特許第6724365号(P6724365)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6724365
(24)【登録日】2020年6月29日
(45)【発行日】2020年7月15日
(54)【発明の名称】積層フィルム及び包装容器
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/34 20060101AFI20200706BHJP
   B32B 27/36 20060101ALI20200706BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20200706BHJP
   B65D 81/34 20060101ALI20200706BHJP
【FI】
   B32B27/34
   B32B27/36
   B32B27/00 H
   B65D81/34 U
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-465(P2016-465)
(22)【出願日】2016年1月5日
(65)【公開番号】特開2017-121709(P2017-121709A)
(43)【公開日】2017年7月13日
【審査請求日】2018年12月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 隆太
【審査官】 小石 真弓
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−512187(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/061651(WO,A1)
【文献】 特開2015−013441(JP,A)
【文献】 特開2004−090370(JP,A)
【文献】 特開2001−322212(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0248450(US,A1)
【文献】 特開2008−100496(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
B65D 81/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱融着可能で線状低密度ポリエチレンから成る内層フィルムと、この内層フィルムに積層された外層フィルムとで構成され、前記外層フィルムの内部に達し、かつ、内層フィルムを貫通しない脆弱加工線を有する積層フィルムにおいて、
前記外層フィルムが延伸ナイロンフィルムとポリエステルフィルムとが積層された積層フィルムから成り、かつ、ポリエステルフィルムが内層フィルム側に位置している、
ことを特徴とする積層フィルム。
【請求項2】
請求項1に記載の積層フィルムを包装材料の一部として使用した包装容器。
【請求項3】
包装袋である請求項2に記載の包装容器。
【請求項4】
上面に開口部を有し、かつ、この開口部の周囲にフランジを有する容器本体と、この容器本体のフランジにヒートシールして開口部を塞ぐ蓋材とから成り、この蓋材が前記積層フィルムで構成されている請求項2に記載の包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物を包装したまま電子レンジで加熱して、加熱に伴って発生した水蒸気を包装体外部に放出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、調理済み又は半調理済みの食品を常温、低温、あるいは冷凍保存可能に包装容器に収容密封し、開封せずに電子レンジで加熱して、食べられる状態にする包装体が知られている。
【0003】
包装体を開封せずに電子レンジで加熱すると、包装体内の水分が水蒸気になり、体積が増加する。したがって、水蒸気が逃げられる隙間がないと破袋のおそれがある。一方、内容物が半調理状態等の場合には、単に加熱するだけでなく、発生した水蒸気による蒸らし等が必要となる場合がある。この場合、蒸気が逃げる孔が過度に大きいと、蒸らしが十分行われず、風味が落ちる等の問題がある。
【0004】
この用途に対応した包装体はいくつか知られている。いずれも積層フィルムから構成された包装容器を用いるのが一般的であり、内圧が高まると、積層フィルムの一部に裂け目ができて、この裂け目を蒸気抜き孔として水蒸気を逃がすことにより破袋を防止する。
【0005】
電子レンジによる加熱時に蒸らしも可能な包装体としては、例えば、特許文献1、2に記載のものが知られている。特許文献1,2に記載の包装体は、ポリエステルフィルム等の外層フィルムの内側にポリオレフィン系樹脂の内層フィルムを積層した積層フィルムから蓋材を構成して、その蓋材に、外層フィルム側からレーザーを照射することにより、外層フィルムの内部に達し、かつ、内層フィルムを貫通しない深さの蒸気抜き用脆弱加工線を形成している。この包装体においては、電子レンジで加熱すると、外層フィルムが前記脆弱加工線で開くと共に内層フィルムが薄く引き延ばされ、こうして薄く引き延ばされた内層フィルムが部分的に裂けてそこに小さな貫通孔が形成される。そして、この結果、過度に水蒸気が逃げず、破袋を防ぎつつ蒸らしを行うことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2014/061651号
【特許文献2】特開2015−13441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、これら包装体の中には、冷凍状態で保管・輸送するものが少なくない。これら包装体を冷凍状態で保管・輸送する場合には、後述するように多数の包装体をダンボール箱に収容して、外部からの衝撃から包装体を保護することが通常である。すなわち、多数の包装体をダンボール箱に詰め、このダンボール箱ごと冷凍して保管・輸送するのである。
【0008】
しかしながら、このようにダンボール箱で包装体を保護した場合であっても、外層フィルムとしてポリエステルフィルムを使用した包装体にあっては、冷凍したダンボール箱が落下すると、包装体の外層フィルムにピンホールが生じることがあった。
【0009】
そこで、本発明は、特許文献1,2に記載の技術を前提とし、電子レンジ加熱の際に目
的とする小孔が形成されて過剰の水蒸気を放出することができると共に、冷凍した場合であっても、落下等によって破損することのない包装容器と、この包装体に適する積層フィルムとを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、請求項1に記載の発明は、熱融着可能で線状低密度ポリエチレンから成る内層フィルムと、この内層フィルムに積層された外層フィルムとで構成され、前記外層フィルムの内部に達し、かつ、内層フィルムを貫通しない脆弱加工線を有する積層フィルムにおいて、
前記外層フィルムが延伸ナイロンフィルムとポリエステルフィルムとが積層された積層フィルムから成り、かつ、ポリエステルフィルムが内層フィルム側に位置している、
ことを特徴とする積層フィルムである。
【0011】
次に、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の積層フィルムを包装材料の一部として使用した包装容器である。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、包装袋である請求項2に記載の包装容器である。
【0013】
また、請求項4に記載の発明は、上面に開口部を有し、かつ、この開口部の周囲にフランジを有する容器本体と、この容器本体のフランジにヒートシールして開口部を塞ぐ蓋材とから成り、この蓋材が前記積層フィルムで構成されている請求項2に記載の包装容器である。
【発明の効果】
【0014】
後述する実施例から分かるように、外層フィルムとして延伸ナイロンフィルムとポリエステルフィルムとが積層された積層フィルムを使用し、しかも、この両者をポリエステルフィルムが内層フィルム側に位置するように配置すると、電子レンジ加熱の際には小孔が形成されて過剰の水蒸気を放出することができ、しかも、冷凍した場合であっても、落下等の衝撃によって破損することがない。
【0015】
なお、これに対して、外層フィルムをポリエステルフィルム単体で構成すると、冷凍して外部から衝撃が加わると破損してピンホールを発生することがある(比較例1)。また、外層フィルムを延伸ナイロンフィルム単体で構成すると、電子レンジ加熱の際に小孔が形成されないことがあり、包装体の内圧が高まって包装体が破裂する場合がある(比較例2)。また、外層フィルムとして延伸ナイロンフィルムとポリエステルフィルムとが積層された積層フィルムを使用しても、延伸ナイロンフィルムが内層フィルム側に位置するように配置した場合には、延伸ナイロンフィルム単体で構成した場合と同様に、電子レンジ加熱の際に小孔が形成されず、包装体が破裂する場合がある(比較例3)。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は本発明の脆弱加工線付き積層フィルムの具体例に係り、図1(a)はその脆弱加工線近傍の断面説明図、図1(b)はその平面図である。
図2図2は本発明の脆弱加工線付き積層フィルムを使用した包装袋に係り、図2(a)は包装袋の説明用斜視図、図2(b)は包装袋を電子レンジ加熱したときの包装袋の説明用斜視図である。
図3図3は本発明の脆弱加工線付き積層フィルムを使用した包装容器の説明用斜視図である。
図4図4は本発明の脆弱加工線付き積層フィルムの評価方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の積層フィルムは外層フィルムと内層フィルムとの二層構造を有するものであり
、外層フィルムは、延伸ナイロンフィルムとポリエステルフィルムとが積層された積層フィルムで構成され、しかも、ポリエステルフィルムが内層フィルム側に配置されている。そして、この積層フィルムには、外層フィルムに達し、かつ、内層フィルムを貫通しない脆弱加工線が設けられている。
【0018】
この積層フィルムは電子レンジ加熱用包装容器の一部として使用するのに適している。この積層フィルムを使用して作成した包装容器は、その内部に内容物を収容し、密封したまま、電子レンジ中で加熱して調理することができる。電子レンジ加熱に伴って包装容器内部に水蒸気が発生すると同時にその内圧が高まり、包装容器は外側に向けて膨らむ。そして、このため、外層フィルムは脆弱加工線で破断して、その両側の外層フィルム端部が広がるように引っ張られ、この外層フィルムに接着した内層フィルムが引き伸ばされる。引き伸ばされた内層フィルムには、多数の微小孔が発生し、この微小孔から過剰の水蒸気が包装容器外部に放出されるため、包装容器内部の内圧の上昇が抑制され、包装容器の破烈を防止することができる。ところで、引き伸ばされた内層フィルムに生じる微小孔は極めて小さいものであるから、この微小孔を通じて放出される水蒸気の放出速度も小さいものである。このため、包装容器の内部は適度な内圧を保ち、内容物を十分に蒸して調理することが可能である。
【0019】
包装容器は、例えば、包装袋であってよい。また、剛性容器の蓋材として本発明の積層フィルムを使用することも可能である。以下、本発明の積層フィルムを包装袋の一部として使用する場合を例として、本発明の積層フィルムと、この積層フィルムの構成要素が果たす役割について説明する。図1は本発明の積層フィルムに係り、図1(a)はその断面説明図、図1(b)は平面説明図である。また、図2はこの積層フィルムを使用した包装袋に係り、図2(a)は包装袋の説明用斜視図、図2(b)は包装袋を電子レンジ加熱したときの包装袋の説明用斜視図である。
【0020】
図1(a)に示すように、この積層フィルム1は、外層フィルム11と内層フィルム13とを必須の構成要素とするもので、この両者は、例えば接着剤層12によって積層できる。また、外層フィルム11は延伸ナイロンフィルム112とポリエステルフィルム111とが積層されて構成され、かつ、ポリエステルフィルム111が内層フィルム13側に位置していることが重要である。そして、このため、この積層フィルム1で包装体を構成した場合には、延伸ナイロンフィルム112は包装体の外面側に位置することになる。通常、包装体の外表面である。
【0021】
外層フィルム11は、これら延伸ナイロンフィルム112とポリエステルフィルム111の2層で構成されることが望ましいが、その引張破断強度に影響を与えない範囲で、他の層を積層することもできる。例えば、印刷インキ被膜、塗料の塗布被膜、アルミニウム蒸着膜等の金属蒸着膜、酸化アルミニウム蒸着膜等の無機蒸着膜等である。延伸ナイロンフィルムには一定の酸素バリア性があるが、金属蒸着膜あるいは無機蒸着膜を積層することにより、酸素バリア性と水蒸気バリア性を高めて、内容物保存性を高めることができる。
【0022】
一方、内層フィルム13は、包装体製造の際にヒートシール層としての役割を果たすものである。また、この包装体を電子レンジ加熱した際には、脆弱加工線の位置で適度に伸びて多数の微小孔を発生させる役割を果たす。また、脆弱加工線をレーザー照射によって形成する場合には、このレーザー光を吸収しないことを必要とする。このような内層フィルム12としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)等が使用できるが、中でも、LLDPEを好ましく使用することができる。
【0023】
脆弱加工線11aは電子レンジ加熱の際に、その一部に水蒸気放出孔を形成するもので、外層フィルム11に達して内層フィルム13を貫通しない深さに設ける必要がある。望ましくは、外層フィルム11を貫通して内層フィルム13を貫通しない深さである。脆弱加工線11aを外層フィルム11を貫通する深さに設けた場合には、この外層フィルム11に含まれる延伸ナイロンフィルム112を貫通するため、延伸ナイロンフィルム112の酸素バリア性が損なわれるが、脆弱加工線11xは細い線状に設けられるから、その酸素バリア性の低下はわずかである。その長さは40mm以下でよい。
【0024】
次に、この脆弱加工線11aは、外層フィルム11と内層フィルム13とを積層して積層フィルム1を製造した後、これに炭酸ガスレーザーを照射して形成することができる。炭酸ガスレーザーを照射したとき、外層フィルム11を構成する延伸ナイロンフィルム112とポリエステルフィルム111とはレーザー光線を吸収して溶融し、延伸が戻って、引張破断強度の低い脆弱加工線11aを形成することができる。一方、内層フィルム13はレーザー光線を吸収することなく透過するから、脆弱加工線11aが内層フィルム13を貫通することはない。
【0025】
次に、図2(a)は、この積層フィルム1を使用して作成した包装袋2を示す説明用斜視図である。また、図2(b)はこの包装袋2を電子レンジ加熱したときに、この脆弱加工線11aの果たす役割を説明するための説明用斜視図である。
【0026】
この包装袋2を電子レンジ加熱した際には、水蒸気の発生に伴って内圧が増大し、包装袋2が外側に向けて膨らむため、外層フィルム11が脆弱加工線Xで破断して、これを挟む外層フィルム11の両端部が互いに離間するように引っ張られる。内層フィルム13は外層フィルム11に接着されているため、外層フィルム11の両端部に付随して、脆弱加工線Xに直交する方向に引っ張られるが、この内層フィルム13には脆弱加工線Xが貫通していないため、外層フィルム11の両端部の間で薄く引き延ばされる。そして、この薄く引き延ばされた領域内に、規則的又は不規則に、内層フィルム13には微小な孔が開くのである。図2(b)において、13aは薄く引き延ばされた内層フィルム13を示しており、13bはこの内層フィルム13に開口した微小孔を示している。
【0027】
本発明の積層フィルムは、蓋材として使用することもできる。図3はこのような例を示すもので、この包装容器3は容器本体31と蓋材とで構成されている。容器本体31は、上面に開口部を有し、かつ、この開口部の周囲にフランジを有するもので、蓋材はそのフランジにヒートシールして開口部を塞ぐものである。なお、開封して内容物を取り出す際の便宜のため、図示の容器3では、蓋材にタブが設けられている。
【0028】
こうして得られた包装体は、常温流通するものはもちろん、冷蔵流通あるいは冷凍流通するものであっても、その流通過程で、例えば保管中や輸送中で衝撃が加えられたときでも、破損することがない。しかも、電子レンジによって加熱したときには、微小な蒸気放出孔が脆弱加工線Xに沿って複数開き、内容物を十分に蒸熱してしかも過剰の水蒸気を放出することができる。
【実施例】
【0029】
(実施例)
外層フィルム11として、延伸ナイロンフィルム112とポリエステルフィルム111とを積層した市販のフィルムを使用した。すなわち、グンゼ社製HEPTAX HBF(登録商標)(厚さ15μm)である。そして、接着剤層12を介して、そのポリエステルフィルム111面に内層フィルム13を積層して、積層フィルム1を製造した。なお、内層フィルム13はLLDPEのフィルムである。
【0030】
こうして得られた積層フィルムに対して、外層フィルム11側から炭酸ガスレーザー光を照射し、かつ、線状にスキャンして、外層フィルム11の流れ方向に長さ30mmの脆弱加工線Xを形成した。レーザー光の波長は10.6μm、出力は25W、スキャンスピードは700mm/sである。
【0031】
こうして得られた脆弱加工線X付き積層フィルムを40℃、90%RHの環境下で3日間保存した後、三方シール袋を製袋した。袋の大きさは140mm×140mmである。
【0032】
次に、この三方シール袋に水50gを充填し、ヒートシーラーで密封して実施例1の包装体を製造した。
【0033】
(比較例1)
外層フィルムとして厚さ12μmのポリエステルフィルムの単体を使用した他は、実施例と同様に包装体を製造した。
【0034】
(比較例2)
外層フィルムとして厚さ15μmの延伸ナイロンフィルムの単体を使用した他は、実施例と同様に包装体を製造した。
【0035】
(比較例3)
外層フィルムとして、実施例と同様に、グンゼ社製HEPTAX HBF(厚さ15μm)を使用したが、延伸ナイロンフィルム面に内層フィルム13を積層した。そのほかについては、実施例と同様に包装体を製造した。
【0036】
(評価)
これら実施例、比較例1〜3の包装体について、通蒸適性と耐衝撃性とを評価した。
【0037】
すなわち、これら包装体を電子レンジ中に載置し、1000W、1分の条件で加熱して、脆弱加工線Xの領域に多数の微小孔が発生するか否か、この包装体が破裂しないか否かを確認した。そして、多数の微小孔が発生して包装体が破裂しないものを通蒸適性が○、所定の微小孔が発生しないものを通蒸適性が×と評価した。
【0038】
また、前記包装体3を、図4(a)に示すように3段に重ねてトレー4上に載置し、こうして包装体3を載置したトレー4を1組として、図4(b)に示すように、このトレーを2列5段にダンボール箱5中に収容した。なお、図4(c)はこうして得られたダンボール箱梱包体の斜視図である。
【0039】
そして、このダンボール箱梱包体を冷凍室内に入れて前記包装体3を冷凍した後、冷凍室から取り出し、JIS Z0202の集積落下試験に従い、1角、3稜、6面の条件で0.8mの高さから落下させて、ピンホール発生の有無を調べた。なお、実施例、比較例1〜3の包装体のそれぞれについて、各30個ずつ集積落下試験を行い、ピンホール発生が0個のものを耐衝撃性が○、1個でもピンホールが発生したものを耐衝撃性が×と評価した。
【0040】
この結果を表1に示す。なお、表中、「Ny/PET」は、延伸ナイロンフィルムとポリエステルフィルムとを積層したフィルムであって、延伸ナイロンフィルムが包装体の外面側に位置していることを示す。また、「PET」「Ny」は、それぞれ、ポリエステルフィルムと延伸ナイロンフィルムを示し、「PET/Ny」は、延伸ナイロンフィルムとポリエステルフィルムとを積層したフィルムであって、ポリエステルフィルムが包装体の外面側に位置していることを示す。
【0041】
【表1】
【0042】
この結果から分かるように、外層フィルムをポリエステルフィルム単体で構成すると、冷凍して外部から衝撃が加わると破損してピンホールを発生することがある(比較例1)。また、外層フィルムを延伸ナイロンフィルム単体で構成したり(比較例2)、外層フィルムとして延伸ナイロンフィルムとポリエステルフィルムとが積層された積層フィルムを使用して、延伸ナイロンフィルムが内層フィルム側に位置するように配置した場合(比較例3)には、電子レンジ加熱の際に小孔が形成されず、包装体が破裂する場合がある。
【符号の説明】
【0043】
1:脆弱加工線付き積層フィルム
11:外層フィルム 111:ポリエステルフィルム 112:延伸ナイロンフィルム 12:接着剤層 13:内層フィルム 13a:引き伸ばされた内層フィルム
13b:微小孔
2:包装袋 2a:シール線
3:包装容器 31:容器本体
4:トレー
5:ダンボール箱
X:脆弱加工線
図1
図2
図3
図4