(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
更に、コントローラアルゴリズムを含み、前記コントローラアルゴリズムは、(i)前記内側管状部材を所定の速度で駆動するために、且つ、(ii)前記内側管状部材を前記所定の速度で駆動することに対する抵抗を計算するために、回転速度信号に応答してモータ電圧を変更するように構成される、請求項8に記載の組織切除システム。
更に、前記計算された抵抗に応答する第2のアルゴリズムを含み、前記第2のアルゴリズムは、前記内側管状部材の遠位縁部が前記窓に対して選択された停止位置まで移動する運動量を許す所定の点のところで、前記モータを消勢するように構成される、請求項9に記載の組織切除システム。
前記第2のアルゴリズムは、前記計算された抵抗と、前記内側管状部材の停止運動と関連する運動量パラメータと相関した既知の抵抗のルークアップテーブルとを比較するように構成される、請求項11に記載の組織切除システム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、内視鏡の作業チャネル102を通して延びる組織摘出デバイス100と共に子宮鏡検査に使用される内視鏡50を含むアセンブリを示している。内視鏡又は子宮鏡50は、5mmから7mmまでの直径を有する細長いシャフト105に結合されたハンドル104を有する。内視鏡又は子宮鏡50内の作業チャネル102は、円形、D字形、又は任意その他の適切な形状とすることができる。内視鏡シャフト105は、光学系チャネル106と、流体流入源120に結合するか又は任意的に負圧源125に結合するように構成された弁コネクタ110a、110b(
図1〜
図2)と連通する1つ又はそれよりも多くの流体流入/流出チャネル108a、108b(
図3)とを有するように更に構成される。流体流入源120は、流体容器128と、子宮鏡50を通して子宮腔内に流体を汲み入れるポンプ機構130とを含む当業技術で公知の流体管理システム126(
図2)の構成要素である。
図2で分るように、流体管理システム126は、組織切除デバイス100に結合された負圧源125(手術室壁吸引源を含むことができる)を更に含む。内視鏡のハンドル104は、ビデオスコープカメラ135を作動的に結合することができる光学系を有する傾斜延長部分132を含む。更に、子宮鏡50のハンドル上の光結合器138に光源136が結合される。子宮鏡の作業チャネル102は、例えば、筋腫組織を治療及び除去するために、組織切除摘出デバイス100の挿入及び操作に向けて構成される。一実施形態において、子宮鏡シャフト105は21cmの軸線方向長さを有し、0°の視野又は15°から30°までの視野を含むことができる。
【0016】
尚も
図1を参照して、組織切除デバイス100は、子宮鏡内の作業チャネル102を通して延びるように構成された非常に細長いシャフトアセンブリ140を有する。組織切除デバイス100のハンドル142は、デバイスの電気手術作業端部145を操作するように構成される。使用時に、例えば、ターゲット筋腫組織を切除するように作業端部145の向けるために、ハンドル142は、回転方向と軸線方向の両方に操作することができる。組織切除デバイス100は、ターゲット組織の電気手術切除を可能にするために、デバイス100のハンドル142に結合されたサブシステムを有する。下記で詳細に説明するように、作業端部145によって担持される少なくとも1つのRF電極に高周波発生器又はRF源150とコントローラ155とが結合される。
図1に示す一実施形態において、ハンドル142内のコネクタ158に電気ケーブル156及び負圧源125が作動的に結合される。電気ケーブルは、RF源150を電気手術作業端部145に結合する。負圧源125は、組織摘出デバイス100のシャフトアセンブリ140内の組織摘出チャネル160と連通する(
図4)。
【0017】
図1は、膨張する流体が子宮腔から漏出するのを防止するために、組織切除デバイス100のシャフト140を作業チャネル102内に密封するための子宮鏡ハンドル104によって担持される可撓性シール164を担持する密封ハウジング162を更に例示している。
【0018】
図1に示すような一実施形態において、組織切除デバイス100のハンドル142は、下記で説明するように、電気手術作業端部145の切除構成要素を往復動させるか又は他に移動するためのモータドライブ165を含む。ハンドル142は、デバイスを作動させるための1つ又はそれよりも多くのアクチュエータボタン166を任意的に含む。別の実施形態において、デバイスを作動させる上で足踏みスイッチを使用することができる。一実施形態において、システムは、例えば、1Hz、2Hz、3Hz、4Hz、及び8Hzまでの複数の往復動速度を与えるスイッチ又は制御機構を含む。例えば、システムは、往復動切除スリーブを移動して、非延長位置と延長位置とに固定するための機構を含むことができる。更に、システムは、1回の往復動ストロークを作動させるための機構を含むことができる。
【0019】
図1及び
図4を参照して、電気手術組織切除デバイスは、管状切除デバイスの当業技術で一般に知られているように、組織を切除するために内部で往復動する(更に任意的に回転又は首振りする)ことができる第2又は内側のスリーブ175を含む通路又は管腔172を有する外面又は第1の外側スリーブ170を含む長手軸168の周りで延びる細長いシャフトアセンブリ140を有する。一実施形態において、外側スリーブ170内の組織受容窓176は、10mmと30mmの間の範囲にわたる軸線方向長さを有し、外側スリーブ170の周りにスリーブの軸168に関して約45°から210°までの放射角で拡張している。外側及び内側のスリーブ170及び175は、薄壁ステンレス鋼材料を含み、下記で詳細に説明するように反対の極性の電極として機能することができる。
図6A〜
図8は、外側及び内側のスリーブ170及び175によって担持され、スリーブのある一定の部分の間の無用電流の流れを制限、制御、及び/又は防止する絶縁層を例示している。一実施形態において、ステンレス鋼外側スリーブ170は、0.143’’(3.63mm)の外径を0.133’’(3.38mm)の内径と共に有し、内側の絶縁層(以下に説明する)を併せると0.125’’(3.17mm)の公称内径を有する。この実施形態において、ステンレス鋼内側スリーブ175は、0.120’’(3.05mm)の外径を0.112’’(2.84mm)の内径と共に有する。内側スリーブ175は、外側絶縁層と併せて管腔172内で往復動が行われるように約0.123’’(3.12mm)から0.124’’(3.15mm)までの公称外径を有する。他の実施形態において、外側及び/又は内側のスリーブは、金属、プラスチック、セラミック、又はその組合せで製作することができる。スリーブの断面は、円形、長円形、又は任意その他の適切な形状とすることができる。
【0020】
図4で分るように、内側スリーブ175の遠位端177は、付近にプラズマを発生させることができる遠位切除電極縁部180を有する第1の極性の電極を含む。この場合に、電極縁部180は、反対の極性の電極又は戻り電極よりも有意に小さい面積を有するので、この電極を組織切除中の活性電極として説明することができる。
図4における一実施形態において、外側スリーブ170の露出面は第2の極性の電極185を含み、使用中にそのような電極の面は、活性電極縁部180の機能性露出面積と比較して有意に大きい面積を有するので、この場合この電極を戻り電極として説明することができる。
【0021】
本発明の一態様において、内側スリーブ又は切除スリーブ175は、組織容積を電気手術的に迅速に切除し、その後に、非常に細長い管腔160を通して切除組織片を目詰まりすることなく安定して摘出するように構成された第1及び第2の内径を有する内部組織摘出管腔160を有する。ここで
図5及び
図6Aを参照して、内側スリーブ175は、ハンドル142(
図1)からスリーブ175の遠位領域192まで延びる第1の直径の部分190Aを有し、組織摘出管腔は、切除電極縁部180を含む電極スリーブ要素195によって定められるBの場所に示す縮小直径を有するより小さい第2の直径の管腔190Bに移行することを確認することができる。縮小断面管腔190Bの軸線方向長さCは、約2mmから20mmの範囲にわたるとすることができる。一実施形態において、第1の直径Aは0.112’’(2.84mm)であり、第2の縮小直径Bは0.100’’(2.54mm)である。
図5に示すように、内側スリーブ175は、導電性ステンレス鋼とすることができ、縮小直径電極部分も、溶接部196(
図6A)によって溶接固定されたステンレス鋼電極スリーブ要素195を含むことができる。別の代替実施形態において、電極及び縮小直径の電極スリーブ要素195は、内側スリーブ175の遠位端198内に圧入することができるタングステン管を含む。
図5及び
図6Aは、第1及び第2のスリーブ170、175それぞれによって担持された接合面間絶縁層202を更に例示している。
図6Aでは、外側スリーブ170は、PFA又は下記で説明する別の材料のような薄壁絶縁材料200で裏打ちされる。同様に、内側スリーブ175は、外面絶縁層202を有する。これらのコーティング材料は、内側スリーブ175の往復動中の摩擦を低減するために潤滑性、並びに電気絶縁性を有することができる。
【0022】
上述の絶縁層200及び202は、潤滑性が高い疎水性又は親水性のポリマー材料を含むことができる。例えば、材料は、PFA、TEFLON(登録商標)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、FEP(フッ素化エチレンプロピレン)、ポリエチレン、ポリアミド、ECTFE(エチレンクロロトリフルオロエチレン)、ETFE、PVDF、塩化ポリビニル、又はシリコーンのような生体適合性材料を含むことができる。
【0023】
ここで
図6Bに移ると、内側スリーブ175の別の変形がプラズマ電極縁部180を用いて切除されている組織容積と共に概略図に例示されている。この実施形態において、本発明の開示の他の実施形態と同様に、RF源は、当業技術で一般に知られているように、電極スリーブ195の電極縁部180の周りにプラズマを発生させるように選択される作動パラメータで作動する。従って、電極縁部180において発生するプラズマは、組織220内の経路Pを切除及び融除することができ、筋腫組織及び他の異常子宮組織を切除するのに適している。
図6Bでは、切除スリーブ175の遠位部分は、電極スリーブ195の遠位縁部180に近いセラミック環222を含む。セラミック222の環は、プラズマ形成を遠位電極縁部180の周りに拘束するように機能し、更に作動中にプラズマが切除スリーブ175上のポリマー絶縁層202に接触して、それを損傷するのを防止するように機能する。本発明の一態様において、電極縁部180におけるプラズマを用いて組織220内に切除された経路Pは、Wに示した融除幅Wを有する経路Pを含み、そのような経路幅Wは、組織の蒸発に起因してかなり広い。経路Pにおける組織のこの除去及び蒸発は、様々な従来技術デバイスの場合における鋭いブレード縁部を用いで類似の組織を切断する効果とは有意に異なる。鋭いブレード刃は、組織を分割することができるが(焼灼なく)、組織に機械力を印加し、大きい断面の組織塊が切断されるのを妨げる可能性がある。それとは対照的に、電極縁部180におけるプラズマは、組織に対していかなる実質的な力も印加することなく組織内で経路Pを蒸発させることができ、それによって大きい断面の組織塊又は組織片を切除する。更に、プラズマ切除効果は、組織摘出管腔160の縮小断面領域190B内に受け取られる組織片225の断面を縮小する。
図6Bは、縮小断面領域190Bに進入する組織片225を描示しており、この場合に、組織片225は、組織の蒸発に起因して管腔よりも小さい断面を有する。更に、組織225が大きい断面の管腔190Aに進入するときの組織断面は、組織片225の周りに一層大きい自由空間196をもたらす。従って、プラズマ電極縁部180を用いた組織の切除は、組織摘出管腔160の小さめの断面(190B)からより大きい断面(190A)への管腔移行と併せて、連続する切除組織片225が管腔内で目詰まりする可能性を有意に低減するか又は排除することができる。そのような小さい直径の組織摘出管腔を有する従来技術の切除デバイスは、一般的に組織の目詰まりに関連付けられた問題を有する。
【0024】
本発明の別の態様において、組織摘出管腔160の近位端に結合された負圧源225(
図1及び
図4を参照されたい)はまた、組織片225を近位方向にデバイスのハンドル142の外側にある収集リザーバ(図示せず)に吸引して移動するのを助ける。
【0025】
図7A〜
図7Bは、
図6Bの切除スリーブ175の管腔直径の変化を示している。
図8は、上述の管状電極要素195(
図5及び
図6A)とは対照的に、部分管状の電極切除要素195’を有するように構成された切除スリーブ175’の遠位端を示している。
図9A〜
図9Bは、ここでもまた、
図8の切除スリーブ175’の縮小断面領域190B’と拡大断面領域190A’の間の組織摘出管腔の断面変化を示している。この場合に、切除電極要素195’が管状又は部分管状のいずれであるかに関わらず、機能は同じままに留まる。
図8Aでは、セラミック環222’が、一変形において、切除電極要素195’の放射角と協働するようにスリーブ175’の周りで部分的にしか拡張しないように示されている。更に、
図8の変形は、セラミック環222’が、絶縁層202よりも大きい外径を有することを示している。この場合に、短い軸線方向長さのセラミック環222’が、外側スリーブ170の管腔172の内面の周りに接合面間絶縁層200に接合し、それに対して摺動することで摩擦を低減することができる。
【0026】
一般的に本発明の一態様は、軸を有する第1及び第2の同心スリーブを含む組織切除摘出デバイス(
図10A〜
図11C)を含み、第2の(内側)スリーブ175は、内部に軸線方向に延びる組織摘出管腔を有し、組織を切除するために軸線方向に非延長位置と延長位置との間で第1のスリーブ170内の組織受容窓176に対して移動可能であり、組織摘出管腔160は、第1及び第2の断面を有する。第2のスリーブ175は、第1のスリーブ170の組織受容窓176に配置された組織を切除するためのプラズマ電極縁部180として構成された遠位端を有する。更に、第2のスリーブの遠位端、より具体的には電極縁部180は、組織内の十分に幅広の経路のプラズマ融除に向けて構成される。一般的に組織摘出デバイスは、中間部分及び近位部分の断面よりも小さい縮小断面を有する遠位端部分を有する組織摘出管腔160を有するように構成される。
【0027】
図7A〜
図7B及び
図9A〜
図9Bを参照して、本発明の一態様において、組織摘出管腔160は、プラズマ切除先端又は電極縁部180の近くの管腔領域190B内に縮小断面積を有し、この縮小断面は、組織摘出管腔の中間部分及び近位部分190Aの断面積の95%、90%、85%、又は80%よりも小さい。子宮鏡下筋腫切除摘出のための組織切除デバイス100の一実施形態(
図1)では、組織切除デバイスのシャフトアセンブリ140は35cmインチである。
【0028】
図10A〜
図10Cは、外側スリーブ170内の組織受容窓176に対する3つの異なる軸線方向位置にある往復動切除スリーブ又は内側スリーブ175を有する組織切除デバイス100の作業端部145を示している。
図10Aには、切除スリーブ175は、切除スリーブ175がその近位運動限界にあり、かつ延長位置に遠位に向けて前進して窓176に位置決めされ及び/又はそこに吸引された組織を電気手術的に切除する準備が整った後退位置又は非延長位置にあるように示されている。
図10Bは、組織受容窓176に対する部分前進位置又は中間位置に遠位に向けて移動及び前進した切除スリーブ175を示している。
図10Cは、遠位運動限界に完全に前進して延長しきった切除スリーブ175を示しており、この場合に、プラズマ切除電極180は、組織受容窓176の遠位端226を超えて延長し、この時点で、切除組織片225が組織容積220から切り取られて縮小断面管腔領域190B内に取り込まれる。
【0029】
ここで
図10A〜
図10C、
図11A〜
図11C、及び
図12A〜
図12Cを参照して、本発明の別の態様は、複数の要素によって与えられる「組織変位」機構を含み、切除スリーブ175の管腔160内で組織片225を近位方向に「変位」及び移動するように処理し(
図12A)、それによって組織が内側スリーブ175の管腔を目詰まりさせないことを確実にする。
図10A及び
図11A〜
図11Cの拡大図で分るように、1つの組織変位機構は、外側スリーブ170に固定的に取り付けられた遠位先端232から近位方向に延びる突出要素230を含む。突出要素230は、外側スリーブ170及び遠位先端232によって定められる遠位チャンバ240内で中心軸168に沿って近位方向に延長している。
図11Aに示す一実施形態において、シャフト状の突出要素230は、第1の機能的態様において、切除スリーブ175が完全な前進位置又は延長位置に移動するときに、取り込まれた組織片225を切除スリーブ175の小断面管腔190Bから近位方向に押す(
図12A)ように機能する機械的押し込み器を含む。
【0030】
第2の機能的態様において、スリーブ170の遠位端内のチャンバ240は、作業空間から一定量の食塩水拡張流体244を取り込むように構成され(
図12A)、作業端部145の既存のRF電極は、取り込まれた流体244を爆発的に蒸発させて、切除されて切除スリーブ175の管腔160に配置された組織片225に対して近位に向けられた力を発生させるように更に構成される(
図12B及び
図12C)。これらの機能要素及び処理(組織変位機構)の両方は、チャンバ240における液体の爆発的蒸発により、取り込まれた組織片225に対して十分な機械力を印加することができ、組織片225を組織摘出管腔160内で近位方向に移動するように機能することができる。複数の機能要素と処理との組合せを使用することで、組織が組織摘出管腔160を目詰まりさせる可能性を事実上排除することができることが見出されている。
【0031】
より具体的に、
図12A〜
図12Cは、組織変位機構、及びチャンバ240内に取り込まれた流体のその後の爆発的蒸発の機能的態様を示している。
図12Aには、中間位置にあって遠位に向けて前進している往復動切除スリーブ175が示されており、この場合に、切除電極縁部180におけるプラズマは、切除スリーブ175の管腔160内に配置された組織片225を切除している。
図12A〜
図12Cでは、システムが、組織受容窓176に対する切除スリーブ175の往復動及び軸線方向運動範囲に対応する第1及び第2の電気手術モードで作動することを確認することができる。本明細書に使用する「電気手術モード」は、2つの反対の極性の電極のうちのどの電極が「活性電極」として機能し、どの電極が「戻り電極」として機能するかを意味する。「活性電極」及び「戻り電極」という用語は、当業技術における慣例に従って使用する用語であり、活性電極は、戻り電極よりも小さい面積を有し、従って、戻り電極は、RFエネルギ密度をそのような活性電極の周りにフォーカスする。
図10A〜
図11Cの作業端部145では、切除電極要素195及びその切除電極縁部180は、電極の周りにエネルギをフォーカスして組織切除に向けてプラズマを発生させるために活性電極を備えなければならない。組織を切除するためには、電極縁部180におけるそのような高強度の高エネルギプラズマが、
図12A〜
図12Bに示すストロークXを通して必要とされる。第1のモードは、内側切除スリーブ175が組織受容窓176を縦断するときの内側切除スリーブ175の軸線方向移動長さにわたって発生し、この縦断時に、外側スリーブ170の全外面は、185の場所に示す戻り電極を含む。
図12Aには、第1のRFモードの電界EFを一般的に示している。
【0032】
図12Bは、内側切除スリーブ175の遠位の前進又は延長が、組織受容窓176(
図12A)を完全に縦断した時点を示している。この時点で、電極スリーブ195及びその電極縁部180は、外側スリーブ170と遠位先端232とによって定められる大部分が絶縁された壁のチャンバ240内に閉じ込められる。この時点で、システムは、第2のRFモードに切り換わるように構成され、電界EFは、上述の第1のRFモードにおけるものから切り換わる。
図12Bで分るように、この第2のモードでは、チャンバ240と接合する遠位先端232の限られた内面区域250(
図12C)が活性電極として機能し、チャンバ240に露出する切除スリーブ175の遠位端部分が戻り電極として機能する。このモードでは、面250の周りで非常に高いエネルギ密度が発生し、そのような封じ込められた電界EFは、チャンバ240内に取り込まれた流体244を爆発的かつ瞬間的に蒸発させることができる。水蒸気の膨張は大きいとすることができ、従って、組織片225を組織摘出管腔160内で近位方向に移動するように、この組織片に対して膨大な機械力及び流体圧を印加することができる。
図12Cは、チャンバ240内に取り込まれた拡張流体244のそのような爆発的又は膨張的な蒸発を示しており、更に内側切除スリーブ175の管腔160から近位方向に吐出される組織片225を示している。
【0033】
図14は、切除スリーブ175の延長運動範囲にある活性電極及び戻り電極の相対面積を示しており、この場合にも非絶縁遠位端面250の面積が、戻り電極を含む電極スリーブの面255と比較して小さいことを示している。
【0034】
尚も
図12A〜
図12Cを参照して、RF源150及びコントローラ155に対する単一電力設定を(i)第1のモードで組織を切除するために電極スリーブ195の電極切除縁部180においてプラズマを発生させることと、(ii)第2のモードで取り込み拡張流体244を爆発的に蒸発させることの両方に向けて構成することができることが見出されている。更に、システムは、0.5サイクル毎秒から8又は10サイクル毎秒の範囲にわたって適切な往復動速度に自動的に切り換わるRFモードで機能することができることが見出されている。ベンチテストでは、上述の組織切除デバイスは、組織片225が組織摘出管腔160を目詰まりさせるいかなる可能性も伴わずに4グラム/分から8グラム/分までの速度で組織を切除して摘出することができることが見出されている。これらの実施形態において、組織摘出に向けて力を印加するのを助けるために、組織摘出管腔160に負圧源125が更に結合される。
【0035】
特に興味深いことに、スリーブ170と遠位先端232とによって定められる流体取り込みチャンバ240は、切除組織片225への吐出力の印加を最適化するように選択される容積、露出電極面積、長さ、及び幾何学形状を有するように構成することができる。一実施形態において、約0.040mLの取り込み流体容積を仮定すると、チャンバの直径は3.175mmであり、長さは、突出要素230に対処に入れて5.0mmである。他の変形では、取り込み流体容積は、0.004mLから0.080mLの範囲にわたる場合がある。
【0036】
一例では、0.040mLの取り込み流体容積を瞬間蒸発における100%の変換効率と共に有するチャンバ240は、液体を室温から水蒸気まで加熱するのに103ジュールを必要とすることになる。作動時には、ジュールはW
*sであり、システムは3Hzで往復動するので、必要とされる電力は、水蒸気への完全な瞬間変換では311W程度になる。対応する1700×の理論的膨張がこの相転移において発生することになり、効率損失及び非瞬間膨張に起因して実際の圧力はかなり低くなるが、この膨張は、最大で25,000psi(14.7psi×1700)を瞬時にもたらされることになる。いかなる場合にも圧力は十分であり、取り込み組織片225に有意な吐出力を印加することができる。
【0037】
図12Aを参照して、内部チャンバ240は、約0.004mLから0.01mLの範囲にわたる液体容積を取り込むために、約0.5mmから10mmまでの軸線方向長さを有することができる。
図12Aでは、チャンバ240の内壁が絶縁層200を有し、従って、この絶縁層が、チャンバ240に露出される電極面積250を制限することを理解することができる。一実施形態において、遠位先端232はステンレス鋼であり、外側スリーブ170に溶接される。先端232にはポスト要素248が溶接されるか、又は先端232の特徴部として機械加工される。この実施形態における突出要素230は非導電性セラミックである。
【0038】
図13は、溝付きとすることができ、かつ一実施形態では3つの溝要素260と面内の対応する3つの軸線方向溝262とを有するセラミック突出要素230の断面を示している。あらゆる個数、例えば、2から約20の溝又はチャネルなどが可能である。溝付き設計は、突出要素230の近位端において組織片225を押すのに利用可能な断面積を拡大し、同時に3つの溝262は、近位に向けられた水蒸気噴流が溝262に露出される組織に衝突することを可能にする。一実施形態において、突出要素230の軸線方向長さD(
図12A)は、電極スリーブ要素195の縮小断面領域190Bから組織を完全に押し出すように構成される。別の実施形態において、チャンバ240の容積は、爆発的に蒸発するときに、少なくともデバイス内の摘出チャネル160の全長のうちの10%、通常は摘出チャネル160のうちの少なくとも20%、多くの場合に、摘出チャネル160のうちの少なくとも40%、時に摘出チャネル160のうちの少なくとも60%、他の場合は摘出チャネル160のうちの少なくとも80%、更に時として摘出チャネル160のうちの少なくとも100%によって定められる容積内に膨張してそこを占有するほど十分な気体(水蒸気)容積を与える液体を取り込むように構成される。
【0039】
図12Aから12Cによって理解することができるように、切除スリーブ175が近位方向又はその非延長位置に向けて移動するにつれて、作業空間内の拡張流体244は、チャンバ240内の取り込み流体を補充する。従って、切除スリーブ175が組織を切除するために再度遠位方向に移動するときに、内部チャンバ240は流体244で満たされ、次いで、切除スリーブ175が組織受容窓176を閉鎖するときに、流体244は再度封じ込められて上述したように爆発的蒸発に利用可能である。別の実施形態において、流体が窓176を通って移動する必要なく、流体を内部チャンバ240内に直接引き込むために、遠位先端232に一方向性バルブを設けることができる。
【0040】
図15は、第2のモードにある活性電極面区域250’が、フォーカスされたRFエネルギを各々が取り込み流体244と接触状態にある複数の離散領域にわたって分散させる効果を有することができる導電性領域と非導電性領域260とを有する突出要素230を含む別の変形を示している。この構成は、チャンバ240内で取り込み流体容積をより効率的に蒸発させることができる。一実施形態において、導電性領域250’は、ポスト248上に金属ディスク又はワッシャーを含むことができる。他の変形(図示せず)では、導電性領域250’は、導電性ポスト248の上に固定されたセラミック材料260内に孔、ポート、又は間隙を含むことができる。
【0041】
別の実施形態において、RF源150及びコントローラ155は、
図12A〜
図12CにあるストロークX及びストロークY中のエネルギ送出パラメータを(i)電極縁部180を用いたプラズマ切除と(ii)チャンバ240内で取り込み流体を爆発的に蒸発させることとに向けて最適なエネルギを供給するように調整するようにプログラムすることができる。
【0042】
図16A〜
図16Cは、作業端部702が、患者の身体の内部からのターゲット組織の電気手術切除及び抽出に適合された管状切除デバイスを含む別の実施形態のRF切除プローブ700を示している。しかし、この実施形態において、内側切除スリーブは、これまでに記述した実施形態の場合のような往復動の代わりに回転するように構成される。
【0043】
図16Aを参照して、外側スリーブ705は、ハンドル(図示せず)から窓712を内部に定める遠位誘電体710を前と同じく担持する作業端部702まで延びる金属管状部材708を含む。内側の第2のスリーブ又は切除スリーブ715は、外側スリーブ705内の窓712と協働するように構成された窓付き側部724を有する遠位誘電体720を担持する金属管状部材718を含む。
【0044】
図16B〜
図16Cは、外側スリーブ705及び窓712に対する2つの異なる回転位置にある回転切除スリーブ715及びRF電極縁部725を有するプローブ700の作業端部702を示している。
図16Bでは、内側スリーブ715は、外側スリーブ705に対して約90°回転されている。
図16Cでは、内側スリーブ715は、外側スリーブ705によって定められる窓712を実質的に閉鎖する位置に内側スリーブ715に対して180°回転されている。この場合に、電極縁部725の回転が、如何にして回転中に組織を切除し、この組織を窓閉鎖位置でプローブの組織受容管腔730内に取り込むことができるかを容易に理解することができる。
【0045】
図16A〜
図16Cのこの実施形態において、内側スリーブ715のRF電極縁部725は第1の極性の電極を含む。外側スリーブ705の外面732は、従来の実施形態で上述したように第2の極性の電極を含む。
図16A〜
図16Cから理解することができるように、第1の極性の電極面と第2の極性の電極面は(725と732は)、外側スリーブ705に対する内側スリーブ715の回転を通して予め決められた寸法だけ離間していることは重要である。本発明の一態様において、内側及び外側のスリーブの遠位端は、その間にインタフェース740を挟むセラミック本体710と720とを含む。言い換えれば、セラミック本体710及び720は、インタフェース740の周りに回転し、これらのセラミック本体は、第1の極性の電極725と第2の極性の電極732の間に正確な電極間隔ESを与える。
【0046】
ここで
図17を参照して、外側スリーブ705が、管状金属スリーブ708と、この変形ではジルコニウムのようなセラミックとすることができる誘電体710との間のアセンブリとして如何に構成されるかを確認することができる。
図17では、セラミック本体710が、厚みを約0.003’’(0.076mm)から0.010’’(0.025mm)の範囲にわたるとすることができる薄壁742を有し、セラミックが窓712の周りを360°延びることを確認することができる。この場合に、セラミック本体710は、金属スリーブ708内の孔728の中に摺動可能に挿入して、それに結合することができる。
【0047】
ここで
図18に移ると、外側スリーブアセンブリ705(
図16Aを参照されたい)から分離された内側スリーブ715の遠位端が示されている。
図18の管状金属スリーブ718は、電極縁部725を支持し、インタフェース740(
図16Aを参照されたい)の周りの回転支持面を含むセラミック本体720の挿入を可能にするように製作される。
図19は、
図18の内側スリーブアセンブリの分解組立図を示している。
図19では、セラミック本体720が半球形断面形状を有し、電極縁部725を受け入れて支持するための細長スロット744を含むことを確認することができる。更に、
図19は、セラミック本体720のない金属スリーブ718を示しており、電極縁部725は、円形端部スリーブ718から切断される。スロット744はセラミック本体720を受け入れることができ、この場合に、電極縁部725はループ状に拡張し、回転時に、回転方向に依存して先頭縁部745と後尾縁部745’とを有することになることを理解することができる。本明細書に使用する「先頭縁部」という用語は、スリーブ715の遠位端の周りをその回転軸上の中心線まで延びる電極縁部725を指す。
【0048】
本発明の一態様において、組織切除プローブ700は、外側スリーブ705と、回転可能であり、それによって窓開放位置と窓閉鎖位置とを与える内側スリーブ715とを含み、第1及び第2のスリーブ705、715の遠位端は、回転インタフェース740のいずれかの面に対する面を含むセラミック本体710、720を含む。更に、第1及び第2のスリーブは、互いに回転インタフェース740のいずれかの面上に接触し、それによって定められた電極間隔ES(
図16A)を与えるセラミック本体710、720を含む。一変形では、セラミック本体710の壁厚は、0.003’’(0.076mm)から0.004’’(0.101mm)までである。同様に、セラミック本体720の壁厚も、0.003’’(0.076mm)から0.004’’(0.101mm)までとすることができる。従って、第1の極性の電極と第2の極性の電極の間の半径方向寸法は、この変形では最小でも0.006’’(0.152mm)である。内側スリーブ715が、厚みを0.001’’(0.025mm)とすることができる外側ポリマー誘電体層を担持する別の変形では、0.004’’(0.101mm)の電極間隔寸法が与えられる。より大きい直径を有する他の変形では、第1の極性の電極と第2の極性の電極の間の寸法は、0.030’’(0.762mm)までの範囲にわたるとすることができる。一般的に本発明の範囲は、0.004’’(0.101mm)インチと0.030’’(0.762mm)インチの間で離間した双極電極を有する回転管状切除デバイスを与える段階を含み、切除スリーブ715は、いかなる面上にも誘電体を有するインタフェース740の周りに回転する。
【0049】
図16A〜
図16Cに図示の実施形態において、窓の長さは約5mmから30mmの範囲にわたるとすることができる。プローブ作業端部の直径は、3mmから6mm又はそれよりも多い範囲にわたるとすることができる。内側スリーブの回転速度は、100rpmから5,000rpmの範囲にわたるとすることができる。一実施形態において、200rpmから500rpmの範囲にわたる回転が、以下に説明するように効率的に組織を切除し、有効な組織摘出を可能にする。
【0050】
図17、
図20A、及び
図20Bを参照して、本発明の別の態様において、組み立てられた時に第1の極性の電極を含む金属スリーブ708へのセラミック本体710を通じた露出を可能にする開口部748がセラミック本体710内に設けられることを確認することができる。従って、金属スリーブは、内部チャンバ730に露出される内部電極面750を含む。この変形では、作業端部702が、上述の往復動プローブ実施形態(
図12A〜
図12Cを参照されたい)に記述した2つのRFモードで機能することができることを理解することができる。第1のRFモードでは、内側スリーブ715及びその第2の極性の電極縁部725が
図16Aの窓開放位置から
図16Bの窓閉鎖位置に向けて回転する期間内に外側スリーブ705の外面732が第1の極性の電極として機能する。
図20Aは、この回転期間を描示しており、第1のRFモードが、内側切除スリーブ715の約180°の回転の間に作動することを確認することができる。
図20Aに示すこの位置では、電極縁部725の先頭縁部745及び後尾縁部745’が開放窓712に露出され、電界EFがプローブの外面の周りの第1の極性の電極面732まで延び、組織を切除するために先頭縁部745においてプラズマが形成される。
【0051】
図20Bには第2のRFモードが示されており、この場合に、内側スリーブ715は窓閉鎖位置に回転し、電極縁部725は組織受容管腔730にしか露出されないので、プローブは、そのような第2のRFモードに瞬時に切り換わる。第2のRFモードは、
図16C及び
図20Bの場合のように窓712が閉鎖されている時にしか作動せず、それによって管腔730内で取り込み食塩水の瞬時の爆発的蒸発が引き起こされることを理解することができる。
図20Bでは、電極縁部725が、管腔730内にしか露出されず、電界EFが、先頭電極縁部と後尾電極縁部の(745と745’の)間で露出電極面750に延び、それによって取り込み食塩水の爆発的蒸発をもたらすことを確認することができる。蒸発は、窓712を閉鎖した時に内側スリーブの限られた角度の回転、例えば、5°から20°までの回転の範囲で瞬時に発生し、それによって切除組織が、上述のように近位方向に吐出される。内部チャンバ730内に取り込まれた食塩水は、管腔内で切除組織に対して遠位又はそれに隣接するとすることができ、液体から蒸気への転移における流体膨張は、管腔730内で切除組織を外に向けて又は近位方向に瞬時に吐出することになることが見出されている。
【0052】
図21は、
図20Bに対応する作業端部702の縦断面図であり、この場合に、電界EFは、内部管腔730内に封入され、それによって取り込み食塩水の爆発的蒸発が引き起こされる。以上により、
図20Bに示す第2のRFモード及び取り込み食塩水754の蒸発は、従来の実施形態において上述したように、プローブを通して収集リザーバまで近位に延びる組織摘出チャネル730内で切除組織755を吐出することになる。一般的に本発明の方法は、細長プローブの内部通路の閉鎖遠位部分内に組織容積を取り込む段階と、組織容積に対して近位に向けられた吐出力を印加するために流体を膨張させる相転移を取り込み組織容積の近くの流体中に引き起こす段階とを含む。組織を取り込むために閉鎖窓を形成し、爆発的蒸発をもたらすための期間は、約0.01秒から2秒の範囲にわたるとすることができる。上述のように、摘出管腔の近位端に負圧源を結合することができる。
【0053】
ここで
図22に移ると、内側スリーブの別の変形715’が示されている。この実施形態において、電極縁部725の先頭縁部745と後尾縁部745’とに異なる電気特性が与えられる。一変形では、先頭縁部745は、上述のように、プラズマ点火に適する高導電材料である。
図22に示すこの同じ変形において、後尾縁部745’は、プラズマ形成にそれ程適さないか、又はプラズマ形成に全く適さない異なる材料を含む。一例では、後尾縁部745’は抵抗性材料(例えば、抵抗性面コーティング)を含み、この場合に、RF電流は、先頭縁部745の周りでプラズマを点火するが、後尾745’の縁部の方は抵抗加熱するだけであり、それによって高い凝固性能が与えられる。この場合に、先頭縁部745は切断を行い、後尾縁部745’は、直前に切除された組織を凝固させるように構成される。別の変形では、後尾縁部745’をこの場合にも組織凝固を促進するために使用することができる容量性コーティングを有するように構成することができる。更に別の実施形態において、後尾縁部745’は、凝固性能に向けて、更に組織付着を防止するために、正の抵抗温度係数(PTCR)の材料を含むことができる。別の変形では、後尾縁部745’は、先頭縁部745が組織を切除し、後尾縁部745’が電気手術性能を持たないように、加熱を完全に防止する誘電体コーティングを有することができる。
【0054】
図23は、電極縁部725が、可変プラズマ効果をもたらすための縁部特徴部を有する先頭縁部745を有する内側スリーブ構成要素の別の実施形態718’を示している。この実施形態において、先頭縁部745の電極の突出縁部760は、スカロップ形部分又は陥入部分762よりも高いエネルギ密度のプラズマを発生させることになり、それによってより効率的な組織切除をもたらすことができる。別の実施形態において、ここでもまた、先頭縁部745をプラズマ切除に向けて、更に後尾縁部745’を凝固に向けて最適化するために、先頭縁部745の電極面積と後尾縁部745’の電極面積とは異なるとすることができる。別の実施形態において、後尾縁部745’は、組織面にわたって掃引されるので、後尾縁部745’を直前に切除された面のプラズマ融除による組織の立体的な除去に向けて構成することができる。組織を分解して蒸発させる本方法によって相当量の組織量(重量)を除去することができることが見出されている。一般的に、先頭縁部745と後尾縁部745’は異種とすることができ、各縁部は、組織に対する異なる効果に向けて最適化される。
【0055】
図24は、ターゲット組織の選択的な切除又は凝固に向けて適応させることができる本発明の別の態様を示している。この変形では、先頭縁部745を露出位置に運ぶように内側スリーブ715を移動し、更に先頭縁部745をそのような露出位置に固定することができる回転制御機構が設けられる。この固定(非回転)位置において、医師は、露出先頭縁部745に沿ってプラズマを点火するようにRF源及びコントローラを作動させることができ、その後に、組織を切除するために作業端部をプラズマナイフとして使用することができる。別の変形では、医師は、組織を切除するのではなく組織を凝固させるように設定された異なるRFパラメータを与えるようにRF源及びコントローラを作動させることができる。一実施形態において、手押しスイッチ又は足踏みスイッチが、その作動時に内側スリーブを移動して
図24に示す位置に固定し、その後にエネルギを組織に送出するようにRF源を作動させることができる。
【0056】
図25A及び
図25Bは、選択された速度で切除スリーブ又は切除部材を移動して、外側のスリーブ又は部材内の窓に対する予め決められた停止位置で切除部材の移動を停止させるためのコントローラアルゴリズム及びセンサ機構に関する本発明の別の態様を略示している。選択停止位置は、窓部分開放位置、窓全開放位置、又は窓閉鎖位置から構成されるとすることができる。以下に説明するためのシステム及び方法は、往復動切除部材、回転切除部材、又は往復動回転組合せ切除部材を有するデバイスに対して使用することができることを理解しなければならない。便宜上、
図25A及び
図25Bは、往復動切除部材を有する切除デバイスを参照してコントローラ及びシステムを作動させる原理を示している。更に、アルゴリズム及び機構は、いかなる電気手術切除デバイス又は機械的ブレード式切除デバイスに対しても使用することもできることを理解しなければならない。
【0057】
図25Aは、ハンドル部分806内に担持されたモータドライブシステム805を有し、モータドライブが作業端部810を作動させるように構成された組織切除デバイス800を描示している。上述の実施形態の場合と同様に、デバイス800は、ハンドル806に固定された第1の外側部材815と、組織受容窓822内の組織を往復動するときに切除するように構成された移動可能な第2の部材又は切除部材820とを含む細長いシャフト部分を有する。モータドライブシステム805は、電気モータ824(例えば、ブラシレス電気モータ及び歯車減速機構)と、電源825と、回転運動から直線運動への変換機構828を駆動するモータシャフト826とを含む。デバイスの作動を開始又は停止するために、足踏みスイッチ又は手押しスイッチのようなユーザ操作スイッチ830が設けられる。一変形では、回転可能駆動環832が、フック付き回転不能切除部材820に結合されたピン836に係合する弓形スロット835を有する。
図25A〜
図25Bから理解することができるように、駆動環832及びスロット835が360°回転するときに、ピン836及び切除部材820は、選択された寸法又はストロークW(
図25A)だけ遠位方向、次いで、近位方向に機械的に駆動され、それによって第2の部材820の遠位縁部840は、窓822を縦断して前後に移動する。
【0058】
異なる組織を切断するのに特定の往復動速度が最適であり、一変形では筋腫組織を切除するためには3Hzから5Hzまでの往復動速度が最適であることが見出されている。また、シャフトアセンブリ内の第1の部材と第2の部材の間の厳しい許容範囲、並びに組織密度は、電源825からモータ824に供給される予め決められた電圧に対する往復動速度に影響を及ぼす可能性があることも見出されている。本発明の一態様において、システム及びコントローラ850は、切除に対して組織密度によって引き起こされるシステム抵抗又は抵抗に関わらず、第2の部材820を往復動させるように構成される。コントローラ850は、例えば、1Hzから10Hzの範囲にわたるとすることができ、筋腫切除に対しては3Hzから5Hzまでとすることができる往復動速度に到達し、それを維持するためのマイクロプロセッサ及びアルゴリズムを含む。
図25Aに示す一変形では、駆動システム805とコントローラ850は協働してタコメータ(回転速度計)として機能し、マイクロスイッチ854は、駆動環832内の係合特徴部856に環の各周回に一度係合する。凹みのような係合特徴部856は、マイクロスイッチ854を作動させてコントローラ850に電気信号を送り、クロックが、第2の部材の往復動速度に直接対応する1分当たりの周回数の信号(すなわち、タコメータの信号)を決定して供給することができる。
図25Aでは、点Xは、環832及び係合特徴部856の角回転においてマイクロスイッチ854が作動する点を示し、窓822に対する第2の部材820の遠位縁部840の特定の位置にも対応することを確認することができる。点Xを以下に説明する別のコントローラアルゴリズムにおける使用に向けて基準点Xと呼ぶ。
【0059】
コントローラ850は、モータ824に送出される電圧を調整して選択rpmとしての駆動環832の回転に到達し、それを維持するために、タコメータの信号(すなわち、測定rpm)に応答する埋め込みアルゴリズムを有する。デバイス800に使用されるモータ824のタイプでは、電圧はモータ速度に正比例する。次いで、駆動環832の各周回において、アルゴリズムは、
図26に示す方法を用いてrpmを読み取り、電圧を上げて加速し、電圧を下げて減速する。アルゴリズムは、50ミリ秒よりも短い間隔で、例えば、10ms、5ms、又は1ms毎にタコメータの信号をモニタ又はサンプリングすることができる。コントローラアルゴリズムは、50ミリ秒よりも短い間隔で、例えば、10ms、5ms、又は1ms毎にモータの電圧を調整するように構成される。コントローラアルゴリズムは、モータの電圧を予め決められた電圧変化量で上方又は下方に調整するように適応させることができ、又は測定rpmとターゲットrpmの間の不一致レベルに依存して少なくとも第1の変化量及び第2の変化量で電圧を上方又は下方に調整することができる。別の変形では、システム及びコントローラ850は、第1の部材に対して第2の部材を駆動する複数の選択された速度のユーザ選択に向けて構成することができ、いずれかの選択された速度に到達して維持するためのアルゴリズムを含むことができる。別の変形では、システム及びコントローラ850は、望ましい速度に到達して、それを維持するための上述のアルゴリズムと共に、第2の部材を回転させること、第2の部材を往復動させること、及び第2の部材を回転かつ往復動させることのうちの少なくとも1つの選択をユーザが行うように構成することができる。他の類似の実施形態において、タコメータの信号は、光センサ、ホール効果センサ、又は任意その他の適切なrpmセンサによって供給することができる。
【0060】
本発明の別の態様において、コントローラ850は、第2の部材820の遠位縁部840が、窓822に対する選択停止位置にくるように往復動(又は回転)を停止するのに使用される別の埋め込みアルゴリズムを有する。選択停止位置は、窓全開放位置、窓閉鎖位置、又は中間の部分開放位置とすることができる。組織の凝固に適合された1つの電気手術実施形態において、第2の部材は、反対の極性の電極の間に最適な間隔を与えて、第2の部材820を通る拡張流体の流出流を許容にする窓部分開放位置に停止される。
【0061】
より具体的には、
図27の方法を参照して、切除部材停止アルゴリズムの一変形は、上述のアルゴリズムの使用からもたらされる駆動環832の望ましいrpm(及び対応する往復動速度)に到達して、それを維持するのに必要とされる電圧レベルを読み取る。その後に、この別のアルゴリズムは、第2の部材を選択された速度で駆動するために打ち負かされる抵抗レベルを計算する。抵抗レベルは、デバイスの起動検査後に決定することができ、又は起動検査期間と手術中のある期間とにわたって平均することができる。次いで、アルゴリズムは、この計算抵抗を第1の部材815内で第2の部材820の移動を停止する段階に関する運動量パラメータと相関した既知の抵抗のルックアップテーブルと比較する。そのような抵抗値は、デバイス800が、組織を切除するのに使用する前に作動される時に導出され、従って、組織密度は何の機能もしない。次いで、アルゴリズムは、
図25Bに示すように、予め決められた点Y(仮想線図内の係合特徴部856’の場所を参照されたい)においてモータ824を消勢し、選択停止位置Z(係合特徴部856’の場所を参照されたい)まで第2の部材を移動させる段階を運動量に任せるように構成される。
【0062】
図25A〜
図25Bを参照して、作動時には、デバイス800は、複数周回数にわたって作動されており(手術における使用の前に)、アルゴリズムは、特定のデバイスに対する抵抗値を計算しており、従って、更に
図25Bの点Yから点Zまでの運動である通電状態のモータから第2の部材の完全停止までの移行に必要とされる回転角を既に計算していると仮定する。更に、コントローラ850は、次いで、通電状態のモータを基準点Xから点Yまで維持し、通電状態のモータから第2の部材の完全停止まで移行するのに必要とされる回転角を既に計算している。その後に、使用中に、ユーザは、スイッチ830を非作動状態にすることになり、それによってコントローラ850に信号が送られる。解除信号は、駆動環832の360°回転におけるいかなる点でも発生させることができる。そのようなスイッチ解除信号に続いて、コントローラ850は、基準点Xにおいてマイクロスイッチ854が作動されるまでモータ824へのエネルギ送出を維持し、更に点Xから点Yまでモータ824へのエネルギ送出を維持し、次いで、後に駆動環832を点Yから選択停止位置である点Zまで移動する段階を運動量に任せる点Yにおいてモータ824を消勢する。スイッチ830からの解除信号は、係合特徴部(凹み)856内にあるマイクロスイッチ854によって発生させることができ、コントローラ850は、尚も点Xから点Yまでモータ824を通電することになり、その後に、点Yにおいてモータを消勢する。一変形では、係合特徴部は、コントローラ850のサンプリング速度よりも短い幅を有することになり、例えば、凹み856は、マイクロスイッチを作動及び解除するのに5msの移動を必要とすることになり、コントローラ850は、1ms毎に信号解除信号に関してサンプリング又はモニタすることになる。
【0063】
コントローラ850及びアルゴリズムは、運動量パラメータを計算するときに、基準位置から選択停止位置までの時間(期間)、駆動環832の回転移動量、又は第2の部材の軸線方向移動のようないくつかの対応するパラメータのうちの1つを交換可能に使用することができることを理解しなければならない。
【0064】
一般的に、本発明に対応する組織切除デバイス又は組織切除システムは、管状の第1の部材及び第2の部材から構成されるアセンブリと、第1の部材の窓内の組織を切除するために第2の部材を移動させるように構成された電気モータドライブ及びコントローラと、モータドライブ回転信号をコントローラに送るように構成されたタコメータと、(i)第2の部材を予め決められた速度で駆動するために、及び(ii)第2の部材を予め決められた速度で駆動することに対する抵抗を計算するために、タコメータの信号に応答してモータの電圧を調整するように構成されたコントローラアルゴリズムとを含む。
【0065】
本発明の特定の実施形態を上記に詳細に記述したが、この説明は、例示目的のためのものでしかなく、本発明の以上の説明は網羅的ではないことが理解されるであろう。本発明の特定の特徴を一部の図面に示し、他の図面には示していないが、これは便宜上のことでしかなく、いずれの特徴も本発明によって別の特徴と組み合わせることができる。当業者には、いくつかの変形物及び代替物が明らかであろう。そのような変形物及び代替物は、特許請求の範囲に含まれるように意図している。従属請求項に提供する特定の特徴は、組み合わせることができ、本発明の範囲に収まる。本発明は、従属請求項が他の独立請求項を参照する複数従属請求項形式でこれに代えて書かれたかのような実施形態も網羅する。