(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ダストボックス蓋が前記ダストボックスに結合された状態で、前記ダストボックスは、前記ダストボックス収容部からの離脱が制限されることを特徴とする請求項1に記載のロボット掃除機。
前記ダストボックス蓋が前記ダストボックスに結合された状態で、前記ダストボックス蓋は、前記係止フックを覆うように配置されることを特徴とする請求項8に記載のロボット掃除機。
前記ダストボックス蓋が前記ダストボックスに結合された状態で、前記取っ手は、前記ダストボックス蓋により加圧されて前記取っ手収容部内に収容されることを特徴とする請求項11に記載のロボット掃除機。
前記ダストボックス蓋と前記ダストボックスとの締結が解除されると、前記ダストボックス蓋は、前記ダストボックスに対して上向きに傾斜するようにティルトすることを特徴とする請求項1に記載のロボット掃除機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の第1の目的は、検知部を最小化しながらも、前方監視/撮影機能、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)機能及び障害物検知機能を実現し、障害物検知性能を向上させることができる新たな検知ユニットを提供することにある。
【0011】
本発明の第2の目的は、前記検知ユニットを補完して、障害物との衝突をより直接的に検知することができ、前方に急な下り段差や断崖がある場合にそれを予め検知することができる吸入ユニットを提供することにある。
【0012】
本発明の第3の目的は、ダストボックスをダストボックス収容部に強固に固定することができ、掃除機本体、ダストボックス及びダストボックス蓋の相互組立の利便性を向上させることができる構造を提供することにある。
【0013】
本発明の第4の目的は、掃除機本体の高さの制約を考慮しながらもダストボックスの容量を増加させることができるダストボックス内部の新たな流動構造を提供することにある。
【0014】
本発明の第5の目的は、微細塵を濾過するフィルタを容易に交換することができる構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のロボット掃除機は、自律走行のためのホイールユニットを備える掃除機本体と、前記掃除機本体の一側から突出した形態で配置され、塵を含む空気を吸入する吸入ユニットと、前記掃除機本体の一側に配置される検知ユニットと、前記掃除機本体の他側に形成されるダストボックス収容部に収容され、吸入された空気から濾過された塵を集塵するダストボックスと、前記掃除機本体にヒンジ結合されて回動可能に構成され、前記ダストボックスに結合されると前記ダストボックスの上面を覆うように配置されるダストボックス蓋とを含む。
【0016】
本発明の第1の目的を達成するために、本発明のロボット掃除機は、ホイールユニット、及び前記ホイールユニットの駆動を制御する制御部を備える掃除機本体と、前記掃除機本体の一側から突出した形態で配置され、塵を含む空気を吸入する吸入ユニットと、前記掃除機本体の一側に配置される検知ユニットとを含み、前記検知ユニットは、前記検知ユニットの前方及び上方を共に撮影するように、前記掃除機本体の一面に対して傾斜して配置される第1検知部と、前記第1検知部と交差する方向に配置され、前記前方に位置する障害物を検知する第2検知部とを含む。
【0017】
前記検知ユニットは、前記掃除機本体の上下方向に前記吸入ユニットと重なるように配置されてもよい。
【0018】
前記第1検知部は、前記掃除機本体の上面と側面が接する上側角部に配置されてもよい。
【0019】
前記第2検知部は、前記掃除機本体の側面に配置されてもよい。
【0020】
前記制御部は、前記第1検知部により撮影された上方画像を用いて走行領域内の現在の位置を検知するようにしてもよい。
【0021】
前記制御部は、予め設定された時間間隔をおいて前記第1検知部により撮影された前方画像を互いに比較し、前記前方画像が異なる場合、制御信号を発生するようにしてもよい。
【0022】
前記第2検知部は、前方下側に向かって第1パターンの光を照射する第1パターン照射部と、前方上側に向かって第2パターンの光を照射する第2パターン照射部と、予め設定された撮影領域内で、前記第1及び第2パターン照射部により照射される前記第1及び第2パターンの光を撮影する画像取得部とを含んでもよい。
【0023】
前記第1パターン照射部、前記第2パターン照射部及び前記画像取得部は、前記掃除機本体の上下方向に一列に配置されてもよい。
【0024】
前記第1パターン照射部は、前記掃除機本体の側面に対して下向きに傾斜して配置され、前記第2パターン照射部は、前記掃除機本体の側面に対して上向きに傾斜して配置されてもよい。
【0025】
前記制御部は、前記画像取得部により撮影された第1及び第2パターンの光の遮断や歪みが検知されると、前方に障害物が位置すると判断して前記ホイールユニットの駆動を制御するようにしてもよい。
【0026】
前記撮影領域には、床面から前記掃除機本体の上部までの領域が含まれるようにしてもよい。
【0027】
前記検知ユニットは、前記第1及び第2検知部を覆うように配置され、透光性材質で形成されるウィンドウ部と、前記掃除機本体に装着され、前記ウィンドウ部の少なくとも一部を収容するケースとを含んでもよい。
【0028】
前記ウィンドウ部は、透光性材質で形成され、前記第1検知部を覆うように配置される第1ウィンドウと、半透光性材質で形成され、前記第2検知部を覆うように配置される第2ウィンドウとを含んでもよい。
【0029】
前記第2ウィンドウにおいて前記第1検知部に対応する部分には貫通孔が形成され、前記第1ウィンドウは前記貫通孔を覆うように配置されてもよい。
【0030】
前記第2ウィンドウは、前記貫通孔を備える第1部分と、前記第1部分から傾斜状に下向きに延び、前記第1及び第2パターン照射部を覆うように配置される第2部分と、前記第2部分から下向きに延び、前記ケースにより覆われる延長部分と、前記延長部分から下向きに延びて前記ケースの外側から突出し、前記画像取得部を覆うように配置される第3部分とを含んでもよい。
【0031】
本発明の第2の目的を達成するために、本発明のロボット掃除機は、ホイールユニット、及び前記ホイールユニットの駆動を制御する制御部を備える掃除機本体と、前記掃除機本体の一側から突出した形態で配置され、塵を含む空気を吸入する吸入ユニットとを含み、前記吸入ユニットは、ケースと、前記ケースの少なくとも一面を覆うように配置され、障害物との接触時に加圧されて前記制御部に接触信号を伝達するバンパースイッチとを含む。
【0032】
前記制御部は、前記バンパースイッチにより接触信号が伝達されると、障害物に当接したと判断して前記ホイールユニットの駆動を制御するようにしてもよい。
【0033】
前記バンパースイッチは、前記ケースの前側に備えられるフロントバンパースイッチと、前記ケースの両側にそれぞれ備えられるサイドバンパースイッチとを含んでもよい。
【0034】
前記サイドバンパースイッチは、前記掃除機本体の両側より横方向に突出するように配置されてもよい。
【0035】
前記バンパースイッチは、前記ケースに装着されて外部に露出し、障害物との接触時に加圧されて内側に移動可能に構成されるバンパーと、前記バンパーの内側に配置され、前記バンパーが内側に移動すると加圧されて電気的信号を発生するように構成されるスイッチとを含んでもよい。
【0036】
前記バンパースイッチは、前記バンパーと前記ケース間に介在して前記バンパーを加圧する弾性部材をさらに含んでもよい。
【0037】
前記吸入ユニットは、前記ケースの底部側前端部に配置され、下方の地形を検知するクリフセンサをさらに含んでもよい。
【0038】
前記制御部は、前記クリフセンサにより下方の地形が所定レベル以上に低くなることが検知されると、前記ホイールユニットの駆動を制御するようにしてもよい。
【0039】
前記吸入ユニットは、前記ケースの底部側前端部に配置され、充電ステーションに接続可能に構成される充電端子をさらに含んでもよい。
【0040】
前記クリフセンサは、前記充電端子の両側にそれぞれ備えられてもよい。
【0041】
前記ケースは、内部に回転可能に構成されるブラシローラを備えるメインケース部と、前記メインケース部の一側に備えられる開口を開閉するように前記メインケース部に着脱可能に結合されるカバーケース部とを含んでもよい。
【0042】
前記吸入ユニットは、前記メインケース部に操作可能に構成され、前記操作により前記メインケース部に対する前記カバーケース部のロックが解除される操作部をさらに含んでもよい。
【0043】
前記吸入ユニットは、前記メインケース部の他側の内部に備えられ、前記ブラシローラを付勢する弾性部材をさらに含んでもよい。
【0044】
本発明の第3の目的を達成するために、本発明のロボット掃除機は、制御部を備え、ダストボックス収容部が形成される掃除機本体と、前記掃除機本体に装着され、前記制御部により駆動が制御されるホイールユニットと、前記掃除機本体に装着され、塵を含む空気を吸入する吸入ユニットと、前記ダストボックス収容部に着脱可能に装着され、吸入された空気から塵を濾過して集塵するダストボックスと、前記掃除機本体に回動可能に結合されるヒンジ部を備え、前記ダストボックスの上面を覆うように前記ダストボックスに着脱可能に結合されるダストボックス蓋とを含む。
【0045】
前記ダストボックス蓋が前記ダストボックスに結合された状態で、前記ダストボックスは、前記ダストボックス収容部からの離脱が制限される。
【0046】
前記ダストボックス収容部の底面には、装着突起が突設され、前記ダストボックスの底面には、前記装着突起に対応する装着凹部が形成されてもよい。
【0047】
前記掃除機本体には、前記ダストボックス収容部の外周に沿ってリセス部が形成され、前記ダストボックス蓋の一部は、前記ダストボックス蓋が前記ダストボックスに結合された状態で、前記リセス部に収容されるようにしてもよい。
【0048】
前記ダストボックスの上部には、位置合わせマークが形成され、前記リセス部には、前記位置合わせマークに対応するガイドマークが形成されてもよい。
【0049】
前記リセス部には、前記リセス部より凹んだ収容凹部が形成され、前記ダストボックスの外周には、前記ダストボックスが前記ダストボックス収容部に収容される際に前記収容凹部の段差に係止される係止フックが突設されてもよい。
【0050】
前記ダストボックス蓋は、前記掃除機本体に回動可能に連結されるヒンジ部を含み、前記ダストボックス蓋が前記ダストボックスに結合された状態で、前記ヒンジ部は、前記収容凹部に収容されるようにしてもよい。
【0051】
前記ダストボックスの外周には、係止フックが突設され、前記掃除機本体には、前記ダストボックスが前記ダストボックス収容部に収容される際に前記係止フックが係止される段差が形成されてもよい。
【0052】
前記ダストボックス蓋が前記ダストボックスに結合された状態で、前記ダストボックス蓋は、前記係止フックを覆うように配置されてもよい。
【0053】
前記ダストボックス蓋は、前記ダストボックスのロック部に締結可能に構成されるフック部を備えてもよい。
【0054】
前記ロック部は、前記掃除機本体の後方に露出するようにしてもよい。
【0055】
前記ダストボックスは、上面に形成される取っ手収容部と、前記取っ手収容部にヒンジ結合されて回動可能に構成され、前記取っ手収容部に収容可能に構成される取っ手と、前記取っ手が前記上面に対して傾斜して突出した状態に置かれるように、前記取っ手を付勢する弾性部とを含んでもよい。
【0056】
前記ダストボックス蓋が前記ダストボックスに結合された状態で、前記取っ手は、前記ダストボックス蓋により加圧されて前記取っ手収容部内に収容されるようにしてもよい。
【0057】
前記ダストボックス蓋と前記ダストボックスとの締結が解除されると、前記ダストボックス蓋は、前記ダストボックスに対して上向きに傾斜するようにティルトしてもよい。
【0058】
前記ダストボックス蓋が前記ダストボックスに対して上向きに傾斜するようにティルトすると、前記ホイールユニットの駆動が停止されるようにしてもよい。
【0059】
前記ダストボックス蓋には、タッチキーが備えられてもよい。
【0060】
前記ダストボックス蓋には、視覚情報を出力し、前記視覚情報へのタッチ入力が入力されるタッチスクリーンが備えられてもよい。
【0061】
前記ダストボックス蓋には、視覚情報を出力するディスプレイ部が備えられてもよい。
【0062】
前記ダストボックス蓋の内部には、前記掃除機本体に備えられるメイン回路基板に電気的に接続されるサブ回路基板が備えられ、前記サブ回路基板には、赤外線信号を受信する赤外線受信ユニットが実装されてもよい。
【0063】
前記赤外線受信ユニットが前記ダストボックス蓋の側面を介して流入する赤外線信号を受信できるように、前記ダストボックス蓋は、前記掃除機本体の上面より突出するように配置されてもよい。
【0064】
また、本発明の第3の目的は、後方及び上方に開口したダストボックス収容部を備える掃除機本体と、上方に開口した部分を介して前記ダストボックス収容部に着脱可能に装着され、吸入された空気から塵を濾過して集塵するダストボックスと、前記掃除機本体に回動可能に結合されるヒンジ部を備え、前記ダストボックスの上面を覆うように前記ダストボックスに着脱可能に結合されるダストボックス蓋とを含み、前記ダストボックスが前記ダストボックス収容部に装着された状態で、前記ダストボックスの後方移動が制限され、前記ダストボックス蓋が前記ダストボックスに締結された状態で、前記ダストボックスの上方移動が制限されるロボット掃除機によっても達成することができる。
【0065】
本発明の第4の目的を達成するために、本発明のロボット掃除機は、制御部を備え、ダストボックス収容部が形成される掃除機本体と、前記掃除機本体に装着され、前記制御部により駆動が制御されるホイールユニットと、前記ダストボックス収容部に着脱可能に結合されるダストボックスとを含み、前記ダストボックス収容部の内側壁には、第1開口及び第2開口が同じ高さに配置され、前記ダストボックスは、周面に沿って並んで配置され、前記ダストボックスが前記ダストボックス収容部に収容された場合に前記第1及び第2開口にそれぞれ連通する入口及び出口と、前記ダストボックスの内周に沿って下向きに傾斜して延び、前記入口から流入する空気の流動と前記出口に向けて排出される空気の流動を下部と上部にそれぞれ分離してガイドするガイド部とを含む。
【0066】
前記入口から流入する空気が前記ガイド部の下部で流動するように、前記入口は、前記ガイド部の下に備えられ、前記出口に向けて排出される空気が前記ガイド部の上部で流動するように、前記出口は、前記ガイド部の上に備えられてもよい。
【0067】
前記ガイド部は、前記入口の上側から前記出口の下側に延びてもよい。
【0068】
前記出口は、前記入口の真横に形成されてもよい。
【0069】
前記ガイド部は、前記入口と前記出口間を塞ぐように形成されてもよい。
【0070】
前記ダストボックスの内部には、前記ダストボックスの内部に流入した空気中の塵を濾過する少なくとも1つのサイクロンが備えられてもよい。
【0071】
前記サイクロンは、前記入口から流入した空気から塵を濾過する第1サイクロンと、前記ガイド部により規定される収容部内に収容され、前記第1サイクロンの内部に配置されて微細塵を濾過する第2サイクロンとを含んでもよい。
【0072】
前記ロボット掃除機は、前記収容部を覆うように配置され、前記第2サイクロンを通過した空気中の塵を濾過するフィルタをさらに含んでもよい。
【0073】
前記フィルタは、前記収容部の内周面に密着していてもよい。
【0074】
前記フィルタを通過した空気が前記ガイド部の上部に流入できるように、前記フィルタの外周には、前記ガイド部の上部に連通する空間が形成されてもよい。
【0075】
前記ダストボックスは、前記入口、前記出口、前記収容部及び前記ガイド部を備え、内部に前記第1及び第2サイクロンを収容する外部ケースと、前記外部ケースの上部に結合され、前記収容部と重なる上側開口部を備える上部ケースと、前記上側開口部を開閉するように前記上部ケースに着脱可能に結合され、背面に前記フィルタが装着される上部カバーとをさらに含んでもよい。
【0076】
また、本発明の第4の目的は、ダストボックス収容部が形成される掃除機本体と、前記ダストボックス収容部に着脱可能に結合されるダストボックスとを含み、前記ダストボックスは、前記ダストボックスの周面に形成され、前記ダストボックスが前記ダストボックス収容部に収容された場合に前記ダストボックス収容部の内側壁に形成される第1及び第2開口にそれぞれ連通する入口及び出口と、前記ダストボックスの内周に沿って延び、前記入口から流入する空気の流動と前記出口に向けて排出される空気の流動を下部と上部にそれぞれ分離してガイドするガイド部と、前記入口から流入した空気から塵を濾過する第1サイクロンと、前記ガイド部により規定される収容部内に収容され、前記第1サイクロンの内部に配置されて微細塵を濾過する第2サイクロンと、前記収容部を覆うように配置され、前記第2サイクロンを通過した空気中の塵を濾過するフィルタとを含む掃除機によっても達成することができる。
【0077】
前記フィルタは、前記ガイド部の上面に密着していてもよく、前記収容部の内周面に密着していてもよい。
【0078】
前記フィルタを通過した空気が前記ガイド部の上部に流入できるように、前記フィルタの外周には、前記ガイド部の上部に連通する空間が形成されてもよい。
【0079】
前記ダストボックスは、前記入口、前記出口、前記収容部及び前記ガイド部を備え、内部に前記第1及び第2サイクロンを収容する外部ケースと、前記外部ケースの上部に結合され、前記収容部と重なる上側開口部を備える上部ケースと、前記上側開口部を開閉するように前記上部ケースに着脱可能に結合され、背面に前記フィルタが装着される上部カバーとをさらに含んでもよい。
【0080】
本発明の第5の目的を達成するために、本発明のロボット掃除機は、吸気口及び排気口を備える掃除機本体と、前記掃除機本体の内部に収容されて前記排気口の前方に配置され、微細塵を濾過するフィルタユニットとを含み、前記フィルタユニットは、フィルタ収容部を備え、前記掃除機本体にヒンジ結合されて前記フィルタ収容部が外部に露出するように回動可能に構成されるフィルタケースと、前記フィルタ収容部に装着されるフィルタとを含む。
【0081】
前記掃除機本体には、ダストボックス収容部が形成され、前記排気口は、前記ダストボックス収容部を規定する前記掃除機本体の内側壁に形成されてもよい。
【0082】
前記フィルタケースは、前記内側壁に形成される開口から前記掃除機本体の内部に収納可能に構成され、前記掃除機本体の内部に収納された状態で前記内側壁と共に前記ダストボックス収容部を規定するようにしてもよい。
【0083】
前記フィルタケースは、前記開口を開放するように回動した状態で、前記ダストボックス収容部内に配置されてもよい。
【0084】
前記フィルタケースには、前記フィルタ収容部に連通して前記排気口に対向して配置される通気口が形成されてもよい。
【発明の効果】
【0085】
前述した解決手段により得られる本発明の効果は次の通りである。
【0086】
第一に、検知ユニットの第1検知部が掃除機本体の一面に対して傾斜して配置されて前方及び上方を共に撮影し、制御部が撮影された前方画像及び上方画像を異なる目的に応じて使い分けるので、第1検知部をより効率的に用いることができ、従来の目的別に備えられていた検知部を1つにまとめることができる。
【0087】
また、検知ユニットの第2検知部が、前方下側及び前方上側に向かってそれぞれ第1及び第2パターンの光を照射する第1及び第2パターン照射部と、前記第1及び第2パターンの光を撮影する画像取得部とを備えるので、前方の地形地物及び上方の障害物を共に検知することができ、その結果、ロボット掃除機の障害物回避能力が向上する。
【0088】
さらに、第1検知部と第2検知部をまとめて検知ユニットという1つのモジュールを構成するので、新たなフォームファクタ(form factor)を有するロボット掃除機を提供することができる。
【0089】
第二に、掃除機本体の一側から突出した形態で配置される吸入ユニットが機械式に作動するバンパースイッチを備えるので、障害物との衝突時にそれを直接検知することができる。また、吸入ユニットの両側にそれぞれ備えられるサイドバンパースイッチが掃除機本体の両側より横方向に突出するように配置されるので、横方向の障害物も効果的に検知することができる。
【0090】
前述したバンパースイッチを前記検知ユニットに組み付けた場合、より向上した障害物検知及びそれに伴う方向転換機能を実現することができる。
【0091】
さらに、吸入ユニットの傾斜部にクリフセンサが装着されるので、前方に急な下り段差や断崖がある場合にそれを予め検知して適切な回避駆動を行うことができる。
【0092】
さらに、吸入ユニットのカバーケース部がメインケース部の開口を開閉するように構成されるので、メインケース部に内蔵されるブラシローラを外部に引き出せるように構成することができる。従って、ブラシローラの掃除を容易に行うことができる。
【0093】
第三に、ダストボックスがダストボックス収容部に装着された状態ではダストボックスとダストボックス収容部との係止構造によりダストボックスの後方移動が制限され、ダストボックス蓋がダストボックスに締結された状態ではダストボックスの上方移動まで制限されるので、ダストボックスをダストボックス収容部に強固に固定することができ、掃除機本体、ダストボックス及びダストボックス蓋の相互組立の利便性を向上させることができる。
【0094】
また、ダストボックス蓋のミドルフレームに、赤外線受信ユニットの上部を覆うように配置され、赤外線を受信できるように前方が開放された形態の収容部が備えられるので、天井に配置される三波長ランプ又は太陽光による赤外線受信ユニットの誤作動を防止することができる。さらに、ダストボックス蓋の側面が掃除機本体の上面より突出するように配置されるので、赤外線受信ユニットの受信性能が向上する。
【0095】
第四に、ダストボックスの出口及び入口が同じ高さに形成されるので、掃除機本体の高さを高くすることなく、ダストボックスの容量を増加させることができる。また、ダストボックスの出口が入口の真横に形成されるので、入口から流入する空気の流動と出口に向けて排出される空気の流動を下部と上部にそれぞれ分離してガイドするガイド部の下向き傾斜角が小さくなり、入口から流入した空気が十分な回転流動を形成することができ、ダストボックスの底部に集塵された塵の飛散を防止することができる。
【0096】
第五に、フィルタケースが掃除機本体にヒンジ結合されてダストボックス収容部の内側壁に形成される開口を開閉するように構成されるので、前記フィルタケースが前記開口を開放するように回動した状態で、前記ダストボックス収容部内に配置されてフィルタ収容部が外部に露出し、フィルタを容易に交換することができるという利点がある。
【発明を実施するための形態】
【0098】
以下、図面を参照して、本発明によるロボット掃除機についてより詳細に説明する。
【0099】
図1は本発明によるロボット掃除機100の一例を示す斜視図であり、
図2は
図1に示すロボット掃除機100の平面図であり、
図3は
図1に示すロボット掃除機100の側面図である。
【0100】
図1〜
図3に示すように、ロボット掃除機100は、所定領域を自律走行しながら床面を掃除する機能を実行する。ここで、床面の掃除には、床面の塵(異物が含まれる)を吸入したり床面を拭くことが含まれる。
【0101】
ロボット掃除機100は、掃除機本体110、吸入ユニット120、検知ユニット130及びダストボックス140を含む。
【0102】
掃除機本体110には、ロボット掃除機100の制御のための制御部(図示せず)、及びロボット掃除機100の走行のためのホイールユニット111が備えられる。ホイールユニット111により、ロボット掃除機100は前後左右に移動したり回転することができる。
【0103】
ホイールユニット111は、メインホイール111a及びサブホイール111bを含む。
【0104】
メインホイール111aは、掃除機本体110の両側にそれぞれ備えられ、制御部の制御信号に基づいて一方向又は他方向に回転可能に構成される。それぞれのメインホイール111aは、互いに独立して駆動可能に構成されてもよい。例えば、それぞれのメインホイール111aは、異なる駆動モータにより駆動されてもよい。
【0105】
サブホイール111bは、メインホイール111aと共に掃除機本体110を支持し、メインホイール111aによるロボット掃除機100の走行を補助するように構成される。このようなサブホイール111bは、後述する吸入ユニット120にも備えられてもよい。
【0106】
前述したように、制御部がホイールユニット111の駆動を制御することにより、ロボット掃除機100は床面を自律走行するように構成される。
【0107】
一方、掃除機本体110には、ロボット掃除機100に電源を供給するバッテリ180が装着される。バッテリ180は、充電可能に構成され、掃除機本体110の底面部に着脱可能に構成されてもよい。
【0108】
吸入ユニット120は、掃除機本体110の一側から突出した形態で配置され、塵を含む空気を吸入するように構成される。前記一側は、掃除機本体110が正方向(F)に走行する側、すなわち掃除機本体110の前側であってもよい。
【0109】
同図においては、吸入ユニット120が掃除機本体110の一側から前方及び左右両側方の全てに突出した形状であることを示す。具体的には、吸入ユニット120の前端部は掃除機本体110の一側から前方に離隔した位置に配置され、吸入ユニット120の左右両端部は掃除機本体110の一側から左右両側にそれぞれ離隔した位置に配置される。
【0110】
掃除機本体110が円形に形成され、吸入ユニット120の後端部両側が掃除機本体110から左右両側にそれぞれ突出するように形成されることにより、掃除機本体110と吸入ユニット120間には空間、すなわち隙間が形成される。前記空間は、掃除機本体110の左右両端部と吸入ユニット120の左右両端部間の空間であり、ロボット掃除機100の内側に凹んだ形状を有する。
【0111】
前記空間に障害物が挟まった場合、ロボット掃除機100が障害物に引っ掛かって動けなくなるという問題を招くことがある。これを防止するために、カバー部材129が前記空間の少なくとも一部を覆うように配置されてもよい。カバー部材129は、掃除機本体110に備えられてもよく、吸入ユニット120に備えられてもよい。本実施形態においては、吸入ユニット120の後端部両側にそれぞれカバー部材129が突設され、掃除機本体110の外周面を覆うように配置されていることを示す。
【0112】
カバー部材129は、前記空間、すなわち掃除機本体110と吸入ユニット120間の空間の少なくとも一部を埋めるように配置される。つまり、カバー部材129は、曲面状に形成される掃除機本体110の左右外周面と前記左右外周面から突出するように形成される吸入ユニット120の左右両端部間の内側に凹んだ空間の少なくとも一部を埋めるように配置される。従って、前記空間に障害物が挟まることを防止でき、前記空間に障害物が挟まったとしても障害物から容易に離脱できる構造を実現することができる。
【0113】
吸入ユニット120から突設されるカバー部材129は、掃除機本体110の外周面に支持されるようにしてもよい。もし、カバー部材129が掃除機本体110から突設された場合であれば、カバー部材129は、吸入ユニット120の背面部に支持されるようにしてもよい。上記構造によれば、吸入ユニット120が障害物に当接して衝撃を受けると、その衝撃の一部が掃除機本体110に伝達されて衝撃が分散する。
【0114】
吸入ユニット120は、掃除機本体110に着脱可能に結合されるようにしてもよい。吸入ユニット120が掃除機本体110から分離されると、分離された吸入ユニット120を代替してモップモジュール(図示せず)を掃除機本体110に着脱可能に結合することができる。よって、ユーザは床面の塵を除去する場合は掃除機本体110に吸入ユニット120を装着し、床面を拭く場合は掃除機本体110にモップモジュールを装着することができる。
【0115】
吸入ユニット120が掃除機本体110に装着される際に、前述したカバー部材129により前記装着がガイドされる。すなわち、カバー部材129が掃除機本体110の外周面を覆うように配置されることにより、掃除機本体110に対する吸入ユニット120の相対的位置が決定される。
【0116】
掃除機本体110には検知ユニット130が配置される。図示のように、検知ユニット130は、吸入ユニット120が配置される掃除機本体110の一側、すなわち掃除機本体110の前側に配置されてもよい。検知ユニット130は、掃除機本体110の上面及び側面から突設されるようにしてもよく、検知ユニット130の上端134b1は掃除機本体110の上面から上方に突出した位置に形成される。
【0117】
検知ユニット130は、掃除機本体110の上下方向に吸入ユニット120と重なるように配置されてもよい。検知ユニット130は、吸入ユニット120の上部に配置され、ロボット掃除機100の最も前方に位置する吸入ユニット120が障害物に当接しないように前方の障害物や地形地物などを検知するように構成される。
【0118】
検知ユニット130は、このような検知機能に加え、他の検知機能をさらに実行するように構成される。これについては後で詳細に説明する。
【0119】
掃除機本体110にはダストボックス収容部113が備えられ、ダストボックス収容部113には吸入された空気中の塵を分離して集塵するダストボックス140が着脱可能に結合される。図示のように、ダストボックス収容部113は、掃除機本体110の他側、すなわち掃除機本体110の後側に形成されてもよい。ダストボックス収容部113は、掃除機本体110の後方及び上方に開口した形状を有する。掃除機本体110の後側から前側に向かって凹んだ形状に形成されてもよい。
【0120】
ダストボックス140の一部はダストボックス収容部113に収容され、ダストボックス140の他の一部は掃除機本体110の後方[すなわち、正方向(F)の反対方向である逆方向(R)]に向かって突出するようにしてもよい。
【0121】
ダストボックス140は、塵を含む空気が流入する入口140a(
図20参照)、及び塵が分離された空気が排出される出口140b(
図20参照)を有し、ダストボックス140がダストボックス収容部113に装着された場合に入口140a及び出口140bがダストボックス収容部113の内側壁に形成される第1開口110a(
図19参照)及び第2開口110b(
図19参照)にそれぞれ連通するように構成される。
【0122】
掃除機本体110の内部の吸気流路は、連通部120b’’に連通する流入口110’から第1開口110aまでの流路であり、排気流路は、第2開口110bから排気口112までの流路である。
【0123】
このような連結関係により、吸入ユニット120を介して流入した塵を含む空気は、掃除機本体110の内部の吸気流路を介してダストボックス140に流入し、ダストボックス140の内部に備えられる少なくとも1つのサイクロンを経て空気と塵が分離される。塵はダストボックス140に集塵され、空気はダストボックス140から排出された後に掃除機本体110の内部の排気流路を介して最終的に排気口112から外部に排出される。
【0124】
以下、検知ユニット130についてより具体的に説明する。
【0125】
図4は
図1のロボット掃除機100に示す検知ユニット130を示す図であり、
図5は
図4に示す検知ユニット130の分解斜視図であり、
図6は
図4に示す検知ユニット130の断面を示す概念図である。なお、
図6においては、説明の便宜上、一部の構成を省略又は簡素化している。
【0126】
図4〜
図6に示すように、検知ユニット130は、第1検知部131及び第2検知部132を含む。
【0127】
第1検知部131は、掃除機本体110の一面に対して傾斜して配置され、前方及び上方を共に撮影するように構成される。第1検知部131としては、画像取得部を用いてもよい。ここで、掃除機本体110の一面は、床面に平行な面である底面、掃除機本体110の上面、又は側面であってもよく、第1検知部131は、前記一面に対して鋭角の範囲内で傾斜して配置されるようにしてもよい。例えば、第1検知部131は、床面に平行な掃除機本体110の上面に対して30°の角度で傾斜して配置されるようにしてもよい。
【0128】
第1検知部131は、掃除機本体110の上面と側面が接する上側角部に配置されてもよい。同図においては、第1検知部131が掃除機本体110の中央の上側角部に配置され、上面及び側面に対してそれぞれ傾斜して配置されていることを示す。
【0129】
このように、第1検知部131が掃除機本体110の一面に対して鋭角の範囲内で傾斜して配置されることにより、第1検知部131は、前方及び上方を共に撮影するように構成される。
【0130】
図7においては、第1検知部131により撮影された画像が前方画像(A)と上方画像(B)に分離される概念を示す。
【0131】
図7に示すように、第1検知部131により撮影された前方画像(A)と上方画像(B)とは、第1検知部131の上下方向(すなわち、垂直方向)の画角(α)を基準に分けられる。すなわち、撮影された画像(A+B)のうち、前記画角(α)の一部(α1)に対応する画像は前方画像(A)として認識され、前記画角(α)の他の一部(α2)に対応する画像は上方画像(B)として認識される。
図6に示すように、前記画角(α)は鈍角にしてもよい。
【0132】
第1検知部131により撮影された前方画像(A)は、前方をリアルタイムにモニタリングするのに用いられる。例えば、ロボット掃除機100が家庭用に用いられる場合、第1検知部131により撮影された前方画像(A)は、留守の家への無断侵入を監視したり、遠隔接続により電子機器(例えば、ユーザが所持する移動端末機)に室内の画像を提供するのに用いることができる。
【0133】
第1検知部131により撮影された前方画像(A)が留守の家への無断侵入を監視するように構成された場合、次の制御が行われるようにしてもよい。制御部は、予め設定された時間間隔をおいて第1検知部131により撮影された前方画像(A)を互いに比較し、前記前方画像(A)が異なる場合、制御信号を発生するようにしてもよい。前記制御は、掃除機本体110が停止した状態で行われるようにしてもよい。前記制御信号は、警告音出力信号、又は遠隔接続により電子機器に通知し、撮影された前方画像(A)などを提供する送出信号であってもよい。
【0134】
第1検知部131により撮影された前方画像(A)が遠隔接続により電子機器に室内の画像を提供するように構成された場合、次の制御が行われるようにしてもよい。制御部は、遠隔接続が行われた電子機器から画像要求信号を受信すると、第1検知部131により撮影された画像のうち前方画像(A)を分離して電子機器に送出するようにしてもよい。前記制御部は、ホイールユニット111の駆動を制御して特定の位置に移動し、その後当該位置での前方画像(A)を電子機器に送出するように構成されてもよい。そのために、
図6に示すように、前記画角(α)は、第1検知部131が天井を含む上方画像(B)を撮影できる範囲を有するようにする。
【0135】
第1検知部131により撮影された上方画像(B)は、走行領域の地図を生成し、前記走行領域内の現在の位置を検知するのに用いられる。例えば、ロボット掃除機100が家庭用に用いられる場合、前記制御部は、第1検知部131により撮影された上方画像(B)における天井と側面との境界を用いて走行領域の地図を生成し、上方画像(B)の主な特徴点を基準として前記走行領域内の現在の位置を検知するようにしてもよい。
【0136】
前記制御部は、走行領域の地図を生成して前記走行領域内の現在の位置を検知するために、上方画像(B)だけでなく、前方画像(A)を共に用いるようにしてもよい。
【0137】
第2検知部132は、第1検知部131と交差する方向に配置され、前方に位置する障害物や地形地物を検知するように構成される。同図においては、第2検知部132が掃除機本体110の側面に上下方向に長く配置されていることを示す。
【0138】
第2検知部132は、第1パターン照射部132a、第2パターン照射部132b及び画像取得部132cを含む。
【0139】
第1パターン照射部132aは、ロボット掃除機100の前方下側に向かって第1パターンの光を照射し、第2パターン照射部132bは、ロボット掃除機100の前方上側に向かって第2パターンの光を照射するように構成される。第1パターン照射部132a及び第2パターン照射部132bは、上下方向に一列に配置されてもよい。同図においては、第1パターン照射部132aの下方に第2パターン照射部132bが配置されていることを示す。
【0140】
画像取得部132cは、予め設定された撮影領域内で、第1パターン照射部132a及び第2パターン照射部132bにより照射される第1及び第2パターンの光を撮影するように構成される。前記予め設定された撮影領域には、床面からロボット掃除機100の上端までの領域が含まれる。よって、ロボット掃除機100が走行する前方の障害物を検知することができ、ロボット掃除機100が上方の障害物に当接したり挟まる問題を防止することができる。
【0141】
前記予め設定された撮影領域は、例えば上下方向(すなわち、垂直方向)の画角105°、左右方向(すなわち、水平方向)の画角135°、及び前方25メートル以内の領域であってもよい。前記予め設定された撮影領域は、第1及び第2パターン照射部132a、132bの設置位置、第1及び第2パターン照射部132a、132bの照射角度、ロボット掃除機100の高さなど、様々な要因により変更することができる。
【0142】
第1パターン照射部132a、第2パターン照射部132b及び画像取得部132cは、掃除機本体110の上下方向に一列に配置されてもよい。同図においては、第2パターン照射部132bの下方に画像取得部132cが配置されていることを示す。
【0143】
第1パターン照射部132aは、掃除機本体110の側面に対して下向きに傾斜して配置され、第2パターン照射部132bは、掃除機本体110の側面に対して上向きに傾斜して配置される。
【0144】
図8においては、
図4に示す第2検知部132により障害物が検知される概念を示す。
【0145】
まず、
図8の(a)を参照すると、第1及び第2パターン照射部132a、132bのそれぞれは、少なくとも一方向に延びた形態の第1及び第2パターンの光を照射するように構成される。同図においては、第1パターン照射部132aが互いに交差する直線状の光を照射し、第2パターン照射部132bが単一の直線状の光を照射することを例示する。これによれば、最下端の光は床部分の障害物を検知するのに用いられ、最上端の光は上方の障害物を検知するのに用いられ、最下端の光と最上端の光間の中間光は中間部分の障害物を検知するのに用いられる。
【0146】
例えば、
図8の(b)に示すように、前方に障害物oが位置する場合、最下端の光と中間光の一部は障害物oにより遮断されたり歪む。画像取得部132cは、このような遮断や歪みが検知されると、制御部に障害物検知信号を送信する。
【0147】
前記制御部は、前記障害物検知信号を受信すると、前方に障害物oが位置すると判断してホイールユニット111の駆動を制御するように構成される。例えば、前記制御部は、ロボット掃除機100が後退するように、メインホイール111aに逆方向の駆動力を供給するようにしてもよい。あるいは、前記制御部は、ロボット掃除機100が回転するように、いずれか一方のメインホイール111aにのみ駆動力を供給するか、又は両方のメインホイール111aに異なる方向の駆動力を供給するようにしてもよい。
【0148】
以下、第2検知部132により障害物が検知される概念についてより具体的に説明する。
【0149】
図9は第2検知部132を用いた障害物回避に関する主要部を示すブロック図である。
【0150】
ロボット掃除機100は、ホイールユニット111、データ部191、第2検知部132、及び動作全般を制御する制御部190を含む。
【0151】
制御部190は、ホイールユニット111を制御する走行制御部190cを含んでもよい。走行制御部190cが左メインホイール111a及び右メインホイール111aの駆動を独立して制御することにより、ロボット掃除機100が直進走行又は回転走行することになる。そのために、左メインホイール111a及び右メインホイール111aのそれぞれには走行制御部190cの制御命令によって駆動が制御される駆動モータが接続されるようにしてもよい。
【0152】
また、制御部190は、第2検知部132から入力されるデータを分析してパターンを検出するパターン検出部190aと、検出されたパターンから障害物を判断する障害物情報取得部190bとを含む。
【0153】
パターン検出部190aは、画像取得部132cにより取得された画像(取得画像)から光パターン(P1、P2)を検出する。パターン検出部190aは、取得画像を構成する所定のピクセルで点、線、面などの特徴を検出(特徴検出)し、このように検出された特徴に基づいて光パターン(P1、P2)又は光パターン(P1、P2)を構成する点、線、面などを検出するようにしてもよい。
【0154】
障害物情報取得部190bは、パターン検出部190aにより検出されたパターンに基づいて障害物の有無を判断し、障害物の形態を判断する。
【0155】
データ部191には、第2検知部132から入力される取得画像が保存され、障害物情報取得部190bが障害物を判断するための基準データが保存され、検知された障害物に関する障害物情報が保存される。また、データ部191には、ロボット掃除機100の動作を制御するための制御データ及びロボット掃除機100の掃除モードに応じたデータが保存され、生成されるか又は外部から受信されるマップが保存されるようにしてもよい。
【0156】
さらに、データ部191は、マイクロプロセッサにより読み取り可能なデータを保存するものであり、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Disk)、SDD(Silicon Disk Drive)、ROM、RAM、CD−ROM、磁気テープ、フロッピディスク、光データ記憶装置が含まれる。
【0157】
第2検知部132は、第1パターン照射部132a、第2パターン照射部132b及び画像取得部132cを含む。
【0158】
第2検知部132は、掃除機本体110の前方に設置され、第1及び第2パターン照射部132a、132bがロボット掃除機100の前方に第1及び第2パターンの光(P1、P2)を照射し、画像取得部132cが照射されたパターンの光を撮影して画像を取得するように構成される。
【0159】
制御部190は取得画像をデータ部191に保存し、パターン検出部190aは取得画像を分析してパターンを抽出する。すなわち、パターン検出部190aは、第1パターン照射部132a又は第2パターン照射部123bから照射されたパターンの光が床面又は障害物に照射されて表示される光パターンを抽出する。障害物情報取得部190bは、抽出された光パターンに基づいて障害物を判断する。
【0160】
制御部190は、第2検知部132から入力される取得画像に基づいて障害物を判断して移動方向又は走行経路を変更することにより、障害物を回避して走行するようにホイールユニット111を制御する。
【0161】
制御部190は、近くに断崖がある場合、ロボット掃除機100が走行中に墜落することがあるので、取得画像により断崖を検知し、クリフセンサ124により断崖の有無を再確認し、断崖から落ちないように走行を制御することができる。制御部190は、断崖と判断された場合、取得画像により光パターンの変化を判断して断崖に沿って走行するようにホイールユニット111を制御することができる。
【0162】
また、制御部190は、所定の大きさ以下の領域に複数の障害物が存在して走行に制約が発生した場合、ロボット掃除機100が拘束状況であるか否かを判断し、拘束状況から脱出するように脱出モードを設定することができる。
【0163】
制御部190は、現在設定されているモードが基本モードであるか迅速掃除モードであるかによってそれぞれ周辺の障害物に関する情報に基づいて脱出経路を設定し、ロボット掃除機100を拘束状況から脱出させることができる。
【0164】
例えば、基本モードにおいて、制御部190は、周辺の全ての障害物に関する情報を取得して周辺領域の地図を生成し、その後脱出経路を設定するようにしてもよい。迅速掃除モードにおいて、制御部190は、検知される障害物と障害物間の距離によって進入できるか否かを判断して脱出経路を設定するようにしてもよい。
【0165】
制御部190は、検知される障害物に対して、取得画像の光パターンを分析し、障害物と障害物間の距離を判断し、障害物間の距離が所定値以上であると走行及び進入が可能であると判断し、走行するように制御することにより、拘束状況から脱出させることができる。
【0166】
図10は第1及び第2パターン照射部132a、132bの光照射範囲と画像取得部132cの障害物検知範囲を示すものである。
【0167】
図10に示すように、第1及び第2パターン照射部
132a、132bは、光源と、光源から照射された光が透過することにより所定のパターン光を生成するOPPE(Optical Pattern Projection Element)とを含んでもよい。
【0168】
光源は、レーザダイオード(LD: Laser Diode)、発光ダイオード(LED: Light Emitting Diode)などであってもよい。レーザ光は、単色性、直進性及び接続特性において他の光源に比べて優れており、精密な距離測定が可能であるという利点がある。特に、赤外線又は可視光線は対象体の色や材質などの要因によって距離測定精度のばらつきが大きいという問題があるので、光源としてはレーザダイオードが好ましい。
【0169】
OPPEは、レンズ、DOE(Diffractive Optical Element)を含んでもよい。第1及び第2パターン照射部
132a、132bのそれぞれに備えられるOPPEの構成によって様々なパターンの光を照射することができる。
【0170】
第1パターン照射部132aは、第1パターンの光(P1、以下、第1パターン光という。)を本体10の前方下側に向かって照射するようにしてもよい。こうすることにより、第1パターン光(P1)は掃除区域の床面に入射する。
【0171】
第1パターン光(P1)は、水平線の形態で構成されてもよい。また、第1パターン光(P1)は、水平線と垂直線が交差する十字パターンの形態で構成されてもよい。
【0172】
第1パターン照射部132a、第2パターン照射部132b及び画像取得部132cは、垂直に一列に配置されてもよい。本実施形態においては、画像取得部132cが第1パターン照射部132aと第2パターン照射部132bの下方に配置されることを示すが、必ずしもこれに限定されるものではなく、第1パターン照射部132aと第2パターン照射部132bの上方に配置されてもよい。
【0173】
一実施形態において、第1パターン照射部132aは、前方下側に向かって第1パターン光(P1)を照射し、第1パターン照射部132aより下方に位置する障害物を検知し、第2パターン照射部132bは、第1パターン照射部132aの下方に配置され、前方上側に向かって第2パターンの光(P2、以下、第2パターン光という。)を照射するようにしてもよい。こうすることにより、第2パターン光(P2)は、壁面や、掃除区域の床面からの高さが少なくとも第2パターン照射部132bより高い障害物又は障害物の所定部分に入射する。
【0174】
第2パターン光(P2)は、第1パターン光(P1)とは異なるパターンからなるようにしてもよく、水平線が含まれて構成されることが好ましい。ここで、水平線は、必ずしも連続した線分でなくてもよく、点線からなるようにしてもよい。
【0175】
一方、第1パターン照射部132aから照射される第1パターン光(P1)の水平照射角(すなわち、第1パターン光(P1)の両端が第1パターン照射部132aとなす角度)は、130゜〜140゜の範囲で定められることが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。第1パターン光(P1)は、ロボット掃除機100の前方に対して対称の形態で構成されてもよい。
【0176】
第2パターン照射部132bも、第1パターン照射部132aと同様に、水平照射角が130゜〜140゜の範囲で定められることが好ましい。一実施形態において、第2パターン照射部132bは、第1パターン照射部132aと同じ水平照射角で第2パターン光(P2)を照射するようにしてもよく、この場合、第2パターン光(P2)も、ロボット掃除機100の前方に対して対称の形態で構成されてもよい。
【0177】
画像取得部132cは、掃除機本体110の前方の画像を取得することができる。特に、画像取得部132cにより取得された画像(以下、取得画像という。)にはパターン光(P1、P2)が表示され、以下、取得画像に表示されたパターン光(P1、P2)の像を光パターンという。これは、実質的に実際の空間に入射したパターン光(P1、P2)がイメージセンサに結ばれた像であるので、パターン光(P1、P2)と同じ符号を付し、第1パターン光(P1)及び第2パターン光(P2)にそれぞれ対応する像を第1光パターン(P1)及び第2光パターン(P2)という。
【0178】
画像取得部132cは、被写体の像を電気的信号に変換してさらにデジタル信号に変換してメモリ素子に記憶させるデジタル画像取得部を含んでもよく、デジタル画像取得部は、イメージセンサ(図示せず)及び画像処理部(図示せず)を含んでもよい。
【0179】
イメージセンサは、光学画像を電気的信号に変換する装置であって、複数の光ダイオードが集積されたチップで構成され、光ダイオードとしてはピクセルが挙げられる。レンズを通過した光によってチップに結ばれた画像によりそれぞれのピクセルに電荷が蓄積され、ピクセルに蓄積された電荷は電気的信号(例えば、電圧)に変換される。イメージセンサとしては、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などがよく知られている。
【0180】
画像処理部は、イメージセンサから出力されたアナログ信号に基づいてデジタル画像を生成する。画像処理部は、アナログ信号をデジタル信号に変換するADコンバータと、ADコンバータから出力されたデジタル信号に応じて一時的にデジタル情報(デジタルデータ)を記録するバッファメモリと、バッファメモリに記録された情報を処理してデジタル画像を構成するデジタルシグナルプロセッサ(DSP: Digital Signal Processor)とを含んでもよい。
【0181】
パターン検出部190aは、取得画像を構成する所定のピクセルで点、線、面などの特徴を検出(特徴検出)し、このように検出された特徴に基づいて光パターン(P1、P2)又は光パターン(P1、P2)を構成する点、線、面などを検出するようにしてもよい。
【0182】
例えば、パターン検出部190aは、周辺より明るいピクセルが連続することにより構成される線分を抽出し、第1光パターン(P1)を構成する水平線、第2光パターン(P2)を構成する水平線を抽出することができる。
【0183】
しかし、これに限定されるものではなく、デジタル画像から所望の形態のパターンを抽出する様々な技法が既に示されているので、パターン検出部190aは、これらの公知の技術を用いて第1光パターン(P1)と第2光パターン(P2)を抽出することができる。
【0184】
第1パターン照射部132aと第2パターン照射部132bとは、距離h3だけ離れて上下に配置される。第1パターン照射部は、下方に第1パターン光を照射し、第2パターン照射部は、上方に第2パターン光を照射するので、第1及び第2パターン光が前方で互いに交差する。
【0185】
画像取得部132cは、第2パターン照射部から距離h2だけ離れた下方に配置され、上下方向に対して画角θsで本体10の前方の画像を撮影する。画像取得部132cは、床面から距離h1の位置に設置される。画像取得部132cは、吸入ユニット120の形態を考慮して、前方撮影を妨げない位置に設置されることが好ましい。
【0186】
第1パターン照射部132a又は第2パターン照射部132bは、それぞれのパターン照射部
132a、132bを構成するレンズの主軸(光軸)が向かう方向が所定の照射角を形成するように設置される。
【0187】
第1パターン照射部132aは、第1照射角(θr1)で第1パターン光(P1)を下方に照射し、第2パターン照射部132bは、第2照射角(θr2)で第2パターン光(P2)を上方に照射する。ここで、第1照射角(θr1)と第2照射角(θr2)とは異なることを基本とするが、場合によっては同一に設定されてもよい。第1照射角(θr1)及び第2照射角(θr2)は50゜〜75゜の範囲で定められることが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、第1照射角(θr1)は60°〜70゜、第2照射角(θr2)は50°〜55゜に設定されてもよい。第1及び第2照射角(θr1、θr2)は、吸入ユニット120の形態、検知する上方の高さによって変更することができる。
【0188】
第1パターン照射部132a及び/又は第2パターン照射部132bから照射されたパターン光が障害物に入射した場合、障害物が第1パターン照射部132aから離れた位置によって、取得画像での光パターン(P1、P2)の位置が異なる。例えば、第1パターン光(P1)と第2パターン光(P2)が所定の障害物に入射した場合、障害物がロボット掃除機100の近くに位置するほど、取得画像で第1光パターン(P1)は高い位置に表示され、逆に、第2光パターン(P2)は低い位置に表示される。
【0189】
すなわち、画像取得部132cにより生成される画像を構成する行(横方向に配列されたピクセルからなる線)に対応する障害物までの距離データを予め保存しておき、画像取得部132cにより取得された画像において検出された光パターン(P1、P2)が所定の行で検出されると、その行に対応する障害物までの距離データから障害物の位置を推定することができる。
【0190】
画像取得部132cの画角(θs)は、100゜以上の値に設定され、100゜〜110゜であることが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0191】
また、掃除区域の床面から画像取得部132cまでの距離は約60mm〜70mmで定められてもよく、この場合、画像取得部132cにより取得された画像において、掃除区域の床面は画像取得部からD1以降に表示され、D2は取得画像に表示された床面の中で第1光パターン(P1)が表示される位置である。
【0192】
D2に障害物が位置する場合、画像取得部132cにより、障害物に第1パターン光(P1)が入射した画像を取得することができる。障害物がD2よりロボット掃除機100に近接した場合、入射した第1パターン光(P1)に対応して第1光パターンは基準位置(ref1)より上側に表示される。
【0193】
ここで、本体10からD1までの距離は100mm〜150mmであることが好ましく、本体10からD2までの距離は180mm〜280mmであることが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。一方、D3は本体の前面部のうち最も突出した部分から第2パターン光が入射する位置までの距離を示すものであり、本体は移動中に障害物を検知するので、障害物に衝突せずに前方(上部)の障害物を検知できる最小限の距離である。D3は約23mm〜30mmに設定されてもよい。
【0194】
一方、障害物情報取得部190bは、本体10の走行中に、取得画像に表示された第1光パターン(P1)が正常状態で消えた場合又は第1光パターンの一部のみ表示された場合、ロボット掃除機100の周辺に断崖が存在すると判断する。
【0195】
障害物情報取得部190bは、取得画像に第1光パターン(P1)が表示されていない場合、ロボット掃除機100の前方に断崖があると認識することができる。ロボット掃除機100の前方に断崖(例えば、階段)が存在する場合、第1パターン光が床面に入射しないので、取得画像から第1光パターン(P1)が消える。
【0196】
障害物情報取得部190bは、D2の長さに基づいて、本体10からD2だけ離れた前方に断崖があると判断することができる。ここで、第1パターン光(P1)が十字形状である場合は、水平線は消えて垂直線のみ表示されることにより断崖を判断することができる。
【0197】
また、障害物情報取得部190bは、第1光パターンの一部が表示されていない場合、ロボット掃除機100の左側又は右側に断崖が存在すると判断することができる。第1光パターンの右側の一部が表示されていない場合、右側に断崖が存在すると判断することができる。
【0198】
よって、障害物情報取得部190bにより把握された断崖情報に基づいて、走行制御部190cは、ロボット掃除機100が断崖から落ちない経路を走行できるようにホイールユニット111を制御することができる。
【0199】
また、走行制御部190cは、前方に断崖が存在する場合、所定距離、例えばD2又はそれ以下の距離を前進し、本体の下部に設けられた断崖センサを用いて、断崖であるか否かをもう一度確認することができる。ロボット掃除機100は、取得画像により断崖の1次確認を行い、所定距離走行して断崖センサにより断崖の2次確認を行うことができる。
【0200】
図11は第1パターン照射部132aにより照射される第1パターンの光を示す図である。
【0201】
パターン検出部190aは、画像取得部132cから入力される取得画像から第1光パターン又は第2光パターンを検出して障害物情報取得部190bに送る。
【0202】
障害物情報取得部190bは、取得画像から検出された第1光パターン又は第2光パターンを分析し、第1光パターンの位置を定められた基準位置(ref1)と比較して障害物を判断する。
【0203】
図11の(a)に示すように、第1光パターン(P1)の水平線が基準位置(ref1)に位置する場合、正常状態と判断する。ここで、正常状態とは、床に高低がなく均一な、平坦な状態をいい、前方に障害物が存在しないので継続して走行できる状態をいう。
【0204】
第2光パターン(P2)は、前方の上部に障害物が存在する場合にのみ障害物に入射して取得画像に表示されるので、正常状態では第2光パターン(P2)は表示されないのが一般的である。
【0205】
図11の(b)に示すように、第1光パターン(P1)の水平線が基準位置(ref1)より上方に位置する場合、障害物情報取得部190bは前方に障害物が存在すると判断する。
【0206】
走行制御部190cは、図示のように、障害物情報取得部190bにより障害物が検知されると、障害物を回避して走行するようにホイールユニット111を制御する。一方、障害物情報取得部190bは、第1光パターン(P1)及び第2光パターン(P2)の位置と第2光パターン(P2)が表示されているか否かに対応して、検知された障害物の位置と大きさを判断することができる。また、障害物情報取得部190bは、走行中に取得画像に表示される第1光パターン(P1)及び第2光パターン(P2)の変化に対応して、障害物の位置と大きさを判断することができる。
【0207】
走行制御部190cは、障害物情報取得部190bから入力される障害物に関する情報に基づいて、障害物に対して継続して走行できるか又は回避して走行するかを判断し、ホイールユニット111を制御する。例えば、走行制御部190cは、障害物の高さが所定高さ以下のように低い場合、又は障害物と床面間の空間に進入可能な場合は、走行できると判断する。
【0208】
図11の(c)に示すように、第1光パターン(P1)が基準位置(ref1)より低い位置に表示されることがある。障害物情報取得部190bは、第1光パターン(P1)が基準位置より低い位置に表示された場合、下り傾斜路が存在すると判断する。断崖の場合、第1光パターン(P1)が消えるので断崖とは区分される。
【0209】
図11の(d)に示すように、第1光パターン(P1)が表示されていない場合、障害物情報取得部190bは、走行方向に断崖が存在すると判断する。
【0210】
また、
図11の(e)のように、第1光パターン(P1)の一部が表示されていない場合、障害物情報取得部190bは、左側又は右側に断崖が存在すると判断することができる。この場合、障害物情報取得部190bは、本体10の左側に断崖が存在すると判断する。
【0211】
一方、第1光パターン(P1)が十字形状である場合は、水平線の位置と垂直線の長さの両方を考慮して障害物を判断することができる。
【0212】
図12は障害物の形態別に障害物に照射される第1及び第2光パターン(P1、P2)の形態を示す概念図である。
【0213】
図12に示すように、第1及び第2パターン照射部132a、132bから照射される光が障害物に入射し、撮影された取得画像に光パターンが表示されることにより、障害物情報取得部190bは障害物の位置、大きさ、形態を判断することができる。
【0214】
図12の(a)に示すように、走行中に前方に壁面が存在する場合、第1パターン光は床面に入射して第2パターン光は壁面に入射する。それにより、取得画像には第1光パターン(P1)と第2光パターン(P2)が2本の水平線として表示される。ここで、壁面との距離がD2より遠い場合、第1光パターン(P1)は基準位置(ref1)に表示されるが、第2光パターン(P2)も共に表示されるので、障害物情報取得部190bは障害物が存在すると判断することができる。
【0215】
一方、本体10と壁面との距離がD2未満のように近い場合、第1パターン光が床面ではなく壁面に入射するので、取得画像には第1光パターンが基準位置(ref1)より上側に表示され、その上側に第2光パターンが表示される。第2光パターン(P2)は障害物に近接するほどその位置が下側に表示されるので、壁面と掃除機本体110との距離がD2より遠い場合よりは下側に表示される。ただし、第2パターン光(P2)は、基準位置及び第1光パターン(P1)よりは上側に表示される。
【0216】
それにより、障害物情報取得部190bは、第1光パターン(P1)と第2光パターン(P2)により障害物である壁面までの距離を算出することができる。
【0217】
図12の(b)に示すように、ベッド、収納家具などの障害物が前方に存在する場合、第1パターン光(P1)と第2パターン光(P2)が床面と障害物に2本の水平線でそれぞれ入射する。
【0218】
障害物情報取得部190bは、第1光パターン(P1)と第2光パターン(P2)に基づいて障害物を判断する。第2光パターン(P2)の位置及び障害物への接近中に表示される第2光パターン(P2)の変化に基づいて障害物の高さを判断することができる。それにより、走行制御部190cは、障害物の下方空間に進入できるか否かを判断し、ホイールユニット111を制御する。
【0219】
例えば、床面との間に所定の空間が形成されるベッドのような障害物が掃除区域内に位置する場合、空間を認知することができ、好ましくは空間の高さを把握して障害物を通過するか回避するかを判断することができる。
【0220】
空間の高さが本体10の高さより低いと判断された場合、走行制御部190cは、本体10が障害物を回避して走行するようにホイールユニット111を制御することができる。逆に、空間の高さが本体10の高さより高いと判断された場合、走行制御部190cは、本体10が空間内に進入又は空間を通過するようにホイールユニット111を制御することができる。
【0221】
なお、前述した
図12の(a)においても第1光パターン(P1)と第2光パターン(P2)が2本の水平線として表示されるものの、障害物情報取得部190bは、第1光パターン(P1)と第2光パターン(P2)との距離が異なるのでそれを区分することができる。また、
図12の(a)の場合は、障害物に近接するほど第1光パターン(P1)の位置が基準位置(ref1)より上側に表示されるが、
図12の(b)のように上方に位置する障害物の場合は、所定距離近接しても、第1光パターン(P1)は基準位置(ref1)に表示され、第2光パターン(P2)の位置が変更されるので、障害物情報取得部190bは障害物の種類を区分することができる。
【0222】
図12の(c)のように、ベッド又は収納家具の角部の場合、第1パターン光(P1)は、床面に水平線状に照射され、第2パターン光(P2)は、障害物の角部に照射されることにより、その一部は水平線として表示されて他の一部は障害物に斜線状に入射して表示される。第2光パターン(P2)は本体10から遠ざかるほど上昇するので、障害物の側面の場合、前面に照射される水平線より上側に折曲された斜線となる。
【0223】
図12の(d)に示すように、本体10が壁面の角部に所定距離以上近接した場合、第1パターン光(P1)は、一部が基準位置より上側に水平線として表示され、角部の側面に一部が照射されて下部に折曲された斜線として表示され、床面においては基準位置で水平線として表示される。
【0224】
一方、第2パターン光は、前述した
図12の(c)のように一部は水平線として表示され、角部の側面に照射される一部は上部に折曲された斜線状に入射して表示される。
【0225】
また、
図12の(e)のように、壁面から突出した障害物の場合、第1光パターンは、基準位置(ref1)に水平線として表示され、第2光パターン(P2)は、突出面に一部が水平線として表示され、一部は突出面の側面に照射されて上部に折曲された斜線として表示され、他の一部は壁面に照射されて水平線として表示される。
【0226】
それにより、障害物情報取得部190bは、第1パターン光と第2パターン光の位置及び形態に基づいて、障害物の位置、形態、大きさ(高さ)を判断することができる。
【0227】
以下、検知ユニット130の詳細構成について説明する。
【0228】
図5に示すように、検知ユニット130は、第1検知部131及び第2検知部132に加え、ウィンドウ部133及びケース134をさらに含む。
【0229】
ウィンドウ部133は、第1及び第2検知部131、132を覆うように配置され、透光性を有する。ここで、透光性とは、入射する光の少なくとも一部が透過する性質であって、半透光性を含む概念である。
【0230】
ウィンドウ部133は、合成樹脂材質やガラス材質で形成されてもよい。ウィンドウ部133が半透光性を有する場合、その材質自体が半透光性を有するように形成されてもよく、その材質自体は透光性を有するようにし、その材質に貼り付けられるフィルムが半透光性を有するように形成されてもよい。
【0231】
ケース134は、掃除機本体110に装着され、第1及び第2検知部131、132とウィンドウ部133を固定するように構成される。図示のように、ケース134は、ウィンドウ部133の少なくとも一部を収容するように構成される。ケース134は、合成樹脂材質や金属材質で形成されてもよく、不透光性を有する。
【0232】
図示のように、ケース134は、装着フレーム134a及びカバーフレーム134bを含んでもよい。
【0233】
装着フレーム134aは、第1及び第2検知部131、132が装着及び支持される空間を設ける。そのために、装着フレーム134aには、第1検知部131の装着のための第1装着部134a1、及び第2検知部132の装着のための第2装着部134a2がそれぞれ備えられてもよい。第2装着部134a2には、第1及び第2パターン照射部132a、132bと画像取得部132cが実装された基板132’が装着されてもよい。第2装着部134a2は、第1装着部134a1に対して傾斜して配置されてもよい。
【0234】
装着フレーム134aには、カバーフレーム134b及びウィンドウ部133との締結のための第1及び第2締結フック134a’、134a’’がそれぞれ備えられる。第1締結フック134a’はカバーフレーム134bの締結孔134b’に締結され、第2締結フック134a’’はウィンドウ部133の締結孔133b’’に締結される。装着フレーム134aは、掃除機本体110に装着されてもよい。
【0235】
カバーフレーム134bは、装着フレーム134aに結合され、ウィンドウ部133の少なくとも一部を収容した状態で掃除機本体110に装着される。カバーフレーム134bは、「L」字状に形成され、掃除機本体110の角部に上面及び側面を覆うように配置されてもよい。
【0236】
カバーフレーム134bの上端134b1は、第1検知部131の上方に位置し、前後に傾斜して形成されて尖った形状を有するようにしてもよい。前記形状によれば、ロボット掃除機100が走行中に家具やその他の隙間に挟まっても容易に離脱することができ、第1及び第2検知部131、132より上方に位置する上端134b1により第1及び第2検知部131、132を保護することができる。同図においては、上端134b1が後述するホール134b’’の端部に形成されていることを例示する。
【0237】
カバーフレーム134bの内部に形成されたホール134b’’には、第1検知部131と、第2検知部132の少なくとも一部が収容されるようにしてもよい。同図においては、第1検知部131と、第2検知部132の第1及び第2パターン照射部132a、132bがホール134b’’内に収容されていることを示す。
【0238】
ウィンドウ部133は、第1ウィンドウ133a及び第2ウィンドウ133bを含んでもよい。
【0239】
第1ウィンドウ133aは、透光性材質で形成され、第1検知部131を覆うように配置される。第2ウィンドウ133bは、半透光性を有し、第2検知部132を覆うように配置される。図示のように、第2ウィンドウ133bにおいて第1検知部131に対応する部分には貫通孔133b’が形成されてもよく、第1ウィンドウ133aは貫通孔133b’を覆うように配置されてもよい。
【0240】
第1ウィンドウ133aが透光性材質で形成されるので、前方及び上方の画像を鮮明に撮影することができる。また、第2ウィンドウ133bが半透光性を有するので、外部から目視したときに第2ウィンドウ133bの背面上の第1パターン照射部132a、第2パターン照射部132b及び画像取得部132cがよく見えず、美麗な外観を実現することができる。
【0241】
第2ウィンドウ133bは、第1部分133b1、第2部分133b2、延長部分133b4及び第3部分133b3に区画されてもよい。
【0242】
第1部分133b1は、貫通孔133b’を備える部分であって、掃除機本体110の上面に対して傾斜して配置される。貫通孔133b’に装着される第1ウィンドウ133aは、第1検知部131を覆うように配置される。
【0243】
第2部分133b2は、第1部分133b1から傾斜状に下向きに延び、第1及び第2パターン照射部132a、132bを覆うように配置される。本実施形態においては、第2部分133b2が掃除機本体110の側面と平行に下向きに延びていることを示す。
【0244】
延長部分133b4は、第2部分133b2から下向きに延び、カバーフレーム134bにより覆われる。図示のように、延長部分133b4は、第2部分133b2から内側に向かって下向きに延びてもよい。すなわち、延長部分133b4は、画像取得部132cの上下方向への画角に干渉を起こさないように、第3部分133b3に対して上向きに傾斜して配置される。同様に、カバーフレーム134bにおいて延長部分133b4を覆う部分は、画像取得部132cの上下方向への画角に干渉を起こさないように傾斜して配置される。
【0245】
第3部分133b3は、延長部分133b4から下向きに延びてカバーフレーム134bの外側から突出し、画像取得部132cを覆うように配置される。第3部分133b3は、第2部分133b2と平行に掃除機本体110の側面に沿って下向きに延びてもよい。
【0246】
以下、吸入ユニット120についてより具体的に説明する。
【0247】
図13は
図1に示す吸入ユニット120を示す図であり、
図14は
図13に示す吸入ユニット120の側面図であり、
図15は
図13に示す吸入ユニット120の正面図であり、
図16は
図13に示す吸入ユニット120の底部を示す図である。
【0248】
本実施形態のように、吸入ユニット120が掃除機本体110から突出した形態を有する場合は、吸入ユニット120に別途の検知ユニット130が備えられないと、障害物に当接する可能性が増加する。当然ながら、掃除機本体110に備えられる検知ユニット130が吸入ユニット120の前方の障害物を検知するものの、検知ユニット130が検知できない死角地帯に障害物がある場合は、ロボット掃除機100と障害物間の物理的衝突が起こることがある。このような物理的衝突が起こった場合、後退や方向転換による障害物の回避が行われなければならず、そのためには、障害物との物理的衝突の検知が優先的に要求される。
【0249】
吸入ユニット120は、ケース121と、前記物理的衝突を検知するバンパースイッチ122とを含む。
【0250】
ケース121は、吸入ユニット120の外形を形成し、塵を含む空気を吸入する吸気口120b’と掃除機本体110の内部の吸気流路に連通する連通部120b’’とを含む。ケース121の少なくとも一部は内部が見えるように透光性に形成されてもよい。
【0251】
ケース121の少なくとも一面にはバンパースイッチ122が配置される。バンパースイッチ122は、障害物との接触時に加圧されて制御部に接触信号を伝達するように構成される。
【0252】
バンパースイッチ122は、ケース121を囲むように配置されてもよい。同図においては、ケース121の前側にフロントバンパースイッチ122aが備えられ、ケース121の左右両側にそれぞれサイドバンパースイッチ122b、122cが備えられていることを例示する。
【0253】
上記構成によれば、吸入ユニット120の前方に位置する障害物との物理的衝突だけでなく、吸入ユニット120の側方に位置する障害物との物理的衝突を検知することができる。従って、障害物との物理的衝突の検知範囲が拡大する。
【0254】
上記
図2を参照すると、サイドバンパースイッチ122b、122cが掃除機本体110の両側に接する仮想の延長線より突出するように配置されていることを確認できる。すなわち、サイドバンパースイッチ122b、122cは、掃除機本体110の両側より横方向に突出するように配置されてもよい。
【0255】
こうすることにより、ロボット掃除機100の側方に障害物が位置する場合、掃除機本体110よりサイドバンパースイッチ122b、122cの方が先に障害物に衝突し、障害物の検知が効果的に行われる。
【0256】
バンパースイッチ122は、バンパー122’及びスイッチ122’’を含む。
【0257】
バンパー122’は、ケース121に装着されて外部に露出する部分であって、障害物との接触時に加圧されて内側に移動可能に構成される。
【0258】
バンパー122’が障害物から離れるとバンパー122’が元の状態に復元されるように、バンパー122’の内側にはバンパー122’を外側に加圧する弾性部材(図示せず)が配置されてもよい。弾性部材は、バンパー122’とケース121にそれぞれ支持されるようにしてもよい。
【0259】
スイッチ122’’は、バンパー122’の内側に配置され、バンパー122’が内側に移動すると加圧されて電気的信号を発生するように構成される。スイッチ122’’としては、公知のマイクロスイッチが用いられてもよい。
【0260】
制御部は、バンパースイッチ122により障害物との接触信号が伝達されると、障害物に当接したと判断してホイールユニット111の駆動を制御するように構成される。例えば、制御部は、ロボット掃除機100が後退するように、メインホイール111aに逆方向の駆動力を供給することができる。あるいは、制御部は、ロボット掃除機100が回転するように、いずれかのメインホイール111aにのみ駆動力を供給するか、又は両方のメインホイール111aに異なる方向に駆動力を供給することができる。
【0261】
以上、バンパースイッチ122がフロントバンパースイッチ122aとサイドバンパースイッチ122b、122cに分けられて構成されていることを説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。バンパースイッチ122は、コ字状に形成されてケース121の前面及び左右面を覆うように配置されてもよい。
【0262】
この場合、バンパースイッチ122は、後側[ケース121の前面に配置される部分が障害物と接触したとき]、右側[ケース121の左側面に配置される部分が障害物と接触したとき]、及び左側[ケース121の右側面に配置される部分が障害物と接触したとき]に移動可能に構成される。
【0263】
このように、吸入ユニット120に機械式に作動するバンパースイッチ122が備えられた場合、電子式センサ(例えば、加速度センサ、PSDセンサなど)が備えられた場合に比べて、障害物との衝突をより直接的に検知することができ、製造コストを低減することができ、回路構成を単純化することができるという利点を有する。
【0264】
また、バンパースイッチ122と前述した掃除機本体110に備えられる検知ユニット130との組み合わせで、より向上した障害物検知及びそれに伴う方向転換機能を実現することができる。
【0265】
一方、ロボット掃除機100が正方向(F)に走行中に急な下り段差や断崖などの近くに位置するようになったときには、適切な回避駆動が要求される。もし、このような状況の検知及び対応する制御が行われないと、ロボット掃除機100は段差から落下して破損したり段差を登れなくなることがある。
【0266】
そのために、吸入ユニット120の底部側前端部には、下方の地形を検知するクリフセンサ124が配置される。クリフセンサ124は、発光部及び受光部を備え、発光部から床面Gに照射された光を受光部で受信した時間を測定してクリフセンサ124と床面G間の距離を測定するように構成される。よって、前方に急な下り段差がある場合は、前記受信した時間が急激に増加する。前方に断崖がある場合は、受光部に光が受信されなくなる。
【0267】
同図においては、吸入ユニット120の底部側前端部に床面Gに対して上向きに傾斜した傾斜部120aが形成され、傾斜部120aにクリフセンサ124が床面Gに向かうように設けられていることを示す。上記構造により、クリフセンサ124は前方下側の床面Gに向かって傾斜して配置される。よって、クリフセンサ124により吸入ユニット120の前方下側の地形を検知することができる。
【0268】
上記配置とは異なり、クリフセンサ124は、床面Gに垂直に配置され、クリフセンサ124の真下の地形を検知するように構成されてもよい。
【0269】
制御部は、クリフセンサ124により下方の地形が所定レベル以上に低くなることが検知されると、ホイールユニット111の駆動を制御するように構成される。例えば、制御部は、ロボット掃除機100が逆方向(R)に後退するように、メインホイール111aに逆方向の駆動力を供給することができる。あるいは、制御部は、ロボット掃除機100が回転するように、いずれかのメインホイール111aにのみ駆動力を供給するか、又は両方のメインホイール111aに異なる方向に駆動力を供給することができる。
【0270】
前述したクリフセンサ124は、掃除機本体110の底面にも配置されてもよい。クリフセンサ124の機能を考慮すると、掃除機本体110に備えられるクリフセンサは、掃除機本体110の後側に隣接して配置されることが好ましい。
【0271】
なお、吸入ユニット120の底部側前端部に傾斜部120aが形成されることにより、低い敷居や障害物を容易に乗り越えることができる。また、図示のように、傾斜部120aに補助ホイール123が備えられた場合、前記乗り越えをより簡単に行うことができる。なお、
図14においては、クリフセンサ124について説明するために補助ホイール123を省略している。
【0272】
一方、ロボット掃除機100は、無線で駆動されるので、使用中に掃除機本体110に備えられるバッテリ180の充電が要求される。バッテリ180の充電のために、電源供給部としての充電ステーション(図示せず)が備えられ、吸入ユニット120には充電ステーションに接続可能に構成される充電端子125が備えられる。
【0273】
同図においては、前述したケース121の傾斜部120aに充電端子125が配置されて前方に露出していることを示す。充電端子125は、吸入ユニット120の両側にそれぞれ配置されるクリフセンサ124間に配置されてもよい。
【0274】
一方、吸入ユニット120には、塵の効果的な吸入のためにブラシローラ126が備えられてもよい。ブラシローラ126は、吸気口120b’に回転可能に構成され、床面の塵を掃いて吸入ユニット120の内部に流入させるように構成される。
【0275】
ブラシローラ126の機能上、使用時間が経過するにつれてブラシローラ126には塵が絡みつく。ブラシローラ126の掃除のニーズがあるものの、通常吸入ユニット120は分解しにくい構造に形成され、実質的にブラシローラ126の掃除は困難な現状である。
【0276】
本発明においては、吸入ユニット120全体を分解するのではなく、ブラシローラ126のみを別に分離して掃除できる構造を開示する。
【0277】
図17は
図13に示す吸入ユニット120において操作部127の操作によりブラシローラ126が突出する概念を説明するための図である。
【0278】
図17に示すように、ケース121は、メインケース部121a及びカバーケース部121bを含む。
【0279】
メインケース部121aは、内部に回転可能に構成されるブラシローラ126を備え、一側には開口121a’が形成される。メインケース部121aの前側にはフロントバンパースイッチ122aが装着され、メインケース部121aの他側にはサイドバンパースイッチ122b、122c
のいずれか一方が装着される。
【0280】
カバーケース部121bは、メインケース部121aの一側に備えられる開口121a’を開閉するように、メインケース部121aに着脱可能に結合される。カバーケース部121bにはサイドバンパースイッチ122b、122cの他方が装着される。
【0281】
上記構造により、カバーケース部121bがメインケース部121aから分離されると、メインケース部121aの一側に備えられる開口121a’が外部に露出する。よって、メインケース部121aの内部に配置されたブラシローラ126を開口121a’から外部に引き出すことができる。
【0282】
吸入ユニット120には、操作によりメインケース部121aに対するカバーケース部121bのロックが解除される操作部127が備えられてもよい。操作部127は、メインケース部121aに配置されてもよく、カバーケース部121bに配置されてもよい。操作部127の操作方式は、スライド方式、押圧方式など、様々な方式で実現することができる。同図においては、スライド方式の操作部127がメインケース部121aに設置されていることを示す。
【0283】
メインケース部121aの他側の内部にはブラシローラ126を付勢する弾性部材128が備えられてもよい。弾性部材128としては、板ばね、コイルばねなどを用いることができる。
【0284】
弾性部材128は、カバーケース部121bがメインケース部121aに締結されているときにはブラシローラ126により加圧された状態にあり、操作部127の操作により前記締結が解除されるとブラシローラ126を加圧するように構成される。よって、ブラシローラ126の少なくとも一部を開口121a’から外部に露出させることができる。このとき、図示のように、カバーケース部121bはブラシローラ126に結合された状態であってもよい。
【0285】
図18は
図1に示すロボット掃除機100の内部の空気の流動を示す概念図である。
【0286】
図18に示すように、吸入ユニット120の吸気口120b’から吸入ユニット120の内部に流入した空気は、連通部120b’’を介して掃除機本体110の内部に流入する。なお、吸入ユニット120により吸入された空気は塵(異物が含まれる)を含む。
【0287】
掃除機本体110の内部に流入した空気は、吸気流路を介してダストボックスに流入する。吸気流路は、連通部120b’’に連通する流入口110’から第1開口110a(
図19参照)までを連結する流路である。吸気流路は、ダクト、周辺構造物、又はダクトと周辺構造物との組み合わせで形成されてもよい。
【0288】
同図においては、吸気ダクト117が流入口110’と第1開口110aを連結して吸気流路を形成していることを示す。
【0289】
吸入ユニット120の連通部120b’’は掃除機本体110の前側底面の下に配置されてもよく、この場合、流入口110’は掃除機本体110の前側底面に形成される。また、ダストボックス140が掃除機本体110の後方に配置されるので、ダストボックス140の前方の左右両側にはファンモータ部170とバッテリ180がそれぞれ配置される。
【0290】
上記配置により、流入口110’に連通する吸気ダクト117の前端部は上方向に延設される。また、吸気ダクト117は、バッテリ180を回避して掃除機本体110の一側に延び、前記一側に配置されるファンモータ部170の上を通過するように配置されてもよい。
【0291】
第1開口110aは、ダストボックス140の上部外周面に形成される入口140aに連通するように、ダストボックス収容部113の上部内周面に形成される。よって、吸気ダクト117は、流入口110’から第1開口110aに向かって上方向に延設される。
【0292】
ダストボックス140に流入した空気は、ダストボックス140内の少なくとも1つのサイクロンを経る。前記少なくとも1つのサイクロンにより空気に含まれる塵が分離されてダストボックス140に集塵され、塵が除去された空気がダストボックス140から排出される。
【0293】
具体的には、空気はダストボックス140内で回転流動を形成し、空気と塵の遠心力差により空気と塵が分離される。空気はファンモータ部170による吸引力により少なくとも1つのサイクロンを経て出口140bに流動するが、塵は重量による慣性力がファンモータ部170による吸引力より大きいので次第に落下してダストボックス140の下部に集塵される。
【0294】
図示のように、流入口110’は、掃除機本体110の前側底面の中央に形成されてもよい。ダストボックス140の入口140aは、空気が横方向に流入して自然に回転流動を形成するように、ダストボックス140の内周面に接線方向に開口するように形成されてもよい。ダストボックス140がダストボックス収容部113に収容された状態で、入口140aは、掃除機本体110の横方向に配置されてもよい。
【0295】
塵が分離された空気は、ダストボックス140から排出され、その後掃除機本体110の内部の排気流路を介して最終的に排気口112から外部に排出される。
【0296】
排気流路は、第2開口110b(
図19参照)から排気口112までの流路である。排気流路は、ダクト、周辺構造物、又はダクトと周辺構造物との組み合わせで形成されてもよい。
【0297】
同図においては、排気流路が第2開口110bとファンモータ部170を連結する排気ダクト118及びファンモータ部170から排気口112までの空気の流動をガイドする内部構造物の組み合わせで構成されていることを示す。
【0298】
外部に放出される騒音を減少させるように、ファンモータ部170は、掃除機本体110の中央部分に隣接して配置されてもよい。これに対応して、第2開口110bも、掃除機本体110の中央部分に隣接して形成されてもよい。
【0299】
図示のように、第2開口110bに連通する排気ダクト118の前端部は、第1開口110aに連通する吸気ダクト117の後端部と同じ高さで並んで配置されてもよい。
【0300】
以下、ダストボックス収容部113、ダストボックス140及びダストボックス蓋150についてより具体的に説明する。
【0301】
図19は
図1に示すロボット掃除機100においてダストボックス収容部113にダストボックス140が装着される前の状態を示す図である。
【0302】
図19に示すように、掃除機本体110には、ダストボックス140を収容するダストボックス収容部113が形成される。ダストボックス収容部113は、掃除機本体110の後側から前側に向かって凹んだ形状を有し、掃除機本体110の後方及び上方に開口する。ダストボックス収容部113は、ダストボックス140を支持する底面とダストボックス140の外周の一部を囲む内側壁とにより規定されるようにしてもよい。
【0303】
掃除機本体110には、上面から凹んだリセス部116がダストボックス収容部113の外周に沿って形成される。ダストボックス蓋150は、回動によりダストボックス収容部113に収容され、このとき、ダストボックス140の上面とリセス部116を共に覆うように配置される(
図2参照)。ダストボックス蓋150の一部は、ダストボックス蓋150がダストボックス140に結合された状態で、リセス部116に収容される。
【0304】
ダストボックス収容部113の内側壁には第1開口110a及び第2開口110bが形成される。第1開口110a及び第2開口110bは同じ高さに配置されてもよい。同図においては、第1開口110aと第2開口110bとがダストボックス収容部113の内側壁の上端に左右に隣接して形成されていることを示す。
【0305】
吸気流路、ダストボックス140、排気流路と続く空気の流動が形成されるようにするためには、第1開口110aが入口140aに連通して第2開口110bが出口140bに連通するように配置しなければならない。また、前記連通のためには、ダストボックス140をダストボックス収容部113の定位置に装着しなければならない。
【0306】
そのために、ダストボックス収容部113の底面には、装着突起113bが突設され、ダストボックス140の底面には、装着突起113bに対応する装着凹部149(
図22参照)が形成される。ダストボックス140は、装着突起113bが装着凹部149に収容されることにより、ダストボックス収容部113の定位置に装着される。
【0307】
装着突起113bは、円柱状に形成されたダストボックス140がダストボックス収容部113に収容された状態で回転しないように、ダストボックス140の中心から離れた位置に形成されることが好ましい。同図においては、装着突起113bがダストボックス140の中心を基準として左右両側にそれぞれ形成されていることを示す。
【0308】
なお、装着突起113bの位置と装着凹部149の位置を入れ替えてもよい。すなわち、ダストボックス140の底面に装着突起が突設され、ダストボックス収容部113の底面に装着凹部が形成されてもよい。
【0309】
ダストボックス収容部113の底面には、突出部113aが突設されてもよく、ダストボックス140の底面には、突出部113aに対応する凹部148(
図22参照)が形成されてもよい。凹部148は、ダストボックス140の中心に形成されてもよい。
【0310】
ダストボックス収容部113又はダストボックス140には、ダストボックス140をダストボックス収容部113の定位置に装着する際に第1開口110aと入口140a間の気密、及び第2開口110bと出口140b間の気密を維持するガスケット110a’、110b’が備えられてもよい。ガスケット110a’、110b’は、第1開口110aと第2開口110bを囲むように形成されてもよく、入口140aと出口140bを囲むように形成されてもよい。
【0311】
図20は
図1に示すダストボックス140を示す図であり、
図21は
図20に示すダストボックス140の主要構成を示す分解斜視図である。
【0312】
図20及び
図21に示すように、ダストボックス140は、掃除機本体110の他側に形成されるダストボックス収容部113に収容され、吸入された空気から濾過された塵を集塵するように構成される。図示のように、ダストボックス140は、円柱状に形成され、外形を形成する外部ケース141a、上部ケース141b、上部カバー141d及び下部ケース141cを含んでもよい。
【0313】
外部ケース141aは、両端部が開口した円筒状に形成されてダストボックス140の側面外観を形成する。ダストボックス140には、塵を含む空気が内部に流入する入口140a、及び塵が濾過された空気が排出される出口140bがそれぞれ備えられる。同図においては、外部ケース141aの側面に入口140a及び出口140bがそれぞれ形成されていることを例示する。入口140a及び出口140bは同じ高さに配置されてもよい。同図においては、外部ケース141aの上端に入口140aと出口140bとが隣接して形成されていることを示す。
【0314】
外部ケース141aの内部には、少なくとも1つのサイクロンが配置されてもよい。例えば、外部ケース141aの内部には、入口140aから流入した空気から塵を濾過する第1サイクロン147a、及び第1サイクロン147aの内部に配置されて微細塵を濾過する第2サイクロン147bが備えられてもよい。
【0315】
入口140aからダストボックス140の内部に流入した塵を含む空気は、外部ケース141aと内部ケース141h間に形成される環状の空間である第1サイクロン147aに沿って流動する。流動過程で、相対的に重い塵は落下して集塵され、相対的に軽い空気は吸引力によりメッシュフィルタ141h’を通過して内部ケース141hの内部に流入する。このとき、微細塵も空気と共に内部ケース141hの内部に流入することがある。
【0316】
メッシュフィルタ141h’は、内部ケース141hに装着されて内部ケース141hの内部と外部とを空間的に区画するように構成される。メッシュフィルタ141h’は、空気が通過できるように網状又は多孔性形態を有する。
【0317】
塵と微細塵を区分する大きさの基準はメッシュフィルタ141h’により決定される。メッシュフィルタ141h’を通過する大きさの異物は微細塵に分類され、メッシュフィルタ141h’を通過できない大きさの異物は塵に分類される。
【0318】
メッシュフィルタ141h’を通過できずに落下した異物と塵はメッシュフィルタ141h’の下に配置される第1貯蔵部S1に集塵される。第1貯蔵部S1は、異物と塵が貯蔵される空間を形成することから、異物及び塵貯蔵部といってもよい。第1貯蔵部S1は、外部ケース141、内部ケース141h及び下部ケース141cにより規定される。
【0319】
メッシュフィルタ141h’の下側には、内部ケース141hの周面に沿ってスカート141h1が突設されてもよい。スカート141h1により、スカート141h1の下に配置される第1貯蔵部S1への空気の流入が制限される。従って、第1貯蔵部S1に集塵された異物と塵が飛散してスカート141h1の上側に逆流することを防止することができる。
【0320】
第2サイクロン147bは、メッシュフィルタ141h’を通過して内部に流入した空気から微細塵を分離するように構成される。第2サイクロン147bは、円筒部分と、その下方に連続する円錐部分とを含む。前記円筒部分では、内部に配置されたガイドベーンにより空気の回転流動が起こり、前記円錐部分では、微細塵と空気の分離が起こる。図示のように、第2サイクロン147bは、複数備えられてもよい。
【0321】
また、第2サイクロン147bは、第1サイクロン147aの内側にダストボックス140の上下方向に配置されてもよい。上記配置によれば、第1サイクロン上に第2サイクロンが配置される構造に比べて、ダストボックス140の高さを低くすることができるという利点がある。
【0322】
内部ケース141hの内部に流入した空気は、第2サイクロン147bの上部の流入口147b’に流入する。そのために、内部ケース141hにおいて第2サイクロン147bが配置されていない空間は、空気が上方に移動する通路として用いられる。前記空間は、隣接する第2サイクロン147bにより形成されるようにしてもよく、内部ケース141h及びそれに隣接する第2サイクロン147bにより形成されるようにしてもよい。
【0323】
第2サイクロン147bの上部中心には、微細塵が分離された空気を排出する渦ファインダ147b1が備えられる。このような上部構造により、流入口147b’は、第2サイクロン147bの内周と渦ファインダ147b1の外周間の環状の空間と規定される。
【0324】
第2サイクロン147bの流入口147b’には、内周に沿って螺旋状に延びるガイドベーンが備えられる。ガイドベーンにより、流入口147b’から第2サイクロン147bの内部に流入する空気に回転流動が生じる。
【0325】
渦ファインダ147b1及びガイドベーンは、前述した第2サイクロン147bの円筒部分に配置される。
【0326】
流入口147b’に流入した空気及び微細塵の流動について具体的に説明する。微細塵は、第2サイクロン147bの内周に沿って螺旋状に旋回して次第に下方に流動し、最終的に排出口147b’’から排出されて第2貯蔵部S2に集塵される。また、微細塵に比べて相対的に軽い空気は、吸引力により上方の渦ファインダ147b1に排出される。
【0327】
第2貯蔵部S2は、微細塵の貯蔵空間を形成することから、微細塵貯蔵部といってもよい。第2貯蔵部S2は、内部ケース141hの内部及び下部ケース141cにより規定される空間である。
【0328】
第2サイクロン147bの上部にはカバー141kが配置される。カバー141kは、第2サイクロン147bの流入口147b’を所定の間隔をおいて覆うように配置される。
【0329】
カバー141kには、渦ファインダ147b1に対応する連通孔141k’が形成される。カバー141kは、渦ファインダ147b1を除く内部ケース141hを覆うように配置されてもよい。
【0330】
一方、第2サイクロン147bの外周には、メッシュフィルタ141h’を通過して内部ケース141hの内部に流入する空気と、排出口147b’’から排出される微細塵とが混ざらないように空間的に区画する区画板141b2が設置される。すなわち、区画板141b2の上部ではメッシュフィルタ141h’を通過した空気が流動し、区画板141b2の下部には排出口147b’’から排出された微細塵が集塵される。
【0331】
図示のように、第2サイクロン147bの排出口147b’’は、区画板141b2を貫通する形態であってもよい。区画板141b2は、第2サイクロン147bと一体に形成されてもよく、別体の部材で形成されて第2サイクロン147bに装着されてもよい。
【0332】
外部ケース141aの内側上部には、ダストボックス140の入口140aから流入する空気の流動とダストボックス140の出口140aに向けて排出される空気の流動とを分離する流動分離部材141gが備えられる。
【0333】
上部ケース141bは、流動分離部材141gを覆うように配置され、下部ケース141cは、外部ケース141aの下部を覆うように配置される。
【0334】
流動分離部材141g、上部ケース141b、上部カバー141d及びフィルタ141fについては後述する。
【0335】
ダストボックス140はダストボックス収容部113に着脱可能に構成されるので、着脱を容易にするために、ダストボックス140には取っ手143が備えられてもよい。本実施形態に開示された構造を具体的に説明すると、取っ手143は、上部ケース141bにヒンジ結合されて回動可能に構成される。上部ケース141bには、取っ手143を収容する取っ手収容部142が形成される。
【0336】
取っ手143は、ダストボックス蓋150がダストボックス140を覆うようにダストボックス140に結合された状態では、ダストボックス蓋150により加圧されて取っ手収容部142内に収容され、ダストボックス蓋150がダストボックス140から分離された状態では、取っ手収容部142から突出した状態に置かれるようにしてもよい。そのために、上部ケース141bには、取っ手143を付勢する弾性部(図示せず)が備えられてもよい。
【0337】
上部ケース141bには、係止フック145が突設されてもよい。係止フック145は、上部ケース141bの前側に形成される。ここで、上部ケース141bの前側とは、ダストボックス140がダストボックス収容部113の定位置に装着された場合に掃除機本体110の前方に向かう側を意味する。
【0338】
係止フック145は、掃除機本体110のリセス部116に形成された収容凹部116aに収容される。係止フック145は、上部ケース141bの外周面から突出して下方に折曲された形状を有するようにしてもよい。収容凹部116aには段差116a’が形成され、係止フック145は段差116a’に係止可能に構成されてもよい。
【0339】
図22は
図20に示すダストボックス140の底面図である。
【0340】
下部ケース141cは、ヒンジ部141c’により外部ケース141aに回動可能に結合されてもよい。下部ケース141cに備えられるロック部材141c’’は、外部ケース141aに着脱可能に結合され、結合されると下部ケース141cを外部ケース141aに固定し、結合が解除されると下部ケース141cを外部ケース141aに対して回動可能にする。
【0341】
下部ケース141cは、外部ケース141aに結合されて第1貯蔵部S1及び第2貯蔵部S2の底面を形成する。下部ケース141cがヒンジ部141c’により回動して第1貯蔵部S1と第2貯蔵部S2が同時に開放されると、塵と微細塵が同時に排出される。
【0342】
ヒンジ部141c’とロック部材141c’’とは、下部ケース141cの中心を挟んで対向する位置に備えられてもよい。ダストボックス140がダストボックス収容部113の定位置に装着された場合、ヒンジ部141c’及びロック部材141c’’は、ダストボックス収容部113の内側壁に覆われて外部に露出しないように構成されてもよい。
【0343】
下部ケース141cの底面には、前述した装着突起113bに対応する装着凹部149が形成される。図示のように、装着凹部149は、ヒンジ部141c’とロック部材141c’’に隣接する位置に形成されてもよい。
【0344】
また、下部ケース141cの底面には、前述した突出部113aに対応する凹部148が形成されてもよい。凹部148は、ダストボックス140の中心に形成されてもよい。
【0345】
図23は
図19に示すダストボックス収容部113にダストボックス140が装着された状態を示す図である。
【0346】
図23を参照すると、ダストボックス収容部113にダストボックス140が装着されていない状態で、ダストボックス蓋150は、上方に付勢力を供給するヒンジ部150aにより上向きに傾斜して配置されるようにしてもよい。よって、ダストボックス140は、ダストボックス収容部113の後側上方から下方に傾けて移動させてダストボックス収容部113に収容することができる。
【0347】
ダストボックス140がダストボックス収容部113の定位置に収容されると、ダストボックス140の外周から突設された係止フック145は掃除機本体110のリセス部116に形成された収容凹部116aに収容される。収容凹部116aは、リセス部116より相対的にさらに凹んだ形状を有する。
【0348】
よって、収容凹部116aに段差116a’が形成されるようにしてもよい。段差116a’は、係止フック145の内側に挿入され、係止フック145が横方向に移動すると係止されるように構成される。ダストボックス蓋150がダストボックス140に結合された状態で、ダストボックス蓋150は、係止フック145を覆うように配置される。
【0349】
ダストボックス140がダストボックス収容部113に収容された状態で、上部ケース141bの上面は、リセス部116と同一平面を形成するようにしてもよい。
【0350】
係止フック145を収容凹部116aの定位置に収容できるように、ダストボックス140の上部には位置合わせマーク146が形成され、リセス部116には位置合わせマーク146に対応するガイドマーク116’が形成されてもよい。同図においては、上部ケース141bに位置合わせマーク146が陰刻で形成され、リセス部116にガイドマーク116’が陰刻で形成されていることを示す。
【0351】
収容凹部116aは、掃除機本体110の前方に向かって長く延設されてもよい。ダストボックス蓋150がダストボックス140に結合された状態で、ダストボックス蓋150のヒンジ部150aは、収容凹部116aに収容されるようにしてもよい。
【0352】
前述したように、係止フック145が収容凹部116aの段差116a’に係止されることにより、ダストボックス140は、ダストボックス収容部113において横方向に移動することが制限される。
【0353】
また、前述したように、ダストボックス収容部113の装着突起113bは、ダストボックス140に形成された装着凹部149に挿入される。この場合も、ダストボックス140は、ダストボックス収容部113において横方向に移動することが制限される。
【0354】
よって、ダストボックス140は、上方に移動しなければダストボックス収容部113から離脱しない。ダストボックス蓋150がダストボックス140に締結されてダストボックス140を覆うように配置された状態では、ダストボックス140の上方移動まで制限され、ダストボックス140がダストボックス収容部113から離脱しない。
【0355】
図24は
図20に示すダストボックス140の正面図であり、
図25及び
図26は
図24に示す流動分離部材141gを異なる方向から見た斜視図である。また、
図27は
図24のA−A線断面図であり、
図28は
図20に示すダストボックス140の左側面図である。ダストボックス140の内部での空気の流動についての理解を助けるために、
図29では
図20に示すダストボックス140において上部ケース141bを除いて示し、
図30では
図20に示すダストボックス140において上部ケース141b及び上部カバー141dが分離された状態を示す。
【0356】
図24〜
図30を上記
図20と共に参照すると、上部カバー141dは、ダストボックス140の上側開口部141b’を開閉するように構成される。本実施形態においては、上部ケース141bに上側開口部141b’が形成され、上部カバー141dが上側開口部141b’を開閉するように上部ケース141bに着脱可能に結合される構造を示す。上側開口部141b’は、カバー141k上に重なるように配置される。
【0357】
上部カバー141dには、上部ケース141bとの締結及び締結解除のための操作部141d’が備えられる。操作部141d’は、上部カバー141dの左右両側にそれぞれ形成され、互いに対向する方向、すなわち内側への押圧操作及び付勢力による原状復帰が可能に構成されてもよい。
【0358】
上部カバー141dには、操作部141d’の操作に連動して上部カバー141dの外周から引き出されるか又は引き込まれる固定突起141d’’が備えられる。固定突起141d’’は、操作部141d’を押圧操作すると、上部カバー141dに形成された収容部に引き込まれて外周から突出しない状態に置かれ、付勢力により原状復帰すると、上部カバー141dの外周から突出した状態に置かれる。
【0359】
上側開口部141b’を形成する上部ケース141bの内側面には、固定突起141d’’が挿入されて固定される固定溝141b’’が形成される。固定溝141b’’は、固定突起141d’’に対応する位置にそれぞれ形成され、互いに対向して配置されてもよい。あるいは、固定溝141b’’は、上部ケース141bの内側面に沿ってループ状に延設されてもよい。この場合、固定突起141d’’の設置自由度が向上するという利点がある。
【0360】
ダストボックス140には、入口140aから流入する空気の流動と出口140aに向けて排出される空気の流動とを分離し、前記流動をガイドする流動分離部材141gが備えられる。同図においては、流動分離部材141gが外部ケース141aの内側上端部に結合されていることを示す。
【0361】
より具体的に説明すると、外部ケース141aには、ダストボックス140の入口140a及び出口140bにそれぞれ対応する第1ホール141a’及び第2ホール141a’’がそれぞれ形成される。流動分離部材141gには、第1ホール141a’及び第2ホール141a’’にそれぞれ対応する第1開口部141g’及び第2開口部141g’’が形成される。上記構造により、流動分離部材141gが外部ケース141aの内側に結合されると、第1ホール141a’と第1開口部141g’とが連通してダストボックス140の入口140aを形成し、第2ホール141a’’と第2開口部141g’’とが連通してダストボックス140の出口140bを形成する。
【0362】
流動分離部材141gには、外部ケース141aの内周面に形成された溝141a1に挿入される嵌合突起141g2が形成されてもよい。また、流動分離部材141gの上部には、支持リブ141g3が周面に沿って突設され、外部ケース141aの上端に支持されてもよい。
【0363】
流動分離部材141gは、中空部を備え、内周に沿って前記中空部を囲む流動分離部141g1が形成される。流動分離部材141gの中空部は、カバー141k上に重なり、連通孔141k’から排出される空気が流動分離部141g1の上部に流入できるように構成される。
【0364】
第1開口部141g’と第2開口部141g’’とは流動分離部材141gの反対面上に形成される。図示のように、第1開口部141g’は流動分離部材141gの下面上に備えられ、入口140aから流入する空気が流動分離部材141gの下部で流動する。第2開口部141g’’は流動分離部材141gの上面上に備えられ、出口140bに向けて排出される空気が流動分離部材141gの上部で流動する。
【0365】
流動分離部材141gは、第1開口部141g’と第2開口部141g’’間を塞ぐように形成され、第1開口部141g’から流入する空気と第2開口部141g’’に向けて排出される空気とを分離するように構成される。
【0366】
第1開口部141g’には、ダストボックス140に流入する空気が回転流動を形成するようにガイドするために、第1開口部141g’の一側から延びるガイド部141g4が形成されてもよい。
【0367】
ダストボックス140の出口140bは、流動損失を最小限に抑え、周辺構造物と干渉することなく調和するように形成されることが好ましい。
【0368】
第1開口部141g’及び第2開口部141g’’は、流動分離部材141gの上部周面に沿って左右に並んで配置されてもよい。よって、第1開口部141g’及び第2開口部141g’’にそれぞれ対応するダストボックス140の入口140a及び出口140bは、ダストボックス140の同じ高さに形成されてもよい。
【0369】
入口140aは、ダストボックス140に流入する空気がダストボックス140の底部に集塵された塵を飛散させないように、ダストボックス140の上部に形成される。
【0370】
マルチサイクロンの高さの制約が少ない掃除機(例えば、アップライト型、キャニスター型など)の場合、一般的には出口の方が入口に比べて高い位置に設置される。しかし、本発明のロボット掃除機100のように高さの制約を考慮しながらもダストボックス140の容量を増加させなければならない場合、出口140b及び入口140aは、ダストボックス140の同じ高さに形成されてもよい。
【0371】
また、入口140aに流入した空気が下向きに傾斜した流動分離部141g1によりガイドされる本願発明の構造において、入口140aに流入した空気が下方に向かう角度は流動分離部141g1の傾斜に関連する。つまり、流動分離部141g1の傾斜が大きい場合、入口140aに流入した空気は、十分な遠心力を受けることができないだけでなく、ダストボックス140の底部に集塵された塵を飛散させることもある。
【0372】
このような観点から、流動分離部材141gの傾斜はできるだけ小さいことが好ましい。流動分離部材141gは、第1開口部141g’の上側から第2開口部141g’’の下側につながるので、入口140a及び出口140bがダストボックス140の同じ高さに形成された場合、流動分離部141gが長いほど流動分離部141gの下向き傾斜は緩やかになる。よって、流動分離部141gは、第2開口部141g’’が第1開口部141g’の真横に配置される場合に最も長く形成され、その結果、傾斜が最も緩やかになる。
【0373】
同図においては、入口140a及び出口140bが外部ケース141aの上端に左右に並んで形成された構造を示す。流動分離部材141gは、第1開口部141g’の上端から第2開口部141g’’の下端に向かって外部ケース141aの内周面に沿って螺旋状に下向きに傾斜した形状を有するようにしてもよい。
【0374】
内部ケース141h、カバー141k及び流動分離部材141gは互いに結合される。図示のように、内部ケース141hには、カバー141k及び流動分離部材141gとの結合のための締結ボス141h’’が備えられてもよい。
【0375】
ダストボックス140内に備えられるマルチサイクロンは、入口140aから内部に流入した空気中の異物や塵を濾過する。異物や塵が濾過された空気は上昇して流動分離部141g1の上部で出口140bに向かって流動する。本発明のダストボックス140は、このように流動する空気が最終的に出口140bから排出される前にさらに異物や塵を濾過する構造を備える。
【0376】
上部カバー141dの背面には、前記マルチサイクロンを通過して出口140bに向けて排出される空気中の異物や塵を濾過するフィルタ141fが備えられる。フィルタ141fは、カバー141kを覆うように配置され、第2サイクロン147bの渦ファインダを通過した空気中の塵を濾過する。
【0377】
上部カバー141dが上部ケース141bに装着された状態で、フィルタ141fはカバー141kを覆うように配置される。例えば、フィルタ141fは、流動分離部141g1の上面に密着するようにしてもよく、カバー141kの上面に密着するようにしてもよい。
【0378】
フィルタ141fは、上部カバー141dの背面から突出した装着リブ141eに装着されてもよい。同図においては、装着リブ141eが複数の突出部141e’及び装着部141e’’を含む構造を示す。装着リブ141eは、上部カバー141dの射出成形時に一体に形成されてもよい。
【0379】
突出部141e’は、上部カバー141dの背面から突設され、複数箇所に備えられる。装着部141e’’は、上部カバー141dの背面から所定間隔離隔して配置され、複数の突出部141e’により複数箇所で支持される。装着部141e’’は、流動分離部材141gの中空部より大きいループ状に形成されてもよい。
【0380】
フィルタ141fは、フィルタ部141f’及びシール部141f’’を含む。
【0381】
フィルタ部141f’は、流動分離部材141gの中空部又はカバー141kを覆うように配置され、カバー141kの連通孔141kから排出される空気中の異物や塵を濾過するように構成される。フィルタ部141f’は、メッシュ形状を有するようにしてもよい。
【0382】
シール部141f’’は、フィルタ部141f’を囲むように配置され、装着部141e’’に装着されてフィルタ141fが装着リブ141eに固定されるようにする。前記固定のために、シール部141f’’には、装着部141e’’が挿入される凹部が形成されてもよい。シール部141f’’は、流動分離部141g1の上面又はカバー141kの上面に密着してカバー141kの連通孔141k’を覆うように配置されてもよい。
【0383】
上記構造によれば、前記マルチサイクロンにより異物や塵が濾過された空気は、フィルタ部141f’を通過して突出部141e’間の空間を介して出口140bから排出される。ここで、前記空間は、フィルタ141fの外周に形成され、流動分離部141g1の上部に連通する。また、シール部141f’’がフィルタ141fとそれに密着する流動分離部141g1の上面又はカバー141kの上面間の隙間をシールするように構成されるので、空気中の異物や塵が前記隙間を介して出口140bから排出されることが防止される。
【0384】
ダストボックス140の他の詳細構成はダストボックス蓋150と構造的関連性を有するので、ダストボックス蓋150と共に説明する。
【0385】
図31は
図1に示すダストボックス蓋150を示す図であり、
図32は
図31に示すダストボックス蓋150の分解斜視図である。
【0386】
図31及び
図32と上記
図1〜
図3を共に参照すると、ダストボックス蓋150は、ヒンジ部150aにより掃除機本体110に回動可能に結合され、ダストボックス140に結合されるとダストボックス140の上面を完全に覆うように配置される。上記配置状態で、ダストボックス蓋150の一部はダストボックス収容部113に収容され、ダストボックス蓋150の他の一部は掃除機本体110の後方[すなわち、正方向(F)の反対方向である逆方向(R)]に向かって突設されてもよい。ヒンジ部150aは、ダストボックス蓋150を上方に付勢するように構成され、ダストボックス蓋150がダストボックス140に結合されていない場合、ダストボックス140の上面に対して上向きに傾斜するようにティルトした状態にある。
【0387】
ダストボックス蓋150は、掃除機本体110の前後方向に長い楕円形に形成され、ダストボックス140に結合されると円形のダストボックス140を完全に覆うように配置される。掃除機本体110には、掃除機本体110の上面から凹んだリセス部116がダストボックス収容部113の外周に沿って形成される(
図19及び
図23参照)。ダストボックス蓋150は、回動によりダストボックス収容部113に収容され、このとき、ダストボックス140の上面とリセス部116を共に覆うように配置される。掃除機本体110の前後方向に対応するダストボックス蓋150の前後長さは、掃除機本体110の左右方向に対応するダストボックス蓋150の左右長さより長くてもよく、前記左右長さは、ダストボックス蓋150の半径と同じか又は前記半径より長い。
【0388】
ダストボックス蓋150には、タッチキー150’、タッチスクリーン150’’及びディスプレイ部(図示せず)の少なくとも1つが備えられてもよい。タッチスクリーン150’’は、視覚情報を出力して前記視覚情報へのタッチ入力を受け取るように構成されるという点で、視覚情報を出力するがタッチ機能は備えないディスプレイとは区別される。
【0389】
ダストボックス蓋150は、トップカバー151、ボトムカバー152、及びトップカバー151とボトムカバー152との間のミドルフレーム153を含んでもよい。上記各構成は合成樹脂材質で形成されてもよい。
【0390】
トップカバー151は、透光性を有するように構成されてもよい。例えば、トップカバー151自体が半透光性を有するように形成されてもよく、トップカバー151自体は透光性を有するようにし、トップカバー151の背面に貼り付けられるフィルムが半透光性を有するように形成されてもよい。トップカバー151が透光性を有するので、タッチキー150’のピクトグラム(pictogram)又はタッチスクリーン150’’もしくはディスプレイから出力される視覚情報がトップカバー151を介してユーザに伝達される。
【0391】
トップカバー151の背面には、トップカバー151へのタッチ入力を検知するタッチセンサが取り付けられてもよい。前記タッチセンサは、後述するタッチキーモジュール154a及び/又はタッチスクリーンモジュール154bを構成するようにしてもよい。
【0392】
ボトムカバー152は、トップカバー151と結合され、トップカバー151と共にダストボックス蓋150の外観を形成する。ボトムカバー152は、不透光性材質で形成されてもよく、ダストボックス蓋150の内部に電子素子やサブ回路基板157を装着するための装着面を形成する。
【0393】
トップカバー151又はボトムカバー152には、掃除機本体110に回動可能に結合されるヒンジ部150aが結合されてもよい。ヒンジ部150aは、トップカバー151又はボトムカバー152自体に備えられてもよい。
【0394】
ボトムカバー152には電子素子やサブ回路基板157が装着される。例えば、ボトムカバー152には、掃除機本体110のメイン回路基板(図示せず)に電気的に接続されるサブ回路基板157が装着される。ここで、メイン回路基板は、ロボット掃除機100の各種機能を動作させるための制御部の一例として構成されてもよい。
【0395】
サブ回路基板157には各種電子素子が装着される。同図においては、サブ回路基板157上にタッチキーモジュール154a、タッチスクリーンモジュール154b及び赤外線受信ユニット156(例えば、IRセンサ)が電気的に接続されていることを示す。前記電気的接続は、電子素子がサブ回路基板157に実装されることだけでなく、電子素子がフレキシブルプリント基板(FPC)を介してサブ回路基板157に接続されることを含む。
【0396】
タッチキーモジュール154a上のトップカバー151にはピクトグラムが印刷され、タッチキーモジュール154aはトップカバー151のピクトグラム部分へのタッチ入力を検知するように構成される。タッチキーモジュール154aは、タッチセンサを含み、前記タッチセンサは、トップカバー151の背面に取り付けられてもよく、トップカバー151に隣接して配置されてもよい。タッチキーモジュール154aは、ピクトグラムを照らすバックライトユニットをさらに含んでもよい。
【0397】
タッチスクリーンモジュール154bは、視覚情報の出力によりロボット掃除機100とユーザ間の出力インタフェースを提供すると共に、トップカバー151へのタッチ入力を検知するように構成されてロボット掃除機100とユーザ間の入力インタフェースを提供する。タッチスクリーンモジュール154bは、トップカバー151を介して視覚情報を出力するディスプレイ、及びトップカバー151へのタッチ入力を検知するタッチセンサを含み、これらはレイヤ構造をなすか又は一体に形成されることによりタッチスクリーンを実現する。
【0398】
タッチスクリーンモジュール154bは、ミドルフレーム153の貫通孔153bに収容されてボンディング、フック結合などによりミドルフレーム153に結合されるようにしてもよい。この場合、タッチスクリーンモジュール154bは、フレキシブルプリント基板を介してサブ回路基板157に電気的に接続されてもよい。タッチスクリーンモジュール154bは、トップカバー151の背面に取り付けられてもよく、トップカバー151に隣接して配置されてもよい。
【0399】
ダストボックス蓋150には加速度センサ155が備えられてもよい。加速度センサ155は、サブ回路基板157に実装されてもよく、フレキシブルプリント基板を介してサブ回路基板157に電気的に接続されてもよい。加速度センサ155は、加速度センサ155に作用する重力加速度を互いに垂直なX、Y、Zベクトルに分けて検知する。
【0400】
制御部は、このような加速度センサ155により検知されたX、Y、Zベクトル値を用いてダストボックス蓋150の開閉を検知するようにしてもよい。具体的には、ダストボックス蓋150の閉状態を基準とすると、ダストボックス蓋150の開状態(ティルト状態)では、少なくとも2つのベクトル値が異なる。すなわち、ダストボックス蓋150の傾斜の程度に応じて加速度センサ155により検知されるベクトル値が異なる。
【0401】
制御部は、前記2つの状態でのベクトル値の差が予め設定された基準値以上の場合、ダストボックス蓋150がダストボックス140に締結されていない状態と判断し、対応する制御信号を発生するようにしてもよい。例えば、ダストボックス蓋150が開いたティルト状態の場合、制御部は、加速度センサ155によりそれを検知してホイールユニット111の駆動を停止してアラームを発生するようにしてもよい。
【0402】
また、ダストボックス蓋150に振動が加わると、加速度センサ155により検知されるベクトル値が異なる。制御部は、所定時間内に予め設定された基準値以上のベクトル値の変化が検知された場合、タッチスクリーンモジュール154bを非アクティブ化(OFF)状態からアクティブ化(ON)状態に切り替えるようにしてもよい。例えば、タッチスクリーンモジュール154bが非アクティブ化された状態でユーザがダストボックス蓋150を複数回叩くと、制御部は、加速度センサ155によりそれを検知してタッチスクリーンモジュール154bをアクティブ化状態に切り替えるようにしてもよい。
【0403】
前述した加速度センサ155の代わりにジャイロセンサを用いてもよい。あるいは、加速度センサ155とジャイロセンサを共に用いて相互補完により向上した検知性能を実現するようにしてもよい。
【0404】
赤外線受信ユニット156は、サブ回路基板157の各角部に配置され、異なる方向から送信される赤外線信号を受信するように形成されてもよい。ここで、赤外線信号は、ロボット掃除機100を制御するためのリモコン(図示せず)の操作時に前記リモコンから出力される信号であってもよい。
【0405】
ミドルフレーム153は、サブ回路基板157を覆うように配置され、サブ回路基板157上に実装されたタッチキーモジュール154a及びタッチスクリーンモジュール154bにそれぞれ対応する貫通孔153a、153bを備える。貫通孔153a、153bを規定する内側面は、タッチキーモジュール154a及びタッチスクリーンモジュール154bのそれぞれを囲むように形成される。
【0406】
ミドルフレーム153の各角部には、それぞれの赤外線受信ユニット156の上部を覆うように配置され、赤外線を受信できるように前方が開放された形態の収容部153cが備えられてもよい。上記配置によれば、赤外線受信ユニット156は、ダストボックス蓋150の側面[具体的には、透光性を有するトップカバー151の側面]に対向して配置される。赤外線受信ユニット156の上部が収容部153cにより覆われるので、天井に配置される三波長ランプ又は太陽光による赤外線受信ユニット156の誤作動を防止することができる。
【0407】
ダストボックス蓋150は、少なくとも一部が掃除機本体110の上面より突出するように配置されてもよい。図示のように、トップカバー151は、上面から外側下向きに傾斜して延びるテーパ部151aを備えてもよい。テーパ部151aは、トップカバー151の外周に沿って延設され、上記
図3に示すように、ダストボックス蓋150がダストボックス140に結合された状態で掃除機本体110の上面より突出するように配置されてもよい。
【0408】
もし、トップカバー151の上面から垂直下向きに延びる側面が連続して形成された場合は、トップカバー151の角部においてトップカバー151に流入する赤外線信号が屈折又は反射し、赤外線受信ユニット156の受信性能が低下することがある。また、トップカバー151の側面が掃除機本体110の上面により完全に遮蔽された場合は、赤外線受信ユニット156の受信性能がさらに低下せざるを得ない。
【0409】
しかし、上記構造によれば、テーパ部151aにより、トップカバー151に流入する赤外線信号がほとんど屈折又は反射することなく、テーパ部151aの内側に隣接配置される赤外線受信ユニット156に流入するようにすることができる。また、テーパ部151aが掃除機本体110の上面より突出するように配置され、赤外線受信ユニット156が複数備えられてテーパ部151aの内側に所定間隔離隔して配置されることにより、四方から赤外線信号を受信することができる。従って、赤外線受信ユニット156の受信性能が向上する。
【0410】
以下、ダストボックス140の固定構造について説明する。
【0411】
図33は
図31に示すダストボックス蓋150の背面を示す図であり、
図34は
図33に示すフック部158がダストボックス140に締結される構造を示す断面図である。
【0412】
図33及び
図34と上記
図20を共に参照すると、ダストボックス蓋150は、ダストボックス140のロック部144に締結可能に構成されるフック部158を備える。同図においては、ボトムカバー152の底面一側にフック部158が突設されていることを例示する。フック部158は、ヒンジ部150aの反対側に備えられてもよい。
【0413】
フック部158がロック部144に締結されると、ダストボックス140の上部に備えられる取っ手143はダストボックス蓋150により加圧されて取っ手収容部142内に収容される。フック部158とロック部144との締結が解除されると、取っ手143は弾性部により加圧されて取っ手収容部142から突出する。上記図に示すように、取っ手143は、上部ケース141bに対して傾斜して配置されてもよい。
【0414】
ダストボックス140に備えられるロック部144は、ボタン部144a及び係止部144bを含む。ロック部144は、掃除機本体110の後方に露出する。
【0415】
ボタン部144aは、ダストボックス140の側面に押圧操作可能に構成され、係止部144bは、ダストボックス蓋150のフック部158が係止されるように構成され、ボタン部144aの押圧操作によりフック部158との係止が解除されるように構成される。係止部144bは、ダストボックス140の上部に形成されてもよい。
【0416】
以上、ダストボックス蓋150にフック部158が形成され、ダストボックス140にロック部144が備えられた場合を例に挙げて説明したが、フック部158の形成位置とロック部144の形成位置を入れ替えてもよい。すなわち、ダストボックス蓋150にロック部が備えられ、ダストボックス140にフック部が備えられるようにしてもよい。
【0417】
このように、ダストボックス蓋150は、フック部158とロック部144との締結構造によりダストボックス140に着脱可能に結合される。すなわち、ダストボックス蓋150と掃除機本体110との直接的な締結関係は存在せず、ダストボックス蓋150がダストボックス収容部113に収容されたダストボックス140に締結される構造といえる。
【0418】
前述したように、ダストボックス収容部113に収容されたダストボックス140は、前述した装着突起113b及び装着凹部149と係止フック145及び段差116a’により横方向への移動が制限される。ダストボックス140がダストボックス収容部113に収容された状態で、ダストボックス蓋150がダストボックス140を覆うようにダストボックス140に締結されると、ダストボックス140の上方移動も制限され、ダストボックス140がダストボックス収容部113から離脱することを防止することができる。
【0419】
ダストボックス140が装着されていない場合は、ダストボックス蓋150がヒンジ部150aを中心に自由に回動可能な状態、すなわち非固定状態に置かれる。前述したように、このような非固定状態で、ダストボックス蓋150は、上方にティルトして配置されるようにしてもよい。
【0420】
ダストボックス蓋150は、ダストボックス140に締結されると、水平な状態に配置される。ダストボックス蓋150は、ダストボックス140に締結されないと、上向きに傾斜するようにティルトした状態に置かれる。ダストボックス140がダストボックス収容部113に収容されていない状態で、ダストボックス蓋150が上向きに傾斜するようにティルトした状態に置かれることは言うまでもない。
【0421】
よって、ユーザはダストボックス蓋150がティルトした状態にあるか否かを肉眼で確認することにより、ダストボックス蓋150がダストボックス140に締結されているか否かを直観的に確認することができる。
【0422】
一方、ダストボックス140で濾過された空気は、ダストボックス140から排出され、最終的に排気口112から外部に排出される。ここで、排気口112の前方には、前記濾過された空気に含まれる微細塵を濾過するフィルタユニット160が配置される。以下、フィルタユニット160について説明する。
【0423】
図35は
図19に示すダストボックス収容部113の内側を示す図であり、
図36は
図35に示すフィルタユニット160が回動した状態を示す概念図であり、
図37は
図36に示すフィルタユニット160の分解斜視図である。
【0424】
図35〜
図37に示すように、フィルタユニット160は、掃除機本体110の内部に収容され、排気口112の前方に配置される。フィルタユニット160は、ダストボックス140がダストボックス収容部113から分離されると外部に露出する。ここで、排気口112は、ダストボックス収容部113を規定する掃除機本体110の内側壁に形成されてもよい。排気口112は、ダストボックス収容部113を囲む掃除機本体110の一端部(左側端部又は右側端部)に形成されてもよい。本実施形態においては、図面上でダストボックス収容部113の左側端部に排気口112が掃除機本体110の高さ方向に長く形成されていることを示す。
【0425】
前述したように、第2開口110bから排出される空気は排気流路を介して排気口112にガイドされる。排気口112が掃除機本体110の一端部に形成された構造により、前記排気流路は掃除機本体110の一端部に延びる。フィルタユニット160は前記排気流路上に配置される。
【0426】
フィルタユニット160は、フィルタケース161及びフィルタ162を含む。
【0427】
フィルタケース161は、ダストボックス収容部113を規定する掃除機本体110の内側壁にヒンジ結合されるヒンジ部161cを備える。従って、フィルタケース161は、掃除機本体110に対して回動可能に構成される。
【0428】
フィルタケース161は、フィルタ収容部161a、及びフィルタ収容部161aに連通して排気口112に対向して配置される通気口161bを備える。フィルタケース161に流入する空気は、フィルタ収容部161aに装着されたフィルタ162を経て通気口161bから排出される。
【0429】
フィルタ162は、フィルタ収容部161aに装着される。フィルタ162としては、微細塵を濾過するためのHEPAフィルタが用いられてもよい。フィルタ162には取っ手162aが備えられてもよい。
【0430】
同図においては、フィルタケース161の前面にフィルタ収容部161aが形成され、フィルタケース161の側面に通気口161bが形成されていることを例示する。より具体的には、フィルタケース161の側面に貫通孔161eが形成され、貫通孔161eからのフィルタ162の挿入をガイドするように、フィルタケース161の底面にフィルタ162の挿入方向に沿ってガイドレール161fが突設される。
【0431】
フィルタケース161へのフィルタ162の装着構造がこれに限定されるものではない。他の例として、同図に示す構造とは異なり、フィルタ162は、フィルタケース161の前面から装着されてフィルタ収容部161aに収容されるようにしてもよい。この場合、フィルタ162は、フィルタ収容部161aにフック結合により固定されるようにしてもよい。
【0432】
フィルタケース161は、内側壁に形成された開口115により掃除機本体110の内部に収納可能に構成され、掃除機本体110の内部に収納された状態で外面が外部に露出して掃除機本体110の内側壁と共にダストボックス収容部113を規定するように構成される。そのために、フィルタケース161の外面は、曲面状に形成されるようにしてもよく、ダストボックス収容部113の内側壁と実質的に同じ曲率を有する曲面状に形成されることが好ましい。
【0433】
掃除機本体110の内側壁と共にダストボックス収容部113を規定するフィルタケース161の一面には、ノブ161dが形成されてもよい。
図2及び
図19を参照すると、ダストボックス140がダストボックス収容部113に収容された状態で、ダストボックス140はフィルタケース161を覆って遮蔽し、ノブ161dはダストボックス140に覆われて外部に露出しない。
【0434】
フィルタケース161は、開口115を開放するように回動した状態で、ダストボックス収容部113内に配置されるようにしてもよい。上記構造によれば、フィルタ収容部161aが外部に露出し、フィルタ162を容易に交換することができる。