(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には、同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化または省略化される。各構成の大きさの関係は、実際と異なる場合もある。
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における点灯装置を備えた照明器具の回路図である。
【0011】
図1に示すように、照明器具1は、交流電源2に接続される。照明器具1は、光源モジュール3と点灯装置4とを備える。
【0012】
例えば、光源モジュール3は、複数のLED5を1列に直列に接続したモジュールである。例えば、LED5の各々は、無機半導体で形成されたLED素子である。例えば、LED5の各々は、有機半導体で形成された有機EL素子である。
【0013】
点灯装置4は、整流回路6とコンデンサ7と抵抗8と抵抗9と昇圧チョッパ回路10とバックコンバータ回路11とランプ接続検出回路12と制御電源回路13と駆動回路14と制御装置15とを備える。
【0014】
整流回路6は、交流電源2に接続される。整流回路6の低電位側は、接地される。コンデンサ7は、整流回路6の出力端に並列に接続される。抵抗8と抵抗9とは、直列に接続されることにより分圧回路を形成する。当該分圧回路は、コンデンサ7に並列に接続される。
【0015】
昇圧チョッパ回路10は、インダクタ16と第1スイッチング素子Q
1とダイオード17とコンデンサ18と抵抗19と抵抗20とを備える。
【0016】
インダクタ16の一端は、整流回路6の高電位側に接続される。
【0017】
本実施の形態において、第1スイッチング素子Q
1は、MOSFETである。第1スイッチング素子Q
1は、第1端子(本実施の形態においてはドレイン)と第2端子(本実施の形態においてはソース)と制御端子(本実施の形態においてはゲート)とを備える。
【0018】
第1スイッチング素子Q
1の第1端子は、インダクタ16の他端に接続される。第1スイッチング素子Q
1の第2端子は、整流回路6の低電位側に接続される。
【0019】
ダイオード17のアノードは、インダクタ16の他端と第1スイッチング素子Q
1の第1端子との接続点に接続される。コンデンサ18は、電解コンデンサである。コンデンサ18の正極は、ダイオード17のカソードに接続される。コンデンサ18の負極は、整流回路6の低電位側に接続される。
【0020】
抵抗19と抵抗20とは、直列に接続されることにより分圧回路を形成する。当該分圧回路は、コンデンサ18に並列に接続される。
【0021】
バックコンバータ回路11は、第2スイッチング素子Q
2とダイオード21とインダクタ22とコンデンサ23と検出抵抗24とを備える。
【0022】
第2スイッチング素子Q
2とダイオード21とは、直列回路を形成する。当該直列回路は、昇圧チョッパ回路10のコンデンサ18と並列に接続される。
【0023】
本実施の形態において、第2スイッチング素子Q
2は、MOSFETである。第2スイッチング素子Q
2は、第1端子(本実施の形態においてはドレイン)と第2端子(本実施の形態においてはソース)と制御端子(本実施の形態においてはゲート)とを備える。
【0024】
第2スイッチング素子Q
2の第1端子は、コンデンサ18の正極に接続される。第2スイッチング素子Q
2の第2端子は、ダイオード21のカソードに接続される。ダイオード21のアノードは、コンデンサ18の負極に接続される。
【0025】
インダクタ22とコンデンサ23と検出抵抗24とは、この順に直列に接続して直列回路を形成する。当該直列回路は、ダイオード21に並列に接続される。
【0026】
ランプ接続検出回路12は、コンデンサ23に並列に接続される。ランプ接続検出回路12は、抵抗25と抵抗26とを備える。
【0027】
抵抗25と抵抗26とは、直列に接続されることにより分圧回路を形成する。当該分圧回路は、光源モジュール3に並列に接続される。
【0028】
本実施の形態において、制御電源回路13の電源入力端は、昇圧チョッパ回路10の出力端に接続される。具体的には、制御電源回路13は、コンデンサ18の後段に接続される。
【0029】
駆動回路14の電源入力端は、制御電源回路13の第1電源出力端に接続される。駆動回路14の第1信号出力端は、第1スイッチング素子Q
1の制御端子に接続される。駆動回路14の第2信号出力端は、第2スイッチング素子Q
2の制御端子に接続される。
【0030】
デジタルインターフェース回路27は、調光器28からの調光信号の入力を受け付け得るように設けられる。
【0031】
制御装置15の電源入力端は、制御電源回路13の第2電源出力端に接続される。制御装置15の第1信号入力端は、抵抗8と抵抗9との接続点に接続される。制御装置15の第2信号入力端は、抵抗19と抵抗20との接続点に接続される。制御装置15の第3信号入力端は、第1スイッチング素子Q
1の第2端子に接続される。制御装置15の第4信号入力端は、抵抗25と抵抗26との接続点に接続される。制御装置15の第5信号入力端は、コンデンサ23と検出抵抗24との接続点に接続される。
【0032】
例えば、壁スイッチSWの操作により交流電源2が投入されると、整流回路6は、交流電源2からの交流電圧を整流する。制御電源回路13は、整流回路6により整流された直流電圧により起動する。制御電源回路13は、駆動回路14に電源電圧V
ACCを供給する。制御電源回路13は、制御装置15に電源電圧V
DCCを供給する。
【0033】
昇圧チョッパ回路10は、第1スイッチング素子Q
1を動作させることで整流回路6により整流された直流電圧を昇圧する。その結果、昇圧チョッパ回路10は、第1出力電圧V
1を出力する。第1出力電圧V
1は、制御電源回路13の電源電圧として用いられる。
【0034】
バックコンバータ回路11は、第2スイッチング素子Q
2を動作させることで第1出力電圧V
1を降圧する。その結果、バックコンバータ回路11は、第2出力電圧V
2を出力する。第2出力電圧V
2は、光源モジュール3の点灯に用いられる。
【0035】
抵抗8と抵抗9とは、コンデンサ7の両端電圧を分圧する。その結果、入力電圧V
inが生成される。抵抗19と抵抗20とは、コンデンサ18の両端電圧を分圧する。その結果、検出電圧V
pが生成される。抵抗25と抵抗26とは、コンデンサ23の両端電圧を分圧する。その結果、検出電圧V
bが生成される。
【0036】
制御装置15は、入力電圧V
inの入力を受け付ける。制御装置15は、検出電圧V
pの入力を受け付ける。制御装置15は、検出電圧V
bの入力を受け付ける。
【0037】
制御装置15は、昇圧チョッパ回路10に流れる電流I
pを検出する。制御装置15は、検出電圧V
ILEDに基づいてバックコンバータ回路11に流れる電流I
bを検出する。制御装置15は、検出電圧V
ILEDに基づいて光源モジュール3に流れるLED電流I
LEDを検出する。
【0038】
制御装置15は、ユーザーの設定により任意の異なるタイミングでPWM信号S
pの出力とPWM信号S
bの出力とを開始する。
【0039】
例えば、制御装置15は、検出電圧V
pに基づいて昇圧チョッパ回路10の出力電圧が一定値になるように、PWM信号S
pを調節する。具体的には、制御装置15は、昇圧チョッパ回路10の出力電圧が予め設定された昇圧目標値と一致するように、PWM信号S
pを調節する。特に、制御装置15は、力率改善制御を行うために、いわゆる電流臨界モードまたは電流連続モード等で第1スイッチング素子Q
1のスイッチングを制御する。
【0040】
PWM信号S
pは、駆動回路14に入力される。駆動回路14は、第1スイッチング素子Q1をオンさせる為に必要な電圧までPWM信号S
pを増幅して駆動信号を生成する。駆動回路14は、当該駆動信号を第1スイッチング素子Q
1の制御端子に出力する。
【0041】
第1スイッチング素子Q
1は、PWM信号S
pに従ってオンオフ動作を実施する。その結果、昇圧チョッパ回路10は、所望の昇圧動作および力率改善動作を行う。
【0042】
例えば、制御装置15は、検出電圧V
ILEDに基づいてLED電流I
LEDが一定値となるように、PWM信号S
bを調節する。具体的には、制御装置15は、バックコンバータ回路11の出力電圧が予め設定された降圧目標値と一致するように、PWM信号S
bを調節する。
【0043】
PWM信号S
bは、駆動回路14に入力される。駆動回路14は、第2スイッチング素子Q
2をオンさせる為に必要な電圧までPWM信号S
bを増幅して駆動信号を生成する。駆動回路14は、当該駆動信号を第2スイッチング素子Q
2の制御端子に出力する。
【0044】
第2スイッチング素子Q
2は、PWM信号S
bに従ってオンオフ動作を実施する。その結果、バックコンバータ回路11は、光源モジュール3の複数のLED5を所望の明るさで点灯させる。
【0045】
図1において、制御装置15は、CPU等が形成された回路基板を樹脂パッケージ等で封止した集積回路パッケージ(ICパッケージ)の形態で提供される。当該集積回路パッケージには、いくつかのバリエーションが想定される。例えば、制御装置15は、A/D変換回路29とマイコン30とを内蔵する。
【0046】
A/D変換回路29は、入力電圧V
inと検出電圧V
pと検出電圧V
bと検出電圧V
ILEDと電流I
pとをそれぞれデジタル値に変換する。
【0047】
マイコン30は、メモリ、演算処理部等を内蔵する。例えば、メモリは、フラッシュメモリである。メモリは、点灯制御に必要な各種デジタル情報と制御プログラムとを記憶する。演算処理部は、A/D変換回路29を介してデジタル値に変換された各種情報とメモリに記憶された各種デジタル情報とを利用して点灯制御用の制御プログラムを実行する。
【0048】
マイコン30は、制御プログラムを実行することにより、第1スイッチング素子Q
1と第2スイッチング素子Q
2とのそれぞれのスイッチング制御に関するオンデューティ等の動作目標値を算出する。例えば、マイコン30は、昇圧チョッパ回路10において所望の昇圧電圧を得るとともに所望の力率改善制御を行うように、第1スイッチング素子Q
1の動作目標値を算出する。例えば、マイコン30は、光源モジュール3の複数のLED5において所望の明るさが得られるように、第2スイッチング素子Q
2の動作目標値を算出する。
【0049】
調光器28が操作されると、デジタルインターフェース回路27は、調光器28からの調光信号の入力を受け付ける。当該調光信号は、デジタルインターフェース回路27からマイコン30に伝達される。
【0050】
マイコン30は、当該調光信号に応じた調光率で光源モジュール3の複数のLED5を点灯させるように、第2スイッチング素子Q
2についてオンデューティ等の動作目標値を算出する。マイコン30は、算出した動作目標値で指定されたパルス幅、周期、デューティ等を満たすようにPWM信号S
pとPWM信号S
bとをそれぞれ出力する。
【0051】
本実施の形態において、制御装置15は、検出電圧Vpに基づいて昇圧チョッパ回路10の異常電圧を検出する。制御装置15は、電流Ipに基づいて昇圧チョッパ回路10の異常電流を検出する。制御装置15は、検出電圧Vbに基づいてバックコンバータ回路11の異常電圧を検出する。制御装置15は、電流Ibに基づいてバックコンバータ回路11の異常電流を検出する。
【0052】
制御装置15は、昇圧チョッパ回路10またはバックコンバータ回路11の異常電圧または異常電流を検出した際に、昇圧チョッパ回路10とバックコンバータ回路11とを予め設定された順番で停止させる。具体的には、制御装置15は、第1スイッチング素子Q
1のスイッチングと第2スイッチング素子Q
2のスイッチングとを予め設定された順番で停止させる。第1、第2スイッチング素子Q
1、Q
2の停止は、マイコン30が各々の制御信号Sp、Sbを駆動回路14に送るのを停止することにより行う。
【0053】
制御装置15は、昇圧チョッパ回路10およびバックコンバータ回路11の異常検出箇所と第1スイッチング素子Q
1と第2スイッチング素子Q
2との動作状態の組み合わせで異常を判定する。
【0054】
次に、
図2と
図3とを用いて、異常が検出される際の制御装置15の動作を説明する。
図2と
図3とはこの発明の実施の形態1における点灯装置に対して異常が検出される際の制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【0055】
ステップS1では、制御装置15は、昇圧チョッパ回路10の異常電圧または異常電流を検出したか否かを判定する。
【0056】
ステップS1で制御装置15が昇圧チョッパ回路10の異常電圧または異常電流を検出していない場合は、ステップS2に進む。ステップS2では、制御装置15は、バックコンバータ回路11の異常電圧または異常電流を検出したか否かを判定する。
【0057】
ステップS2で制御装置15がバックコンバータ回路11の異常電圧または異常電流を検出していない場合は、ステップS1に戻る。
【0058】
ステップS1で制御装置15が昇圧チョッパ回路10の異常電圧または異常電流を検出した場合は、ステップS3に進む。ステップS3では、制御装置15は、昇圧チョッパ回路10を停止させる。その後、ステップS4に進む。ステップS4では、制御装置15は、異常判定を行う。
【0059】
ステップS4で正常と判定された場合は、ステップS5に進む。ステップS5では、制御装置15は、リトライを実施する。具体的には、制御装置15は、昇圧チョッパ回路10を駆動する。その後、ステップS6に進む。ステップS6では、制御装置15は、異常判定を行う。
【0060】
ステップS6で正常と判定された場合は、ステップS7に進む。ステップS7では、制御装置15は、昇圧チョッパ回路10が一時的に異常であったと判定する。この際、制御装置15は、昇圧チョッパ回路10の駆動を維持する。その結果、LED5の点灯状態が通常の点灯状態に復帰する。その後、動作が終了する。
【0061】
ステップS6で異常と判定された場合は、ステップS8に進む。ステップS8では、制御装置15は、昇圧チョッパ回路10のみの異常であると判定する。この際、制御装置15は、昇圧チョッパ回路10とバックコンバータ回路11とを停止させる。その後、動作が終了する。
【0062】
ステップS4で異常と判定された場合は、ステップS9に進む。ステップS9では、制御装置15は、バックコンバータ回路11の異常であると判定する。この際、制御装置15は、バックコンバータ回路11を停止させる。その後、動作が終了する。
【0063】
ステップS2で制御装置15がバックコンバータ回路11の異常電圧または異常電流を検出した場合は、ステップS10に進む。ステップS10では、制御装置15は、昇圧チョッパ回路10を停止させる。その後、ステップS11に進む。ステップS11では、制御装置15は、異常判定を行う。
【0064】
ステップS11で正常と判定された場合は、ステップS12に進む。ステップS12では、制御装置15は、リトライを実施する。具体的には、制御装置15は、昇圧チョッパ回路10を駆動する。その後、ステップS13に進む。ステップS13では、制御装置15は、異常判定を行う。
【0065】
ステップS13で正常と判定された場合は、ステップS14に進む。ステップS14では、制御装置15は、バックコンバータ回路11が一時的に異常であったと判定する。この際、制御装置15は、昇圧チョッパ回路10の駆動を維持する。その結果、LED5の点灯状態が通常の点灯状態に復帰する。その後、動作が終了する。
【0066】
ステップS13で異常と判定された場合は、ステップS15に進む。ステップS15では、制御装置15は、昇圧チョッパ回路10の異常であると判定する。この際、制御装置15は、昇圧チョッパ回路10とバックコンバータ回路11とを停止させる。その後、動作が終了する。
【0067】
ステップS11で異常と判定された場合は、ステップS16に進む。ステップS16では、制御装置15は、バックコンバータ回路11のみの異常であると判定する。この際、制御装置15は、バックコンバータ回路11を停止させる。その後、動作が終了する。
【0068】
以上で説明した実施の形態1によれば、異常が検出された際、昇圧チョッパ回路10とバックコンバータ回路11とは、予め設定された順番で停止する。このため、異常の原因を判定することができる。
【0069】
具体的には、昇圧チョッパ回路10を先に停止させた際の異常判定の結果に基づいて昇圧チョッパ回路10またはバックコンバータ回路11の異常が判定される。
【0070】
例えば、ステップS7において、制御装置15は、昇圧チョッパ回路10が一時的に異常であったと判定する。この場合、異常部分を速やかに停止させつつ、LED5の点灯を速やかに復帰させることができる。
【0071】
例えば、ステップS8において、制御装置15は、昇圧チョッパ回路10のみの異常であると判定する。この場合、異常部分を速やかに停止させつつ、昇圧チョッパ回路10の異常を検出することができる。
【0072】
例えば、ステップS9において、制御装置15は、バックコンバータ回路11の異常であると判定する。この場合、異常部分を速やかに停止させつつ、バックコンバータ回路11の異常を検出することができる。
【0073】
例えば、ステップS14において、制御装置15は、バックコンバータ回路11が一時的に異常であったと判定する。この場合、LED5の点灯を極力維持したまま、LED5の点灯を速やかに復帰させることができる。
【0074】
例えば、ステップS15において、制御装置15は、昇圧チョッパ回路10の異常であると判定する。この場合、LED5の点灯を極力維持したまま、昇圧チョッパ回路10の異常を判定することができる。
【0075】
例えば、ステップS16において、制御装置15は、バックコンバータ回路11のみの異常であると判定する。この場合、LED5の点灯を極力維持したまま、バックコンバータ回路11の異常を判定することができる。
【0076】
なお、ステップS8とステップS9とステップS15とステップS16とにおいて、昇圧チョッパ回路10とバックコンバータ回路11とを保護動作させてもよい。例えば、昇圧チョッパ回路10とバックコンバータ回路11との動作が予め設定された範囲内で収まるようにしてもよい。この場合、LED5の点灯を維持することができる。
【0077】
また、制御装置15は、複数のマイコン30を備えてもよい。複数のマイコン30は、昇圧チョッパ回路10を制御する「第1のマイコン30」とバックコンバータ回路11を制御する「第2のマイコン30」とを含んでもよい。複数のマイコン30が設けられた場合、それぞれのマイコン30で異なるスイッチング制御開始タイミングなどを設定できるように、各マイコン30の内部のプログラムを構築してもよい。あるいは、複数のマイコン30が連携して動作してもよい。例えば、複数のマイコン30が互いに通信を行い、昇圧チョッパ回路10の駆動状態を示す信号とバックコンバータ回路11の駆動状態を示す信号とを複数のマイコン30の間で授受してもよい。
【0078】
次に、
図4と
図5とを用いて、制御装置15の変形例を説明する。
図4はこの発明の実施の形態1における点灯装置を備えた照明器具の制御装置の変形例を説明するための回路図である。
図5はこの発明の実施の形態1における点灯装置を備えた照明器具の制御装置の変形例の周辺を説明するための回路図である。
【0079】
図4において、制御装置15は、制御電源回路13、駆動回路14等の「アナログ回路」とマイコン30等の「デジタル回路」とを単一のICパッケージに収納する。各回路は、ICパッケージの内部において互いに配線接続される。この場合、駆動回路14が制御装置15の外側に設けられる場合と比べて、マイコン30と駆動回路14とを結ぶ信号送受信配線が飛躍的に短くなる。
【0080】
制御装置15は、制御電源回路13の少なくとも一部を備える。例えば、制御装置15は、受動回路部31と制御電源IC32とのうちの制御電源IC32を備える。
【0081】
ICパッケージの内部において、信号送受信配線にノイズフィルタを接続してもよい。例えば、ノイズフィルタとしてコンデンサ素子を用いてもよい。この際、コンデンサ素子の一端を信号送受信配線と接続し、コンデンサ素子の他端をグランド配線と接続すればよい。
【0082】
この場合、制御装置15のパッケージの内部に形成された短い配線を介して、マイコン30から駆動回路14へとPWM信号S
pとPWM信号S
bとを低ノイズで伝送できる。その結果、第1スイッチング素子Q
1と第2スイッチング素子Q
2とを精度よく連動させることができる。
【0083】
図5において、制御電源回路13は、降圧コンバータ回路である。例えば、制御電源回路13は、バックコンバータ回路である。
【0084】
制御電源回路13において、受動回路部31は、バックコンバータ回路を構成する複数の受動素子を備える。具体的には、受動素子の一方は、チョークコイルL1である。受動素子の他方は、コンデンサC1である。
【0085】
制御電源回路13において、制御電源IC32は、バックコンバータ回路を構成する複数の能動素子を備える。具体的には、能動素子の一方は、インテリジェントパワーデバイスIPDである。インテリジェントパワーデバイスIPDは、スイッチング素子としてMOSFETを内部に備える。能動素子の他方は、ダイオードD1である。
【0086】
制御電源回路13において、出力電圧は、チョークコイルL1とコンデンサC1との接続点から取り出される。当該出力電圧は、電源電圧V
ACCとして用いられる。電源電圧V
ACCは、駆動回路14に供給される。当該出力電圧は、レギュレータREGに入力される。レギュレータREGは、当該出力電圧を降圧する。降圧された電圧は、電源電圧V
DCCとして用いられる。電源電圧V
DCCは、マイコン30等に供給される。
【0087】
なお、制御装置15の変形例の一つとして、ICパッケージの内部において、アナログ回路およびデジタル回路それぞれのグランド電極をICパッケージの内部における共通のグランド配線(図示せず)に接続してもよい。この場合、グランド配線を短くすることができる。
【0088】
他の変形例として、アナログ回路のグランド電極をICパッケージの内部の第1グランド配線(図示せず)に接続し、デジタル回路のグランド電極をICパッケージの内部において第1グランド配線と電気的に接続していない第2グランド配線(図示せず)に接続してもよい。この場合、駆動回路14等の動作がマイコン30の動作に影響しないようにすることができる。
【0089】
なお、マイコン30に代えて、デジタル信号処理装置(Digital Signal Processer:DSP)を制御装置15の内部に収めてもよい。制御装置15においては、マイコン30またはDSP等の「デジタル演算回路」が点灯装置4の点灯制御に関する演算処理を行えばよい。
【0090】
実施の形態2.
図6と
図7とはこの発明の実施の形態2における点灯装置に対して異常が検出される際の制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には、同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0091】
実施の形態1の制御装置15は、異常が検出された際にバックコンバータ回路11よりも先に昇圧チョッパ回路10を停止させる。一方、実施の形態2の制御装置15は、異常が検出された際に昇圧チョッパ回路10よりも先にバックコンバータ回路11を停止させる。
【0092】
具体的には、ステップS21では、制御装置15は、昇圧チョッパ回路10の異常電圧または異常電流を検出したか否かを判定する。
【0093】
ステップS21で制御装置15が昇圧チョッパ回路10の異常電圧または異常電流を検出していない場合は、ステップS22に進む。ステップS22では、制御装置15は、バックコンバータ回路11の異常電圧または異常電流を検出したか否かを判定する。
【0094】
ステップS22で制御装置15がバックコンバータ回路11の異常電圧または異常電流を検出していない場合は、ステップS21に戻る。
【0095】
ステップS21で制御装置15が昇圧チョッパ回路10の異常電圧または異常電流を検出した場合は、ステップS23に進む。ステップS23では、制御装置15は、バックコンバータ回路11を停止させる。その後、ステップS24に進む。ステップS24では、制御装置15は、異常判定を行う。
【0096】
ステップS24で正常と判定された場合は、ステップS25に進む。ステップS25では、制御装置15は、リトライを実施する。具体的には、制御装置15は、バックコンバータ回路11を駆動する。その後、ステップS26に進む。ステップS26では、制御装置15は、異常判定を行う。
【0097】
ステップS26で正常と判定された場合は、ステップS27に進む。ステップS27では、制御装置15は、昇圧チョッパ回路10が一時的に異常であったと判定する。この際、制御装置15は、バックコンバータ回路11の駆動を維持する。その結果、LED5の点灯状態が通常の点灯状態に復帰する。その後、動作が終了する。
【0098】
ステップS26で異常と判定された場合は、ステップS28に進む。ステップS28では、制御装置15は、バックコンバータ回路11の異常であると判定する。この際、制御装置15は、昇圧チョッパ回路10とバックコンバータ回路11とを停止させる。その後、動作が終了する。
【0099】
ステップS24で異常と判定された場合は、ステップS29に進む。ステップS29では、制御装置15は、昇圧チョッパ回路10のみの異常であると判定する。この際、制御装置15は、昇圧チョッパ回路10を停止させる。その後、動作が終了する。
【0100】
ステップS22で制御装置15がバックコンバータ回路11の異常電圧または異常電流を検出した場合は、ステップS30に進む。ステップS30では、制御装置15は、バックコンバータ回路11を停止させる。その後、ステップS31に進む。ステップS31では、制御装置15は、異常判定を行う。
【0101】
ステップS31で正常と判定された場合は、ステップS32に進む。ステップS32では、制御装置15は、リトライを実施する。具体的には、制御装置15は、バックコンバータ回路11を駆動する。その後、ステップS33に進む。ステップS33では、制御装置15は、異常判定を行う。
【0102】
ステップS33で正常と判定された場合は、ステップS34に進む。ステップS34では、制御装置15は、バックコンバータ回路11が一時的に異常であったと判定する。この際、制御装置15は、バックコンバータ回路11の駆動を維持する。その結果、LED5の点灯状態が通常の点灯状態に復帰する。その後、動作が終了する。
【0103】
ステップS33で異常と判定された場合は、ステップS35に進む。ステップS35では、制御装置15は、バックコンバータ回路11のみの異常であると判定する。この際、制御装置15は、昇圧チョッパ回路10とバックコンバータ回路11とを停止させる。その後、動作が終了する。
【0104】
ステップS31で異常と判定された場合は、ステップS36に進む。ステップS36では、制御装置15は、昇圧チョッパ回路10の異常であると判定する。この際、制御装置15は、昇圧チョッパ回路10を停止させる。その後、動作が終了する。
【0105】
以上で説明した実施の形態2によれば、バックコンバータ回路11を先に停止させた際の異常判定の結果に基づいて昇圧チョッパ回路10またはバックコンバータ回路11の異常が判定される。
【0106】
例えば、ステップS27において、制御装置15は、昇圧チョッパ回路10が一時的に異常であったと判定する。この場合、LED5への電源供給を速やかに停止することでLED5が破壊することを防止しつつ、LED5の点灯を速やかに復帰させることができる。
【0107】
例えば、ステップS28において、制御装置15は、バックコンバータ回路11の異常であると判定する。この場合、LED5への電源供給を速やかに停止することでLED5が破壊することを防止しつつ、バックコンバータ回路11の異常を判定することができる。
【0108】
例えば、ステップS29において、制御装置15は、昇圧チョッパ回路10のみの異常であると判定する。この場合、LED5への電源供給を速やかに停止することでLED5が破壊することを防止しつつ、昇圧チョッパ回路10の異常を判定することができる。
【0109】
例えば、ステップS34において、制御装置15は、バックコンバータ回路11が一時的に異常であったと判定する。この場合、異常部分を速やかに停止させつつ、LED5の点灯を速やかに復帰させることができる。
【0110】
例えば、ステップS35において、制御装置15は、バックコンバータ回路11のみの異常であると判定する。この場合、異常部分を速やかに停止させつつ、バックコンバータ回路11の異常を判定することができる。
【0111】
例えば、ステップS36において、制御装置15は、昇圧チョッパ回路10の異常であると判定する。この場合、異常部分を速やかに停止させつつ、昇圧チョッパ回路10の異常を判定することができる。
【0112】
なお、ステップS28とステップS29とステップS35とステップS36とにおいて、昇圧チョッパ回路10とバックコンバータ回路11とを保護動作させてもよい。例えば、昇圧チョッパ回路10とバックコンバータ回路11との動作が予め設定された範囲内で収まるようにしてもよい。この場合、LED5の点灯を維持することができる。
【0113】
なお、ステップS28とステップS29とステップS35とステップS36とにおいて、昇圧チョッパ回路10とバックコンバータ回路11とを保護動作させてもよい。例えば、昇圧チョッパ回路10とバックコンバータ回路11との動作が予め設定された範囲内で収まるようにしてもよい。この場合、LED5の点灯を維持することができる。
【0114】
また、実施の形態1および実施の形態2において、昇圧チョッパ回路10とバックコンバータ回路11との両方の異常が検出された場合は、どちらか一方の異常を優先させて、各種動作を行えばよい。
【0115】
また、ステップS5とステップS12とステップS25とステップS32とにおけるリトライを省略し、異常判定と停止動作または保護動作とを行ってもよい。また、複数回のリトライを実施してもよい。
【0116】
また、昇圧チョッパ回路10またはバックコンバータ回路11の異常が判定された際は、制御装置15のメモリ等に異常状態を示す情報を記憶させてもよい。
【0117】
図8は、この発明の実施の形態1、2において利用可能な異常電圧または異常電流の判定基準の一例を示すタイムチャートである。
図8では、所定時間、所定の電圧範囲に電圧値が収まった場合または所定の電流範囲に電流値が収まった場合に、異常が発生していると判定する、という技術を例示したものである。
図8には、判定上限スレショルド値thr2および判定下限スレショルド値thr1とが図示されている。thr1〜thr2のスレショルド範囲は、昇圧チョッパ回路10あるいはバックコンバータ回路11の停止後に本来示すべきではない電圧値または電流値を検出するために、予め実験あるいは数値シミュレーション等を行うことで、予め設定されている。thr1〜thr2のスレショルド範囲は、予めマイコン30の内蔵メモリに記憶されている。昇圧チョッパ回路10とバックコンバータ回路11のうち一方の回路の停止時T1から、検出した電圧値(または電流値)が低下した後、予め定めた所定時間TAの経過時T2においてもなお
図8のthr1〜thr2のスレショルド範囲内に収まり続けている場合には、異常が発生していると結論づけてもよい。停止時T1は、具体的には、
図2のフローチャートのステップS3で昇圧チョッパ回路10を停止した時点、あるいは
図6のフローチャートのステップS23でバックコンバータ回路11を停止した時点とすることができる。