特許第6724181号(P6724181)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6724181
(24)【登録日】2020年6月26日
(45)【発行日】2020年7月15日
(54)【発明の名称】電子機器の結合装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20200706BHJP
【FI】
   H05K5/02 V
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-17096(P2019-17096)
(22)【出願日】2019年2月1日
(65)【公開番号】特開2019-145788(P2019-145788A)
(43)【公開日】2019年8月29日
【審査請求日】2019年2月1日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0020405
(32)【優先日】2018年2月21日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS ELECTRIC CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(72)【発明者】
【氏名】ジュ、サン−オ
【審査官】 小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06826863(US,B1)
【文献】 特開2012−028493(JP,A)
【文献】 特開平07−086765(JP,A)
【文献】 特開平11−268595(JP,A)
【文献】 特開2014−116462(JP,A)
【文献】 特開2014−192410(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102016102138(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/00− 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の大きさに対応する大きさで挿入孔が貫通された筐体に前記電子機器を結合させる電子機器の結合装置において、
前記筐体の外部に露出するフロントカバーと、前記フロントカバーの後方に結合するリアカバーの間に挿入され、前記フロントカバーと前記リアカバーが結合した状態で、前記挿入孔を通して前記筐体に係止維持される複数のフック状ブラケット;
前記フロントカバーに備えられて、前記フック状ブラケットが装着されるブラケット装着部;及び、
前記リアカバーに備えられて、前記フロントカバーとリアカバーを結合する時に前記フック状ブラケットと結合される補助装着部;
を含んでおり、
前記フック状ブラケットは、
前記筐体に係止維持されるフック部と、
前記フック部と同じ幅を有して、前記フック部の一端に延びるフックボディと、
前記フックボディの両側に一体に形成される第1の係止部と、
前記フックボディの一端から延びるものの、前記フックボディと互いに向かい合うようにベンディング(bending)される第2の係止部、
を含んでおり、
前記ブラケット装着部は、
前記フロントカバーの前面に結合した第1のフレームの縁に沿って結合した第2のフレームの複数ヵ所に切開形成されるものの、前記筐体に向かって切開された切開孔と、
前記第2のフレームと一体に形成されて、前記フック状ブラケットが装着される収容空間を形成する第1のリブ及び第2のリブ、
を含む、
電子機器の結合装置。
【請求項2】
前記フック状ブラケットは、剛性のある金属材で作られており、
前記電子機器が前記挿入孔に挿入される際、前記フック部及びフックボディが加圧して弾性変形され、
前記電子機器が前記挿入孔に挿入された後、前記フック部及びフックボディが復元されて、前記フック部が前記筐体に係止した状態で維持されることを特徴とする、請求項に記載の電子機器の結合装置。
【請求項3】
前記切開孔は、前記フック部の幅に対応する幅に切開されるし、
前記第1のリブは、前記第2のフレームの内側に突き出て、前記フック状ブラケットを装着する際、前記フックボディを隔てて互いに向かい合う一対のバー(bar)状であり、
前記第2のリブは、前記フック状ブラケットを装着する際、前記第1の係止部及び第2の係止部を隔てて前記第1のリブと互いに向かい合う一対のバー(bar)状であることを特徴とする、請求項に記載の電子機器の結合装置。
【請求項4】
前記第1の係止部は、前記第1のリブの厚さに対応する幅だけ前記第2の係止部に向かって直角にベンディングされて、前記フックボディと平行に延び、前記ブラケット装着部に結合する時に前記第1のリブの一側に密着して、
前記第2の係止部は、前記第2のリブの一側に密着することを特徴とする、請求項に記載の電子機器の結合装置。
【請求項5】
前記フック状ブラケットは、
前記第2の係止部の端部から前記フック部と対向する方向にベンディングドされた係止段を含み、
前記補助装着部は、前記ブラケット装着部の位置に対応して、前記リアカバーの内側面から板状に突き出て、
前記補助装着部は、前記フロントカバー及びリアカバーが互いに結合される際、前記係止段に密着して前記係止段を加圧することを特徴とする、請求項に記載の電子機器の結合装置。
【請求項6】
前記第2の係止部は、前記フックボディからベンディングされて、「U」字状に延びて形成され、延びた端部にそれぞれ前記係止段がベンディングして形成されることを特徴とする、請求項に記載の電子機器の結合装置。
【請求項7】
前記第2の係止部は、前記フックボディからベンディングされて、前記フックボディの幅より大きな幅を有するように延びて形成され、延びた端部にそれぞれ前記係止段がベンディングして形成されることを特徴とする、請求項に記載の電子機器の結合装置。
【請求項8】
前記第1の係止部は、前記第1のリブを囲む「コ」字状に前記フックボディの両側から延びたことを特徴とする、請求項に記載の電子機器の結合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器を筐体に取り付ける前に、筐体と電子機器とが分離されないように電子機器を1次固定することができる電子機器の結合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、HMI(Human Machine Interface)機器やパネルPCは、PCで運営されているハードディスク、CDドライバ、冷却ファン等、一切の機械的要素を排除することで、現場の作業者が使用しやすいパネル型の多機能制御機器を意味する。
【0003】
HMI機器は、パネルに固定して取り付ける形態から、作業者が移動しながら使用できる携帯用パネル型等、多様な形態に提供されている。
【0004】
図1は、従来の電子機器の結合構造を示した図面、図2は、従来の電子機器の他の結合構造を示した図面である。
【0005】
図1に示したように、HMI機器やパネルPC(Panel PC)等の電子機器5を取り付ける際、筐体1に形成された取付孔2に電子機器5を先に挿入する。その後、電子機器5の内側に結合したフック状ブラケット7が筐体1に係止するようにすることで、電子機器5が筐体1から分離されることを防止することができる。このとき、ブラケット7は、プラスチック材質で作られる。電子機器5のフロントカバー又はリアカバーの上側には孔が形成される。フック状の部位は、孔を貫通して突き出て筐体1に係止する構造である。また、フロントカバー又はリアカバーは、着脱可能な構造であり、ブラケット7の露出していない部分は、通常、スプリング、ピン等、結合のための3〜5つの部品で構成される。
【0006】
または、図2に示したように、電子機器5’を組み立てる際、フロントカバー5a又はリアカバー5bの内側に複数のフックを備えた形状のブラケット7’を組み立てる。その後、フロントカバー5aとリアカバー5bを別の締結ボルトで結合する。次に、電子機器5’を筐体1に取り付けることができる。この場合も、ブラケット7’の構成と材質は、同様である。
【0007】
ところで、かかる従来の電子機器は、ブラケットがプラスチック材質で作られるため、取り付け過程において、ブラケットのフック状の部位が筐体の取付孔に挿入されながら撓むか破損するリスクがある。フック状ブラケットが3〜5つの部品で構成されるため、組み立て過程が複雑であり、原価が高くなる問題がある。
【0008】
また、フック状ブラケットがない電子機器の場合、一人の作業者が電子機器を筐体に挿入した状態で維持して、他の一人の作業者が筐体の後面で電子機器を固定する作業をしなければならない。そのため、電子機器の取り付け作業を一人で作業しにくく、作業時間が遅延される問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、一人の作業者でも電子機器を筐体に装着しやすい電子機器の結合装置を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、ブラケットの構造を改善して、原価を減少し、組立構造及び作業時間を短縮させる電子機器の結合装置を提供することである。
【課題を解決しようとする手段】
【0011】
本発明は、電子機器の大きさに対応する大きさで挿入孔が貫通された筐体に前記電子機器を結合させる電子機器の結合装置において、前記筐体の外部に露出するフロントカバーと、前記フロントカバーの後方に結合するリアカバーとの間に挿入され、前記フロントカバーと前記リアカバーが結合した状態で、前記挿入孔を通して前記筐体に係止維持される複数のフック状ブラケットと、前記フロントカバーに備えられて、前記フック状ブラケットが装着されるブラケット装着部と、前記リアカバーに備えられて、前記フロントカバーとリアカバーを結合する際、前記フック状ブラケットと結合する補助装着部を含む電子機器の結合装置を提供する。
【0012】
前記フック状ブラケットは、前記筐体に係止維持されるフック部と、前記フック部と同じ幅を有して、前記フック部の一端に延びるフックボディと、前記フックボディの両側に一体に形成される第1の係止部と、前記フックボディの一端から延びるものの、前記フックボディと互いに向かい合うようにベンディングされる第2の係止部を含んでいてもよい。
【0013】
前記フック状ブラケットは、剛性のある金属材で作られており、前記電子機器が前記挿入孔に挿入される際、前記フック部及びフックボディが加圧して弾性変形され、前記電子機器が前記挿入孔に挿入された後、前記フック部及びフックボディが復元されて、前記フック部が前記筐体に係止維持されることを特徴とする。
【0014】
前記ブラケット装着部は、前記フロントカバーの前面に結合した第1のフレームの縁に沿って結合した第2のフレームの複数ヵ所に切開形成されるものの、前記筐体に向かって切開された切開孔と、前記第2のフレームと一体に形成されて、前記フック状ブラケットが装着される収容空間を形成する第1のリブ及び第2のリブを含んでいてもよい。
【0015】
前記切開孔は、前記フック部の幅に対応する幅で切開されるし、前記第1のリブは、前記第2のフレームの内側に突出形成され、前記フック状ブラケットの装着時に前記フックボディを隔てて互いに向かい合う一対のバー(bar)状であり、前記第2のリブは、前記フック状ブラケットを装着する時に前記第1の係止部及び第2の係止部を隔てて前記第1のリブと互いに向かい合う一対のバー(bar)状であることを特徴とする。
【0016】
前記第1の係止部は、前記第1のリブの厚さに対応する幅だけ前記第2の係止部に向かって直角にベンディングされて、前記フックボディと平行に延び、前記ブラケット装着部に結合する時に前記第1のリブの一側に密着して、前記第2の係止部は、前記第2のリブの一側に密着することを特徴とする。
【0017】
前記フック状ブラケットは、前記第2の係止部の端部から前記フック部と対向する方向にベンディングされた係止段を含み、前記補助装着部は、前記ブラケット装着部の位置に対応して、前記リアカバーの内側面から板状に突出形成され、前記フロントカバー及びリアカバーが互いに結合する時に前記係止段に密着して前記係止段を加圧することを特徴とする。
【0018】
前記第2の係止部は、前記フックボディからベンディングされた後、「U」字状に延びて形成され、延びた端部にそれぞれ前記係止段がベンディングして形成されることを特徴とする。
【0019】
前記第2の係止部は、前記フックボディからベンディングされた後、前記フックボディの幅より大きな幅を有するように延びて形成され、延びた端部にそれぞれ前記係止段がベンディングして形成されることを特徴とする。
【0020】
前記第1の係止部は、前記第1のリブを囲む「コ」字状に前記フックボディの両側から延びたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、剛性のある材質で電子機器の結合装置を製造することで、製品原価が減少して、取り付けの便宜性及び耐久性が向上する効果がある。また、結合装置の構造を改善することで、一人の作業者のみで電子機器を取り付けることができ、作業時間が短縮される効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】従来の電子機器の結合構造を示した図面。
図2】従来の電子機器の他の結合構造を示した図面。
図3】電子機器の筐体への取付前状態を示した正面図。
図4】電子機器の筐体への取付完了状態を示した背面図。
図5】本発明の一実施形態による電子機器の結合装置を示した分解斜視図。
図6図5の主な構成を拡大して示した斜視図。
図7図5による電子機器の結合装置の取付状態を示した部分斜視図。
図8】本発明の一実施形態による電子機器の結合装置を適用した電子機器の筐体への取付前状態を示した側面図。
図9】本発明の一実施形態による電子機器の結合装置を適用した電子機器の筐体への取付完了状態を示した側面図。
図10】本発明の他の実施形態による電子機器の結合装置を示した斜視図。
図11】本発明のさらに他の実施形態による電子機器の結合装置を示した斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
前述した目的、特徴及び長所は、添付の図面を参照して詳細に後述されており、これによって、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明の技術思想を容易に実施することができる。本発明を説明するにおいて、本発明に係る公知の技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合には詳説を省略する。以下では、添付の図面を参照して本発明による好ましい実施形態を詳説する。図面における同じ参照符号は、同一又は類似の構成要素を示すものに使われる。
【0024】
図3は、電子機器の筐体への取付状態を示した正面図、図4は、電子機器の筐体への取付状態を示した背面図である(図面に示した筐体は、全体を示したものではなく、一部を示した形態である)。
【0025】
図3及び図4に示したように、電子機器30は、HMI機器やパネルPC等を含み、所定の厚さを有するパネル型である。電子機器30は、外観を形成する筐体10に取り付けられてもよい。筐体10には、電子機器30の大きさに対応する大きさで挿入孔12が貫通される。
【0026】
電子機器30は、筐体10の外部に露出する前面部と、筐体10の後方に配置される後面部を有する。電子機器30は、前面部の一部をカバーするフロントカバー100と、後面部の一部又は全部をカバーするリアカバー300を含んでいてもよい。
【0027】
フロントカバー100は、電子機器30の前面部の縁をカバーして支持する。前面部は、例えば、画像が表示されるディスプレイで構成されてもよい。フロントカバー100は、ディスプレイの縁を囲んで支持する形態を有する。筐体10の外部に露出する部分をフロントカバー100の前方と定義して、前方に向かう面をフロントカバー100の前面と定義する。フロントカバー100の前方に対応する方向を後方と定義して、後方に向かう面をフロントカバー100の後面と定義する。従って、図3に示した筐体10は、前面を示して、図4に示した筐体10は、後面を示す。
【0028】
フロントカバー100は、電子機器30の前面部をカバーする第1のフレーム110と、上下左右の縁をカバーする第2のフレーム130を含んでいてもよい。フロントカバー100の第2のフレーム130上には、電子機器30を筐体10に結合させるための結合装置500が備えられる。
【0029】
リアカバー300は、フロントカバー100の後方に着脱可能に結合される。リアカバー300は、電子機器30の各種部品が外部に露出しないようにカバーする役割を行う。リアカバー300は、フロントカバー100と結合して、後述する結合装置500が揺れないように防止する役割も行う。
【0030】
図5は、本発明の一実施形態による電子機器の結合装置を示した分解斜視図、図6は、図5の主な構成を拡大して示した斜視図、図7は、図5による電子機器の結合装置の取付状態を示した部分斜視図である。
【0031】
図5図7に示したように、結合装置500は、フロントカバー100とリアカバー300の間に挿入される。結合装置500は、フロントカバー100とリアカバー300を結合した状態で、筐体10の挿入孔12に係止した状態で維持される。従って、結合装置500は、電子機器30が筐体10に結合した状態を維持させる。結合装置500は、筐体10に係止した状態で維持されるフック状ブラケット510と、フロントカバー100に形成されるブラケット装着部530と、リアカバー300に形成される補助装着部550を含む。筐体10に係止維持される機能を行うものは、フック状ブラケット510である。しかし、フック状ブラケット510を装着するための結合構造も本発明の主な構成である。従って、本発明では、フック状ブラケット510とともに、ブラケット装着部530及び補助装着部550を全て含めて、結合装置500と定義する。
【0032】
図6に示したように、フック状ブラケット510は、剛性のある金属材で作られる。フック状ブラケット510は、板状(plate shape)の金属材を複数回ベンディング(bending)して作られる。フック状ブラケット510は、板状の金属材をベンディングして作られるため、所定の弾性を有するようになる。フック状ブラケット510は、筐体10に係止した状態で維持されるフック部512と、フック部512の一端に延びるフックボディ514と、フックボディ514に形成される第1の係止部514aと、フックボディ514の一端から延びてベンディングされた第2の係止部516を含む。第2の係止部516の端部がベンディングされて係止段516aを形成する。
【0033】
フック部512は、所定の幅を有する金属材をフック状にベンディングした部分である。フック部512は、フック状の端部がフックボディ514と所定間隔で離隔する。これによって、フック部512が筐体10の挿入孔12を通す時に挿入孔12に押し付けられて変形しながら挿入される。その後、フック部512が筐体10の挿入孔12を通した後は、弾性によってさらに復元されながら筐体10の後面に係止するようになる(これについては、後述する)。このため、フック部512は、傾斜した部分の高さが低い方がフック状ブラケット510を筐体に挿入する方向に向かうように配置される。
【0034】
フックボディ514は、フック部512と同じ幅を有する。フックボディ514は、フック部512のベンディングされた部分の反対側に延びる。フックボディ514の長さ方向の両側には、後述するブラケット装着部530に係止した状態で維持される第1の係止部514aが形成される。
【0035】
第1の係止部514aは、ブラケット装着部530の厚さに対応する幅だけ第2の係止部516に向かって直角にベンディングされて、フックボディ514と平行な方向に延びる。すなわち、第1の係止部514aは、フックボディ514からフック部512に対向する方向に向かって直角にベンディングされて、さらに直角にベンディングされ、フックボディ514の両側から延びる形状である。第1の係止部514aは、フック部512の挿入及び弾性変形に影響を与えてはならない。従って、第1の係止部514aは、フック部512が形成された領域以外の領域両側に備えられる。
【0036】
第2の係止部516は、フックボディ514から延びて、フックボディ514と対向するように複数回ベンディングドされ、フックボディ514と平行に形成される。第2の係止部516は、フック部512の挿入及び弾性変形に影響を与えてはならない。従って、第2の係止部516は、フック部512の幅だけ板材の中央部位を切開して、「U」字状に作られてもよい(図6の図示方向を基準としてU字状と表現する)。第2の係止部516の端部は、フック部512と対向する方向にそれぞれベンディングされて、係止段516aを形成する。フック状ブラケット510のフック部512及び第1の係止部514aの形状に対応して、フロントカバー100にはブラケット装着部530が形成される。係止段516aの形状に対応して、リアカバー300には補助装着部550が形成される。
【0037】
図5及び図7に示したように、フロントカバー100は、フック状ブラケット510が挿入されるように、第2のフレーム130上に複数ヵ所が切開される。切開した部分を中心にブラケット装着部530が形成される。
【0038】
それぞれのブラケット装着部530は、約「コ」字状の収容空間を形成して、収容空間にフック状ブラケット510が挿入される。ブラケット装着部530は、筐体10に向かって切開された切開孔532と、第2のフレーム130と一体に形成され、収容空間を形成する第1のリブ534及び第2のリブ536を含む。
【0039】
切開孔532は、フック部512が挿入されて露出する部分であり、フック部512の幅に対応する幅に切開される。
【0040】
第1のリブ534は、第2のフレーム130の内側から突出形成され、フックボディ514を隔てて互いに向かい合う一対のバー(bar)状に形成されてもよい。前述した第1の係止部514aがフックボディ514から第1のリブ534だけの間隔を置いてベンディングされるものであり、第1の係止部514aが第1のリブ534に密着する。第1の係止部514aは、図7を基準として第1のリブ534の下面に密着する。第1の係止部514aは、図7を基準としてフック状ブラケット510の上下方向の揺れを防止する。
【0041】
第2のリブ536は、第1の係止部514a及び第2の係止部516を隔てて第1のリブ534と互いに向かい合う一対のバー(bar)状に形成されてもよい。第2の係止部516は、図7を基準として第2のリブ536の上面に密着する。係止段516aは、第2のリブ536及び補助装着部550の間に挿入される。
【0042】
前述した実施形態において、第1のリブ534と第2のリブ536がバー(bar)状に形成されて、その間にフック状ブラケット510が挿入される収容空間を形成することを例にして説明した。しかし、ブラケット装着部は、フック状ブラケット510の挿入される部分とフック部512の露出する部分がそれぞれ開口しており、残り部分は、塞がっている箱状に形成されてもかまわない。
【0043】
図5及び図7に示したように、補助装着部550は、リアカバー300上に形成されるものの、フロントカバー100と結合する内側面に形成される。補助装着部550は、フック状ブラケット510の位置に対応する位置に形成される。補助装着部550は、リアカバー300の内側面からフロントカバー100に向かって突き出る形態を有する。補助装着部550は、フック状ブラケット510の第2の係止部516の端部に形成された係止段516aに密着して係止段516aを加圧する。これによって、補助装着部550は、フック状ブラケット510が図5を基準として前後方向に揺れることを防止する。従って、補助装着部550は、フロントカバー100とリアカバー300を結合する際、補助装着部550の一面が係止段516aに密着する程度にリアカバー300から突き出ることが好ましい。また、補助装着部550は、係止段516aを十分にカバーして密着するように、係止段516aの形状に対応する形状(例えば、U字状)であってもよい。または、一対の係止段の最外郭幅に対応する幅又はそれ以上の幅を有する板(plate)状を有してもよい。
【0044】
前述したように、フック状ブラケット510は、ブラケット装着部530によって、図5を基準として上下方向への揺れが防止される。フック状ブラケット510は、補助装着部550によって前後方向への揺れが防止される。フック状ブラケット510を装着した後、フロントカバー100とリアカバー300が互いに結合する。そのため、フック状ブラケット510がフロントカバー100に安定して装着された状態を維持することができる。従って、フック状ブラケット510が電子機器30から離脱せず、電子機器30を筐体10に安定して装着することができる。
【0045】
以上に説明したように、剛性のある材質で電子機器の結合装置を製造することで、耐久性が向上することはもちろん、製品原価が減少して、筐体に取り付ける際に結合装置の破損を防止することができる。また、結合装置を簡単に挿入して取り付けることができるため、取り付けの便宜性及び作業性が向上する効果がある。
【0046】
前述した構成を有する本発明の一実施形態による電子機器の結合装置において、電子機器が筐体に取り付けられる過程を説明すれば、次のとおりである。
【0047】
図8は、本発明の一実施形態による電子機器の結合装置を適用した電子機器の筐体への取付前状態を示した側面図、図9は、本発明の一実施形態による電子機器の結合装置を適用した電子機器の筐体への取付完了状態を示した側面図である。
【0048】
フック状ブラケット510がフロントカバー100に結合された状態で、リアカバー300とフロントカバー100を結合して電子機器30の取り付けを準備する。その後(図5〜7参照)、電子機器30を筐体10に1次結合させる。
【0049】
図8に示したように、電子機器30を取り付ける時に筐体10に貫通された挿入孔12に電子機器30を挿入する。このとき、電子機器30は、筐体10の前方から後方に向かって挿入される(図8を基準として左側が前方である)。
【0050】
フック状ブラケット510のフック部512は、フロントカバー100に向かう方向に上向傾斜した形態である。従って、フック部512は、挿入孔12に挿入される方向の高さが低く、電子機器30のリアカバー300が挿入孔12を通しながら傾斜した部分が加圧される。
【0051】
フック部512が加圧されると、弾性変形してフックボディ514に近づきながら挿入孔12を通す。フック部512は、挿入孔12を通した後、さらに復元される。フック部512が復元されると、図9を基準としてフック部512が挿入孔12より外側に位置するため、筐体10に係止した状態を維持することになる。従って、電子機器30は、フロントカバー100とリアカバー300が筐体10を隔てて向かい合う状態になる。従って、フック状ブラケット510によって、電子機器30が筐体10に係止した状態を維持することができる。これによって、さらなる結合手段を用いて電子機器30を筐体10に完全に固定する間、電子機器30が筐体10から離脱しない。
【0052】
このように、電子機器30を完全に固定させる前に、筐体10に係止した状態を維持することを1次結合状態と定義してもよい。電子機器30を筐体10に1次結合させた後、2次固定作業を行うと、一人の作業者のみで電子機器30の取り付け作業が可能である長所がある。
【0053】
以下では、本発明の他の実施形態による電子機器の結合装置について説明する。
【0054】
図10は、本発明の他の実施形態による電子機器の結合装置を示した斜視図、図11は、本発明のさらに他の実施形態による電子機器の結合装置を示した斜視図である。
【0055】
図10に示したように、本発明の他の実施形態による電子機器の結合装置500’は、図6による実施形態において説明したフック状ブラケット510の形態と同様であるものの、第2の係止部516’に切開した部分なしに平板状に変形されてもよい。フック状ブラケット510’がこのような形態を有しても、フック部512’と第2の係止部516’が所定間隔離隔しているため、フック部512’の弾性変形が可能である。また、補助装着部(図5参照)によって加圧される部分の面積が増加するため、フック状ブラケット510’の取り付け安全性がさらに向上する効果がある。
【0056】
図面には示していないが、第2の係止部の端部をベンディングして係止段を形成する代わり、図5において説明した第2の係止部と同様に第2の係止部を作った後、長さを延びて、補助装着部の代わりにリアカバーに第2の係止部が挿入される孔を形成してもよい。この場合、第2の係止部がリアカバーに挿入して固定されるため、係止段が形成された図5の実施形態と同様、フック状ブラケットの前後方向の揺れを制限する効果がある。
【0057】
または、図11に示したように、本発明のさらに他の実施形態によるフック状ブラケット510’’は、図5において説明した実施形態と同じ形態を有するものの、第1の係止部514a’’の断面が「コ」字状であってもよい。この場合、第1の係止部514a’’がブラケット装着部530の第1のリブ(図7参照)を囲む形態に取り付けられるため、図5の実施形態と同様、フック状ブラケット510’’の上下方向の揺れを制限することができる。従って、取り付け安全性がさらに向上する効果がある。
【0058】
前述した実施形態において、補助装着部がリアカバーに備えられたと説明したが、補助装着部は、別途構成品で作られてフック状ブラケットと結合してもよい。補助装着部は、フック状ブラケットの第2の係止部又は係止段を固定して、フック状ブラケットの前後方向の揺れを防止できるものであれば、その形状に制限されるものではない。
【0059】
前述した本発明は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者にとって本発明の技術思想を脱しない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であるため、前述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11