(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ロボットハンドまたはロボットハンド周辺に撮像装置を有し、該撮像装置が撮った画像から不良品が検出された場合に、ロボットハンドが不良品を不良品回収部に排出する請求項8〜10のいずれかに記載の収納装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ本発明を具体的に説明する。なお、各図中、同一符号は同一又は同等の構成要素を表している。
【0016】
<ロボットハンド>
(概要)
本発明のロボットハンドは、ロボットアーム先端に接続されている。
図1は、本発明の一実施例のロボットハンド20が、ロボットの第1のアーム(左ロボットアーム)11a及び第2のアーム(右ロボットアーム)11bのそれぞれに接続されている双腕型ロボット10の正面図である。第1のアーム11aに節軸されたロボットハンド20は開状態、第2のアーム11bに節軸されたロボットハンド20は閉状態である。
【0017】
図2は、ロボットハンド20の閉状態の斜視図である。このロボットハンド20は、物品を着脱自在に把持する把持部21を備え、把持部21は、開閉可能に対向する挟持面22(22a、22b、22c、22d)と、各挟持面に並列した吸着部23を有する。
図3は、対向する挟持面22を開き、台紙付製品などの表裏の一方が偏平な物品2を吸着部23で吸着しているロボットハンドの斜視図であり、
図4は、対向する挟持面22を閉じ、吸着部23と挟持面22で2つの物品2を把持しているロボットハンドの斜視図である。また、
図5は、
図2〜
図4のロボットハンド20の閉状態の(a)上面図、(b)側面図、(c)正面図である。
【0018】
本発明におけるロボットとは、3以上の駆動軸をもち、自動制御によって動作し、再プログラム可能で多目的なマニュピュレーション機能を有する装置をいう。ロボットの種類としてはパラレルリンクロボットでもシリアルリンクロボットでもよいが、広範囲で複雑な動作が可能である点から、好ましくは、シリアルリンクの垂直多関節型ロボットとし、軸数を6又は7とすることが好ましい。
図1に示したロボット10では、1つの基部13に2つのアーム11a、11bを設けており、各アーム11a、11bの軸数が6である。アーム11(11a、11b)が接続する基部13に回転軸を設けることにより、アーム11の軸数が6であっても、7軸とする場合と同様にアーム自身の、例えば肘部位置の姿勢制御をすることができる。また、アーム11の動作範囲を広くすることができる。
【0019】
(物品)
本発明のロボットハンドが把持する物品に特に制限はないが、本発明のロボットハンドの把持部21は、物品2を吸着部23で吸着するだけでなく、対向する挟持面22で物品を挟持することによって物品を把持できるという特徴を有するため、この特徴を活かして物品を安定に把持する点から、把持する物品は全体として平たい物品が好ましい。特に、物品の表裏の一方が偏平面を有し、他方の面が突出部を有する物品が好ましく、中でも物品の表裏の一方が偏平であり、他方の面が突出部を有する物品をあげることができる。
【0020】
ここで、物品の表裏の一方の面が偏平であるとは、その偏平な面に存在する凸の高さが物品の縦方向または横方向の長さの30%程度以内であるか、凸部の占める面積が偏平な面の面積の20%以内であるか、凸の高さが物品の縦方向または横方向の長さの20%以内でかつ凸部の占める面積が偏平な面の面積の60%以内であるか、あるいはその面が全体として平らであるために、平面上に平行に載置できることをいう。
【0021】
表裏の一方の面が偏平で、他方の面が突出部を有する物品としては、台紙付製品、ブリスターパックなどをあげることができる。
【0022】
台紙付製品は、台紙上に製品が固定されているもので、例えば
図6Dに示す台紙付製品2Dのように、製品3を台紙6に直接貼り付けたもの、
図6Eに示す台紙付製品2Eのように、製品3をシュリンクフィルム7で包装し、それを台紙6に直接貼り付けたもの、
図6Fに示す台紙付製品2Fのように、台紙6に製品3の上端を保持する部分7a、胴部を保持する部分7b、7c、下端を保持する部分7dを形成し、それらの中に製品3を収容したもの、
図6Gに示す台紙付製品2Gのように、台紙6と製品3の全体をシュリンクフィルム7で覆ったもの等をあげることができる。
【0023】
ブリスターパックは、片面を樹脂板、板紙等からなる比較的硬い材質の平板とし、そこに配置された製品の外形に沿うように、プラスチックシートを成形加工し、プラスチックカバーを形成したものである。例えば、
図6Aに示すブリスターパック2Aのように、製品3に沿わせたプラスチックカバー4を平板5に糊付けしたもの、
図6Bに示すブリスターパック2Bのように、製品3に沿わせたプラスチックカバー4で平板5全体を正面と左右から覆い、プラスチックカバー4と平板5とをホッチキス、粘着テープなどで固定したもの、
図6Cに示すブリスターパック2Cのように、製品3の表側に沿ったプラスチックカバー4aと裏側に沿ったプラスチックカバー4bとで製品3を挟み、プラスチックカバー4a、4b同士を嵌合させて固定したものなどをあげることができる。これらには吊り穴9があってもよい。
【0024】
なお、台紙付製品やブリスターパックにおいて、製品3は、平板5又は台紙6の幅方向の中央にあっても、左右の片方へ偏心していてもよい。また、台紙付製品やブリスターパックにおいて、製品3は、平板5又は台紙6の上下の中央にあっても、上下の片方へ偏心していてもよい。
【0025】
台紙付製品や ブリスターパックにおける製品3の種類は特に限定されない。一例として、リップクリーム、化粧剤、整髪剤、紫外線防止剤、歯ブラシ、歯磨きペースト、洗剤、食品、玩具などがあげられる。また製品3の形態も特に限定されない。一例として、リップクリームや口紅などの円柱体、箱などの直方体、板材、線材、ボトル、チューブ、ピロー包装体などがあげられる。
【0026】
また、台紙付製品やブリスターパック以外で、平たい物品の具体例としては、
図6Hに示す箱状包装体2H、
図6Iに示す洗顔シート等が収容されたピロー包装体2I、
図6Jに示す液体や粉末洗剤などを詰めた4方シール包装体2J、
図6Kに示す食品等を詰めた一般にレトルトパウチと呼ばれるピロー包装体2K等を挙げることができる。これらは、例えば
図6Iに示すように、縦長の包装体であって、下部シールよりも上部シールを長くし、上部シールに吊り穴9を設けたものとすることができる。
【0027】
(挟持面)
図2〜
図5に示したロボットハンド20は、対向する一対の板状部材24(24a、24b)を有し、各板状部材24a、24bにはそのロボットハンド先端側に切り欠き部25が形成されている。そして、一対の板状部材24a、24bの対向する面内の、切り欠き部25の両側部分に挟持面22(22a、22b、22c、22d)が形成されている。したがって、把持部21は、切り欠き部25の片側に、対向する一対の挟持面22a、22cを有し、切り欠き部25の反対側に対向する一対の挟持面22b、22dを有し、合計二対の対向する挟持面を有する。各挟持面22は、ロボットハンド20の先端側からロボットのアーム11側に延び、その延び方向の長さL3が挟持面22の幅L4よりも長くなっている(
図5(a))。
合計二対の挟持面22により、把持部21で把持する物品の両側部を挟持し、把持状態を安定化させることができる。
【0028】
挟持面22を形成する板状部材24の厚さには特に制限はないが、把持部21に物品を把持して物品を旋回したり移動したりするのに伴い、物品が把持部21から落下することを防止するため、把持する物品が、ブリスターパックや台紙付製品のように、表面に凹凸部又は膨出部を有する場合、板状部材24の厚さh1(
図5(b)、(c))が物品の表面の凸部又は膨出部の高さh0(
図6A)の10%以上であることが好ましい。つまり、このような適切な把持部21の板状部材24の厚さと切り欠き部によって、把持部21の撓みを防止し、物品が把持部21からずれることを防ぎ、物品が把持部21から落下することを防止できる。
【0029】
本発明のロボットハンドを使用して物品を所定の場所に収納する場合、狭い場所でも物品を収納できるように、板状部材24の厚さは、物品の表面の凸部又は膨出部の高さh0以下とすることが好ましい。また、ロボットアーム動作の高速化のためハンド全体の軽量化となるように、板状部材24の厚さは、物品の表面の凸部又は膨出部の高さh0の70%以下とすることが特に好ましい。
【0030】
一方、板状部材24の厚さは、ロボットハンド20の先端側端部(アームと反対側の端部)では薄くなるように、テーパーを形成することが好ましい。これにより、物品を吸着部に吸着させるときや、把持部21に把持した物品の把持を所定の場所に収納するときに、周辺との干渉を防止することができる。
【0031】
板状部材24の材質に特に制限はないが、把持部21の旋回や、物品全体の移動時の加速や減速を容易に行えるように、軽い材質を選択することが好ましい。一方、把持部から所定の場所に物品を収納するときには、把持部21から物品が滑らかに排出されるように、また、周辺と干渉したときでも周辺に引っ掛かることが無いように、表面の滑り性がよい材質とすることが好ましい。滑り性がよい材質の例として、高分子ポリエチレン、POM等の樹脂材料、アルマイト等の表面処理を施したアルミニウム等をあげることができる。
【0032】
(開閉機構)
対向する板状部材24a、24bのアーム側端部は開閉装置30に接続されている。これにより、一対の板状部材24a、24bの挟持面同士(22aと22c、22bと22d)が、
図7(a)に示すように対向して近接している閉状態と、
図7(b)に示すように所定の開き角αで放射状に開いた開状態との間で板状部材24a、24bを開閉させることができる。
【0033】
角度αは開閉装置30によって制御される。物品を吸着部23で吸着するときの開状態の角度αの大きさは、物品を把持しやすくする点から、好ましくは15°以上である。また、開状態の角度αの大きさは、板状部材24a、24b又は板状部材24a、24bが吸着した物品と周囲との干渉防止のため、50°以内とすることが好ましい。
【0034】
一方、対向する板状部材24a、24bの開閉機構としては、対向する板状部材24a、24bが、対向状態のまま平行移動して板状部材24a、24b同士の距離を変え、
図8(a)に示す閉状態と、
図8(b)に示す開状態をとるものでもよい。板状部材24a、24bの物品を吸着部23で吸着するときの開状態における距離h3(
図8(b))は、開状態で物品を把持しやすくする点から、物品の厚さh4(
図6A)の2倍以上とすることが好ましい。また、距離h3は、板状部材24a、24b又は板状部材24a、24bが吸着した物品と、周囲との干渉を防止するため、物品の厚さh4の4倍以内とすることが好ましい。
【0035】
開閉機構の駆動方式は特に限定されず、エア駆動であっても、電動駆動であってもよい。
【0036】
(吸着部)
吸着部23は、各挟持面22a、22b、22c、22dに対応して設けられており、各吸着部23は、挟持面22のロボットアーム11側に、挟持面22に並列して設けられている。本発明において吸着部23の吸着方式は特に限定されず、バキュームチャック方式や電磁石方式をあげることができる。
【0037】
バキュームチャック方式の場合、吸着部23の端部にはバキュームパッド23Pを設けることが好ましい。
図1〜
図5に示したロボットハンド20も吸着部23の端部にバキュームパッド23Pを有している。バキュームパッド23Pを設けることにより、把持する物品が吸着可能な平面部や緩い曲面部を有している場合に、物品の吸着が容易となる。
【0038】
バキュームパッド23Pとしては、一対の板状部材24a、24bの開状態でそれぞれの板状部材24a、24bの吸着部23で物品を容易に吸着できるようにし、かつ一対の板状部材24a、24bを閉状態にして対向する板状部材24a、24bの間で物品を挟持することに支障をきたさないように、また、板状部材24が厚くなって狭い場所に物品を収納することが困難とならないように、平型や1.5段の蛇腹型(ベローズ型)等の高さの低いバキュームパッドが好ましい。
【0039】
吸着部23をバキュームチャック方式で形成する場合に、真空状態を、エアの吹き出しにより発生させるベルヌーイ方式としてもよい。ベルヌーイ方式は、物品表面に吸着部23が接触することを避けたい場合や、物品が壊れやすい場合に有効である。なお、ベルヌーイ方式では、吸着方向に対して横方向への物品保持性を得られないため、把持部21の旋回や移動に伴い物品が把持部から落下しないように、一般的には、物品の横方向を規制するガイドを設けることが必要となる。
【0040】
一方、電磁石による吸着は、把持する物品が磁石に吸着可能であれば、物品が平面部や緩い曲面部を有していなくても吸着が可能となる。
【0041】
一対の板状部材24a、24bのそれぞれに設ける吸着部23の個数については特に限定はないが、2個以上とすることが、把持部21で把持した物品が、把持部2の旋回や移動に伴いズレることを防止できるので好ましい。また、構造をシンプルにするため、8個以内とすることが好ましい。特に好ましい個数は、2〜6個である。
【0042】
吸着部23の先端が板状部材24から突出する高さは、把持する物品に応じて適宜調整することが好ましい。
吸着部23が吸着するところが平面部または緩い曲面部であって、吸着部23が吸着する位置近傍の物品表面に低い凸部がある物品において、吸着部23の先端をバキュームパッド23Pとする場合、バキュームパッド23Pが物品を吸着していないときのバキュームパッド23Pの板状部材24からの高さh2(
図5(b))を3mm以上とする。例えば
図9に示すように、台紙6に製品3が貼着されている台紙付製品2D(
図6D)を把持部21に把持させると、バキュームパッド23Pの吸着位置近傍の台紙6と板状部材24の間に間隙が発生する。本実施例ではh2が3mmであり、バキュームパッドが吸着時に2mm程度低くなるように変形し、間隙は約1mmとなっている。したがって、台紙6のバキュームパッド23Pが吸着する近傍に前述の隙間以下の低い凸部、本例では高さ1mm以下の凸部があっても台紙6を吸着することができる。よって、同図に示すように、把持部21による把持で、バキュームパッド23Pが吸着する位置近傍の物品表面の低い凸部が破損することを防止できる。なお、
図9に示した閉状態では、把持部21に把持されている2つの台紙付製品2Dは、背面同士を対向させた背中合わせとなっているが、台紙6同士は近接しているものの接触しておらず、2つの台紙付製品2Dはバキュームパッド23Pから押圧力は受けていない。
【0043】
一方、
図10に示す閉状態でもバキュームパッド23Pの吸着位置近傍の台紙6と板状部材24との間に間隙が発生しているが、2つの台紙付製品2Dの台紙6同士は接触しており、台紙付製品2Dは把持部21のバキュームパッド23Pによって押圧力を受けている。さらに、台紙6同士の接触による摩擦抵抗によっても台紙付製品2Dは確実に把持され、台紙付製品2Dを高速で箱詰めする場合でも、把持部21から台紙付製品が落下することを防止できる。また2つの台紙付製品2Dの台紙6同士を接触させた状態とすることで、箱詰め時に2つの台紙付製品2Dが占める幅を最小限にできるので、箱詰めする台紙付製品2Dが、箱の内面や先に箱詰めされた台紙付製品などの周囲と干渉することを防止することができる。
【0044】
また、バキュームパッド23Pの板状部材24からの高さh2を低く調整すると、
図11に示すように台紙6を板状部材24の表面に密着させることができる。この密着による台紙6と板状部材24の表面間の摩擦抵抗によって、把持部21での台紙付製品2Dの把持力を高め、台紙付製品2Dを後述するごとく旋回させるなど高速で動作させる場合でも、把持部21から台紙付製品2Dが落下することを防止できる。
【0045】
さらに、
図12に示すような板状部材24a、24bの閉状態では、吸着部23の先端の板状部材24からの高さh2を低く調整することにより台紙6を板状部材24の表面に密着させ、かつ把持部21で保持した2つの台紙付製品2Dの台紙6同士を接触させ、台紙付製品2Dが把持部21の挟持面22とバキュームパッド23Pによって強い押圧力を受けるようにしている。この台紙6同士の接触による摩擦抵抗によっても台紙付製品は確実に把持され、台紙付製品2Dを高速で箱詰めする場合でも、把持部21から台紙付製品2Dが落下することを防止できる。また閉状態とすることで、箱詰め時に2つの台紙付製品2Dが占める幅を最小限にできるので、箱詰めする台紙付製品2Hが、箱の内面や先に箱詰めした台紙付製品などの周囲と干渉することを防止することができる。
【0046】
バキュームパッド23Pの板状部材24からの高さを
図11又は
図12に示したように調整した場合に、
図13A及び
図13Bに示すように、把持部21に把持させる物品としてピロー包装体2I(
図6I)を把持させることもできる。
【0047】
吸着部23の配置は、物品を吸着した際に物品が変形して壊れたり、曲がったりすることがないように、できるだけ物品の重心近くとすることが好ましい。また、バキュームパッド23Pで物品を吸着する場合に、バキュームパッド23Pが物品の吊るし穴や表面凹凸がある位置にくると真空度が上昇せずに吸着力が低下するため、吸着部23の配置は、物品の吊るし穴や表面凹凸がある位置にバキュームパッド23Pが来ないように、個々の物品に応じて適宜配置を調整すれば良い。また、吸着部23にチェックバルブを設けておき、真空度が上昇しない場合にチェックバルブを閉じて吸着位置のみ真空度を高めることができるようにしておけば、扱う物品が異なっても吸着部23の配置を変更せずとも物品を把持することができる。
【0048】
板状部材24に吸着部23を設ける具体的構成としては、例えば、
図5に示すように、板状部材24の内部にエアー流路26を設け、エアー流路26の一端を板状部材24のアーム側端部で、図示しない真空ポンプ、真空エジェクタなどとつながったエアーチューブ27に接続する。また、加工時に発生してしまうエアー流路の不要な穴はプラグ28で閉じる。このようにエアーチューブ27の接続部27aを板状部材24のアーム11寄りの部分に設けることにより、物品の受け取りや排出時にエアーチューブ27が邪魔になることを防止できる。
【0049】
(把持部の旋回)
把持部21は、ロボットアーム11(11a、11b)の先端におけるロボットハンド11の突出方向と平行な仮想軸A(
図1)を中心に、ロボット10のアーム11、12によって
図2に矢印で示したように旋回可能である。これにより、例えば、一対の板状部材24の一方の吸着部23で第1の物品を吸着し、次に、把持部21を180°旋回させてもう一方の板状部材24の吸着部23で第2の物品を吸着し、次に180°旋回を戻すことにより、最初に第1の物品を吸着した位置に戻ることができる。このため、第1の物品と第2の物品を同じ物品の位置で、同じ物品の方向で吸着することができる。
【0050】
把持部21において360°以上の旋回を可能とし、旋回の途中の任意の位置で旋回を停止し、その停止点を基点として180°の旋回を往復して行い、あるいは基点から180°旋回して一旦旋回を停止し、さらに180°旋回して基点に戻るようにしてもよい。
【0051】
なお、この旋回の軸Aは、ロボットのアーム11自体が有する回転軸としてもよく、ロボットのアームの回転軸とは別個の旋回機構による回転軸としてもよい。別個の旋回機構としては、例えば、エア式又は電動式のロータリーアクチュエータなどを使用することができる。エア式は安価でコンパクトである。電動式は任意の加速度や速度で旋回が可能であるため、物品を把持部21から落下させることなく、物品を旋回又は移動させることが可能となる。
【0052】
つまり、旋回の軸Aは、例えば
図8に示したように、その延長線が、2つの板状部材24a、24b配置の概略中心を通る軸であってもよく、
図5及び
図7に示したように、2つの板状部材24a、24bの配置中心から離れたところにあってもよい。旋回の軸Aの延長線が、
図8に示したように板状部材24の配置中心にあると、一対の板状部材24のうち片方の板状部材24aの吸着部で物品を吸着した後、旋回しても、旋回に加わるモーメントを小さくできるので、高速で旋回させても吸着が外れて物品が落下することを防止できる。また、旋回装置の容量を小さくできるので、装置を小型化することができ、装置の軽量化によってロボットアームの高速移動が可能になる。一方、
図5及び
図7に示したように、旋回の軸Aの延長線が一対の板状部材24a、24bの配置中心から離れた位置にあると、一対の板状部材24a、24bに設けられた一方の板状部材24aの吸着部23で部品を吸着した後、把持部21が当初の吸着位置から逃げるように180°旋回させることができる。このため、当初の吸着位置にあるベルトコンベヤ等の周辺装置に対してロボットアームの回避動作がほぼ不要となり、動作時間を短縮することができる。また、旋回時にアームが振動することを防止するために、旋回の軸Aに対して、吸着部23と反対側にカウンターウェイトを設置してもよい。
【0053】
旋回の軸Aを一対の板状部材24a、24bの配置中心から離す手法としては、オフセットブラケット31(
図5)を用いてアーム11先端の軸A付近と把持部21の開閉装置30とを固定すればよい。オフセット距離は、物品吸着時に物品が停止しているベルトコンベヤ71や吸着用台座76の厚みに、板状部材24の厚さh1(
図5)の2倍を加えた距離を基本とし、さらにベルトコンベヤの両側との干渉を避けるような距離とすると、後述するように、アーム11をほとんど動かすことなく、旋回が可能となる。好ましくは、前述の距離の1.3〜2.0倍程度とすればよい
【0054】
旋回の方向は特に限定されないが、把持部21を左右のロボットアームに設置している場合には、旋回していないほうの把持部21から遠ざかる方向への旋回が好ましい。この旋回方向とすることで、旋回していないほうの把持部21は物品の把持位置近傍に待機することが可能となり、物品を把持する動作に移行する際、ただちに物品の把持位置に到達することが可能となる。
【0055】
(撮像装置)
実施例のロボットハンド20は、撮像装置40と照明装置41を備えている(
図1、
図14)。
【0056】
撮像装置40の設置位置は特に限定されないが、物品を撮りやすくするため、ロボットハンド20のアーム側端部において、アーム11の先端から横方向にオフセットした位置にブラケット42で取り付けることが好ましい。オフセットした位置でも縦長物品2に対して斜め上方からの撮像になるので、撮像した画像は歪補正を行うことが好ましい。またミラーを用いて物品正面から撮像しても良い。
【0057】
照明装置41の設置位置は、撮像装置40が撮る物品2を、周囲の照明の有無によらず、常に明るく照らすため、撮像装置40の周辺とすることが好ましい。照明の種類は特に制限ないが、長期にわたって照度が変化しないLEDが好ましく、カメラの周囲に設置できるリング形状のものが好ましい。ロボットが1つの基部13に2つのアーム11a、11bが設けられた人型ロボットである際、撮像時の歪を最小にできるように、撮像装置40は人型ロボットの顔面に相当する位置に物品を見下ろすように設置され、物品を明るく照らすために照明装置41はアーム側端部に設置するなど、照明装置と撮像装置をそれぞれ最適な別の場所に設けることもできる。
【0058】
実施例のロボットハンド20によれば、撮像装置40が、ロボットハンド20に吸着ないし把持された物品2と常時一定の距離にあるので、照明装置41で物品2を明るく照らし、撮像装置40で明瞭な画像を撮ることができる。したがって、例えば、
図14に示すように、把持部21に吸着された台紙付製品2D(
図6D)について、バーコード、ロットナンバー等の情報をロボットに確実に認識させることができる。
【0059】
また、物品2を別途検査場所まで移動させなくても、ロボットハンド20が物品2を吸着ないし把持する際に、あるいは吸着ないし把持した状態で、撮像装置40が撮った画像に基づいて物品2を検査することができる。したがって、最小の検査時間で、物品2が良品か不良品かの判断を行うことが可能となる。アームの移動中に検査すれば、見かけ上、検査時間はゼロとできる。なお、この画像に基づく検査は、より具体的には、物品の、色、形状、大きさ、キズや破損の有無等に基づいて行われる。例えば、
図15に示すように、把持部21に吸着された台紙付製品2D(
図6D)について、
図15(a)に示すように台紙6と製品3の下端が揃っている良品に対し、
図15(b)に示すように台紙6と製品3の下端がずれているものを不良品と判断し、不良品を生産ラインから排除することができる。
【0060】
なお、撮像装置がロボット10の顔面位置に取り付けられていると、一式の撮像装置でロボットハンド20が取り扱う物品の検査が可能となるので、左右など複数のアーム部に撮像装置を有すよりも撮像装置の個数を減らすことができ、検査を、よりシンプルな装置構成でかつ低コストに行うことができる。
【0061】
<ロボット>
ロボットハンド20自体を移動させる装置や向きを変更させる装置は、電動式やエア式のリニアモーション装置とロータリー装置を組み合わせたもの、電動式やエア式の直線運動や回転運動を行うアクチュエータを組み合わせたもの等で構成され、これらはロボット10(
図1)に組み込まれている。即ち、ロボットハンド20が接続されている第1のアーム(左ロボットアーム)11aと第2のアーム(右ロボットアーム)11bは、ロボット10の基部13に接続されている。基部13は旋回部14を有し、旋回部14から上方を回転させることを可能としている。また、基部13は移動装置16に設置されている。これにより、メンテナンスが容易となる。また、ロボット10を別作業に使用することも可能となる。
【0062】
基部13の上方で、ロボット10の正面視における幅方向中央部で人型ロボットの顔面の位置には撮像装置15が設けられている(
図1)。撮像装置15は、左右の撮像部から撮影対象物を撮るステレオカメラとなっており、ロボット10の周辺の装置や、ロボットハンド20が取り扱う物品2の位置はロボット10の制御装置に認識される。
【0063】
撮像装置15と基部13の間には、首の左右回転を行う左右首回転部17と、首を上下に振り動かす上下首振り部18が設けられている。これにより、ロボット10の制御装置に物品2の位置を認識させるときは、ロボット10の顔面を大きく下方向に向け、可能な限り物品2の天面を垂直方向から撮像できるようにしている。前述の如く、この撮像装置15を物品の検査に用いてもよい。
【0064】
<ロボットハンドの変形態様>
(板状部材の外形)
板状部材24の外形は、
図2及び
図3に示した形状に限られない。ロボットハンドで把持する物品の形状に応じて適宜定められる。したがって、板状部材24の外形を、平面視で正方形、長方形、台形、三角形、5角形以上の多角形、多角形の一部又は全ての角部を丸めた形状、これらの組合せなどとしてもよい。
【0065】
なお、板状部材の片面視の外形がいずれの形状であっても、把持する物品が中央部に凸部や膨出部を有する場合には、把持部21においてそれらを回避できるように、板状部材24に切り欠き部25を設け、切り欠き部25の周りの板状部材24に挟持面22を設けることが好ましい。これにより、物品が2中央部に凹凸部や膨出部を有していても、凸部や膨出部の周囲の、物品の厚みが実質的に台紙6の厚みである部分のみを対向する挟持面22同士で挟持することができるので、把持部21における物品2の把持が安定する。
【0066】
切り欠き部25の形状は、物品2の外形や加工性などに応じて適宜定められ、例えば、加工が容易な円形、矩形、それらの組み合わせ等とすることができる。
【0067】
また、切り欠き部25の形成位置に関し、ロボットハンド20の長さ方向では板状部材24のロボットハンド先端側を切り欠くことが好ましく、ロボットハンド20の幅方向では板状部材24の左右の中央部を切り欠いても、左右の偏心した位置を切り欠いても良い。即ち、切り欠き部25が板状部材24の左右の偏心した位置に形成され、板状部材24の平面視の形状が左右非対称となってもよい。例えば、把持部21で把持する物品2が、シュリンクフィルムで包装した製品3を台紙6の偏心した位置に貼り付けた台紙付製品2Eである場合(
図6E)、
図16A、
図16Bに示すように、台紙付製品2Eを把持部21で把持した状態で、台紙6の両側部を挟持面22で押さえられるように、台紙6における製品3の位置に合わせて切り欠き部25を板状部材24の左右方向に偏心させる。
【0068】
図17Aに示すように、把持部21で把持する物品2が台紙付製品2Eであり、台紙6における製品3の位置がさらに左右の一方に偏り、台紙6の両側部に台紙付製品2Eを挟持するのに十分な面積が無い場合、板状部材24において切り欠き部25の片側にのみ挟持面22を設けてもよい。これにより、
図17Bに示すように、台紙付製品2Eを吸着部23による吸着と挟持面22による挟持によって把持することができる。
【0069】
板状部材24の切り欠き部25の両側に挟持面を形成するのに代えて、
図18に示すように、吸着部23を有する板状部材24に棒状部材29を取り付け、その棒状部材29に挟持面22を設けてもよい。
【0070】
図2に示したロボットハンドが、二対の対向する挟持面(22aと22c、22bと22d)を、一対の板状部材24a、24bから形成していることに代え、
図19及び
図20に示すように、二対の対向する挟持面(22aと22c、22bと22d)を二対の板状部材(24a-1と24b-1、24a-2と24b-2)から形成してもよい。一対の板状部材(24a-1と24b-1)ともう一対の板状部材(24a-2と24b-2)との距離L1を、物品の形状に応じて適宜調整できるようにしてもよい。
【0071】
図21に示すように、吸着部23のエアー流路26を板状部材24内に形成せず、配管構造体32によってエアー流路を構成してもよい。即ち、
図21に示したロボットハンドでは、ロボットハンドの先端側に切り欠き部25を有する一対の板状部材24(24a、24b)が配置され、各板状部材24では切り欠き部25の両側部分が挟持面22となっている。各板状部材24のアーム11側には、エアー流路26を構成する配管構造体32が設けられている。配管構造体32には1.5段の蛇腹型(ベローズ型)のバキュームパッド23Pが取り付けられ、バキュームパッド23Pが挟持面22と並列し、バキュームパッド23Pのパッド面と挟持面22とが平行に配置されている。また、吸着用のエアーチューブ27の接続部が配管構造体32のアーム11側部分に取り付けられ、把持部21における物品の受け取りや排出でエアーチューブ27が邪魔にならないようにしている。
【0072】
ここで、配管構造体32は、組み替え可能なパイプユニットから形成されている。したがって、物品の大きさや形状に合わせて配管構造体32を組み合えることができる。よって、把持しようとする物品2に対して最適な吸着部23を構成することができる。
また、このロボットハンドでは板状部材24も取り外し可能である。したがって、物品の形状や大きさに応じて、板状部材24の形状や大きさも選択することができる。
【0073】
<ロボットハンドを用いた物品の収納方法及び収納装置>
本発明の収納方法は、本発明のロボットハンド20を用いて偏平面を有する物品2を所定の場所に収納する方法であって、ロボットハンド20の対向する挟持面22が開状態で、物品2の偏平面と反対側の面を吸着部で吸着し、
開状態の挟持面22を閉状態にすることにより物品2の偏平面同士を合わせ、
偏平な面同士を合わせた2個の物品2を所定の場所に収納し、吸着を解除する方法である。なお、この方法において、物品2の偏平面同士を合わせるとは、
図10に示したように、物品2の扁平面(台紙6の背面)同士が接触する場合と、
図9に示したように物品の扁平面同士が非接触で近接して対向する場合の双方を含む。
また、この方法において物品2を収納する場所は箱に限られないが、箱の場合に本発明の方法は箱詰め方法となる。
【0074】
本発明の収納装置は、本発明のロボットハンドを備え、物品を所定の場所に収納する装置である。この装置でも物品を収納する場所は箱に限られないが、箱である場合、本発明の収納装置は物品の箱詰め装置となる。
【0075】
本発明の収納方法や収納装置において、物品を収納する所定の場所としは、段ボール箱、プラスチックコンテナなどの収納箱、物品の差し込み口を複数有するトレー、桟を有するベルトコンベヤ等の搬送装置が挙げられる。より具体的には、例えば、台紙付製品2D(
図6D)を2つずつ、それらの台紙6同士を背中合わせにして2個一組とし、その2個一組の台紙付製品2Dを
図22に示すようにZ型の中仕切り51で仕切ったA式段ボール箱50に起立させることができる。
【0076】
また、
図23に示すように、2個一組の台紙付製品2Dの台紙向きを、A式段ボール箱50の短辺に対して斜めに入れてもよい。
【0077】
図24(A)に示すように差し込み口52を備えたトレー53に対し、同図(B)に示すように2個一組の台紙付製品2Dを差し込んでもよい。
【0078】
図25に示すように桟54を有するベルトコンベヤ55の桟54同士の間に、2個一組の台紙付製品2Dを挿入してもよい。桟を有し、搬送方向が水平方向であるベルトコンベヤに物品を排出する際、桟のピッチが可変式であれば、ピッチを広げた部分に物品を排出することが容易である。その後ピッチを狭めれば搬送が確実になる上、搬送後に詰めたピッチの複数物品をまとめて別の把持装置で抜き出して箱などに投入することも行える。
【0079】
<箱詰め装置>
以下、本発明の収納装置を、箱詰め装置を例として詳細に説明する。
図26は実施例の箱詰め装置1の上面図であり、
図27はその側面図である。
この箱詰め装置1は、
図1に示したロボット10、A式段ボール箱50の搬送装置60、物品2として台紙付製品2D(
図6D)を供給する物品供給装置70及び不良物品回収部80を備え、このロボット10は、
図2に示したロボットハンド20を備えている。
【0080】
(段ボール箱の搬送装置)
実施例の箱詰め装置1において段ボール箱50の搬送装置60は、ローラーコンベヤ61とローラーコンベヤガイド62を備える。ローラーコンベヤ61は、ロボットハンド20が物品2を段ボール箱50に収納する位置(物品排出位置)に設けた不図示のセンサや不図示の撮像装置からの情報に基づいて自動制御され、物品排出位置に停止する。停止は搬送装置の停止によっても良いし、ストッパによる停止としても良い。即ち、センサや撮像装置の情報に基づいて制御装置が段ボール箱50における物品の収納状況を判断し、段ボール箱50に所定数の物品が収納されたときに、段ボール箱50を自動的に移動させる。
【0081】
このセンサや撮像装置に代え、ロボット10に設けられている撮像装置15の画像に基づき、ロボット10の制御装置が段ボール箱50内の物品2の収納状態を確認したり、段ボール箱50に物品2を排出した数を数えたりし、これらの情報をロボット10の制御装置や段ボール箱を搬送するローラーコンベヤ61の制御装置に伝え、これらの制御装置が段ボール箱の移動を制御してもよい。
【0082】
段ボール箱の移動量は、段ボール箱1個分を1ピッチとして制御される。したがって、所定数の物品が段ボール箱に箱詰めされた後に、次に物品が箱詰めされる位置に来る段ボール箱は、先の段ボール箱と同じ位置となる。
【0083】
ロボット10の顔面部に設けられている撮像装置15などによって、物品排出位置における段ボール箱50内の中仕切り51の有無を確認することも可能である。段ボール箱50内にあるべき中仕切り51が存在しない場合は、当該段ボール箱50を除いて、次に準備されている段ボール箱50を物品排出位置まで搬送すればよい。また、段ボール箱50内で中仕切り51が所望の位置からずれている場合や、曲げに異常がある場合は、中仕切り51が無い場合同様に当該段ボール箱を除いてもよいが、ロボットハンド20にて位置を修正し、あるいは曲げ状態を補正してもよい。
【0084】
段ボール箱の搬送開始と停止の方法としては、段ボールを移動させる押釦をロボットハンド20が押すことにより、段ボールが1ピッチ移動するという制御を構築することが好ましい。この場合、ロボットハンド20に押釦を押させる動作は、ロボット10の制御装置が、ロボット10に備えられた撮像装置15によって段ボール箱50内に入っている物品数を数え、あるいは、ロボットハンド20によって段ボール箱に入れられた物品数を数え、これらの情報に基づいて制御する。この押釦を押す方法では、ロボット10が備えている撮像装置15や動作の計数器に基づく情報により、ロボットハンド20の押釦動作を制御する。したがって、ロボット周辺のセンサや撮像装置が不要となり、周辺装置とロボットの制御装置との情報伝達も不要となる。よって、制御をシンプルにすることができる。また、ロボット10が故障し、人手でロボットの作業を行うことが必要になった場合に、押釦を押すことで段ボールを移動させることができるので、人による作業代替が即座に可能となる。
【0085】
ロボットハンド20が棒状などの押し部材を備えていると、ロボット10が押釦を押し易くなるが、格別に押し部材を設けなくともよい。例えば上述の板状部材24の角部で押釦を押してもよい。
【0086】
なお、段ボール箱50を搬送するローラーコンベヤ61の出口にて、排出された所定数の物品が入れられた段ボール箱は、不図示の自動テープ貼り装置で、段ボール箱の内外フラップが閉じられ、テープが貼られて封緘される。
【0087】
(物品供給装置)
物品供給装置70は、物品2(台紙付製品2D)を搬送するベルトコンベヤ71、サイドガイド72、ベルトコンベヤ71で搬送されてくる物品2の画像認識に使用する撮像装置73、ベルトコンベヤ71の出口手前にて物品2の前進を停止させるストッパ74、ベルトコンベヤ71の出口部に設けられた吸着用台座76を有する。また、物品供給装置70は、ベルトコンベヤ71の出口付近の両側に不良品の排出シュート81と、排出シート81から不良品を受ける不良品回収部80を有する。
【0088】
サイドガイド72は、ベルトコンベヤ71に不図示のブラケットによって設置されており、物品2が有する大きな凸部(台紙付製品2Dの製品3による突出部分)のベルトコンベヤ71における左右の位置を規制する。
【0089】
ストッパ74は、エア式駆動装置75により昇降可能に設けられており、上昇した状態ではベルトコンベヤ71上の物品2の前進を妨げないが、下降した状態では、ベルトコンベヤ71により前進してきた物品2の大きな凸部(台紙付製品2Dの製品3部分)に当接し、物品2の前進を停止させ、進行方向の停止位置を定める。
【0090】
ストッパ74は薄い板材で形成し、ロボットハンド20の把持部21の板状部材24の切り欠き部25の幅より狭い幅とすることが好ましい。ストッパ74をこのような形状とすることで、後述するように、ストッパ74が下降した状態のまま、ロボットハンド20の切り欠き部25が物品2の大きな凸部まで近づくことができ、吸着部23が物品の重心に近いところまで接近できる。
【0091】
吸着用台座76は、ウレタンゴムなどの柔らかい弾性体が貼られた平面板から形成されている。吸着用台座76が弾性を有すると、吸着用台座76にある物品2をロボットハンド20の吸着部23で十分に押し付けることが可能となって、吸着するときの吸着ミスを無くすことができる。吸着用台座76の厚さは、該吸着台座76上の物品2をロボットハンド20の先端からアーム側に深く送りこむことができるように、薄くすることが好ましい。一例として柔らかいウレタンゴムを貼る場合、ウレタンゴムの厚み2mm、ウレタンゴムを貼る金属製板材の厚み2mm程度とすることが可能で、吸着用台座76の厚みは4mmとすることができる。これにより、ロボットハンド20に物品2を確実に把持させることが可能となる。また、吸着用台座73の上方から見た大きさは、バキュームパッド23Pなどの吸着部23の端部面積以上にすると、物品2を確実に吸着することが可能となるので好ましく、物品2の大きさと同等以下にすると、ロボットハンド20の動作に支障をきたさないようにすることができるので好ましい。吸着用台座76の色は特に限定されないが、吸着用台座76の付近で停止している物品20を撮像する際のハレーションを防ぐために、黒色や濃い灰色など暗色系の色とすることが好ましく、つや消し加工をすることが更に好ましい。
【0092】
(不良品回収部)
不良品回収部80は、ロボットハンド20の撮像装置40を用いた検査機能により不良と判断された物品2が集められる部分である。ロボットハンド20が吸着又は把持している物品が不良と判断されると、その吸着状態又は把持状態のまま物品を排出シュート81上に移動させ、ロボットハンド20の開状態で吸着部23による吸着を解除することにより物品を排出シュート81に落下させる。排出シュート81に落下した物品は、不良回収部に集められ、廃棄されたり、または手直しの後に再利用される。
【0093】
物品を2個ずつ単に挟み込む従来の装置では、2個のうちの1個が不良品の場合に、良品を含む2個が廃棄されることになるが、本発明のロボットハンドでは、対向する挟持面で物品を挟持すると共に、各挟持面に並列した吸着部で物品を吸着することにより物品を把持するので、物品を2個ずつ把持しても、個別に吸着を解除することができる。したがって、不良品のみを選別して不良品回収部80に送ることができる。特に2個目の物品が不良である際に、良品の1個目は把持しつつ、不良品である2個目のみを廃棄できる。
【0094】
(物品の把持動作)
図27に示すように、物品供給装置70において、ベルトコンベヤ71は概ね水平に設置されており、ベルトコンベヤ71では台紙付製品2Dが、その上部を先行させ、台紙6がベルトコンベヤ71の搬送面に接する状態でベルトコンベヤ71の出口側端部まで一列に搬送される。ベルトコンベヤ71上の物品2は、左右の位置がサイドガイド72により一定に保たれ、前進を停止する位置もストッパ74により一定である。このため、ロボットハンドが物品供給装置70から物品2を供給される位置は毎回一定であり、物品2の向きも一定である。このように、箱詰めする物品2の方向を揃え、ベルトコンベヤ71の端部の定位置でロボットハンド20が物品2を受け取れるようにすると、ロボットの動作が単純化され、物品2の把持も容易となるので好ましい。また、物品2の把持のための位置決めを行うための画像処理装置も不要となる。ロボットの顔面位置などに設けた撮像装置で物品2を撮像して、停止位置、方向に合わせた把持を行うことも可能である。
【0095】
図28Aに示すように、ベルトコンベヤ71の出口手前で、ストッパ74が降下することにより、ベルトコンベヤ71の端部から物品2の1/3程度がはみ出した位置で物品2の前進が停止する。ストッパ74が物品2の前進を停止させたとき、ベルトコンベヤ71からはみ出した物品2の1/3程度は吸着用台座76上にある。
【0096】
ロボットハンド20は、一対の板状部材24a、24bを開状態とし、物品供給装置70の吸着用台座76上にある第1の物品2(台紙付製品2D)に接近する。ストッパ74は薄い板材で形成され、また、ストッパ74の幅L5(
図26)は、ロボットハンド20の板状部材24の切り欠き部25の幅L2(
図5)よりも狭いので、
図28Bに示すように、ロボットハンド20をさらに前進させることにより、ストッパ74が下降した状態のまま、ロボットハンド20の吸着部23を物品2の大きな凸部(台紙付製品2Dの製品3部分)に近接させることができる。したがって、吸着部23に物品2の重心P近くを吸着させ、吸着後の物品の把持状態を安定させることが可能となる。そして、
図28Cに示すように、ロボットハンド20は、上側の板状部材24aの挟持面22を物品2の平面部(台紙付製品2Dの台紙6)と平行とし、吸着部23で物品2を吸着する。このとき、物品2の下面は吸着用台座76の弾性面となっているので、吸着部23で物品2の平面部を押さえ付けても物品2の押さ付けた部分を傷めることがなく、物品2を確実に吸着することが可能となる。そしてストッパ74が上昇し、吸着部23に吸着された物品2をロボットハンドでロボット10の前面に後退することを可能とする。
【0097】
ロボットハンド20が物品2を吸着する際、ベルトコンベヤ71は停止していても動いていても良い。ベルトコンベヤ71が停止していれば、物品2のベルトコンベヤ71と接する側が擦れて物品2に傷が生じることを防止できる。一方、ベルトコンベヤ71が動いていれば、ストッパ74の上昇後に物品2がロボットハンド20によってベルトコンベヤ71から離れると直ちに次の物品2がベルトコンベヤ71の出口側端部まで搬送される。なお、ベルトコンベヤ71が停止し、その結果物品2が確実に停止していれば、ストッパ74を上昇させてからロボットハンド20を前進させ、吸着部23を物品2の大きな凸部(例えば台紙付製品2Dの製品3の部分)に更に近接させることもできる。
【0098】
次に、ロボットハンド20は、上面視で物品2が完全にベルトコンベヤ71から離れ、ロボット10の前面側に後退し(
図28D)、また僅かに上昇した後、軸Aを中心として旋回し、下側となっていた板状部材24bによって、吸着用台座76に次に供給される第2の物品2を吸着する。この旋回時に、旋回の軸Aは一対の板状部材24a、24bの配置中心から離れたところにあるので、物品2がベルトコンベヤ71の端部及び吸着用台座76から完全に離れるまで後退しなくても、ベルトコンベヤ71や吸着用台座76と干渉させずに把持部21を180°旋回させることが可能である。したがって、後退位置は、上面視で物品2と吸着用台座76が部分的に重なっている程度とする。
【0099】
ここで、ロボットハンド20が備える撮像装置40で物品2を撮り、物品2の検査を行い、不良と判断された物品は不良品の排出シュート81上で物品2の吸着が解除され、不良品回収部80で回収される。検査内容としては、製品3の有無、台紙付製品2Dの台紙6と製品3の貼着位置の上下方向及び左右方向のズレ、製品の裏表及び製品の上下方向の確認、異品種製品の混入、バーコード確認、台紙印刷の良否、LOTナンバーの有無、LOTナンバー正誤等をあげることができる。
【0100】
なお、物品2の検査は、ロボット10の顔面部の撮像装置15や、ベルトコンベヤ71上の撮像装置70を用いて行ってもよい。また、ロボットハンド20で吸着した物品2を検査対象とすることに代え、ベルトコンベヤ71上にある物品2を検査対象としてもよい。
【0101】
検査により物品2が良品と判断されると、軸Aを中心にロボットハンド20は180°旋回し、下側になっていた板状部材24bが上側になる(
図28E)。
また、次の物品2がベルトコンベヤ71によって所定の位置まで搬送されるとストッパ74が降下し、物品2は前述と同様に、ベルトコンベヤ71からはみ出した物品2の1/3程度が吸着用台座76上に位置する。
【0102】
物品2が重くロボットハンド20が180°旋回する際に物品2を落下させる恐れがある際は、物品2がベルトコンベヤ71の端部および吸着用台座76から完全に離れるまで後退させてからロボットハンド20を閉状態とし、その後180°旋回することで、落下を防止できる。このとき、旋回後にはロボットハンド20を開状態とする。
【0103】
そして、上側になった板状部材24bが吸着用台座76上にある物品に開状態で接近し、前述と同様に吸着部23で物品2を吸着し(
図28F)、ストッパが74上昇する(
図28G)。
【0104】
続いて、前述と同様に撮像装置40を用いて物品2の検査が行われ、不良と判断された物品2は不良品の排出シュート81上で吸着が解除され、不良品回収部80に回収される。
【0105】
第1、第2の物品ともに良品であれば、次に、ロボットハンド20が大きく後退する(
図28H)。この後退は、ロボットハンドに吸着されている物品2が、上面視でベルトコンベヤ71の端部および吸着用台座76から完全に離れるように行われる。
【0106】
その後、一対の板状部材24a、24bが開閉装置30によって閉状態とされる(
図28I)。なお、ロボットハンド20が第2の物品2を吸着した後、後退することに代えて横方向や斜め方向に移動し、ロボットハンド20やそこに吸着されている第1、第2の物品2と、ベルトコンベヤ71や吸着用台座76との干渉が完全に無くなった後、一対の板状部材24a、24bを閉状態としてもよい。一対の板状部材24a、24bが閉状態となることにより、ロボットハンド20に吸着されている2つの物品2は台紙6を背中合わせにした状態で、挟持面22により挟持される。したがって、吸着部23による吸着と挟持面22による挟持により、2つの物品がロボットハンドの把持部21に確実に把持される。
【0107】
なお、物品の検査において、先に吸着した第1の物品が不良と判断されたとき、ロボットハンド20は第1の物品を不良品の排出シュート81に排出し、次に吸着した第2の物品、さらにその次に吸着した第3の物品が良品だった場合に、第2の物品と第3の物品を背中合わせにして挟持する。
【0108】
また、第1の物品が良品で、第2の物品が不良品であっ場合、ロボットハンド20は、第1の物品と第2の物品を吸着し、第2の物品が下側になるようにロボットハンド20を旋回させ、第1の物品を吸着したまま第2の物品を不良品の排出シュート81に排出し、再度ロボットハンドを旋回させることにより第2の物品を排出したロボットハンドを上側とし、そこに第3の物品を吸着する。この第1の物品と第3の物品が良品であった場合に、第1の物品と第3の物品を背中合わせにしてこれらの物品を挟持する。
【0109】
本実施例の装置において、上述したロボットハンド20の動作は、ロボット10が有する左右のロボットハンド20で行われる。この場合、左右のロボットハンドの一方が物品を2個把持すると、他方のロボットハンドが物品を2個把持するという動作を繰り返すが、一方のロボットハンドが物品を1個把持した後、他方のロボットハンドが物品を1個把持し、その後、一方のロボットハンドが2個目の物品を把持し、次いで他方のロボットハンドも2個目の物品を把持するようにしてもよい。一般にはアーム先端部の旋回時間よりもアーム移動時間のほうが長いため、アームの移動時間や回数を最小として全体の処理時間を短縮させるほうが生産効率が良い。そのため、左右のロボットハンドの一方が物品を2個把持すると、他方のロボットハンドが物品を2個把持するという動作が好ましい。製品が高速旋回で傷みやすい場合は、ゆっくりアーム先端部を旋回させる必要がある。その旋回時間を得るためには、一方のロボットハンドが物品を1個把持した後、他方のロボットハンドが物品を1個把持し、その後、一方のロボットハンドが2個目の物品を把持し、次いで他方のロボットハンドも2個目の物品を把持する動作のほうが好ましい。
【0110】
(物品供給装置の変形態様)
ロボットハンド20に物品2を把持させるにあたり、上述の物品供給装置70によってもベルトコンベヤ71における物品2の左右の位置が安定しない場合や、ベルトコンベヤ71上を次々と送られてくる物品2をストッパ74により毎回同じ位置で停止させることができない場合には、物品位置認識装置を用いてロボットハンド20が物品2を受け取る位置を制御してもよい。
【0111】
物品位置認識装置は、撮像装置と画像処理部から構成される。撮像装置からの画像情報は画像処理部に送られ、画像処理部で位置と向きの認識が行われる。そして、物品の位置と向きの情報が、ロボットアーム11やロボットハンド20の把持部を動作させる制御部に送られ、その情報に基づいてロボットアーム11が動作し、ロボットアーム11の把持部21で物品を受け取る。この場合、撮像装置がステレオカメラであると、撮像装置から物品までの距離情報も得られるので、ロボットアーム11及びロボットハンド20をより正確に動作させることができる。
【0112】
物品供給装置70では、ベルトコンベヤ71に代えて、ローラーコンベヤ、振動コンベヤ、傾斜シュートなどの搬送装置を使用してもよい。
また、物品を水平に供給することに代えて、垂直や斜め上向き、斜め下向きに物品2を供給してもよい。
【0113】
ロボット10が有する第1及び第2のロボットハンドのそれぞれについて、物品供給装置70を設けてもよい。これにより、左右のロボットハンドが物品を受け取る位置をそれぞれ最適化できるので、物品を箱詰めの作業時間を短縮することができる。
【0114】
(物品の箱詰動作)
2つの物品2を背中合わせの状態で把持したロボットハンド20は、段ボール箱50等の所定の場所に物品を収納する。
図27に示すように、本実施例では、物品2を収納する段ボール箱50を、短辺がロボット10に対向し、開口面がロボット10側に傾くようにする。これにより、段ボール箱50内に収納した物品が転倒することを防止でき、また、段ボール箱50内に密に物品を詰めるにあたり、最後に詰める物品であっても、段ボール箱内に、その物品を詰めるべき空間が確保し易くなる。
【0115】
また、本実施例では、物品2を収納する段ボール箱50に、予め、Z折りされた中仕切り51を入れておく(
図26)。これにより物品2は、段ボール箱50内で2列に充填された状態となり、物品2を充填した段ボール箱50を店舗に配送した場合でも、段ボール箱で物品2の配列が乱れることを防止できる。
【0116】
本実施例において段ボール箱50は、物品2を供給するベルトコンベヤ71とロボット10との間であって、ベルトコンベヤ71よりもやや下方に供給される。これにより、段ボール箱50内に物品2を収納する際に、ベルトコンベヤ71の端部が邪魔にならず、またロボットハンド20が旋回するときに、ロボットハンド20と段ボール箱50とが干渉することを防止することができる。またこの位置は、ロボット10に近いので、物品2が不良品とわかったときに、アーム11は容易にロボットハンド20を動かし、物品2を不良品回収部80に排出することが可能となる。
【0117】
物品の箱詰め動作は、より具体的には次のように行われる。
まず、
図28Jに示すように、左右いずれかのロボットハンド20が、把持している物品2を、段ボール箱50内のZ折りされた中仕切り51で区切られた左右の空間の所定の位置に移動させ、その物品の下側2/3程度を差し込む。続いて吸着を解除することで、2つの物品2を同時に欄ボール箱内に自由落下させる。これにより、2つの物品を所望の位置に箱詰めすることが可能となる。段ボール箱内に物品2を深く差し込んでから吸着を解除するので、自由落下の際に物品が倒れたり、ずれたりすることを防止できる。
【0118】
次に、
図28Kに示すように、左右の他方のロボットハンド20により、2個の物品2が台紙6を背中合わせにした状態で段ボール箱50内に詰められる。
【0119】
こうして、物品が2個ずつ次々と段ボール箱50内に詰められていく。この場合、段ボール箱50は斜めに設置されているので、
図28Lに示すように段ボール箱50内に多くの物品を詰めても、詰められた物品2の最上層上には、物品2を入れる空間が形成されやすく、容易に物品2を詰めることが可能となる。
【0120】
Z型中仕切り51により区切られた段ボール箱50内の一方の収納場所に所定個数が詰められると、他方の収納場所に所定個数の物品が詰められ、段ボール箱50は、次工程に送られる。そして、次の空の段ボール箱が所定の位置に配置される。
【0121】
なお、本発明の装置において、必ずしも物品を2個ずつ箱詰めする必要はない。2個の物品を背中合わせにしたくない場合は、ロボットハンド20で物品2を1個だけ把持して箱詰めすればよい。奇数個の物品を箱詰めしたいときにも、ロボットハンド20で物品2を1個だけ把持して箱詰めしたり、ロボットハンド20で物品2を背中合わせで箱詰めして最後の1個だけロボットハンド20で物品2を1個だけ把持して箱詰めすればよい。
【0122】
(物品の箱詰動作の変形態様)
上述の箱詰め装置の実施例では、双腕ロボットの左右のロボットハンドに対して、一つの物品供給装置70が設けられているが、ロボットハンドの数に応じて物品供給装置を設けてもよい。これにより、それぞれのロボットハンドで物品を供給する位置を最適化できるので、ロボットハンドを用いて物品を所定の場所に収納するのに要する時間を短縮することができる。
【0123】
撮像装置や照明装置は、撮像や照明に適していれば、ロボット以外の場所に備えられていても良い。
【0124】
物品供給装置70の供給方向は、ロボットの設置位置や動作範囲に合わせて、水平方向に限らず、垂直上昇、垂直加工、登り傾斜、下り傾斜であっても良い。また装置上方から見た際、ロボットに対して正面に向かう方向でなくとも、横方向や斜め方向からであっても良い。
【0125】
物品を収納する箱は、上述の箱詰め装置のように、搬送装置にて斜めにされた状態でロボットハンドが物品を収納する位置に供給してもよく、ロボットハンドが物品を箱内に収納する工程でのみ、箱を斜めにしてもよい。
【0126】
段ボール箱など大きな収納箱に多数の物品を整列して入れるため、収納箱内には適宜中仕切りを入れることがきる。中仕切りの代表例としては、上述のZ型の他に、C型、凸型などが挙げられる。中仕切りは無としても良い。
【0127】
箱に物品を入れる向きは、該物品の長手方向が、段ボール箱やプラスチックコンテナなどの収納箱の辺に対して平行又は直角になるように入れてもよく、斜めになるように入れても良い。物品が台紙付製品である場合に、台紙の幅が収納箱の幅や中仕切りの投入部の幅より大きいときでも、斜めに入れることで台紙付製品を箱へ収納することが可能となる。