(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検知部が前記第1の操作の開始を検知してから該第1の操作の終了を検知するまでの時間が、前記検知部が前記第2の操作の開始を検知してから該第2の操作の終了を検知するまでの時間よりも長くなるように、前記表示制御部が前記第1ユーザインタフェースおよび前記第2ユーザインタフェースを前記タッチパネル上に表示する、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子機器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術は、タッチパネルを備える電子機器そのものの機能を制御するものである。タッチパネルを備える電子機器を用いて該電子機器とは別のシステムを操作する技術において、該電子機器上での誤操作を防ぐ仕組みが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面に係る電子機器は、タッチパネルを備える電子機器であって、電子機器とは異なる対象システムの作動開始に関する第1ユーザインタフェース、または作動開始以外の対象システムの他機能に関する第2ユーザインタフェースをタッチパネル上に表示する表示制御部と、タッチパネル上での第1ユーザインタフェースまたは第2ユーザインタフェースに対する操作を検知する検知部と、検知部により検知された操作に応じた指示信号を対象システムに送信する指示部とを備え、検知部が第1ユーザインタフェースに対する第1の操作の開始を検知してから、指示部が該第1の操作に応じて作動開始のための第1の指示信号を対象システムに送信するまでの第1の時間が、検知部が第2ユーザインタフェースに対する第2の操作の開始を検知してから、指示部が該第2の操作に応じて他機能のための第2の指示信号を対象システムに送信するまでの第2の時間より長い。
【0006】
本発明の一側面に係る対象システムの操作方法は、タッチパネルを備える電子機器により実行される、該電子機器とは異なる対象システムの操作方法であって、対象システムの作動開始に関する第1ユーザインタフェース、または作動開始以外の対象システムの他機能に関する第2ユーザインタフェースをタッチパネル上に表示する表示制御ステップと、タッチパネル上での第1ユーザインタフェースまたは第2ユーザインタフェースに対する操作を検知する検知ステップと、検知ステップにおいて検知された操作に応じた指示信号を対象システムに送信する指示ステップとを含み、検知ステップにおいて第1ユーザインタフェースに対する第1の操作の開始を検知してから、指示ステップにおいて該第1の操作に応じて作動開始のための第1の指示信号を対象システムに送信するまでの第1の時間が、検知ステップにおいて第2ユーザインタフェースに対する第2の操作の開始を検知してから、指示ステップにおいて該第2の操作に応じて他機能のための第2の指示信号を対象システムに送信するまでの第2の時間より長い。
【0007】
本発明の一側面に係る操作プログラムは、タッチパネルを備える電子機器に、電子機器とは異なる対象システムの作動開始に関する第1ユーザインタフェース、または作動開始以外の対象システムの他機能に関する第2ユーザインタフェースをタッチパネル上に表示する表示制御ステップと、タッチパネル上での第1ユーザインタフェースまたは第2ユーザインタフェースに対する操作を検知する検知ステップと、検知ステップにおいて検知された操作に応じた指示信号を対象システムに送信する指示ステップとを実行させ、検知ステップにおいて第1ユーザインタフェースに対する第1の操作の開始を検知してから、指示ステップにおいて該第1の操作に応じて作動開始のための第1の指示信号を対象システムに送信するまでの第1の時間が、検知ステップにおいて第2ユーザインタフェースに対する第2の操作の開始を検知してから、指示ステップにおいて該第2の操作に応じて他機能のための第2の指示信号を対象システムに送信するまでの第2の時間より長い。
【0008】
このような側面においては、対象システムの作動開始に関する操作が始まってから、電子機器が作動開始を対象システムに指示するまでの時間(第1の時間)が、作動開始以外の機能を対象システムに指示するまでの時間(第2の時間)よりも長い。すなわち、対象システムの作動開始の場面では、ユーザが電子機器上で操作を始めてから実際に電子機器が対象システムに作動開始を指示するまでの時間が、他の機能を対象システムに指示する場合よりも長い。対象システムの作動開始の場面でこのような意図的な時間のずれを設けることで、その作動開始をキャンセルする機会をユーザに与えることができる。ユーザはその時間差の間に対象システム(他のシステム)の作動開始をキャンセルすることができるので、これにより誤操作の防止が可能になる。
【0009】
他の側面に係る電子機器では、検知部が第1の操作の開始を検知してから該第1の操作の終了を検知するまでの時間が、検知部が第2の操作の開始を検知してから該第2の操作の終了を検知するまでの時間よりも長くなるように、表示制御部が第1ユーザインタフェースおよび第2ユーザインタフェースをタッチパネル上に表示してもよい。作動開始のための操作の時間が長くなるようにユーザインタフェースを設計することで、行っている操作を途中でキャンセルする機会をユーザに提供できる。
【0010】
他の側面に係る電子機器では、指示部が、第1の操作の終了時点から所定の時間待機した後に第1の指示信号を送信し、第2の操作が終了した場合には待機をすることなく第2の指示信号を送信してもよい。作動開始のための操作の終了から指示信号の送信までの間に時間のずれを設けることで、その作動開始をキャンセルする機会をユーザに与えることができる。
【0011】
他の側面に係る電子機器では、表示制御部が、第1の操作に応じた待機が実行されている間に、作動開始を対象システムに指示したことを示すメッセージをタッチパネル上に表示してもよい。実際には対象システムに指示信号を送信していない段階から、タッチパネル上では対象システムに指示したことを示すことで、ユーザによる操作に電子機器が反応したことを該ユーザに伝えることができる。これは、電子機器が操作に反応したという安心感をユーザに与えることに貢献する。
【0012】
他の側面に係る電子機器では、指示部が、第1の操作の終了に応じて対象システムとの間の無線通信の信号強度を測定し、該信号強度が所定の閾値以下である場合に第1の指示信号を送信してもよい。信号強度が所定の閾値以下になるということは、電子機器(ユーザ)が対象システムから一定以上の距離だけ離れたことを意味する。この仕組みにより、対象システムからユーザを離した上で該対象システムを作動させることができる。
【0013】
他の側面に係る電子機器では、指示部が、第1の操作の終了に応じてカメラから対象システムに関する画像を取得し、該画像を取得した後に第1の指示信号を送信してもよい。対象システムに関する画像を確認する機会をユーザに与えることで、操作対象である対象システムにユーザの注意を向けさせることができる。
【0014】
他の側面に係る電子機器では、カメラをさらに備え、指示部が、画像と所定のパターンとを比較し、比較結果が所定の条件を満たした後に第1の指示信号を送信してもよい。この仕組みにより、特定の条件下でのみ対象システムを作動させることができる。
【0015】
他の側面に係る電子機器では、カメラが外部カメラであり、指示部が、外部カメラから画像を取得したことを契機として第1の指示信号を送信してもよい。敢えて、電子機器とは別の外部カメラから画像を取得することで、作動開始のキャンセルが可能な時間を稼ぐことができる。
【0016】
他の側面に係る電子機器では、対象システムが、移動体の受電装置へ非接触で送電可能な送電装置を備える非接触給電システムであってもよい。この場合には、非接触給電システムを操作するための電子機器上での誤操作を防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一側面によれば、他のシステムを操作するための電子機器上での誤操作を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一または同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0020】
図1〜
図3を参照しながら、実施形態に係る電子機器の機能および構成を説明する。電子機器は、対象システムを操作するための機器である。電子機器の例として、スマートフォン(高機能携帯電話機)や携帯情報端末(PDA)、タブレットなどの携帯端末と、カーナビゲーションシステムと、携帯型または据置型のパーソナル・コンピュータとが挙げられる。しかし、電子機器の種類はこれらに限定されるものではない。本実施形態では電子機器の例として携帯端末10を示す。
【0021】
対象システムとは、電子機器とは異なる(言い換えると、電子機器とは独立した)機器、装置、またはコンピュータ・システムである。対象システムは、電子機器からの信号を受信して、その信号に応じて動作する機能を有する。なお、対象システムは電子機器からの信号を要することなく自機の入力装置からの指示に従って動作してもよい。
【0022】
本実施形態では対象システムの例として非接触給電システム90を示す。非接触給電システム90は、送電装置91と受電装置92とを備え、磁界共鳴方式や電磁誘導方式などのコイル間の磁気結合を利用して送電装置91から受電装置92に非接触で電力を供給するためのシステムである。送電装置91は送電電力変換装置(例えば整流回路やDC/DCコンバータ、インバータ回路など)91aおよび送電コイル装置91bを備える。送電装置91は例えば充電ステーションに設置される。受電装置92は受電コイル装置92aおよび受電電力変換装置(例えば整流回路やDC/DCコンバータなど)92bを備え、移動体Vに搭載される。受電装置92に送られた電力は移動体Vのバッテリ93に蓄積される。送電装置91および受電装置92はいずれも、プロセッサ、メモリ、入出力インタフェース、通信インタフェースなどのハードウェア要素を備える。なお、電力を非接触で伝送する方式は、磁界共鳴方式および電磁誘導方式に限定されものではなく、電界結合方式や電波方式などの他の方式であってもよい。
【0023】
なお、移動体とは、人または物をある場所から別の場所へ輸送する機器である。本実施形態では移動体の例としてバッテリ付きの自動車を示すが、移動体の種類は何ら限定されるものではない。例えば、移動体はバイク、自転車、電車、水上航走体、水中航走体、または飛行機でもよい。したがって、移動体が進む経路は陸路でも水路でも空路でもよい。
【0024】
電子機器には、対象システムを操作する機能を有するアプリケーション・プログラム(以下では「操作用アプリケーション」という)が予めインストールされる。携帯端末10にインストールされる操作用アプリケーションは、移動体Vのバッテリ93の充電の開始または停止を非接触給電システム90に指示することが可能である。携帯端末10は無線LANなどの通信ネットワークを介して送電装置91に所定の指示信号を送信し、送電装置91はその指示信号に従って動作する。この仕組みにより、ユーザは携帯端末10を操作して非接触給電システム90を操作することができ、より具体的には、移動体Vのバッテリ93の充電を開始または停止させることができる。
【0025】
図2は携帯端末10の一般的なハードウェア構成を示す。携帯端末10はプロセッサ101、主記憶部102、補助記憶部103、通信制御部104、タッチパネル105、およびカメラ106を備える。プロセッサ101は、オペレーティングシステムおよびアプリケーション・プログラムを実行する電子部品である。主記憶部102は、実行されるプログラムおよびデータを一時的に記憶する電子部品であり、例えばROMおよびRAMで構成される。補助記憶部103は、これから処理されるデータまたは処理されたデータを恒久的に記憶する電子部品であり、例えばハードディスクやフラッシュメモリなどの記憶装置で構成される。通信制御部104は、有線または無線を介して他の機器との間でデータを送受信する電子部品であり、例えばネットワークカードまたは無線通信モジュールで構成される。タッチパネル105は、データまたは情報を表示するとともに、物理的接触によるユーザからの入力を受け付ける電子部品である。すなわち、タッチパネル105は入力装置および出力装置の双方の役割を担う。カメラ106は、自機の周辺環境の画像(静止画または動画)を記録する電子部品である。
【0026】
図3は携帯端末10の機能構成を示す。携帯端末10は機能的構成要素として表示制御部11、検知部12、および指示部13を備える。これらの機能要素は、プロセッサ101または主記憶部102の上に所定のソフトウェア(後述する操作プログラムP1)を読み込ませてそのソフトウェアを実行させることで実現される。プロセッサ101はそのソフトウェアに従って通信制御部104、タッチパネル105、またはカメラ106を動作させ、主記憶部102または補助記憶部103におけるデータの読み出し及び書き込みを行う。処理に必要なデータまたはデータベースは主記憶部102または補助記憶部103内に格納される。
【0027】
表示制御部11は、非接触給電システム90の操作に必要なユーザインタフェースをタッチパネル105上に表示する機能要素である。ユーザインタフェースは、携帯端末10とユーザとの間で情報をやり取りする仕組みである。本実施形態では、ユーザインタフェースは、携帯端末10を操作するためのユーザ入力を受け付ける視認可能な図形または文字である。ユーザインタフェースは例えばボタンまたはアイコンで表現されるが、ユーザインタフェースの具体的な表現方法は何ら限定されるものではない。表示制御部11はユーザインタフェースをタッチパネル105上に表示する。ユーザは表示されたユーザインタフェースに対してタップやフリックなどの所定の操作を行うことで携帯端末10に指示を入力することができる。
【0028】
表示制御部11は少なくとも、非接触給電システム90(対象システム)の作動開始(第1機能)に関する第1ユーザインタフェースと、作動開始以外の対象システムの他機能(第1機能とは異なる第2機能)に関する第2ユーザインタフェースとをタッチパネル上に表示することができる。「対象システムの作動開始」とは、対象システムの機能(例えば、給電)を発揮させるために該対象システムを停止状態から稼働状態に遷移させることである。「作動開始に関する第1ユーザインタフェース」とは、作動すべき機能を発揮させるために必要なユーザインタフェースである。本実施形態では、第1ユーザインタフェースの例として、操作用アプリケーションを起動するためのアイコン(起動アイコン)と、非接触給電システム90を作動させるためのボタン(充電開始ボタン)とを示す。第2ユーザインタフェースに対応する「他機能」は、それが作動開始以外の対象システムの機能であれば何ら限定されない。本実施形態では、第2ユーザインタフェースの一例として、非接触給電システム90による充電を止めるためのボタン(充電停止ボタン)を示す。
【0029】
充電開始ボタンおよび充電停止ボタンはいずれも、起動アイコンの操作により操作用アプリケーションが起動した後にタッチパネル105上に表示される。充電開始ボタンおよび充電停止ボタンの表示のタイミングは限定されない。例えば、表示制御部11はまず、充電停止ボタンを表示させることなく充電開始ボタンをタッチパネル105上に表示させ、充電開始ボタンが操作された後に充電開始ボタンから充電停止ボタンへと表示を切り替えてもよい。あるいは、表示制御部11はこれら二つのボタンを同時にタッチパネル105上に表示してもよい。
【0030】
ユーザが起動アイコンを操作して操作用アプリケーションを起動させると、表示制御部11は少なくとも充電開始ボタンをタッチパネル105上に表示する。その後、表示制御部11は充電開始ボタンに対するユーザ操作または該操作に応じた携帯端末10内の制御に従って、その後の画面制御を実行する。後続の画面制御の例として、充電を実際に開始するための更なる表示、充電開始ボタンの制御、または充電停止ボタンの制御が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0031】
検知部12は、タッチパネル105上に表示されたユーザインタフェースに対するユーザの操作を検知する機能要素である。ユーザインタフェースに対応する操作の検知とは、タッチパネル上に表示された該ユーザインタフェースに対する物理的接触に起因する事象を検知することである。ユーザインタフェースに対する物理的接触とは、該ユーザインタフェースの表示領域に対応するタッチパネルの部分に指やタッチペンなどの有体物が接触することを意味する。検知される操作の例として、操作の開始(ユーザインタフェースに対する物理的接触の発生)、操作の終了(ユーザインタフェースに対する物理的接触の終了)、および該操作の開始から終了までの間の操作の詳細(タッチパネル上での該物理的接触の位置変化または時間経過)が挙げられる。しかし、検知される操作はこれらに限定されるものではない。検知部12は、特定の操作を検知する度に、操作されたユーザインタフェースとその操作とを示す検知信号を指示部13に出力する。
【0032】
指示部13は、検知部12により検知された操作に応じた指示信号を非接触給電システム90に送信する機能要素である。本実施形態では、指示部13は指示信号を送信するタイミングを、操作されたユーザインタフェースに応じて変える。具体的には、第2ユーザインタフェース(充電停止ボタン)が操作された場合には、指示部13は非接触給電システム90を停止させるための第2の指示信号(以下ではこれを「停止信号」という)を即時に生成および送信する。これに対して、第1ユーザインタフェース(起動アイコンまたは充電開始ボタン)が操作された場合には、指示部13は非接触給電システム90を作動させるための第1の指示信号(以下ではこれを「開始信号」という)を、即時にではなく、所定の処理を実行した後に生成および送信する。この結果、第1ユーザインタフェースに対する操作の開始が検知されてから開始信号を非接触給電システム90に送信するまでの第1の時間は、第2ユーザインタフェースに対する操作の開始を検知してから停止信号を非接触給電システム90に送信するまでの第2の時間よりも長い。
【0033】
第1の時間を第2の時間よりも長くするための具体的な手法は限定されない。
図4〜
図11を参照しながらその様々な手法を説明する。
図4〜
図11はいずれも、電子機器(携帯端末10)の動作を説明すると共に本実施形態に係る対象システムの操作方法を説明するための図である。
図4〜
図11はいずれも、表示制御部11がタッチパネル105上に起動アイコン、充電開始ボタン、または充電停止ボタンを表示した後(すなわち、表示制御ステップの後)の処理を説明するものである。
【0034】
[待機処理]
指示部13は開始信号を送信する前に所定の時間だけ待機してもよい。
図4はこの処理を説明するための図である。タッチパネル105上での充電開始ボタンおよび充電停止ボタンの操作方法および挙動は同じである。例えば、ユーザは充電開始ボタンをタップすることで非接触給電システム90を作動させることができ、充電停止ボタンをタップすることで非接触給電システム90を停止させることができる。操作の開始が検知された時点を基準(t=0)とすると、操作の終了が検知される時点t
aは充電開始ボタンと充電停止ボタンとの間で同じである。しかし、充電開始ボタンが操作された場合には、指示部13はその操作の終了時点から所定の時間だけ待機した後(その操作の終了時点から所定の時間だけの待機を実行した後)の時点t
bに開始信号を出力する。一方、充電停止ボタンが操作された場合には、指示部13はそのような待機をすることなく、時点t
aの直後の時点t
cに停止信号を出力する。したがって、t
b>t
cである。
【0035】
充電開始ボタンの操作に応じた待機が実行されている間に(すなわち、時点t
aから時点t
bまでの間に)、表示制御部11は、充電停止ボタンをタッチパネル105上に表示させることができる。開始信号が出力される前に(時点t
bより前に)充電停止ボタンが操作されると、開始信号は出力されない。
【0036】
また、充電開始ボタンの操作に応じた待機が実行されている間に(すなわち、時点t
aから時点t
bまでの間に)、表示制御部11は、非接触給電システム90に作動開始を指示したことを示すメッセージをタッチパネル105上に表示してもよい。このメッセージは文字列および図形のうちの少なくとも一方により表されてもよい。このメッセージは携帯端末10がユーザ操作に反応したことをユーザに示すことを目的とする。
【0037】
[ユーザインタフェースの設計]
第1の時間が第2の時間よりも長くなるように充電開始ボタンおよび充電停止ボタンを設計してもよい。充電開始ボタンおよび充電停止ボタンの双方についての指示部13の制御は同じである。しかし、操作開始の検知から操作終了の検知までの時間がこれら二つのボタンで異なるので、結果的に、第1の時間が第2の時間よりも長くなる。
【0038】
図5は、充電開始のための操作に時間が掛かるインタフェースの例を示す。充電停止ボタン30は通常のタップ操作を受け付ける。これに対して、充電開始ボタン20については、パターン1で示すようにスライド操作(矢印Aを参照)によりボタン21をスライド領域22内で往復させる手法を採用してもよい。あるいは、パターン2で示すように複数の(例えば二つの)ボタンを一つずつ順番に押す必要がある手法を採用してもよい。あるいは、パターン3で示すように一つのボタンを複数回(例えば2回)押す必要がある手法を採用してもよい(網掛けは、さらなる押下が必要であることを模式的に示すものである)。なお、
図5に示すパターンはあくまでも例であり、インタフェースの表示および制御については様々な変形が考えられる。例えば、パターン1に関し、充電開始ボタンを左右方向にではなく上下方向または斜め方向にスライドさせるようにスライド領域を設計してもよい。また、パターン2に関し、二つの充電開始ボタンを上下に並べたり対角に配置したりしてもよい。また、パターン3に関し、充電開始ボタンの初期表示位置と、一回押された後の表示位置とを異ならせてもよい。
【0039】
このように、充電開始のための操作に時間が掛かるインタフェースの具体的な設計は限定されない。いずれにしても、
図6に示すように、操作の開始が検知された時点を基準(t=0)とすると、充電開始ボタンの操作の終了が検知される時点t
dは、充電停止ボタンの操作の終了が検知される時点t
fよりも後である。これに応じて、指示部13が開始信号を送信する時点t
eは、指示部13が停止信号を送信する時点t
gよりも後である。すなわち、t
e>t
gである。ユーザは、充電開始ボタンを操作している途中に(すなわち、時点t
dに至るまでに)その操作を止めることで、充電開始をキャンセルすることができる。
【0040】
[信号強度に基づく判定]
指示部13は、携帯端末10と非接触給電システム90との間の近距離無線通信の信号強度が所定の閾値以下である場合にのみ開始信号を送信してもよい。これは、携帯端末10を持つユーザが非接触給電システム90からある程度離れて初めて充電が開始されることを意図するものである。なお、携帯端末10が送電装置91に指示信号を送るための通信方式はこの近距離無線通信とは異なる。携帯端末10と非接触給電システム90との間で用いられる近距離無線通信の規格は任意に定めてよいが、その例としてBluetooth(登録商標)およびZigBee(登録商標)を挙げることができる。この処理のために携帯端末10と通信する非接触給電システム90内の装置は限定されない。例えば、指示部13は携帯端末10と移動体Vとの間の信号強度を測定してもよい(受電装置92を備える移動体Vは非接触給電システム90の一部といえる)。あるいは、指示部13は携帯端末10と送電装置91との間の信号強度を測定してもよい。
【0041】
図7は、信号強度に基づいて開始信号の送信の可否を判定する処理を示す。まず、検知部12が充電開始ボタンの操作の開始を検知し(ステップS11、検知ステップ)、さらに該操作の終了を検知する(ステップS12、検知ステップ)。続いて、指示部13が、通信制御部104が非接触給電システム90から受信した近距離無線通信の信号強度を測定する(ステップS13)。そして、測定値が閾値以下である場合に(ステップS14においてYES)、指示部13は開始信号を送信する(ステップS15、指示ステップ)。一方、その測定値が閾値より大きい場合には(ステップS14においてNO)、指示部13は信号強度の測定および判定を再度実行する。なお、指示部13によるステップS13,S14の処理と並行して、表示制御部11が、非接触給電システム90または移動体Vから離れるようにユーザを促すためのメッセージをタッチパネル105上に表示してもよい。この処理で用いられる閾値は任意に設定してよく、例えばその閾値を0とした場合には、指示部13は、携帯端末10が近距離無線通信を介して非接触給電システム90と通信できなくなった場合に初めて開始信号を送信する。
【0042】
測定値が閾値以下になるまでの間に、表示制御部11は、充電停止ボタンをタッチパネル105上に表示させることができる。その間に充電停止ボタンが操作されると、開始信号は出力されない。この処理に加えてまたは代えて、指示部13は、測定値が閾値より大きい状況(ステップS14においてNO)が所定の時間以上続く場合に、充電開始を自動的にまたはユーザの指示に応じてキャンセルしてもよい。
【0043】
[カメラの利用]
指示部13は、携帯端末10がカメラ106により画像を取得した場合にのみ開始信号を送信してもよい。これは、携帯端末10を持つユーザが非接触給電システム90または移動体Vの周辺を確認して初めて充電を開始することを意図するものである。
【0044】
図8は、画像の取得を前提として開始信号を送信する処理を示す。まず、検知部12が起動アイコンの操作の開始を検知し(ステップS21、検知ステップ)、さらに該操作の終了を検知する(ステップS22、検知ステップ)。続いて、指示部13が充電開始ボタンを無効状態(disabled)で表示させるように表示制御部11に指示する。これに応じて、表示制御部11は充電開始ボタンを無効状態でタッチパネル105上に表示する(ステップS23)。したがって、この時点ではユーザはその充電開始ボタンを操作することができない。
【0045】
さらに、指示部13はカメラ106を起動して(ステップS24)、画像(動画または静止画)を取得する(ステップS25)。そして、指示部13はその画像に基づく判定を行って(ステップS26)、充電を開始できるか否かを判定する。例えば、指示部13は取得した画像と、予め記憶している基準パターン(例えば、ユーザが所有する移動体Vの全体写真)とを比較する。そして指示部13は、双方の画像が一致した場合には充電を開始できると判定し、双方の画像が一致しない場合には充電を開始できないと判定する。あるいは、指示部13は画像と所定の基準パターン(例えば人または異物に相当する図形)とを比較する。そして指示部13は、画像が該基準パターンを含まない場合には充電を開始できると判定し、画像が該基準パターンを含む場合には充電を開始できないと判定する。
【0046】
充電を開始できると判定した場合には(ステップS27においてYES)、指示部13は充電開始ボタンを有効状態(enabled)に変更する(ステップS28)。これによりユーザは充電開始ボタンを操作することができる。その後、検知部12が充電開始ボタンの操作の開始および終了を検知すると(ステップS29)、指示部13は開始信号を出力する(ステップS30、指示ステップ)。一方、充電を開始できないと判定した場合には(ステップS27においてNO)、指示部は画像の取得および判定(ステップS25〜S27)を再度実行する。
【0047】
図8に示す処理において、指示部13は画像に基づく判定(ステップS26,S27)を省略して、カメラ106からの画像を取得したことを契機として充電開始ボタンを有効状態に変更してもよい。
【0048】
図9は、
図8に示す開始信号の送信の前提となる画像の取得の例を示す。画像と比較するための基準パターンが移動体Vの全体像であるとする。この場合、検知部12は、カメラ106から得られる画像50が移動体Vの全体を含むまでは充電開始ボタン20を無効状態のままに維持する(
図9の上側を参照)。したがって、ユーザはカメラ106を移動体Vの方に向ける必要がある。その後、カメラ106が移動体Vの全体を映した場合には、検知部12はその画像50とパターンとが一致すると判定して、充電開始ボタン20を有効状態に変更する(
図9の下側を参照)。
【0049】
充電開始ボタンが有効状態になるまでの間に、表示制御部11は、充電停止ボタンをタッチパネル105上に表示させることができる。その間に充電停止ボタンが操作されると、開始信号は出力されない。この処理に加えてまたは代えて、指示部13は、カメラ106の起動後も充電開始ボタンの無効状態が所定の時間以上続く場合に、充電開始を自動的にまたはユーザの指示に応じてキャンセルしてもよい。
【0050】
指示部13は、携帯端末10が外部カメラ(図示せず)から画像を受信(取得)した場合にのみ開始信号を送信してもよい。この処理も、携帯端末10を持つユーザが非接触給電システム90または移動体Vの周辺を確認して初めて充電を開始することを意図するものである。「外部カメラ」とは、携帯端末10(電子機器)に設けられていないカメラ、または、携帯端末10(電子機器)とは異なる装置が備えるカメラである。外部カメラは限定されず、例えば、充電ステーションに設置されている監視カメラであってもよいし、携帯端末10とは別の任意のコンピュータに備えられたカメラであってもよい。
【0051】
図10は、画像の受信を前提として開始信号を送信する処理を示す。まず、検知部12が起動アイコンの操作の開始を検知し(ステップS31、検知ステップ)、さらに該操作の終了を検知する(ステップS32、検知ステップ)。続いて、指示部13が充電開始ボタンを無効状態(disabled)で表示させるように表示制御部11に指示する。これに応じて、表示制御部11は充電開始ボタンを無効状態でタッチパネル105上に表示する(ステップS33)。したがって、この時点ではユーザはその充電開始ボタンを操作することができない。ステップS31〜S33は上記のステップS21〜S23と同じである。
【0052】
続いて、指示部13は外部カメラから画像(動画または静止画)を受信する(ステップS34)。指示部13は画像要求信号を所定の外部カメラまたは他の装置に送信し、その信号に応じて該外部カメラまたは該他の装置から送られてきた画像を受信する。この受信を契機として、指示部13は充電開始ボタンを有効状態(enabled)に変更する(ステップS35)。これによりユーザは充電開始ボタンを操作することができる。その後、検知部12が充電開始ボタンの操作の開始および終了を検知すると(ステップS36)、指示部13は開始信号を出力する(ステップS37、指示ステップ)。
【0053】
図11は、
図10に示す開始信号の送信の前提となる画像の受信(取得)の例を示す。この例では、指示部13は移動体Vの周囲を映した俯瞰画像51と送電装置91および受電装置92を映した拡大画像52とのうちの少なくとも一方を受信する(
図11は双方を受信する例を示す)。表示制御部11はこれらの画像をタッチパネル105上に表示させる。表示制御部11はこのような画像の受信(取得)を契機として充電開始ボタン20を有効状態にする。ユーザは、画像を確認した上で、その充電開始ボタン20を操作する。
【0054】
充電開始ボタンが有効状態になるまでの間に、表示制御部11は、充電停止ボタンをタッチパネル105上に表示させることができる。その間に充電停止ボタンが操作されると、開始信号は出力されない。この処理に加えてまたは代えて、指示部13は、外部カメラから画像を受信しない状態が所定の時間以上続く場合に、充電開始を自動的にまたはユーザの指示に応じてキャンセルしてもよい。
【0055】
図8〜
図11を参照しながら説明した上記の処理では、起動アイコンが第1ユーザインタフェースに相当する。
【0056】
[充電停止ボタン]
一方、
図12は充電停止ボタン30が操作された場合の処理を示す。検知部12が充電停止ボタンの操作の開始を検知し(ステップS41、検知ステップ)、さらに該操作の終了を検知する(ステップS42、検知ステップ)。指示部13はこの検知を契機として停止信号を送信する(ステップS43、指示ステップ)。
図7および
図12の比較、
図8および
図12の比較、または
図10および
図12の比較から明らかなように、開始信号を送信する前には、停止信号を送信する場合には実行しない処理が実行されるので、第1の時間は第2の時間より長い。
【0057】
上述したユーザインタフェースの設計は、上記の待機処理、信号強度に基づく判定、またはカメラの利用と組み合わせて実装されてもよい。
図5に示すパターン2または3とカメラの利用とを組み合わせた場合には、
図8(または
図10)に示す処理は次のようになる。すなわち、表示制御部11は最初は充電開始ボタンを有効状態で表示する。その後、ステップS21,S22(またはステップS31,S32)において検知部12が充電開始ボタンに対する1回目の操作を検知すると、ステップS23(またはステップS33)において表示制御部11が充電開始ボタンをいったん無効状態にする。その後処理が進んでステップS28(またはステップS35)に至ると、表示制御部11は充電開始ボタンを有効状態に戻す。この一連の処理では充電開始ボタンが第1インタフェースに相当する。
【0058】
次に、
図13を参照しながら、携帯端末10を実現するための操作プログラムP1を説明する。操作プログラムP1は、操作用アプリケーションの少なくとも一部である。
【0059】
操作プログラムP1は、メインモジュールP10、表示制御モジュールP11、検知モジュールP12、および指示モジュールP13を備える。メインモジュールP10は、非接触給電システム90(対象システム)の操作を統括的に制御する部分である。表示制御モジュールP11、検知モジュールP12、および指示モジュールP13を実行することにより実現される機能はそれぞれ、上記の表示制御部11、検知部12、および指示部13の機能と同様である。
【0060】
操作プログラムP1は、CD−ROMやDVD−ROM、半導体メモリなどの有形の記録媒体に固定的に記録された上で提供されてもよい。あるいは、操作プログラムP1は、搬送波に重畳されたデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0061】
以上説明したように、本発明の一側面に係る電子機器は、タッチパネルを備える電子機器であって、電子機器とは異なる対象システムの作動開始に関する第1ユーザインタフェース、または作動開始以外の対象システムの他機能に関する第2ユーザインタフェースをタッチパネル上に表示する表示制御部と、タッチパネル上での第1ユーザインタフェースまたは第2ユーザインタフェースに対する操作を検知する検知部と、検知部により検知された操作に応じた指示信号を対象システムに送信する指示部とを備え、検知部が第1ユーザインタフェースに対する第1の操作の開始を検知してから、指示部が該第1の操作に応じて作動開始のための第1の指示信号を対象システムに送信するまでの第1の時間が、検知部が第2ユーザインタフェースに対する第2の操作の開始を検知してから、指示部が該第2の操作に応じて他機能のための第2の指示信号を対象システムに送信するまでの第2の時間より長い。
【0062】
本発明の一側面に係る対象システムの操作方法は、タッチパネルを備える電子機器により実行される、該電子機器とは異なる対象システムの操作方法であって、対象システムの作動開始に関する第1ユーザインタフェース、または作動開始以外の対象システムの他機能に関する第2ユーザインタフェースをタッチパネル上に表示する表示制御ステップと、タッチパネル上での第1ユーザインタフェースまたは第2ユーザインタフェースに対する操作を検知する検知ステップと、検知ステップにおいて検知された操作に応じた指示信号を対象システムに送信する指示ステップとを含み、検知ステップにおいて第1ユーザインタフェースに対する第1の操作の開始を検知してから、指示ステップにおいて該第1の操作に応じて作動開始のための第1の指示信号を対象システムに送信するまでの第1の時間が、検知ステップにおいて第2ユーザインタフェースに対する第2の操作の開始を検知してから、指示ステップにおいて該第2の操作に応じて他機能のための第2の指示信号を対象システムに送信するまでの第2の時間より長い。
【0063】
本発明の一側面に係る操作プログラムは、タッチパネルを備える電子機器に、電子機器とは異なる対象システムの作動開始に関する第1ユーザインタフェース、または作動開始以外の対象システムの他機能に関する第2ユーザインタフェースをタッチパネル上に表示する表示制御ステップと、タッチパネル上での第1ユーザインタフェースまたは第2ユーザインタフェースに対する操作を検知する検知ステップと、検知ステップにおいて検知された操作に応じた指示信号を対象システムに送信する指示ステップとを実行させ、検知ステップにおいて第1ユーザインタフェースに対する第1の操作の開始を検知してから、指示ステップにおいて該第1の操作に応じて作動開始のための第1の指示信号を対象システムに送信するまでの第1の時間が、検知ステップにおいて第2ユーザインタフェースに対する第2の操作の開始を検知してから、指示ステップにおいて該第2の操作に応じて他機能のための第2の指示信号を対象システムに送信するまでの第2の時間より長い。
【0064】
このような側面においては、対象システムの作動開始に関する操作が始まってから、電子機器が作動開始を対象システムに指示するまでの時間(第1の時間)が、作動開始以外の機能を対象システムに指示するまでの時間(第2の時間)よりも長い。すなわち、対象システムの作動開始の場面では、ユーザが電子機器上で操作を始めてから実際に電子機器が対象システムに作動開始を指示するまでの時間が、他の機能を対象システムに指示する場合よりも長い。対象システムの作動開始の場面でこのような意図的な時間のずれを設けることで、その作動開始をキャンセルする機会をユーザに与えることができる。ユーザはその時間差の間に対象システム(他のシステム)の作動開始をキャンセルすることができるので、これにより誤操作の防止が可能になる。
【0065】
ユーザにより操作される電子機器とは異なるシステムを制御する場合には、該電子機器そのものの制御とは異なる配慮が必要である。一例として、電子機器が上記実施形態で示す携帯端末である場合には、ユーザはタッチパネル上のユーザインタフェースを容易に操作することができる。あるいは,ユーザは意図せずそのユーザインタフェースを操作してしまうことがある。これらは、ユーザが意図しない、対象システムの作動につながり得る。本発明の一側面は、上記のように対象システムに指示信号を送信するタイミングを工夫することで、電子機器および対象システムに対する誤操作の防止を図るものである。
【0066】
他の側面に係る電子機器では、検知部が第1の操作の開始を検知してから該第1の操作の終了を検知するまでの時間が、検知部が第2の操作の開始を検知してから該第2の操作の終了を検知するまでの時間よりも長くなるように、表示制御部が第1ユーザインタフェースおよび第2ユーザインタフェースをタッチパネル上に表示してもよい。作動開始のための操作の時間が長くなるようにユーザインタフェースを設計することで、行っている操作を途中でキャンセルする機会をユーザに提供できる。
【0067】
他の側面に係る電子機器では、指示部が、第1の操作の終了時点から所定の時間待機した後に第1の指示信号を送信し、第2の操作が終了した場合には待機をすることなく第2の指示信号を送信してもよい。作動開始のための操作の終了から指示信号の送信までの間に時間のずれを設けることで、その作動開始をキャンセルする機会をユーザに与えることができる。
【0068】
他の側面に係る電子機器では、表示制御部が、第1の操作に応じた待機が実行されている間に、作動開始を対象システムに指示したことを示すメッセージをタッチパネル上に表示してもよい。実際には対象システムに指示信号を送信していない段階から、タッチパネル上では対象システムに指示したことを示すことで、ユーザによる操作に電子機器が反応したことを該ユーザに伝えることができる。これは、電子機器が操作に反応したという安心感をユーザに与えることに貢献する。
【0069】
他の側面に係る電子機器では、指示部が、第1の操作の終了に応じて対象システムとの間の無線通信の信号強度を測定し、該信号強度が所定の閾値以下である場合に第1の指示信号を送信してもよい。信号強度が所定の閾値以下になるということは、電子機器(ユーザ)が対象システムから一定以上の距離だけ離れたことを意味する。この仕組みにより、対象システムからユーザを離した上で該対象システムを作動させることができる。
【0070】
他の側面に係る電子機器では、指示部が、第1の操作の終了に応じてカメラから対象システムに関する画像を取得し、該画像を取得した後に第1の指示信号を送信してもよい。対象システムに関する画像を確認する機会をユーザに与えることで、操作対象である対象システムにユーザの注意を向けさせることができる。例えば、ユーザは非接触給電システムの周辺に異物または人が存在するか否かを確認することができる。
【0071】
他の側面に係る電子機器では、カメラをさらに備え、指示部が、画像と所定のパターンとを比較し、比較結果が所定の条件を満たした後に第1の指示信号を送信してもよい。この仕組みにより、特定の条件下でのみ対象システムを作動させることができる。
【0072】
他の側面に係る電子機器では、カメラが外部カメラであり、指示部が、外部カメラから画像を取得したことを契機として第1の指示信号を送信してもよい。敢えて、電子機器とは別の外部カメラから画像を取得することで、作動開始のキャンセルが可能な時間を稼ぐことができる。
【0073】
他の側面に係る電子機器では、対象システムが、移動体の受電装置へ非接触で送電可能な送電装置を備える非接触給電システムであってもよい。この場合には、非接触給電システムを操作するための電子機器上での誤操作を防止することができる。
【0074】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0075】
少なくとも一つのプロセッサにより実行される対象システムの操作方法の処理手順は上記実施形態での例に限定されない。例えば、電子機器は上述したステップ(処理)の一部を省略してもよいし、別の順序で各ステップを実行してもよい。また、上述したステップのうちの任意の2以上のステップが組み合わされてもよいし、ステップの一部が修正又は削除されてもよい。あるいは、電子機器は上記の各ステップに加えて他のステップを実行してもよい。
【0076】
電子機器内で二つの数値の大小関係を比較する際には、「以上」および「よりも大きい」という二つの基準のどちらを用いてもよく、「以下」および「未満」の二つの基準のうちのどちらを用いてもよい。このような基準の選択は、二つの数値の大小関係を比較する処理についての技術的意義を変更するものではない。