特許第6724239号(P6724239)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6724239
(24)【登録日】2020年6月26日
(45)【発行日】2020年7月15日
(54)【発明の名称】補助搬送機及び対応する搬送システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/52 20060101AFI20200706BHJP
   B61B 13/00 20060101ALI20200706BHJP
   B65G 54/02 20060101ALI20200706BHJP
【FI】
   B65G47/52 C
   B61B13/00 C
   B65G54/02
【請求項の数】12
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-503608(P2019-503608)
(86)(22)【出願日】2017年2月24日
(65)【公表番号】特表2019-513661(P2019-513661A)
(43)【公表日】2019年5月30日
(86)【国際出願番号】CN2017074788
(87)【国際公開番号】WO2018152780
(87)【国際公開日】20180830
【審査請求日】2018年10月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】505056845
【氏名又は名称】アーベーベー・シュバイツ・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】チー、チャオフ
(72)【発明者】
【氏名】グー、ハオ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ジーボ
【審査官】 板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−249063(JP,A)
【文献】 実開平02−018420(JP,U)
【文献】 特開2000−097312(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第105151803(CN,A)
【文献】 中国実用新案第201873321(CN,U)
【文献】 特開2008−290812(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/52
B65G 54/02
B61B 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの搬送路を備える主搬送機に連結された補助搬送機であって、前記補助搬送機は、
前記少なくとも2つの搬送路の一方から荷を受け取り、前記少なくとも2つの搬送路の他方を介して前記荷を搬送する搬送部と、
前記搬送部に連結された駆動部であって、前記少なくとも2つの搬送路の一方から前記少なくとも2つの搬送路の他方に移動するように前記搬送部を駆動するように構成された駆動部と、を備え、
前記搬送部は、
前記搬送路に沿って移動するように前記荷を載置するべく構成された台車をガイドする第1ガイドレールと、
軸上にスリーブ状に設けられ、前記軸周りに回転し、前記荷を駆動して移動させる磁気ギアと、
前記軸に連結され、前記軸の回転動力を提供する第1動力供給部と、
を備えることを特徴とする、補助搬送機。
【請求項2】
前記第1動力供給部は、電気モータであることを特徴とする、請求項に記載の補助搬送機。
【請求項3】
前記第1動力供給部は、磁気結合によってトルクを前記主搬送機から前記軸に伝達するように構成された磁性部であることを特徴とする、請求項に記載の補助搬送機。
【請求項4】
前記磁性部は、
前記軸に連結された永久磁石と、
前記主搬送機において連結された電磁石と、を備え、前記主搬送機と前記補助搬送機との間で前記荷を移動させる必要がある際に前記電磁石をオンにし、前記永久磁石を吸引する磁力を発生させ、前記軸を駆動して回転させることを特徴とする、請求項に記載の補助搬送機。
【請求項5】
前記補助搬送機は、前記駆動部が前記搬送部を駆動して移動させる際に前記荷を前記第1ガイドレールに係止する係止部を、さらに備えることを特徴とする、請求項に記載の補助搬送機。
【請求項6】
前記駆動部は、
前記搬送部と摺動連結される第2ガイドレールであって、該第2ガイドレールがガイドする方向に沿って前記搬送部が移動できるようにする第2ガイドレールと、
前記搬送部に連結され、前記搬送部を駆動して前記第2ガイドレールに沿って移動させるように構成された第2動力供給部と、をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の補助搬送機。
【請求項7】
前記補助搬送機は、前記搬送部に連結された回転部であって、前記搬送部を駆動して回転させ、前記荷が容易に処理できる位置まで前記荷を回転させるように構成された回転部を、さらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の補助搬送機。
【請求項8】
前記少なくとも2つの搬送路は、地上高が異なることを特徴とする、請求項1乃至のうちいずれか1項に記載の補助搬送機。
【請求項9】
前記少なくとも2つの搬送路は、略平行であり、前記少なくとも2つの搬送路と直交する平面は、地面に対して略垂直であることを特徴とする、請求項に記載の補助搬送機。
【請求項10】
前記駆動部は、地面に対して略垂直な経路に沿って前記搬送部を移動させることを特徴とする、請求項に記載の補助搬送機。
【請求項11】
前記少なくとも2つの搬送路は、同一平面内にあり、互いに平行ではないことを特徴とする、請求項1乃至のうちいずれか1項に記載の補助搬送機。
【請求項12】
搬送システムであって、
少なくとも2つの搬送路を有する主搬送機と、
請求項1乃至1のうちいずれか1項に記載の補助搬送機であって、前記主搬送機の端部に連結された少なくとも1つの補助搬送機と、
搬送される搬送物を載置するように構成された搬送台車を備える荷と、を備える、搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、搬送の技術分野に関し、より具体的には、補助搬送機及び対応する搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]いくつかの工業製造ラインでは、製品の製造プロセスは塵のない環境で行われる必要がある。そのためには、製造ラインにおける搬送機が搬送物を搬送中に微細な粒子を生じさないことが要求される。
【0003】
[0003]中国特許出願公開第105151803号には、塵のない環境で使用される搬送機であって、互いに接触していない磁気ギアと磁気ラックとを備える搬送機を開示している。磁気ギアと磁気ラックとの間に磁力が存在するため、磁気ギアの回転時、磁気ラックは駆動されて特定の方向に移動し、それにより磁気ギアが搭載された搬送台車が駆動されてその方向に移動する。その結果、搬送台車上に置かれた搬送物を所望位置に搬送することができる。
【0004】
[0004]しかしながら、従来技術の搬送機は、使用するループを形成する際により大きな接地面積を占有する必要がある。また、搬送中に搬送物を回転させることができず、製造や処理におけるニーズを満たすことができない。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本開示の目的は、補助搬送機及び対応する搬送システムを提供することである。
【0006】
[0006]本開示の一実施形態は、少なくとも2つの搬送路を備える主搬送機に連結された補助搬送機を提供する。該補助搬送機は、少なくとも2つの搬送路の一方から荷を受け取り、少なくとも2つの搬送路の他方を介して該荷を搬送する搬送部と、該搬送部に連結された駆動部であって、少なくとも2つの搬送路の一方から少なくとも2つの搬送路の他方に移動するように該搬送部を駆動するように構成された駆動部と、を備える。
【0007】
[0007]本開示の別の実施形態は、搬送システムを提供する。該搬送システムは、少なくとも2つの搬送路を有する主搬送機と、本開示による少なくとも1つの付加的な補助搬送機であって、該主搬送機の端部に連結された補助搬送機と、搬送される搬送物を載置するように構成された搬送台車を備える荷と、を備える。
【0008】
[0008]本開示が提供するような補助搬送機及び対応する搬送システムでは、搬送台車の再利用を容易にするため、搬送物を搬送する経路がループを形成する際の接地面積を節約できる。さらに、本開示が提供するような搬送機及び対応する搬送システムでは、製造及び処理を容易にするため、搬送中に搬送物を回転させることができる。
【0009】
[0009]添付図面と関連した本発明の実施形態の説明によって、本発明はよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】[0010]図1は、本開示の一実施形態による搬送システムの正面図を概略的に示す。
図2】[0011]図2は、図1に示す搬送システムにおける補助搬送機が、主搬送機の複数の搬送路間に荷を搬送する正面図を概略的に示す。
図3】[0012]図3は、図1に示す搬送システムにおける補助搬送機が、主搬送機の搬送路に沿って荷を搬送する正面図を概略的に示す。
図4】[0013]図4は、本開示の別の実施形態による搬送システムの上面図を概略的に示す。
図5】[0014]図5は、図4に示す搬送システムの正面図を概略的に示す。
図6】[0015]図6は、本開示の一実施形態による搬送機における軸駆動経路の正面図を概略的に示す。
【発明を実施すための形態】
【0011】
[0016]図面を通して、同一又は類似の参照番号は、同一又は類似の要素を示す。
【0012】
[0017]以下、本発明の特定の実施形態について説明する。実施形態の説明において、簡潔さのために、本明細書は実際の実施形態の全ての特徴を完全には説明しきれていないかもしれないことに留意すべきである。いずれかの実施形態を実施する際に、いかなる工学プロジェクトや設計プロジェクトの進行においてそうであるように、開発者の特定の目的を達成し、システム関連又はビジネス関連の制約を満たすために、通常は様々な具体的方策がとられ、それにより一実施形態から別の実施形態への変更が導かれることを理解すべきである。さらに、そのような開発における取り組み(efforts)は、本開示の開示内容に関連する技術の当業者にとって複雑で面倒であり得るが、本開示に開示された技術内容に基づいてされるような、設計、生産、又は製造に対するいくつかの変更は、単に従来の技術的手段であり、本開示の内容を不十分と解するべきでないと理解されるであろう。
【0013】
[0018]請求項及び明細書で使用される技術的又は科学的用語は、他に定義されない限り、当業者によって解釈される一般的な意味であるべきある。「第1」、「第2」等の語は、順序、量、又は重要度として読まれるべきではなく、異なる構成要素を区別するためにのみ使用される。「1つ」という語は、量の制限として読まれるのではなく、「少なくとも1つ」として読み取られる。「備える」又は「含む」等の語は、「備える」又は「含む」に先行する要素又は物品が、「備える」又は「含む」の後に列挙される要素又は物品及び同等の要素を包含することを意味し、他の要素又は物品を排除しないことを意味する。「連結」又は「結合」等の語は、物理的又は機械的な連結に限定されず、直接的又は間接的な連結に限定されない。
【0014】
[0019]本発明の目的、技術的解決法及び利点をより明確にするために、本発明の技術的解決策は、本発明の特定の実施形態及び添付図面に関連して明確かつ完全に記載される。説明される実施形態は、全ての実施形態ではなく、本発明の実施形態の一部に過ぎないということは明らかである。本発明の実施形態に基づいて、当業者が創作能力を発揮せずとも成し遂げる全ての他の実施形態は本発明の保護範囲に入るべきである。
【0015】
[0020]本開示によって開示される搬送システムは、製造中の搬送物等を移送及び伝達するために使用されてもよい。
【0016】
[0021]本開示の一実施形態によれば、図1乃至図4に図示されるように、搬送システム100は、主搬送機101と、少なくとも1つの補助搬送機103と、荷とを備えていてもよい。主搬送機101は、少なくとも2つの搬送路P1、P2を備えていてもよい。補助搬送機103は、主搬送機101の端部に連結されてもよい。
【0017】
[0022]本開示では、荷は、搬送台車105と、その上の搬送物(あれば)とを備える。
【0018】
[0023]本開示の一実施形態によれば、図1に示すように、搬送路P1と搬送路P2とは、異なる地上高であってもよい。本開示の別の実施形態によれば、図4に示すように、主搬送機101の少なくとも2つの搬送路P3、P4は、略等しい地上高であってもよい。
【0019】
[0024]本開示の一実施形態によれば、図1に示すように、搬送路P1、P2は略平行であってもよい。さらに、P1とP2が略平行である場合、P1とP2によって形成される平面は、(図1に示すように)地面に対して略垂直であってもよく、若しくは地面に対して傾斜していてもよい。
【0020】
[0025]本発明の他の実施形態によれば、図4に示すように、主搬送機101の少なくとも2つの搬送路P3、P4は、同一平面上にあって、互いに平行でなくてもよく、例えば、互いに略垂直であってもよい。
【0021】
[0026]当然ながら、主搬送機の少なくとも2つの搬送路は、同じ平面内に配置されていなくてもよい。
【0022】
[0027]上述の状況の一部のみが以下に記載され、添付図面に図示されているが、本開示の技術的解決策が上述の他の状況にも完全に適用可能であることを当業者は理解するはずである。
【0023】
[0028]図2及び図3と併せて図1を参照すると、搬送システム100において、主搬送機は、地上高が異なる2つの搬送路P1及びP2を有し、2つの搬送路は略平行であり、2つの搬送路によって形成される平面は地面に対して略垂直である。主搬送機101と搬送台車との間に磁気変速モード(magnetic gearing mode)を採用してもよい。すなわち、軸周りに回転可能な磁気ギアを主搬送機101上に配設することで、搬送台車105上に磁気ラックを配設してもよい。この場合、外力によって磁気ギアが駆動し軸周りに回転すると、磁気ギアと磁気ラックとの間の磁力によって搬送台車105が推進され搬送路に沿って移動するようにしてもよい。
【0024】
[0029]補助搬送機は、主搬送機101の端部に連結されてもよい。例えば、図1に示すように、2つの補助搬送機103、104が配設され、一方の補助搬送機を主搬送機101の2つの平行な搬送路の一方の端部に連結し、他方の補助搬送機を主搬送機101の2つの平行な搬送路の他方の端部に連結するようにしてもよい。
【0025】
[0030]搬送システム100が作動すると、主搬送機101は、その上の搬送台車105を駆動させて搬送路P1又はP2に沿って移動させてもよい。搬送台車105が主搬送機101の一端に移動して補助搬送機103に進入した後、補助搬送機103によって駆動される搬送台車を主搬送機101の一方の搬送路から他方の搬送路に移動させ、他方の搬送路に沿ってさらに移動させてもよい。例えば、搬送物を載置する搬送台車105が搬送路P1に沿って移動し、搬送台車105上の搬送物が搬出された後、搬送物のない空の搬送台車105は、補助搬送機103によって搬送路P2に送出された後、補助搬送機104によって搬送路P1に再送出される。
【0026】
[0031]このような搬送システム100は、ループ型の移動経路を有するだけでなく、接地面積を節約することができる。
【0027】
[0032]搬送システム100は、接地面積が割と小さく、搬送台車105の再利用が必要な状況に適用可能である。
【0028】
[0033]図2及び図3に関連する本開示の一実施形態によれば、補助搬送機103は、搬送部201及び駆動部202を含んでもよい。補助搬送機104は、補助搬送機103と同様の構成を有しており、ここでは詳細な説明は省略する。
【0029】
[0034]搬送部201は、主搬送機101の少なくとも2つの搬送路の一方から荷を受け取り、少なくとも2つの搬送路の他方を介して荷を搬送するように構成されている。駆動部202は搬送部201に連結され、少なくとも2つの搬送路の一方から他方に移動するように搬送部201を駆動してもよい。
【0030】
[0035]本開示の一実施形態によれば、搬送部201は、第1ガイドレール203、磁気ギア204、軸駆動部205をさらに含んでもよい。第1ガイドレール203は、搬送路に沿って移動するように荷を案内するために使用されてもよい。磁気ギア204は軸206上にスリーブ状に設けられ(sleeved on)、軸206周りに回転し、荷を駆動して移動させるようにしてもよい。第1動力供給部205は軸206に連結され、軸206の回転動力を提供するようにしてもよい。
【0031】
[0036]本開示の一実施形態によれば、第1動力供給部205は、軸206に連結された電気モータであってもよい。図2に示すように、電気モータが供給する動力によって、搬送台車105は搬送部201と主搬送機101との間を移動する。
【0032】
[0037]本開示の別の実施形態によれば、図6に示すように、第1動力供給部205は、軸206に連結された磁性部であって、磁気結合によってトルクを主搬送機101から軸206に伝達するように構成された磁性部であってもよい。本開示の一実施形態によれば、磁性部は、永久磁石601及び電磁石602を含んでもよい。永久磁石601は軸206に連結され、電磁石602は主搬送機101において連結されてもよい。主搬送機101と補助搬送機103との間で荷を移動させる必要がある場合、電磁石602をパワーオンにし、永久磁石601を吸引する磁力を発生させる。特に、搬送台車105を搬送部201と主搬送機101との間で移動させる必要がある場合には、電磁石602をオンにし、電磁石602と永久磁石601とを磁力によって互いに接触させてもよい。このようにして、磁気ギアを駆動して回転させる主搬送機101上の軸と共に軸206を回転し、荷を駆動して移動させるようにしてもよい。
【0033】
[0038]永久磁石が搬送部201上に配置される場合、永久磁石が電磁石に連結されていないと、搬送部201上の荷が振動することがある。従って、本開示の一実施形態によれば、図6に示すように、係止部603が補助搬送機上に配設されていてもよく、係止部603は、駆動部202が搬送部201を駆動して移動させる際に荷が振動しないように水平ガイドレール203に荷を係止するように構成されていてもよい。
【0034】
[0039]本開示の別の実施形態によれば、永久磁石も主搬送機101上に配置され、電磁石は搬送部201上に配置されてもよい。
【0035】
[0040]図3と併せて図2に関連する本開示の一実施形態によれば、駆動部202は、第2ガイドレール207及び第2動力供給部208をさらに備えることができる。
【0036】
[0041]第2ガイドレール207は、該第2ガイドレール207がガイドする方向に沿って搬送部201が移動できるように、搬送部201と摺動連結されていてもよい。第2動力供給部208は、搬送部201に連結され、搬送部201を第2ガイドレール207に沿って移動させるように駆動するように構成されていてもよい。
【0037】
[0042]本開示の一実施形態によれば、補助搬送機103は、搬送部201に連結される回転部をさらに備えていてもよく、回転部は搬送部201を駆動して回転させ、荷が容易に処理できる位置まで荷を回転させるように構成されている。例えば、補助搬送機103が荷を適切な位置まで移動させた際に回転部が搬送物の向きを調整するようにしてもよい。これにより、製造中及び処理中に搬送物の向きを変更する必要性に応じることができる。
【0038】
[0043]補助搬送機103を図1に示す搬送システムに適用する際、図2に示すように、駆動部202は搬送部201を駆動し、地面に略垂直な経路V1に沿って搬送路P1から搬送路P2へ、又は搬送路P2から搬送路P1へと、搬送路201を移動させるように構成されていてもよい。
【0039】
[0044]図5と併せて図4を参照すると、本開示の別の実施形態によれば、搬送システム400において、主搬送機101は、4つの搬送路、すなわちP3、P4、P5、及びP6を備えてもよく、これらの搬送路は同一平面上にあって、少なくとも2つの搬送路は平行でなくともよい。例えば、4つの搬送路は、図4に示すようなループを形成してもよい。
【0040】
[0045]従って、4つの補助搬送機401、402、403、404が配設され、各補助搬送機は搬送部501を有し、これら4つの補助搬送機は同様の構造を有し、主搬送機101の4つの搬送路の端部にそれぞれ連結されている。
【0041】
[0046]このように、搬送台車105がいずれかの補助搬送機上に配置されている場合には、まず、この補助搬送機によって搬送台車105の高さを下げ、台車が回転するのに十分な大きさの空間に搬送台車105を置き、次に、回転部501を用いて搬送台車105を所望角度に回転させ、回転完了後に補助搬送機によって搬送台車105を昇降させて主搬送機101の搬送路に進入させる。
【0042】
[0047]搬送システム400は、製造中及び処理中において搬送物が回転するのを容易にする。
【0043】
[0048]以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示を限定するものではない。本発明に対する様々な変形及び変更は、当業者には明らかであろう。本開示の趣旨及び原理の下でなされるような変更、同等の置換、改良等は、本開示の請求の範囲に含まれるべきである。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 少なくとも2つの搬送路を備える主搬送機に連結された補助搬送機であって、前記補助搬送機は、
前記少なくとも2つの搬送路の一方から荷を受け取り、前記少なくとも2つの搬送路の他方を介して前記荷を搬送する搬送部と、
前記搬送部に連結された駆動部であって、前記少なくとも2つの搬送路の一方から前記少なくとも2つの搬送路の他方に移動するように前記搬送部を駆動するように構成された駆動部と、を備えることを特徴とする、補助搬送機。
[2] 前記搬送部は、
前記搬送路に沿って移動するように前記荷をガイドする第1ガイドレールと、
軸上にスリーブ状に設けられ、前記軸周りに回転し、前記荷を駆動して移動させる磁気ギアと、
前記軸に連結され、前記軸の回転動力を提供する第1動力供給部と、をさらに備えることを特徴とする、[1]に記載の補助搬送機。
[3] 前記第1動力供給部は、電気モータであることを特徴とする、[2]に記載の補助搬送機。
[4] 前記第1動力供給部は、磁気結合によってトルクを前記主搬送機から前記軸に伝達するように構成された磁性部であることを特徴とする、[2]に記載の補助搬送機。
[5] 前記磁性部は、
前記軸に連結された永久磁石と、
前記主搬送機において連結された電磁石と、を備え、前記主搬送機と前記補助搬送機との間で前記荷を移動させる必要がある際に前記電磁石をオンにし、前記永久磁石を吸引する磁力を発生させ、前記軸を駆動して回転させることを特徴とする、[4]に記載の補助搬送機。
[6] 前記補助搬送機は、前記駆動部が前記搬送部を駆動して移動させる際に前記荷を前記第1ガイドレールに係止する係止部を、さらに備えることを特徴とする、[5]に記載の補助搬送機。
[7] 前記駆動部は、
前記搬送部と摺動連結される第2ガイドレールであって、該第2ガイドレールがガイドする方向に沿って前記搬送部が移動できるようにする第2ガイドレールと、
前記搬送部に連結され、前記搬送部を駆動して前記第2ガイドレールに沿って移動させるように構成された第2動力供給部と、をさらに備えることを特徴とする、[1]に記載の補助搬送機。
[8] 前記補助搬送機は、前記搬送部に連結された回転部であって、前記搬送部を駆動して回転させ、前記荷が容易に処理できる位置まで前記荷を回転させるように構成された回転部を、さらに備えることを特徴とする、[1]に記載の補助搬送機。
[9] 前記少なくとも2つの搬送路は、地上高が異なることを特徴とする、[1]乃至[8]のうちいずれか1項に記載の補助搬送機。
[10] 前記少なくとも2つの搬送路は、略平行であり、前記少なくとも2つの搬送路によって形成される平面は、地面に対して略垂直であることを特徴とする、[9]に記載の補助搬送機。
[11] 前記駆動部は、地面に対して略垂直な経路に沿って前記搬送部を移動させることを特徴とする、[9]に記載の補助搬送機。
[12] 前記少なくとも2つの搬送路は、同一平面内にあり、互いに平行ではないことを特徴とする、[1]乃至[8]のうちいずれか1項に記載の補助搬送機。
[13] 搬送システムであって、
少なくとも2つの搬送路を有する主搬送機と、
[1]乃至[12]のうちいずれか1項に記載の補助搬送機であって、前記主搬送機の端部に連結された少なくとも1つの補助搬送機と、
搬送される搬送物を載置するように構成された搬送台車を備える荷と、を備える、搬送システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6