電流をソースするように構成される電流制限段を含み得る。例えば、利得段は、電流制限状態の間、それぞれ、シンク利得電流又はソース利得電流を導通させるため相互に排他的に活性化される、クロス結合されたトランジスタのセットを含み得る。電流制限段は、利得電流(例えば、シンク及び/又はソース電流)を生成するように構成され、出力電流が、利得電流の規定された制限に比例する振幅制限を有するように、電流ミラーを介する利得電流に関連付けられる制限振幅を規定し得る。
【0011】
図1は、増幅器システム10の一例を図示する。増幅器システム10は、入力電圧V
INに関連して増大された振幅を有する出力電圧V
OUTを提供するように実装され得るなど、電圧増幅器に対応し得る。例えば、増幅器システム10は、ハードディスクドライブ(HDD)システムにおけるデュアルステージアクチュエータドライバ用など、種々の電子機器用途において実装され得る。
【0012】
増幅器システム10は、それぞれ、電圧V
DD及び接地として
図1に示す高電圧レール及び低電圧レールに基づいて、少なくとも一つの所定の基準電圧を設定するように構成される基準段12を含む。例えば、電圧V
DDは約5ボルトであり得る。増幅器システム10はまた、複数のトランジスタ16を含む少なくとも一つの利得段14を含む。利得段14は、入力電圧V
INに基づいて生成される利得電流を導通するように構成される。例えば、トランジスタ16は、利得電流を導通させるため入力電圧及び基準電圧に基づいて活性化され得る。また、例えば、トランジスタ16は、利得段14の第1の利得段の一部として2対のクロス結合されたトランジスタを含み得、各対の第1のトランジスタが一つ又は複数の基準電圧の一つにより制御され、各対の第2のトランジスタが入力電圧V
INに基づいて制御される。例えば、入力電圧V
INは、フィードバックを介して提供される第1の電圧及び第2の電圧を有する差動入力電圧V
INであり得る。
【0013】
利得段14の第1の利得段が、入力電圧V
INに基づいてシンク利得電流又はソース利得電流として利得電流を導通するように構成され得る。例えば、利得段14の第1の利得段は、入力電圧V
INの差動電圧間の正の差に基づいてソース利得電流として、又は入力電圧V
INの差動電圧間の負の差に基づいてシンク利得電流として、利得電流を提供し得る。また、例えば、利得段14の第1の利得段は、差動入力電圧V
INの第1及び第2の電圧間の差が所定の閾値を超えることに応答して、トランジスタ16のクロス結合されたトランジスタの所与の一対を相互に排他的に活性化するように構成され得る。
【0014】
増幅器システム10はまた、利得電流に基づいて出力電流を生成するように構成される出力段18を含む。例えば、出力段18は、少なくとも一つの電流ミラーを含む利得段14の第2の利得段に結合され得、ミラーされた利得電流が出力段18における少なくとも一つのトランジスタを制御し得るように、トランジスタ16におけるクロス結合されたトランジスタにおける対の各々において第1のトランジスタからの利得電流を導通するように構成され得る。出力段18は、ミラーされた利得電流により制御されるトランジスタのソースフォロワ配置を含み得、そのため、トランジスタのソースフォロワ配置が、入力電圧V
INの増大された大きさに対応する出力電圧V
OUTを提供するために出力ノード20(それぞれ、電圧V
Pによりソースされるか又は電圧V
Nまでシンクされるなど)を介して出力電流を導通するように構成され得る。例えば、電圧V
Pは、約17.5Vなど、電圧V
DDの振幅より大きい振幅を有し得る。例えば、出力電流は、利得段14におけるトランジスタ間のそれぞれのゲート幅と、出力段18におけるトランジスタのソースフォロワ配置とに基づく利得電流に比例し得る。また、出力段18におけるトランジスタのソースフォロワ配置は、或る電圧増幅器用途において要求され得るなどの、出力ノード20に関して低い出力インピーダンスを提供し得る。
【0015】
図1の例において、増幅器システム10は、増幅器システム10又は関連する電子機器への損傷を実質的に防ぐために、電流制限状態の間、出力電流の振幅を制限するように構成される少なくとも一つの電流制限段22を更に含む。電流制限状態において、出力電流は、出力ノード20から低電圧レール(例えば、接地)への短絡又は非常に低い抵抗電流経路に応答するなど、増幅器システム10から出力ノード20を介して、又は、最大振幅で出力段18を介し、出力ノード20を介し、増幅器システム10内に、流れる。電流制限段22は、利得段14が導通する利得電流を提供するように、及び利得電流の振幅制限を規定し、そのため、利得電流に関した出力電流の比例関係に基づいて出力電流の振幅を制限し得るように、構成される電流ミラーを含み得る。
【0016】
例えば、電流制限段22は、利得段14を介して利得電流を導通するようにそれぞれ構成される、ソース電流制限段及びシンク電流制限段を含み得る。ソース及びシンク電流制限段22の各々は、利得電流の最大振幅を規定し得る所定の電流を導通する電流ミラーを含み得る。従って、出力電流が利得電流に比例するので、出力電流は、電流制限段22により規定されるように、利得電流の振幅制限に比例する最大振幅を有し得る。従って、電流制限状態に応答して、出力電流は電流制限段22により設定される最大振幅を有し得る。
【0017】
図2は、増幅器回路50の一例を図示する。増幅器回路50は、
図2において第1の電圧V
IN_N及び第2の電圧V
IN_
Pとして示す差動入力電圧に関連する増大された振幅を有する出力電圧V
OUTを提供するために電圧増幅器に対応し得る。例えば、増幅器回路50は、HDDシステムにおけるデュアルステージアクチュエータドライバにおいて実装され得る。また、例えば、増幅器回路50は、
図1における増幅器システム10に対応し得る。従って、
図1は
図2の下記の詳細な説明により参照される。
【0018】
図2の例において、第1の入力電圧V
IN_N及び第2の入力電圧V
IN_Pは、pチャネル金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(P−FET)P
1及びP
2のそれぞれのゲートに提供される。P
1は、電流源52及び第1の制御ノード54を相互接続し、P
2は、電流源52及び第2の制御ノード56を相互接続する。電流源52は、V
DDからの電流I
1を導通するように構成される。入力電圧V
IN_P及びV
IN_Nは、通常動作状態を確立するためにフィードバックに基づくなど、増幅器回路50の定常状態通常動作状態の間、ほぼ等しくなり得る。別の例において、入力電圧V
IN_Pが1ボルト未満(例えば、約900mV)などの所定の振幅に実質的に固定され得、入力電圧V
IN_Nが、入力電圧V
IN_Pの振幅辺りで変化する振幅(例えば、入力V
IN_Pの+/−700mV)を有し得るように、増幅器回路50が反転増幅器として構成され得る。入力電圧V
IN_N及びV
IN_Pは、それぞれ、第1の制御ノード54上の電圧V
SW1及び第2の制御ノード56上の電圧V
SW2を提供するために、飽和領域においてP
1及びP
2を動作させ得る。
【0019】
増幅器回路50は基準段58を含み、基準段58はnチャネル金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(N‐FET)N
1及びP‐FET P
3を含み、これらは、各々、直列にダイオード接続され、第1の基準ノード60及び第2の基準ノード62を相互接続する。電流源64が、電圧V
DDからN
1及びP
3を介して、及びP
3に及びN
2及び接地に結合されるダイオード接続N‐FET N
3に結合されるダイオード接続N‐FET N
2を介して、基準電流I
REFを提供する。電圧V
DDと低電圧レール(接地として
図2に示す)との間のN
1、P
3、N
2、及びN
3のダイオード接続に基づいて、基準ノード60及び62は、実質的に一定であるそれぞれの基準電圧V
REF1及びV
REF2を有する。
【0020】
また、N
2のゲートは、N‐FET N
4及びN‐FET N
5のそれぞれのゲートに結合され、N
3のゲートは、N‐FET N
6及びN‐FET N
7のそれぞれのゲートに結合される。従って、N
6及びN
7は、N
3に関して電流ミラーとして配される。N
2、N
4、及びN
5は、それぞれ、N
3、N
6及びN
7に関してカスコード段として配される。第1の制御ノード54は、N
4のソース及びN
6のドレインを相互接続し、第2の制御ノード56は、N
5のソース及びN
7のドレインを相互接続する。P
5がP
4に関して電流ミラーとして配されるように、N
4のドレインは、P‐FET P
5との共通ゲート接続及び共通ソース接続(例えば、電圧V
DDにおいて)を有するダイオード接続P‐FET P
4に結合される。その結果、基準電流I
REFは、電流I
M1及びI
M2が、電流I
REFのミラーされたバージョンから通常動作条件における電流I
1の2分の1を減じたものとなるように、電流I
M1としてP
4及びN
4を介して及び電流I
M2としてN
5を介してミラーされる。しかし、それぞれの制御ノード54及び56のN
4及びN
5のソースへの結合に基づいて、それぞれの制御ノード54及び56における電圧V
SW1及びV
SW2の相対的な大きさがN
4及びN
5の活性化を制御し得る。そのため、電流I
M1及びI
M2の相対的な振幅は、それぞれの電圧V
SW1及びV
SW2の相対的な振幅に基づいて制御され得る。
【0021】
増幅器回路50はまた、第1の利得段66を含む。第1の利得段66は、N‐FET N
9との第1のバイアスノード68における共通ゲート接続を有するダイオード接続N‐FET N
8を含み、また、P‐FET P
7との第2のバイアスノード70における共通ゲート接続を有するダイオード接続P‐FET P
6を含む。従って、N
9及びP
7は、N
9及びP
6に関して電流ミラーとして動作する。
図2の例において、第1のバイアスノード68はまた、P
5のドレインに結合され、電圧V
B1を有する。第2のバイアスノード70はまた、N
5のドレインに結合され、電圧V
B2を有する。更に本願において詳細に説明するように、電圧V
B1及びV
B2は、電流I
M1及びI
M2により電圧V
SW1及びV
SW2を介して制御され、そのため、差動入力電圧V
IN_P及びV
IN_Νにより制御される。また、第1の利得段66は、それぞれ、基準電圧V
REF1及びV
REF2により制御されるN‐FET N
10及びP‐FET P
8を含み、そのため、基準段58におけるN
1及びP
3に関して電流ミラーとして配される。N
8が、ノード72において共通ソース接続を介してP
6に結合される。N
9、N
10、P
7、及びP
8のソースは全て、電圧V
COMを有するノード74において結合される。従って、N
9、N
10、P
7、及びP
8は、トランジスタのクロス結合された対として配され、本願において更に詳細に説明されるように、N
9及びP
8が、トランジスタのクロス結合された第1の対を構成し、N
10及びP
7が、クロス結合されたトランジスタの第2の対を構成する。
【0022】
増幅器回路50はまた、第1の電流制限段76及び第2の電流制限段78を含む。第1の電流制限段76は、ソース電流I
SRCとして利得電流を生成するように構成され、これが(N
9のドレインに提供されることにより)第1の利得段66に提供される。
図2の例において、第1の電流制限段76はダイオード接続P‐FET P
9を含み、ダイオード接続P‐FET P
9は、P‐FET P
10との共通ゲート接続を有し、及び電圧V
DDへの共通ソース接続を有する。従って、P
9及びP
10は電流ミラーとして協働する。第1の電流制限段76はまた、電流源80を含み、電流源80は、電圧V
DDからP
9を介して接地まで実質的に一定の電流I
L1を導通するように構成される。従って、実質的に一定の電流I
L1は、電流I
L1の振幅に基づいて、及び電流I
SRC(例えば、P
10を含む)の電流経路におけるトランジスタの相対的なゲート幅に基づいて、電流I
SRCのための最大振幅を規定し得る。
【0023】
同様に、第2の電流制限段78は、(P
7のドレインから提供されることにより)第1の利得段66から提供されるシンク電流I
SNKとして利得電流を生成するように構成される。
図2の例において、第2の電流制限段78は、N‐FET N
12との共通ゲート接続と接地への共通ソース接続とを有するダイオード接続N‐FET N
11を含む。従って、N
11及びN
12は電流ミラーとして協働する。第2の電流制限段78はまた、電流源82を含み、電流源82は、電圧V
DDからN
11を介して接地まで実質的に一定の電流I
L2を導通するように構成される。従って、実質的に一定の電流I
L2は、電流I
L2の振幅に基づいて、及び電流I
SNK(例えば、N
12を含む)の電流経路におけるトランジスタの相対的なゲート幅に基づいて、電流I
SNKのための最大振幅を規定し得る。
【0024】
増幅器回路50はまた、出力制御ノード88を介して結合される第2の利得段84及び出力段86を含む。第2の利得段84は、(a)ノード72及び出力制御ノード88を相互接続するキャパシタC
1と、(b)N
10及びP
8とを介して第1の利得段66に結合される。
図2の例において、第2の利得段84は、第1の利得段66におけるP
8のドレインにおいてN‐FET N
14との共通ゲート接続を有し、及び電圧V
N(例えば、約−17.5ボルトなどの負の電圧)への共通ソース接続を有する、ダイオード接続N‐FET N
13を含む。同様に、第2の利得段84は、第1の利得段66におけるN
10のドレインにおいてP‐FET P
12との共通ゲート接続を有し、及び電圧V
P(例えば、約17.5ボルトなど、電圧V
Nに等しく、電圧V
Nとは反対の電圧)への共通ソース接続を有する、ダイオード接続P‐FET P
11を含む。N
14及びP
12のドレインは、出力制御ノード88に結合される。従って、N
13、N
14、P
11、及びP
12はそれぞれ、第1の利得段66を介して利得電流を導通するように、及び出力制御ノード88を介して利得電流をミラーするように構成される電流ミラーとして協働する。例えば、N
14及びP
12は、固定の割合(例えば、それぞれ、N
13及びP
11のゲート幅の2倍のゲート幅)に基づくなど、それぞれ、N
13及びP
11に関連してより大きいゲート幅を有し得る。
【0025】
出力段86は、ソースフォロワ配置に構成されるN‐FET N
15及びN‐FET N
16を含み、そのため、関連する出力ノード90に関して低い出力インピーダンスを提供し得る。
図2の例において、N
15は、出力制御ノード88においてダイオード接続され、N
15及びN
16は、電流ミラー構成を提供するために共通ゲート及び共通ソースを有する。N
15及びN
16のソースは、出力電圧V
OUTを有する出力ノード90に結合され、N
16のドレインは電圧V
Pに結合される。出力段86はまた、N‐FET N
17を含み、N‐FET N
17は、第2の利得段84におけるN
13及びN
14のゲートに結合されるゲートを有し、ドレインにおける出力ノード90及びソースにおける電圧V
Nを相互接続する。従って、N
17は、N
13に関して電流ミラーとして配される。従って、N
16及びN
17は、第1の利得段66及び第2の利得段84を介して導通される出力電流に基づいて利得電流を導通するように構成される。例えば、N
16は、N
15のゲート幅より著しく大きい(例えば、N
15のゲート幅の約25倍の)ゲート幅を有し得る。同様に、N
17は、N
13のゲート幅より著しく大きい(例えば、N
13のゲート幅の約50倍の)ゲート幅を有し得る。更に、
図2の例において、ダイオードD
1が、それぞれ、アノードからカソードへN
15のソース及びドレインを相互接続する。例えば、ダイオードD
1は、N
15に関して寄生ダイオードとして構成され得る。ダイオードD
1は、本願において更に詳細に説明されるように、出力ノード90からの出力電流を導通するように構成される。
【0026】
図2の例において、特に、第1の利得段66、第2の利得段84、及び出力段86における、付加的な電流を増幅器回路50に示す。これ以降に記載される電流は、正の振幅に基づく電流フロー方向を有する。従って、本明細書に記載するように、負の振幅電流が、
図2に示すものとは反対方向の電流フローを示す。
【0027】
第1の例として、入力電圧V
IN_P及びV
IN_Nは、ほぼ等しくし得る(例えば、各々約900mVの振幅を有する)。応答において、
図2の例を参照して、電圧V
SW1及びV
SW2は、同様にほぼ等しい電流I
M1及びI
M2の振幅を提供するようにほぼ等しくし得る。従って、第1及び第2のバイアス電圧V
B1及びV
B2は、それぞれ、電圧V
REF1及びV
REF2にほぼ等しくし得、ノード72における電圧は、N
9及びP
7の飽和領域活性化を提供するために、電圧V
COMにほぼ等しくし得る。従って、N
10及びP
8のソースにおけるノード74における電圧V
COMの振幅に基づいて、N
10及びP
8もまた、各々飽和領域において活性化される。
【0028】
飽和領域におけるN
9、N
10、P
7、及びP
8の活性化に応答して、(a)電流I
SRC(例えば、約5μA)が第1の電流制限段76からN
9を介して提供され、及び(b)電流I
CC1(例えば、約39μA)が電圧V
PからP
11を介して提供される。電流I
CC1の第1の部分が、P
8及びN
13を介して電流I
CC2(例えば、約20μA)として電圧V
Nまで流れる。電流I
CC1の第2の部分が、電流I
LK(例えば、約19μA)として
図2に示され、P
7を介して電流I
SNK(例えば、約24μA)として第2の電流制限段78まで流すために、電流I
SRCと組み合わさる。また、P
11に関連するP
12の電流ミラー構成に基づいて、及びN
13に関連するN
14の電流ミラー構成に基づいて、(a)電流I
CC1が、電流I
GS1(例えば、約78μA)をP
12を介して流し、及び(b)電流I
CC2が、電流I
GS2(例えば、約40μA)をN
14を介して流す。電流I
GS2は、電流I
GS1の第1の部分であり得、電流I
GS1の第2の部分がN
15を介して流れ得、これは、
図2において、P
12及びN
14のそれぞれの活性化に基づく、第1の出力電流Ι
OT1(例えば、約38μA)として示される。
【0029】
また、N
16がN
15に関して電流ミラーとして配されるので、及びN
17がN
13に対する電流ミラーとして配されるので、第2の出力電流Ι
OT2がN
16を介して流れ、第3の出力電流Ι
OT3がN
17を介して流れる。更に、出力電流Ι
OT2及びΙ
OT3のそれぞれの部分が出力ノード電流Ι
OUTとして提供され、これは
図2において、出力ノード90から外部回路構成要素(例えば、キャパシタ)などへ流れるように示される。第3の出力電流Ι
OT3及び出力ノード電流Ι
OUTは、第2の出力電流Ι
OUT2及び第1の出力電流Ι
OUTの合計に等しくし得る。負のフィードバック状態において入力電圧V
IN_P及びV
IN_Nがほぼ等しい例において(例えば、出力電圧V
OUTは電圧フォロワ構成で入力電圧V
IN_Nとして結合され得る)、増幅器回路50は、外部回路構成要素から如何なる電流もソースすることなく又は外部回路構成要素から出力ノード90に如何なる電流もシンクすることなく、出力電圧V
OUTを提供し得る。従って、入力電圧V
IN_P及びV
IN_Nがほぼ等しい例において、第3の出力電流Ι
OT3(例えば、約1mA)が、第2の出力電流Ι
OT2(例えば、約962μA)及び第1の出力電流I
OT1の合計に等しくし得るように、出力ノード電流Ι
OUTはゼロにほぼ等しくし得る。
【0030】
別の例において、出力ノード90は接地又は基準電圧まで短絡し得、入力電圧V
IN_P及びV
IN_Nは、等しくない振幅を有し得る。例えば、入力電圧V
IN_Pは、入力電圧V
IN_Nより(例えば、約700mV)大きくし得る。入力電圧V
IN_PとV
IN_Nとの間の差に基づいて、電圧V
SW1は電圧V
SW2より大きくなり得、その結果、比較的低い振幅を有する電圧V
B1及びV
B2となり得る。電圧V
B1及びV
B2の振幅が減少するにつれて、(a)N
10及びP
7のクロス結合された対のP
7は、通常動作状態(例えば、前述のもの)の場合よりも強い活性化を有し(例えば、P
7は線形領域において動作し、電流I
SNKは最大(即ち、制限)振幅を達成し、その結果、より低い活性化抵抗R
DS_ONとなる)、及び(b)N
10及びP
7のクロス結合された対のN
10は、電流I
LKとしてI
SNKを導通させるためカスコード段として動作する。これは、電圧V
REF1及びV
B2間の差が増大する一方、電圧V
REF1は同じ振幅のままであり、一方、電圧V
COMが低減して、N
10及びP
7両方のゲート・ソース電圧が増大するためである。また、電圧V
B1とV
REF2との間の差が低減するので、電圧V
B1及びV
B2の一層低い振幅がN
9及びP
8の非活性化となり、これにより、N
9及びP
8両方のゲート・ソース電圧が減少する。
【0031】
N
9及びP
8に関するN
10及びP
7のクロスカップリングに基づいて、電圧V
B1及びV
B2の低い振幅に応答して電圧V
COMが低減し、そのため、同様にN
10及びP
7を活性化し、N
9及びP
8を非活性化する。従って、電流I
SRCが非活性化され、利得電流I
CC1の全体が、電流I
LK及びI
SNKとして接地までシンクされる(例えば、電流I
CC1、I
LK、及びI
SNKは、約1mAの振幅を備えて等しくし得る)。例えば、電流I
CC1、I
LK、及びI
SNKの振幅は、第2の電流制限段78においてN
11を介して流れる電流I
L2によって、及びそれぞれの電流I
CC1、I
LK、及びI
SNKが流れるトランジスタのそれぞれのゲート幅に基づいて、規定される最大振幅である振幅を有し得る。
【0032】
P
11に関連するP
12の電流ミラー構成に基づいて、電流I
CC1が電流I
GS1(例えば、約2mA)をP
12を介して流す。P
8の非活性化に基づいて、N−FET N
13、N
14、及びN
17も同様に非活性化され得る。従って、電流I
CC2、I
GS2、及びI
OT3はゼロとし得る。従って、電流I
GS1は、その全体が、第2の出力電流I
OT2(例えば、N
16の相対的なゲート幅に基づく約50mA)と組み合わされるべき第1の出力電流Ι
OT1としてN
15を介して流れ得る。また、従って、出力ノード電流Ι
OUTは、第2の電流制限段78により規定されるように、利得電流I
SNKの振幅制限(例えば、1mA)に基づいて最大振幅(例えば、約52mA)まで制限された振幅で出力ノード90から流れ得る。従って、第2の電流制限段78により規定された出力ノード電流Ι
OUTの振幅制限は、増幅器回路50に対する及び/又は出力ノード90に結合される回路構成要素に対する損傷を実質的に緩和し得る。
【0033】
更に別の例として、出力ノード90は、接地又は基準電圧まで短絡し得、入力電圧V
IN_Nは、入力電圧V
IN_Pより(例えば、約700mV)大きくし得る。入力電圧V
IN_PとV
IN_
Nとの間の差に基づいて、電圧V
SW2は電圧V
SW1より大きくなり得、そのため、比較的高い振幅を有する電圧V
B1及びV
B2となり得る。電圧V
B1及びV
B2が振幅において増大すると、N
9及びP
8のクロス結合された対のN
9は、通常動作状態の場合(例えば、前述のもの)よりも強い活性化を有し(例えば、N
9は線形領域において動作し、電流I
SRCは最大(即ち、制限)振幅を達成し、その結果、より低い活性化抵抗R
DS_ONとなる)、N
9及びP
8のクロス結合された対のP
8は、(
図2の例に関して負の)電流I
LKとしてI
SRCを導通させるためにカスコード段として動作する。これは、電圧V
REF2とV
B1との間の差が増大する一方、電圧V
REF2は同じ振幅のままであり、一方で、電圧V
COMが増大し、その結果、N
9及びP
8両方のゲート・ソース電圧が増大するためである。また、電圧V
B2とV
REF1との間の差が低減するので、電圧V
B1及びV
B2の一層高い振幅の結果、N
10及びP
7の非活性化となり、これにより、N
10及びP
7両方のゲート・ソース電圧が減少する。
【0034】
N
9及びP
8に関するN
10及びP
7のクロスカップリングに基づいて、電圧V
B1及びV
B2の高い振幅に応答して電圧V
COMが増大し、そのため、同様にP
8及びN
9を活性化し、N
10及びP
7を非活性化する。従って、電流I
SNKが非活性化され、利得電流I
SRCが第1の利得段66を介して電流I
LK(即ち、
図2の例に関して負である)及びI
CC2(例えば、電流I
SRC、I
LK、及びI
CC2は、約1mAの振幅を備えて等しくし得る)として提供される。例えば、電流I
CC2、I
LK、及びI
SRCの振幅は、第1の電流制限段76においてP
9を介して流れる電流I
L1によって、及び、それぞれの電流I
CC2、I
LK、及びI
SRCが流れるトランジスタのそれぞれのゲート幅に基づいて、規定される最大振幅である振幅を有し得る。
【0035】
N
13に関連するN
14の電流ミラー構成に基づいて、電流I
CC2は、電流I
GS2(例えば、約2mA)をN
14を介して流す。N
10の非活性化に基づいて、P-FET P
11及びP
12も同様に非活性化され得る。従って、N
15及びN
16も非活性化され得る。従って、電流I
CC1、I
GS1、及びI
OT2はゼロとし得る。従って、電流I
GS2は、出力ノード電流Ι
OUT(即ち、
図2の例に関して負である)の一部として出力ノード90から第1の出力電流Ι
OUT(即ち、
図2の例に関して負である)としてダイオードD
1を介して流れ得る。出力ノード電流Ι
OUTの残りが第3の出力電流Ι
OT3として提供され得る(例えば、N
17の相対的なゲート幅に基づいて約50mA)。従って、出力ノード電流I
OUTは、第1の電流制限段76により規定されるように、利得電流I
SRCの振幅制限(例えば、1mA)に基づいて、最大振幅(例えば、約52mA)まで制限される振幅で出力ノード90に流れ得る。従って、第1の電流制限段76により規定された出力ノード電流I
OUTの振幅制限は、増幅器回路50に対する及び/又は出力ノード90に結合される回路構成要素に対する損傷を実質的に緩和し得る。
【0036】
図3は、HDDシステム150の一例を図示する。HDDシステム150は、ハードディスクドライブにデータを書き込むため及びハードディスクドライブからデータを読み出すために種々のコンピュータ用途において実装され得る。HDDシステム150は、データが書き込まれ得る及びデータが読み出され得る回転磁気ストレージ媒体として機能する磁気ディスク152を含む。HDDシステム150はまた、ディスク書き込み/読み出しオペレーションの間、磁気ディスクを回転させるように構成されるスピンドルモーター(SPM)154を含む。ヘッド156が、磁気ディスク152の上の位置決めに基づいて磁気ディスク152に関して読み出し/書き込みオペレーションを実施するように構成される。ヘッド156の位置決めは、音声コイルモーター(VCM)158及びデュアルステージアクチュエータ(DSA)160により正確に提供され得る。DSA160は、HDDシステム150を制御するように構成される制御電子機器164の一部として集積回路(IC)の少なくとも一部として実装され得るなど、サーボコントローラ162からアクチュエータ信号を受け取ることができる。サーボコントローラ162は、VCM158を制御するように構成されるVCMドライバ166、SPM154を制御するように構成されるSPMドライバ168、及びDSA160を制御するように構成されるDSAドライバ170を含む。
図3の例において、DSAドライバ170は電圧増幅器172を含む。例えば、電圧増幅器172は、
図1の例における増幅器システム10又は
図2の例における増幅器回路50に実質的に類似して構成され得る。
【0037】
例えば、DSAドライバ170は、電圧増幅器172により増幅され得るアクチュエータ信号を、磁気ディスク152の上のヘッド156の正確な位置決めを提供するためにDSA160に提供するように構成され得る。従って、電圧増幅器172は、差動入力電圧など、入力電圧に対応する増幅された出力電圧を提供し得る。また、電圧増幅器172は、少なくとも一つの電流制限段を含むことによるなど、出力電流に関する電流制限を示すように構成され得る。従って、過剰電流からの電圧増幅器172への及び/又はDSA160への損傷は、短絡されている電圧増幅器172の関連する出力などに基づいて、実質的に緩和され得る。
【0038】
本発明の特許請求の範囲内で、説明した例示の実施例に変形が成され得、他の実施例が可能である。