(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の水除菌装置及び特許文献2に記載の殺菌装置においては、保護管が流路を流れる除菌対象となる水等と直接接触している。そのため、特許文献1に記載の水除菌装置及び特許文献2に記載の殺菌装置においては、保護管が破損した場合に、保護管を構成する石英ガラスの破片等が、除菌対象となる水等に混入するおそれがある。
【0007】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。具体的には、本発明は、除菌ランプ保護管が破損した場合、除菌ランプ保護管の破片等が、除菌対象となる流体へ混入してしまうことを抑制可能な除菌装置及び温水装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る除菌装置は、除菌ランプと、本体部と、除菌ランプ保護管と、流出防止管とを備える。本体部は、内部に、除菌対象となる流体の流路を有している。本体部は、内部に、除菌ランプを収納している。本体部は、端部に、開口部を有している。除菌ランプ保護管は、本体部の内部に配置され、除菌ランプが挿入されている。流出防止管は、本体部の内部に配置され、除菌ランプ保護管が挿入され、かつ除菌ランプ保護管とは異なる材質である。
【0009】
本発明の一態様に係る除菌装置によると、除菌ランプ保護管が破損した場合、除菌ランプ保護管の破片等が除菌対象となる流体へ混入してしまうことを抑制することができる。
【0010】
上記の除菌装置は、蓋部材と、流出防止管固定蓋と、シール部材とをさらに備えていてもよい。蓋部材は、本体部の端部に配置される。流出防止管固定蓋は、流出防止管の内周面を保持する。シール部材は、流出防止管の外周面と蓋部材との間を水密に封止する。この場合、流出防止管の厚さが薄くても、流出防止管内部と流路との間の水密性を確保することができる。そのため、これにより、除菌ランプ保護管が破損した場合に、除菌ランプ保護管の破片等が、除菌対象となる流体へ混入してしまうことをさらに抑制することが可能となる。
【0011】
上記の除菌装置において、流出防止管の本体部の中心軸線方向における長さは、除菌ランプ保護管の本体部の中心軸線方向における長さよりも長くてもよい。
【0012】
上記の除菌装置において、流出防止管は、流路に流体が流れている際に、流出防止管の内周面が除菌ランプ保護管の外周面と接触する位置に配置されていてもよい。この場合、流路に流体が流れる際の圧力が、除菌ランプ保護管にも分散される。そのため、これにより、流出防止管に対する経年的な圧力変化による損傷を抑制することが可能となる。
【0013】
上記の除菌装置は、本体部の端部に配置される蓋部材と、除菌ランプ保護管の外周面と蓋部材との間に配置され、除菌ランプ保護管の外周面と蓋部材との間を水密に封止するシール部材をさらに備えていてもよい。この場合、流出防止管は、流路を流れる除菌対象となる流体から水圧を受けることがない。そのため、これにより、除菌ランプ保護管が破損した場合に、除菌ランプ保護管の破片等が、除菌対象となる流体へ混入してしまうことを抑制しつつ、流出防止管の破損を抑制することが可能となる。
【0014】
上記の除菌装置において、蓋部材は、リブとを有していてもよい。リブは、流出防止管の外周面を取り囲むように設けられている。この場合、流出防止管の、本体部の中心軸線に垂直な方向に対する動きが規制される。そのため、これにより、除菌ランプ保護管が破損した場合に、除菌ランプ保護管の破片等が、除菌対象となる流体へ混入してしまうことをさらに抑制することが可能となる。
【0015】
上記の除菌装置において、流出防止管の厚さは、0.3mm以上0.5mm以下であってもよい。流出防止管の厚さは、流出防止管の内周面から外周面に向かう方向における厚さである。これにより、流体に対する除菌効果を維持しつつ、除菌ランプ保護管が破損した場合に、除菌ランプ保護管の破片等が、除菌対象となる流体へ混入してしまうことを抑制することが可能となる。
【0016】
本発明の一態様に係る温水装置は、循環経路と、循環経路上に配置された上記の除菌装置とを備える。これにより、除菌ランプ保護管が破損した場合に、除菌ランプ保護管の破片等が、除菌対象となる流体へ混入してしまうことを抑制することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様に係る除菌装置及び温水装置によると、除菌ランプ保護管が破損した場合に、除菌ランプ保護管の破片等が、除菌対象となる流体へ混入してしまうことを抑制することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施形態1)
以下に、実施形態1に係る除菌装置について、
図1〜
図5を参照して説明する。なお、各図中において同一または相当部分には同一符号を付している。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。さらに、長さ、幅、厚さ、深さなどの寸法関係は、図面の明瞭化のために適宜変更されており、実際の寸法関係を表すものではない。
【0020】
以下に、実施形態1に係る除菌装置の構成について説明する。
図1に示すように、実施形態1に係る除菌装置は、本体部1と、除菌ランプ2と、蓋部材3とを有している。蓋部材3は、一対となる第1の蓋部材3aと、第2の蓋部材3bとから構成されている。実施形態1に係る除菌装置は、固定部材4をさらに有していてもよい。
【0021】
図2に示すように、実施形態1に係る除菌装置は、さらに除菌ランプ保護管12と、流出防止管13とを有している。
【0022】
本体部1は、筒状の形状を有している。好ましくは、本体部1は、円筒状の形状を有している。すなわち、本体部1の中心軸線A1に垂直な方向における断面は、円形形状であることが好ましい。本体部1には、例えばステンレス鋼等が用いられる。
【0023】
本体部1は、内部に流路11を有している。流路11には、除菌対象となる流体(例えば、湯水)が流れる。後述する流出防止管13の外周面と本体部1の内周面との間の空間が、流路11となっている。すなわち、流路11は、流出防止管13の外周面と本体部1の内周面とにより画されている。
【0024】
本体部1は、端部1aを有している。端部1aは、本体部1の中心軸線A1に平行な方向の端に位置する部分である。端部1aにおいて、本体部1は開口部1bを有している。本体部1は、両方の端部1aにおいて開口部1bを有していることが好ましい。好ましくは、端部1aは、本体部1の中心軸線A1に平行な方向からみて、外周方向に広がっている形状を有している。これにより、蓋部材3を本体部1に挿入することが容易となる。
【0025】
本体部1の内部には、除菌ランプ保護管12が配置されている。除菌ランプ保護管12は、流路11を流れる除菌対象となる流体から、除菌ランプ2を保護するための部材である。除菌ランプ保護管12は、好ましくは円筒形状を有している。除菌ランプ保護管12は、本体部1より長さが長い。除菌ランプ保護管12は、除菌ランプ2から照射される光に対して透明である。除菌ランプ保護管12には、例えば石英ガラスが用いられる。
【0026】
本体部1の内部には、流出防止管13が設けられている。流出防止管13は、除菌ランプ保護管12が破損した際に、除菌ランプ保護管12の破片等が流路11を流れる除菌対象となる流体に混入することを抑制するための部材である。流出防止管13には、除菌ランプ保護管12が挿入される。
【0027】
流出防止管13は、好ましくは円筒形状を有している。流出防止管13は、本体部1より長さが長い。流出防止管13は、好ましくは除菌ランプ保護管12より長さが長い。流出防止管13は、除菌ランプ2から照射される光に対して透明である。流出防止管13と除菌ランプ保護管12とは、材質が異なっている。より具体的には、流出防止管13に対する破損が生じにくいように、流出防止管13は、除菌ランプ保護管12よりも可撓性が高いことが好ましい。
【0028】
流出防止管13は、厚さTを有している。流出防止管13の厚さTは、流出防止管13の内周面から外周面に向かう方向における厚さである。流出防止管13の厚さTは、除菌ランプ2から照射される光に対する透過率が70%以上となるような厚さであることが好ましい。この場合、除菌ランプ2から照射された光は、流出防止管13を透過した後においても、除菌対象となる流体中の雑菌を効率的に殺菌しうる照度が維持される。
【0029】
流出防止管13の厚さTが薄すぎると、流出防止管13の剛性が低下する。そのため、流出防止管13の厚さTは、好ましくは0.3mm以上である。流出防止管13の厚さTは、さらに好ましくは0.4mm以上である。
【0030】
流出防止管13は、流路11に除菌対象となる流体が流れる際に、流出防止管13の内周面が除菌ランプ保護管12の外周面と接触する位置に配置されることが好ましい。より具体的には、流出防止管13は、流出防止管13の内周面と除菌ランプ保護管12の外周面との間隔Dが、0.05mm以上0.35mm以下となるように配置されることが好ましい。
【0031】
流出防止管13には、例えばFEP(四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体)等のフッ素樹脂が用いられる。但し、流出防止管13に用いられる材料は、FEP等のフッ素樹脂に限られるものではない。流出防止管13に用いられる材料は、除菌ランプ2から照射される光に対する透過性及び除菌ランプ2から照射される光に対する安定性を有する材料であればよい。
【0032】
除菌ランプ2は、流体を除菌する光を放出するランプである。好ましくは、除菌ランプ2は、紫外線を放出する蛍光灯である。除菌ランプ2は、紫外線を放出するLED(Light Emitting Diode)であってもよい。すなわち、除菌ランプ2は、流体を除菌するランプであれば特に限定されない。
【0033】
除菌ランプ2は、本体部1の内部に配置されている。具体的には、除菌ランプ2は、除菌ランプ保護管12の内部に挿入されている。除菌ランプ2は、本体部1の中心軸線A1に平行な方向に延伸している形状を有している。除菌ランプ2の端部は、ソケット、電装部品が取り付けられた電装部21となっている。
【0034】
第1の蓋部材3aは、内側面31と、外側面32と、外周面33とを有している。内側面31は、本体部1に挿入される側の面である。外側面32は、内側面31の反対側の面である。外周面33に、入水部33aが設けられている。入水部33aは、内部が中空の筒状形状を有している。具体的には、入水部33aの内部は、入水側接続口33bとなっている。
【0035】
第1の蓋部材3aの内側面31側は、先端部34となっている。先端部34は、本体部1の内径に略等しい外径を有している。第1の蓋部材3aは、先端部34が本体部1の開口部1bに挿入されることにより、開口部1bに配置されている。先端部34と本体部1の端部1aとの間には、シール部材35が配置されている。シール部材35は、例えば、Оリングである。これにより、開口部1bが閉じられ、除菌対象となる流体が本体部1から流出することが防止されている。
【0036】
第1の蓋部材3aの内部に、キャビティ36が設けられている。キャビティ36は、先端部34よりも外側面32側に位置している。キャビティ36は、第1の蓋部材3aの内側面31側に開口している。これにより、キャビティ36は、流路11と連通している。キャビティ36の内径は、流出防止管13の外径よりも大きい。その結果、キャビティ36の内壁36aと流出防止管13の外周面との間に、空間が形成されている。そのため、入水側接続口33bに注水された除菌対象となる流体は、キャビティ36を介して本体部1の内部に設けられた流路11に流れる。
【0037】
第1の蓋部材3aの外側面32側には、ランプ挿入穴37が設けられている。ランプ挿入穴37は、キャビティ36と連通している。ランプ挿入穴37の内径は、流出防止管13の外径と略等しい。ランプ挿入穴37から、除菌ランプ保護管12の内部に除菌ランプ2が挿入される。
【0038】
ランプ挿入穴37には、流出防止管13の端部が挿入されている。第1の蓋部材3aと流出防止管13の外周面の間には、シール部材38が配置されている。より具体的には、ランプ挿入穴37の内周面と流出防止管13の外周面との間に、シール部材38が配置されている。シール部材38は、例えば、Oリングである。これにより、第1の蓋部材3aと流出防止管13の外周面とが水密に封止されている。すなわち、第1の蓋部材3aから除菌対象となる流体が流出することが防止されている。
【0039】
実施形態1に係る除菌装置は、流出防止管固定蓋14を有していてもよい。流出防止管固定蓋14は、ランプ挿入穴37に挿入されている。流出防止管固定蓋14の一部は、流出防止管13の端部に挿入されている。流出防止管固定蓋14における流出防止管13の端部に挿入されている部分は、流出防止管13の内周面に接している。これにより、流出防止管固定蓋14は、流出防止管13の内周面を保持している。
【0040】
第2の蓋部材3bは、入水部33a及び入水側接続口33bに代えて出水部33d及び出水側接続口33eを有している点を除き、第1の第1の蓋部材3aと同様の構成を有している。好ましくは、第2の蓋部材3bは、第1の蓋部材3aと同一形状を有している。
【0041】
第1の第1の蓋部材3a及び第2の蓋部材3bには、例えば、樹脂材料が用いられている。この樹脂材料は、例えばSPS(シンジオタクチックポリスチレン)である。
【0042】
第1の蓋部材3aの外側面32上には、ランプ固定部材22が設けられている。ランプ固定部材22により、第1の蓋部材3aのランプ挿入穴37を通して除菌ランプ保護管12の内部に設置された除菌ランプ2が固定されている。ランプ固定部材22は、例えばビス等により、第1の蓋部材3aの外側面32上に固定されている。ランプ固定部材22には、例えばSPS等が用いられる。
【0043】
固定部材4は、本体部1の中心軸線方向から、第1の蓋部材3a及び第2の蓋部材3bと本体部1とを挟持するように配置されている。これにより、第1の蓋部材3a及び第2の蓋部材3bは、本体部1に固定されている。固定部材4は、中央部41と、固定部42とを有している。中央部41は、固定部材4の中央に位置し、本体部1の中心軸線方向に沿って延在している。固定部42は、第1の蓋部材3a及び第2の蓋部材3bの外側面32にビス等で固定されている。
【0044】
固定部材4は、例えば、一枚の板状の部材に対して、プレス金型を用いた曲げ加工を行うことにより形成される。固定部材4には、例えばSGCC(溶融亜鉛めっき鋼板)が用いられる。
【0045】
以下に、実施形態に係る除菌装置の動作について説明する。実施形態に係る除菌装置の入水側接続口33bには、除菌対象となる流体が供給される。この供給された除菌対象となる流体は、本体部1の内部に設けられた流路11を流れる。
【0046】
除菌対象となる流体が流路11を流れている間、除菌対象となる流体には、除菌ランプ2から紫外線が照射される。これにより、除菌対象となる流体中に含まれる雑菌が除菌される。その後、流路11内で除菌された流体は、出水側接続口33eから流れ出る。以上によって、除菌対象となる流体が実施形態に係る除菌装置を通過することにより、除菌処理が行われる。
【0047】
以下に、実施形態1に係る除菌装置の効果について説明する。実施形態1に係る除菌装置は、本体部1の内部に配置される流出防止管13を有している。流出防止管13には、除菌ランプ保護管12が挿入されている。そのため、除菌ランプ保護管12が破損した場合に、除菌ランプ保護管12の破片等が本体部1の内部の流路11を流れる除菌対象となる流体に混入することを抑制できる。
【0048】
図3に示すように、実施形態1に係る除菌装置においては、流出防止管13の厚さTが薄い場合に、流路11を流れる除菌対象となる流体の圧力により、流出防止管13が変形する場合がある。このような変形が生じると、流出防止管13と蓋部材3との間の封止部分における水密性の維持が困難となる。
【0049】
しかしながら、実施形態1に係る除菌装置が、流出防止管固定蓋14を有する場合、流出防止管固定蓋14が流出防止管13の内周面を支持する。そのため、この場合には、
図4に示すように、流出防止管13と蓋部材3との間の封止部分の近傍においては、流出防止管13が変形しにくい。その結果、この場合には、流出防止管13の厚さTが薄い場合であっても、流出防止管13と蓋部材3との間の封止部分の水密性を確保することができる。すなわち、この場合には、除菌ランプ保護管の破片等が、除菌対象となる流体へ混入してしまうことをさらに抑制することが可能となる。
【0050】
実施形態1に係る除菌装置において、流路11内に除菌対象となる流体が流れている際には、流路11内を流れる除菌対象となる流体の圧力により、
図5に示すように、流出防止管13が変形する。
【0051】
実施形態1に係る除菌装置において、流路11内に除菌対象となる流体が流れている際に、流出防止管13の内周面が、除菌ランプ保護管12の外周面と接触する位置に配置されている場合、流路11内を流れる除菌対象となる流体の圧力は、流出防止管13と除菌ランプ保護管12とに分散する。また、流路11内に負圧が生じた場合、流出防止管13のみがその負圧を受け、除菌ランプ保護管12がその負圧を受けない。そのため、この場合には、流出防止管13に対する経年的な圧力変化による損傷を抑制することが可能となる。
【0052】
実施形態1に係る除菌装置において、流出防止管13の厚さTが、除菌ランプ2から照射される光に対する透過率が70%以上となるような厚さである場合(例えば、0.3mm以上0.5mm以下である場合)、除菌対象となる流体に対する除菌効果を維持しながら、除菌ランプ保護管12の破片等が、除菌対象となる流体へ混入してしまうことを抑制することが可能となる。
【0053】
(実施形態2)
以下に、実施形態2に係る除菌装置について、
図6及び
図7を参照して説明する。ここでは、実施形態1に係る除菌装置と異なる点について主に説明し、重複する点については説明を繰り返さない。
【0054】
以下に、実施形態2に係る除菌装置の構成について説明する。
図6及び
図7に示すように、実施形態2に係る除菌装置は、本体部1と、除菌ランプ2と、蓋部材3とを有している。蓋部材3は、一対となる第1の蓋部材3aと、第2の蓋部材3bとから構成されている。実施形態2に係る除菌装置は、固定部材4をさらに有していてもよい。
【0055】
実施形態2に係る除菌装置は、除菌ランプ保護管12と、流出防止管13とを有している。除菌ランプ保護管12は、流出防止管13よりも長さが長いことが好ましい。
【0056】
実施形態2に係る除菌装置においては、ランプ挿入穴37の内径は、除菌ランプ保護管12の外径と略等しい。ランプ挿入穴37には、除菌ランプ保護管12の端部が挿入されている。第1の蓋部材3aと除菌ランプ保護管12の外周面の間には、シール部材38が配置されている。
【0057】
より具体的には、ランプ挿入穴37の内周面と除菌ランプ保護管12の外周面との間には、シール部材38が配置されている。これにより、第1の蓋部材3aと除菌ランプ保護管12の外周面とが水密に封止されている。すなわち、第1の蓋部材3aから除菌対象となる流体が流出することが防止されている。
【0058】
このことを別の観点からいえば、実施形態2に係る除菌装置においては、本体部1の内部において、流出防止管13の位置が固定されていない。
【0059】
実施形態2に係る除菌装置においては、第1の蓋部材3aは、リブ39を有していてもよい。リブ39は、キャビティ36の内壁36aと流出防止管13の外周面との間に配置されている。リブ39は、流出防止管13の外周面に沿って、本体部1の側に向かって延在している。このことを別の観点からいえば、リブ39は、流出防止管13の外周面を取り囲むように配置されている。
【0060】
以下に、実施形態2に係る除菌装置の効果について説明する。実施形態2に係る除菌装置は、本体部1の内部に配置される流出防止管13を有している。流出防止管13には、除菌ランプ保護管12が挿入されている。そのため、除菌ランプ保護管12が破損した場合に、除菌ランプ保護管12の破片等が本体部1の内部の流路11を流れる除菌対象となる流体に混入することを抑制できる。
【0061】
また、実施形態2に係る除菌装置においては、本体部1の内部において、流出防止管13の位置が、固定されていない。すなわち、流出防止管13は、流路11を流れる除菌対象となる流体の圧力から解放されている。そのため、実施形態2に係る除菌装置においては、流路11を流れる除菌対象となる流体の圧力から生じる変形により、流出防止管13が損傷(例えば、流出防止管13に本体部1の中心軸線方向に沿ったしわの発生等)してしまうことを抑制することができる。
【0062】
実施形態2に係る除菌装置において、蓋部材3がリブ39を有している場合、流出防止管13の本体部1の中心軸線に垂直な方向における移動が規制される。そのため、この場合には、除菌ランプ保護管12の破片等が、除菌対象となる流体へ混入してしまうことをさらに抑制することが可能となる。
【0063】
(実施形態3)
以下に、実施形態3に係る温水装置の一例としての給湯装置の構成について、
図8を参照して説明する。実施形態3に係る温水装置は、給湯経路51と、風呂循環経路52と、注湯経路53とを有している。
【0064】
給湯経路51は、上水を加熱する経路である。給湯経路51は、配管51aと、配管51bと、熱交換器51cとを有している。配管51aの一方端は、上水道に接続されている。配管51aの他方端は、熱交換器51cの一方端に接続されている。熱交換器51cの他方端は、配管51bの一方端に接続されている。配管51bの他方端は、カラン等に接続されている。熱交換器51cの近傍には、バーナ51dが配置されている。
【0065】
風呂循環経路52は、浴槽6中の湯水を加熱する経路である。風呂循環経路52は、配管52aと、配管52bと、配管52cと、除菌装置52dと、熱交換器52eとを有している。除菌装置52dは、上記の実施形態1及び実施形態2に係る除菌装置である。
【0066】
配管52aの一方端は、除菌装置52dの入水側接続口33bに接続されている。配管52aの他方端は、循環アダプタ61に接続されている。除菌装置52dの出水側接続口33eは、配管52bの一方端に接続されている。配管52bの他方端は、熱交換器52eの一方端に接続されている。熱交換器52eの他方端は、配管52cの一方端に接続されている。配管52cの他方端は、循環アダプタ61に接続されている。熱交換器52eの近傍には、バーナ52fが配置されている。なお、配管52a上には、循環ポンプ52gが設けられている。なお、除菌装置52dを給湯装置の筐体に取り付ける際には、固定部材4の中央部41が取り付けのためのガイドとなる。
【0067】
注湯経路53は、給湯経路51から風呂循環経路52に湯水を流入させる経路である。注湯経路53の一方端は、給湯経路51に接続されている。より具体的には、注湯経路53の一方端は、配管51bに接続されている。注湯経路53の他方端は、風呂循環経路52に接続されている。より具体的には、注湯経路53の他方端は、配管52aに接続されている。注湯経路53上には、注湯弁53aが設けられている。
【0068】
循環アダプタ61は、浴槽6内に設けられている。循環アダプタ61は、吐出口と吸込口とを有している。
【0069】
以下に、実施形態に係る温水装置の一例としての給湯装置の動作について説明する。
まず、給湯動作について説明する。供給された上水は、配管51aを介して熱交換器51cに供給される。熱交換器51cに供給された上水は、熱交換器51cにおいて加熱されて湯となる。この湯は、配管51bを介してカラン等へ供給される。
【0070】
次に、湯張り動作について説明する。供給された上水は、配管51aを介して熱交換器51cに供給される。熱交換器51cに供給された上水は、熱交換器51cにおいて加熱されて湯となる。湯張り動作を行っている際には、注湯弁53aは開状態となっている。そのため、この湯は、注湯経路53、配管52cおよび循環アダプタ61の吐出口を介して浴槽6に供給される。
【0071】
さらに、除菌動作について説明する。循環ポンプ52gにより、循環アダプタ61の吸込口から、浴槽6の湯が図中の矢印の方向に吸い上げられる。この吸い上げられた湯は、配管52aを介し、除菌装置52dに供給される。除菌装置52dに供給された湯は、除菌装置52dにおいて除菌される。この除菌された湯は、配管52b、熱交換器52e、配管52c、及び循環アダプタ61の吐出口を介して、浴槽6に戻される。これにより、浴槽6内の湯の除菌が行われる。なお、除菌装置52dにおいて除菌された湯は、熱交換器52eにおいて昇温されてもよい。すなわち、除菌動作は、追い焚き動作中に行われてもよい。
【0072】
以下に実施形態3に係る温水装置の効果について説明する。実施形態3に係る温水装置においては、除菌ランプ保護管12の破片等が、除菌対象となる流体へ混入してしまうことを抑制することが可能となる。
【0073】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。