(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記処理部には、出入口における開閉部の開閉をロック/アンロックするロック/アンロック機構と、このロック/アンロック機構のロック/アンロック状態を切換制御する切換制御手段とが備えられていることを特徴とする請求項1に記載の起動・受動システム。
【背景技術】
【0002】
従来、何らセキュリティー対策がされていない出入口等においては、人の到来を温度や重量による圧力等により感知して開閉を行うようにしている。窓や扉などの開閉装置の場合には鍵を用いることで、外側からも内側からも開錠や施錠ができる。しかしながら、窓や扉の施錠のし忘れが発生すると、外部から容易に不審者に入られてしまう。機械式やカード式のカギの場合、盗難にあった際に、不正に開錠される恐れがある。
【0003】
出入口に、手のひらや指紋による生体認証によるセキュリティー対策を施した場合には、精巧に作られた疑似指紋などによって不正認証される恐れがある。
【0004】
更に、セキュリティシステムを導入した場合、未使用時の省電力化が重要であるが、こまめに電源オンオフ制御することは難しい。また、多く利用されている加速度センサ、近接センサで人の動作によって電源を起動するシステムは、容易に実現できるが、誤起動が発生しやすく省電力に課題がある。
【0005】
また、人体近傍のエリアで行う近距離無線を用いたセキュリティシステムの場合では、誤った起動によって、気付かない間に不特定多数の人に通信が行われてしまう恐れがある。機械式のボタンを実装した場合は、電源のオンオフを行うためにユーザの手間がかかり、サイズやコスト面でも不利となる。
【0006】
特許文献1には、スイッチオン時に流れる電流を抑制して、スイッチの開閉状態検出装置を備えた電子機器の低消費電力化を図ることが開示されている。この発明では、また、確実に検出電流を流すことにより検出精度の向上を図っている。
【0007】
特許文献2には、ガラスエポキシ素材等の誘電体基板の表裏面に設けられる一対の第1、第2の電極間に外付けコイルを接続し、この外付けコイルを介して各電極にICチップ4を接続してデータ送受信機を携帯型に構成することが開示されている。
【0008】
更に、この特許文献2の発明では、高周波電力を発生する固定式データ送受信装置の電極をドアのノブ等に設定し、上記携帯式データ送受信機を携帯した人が、ノブ等の電極に触ると、上記ICチップに起動電力が生じて上記ICチップに記憶するデータが第2の送受信装置に伝送されるようにするというものである。
【0009】
また、特許文献3には、外部受信機の電力消費を低減することができる送受信システムが開示されている。この発明では、起動スイッチ4aがオン操作されると、ICカード2aに対する起動信号コードを読出して送信装置7及びアンテナコイル8を介して起動信号を送信するホルダ1のマイコン6が備えられている。また、ICカード2aのマイコン11は、アンテナコイル14及び受信装置12を介して起動信号を受信し、通信装置16側にIDコードを応答信号として送信する。
【0010】
更に、上記特許文献3では、通信装置16が、アンテナコイル21及び受信装置19を介して応答信号を受信し、受信した応答信号を予め記憶されたIDコードと照合して、両者が一致すると制御信号を処理装置20に与える構成を採用している。そして、制御信号を与えられた処理装置20は、ドアロックを解除するものである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明に係る起動・受動システムの実施形態を説明する。各図において、同一の構成要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図1に、第1の実施形態に係る起動・受動システムの起動装置10と受動装置20の配置構成図を示す。この実施形態では、家100のドア1におけるドアノブ2とは異なる位置に、起動装置10が設けられている。ドア1は、ヒンジ4によりドア枠3に結合されており、ヒンジ4が設けられたドア縦枠3Aを中心に回転する。ドアノブ2に近いドア縦枠3Bの例えばやや上部側に受動装置20が設けられている。本実施形態の起動・受動システムを通常のドア1の施錠として用いる場合には、起動装置10と受動装置20は、共に侵入者からは分らないように或いは見えないように取り付けられていることが望ましい。
【0017】
第1の実施形態に係る起動・受動システムの機能ブロック図を
図2に示す。起動装置10には、第1の熱発電素子11と、第1の微弱電圧昇圧IC12と、第1の通信手段である送信部13とを備える。第1の熱発電素子11は、例えばペルチェ素子などにより構成されるもので、人または動物の熱を受けて発電する。ここでは、ドアノブ2とは異なるドア1の外面位置に第1の熱発電素子11の加熱面が設けられ、人が加熱面に触れると冷却面との温度差に応じて電流が流れ、電圧を取り出すことができる。
【0018】
第1の微弱電圧昇圧IC12は、上記第1の熱発電素子11により発電された電力を受けて所定電圧へ昇圧する微弱電圧昇圧回路の一例である。第1の微弱電圧昇圧IC12は、電圧昇圧部12Bと電圧制御部12Aとから構成され、電圧制御部12Aにおいて昇圧する電圧を設定し、この設定に基づいて電圧昇圧部12Bが昇圧を行う。上記第1の熱発電素子11により発電された電圧は40mV以下であるのに対し、第1の微弱電圧昇圧IC12により昇圧された後には1.0Vや5.0Vなど、通常の電子装置の電源電圧として用いることができる程度まで昇圧される。
【0019】
第1の微弱電圧昇圧IC12により昇圧された電圧は、送信部13へ与えられる。送信部13は、第1の微弱電圧昇圧IC12の電圧により動作開始して起動信号を送信する。
【0020】
受動装置20には、第2の通信手段である受信部21と、制御部22と、ロック/アンロック機構23とが設けられている。受信部21は、上記送信部13から送られた起動信号を受信するものである。制御部22とロック/アンロック機構23は、処理部24を構成する。処理部24は、受信された上記起動信号に基づき予め定められた処理を行うものである。
【0021】
処理部24に設けられているロック/アンロック機構23は、出入口における開閉部の開閉をロック/アンロックする機構であり、ここではドア1が閉じた状態においてアンロックであり自由に開けたり閉めたりできるアンロック状態と、ロックし開けることができないロック状態を現出する。制御部22は、ロック/アンロック機構23のロック/アンロック状態を切換制御する切換制御手段として機能するものである。
【0022】
本実施形態では、受動装置20に、第2の熱発電素子25と第2の微弱電圧昇圧IC26が設けられている。第2の熱発電素子25の加熱面は、受動装置20が設けられている位置(ドア1の内側に相当するドア枠3Bの内側に設けられる。第2の熱発電素子25は、第1の熱発電素子11に等しく、第2の微弱電圧昇圧IC26は第1の微弱電圧昇圧IC12に等しいもので、微弱電圧昇圧回路の一例である。従って、第2の熱発電素子25の加熱面に人が触れると冷却面との温度差に応じて電流が流れ、電圧を取り出すことができ、第2の微弱電圧昇圧IC26で所定電圧まで昇圧され、指示信号出力部27へ電源供給される。
【0023】
指示信号出力部27は、電圧の供給を受けると、制御部22へ指示信号を与える。制御部22は、上記指示信号を指示信号出力部27から与えられると、ロック/アンロック機構23がロック状態となるように制御を行う。また、受信部21が受信した起動信号が制御部22へ与えられると、ロック/アンロック機構23がアンロック状態となるように制御を行う。
【0024】
受動装置20の受信部21、制御部22、ロック/アンロック機構23など、指示信号出力部27以外の動作電力は、電力供給部28から供給されるものとすることができる。
【0025】
以上のように構成された起動・受動システムにおいては、第1の熱発電素子11の加熱面に人の手などが触れた場合には、
図3に示すフローチャートに対応する動作が行われ、第2の熱発電素子25の加熱面に人の手などが触れた場合には、
図4に示すフローチャートに対応する動作が行われる。以下に、これらのフローチャートに従って動作の説明を行う。
【0026】
第1の熱発電素子11の加熱面に人の手などが触れると(S11)、第1の熱発電素子11による発電が行われ、第1の微弱電圧昇圧IC12による電圧の昇圧が行われ(S12)、送信部13への電圧供給がなされる(S13)。これにより、送信部13からは起動信号が送信される(S14)。次に起動信号は制御部22が受け取り(S15)、制御部22がロック/アンロック機構23を制御してアンロック状態を現出させる(S16)。
【0027】
他方、第2の熱発電素子25の加熱面に人の手などが触れると(S21)、第2の熱発電素子25による発電が行われ、第2の微弱電圧昇圧IC26による電圧の昇圧が行われ(S22)、指示信号出力部27への電圧供給がなされる(S23)。これにより、指示信号出力部27からは指示信号が出力される(S24)。次に指示信号は制御部22が受け取り(S25)、制御部22がロック/アンロック機構23を制御してロック状態を現出させる(S26)。
【0028】
第2の実施形態の構成図を
図5に示す。第2の実施形態では、起動装置10Aが認証部14を有し、認証結果が適正であれば送信許可信号が送信部13へ出力され、認証結果が不適正であれば送信不許可信号が送信部13へ出力される。認証部14は、起動信号に基づき予め定められた処理を行う処理部であり起動装置に設けられたものである。
【0029】
認証部14は、顔認証、指紋認証、静脈認証などどのような手法を採用するものであっても良い。認証部14には、当該ドア1のアンロックを許可された人の比較情報が記憶されており、入力された情報との比較を行い、認証結果を出力する。本実施形態の構成によれば、起動装置10における第1の熱発電素子11の加熱面に第3者の手などが触れたとしても、ロックが解除されことなく、不正な侵入を防ぐことができる。
【0030】
この実施形態では、起動装置10Aに認証部14を設けたが、受動装置20に認証部14と同じ認証部を設けても良い。このような構成によれば、ドア1のロックについても不正者によって行われることが無く安全である。更に、受動装置20には、通信部を制御部22に接続して、予め登録された電話番号へ或いはメールアドレスの通信先装置(例えば、警備会社等)へロック/アンロックが生じた(処理部により処理を行ったこと)ことを報知しても良い。このようにすると、よりセキュリティーの強化を図ることができる。
【0031】
図6には、第3の実施形態を示す概略図が示されている。この図は、動物飼育用の檻の出入口部を示している。起動装置10と受動装置20の構成は
図2に示した第1の実施形態のものに基本的に等しい。この起動・受動システムの起動装置10における第1の熱発電素子11が檻内のゲート或いは柵31の前の床32に設置される。また、ロック/アンロック機構23は、ゲート或いは柵31の所定部位に設けられる。また、ロック/アンロック機構23には、自動ドアの開放機構及び閉成機構も含まれている。更に、受動装置20のロック/アンロック機構以外は、例えば檻内ではなく、管理室などに設けられていることが望ましい。
【0032】
上記第3の実施形態の起動・受動システムによれば、動物が床32の部分に乗ると、第1の熱発電素子11の加熱面に熱体が触れ、第1の熱発電素子11による発電が行われ、第1の微弱電圧昇圧IC12による電圧の昇圧が行われ、送信部13への電圧供給がなされ、送信部13からは起動信号が送信される。
【0033】
起動信号は受動装置20の受信部21を介して制御部22が受け取り、制御部22がロック/アンロック機構23を制御してアンロック状態を現出させ、自動ドアの開放機構によりゲート或いは柵31が自動で開き、動物は外の外気飼育エリアに出ることができる。
【0034】
監視カメラなどで動物を監視し、ゲート或いは柵31から室内へ全ての動物が移動した後には、第2の熱発電素子25の加熱面に飼育員などの人の手などが触れると、既に説明した通り、制御部22がロック/アンロック機構23を制御し、自動ドアの閉成機構によりゲート或いは柵31が自動で閉じられ、ロック/アンロック機構23を制御してロック状態を現出される。
【0035】
このように、本第3の実施形態によれば、動物の飼育を安全に適切にすることができる。受動装置20には、前述の通り、認証部を設けて権限ある者による制御だけが可能とし、通信部を設けて予め登録された電話番号へ或いはメールアドレスへロック/アンロックが生じたことを報知しても良い。これにより二重に管理を強化することができる。
【0036】
起動装置10には、上記第1の通信手段である送信部13による起動信号の送信を時刻情報に基づき許可する起動信号送信制御手段が備えられていても良い。このようにすると、不適切な時間に不用意にゲート或いは柵31が開き、動物が外の外気飼育エリアに出るという事態を防止することが可能である。
【0037】
次に第4の実施形態を説明する。
図7に示すように、例えば、手すりやレバーなどのように人が手で握り易い手握部品41が設けられた機器40に起動装置10Bが備えられ、第2の熱発電素子11が上記手握部品41の表面に設けられている。受動装置20Bは、人Pが携帯する携帯端末によって構成される。
【0038】
起動装置10Bと受動装置20Bの内部構成は、
図8に示されるようである。起動装置10Bの構成は、第1の実施形態の起動装置10の構成に加えて、送信メッセージ記憶部15を有する処理部16が設けられている。この処理部16は、第1の熱発電素子11により発電された電力が上記第1の通信手段である送信部13に供給されたときに、予め定められた処理を行うものである。
【0039】
処理部16が備えている送信メッセージ記憶部15には、受動装置20Bへ送信して表示させるメッセージが記憶される。送信メッセージ記憶部15への記憶はパーソナルコンピュータを接続する等して行うことができ、送信メッセージ記憶部15から送信部13への出力は、送信メッセージ記憶部15がコントローラ機能を持つものとすることにより実現可能である。送信メッセージ記憶部15に記憶されるメッセージの内容には、特に限定はないが、職場などに用いるならば本日の予定や伝達事項などを挙げることができる。
【0040】
受動装置20Bは、第1の実施形態と同様の受信部21と、第1の実施形態には備えられていない処理部51が設けられている。処理部51は、スマートフォンやPDA(パーソナルディジタルアシスタント)などの携帯端末主要部構成52を有することができ、表示部53を備える。
【0041】
このように構成された第4の実施形態では、通信方式はBAN(Body Area Network)とすることができ、手握部品41を握るなどした人の身体を介して起動装置10Bから受動装置20Bへ送信がなされる。
【0042】
以上の構成の起動・受動システムでは、人が手握部品41を握るなどした場合には、第1の熱発電素子11による発電が行われ、第1の微弱電圧昇圧IC12による電圧の昇圧が行われ、送信部13への電圧供給がなされる。そこで、送信メッセージ記憶部15に記憶されているメッセージが送信メッセージ記憶部15から送信部13へ出力される。送信部13からは起動信号と共に送信メッセージ記憶部15から出力されたメッセージが送信される。送信メッセージ記憶部15の電力は、第1の熱発電素子11による発電に基づく電力以外に別に設けられた電源から供給するようにしても良い。
【0043】
起動信号及びメッセージは受信部21により受け取られ、携帯端末主要部構成52へ送られる。携帯端末主要部構成52はメッセージを表示データとして表示部53へ送ってメッセージの表示を行う。メッセージは携帯端末主要部構成52に保存しておき、必要なときに携帯端末主要部構成52へ指示を与えて表示部53に表示するようにしても良い。
【0044】
図9に、第5の実施形態の起動・受動システムの構成図を示す。本実施形態の起動装置10Cは、第4の実施形態の起動装置10Bに対し、処理部16に代えて処理部16Aが設けられている点が異なり、その他は同様の構成である。処理部16Aには、生体情報収集手段18、記憶手段19が設けられている。生体情報収集手段18は、生体情報を収集するもので、例えば、体温、心拍数、心電図信号などを収集する。収集する電極やセンサに該当する構成は起動装置10Cの外部に設けても良い。収集は適宜な時刻行われ、収集したデータはこのユーザID共に記憶手段19に記憶される。また、起動装置10Cは、ユーザが携帯するか腕に巻かれるなどのウエアラブルな状態とできる構成を有する。更に、第1の熱発電素子11の加熱面は、起動装置10Cの表面などに通常はユーザの身体に触れない側(通常状態で、第1の熱発電素子11による発電が生じない位置)に設けられる。
【0045】
受動装置20Cは、第4の実施形態と同様の構成を有するが、処理部51に代えて処理部51Aが設けられている。処理部51Aは、パーソナルコンピュータ程度のコンピュータ部55を主要構成とすることができ、少なくとも表示部53を備える。受動装置20Cは、職場などの健康管理部や、病院内のナースセンタなど、地域の健康管理センタに配置することができる。
【0046】
この構成によれば、生体情報収集手段18が所定時刻などに生体情報を収取し、記憶手段19に記憶している。起動装置10Cのユーザは、適宜なときに第1の熱発電素子11の加熱面に手を触れるなどしてこの面の温度を高める。第1の熱発電素子11の加熱面が加熱されると、第1の熱発電素子11による発電が行われ、第1の微弱電圧昇圧IC12による電圧の昇圧が行われ、送信部13への電圧供給がなされる。そこで、記憶手段19に記憶されている生体情報がユーザIDと共に送信部13へ出力される。
【0047】
送信部13からは起動信号と共に生体情報が送信される。生体情報収集手段18や記憶手段19の電力は、第1の熱発電素子11による発電に基づく電力以外に別に設けられた電源から供給するようにしても良い。
【0048】
起動信号及びユーザIDを含む生体情報は受信部21により受け取られ、コンピュータ部55へ送られる。コンピュータ部55は、ユーザIDを含む生体情報を保存しておき、必要なときの指示に応えて表示部53に表示する。コンピュータ部55はユーザIDを含む生体情報を受け取ったときに、表示データとして表示部53へ送って生体情報の表示を行うようにしても良い。
【0049】
上記では起動装置10Cにおいて生体情報を収集したが、
図10に示される第6の実施形態のように構成することができる。即ち、第6の実施形態は、起動装置10Dと受動装置20Dにより構成される。起動装置10Dには、起動装置10Cに送信部13に代えて送受信部13Aが設けられ、処理部16Aに代えて処理部16Bが設けられる。この第6の実施形態では、受動装置20Dにおいて生体情報を収集し、起動装置10Dにおいて生体情報の送信要求を受動装置20Dへ送り、受動装置20Dから生体情報を集める構成とすることができる。
【0050】
受動装置20Dでは、第2の通信手段として送受信部21Aが設けられる。動装置20Dには、生体情報収集手段57、記憶手段56を有する処理部51Bが設けられている。起動装置10Dの処理部16Bには、コンピュータ部61と、少なくとも表示部62が備えられる。この構成では、生体情報収集手段57が所定時刻などに生体情報を収集しユーザIDと共に、記憶手段56に記憶している。
【0051】
起動装置10Dのユーザは適宜なときに第1の熱発電素子11の加熱面に手を触れるなどして、第1の熱発電素子11の加熱面が加熱されると、第1の熱発電素子11による発電が行われ、第1の微弱電圧昇圧IC12による電圧の昇圧が行われ、送受信部13Aへの電圧供給がなされる。これにより送受信部13Aからは起動信号が送信され、受動装置20Dの送受信部21Aが受け取る。
【0052】
送受信部21Aにおいて、起動信号は生体情報の送信要求として解釈される。送受信部21Aは、記憶手段56に記憶された生体情報をユーザIDと共に読み出し送信する。この生体情報はユーザIDと共に、起動装置10Dの送受信部13Aが受け取り、コンピュータ部61へ送る。コンピュータ部61は、ユーザIDを含む生体情報を保存しておき、必要なときの指示に応えて表示部62に表示する。コンピュータ部61はユーザIDを含む生体情報を受け取ったときに、表示データとして表示部62へ送って生体情報の表示を行うようにしても良い。
【0053】
以上のようにして受動装置20Dにおいて収集してある生体情報等の情報を、受動装置20Dの利用者の手を煩わせることなく、起動装置10D側の主導で的確に入手することができる。なお、第5の実施形態と第6の実施形態において、起動装置と受動装置に認証部も設けることは適宜なされても良い。また、受動装置に、予め登録された電話番号へ或いはメールアドレスの通信先装置へ、処理部の処理がなされた旨の通知を行うようにしても良い。
【0054】
また、以上において、起動装置または受動装置が、熱発電素子により発電した電力による電源で動作するように構成された実施形態では、熱発電素子により発電した電力を受けて起動したときに行う通信等の動作については、この熱発電素子による発電電力を用いるようにし、この起動時以外の動作を行う構成要素に対しては、熱発電素子に基づく電源以外の別電源を設けて動作させるようにすることができる。
【0055】
本発明は、街路やビルや大きな家の階段等の照明システムの実施形態を構成することができる。第1の熱発電素子と第1の微弱電圧昇圧回路と第1の通信手段を電柱や橋脚の手摺り或いは特別に設けた標識等に設ける。受動装置は1または複数の照明灯等である。人が第1の熱発電素子に触れると、受動装置の第2の通信手段が起動信号を受信し、この起動信号に基づき予め定められた処理を行う処理部が照明灯を点灯する。受動装置には、点灯時間を所定時間とするタイマが設けられていても良い。これにより、防犯と共に節電が期待される。
【0056】
本発明は、家や建物等の侵入検出システムの実施形態を構成することができる。第1の熱発電素子と第1の微弱電圧昇圧回路と第1の通信手段を塀や門や屋根の際等のように、侵入者が侵入する場合に手や体等を付けるであろう位置に設ける。受動装置はアラームの発生、警備会社への通報、照明器の点灯や監視カメラの撮像開始等を行う装置である。人が第1の熱発電素子に触れると、受動装置の第2の通信手段が起動信号を受信し、この起動信号に基づき予め定められた処理を行う処理部がアラームの発生、警備会社への通報、照明器の点灯や監視カメラの撮像開始を実行する。監視カメラにより撮像した映像は、受動装置において保存するか警備会社へ送信するかの少なくとも一方を行うことができる。これにより、防犯と共に節電が期待される。