特許第6724251号(P6724251)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6724251
(24)【登録日】2020年6月26日
(45)【発行日】2020年7月15日
(54)【発明の名称】プラズマ用ガイドワイヤ
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20200706BHJP
【FI】
   A61B18/14
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-526063(P2019-526063)
(86)(22)【出願日】2017年6月29日
(86)【国際出願番号】JP2017023928
(87)【国際公開番号】WO2019003382
(87)【国際公開日】20190103
【審査請求日】2019年6月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】390030731
【氏名又は名称】朝日インテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(74)【代理人】
【識別番号】100157277
【弁理士】
【氏名又は名称】板倉 幸恵
(72)【発明者】
【氏名】小池 忠裕
【審査官】 木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/134152(WO,A1)
【文献】 特表2013−523285(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/14
A61M 25/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアシャフトと、
前記コアシャフトの先端側の領域の外周に巻回されたコイルと、
前記コアシャフトの先端と前記コイルの先端とに接合されたチップと、
前記コイルの後端と前記コアシャフトとを接合するコイル−コアシャフト接合部と、
前記コイルの外周に設けられ、前記チップから前記コイル−コアシャフト接合部の後方まで延びた第1絶縁樹脂チューブと、
前記コアシャフトの外周に設けられ、前記第1絶縁樹脂チューブの後端に接合され、前記第1絶縁樹脂チューブの後端から前記コアシャフトの後方に延び、前記第1絶縁樹脂チューブよりも硬い第2絶縁樹脂チューブと、
前記第1絶縁樹脂チューブの内周のうち前記コイルの後端に面する位置よりも後方の領域の少なくとも一部に設けられた第3絶縁樹脂チューブと、
を備えたプラズマ用ガイドワイヤ。
【請求項2】
前記第3絶縁樹脂チューブは、前記第1絶縁樹脂チューブと前記コアシャフトとの接触を阻止するように設けられている、
請求項1に記載のプラズマ用ガイドワイヤ。
【請求項3】
前記第3絶縁樹脂チューブは、前記第1絶縁樹脂チューブよりも硬い、
請求項1又は2に記載のプラズマ用ガイドワイヤ。
【請求項4】
前記第3絶縁樹脂チューブは、前記第1絶縁樹脂チューブと前記第2絶縁樹脂チューブとの接合位置を覆うように設けられている、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラズマ用ガイドワイヤ。
【請求項5】
前記第3絶縁樹脂チューブは、前記コイル−コアシャフト接合部に当接している、
請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラズマ用ガイドワイヤ。
【請求項6】
前記第3絶縁樹脂チューブは、前記第1絶縁樹脂チューブの内周のうち前記コイルの後端に面する位置よりも後方の領域の全域にわたって設けられている、
請求項1〜5のいずれか1項に記載のプラズマ用ガイドワイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ用ガイドワイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、プラズマ用ガイドワイヤが知られている。例えば、特許文献1には、図6に示すように、ガイドワイヤ本体120と、そのガイドワイヤ本体120に被せられた絶縁樹脂チューブ130とを備えたプラズマ用ガイドワイヤ100が開示されている。ガイドワイヤ本体120は、コアシャフト122の先端側の領域の外周にコイル124が巻回され、コアシャフト122の先端とコイル124の先端とにチップ126が接合されたものである。コイル124の後端は、コイル−コアシャフト接合部125にてコアシャフト122に接合されている。絶縁樹脂チューブ130は、第1絶縁樹脂チューブ131と、第2絶縁樹脂チューブ132とで構成されている。第1絶縁樹脂チューブ131は、コイル124の外周に設けられ、チップ126からコイル−コアシャフト接合部125の後方まで延びている。第2絶縁樹脂チューブ132は、コアシャフト122の外周に設けられ、第1絶縁樹脂チューブ131の後端に接合され、第1絶縁樹脂チューブ131の後端からコアシャフト122の後方に延びている。こうしたプラズマ用ガイドワイヤ100は、コアシャフト122の後端に高周波発生器を接続してチップ126の先端とその先端に対向する別部材の電極との間でプラズマを発生させる。これにより、プラズマを利用して血管の閉塞部を貫通させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2016/134152号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1には、第1絶縁樹脂チューブ131と第2絶縁樹脂チューブ132とを別の材料で構成する点は記載されていない。そのため、第1絶縁樹脂チューブ131と第2絶縁樹脂チューブ132とを比較的硬い同じ樹脂で構成したとすると、ガイドワイヤ本体120のうちコイル124が巻回されている部分の操作性が低下する。一方、第1絶縁樹脂チューブ131に比べて第2絶縁樹脂チューブ132が軟かくなるように構成したとすると、第1絶縁樹脂チューブ131のうちコイル124が存在しない部分で剛性ギャップが生じる。そのため、プラズマ用ガイドワイヤ100を先端方向に押した際、柔軟な第1絶縁樹脂チューブ131がこの部分で撓んでしまい、操作性が低下するという問題があった。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、プラズマ用ガイドワイヤの先端側(すなわちコアシャフトのうちコイルが巻回されている部分、又は/及び、第1絶縁樹脂チューブのうちコイルが存在しない部分)の操作性を向上させることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のプラズマ用ガイドワイヤは、
コアシャフトと、
前記コアシャフトの先端側の領域の外周に巻回されたコイルと、
前記コアシャフトの先端と前記コイルの先端とに接合されたチップと、
前記コイルの後端と前記コアシャフトとを接合するコイル−コアシャフト接合部と、
前記コイルの外周に設けられ、前記チップから前記コイル−コアシャフト接合部の後方まで延びた第1絶縁樹脂チューブと、
前記コアシャフトの外周に設けられ、前記第1絶縁樹脂チューブの後端に接合され、前記第1絶縁樹脂チューブの後端から前記コアシャフトの後方に延び、前記第1絶縁樹脂チューブよりも硬い第2絶縁樹脂チューブと、
前記第1絶縁樹脂チューブの内周のうち前記コイルの後端に面する位置よりも後方の領域の少なくとも一部に設けられた第3絶縁樹脂チューブと、
を備えたものである。
【0007】
このプラズマ用ガイドワイヤでは、比較的柔軟な第1絶縁樹脂チューブのうちコイルが存在しない部分には剛性ギャップが生じるが、その剛性ギャップは第3絶縁樹脂チューブによって低減されるため、この部分での撓みを抑制することができる。また、比較的柔軟な第1絶縁樹脂チューブのうちコイルを覆っている部分には、第3絶縁樹脂チューブが設けられていない。したがって、プラズマ用ガイドワイヤの先端側、すなわち、コアシャフトのうちコイルが巻回されている部分、又は/及び、第1絶縁樹脂チューブのうちコイルが存在しない部分の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】プラズマ用ガイドワイヤ10の正面図。
図2図1のA−A断面図。
図3図2の部分Bの拡大図。
図4】他の実施形態の説明図。
図5】他の実施形態の説明図。
図6】従来のプラズマ用ガイドワイヤ100の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の好適な実施形態を、図面を参照しながら以下に説明する。図1はプラズマ用ガイドワイヤ10の正面図、図2図1のA−A断面図、図3図2の部分Bの拡大図である。
【0010】
本実施形態のプラズマ用ガイドワイヤ10は、図1に示すように、ガイドワイヤ本体20と、そのガイドワイヤ本体20に被せられた絶縁樹脂チューブ30とを備えている。プラズマ用ガイドワイヤ10の全長は、例えば、1,800〜2,000mmである。プラズマ用ガイドワイヤ10は、高周波(RF)用ガイドワイヤと称されることもある。
【0011】
ガイドワイヤ本体20は、図2に示すように、コアシャフト22と、コイル24と、コイル−コアシャフト接合部25と、チップ26とを備えている。
【0012】
コアシャフト22は、導電性材料で構成されており、シャフト後端部22aとシャフト先端部22bとを備えている。シャフト先端部22bは、円筒部とテーパ部とが交互に設けられ、先端に配置された円筒部ほど径が小さくなっている。コアシャフト22は、例えばステンレス鋼(オーステナイト系ステンレス、マルテンサイト系ステンレス、フェライト系ステンレス、オーステナイト・フェライト二相ステンレス、析出硬化ステンレスなど)、超弾性合金(Ni−Ti合金など)、ピアノ線、タングステン等の材料で構成されている。
【0013】
コイル24は、1本の素線を螺旋状に巻回したものであり、コアシャフト22の先端側の領域の外周に巻回されている。コイル24は、プラズマ用ガイドワイヤ10に柔軟性を与える。高周波発生器40からの電流は、コアシャフト22を通ってコイル−コアシャフト接合部25に達したあとコアシャフト22とコイル24に分岐して流れる。そのため、コイル24を流れる電流は、コアシャフト22の後端からコイル−コアシャフト接合部25までを流れる電流よりも小さい。コイル24の全長は、例えば、40mm〜50mm、コイル24の外径は、例えば、0.24mm〜0.25mm、素線の直径は、例えば0.03〜0.08mmである。素線は、例えばステンレス鋼(オーステナイト系ステンレス、マルテンサイト系ステンレス、フェライト系ステンレス、オーステナイト・フェライト二相ステンレス、析出硬化ステンレスなど)、超弾性合金(Ni−Ti合金など)、放射線不透過性金属(白金、金、タングステンなど)の材料で構成されている。なお、コイル24は、複数の素線を螺旋状に巻回して形成してもよい。また、コイル24は、複数の素線を撚り合わせた撚線を螺旋状に巻回して形成してもよい。
【0014】
コイル−コアシャフト接合部25は、コイル24の後端とコアシャフト22とを接合しており、ロウ材で構成されている。ロウ材としては、例えばアルミニウム合金ロウ、銀ロウ、金ロウ、亜鉛、Sn−Pb合金、Pb−Ag合金、Sn−Ag合金などが挙げられる。なお、コイル24は、コイル24の後端以外に、コイル24の先端やコイル24の中間でもコアシャフト22にロウ材により接合されていてもよい。
【0015】
チップ26は、コアシャフト22の先端とコイル24の先端とを溶接することにより形成された曲面形状の部材である。溶接としては、アーク溶接が好ましい。また、アーク溶接としては、ティグ溶接、プラズマ溶接などの非消耗電極式でもよいし、被覆アーク溶接、マグ溶接、炭酸ガスアーク溶接、アルゴン・炭酸ガスアーク溶接、ミグ溶接、サブマージアーク溶接などの消耗電極式でもよいが、非消耗電極式が好ましく、ティグ溶接がより好ましい。
【0016】
絶縁樹脂チューブ30は、図2に示すように、第1絶縁樹脂チューブ31と、第2絶縁樹脂チューブ32と、第3絶縁樹脂チューブ33とを備えている。
【0017】
第1絶縁樹脂チューブ31は、コイル24の外周に設けられ、チップ26からコイル−コアシャフト接合部25の後方まで延びている。第1絶縁樹脂チューブ31の先端は、チップ26に接合されている。第1絶縁樹脂チューブ31は、例えばフッ素系樹脂(PFA)により構成されている。第1絶縁樹脂チューブ31の全長は、例えば、100mm〜115mm、第1絶縁樹脂チューブ31の外径は、例えば、0.3mm〜0.35mm、第1絶縁樹脂チューブ31の厚さは、例えば、0.015mm〜0.02mmである。
【0018】
第2絶縁樹脂チューブ32は、コアシャフト22の外周に設けられ、第1絶縁樹脂チューブ31の後端からコアシャフト22の後方に延びている。第2絶縁樹脂チューブ32は、第1絶縁樹脂チューブ31と接合部34で接着されている。接合部34は、第2絶縁樹脂チューブ32の先端の内面と第1絶縁樹脂チューブ31の後端の外面とを接着剤で接着することにより形成されている。接着剤としては、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。第2絶縁樹脂チューブ32は、例えばポリイミド樹脂により構成されている。第2絶縁樹脂チューブ32の全長は、例えば、1800mm〜1900mm、第2絶縁樹脂チューブ32の外径は、例えば、0.32mm〜0.36mm、第2絶縁樹脂チューブ32の厚さは、例えば0.005mm〜0.015mmである。第2絶縁樹脂チューブ32の硬さは、第1絶縁樹脂チューブ31よりも硬い。なお、接合部34は、コアシャフト22に接着剤により接着されていてもよい。
【0019】
第3絶縁樹脂チューブ33は、第1絶縁樹脂チューブ31の内側に配置されている。第3絶縁樹脂チューブ33の先端は、コイル−コアシャフト接合部25に当接している。第3絶縁樹脂チューブ33は、図3に示すように、第1絶縁樹脂チューブ31の内周のうちコイル24の後端に面する位置Pよりも後方の領域Xの全面を覆うように設けられている。第3絶縁樹脂チューブ33は、第1絶縁樹脂チューブ31の後端よりも更に後方まで延びており、第1絶縁樹脂チューブ31と第2絶縁樹脂チューブ32との接合部34を内側から覆っている。第3絶縁樹脂チューブ33は、第1絶縁樹脂チューブ31がコアシャフト22に接触するのを阻止する役割を果たす。第3絶縁樹脂チューブ33は、例えばポリイミド樹脂により構成されている。第3絶縁樹脂チューブ33の全長は、例えば、60mm〜80mm、第3絶縁樹脂チューブ33の外径は、例えば、0.23mm〜0.24mm、第3絶縁樹脂チューブ33の厚さは、例えば、0.015mm〜0.02mmである。第3絶縁樹脂チューブ33の硬さは、第1絶縁樹脂チューブ31よりも硬い。第3絶縁樹脂チューブ33は、先端及び後端でコアシャフト22に接着剤により接着されていてもよい。
【0020】
次に、プラズマ用ガイドワイヤ10の使用例について説明する。プラズマ用ガイドワイヤ10は、経皮的冠動脈形成術(PCI)に使用される医療用機械器具であり、バルーンやステント等のデバイスを血管の閉塞部まで導く際に使用される。プラズマ用ガイドワイヤ10においては、コアシャフト22の先端部が遠位部、コアシャフト22の後端部が近位部となる。プラズマ用ガイドワイヤ10の遠位部は血管に挿入され、近位部は医師等の手技者によって操作される。手技者は、遠位部が血管内の閉塞部に到達すると、チップ26が閉塞部を貫通するようにプラズマ用ガイドワイヤ10を押したり引いたり回転させたりする。しかし、閉塞部が石灰化して固くなっていると、このような操作だけでは閉塞部を貫通させることができないことがある。その場合、血管内に別のプラズマ用ガイドワイヤ10を逆行させて、閉塞部の反対側にその別のプラズマ用ガイドワイヤ10のチップ26を配置する。これにより、一対のチップ26は閉塞部を挟んで対向した状態になる。この一対のチップ26の間に高周波電圧を印加することにより一対のチップ26の間にプラズマを発生させて閉塞部を破壊する。
【0021】
ここで、プラズマ用ガイドワイヤ10では、比較的柔軟な第1絶縁樹脂チューブ31のうちコイル24が存在しない部分には剛性ギャップが生じるが、その剛性ギャップは第3絶縁樹脂チューブ33によって低減される。そのため、この部分での撓みを抑制することができる。また、比較的柔軟な第1絶縁樹脂チューブ31のうちコイル24を覆っている部分には、第3絶縁樹脂チューブ33が設けられていない。そのため、プラズマ用ガイドワイヤ10の先端側すなわちコアシャフト22のうちコイル24が巻回されている部分の操作性が向上する。
【0022】
以上説明した本実施形態のプラズマ用ガイドワイヤ10によれば、プラズマ用ガイドワイヤ10の先端側(すなわち、コアシャフト22のうちコイル24が巻回されている部分、又は/及び、第1絶縁樹脂チューブのうちコイルが存在しない部分)の操作性を向上させることができる。
【0023】
また、一般に、やわらかな樹脂ほど耐熱性が低く、硬い樹脂ほど耐熱性が高い傾向がある。第1絶縁樹脂チューブ31は比較的柔軟なため耐熱性が低く、高周波電流が流れて高温になったコアシャフト22に直接接触すると絶縁性が維持できないおそれがある。しかし、第3絶縁樹脂チューブ33は、第1絶縁樹脂チューブ31とコアシャフト22との接触を阻止する役割を果たすため、第1絶縁樹脂チューブ31の絶縁性を確保しやすい。なお、第1絶縁樹脂チューブ31は、コイル24と接触することがあるが、コイル24はそれほど高温にならないため絶縁性に支障が生じることはない。これは、プラズマ発生時にコイル24に流れる電流は、コアシャフト22の後端からコイル−コアシャフト接合部25までを流れる電流よりも小さいからである。
【0024】
更に、第3絶縁樹脂チューブ33は、第1絶縁樹脂チューブ31よりも硬いため、第1絶縁樹脂チューブ31のうちコイル24が存在しない部分に生じる剛性ギャップをより低減することができる。
【0025】
更にまた、第3絶縁樹脂チューブ33は、第1絶縁樹脂チューブ31と第2絶縁樹脂チューブ32との接合部34を内側から覆うように設けられているため、接合部34における絶縁性をより確保しやすくなる。
【0026】
そしてまた、コイル24に流れる電流とコアシャフト22に流れる電流とが合流し電気的負荷の大きいコイル−コアシャフト接合部25に第3絶縁樹脂チューブ33が当接しているため、コイル−コアシャフト接合部25における絶縁性をより確保しやすくなる。
【0027】
そして更に、第3絶縁樹脂チューブ33は、第1絶縁樹脂チューブ31の内周のうちコイルの後端に面する位置Pよりも後方の領域Xの全域にわたって設けられているため、第1絶縁樹脂チューブ31のうちコイル24が存在しない部分に生じる剛性ギャップはより低減されるし、第1絶縁樹脂チューブ31の絶縁性もより確保しやすくなる。
【0028】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0029】
上述した実施形態では、第3絶縁樹脂チューブ33は、第1絶縁樹脂チューブ31の内周のうちコイル24の後端に面する位置Pよりも後方の領域Xの全域にわたって設けたが、この領域Xの一部に設けてもよい。例えば、第3絶縁樹脂チューブ33を分断して、図4に示すように、第3絶縁樹脂チューブ35,36,37としてもよい。なお、図4では上述した実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付した。このようにしても、第1絶縁樹脂チューブ31のうちコイル24が存在しない部分の剛性ギャップは第3絶縁樹脂チューブ35,36,37によって低減される。そのため、この部分での撓みを抑制することができる。また、第1絶縁樹脂チューブ31のうちコイル24を覆っている部分には、第3絶縁樹脂チューブ35,36,37が設けられていない。そのため、プラズマ用ガイドワイヤ10の先端側すなわちコアシャフト22のうちコイル24が巻回されている部分の操作性が向上する。なお、第3絶縁樹脂チューブ35,36,37は、第1絶縁樹脂チューブ31とコアシャフト22との接触を阻止するように設けられていることが好ましい。また、第3絶縁樹脂チューブ35,36,37のうちいずれか一つを採用してもよいし、いずれか二つを採用してもよい。第3絶縁樹脂チューブ35を採用した場合には、コイル−コアシャフト接合部25における絶縁性をより確保しやすくなり、第3絶縁樹脂チューブ37を採用した場合には、接合部34における絶縁性をより確保しやすくなる。
【0030】
上述した実施形態では、プラズマ用ガイドワイヤ10のチップ26と別のプラズマ用ガイドワイヤ10のチップ26とを血管内の閉塞部を挟んで対向させた状態でその一対のチップ26の間にプラズマを発生させたが、他の方法でプラズマを発生させてもよい。例えば、患者の血管内に挿入したプラズマ用ガイドワイヤ10のチップ26とその患者の皮膚に配置した電極との間でプラズマを発生させてもよい。あるいは、血管内に2本のプラズマ用ガイドワイヤ10を並走させ、閉塞部の近くで互いのチップ26間にプラズマを発生させて、閉塞部を破壊してもよい。
【0031】
上述した実施形態において、図5に示すように、第1絶縁樹脂チューブ31の先端に耐熱性樹脂(例えばポリイミド樹脂など)からなるリング状のカラー38を設け、このカラー38とチップ26とを接合してもよい。なお、図5では上述した実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付した。こうすれば、第1絶縁樹脂チューブ31の先端が熱によって損傷するのを防止することができる。
【0032】
上述した実施形態において、第2絶縁樹脂チューブ32はシャフト後端部22aの端面まで延びていてもよい。あるいは、コアシャフト22のシャフト後端部22aのうち第2絶縁樹脂チューブ32で被覆されていない部分は別の絶縁樹脂チューブ(第4絶縁樹脂チューブ)で被覆してもよい。
【0033】
上述した実施形態では、第3絶縁樹脂チューブ33として、第1絶縁樹脂チューブ31よりも硬いものを使用したが、特にこれに限定されない。例えば、第3絶縁樹脂チューブ33として、第1絶縁樹脂チューブ31と同じ硬さのものを使用してもよいし、第1絶縁樹脂チューブ31よりも軟らかいものを使用してもよい。このようにしても、第1絶縁樹脂チューブ31のうちコイル24が存在しない部分の剛性ギャップが低減されるため、プラズマ用ガイドワイヤ10の先端側の操作性が向上する。但し、第3絶縁樹脂チューブ33として第1絶縁樹脂チューブ31よりも硬いものを使用した方が、剛性ギャップをより低減できるため好ましい。
【0034】
上述した実施形態において、第3絶縁樹脂チューブ33として、第1絶縁樹脂チューブ31の材料よりも硬い材料を用いたが、特にこれに限定されない。例えば、第3絶縁樹脂チューブ33として、第1絶縁樹脂チューブ31と同じ材料で第1絶縁樹脂チューブ31よりも厚いものを用いてもよい。このようにしても、第3絶縁樹脂チューブ33の硬さを第1絶縁樹脂チューブ31よりも硬くすることができる。なお、第1絶縁樹脂チューブ31、第2絶縁樹脂チューブ32、及び、第3絶縁樹脂チューブ33を構成する材料の硬さは、ショア硬度による硬さ、又は、デュロメータ硬度による硬さを意味する。そのため、これらの材料の硬さは、公知の試験機を用いて、測定すればよい。
【0035】
なお、本発明のプラズマ用ガイドワイヤは、特に限定するものではないが、例えば以下のように構成することもできる。
【0036】
本発明のプラズマ用ガイドワイヤにおいて、前記第3絶縁樹脂チューブは、前記第1絶縁樹脂チューブと前記コアシャフトとの接触を阻止するように設けられていてもよい。一般に、やわらかな樹脂ほど耐熱性が低く、硬い樹脂ほど耐熱性が高い傾向がある。第1絶縁樹脂チューブは比較的柔軟なため耐熱性が低く、高周波電流が流れて高温になったコアシャフトに直接接触すると絶縁性が維持できないおそれがある。ここでは、第3絶縁樹脂チューブは、第1絶縁樹脂チューブとコアシャフトとの接触を阻止するように設けられているため、第1絶縁樹脂チューブの絶縁性を確保しやすい。
【0037】
本発明のプラズマ用ガイドワイヤにおいて、前記第3絶縁樹脂チューブは、前記第1絶縁樹脂チューブより硬くてもよい。こうすれば、第1絶縁樹脂チューブのうちコイルが存在しない部分に生じる剛性ギャップをより低減することができる。
【0038】
本発明のプラズマ用ガイドワイヤにおいて、前記第3絶縁樹脂チューブは、前記第1絶縁樹脂チューブと前記第2絶縁樹脂チューブとの接合位置を覆うように設けられていてもよい。こうすれば、第1絶縁樹脂チューブと第2絶縁樹脂チューブとの接合位置における絶縁性をより確保しやすくなる。
【0039】
本発明のプラズマ用ガイドワイヤにおいて、前記第3絶縁樹脂チューブは、前記コイル−コアシャフト接合部に当接していてもよい。こうすれば、コイルに流れる電流とコアシャフトに流れる電流とが合流し電気的負荷の大きいコイル−コアシャフト接合部に第3絶縁樹脂チューブが当接しているため、コイル−コアシャフト接合部における絶縁性をより確保しやすくなる。
【0040】
本発明のプラズマ用ガイドワイヤにおいて、前記第3絶縁樹脂チューブは、前記第1絶縁樹脂チューブの内周のうち前記コイルの後端に面する位置よりも後方の領域の全域にわたって設けられていてもよい。こうすれば、第1絶縁樹脂チューブのうちコイルが存在しない部分に生じる剛性ギャップはより低減されるし、第1絶縁樹脂チューブの絶縁性もより確保しやすくなる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、例えば経皮的冠動脈形成術(PCI)に使用される医療用機械器具に利用可能である。
【符号の説明】
【0042】
10 プラズマ用ガイドワイヤ、20 ガイドワイヤ本体、22 コアシャフト、22a
シャフト後端部、22b シャフト先端部、24 コイル、25 コイル−コアシャフト接合部、26 チップ、30 絶縁樹脂チューブ、31 第1絶縁樹脂チューブ、32
第2絶縁樹脂チューブ、33 第3絶縁樹脂チューブ、34 接合部、35,36,37 第3絶縁樹脂チューブ、38 カラー、40 高周波発生器、100 プラズマ用ガイドワイヤ、120 ガイドワイヤ本体、122 コアシャフト、124 コイル、125 コアシャフト接合部、126 チップ、130 絶縁樹脂チューブ、131 第1絶縁樹脂チューブ、132 第2絶縁樹脂チューブ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6