(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、実施形態に係る制御機器を説明する。実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の実施形態で説明する制御機器は、一例を示すに過ぎず、実施形態を限定するものではない。例えば、以下の実施形態では、制御機器の一例として、舞台等の照明を行う照明制御システムに含まれる各種の機器について説明するが、制御機器は、これらの機器以外にも、任意の機器の制御にも適用することができる。なお、以下の各実施形態は、矛盾しない範囲内で適宜組みあわせてもよい。
【0011】
以下の実施形態に係る制御機器(例えば、照明機器10、変換装置30、RDM(Remote Device Management)ノード40、および分電盤100)は、照明機器(例えば、照明機器10、20)を制御する照明制御装置50と双方向通信を行う通信部(例えば、通信部11、41、31、110)を有する。また、制御機器は、照明機器10、20の制御に関する制御情報を記憶する記憶部(例えば、記憶部15、42、32、120)を有する。また、制御機器は、操作者の認証を行う認証部(例えば、認証部16b、46、33b、133)を有する。また、制御機器は、認証が行われた操作者から、制御情報の設定変更を受付ける受付部(例えば、認証部16b、46、33b、133)を有する。
【0012】
また、以下の実施形態に係る制御機器は、例えば、変換装置30である。変換装置30は、照明機器20を制御するための制御アドレスを記憶する。また、変換装置30は、記憶する制御アドレスが示す照明機器20を制御するための制御信号をパルス幅変調信号(PWM:Pulse Width Modulation)信号に変換する変換部33aを有する。また、変換装置30は、パルス幅変調信号を照明機器20に出力する変調信号出力部(例えば、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)34)を有する。
【0013】
また、以下の実施形態に係る制御機器は、例えば、分電盤100である。分電盤100は、制御情報として、回路60を流れる電流が所定値を超えた際に、回路60への電力供給を停止するか否かを示す情報を記憶する。また、分電盤100は、照明機器10に対して電力を供給する回路60を有する。また、分電盤100は、制御情報に基づいて、回路60への電力供給を制御するブレーカ(例えば、主幹ブレーカ123や分岐ブレーカ124)を有する。
【0014】
また、以下の実施形態に係る制御機器は、例えば、RDMノード40である。RDMノード40は、制御情報として、制御対象となる照明機器が属するユニバースを示す情報を記憶する。そして、RDMノード40は、所定のユニバースに属する照明機器10を制御する旨の制御内容を照明制御装置50から受付けた場合は、そのユニバースに属する照明機器10に対して、制御信号を出力する制御信号出力部(例えば、出力部43)を有する。
【0015】
また、以下の実施形態に係る制御機器は、例えば、照明機器10である。照明機器10は、制御情報として、光源部13を制御するための制御アドレスを記憶する。また、照明機器10は、照明態様を制御可能な光源部13を有する。また、照明機器10は、照明制御装置50から受信した制御信号が示す制御アドレスが、記憶する制御アドレスと一致する場合は、制御信号に従って、光源部13の照明態様を制御する照明制御部16aを有する。
【0016】
また、以下の実施形態に係る制御機器は、設定変更を行った操作者と、設定変更の内容とをさらに記憶する。
【0017】
[実施形態]
(照明制御システムの概要)
以下、制御機器を有する照明制御システム1の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る照明制御システムの一例を示す図である。
図1に示す例では、照明制御システム1は、複数の照明機器10(10−1〜10−n)、照明機器20(20−1〜20−n)、変換装置30、RDMノード40、照明制御装置50、バトン装置70、および分電盤100を有する。なお、照明制御システム1に接続される照明機器10、照明機器20、変換装置30、RDMノード40、およびバトン装置70の種別や数などは任意に設定できる。
【0018】
照明機器10は、例えばLED(Light Emitting Diodes)等の半導体発光素子を光源とする照明機器10である。例えば、照明機器10は、バトン装置70等により所定の位置に吊り下げられたり、所定の位置に置かれたりして用いられる。また、例えば、照明機器10は、照明制御装置50からRDMノード40を経由して送信される制御信号に従って、明るさ、範囲、色彩等を変化させることで、スタジオや舞台等の照明演出を行う。例えば、照明機器10は、DMX規格に従った通信プロトコルや、DMX規格を拡張したRDM規格に沿った通信プロトコルにより、RDMノード40を介して照明制御装置50と双方向通信が可能であり、照明制御装置50から送信されるDMX規格やRDM規格の制御信号に従って、照明態様を変更する。
【0019】
照明機器20は、パルス幅変調信号(以下、「PWM信号」と記載する。)が示す制御内容に基づいて、照明を行う照明装置であり、例えば、LED等の半導体発光素子が出力する光の照度や色彩等をPWM信号が示す制御内容に従って変化させることで、スタジオや舞台等の照明演出を行う。なお、具体例を挙げるならば、照明機器20は、舞台の床や天井に設置されたダウンライトであるが、舞台における背景色の演出を行うホリゾントライト、スポットライト、若しくはフラッドライト等、任意の照明装置が適用可能である。
【0020】
変換装置30は、RDMノード40を介して照明制御装置50から受信したDMX規格やRDM規格の制御信号をPWM信号に変換し、変換後のPWM信号を照明機器20へと出力することで、照明機器20の制御を行う変換装置である。
【0021】
RDMノード40は、照明制御装置50と、照明機器10、照明機器20、変換装置30、および分電盤100との間の通信を中継する装置であり、例えば、DMXノードやRDMノードと称される装置により実現される。例えば、RDMノード40と照明制御装置50とは、イーサーネット(登録商標)やLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して、双方向通信が可能な状態で接続されている。一方、RDMノード40と照明機器10、変換装置30、および分電盤とは、DMX規格やRDM規格により双方向通信が可能な状態で接続されている。
【0022】
照明制御装置50は、照明機器10、20と双方向通信が可能な装置であり、オペレータから照明機器10、20に対する操作指令を受付けると、DMX規格に従った通信プロトコルや、DMXを拡張したRDM規格に沿った通信方式により、照明機器10、20の制御を行う。なお、照明制御装置50は、プリセットフェーダやフェーダ、ボタン等を有する調光卓や制御卓等により実現される。
【0023】
分電盤100は、照明機器10、20に電力を伝達する複数の回路60(例えば、
図9)を有し、回路に接続された各照明機器10、20に電力を供給する。例えば、分電盤100は、入力電圧、入力電流、漏電など電源に関する機能や、出力電流、漏電など負荷に関する機能、温度など盤内の状態に関する機能、主幹ブレーカや回路ブレーカの開閉に関する機能、各種情報の表示や操作を受け付ける機能などを有する。照明機器10、20は、それぞれ分電盤100から供給される電力を用いて、光源の点灯等を行う。
【0024】
(照明制御処理の一例)
このような照明制御システム1においては、以下に説明する照明制御処理が実行される。例えば、各照明機器10−1〜10−nには、DMX規格において操作対象となる装置を識別するための制御アドレス、すなわち、DMXアドレスが付与されている。また、変換装置30には、照明機器20−1〜20−nを制御するためのDMXアドレスが付与されている。
【0025】
一方、照明制御装置50は、各フェーダに対し、照明機器10−1〜10−nや変換装置30に付与されたDMXアドレスを対応付けて記憶する。そして、照明制御装置50は、オペレータがフェーダを操作した場合には、操作されたフェーダに対応付けられたDMXアドレスと、操作内容とを示す制御内容を、イーサーネット等のネットワークを介して、RDMノード40へと送信する。
【0026】
一方、RDMノード40は、制御内容を照明制御装置50から受信すると、DMX規格やRDM規格に沿った信号であって、受信した制御内容を示す制御信号を生成し、生成した制御信号をバトン装置70や変換装置30へと出力する。このような場合、バトン装置70は、制御信号を照明機器10へと伝達する。
【0027】
一方、照明機器10は、バトン装置70から受信した制御信号が示すDMXアドレスが自装置のDMXアドレスであるか否かを判定し、自装置のDMXアドレスであると判定した場合は、制御信号が示す操作内容に従って、照明態様の制御を行う。また、変換装置30は、RDMノード40から受信した制御信号が示すDMXアドレスが自装置のDMXアドレスである場合には、制御信号が示す操作内容を実現するためのPWM信号を生成し、生成したPWM信号を照明機器20へと出力する。この結果、照明制御システム1は、照明機器10、20の照明態様を制御することができる。
【0028】
(制御情報について)
ここで、照明制御装置50は、照明機器10、変換装置30、RDMノード40、および分電盤100と双方向通信を行うことで、照明機器10や照明機器20の制御に関する制御情報の管理を行う。
【0029】
例えば、照明機器10には、制御情報として、DMXアドレスやユニバースといった情報が登録されている。また、例えば、変換装置30には、制御情報として、DMXアドレスやユニバースといった情報が登録されている。そして、照明制御装置50は、照明機器10や変換装置30との間で双方向通信を行うことで、制御情報の収集や、制御情報の変更を行う。例えば、照明制御装置50は、照明機器10が出力する光の色(RGBW:Red Green Blue White)ごとにDMXアドレスを設定したり、ユニバースの設定を行う。また、照明制御装置50は、照明機器20を制御するためのDMXアドレスやユニバースの設定を行う。
【0030】
また、RDMノード40には、自装置と接続された照明機器10や変換装置30、すなわち、制御対象となる照明機器10や変換装置30が属するユニバースや、照明機器10および変換装置30に設定されたDMXアドレス等が制御情報として登録されている。そして照明制御装置50は、照明機器10や変換装置30の制御情報の設定変更に合わせて、RDMノード40に登録された制御情報の設定変更等を行う。
【0031】
この結果、例えば、RDMノード40は、受信した制御内容が示すDMXアドレスやユニバースが、制御対象となる照明機器10や変換装置30に関するDMXアドレスやユニバースではない場合は、制御信号の出力を行わず、受信した制御内容が示すDMXアドレスやユニバースが、制御対象となる照明機器10や変換装置30に関するDMXアドレスやユニバースである場合は、制御信号を出力する。同様に、照明機器10や変換装置30は、受信した制御信号が示すDMXアドレスやユニバースが設定されたDMXアドレスやユニバースと一致する場合は、照明制御を行い、一致しない場合は、照明制御を行わない。
【0032】
ここで、回路60で短絡や漏電が発生した場合や、使用する照明機器10、20の数が所定の閾値を超えた場合等、回路60に想定以上の電流が流れることとなる。そこで、分電盤100は、回路60を流れる電流が所定値を超えた場合は、ブレーカをOFFにすることで、回路60への電力供給を停止する。しかしながら、回路60への電力供給を急に停止した場合には、舞台等が暗転する結果、安全性が逆に低下してしまう場合がある。
【0033】
そこで、分電盤100は、制御情報として、制御情報として、回路60を流れる電流値が所定の閾値を超えた際に、回路60への電力供給を停止するか否かを示す停止情報を記憶する。そして、分電盤100は、停止情報が、回路60への電力供給を停止しない旨を示す場合は、回路60を流れる電流値が所定の閾値を超えたとしても、回路60への電力供給を停止せずに、所定の監視装置や照明制御装置50へと警告を出力する。一方、照明制御装置50は、RDMノード40を介して、RDM規格に沿った双方向通信を分電盤100との間で行うことにより、停止情報の確認や設定変更等を行う。
【0034】
(認証処理について)
上述したように、照明制御システム1における照明機器10、変換装置30、RDMノード40、および分電盤100等、照明制御装置50との間で双方向通信を行う機器(以下、「制御機器」と記載する。)には、照明機器10、20の制御に関する各種の制御情報が登録されている。そして、制御機器は、照明制御装置50からの操作に従い、制御情報の設定変更を受付ける。
【0035】
ここで、制御機器には、ディップスイッチや7セグメントLED等の操作部を有し、制御情報の設定変更を制御機器本体で受付けることができるものが存在する。例えば、照明機器10、変換装置30およびRDMノード40は、ディップスイッチ等を介して、DMXアドレスやユニバース等といった制御情報の設定変更を受付けることができる場合がある。また、分電盤100には、タッチパネル等の操作部を兼ねる表示装置を有し、表示装置上に電力の供給状況を表示するとともに、停止情報等といった制御情報の設定変更を受付けることができる場合がある。
【0036】
しかしながら、このように制御機器ごとに制御情報の設定変更を受付けることができる場合、照明制御装置50を操作するオペレータ以外の第三者が、制御機器の制御情報を不当に変更した場合には、適切な照明演出を実現できない場合がある。
【0037】
また、舞台やスタジオ等に制御機器を設置する際には、制御機器が設置される度に新たな制御情報が設定される場合や、所定の制御情報が使用され続ける場合等が存在する。しかしながら、制御情報の設定変更が行われた際に、誰がどのような設定変更を行ったのかが解らない場合には、新たな制御情報を設定してもよいか否かの確認に手間がかかる場合がある。
【0038】
そこで、制御機器は、以下の認証処理を実行する。例えば、制御機器は、照明制御装置50と双方向通信を行う機能を有するとともに、照明機器10、20の制御に関する制御情報を記憶する。また、制御機器は、自装置に備えられた操作部を介して、制御情報の設定変更操作が行われた場合は、操作者の認証を行う。そして、制御機器は、認証が行われた場合は、操作者から制御情報の設定変更を受付ける。
【0039】
すなわち、照明制御システム1における照明機器10、変換装置30、RDMノード40、および分電盤100等の制御機器は、それぞれ操作者の認証を行う認証機能を有する。そして、制御機器は、操作者の認証が行なわれた場合にのみ、制御情報の設定変更を受付けることで、第三者による不当な設定変更を防止する。
【0040】
また、制御機器は、設定変更が行われた場合は、設定変更を行った操作者、すなわち、認証を行った操作者と、設定変更の内容とを記憶する。このように、制御機器は、設定変更のログを記憶することで、新たな制御情報を設定してもよいか否かの確認の手間を軽減する。
【0041】
以下、制御機器である照明機器10、変換装置30、RDMノード40、および分電盤100が有する機能構成の一例について説明する。なお、以下の説明では、RDMノード40、照明機器10、変換装置30、および分電盤100の順に、
図2〜
図8を用いて、機能構成の一例について説明する。
【0042】
(RDMノードの機能構成について)
まず、
図2〜
図4を用いて、RDMノード40が有する機能構成の一例について説明する。
図2は、実施形態に係るRDMノードが有する機能構成の一例について説明する図である。
図2に示す例では、RDMノード40は、通信部41、記憶部42、出力部43、操作部44、認証装置45、および認証部46を有する。
【0043】
通信部41は、照明制御装置50との間でイーサーネット等のネットワークを介して、双方向通信を行う通信部であり、例えば、NIC(Network Interface Card)等により実現される。
【0044】
記憶部42は、RDMノード40が有する揮発性または不揮発性のメモリであり、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)等の記憶装置により実現される。また、
図2に示す例では、記憶部42には、制御情報42aおよび認証テーブル42bが登録されている。
【0045】
制御情報42aは、RDMノード40が照明機器10の制御に用いる制御情報である。例えば、
図3は、実施形態に係るRDMノードが記憶する制御情報の一例を示す図である。
図3に示すように、制御情報42aには、「項目」と「制御情報」とが対応付けて登録されている。
【0046】
ここで、「項目」とは、対応付けられた制御情報の種別を示す項目である。また、「制御情報」とは、照明機器10の制御に用いる制御情報である。例えば、
図3に示す例では、制御情報42aには、項目「IP(Internet Protocol)アドレス」と制御情報「192.163.1.1」とが対応付けて登録されており、項目「照明機器#1」と制御情報「ユニバース:1、DMXアドレス:10〜13、ポート:1」とが対応付けて登録されている。このような情報は、例えば、RDMノード40のIPアドレスが「192.163.1.1」である旨を示す。また、このような情報は、「照明機器#1」が示す照明機器のユニバースが「1」であり、制御を行うためのDMXアドレスが「10〜13」であり、RDMノード40が有する「1」番目のポートに接続されている旨を示す。
【0047】
図2に戻り、説明を続ける。認証テーブル42bは、操作者の認証を行うための認証情報が登録されている。例えば、
図4は、実施形態に係る認証テーブルに登録される情報の一例を示す図である。
図4に示す例では、認証テーブル42bには、「認証対象」、「認証用情報」、「操作情報」および「履歴情報」といった項目が登録されている。
【0048】
ここで、「認証対象」とは、認証対象となる操作者を示す情報である。また、「認証用情報」とは、対応付けられた「認証対象」が示す操作者の認証に用いる情報である。例えば、「認証用情報」には、操作者の指紋データや声紋データ等といった生体データが登録される。また、他の例では、「認証用情報」には、操作者に対して付与された非接触型のIC(Integrated Circuit)カードに登録されている認証用の情報が登録される。また、他の例では、「認証用情報」には、パスワードとユーザIDとの組が登録される。また、「操作情報」とは、操作者が前回行った操作内容を示す情報である。また、「履歴情報」とは、操作者が行った操作内容や、制御情報の設定変更の履歴である。
【0049】
例えば、
図4に示す例では、認証対象「対象#1」、認証用情報「認証用情報#1」、操作情報「操作情報#1」および履歴情報「履歴情報#1」といった情報が登録されている。このような情報は、認証対象「対象#1」が示す操作者の認証に用いられる情報が、認証用情報「認証用情報#1」である旨を示す。また、このような情報は、認証対象「対象#1」が示す操作者によって前回行われた操作が操作情報「操作情報#1」が示す操作であり、認証対象「対象#1」が示す操作者による設定変更の履歴が履歴情報「履歴情報#1」である旨を示す。
【0050】
図2に戻り、説明を続ける。出力部43は、制御情報42aに基づいて、照明制御装置50から受付けた制御内容を示す制御信号を照明機器10に出力する。例えば、出力部43は、制御内容を照明制御装置50から受付けると、制御情報42aを参照し、制御内容が示すDMXアドレスやユニバースの値が一致する照明機器10が接続されたポートを特定する。そして、出力部43は、制御内容を示す制御信号を生成し、特定したポートから出力する。このような場合、バトン装置70は、出力部43が出力した制御信号をそのまま照明機器10へと伝達することで、照明機器10の制御を行う。
【0051】
操作部44は、制御情報42aの設定変更を受付ける操作部であり、例えば、ディップスイッチやタッチパネル等により実現される。例えば、操作部44は、制御情報42aに登録されたIPアドレスや、各照明機器10のユニバース若しくはDMXアドレスの設定変更を受付けた場合は、認証部46に対して操作者の認証を要求する。そして、操作部44は、認証部46により操作者の認証が行われた場合は、操作者の操作に従って、制御情報42aの設定変更を行う。
【0052】
認証装置45は、操作者の認証を行うための各種認証手段である。例えば、認証装置45は、指紋や声紋等といった操作者の生体情報を用いた認証を行う場合は、操作者の生体情報を取得する生体情報取得装置により実現される。また、認証装置45は、操作者に対して付与されたICカードに登録されている認証用の情報を用いた認証を行う場合は、ICカードと非接触通信を行うための装置により実現される。また、認証装置45は、パスワードとユーザIDとの組合せを用いた認証を行う場合は、パスワードやユーザIDの入力を受付ける入力装置により実現される。
【0053】
認証部46は、操作者の認証を行う。例えば、認証部46は、操作部44から操作者の認証が要求された場合は、認証装置45を用いて、操作者から認証用の情報を取得する。また、認証部46は、認証テーブル42bを参照し、操作者から取得した認証用の情報と、認証テーブル42bに登録された認証用情報とが一致するか否かを判定する。
【0054】
そして、認証部46は、操作者から取得した認証用の情報と、認証テーブル42bに登録された認証用情報とが一致する場合は、操作者の認証が行われた旨を操作部44に通知することで、操作者から制御情報42aの設定変更を受付ける。また、認証部46は、操作者が行った操作内容や設定内容を操作情報や履歴情報として、認証が行われた操作者と対応付けて認証テーブル42bに登録する。
【0055】
一方、認証部46は、操作者から取得した認証用の情報と、認証テーブル42bに登録された認証用情報とが一致しなかった場合は、認証が行われなかった旨を操作部44に通知する。このような場合、操作部44は、操作者から制御情報42aの設定変更を受付けずに、処理を終了する。
【0056】
なお、
図2に示す機能構成のうち、認証部46は、例えば、各種の情報処理を実行する演算装置により実現される。このような演算装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路を採用できる。また、このような演算装置は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。そして、このような演算装置は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。
【0057】
(照明機器の機能構成について)
次に、
図5、
図6を用いて、照明機器10が有する機能構成の一例について説明する。
図5は、実施形態に係る照明機器が有する機能構成の一例について説明する図である。
図5に示す例では、照明機器10は、通信部11、認証装置12、光源部13、操作部14、記憶部15、および制御部16を有する。
【0058】
通信部11は、RDMノード40との間でRDM規格に沿った双方向通信を行う通信部であり、例えば、NIC等により実現される。
【0059】
認証装置12は、操作者の認証を行うための各種認証手段である。なお、認証装置12は、
図2に示すRDMノード40の認証装置45と同様の装置により実現され、認証装置45と同様の機能を発揮するものとして、詳細な説明を省略する。
【0060】
光源部13は、照明態様を制御可能な光源であり、例えば、制御部16の制御に従って、照度、照明する範囲、色彩等を制御可能なLED等の半導体発光素子により実現される。
【0061】
操作部14は、照明機器10が記憶する制御情報の設定変更を受付ける操作部である。なお、操作部14は、
図2に示すRDMノード40の操作部44と同様の装置により実現され、操作部44と同様の機能を発揮するものとして、詳細な説明を省略する。
【0062】
記憶部15は、照明機器10が有する揮発性または不揮発性のメモリであり、HDD、SSD、フラッシュメモリ、RAM等の記憶装置により実現される。また、
図5に示す例では、記憶部15には、制御情報15aおよび認証テーブル15bが登録されている。
【0063】
制御情報15aは、照明機器10が光源部13の制御に用いる制御情報である。例えば、
図6は、実施形態に係る照明機器が記憶する制御情報の一例を示す図である。
図6に示すように、制御情報15aには、「項目」と「制御情報」とが対応付けて登録されている。ここで、「項目」とは、対応付けられた制御情報の種別を示す項目である。また、「制御情報」とは、光源部13の制御に用いる制御情報である。
【0064】
例えば、
図6に示す例では、制御情報15aには、項目「ユニバース」と制御情報「1」とが対応付けて登録されており、項目「DMXアドレス」と制御情報「R:10、G:11、B:12、W:13」とが対応付けて登録されている。このような情報は、例えば、照明機器10を制御するためのユニバースの値が「1」である旨を示す。また、このような情報は、照明機器10の光源部13が出力する光のうち、赤色(R)の光を制御するためのDMXアドレスが「10」であり、緑色(G)の光を制御するためのDMXアドレスが「11」であり、青色(B)の光を制御するためのDMXアドレスが「12」であり、白色(W)の光を制御するためのDMXアドレスが「13」である旨を示す。
【0065】
図5に戻り、説明を続ける。認証テーブル15bは、操作者の認証を行うための認証情報が登録されている。なお、認証テーブル15bには、
図4に示す認証テーブル42bと同様の情報が登録されているものとして、詳細な説明を省略する。
【0066】
制御部16は、各種の情報処理を実行する演算装置であり、例えば、CPU、MPU等の電子回路や、ASIC、FPGA等の集積回路を採用できる。また、このような演算装置は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。そして、このような演算装置は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。
【0067】
図5に示す例では、制御部16は、照明制御部16aと、認証部16bとを有する。照明制御部16aは、照明制御装置50から受信した制御信号と制御情報15aとに基づいて、光源部13の照明態様を制御する。例えば、照明制御部16aは、照明制御装置50から受信した制御信号が示すDMXアドレスやユニバースが、制御情報15aとして登録されたユニバースやDMXアドレスと一致する場合は、制御信号に従って、光源部13の照明態様を制御する。より具体的な例を挙げると、照明制御部16aは、ユニバースの値が「1」、DMXアドレスの値が「12」である制御信号を受信した場合は、制御信号が示す操作内容に従って、光源部13が出力する青色の光を制御する。
【0068】
認証部16bは、認証テーブル15bに登録された情報と、認証装置12とを用いて、操作者の認証を行う。例えば、認証部16bは、
図2に示すRDMノード40の認証部46と同様に、操作部14から操作者の認証が要求された場合は、認証装置12を用いて、操作者の認証を行う。なお、認証部16bは、
図2に示す認証部46と同様の処理を実行するものとして、詳細な説明を省略する。
【0069】
(変換装置の機能構成について)
次に、
図7、
図8を用いて、変換装置30が有する機能構成の一例について説明する。
図7は、実施形態に係る変換装置が有する機能構成の一例について説明する図である。
図7に示す例では、変換装置30は、通信部31、記憶部32、制御部33、MOSFET34、認証装置35、および操作部36を有する。
【0070】
通信部31は、RDMノード40との間でRDM規格に沿った双方向通信を行う通信部であり、例えば、NIC等により実現される。
【0071】
記憶部32は、変換装置30が有する揮発性または不揮発性のメモリであり、HDD、SSD、フラッシュメモリ、RAM等の記憶装置により実現される。また、
図7に示す例では、記憶部32には、制御情報32aおよび認証テーブル32bが登録されている。
【0072】
制御情報32aは、変換装置30が照明機器20の制御に用いる制御情報である。例えば、
図8は、実施形態に係る変換装置が記憶する制御情報の一例を示す図である。
図8に示すように、制御情報32aには、「項目」と「制御情報」とが対応付けて登録されている。ここで、「項目」とは、対応付けられた制御情報の種別を示す項目である。また、「制御情報」とは、照明機器20の制御に用いる制御情報である。
【0073】
例えば、
図8に示す例では、制御情報32aには、項目「ユニバース」と制御情報「1」とが対応付けて登録されており、項目「DMXアドレス」と制御情報「30」とが対応付けて登録されている。このような情報は、例えば、照明機器20を制御するためのユニバースの値が「1」であり、DMXアドレスが「30」である旨を示す。
【0074】
図7に戻り、説明を続ける。認証テーブル32bは、操作者の認証を行うための認証情報が登録されている。なお、認証テーブル32bには、
図4に示す認証テーブル42bと同様の情報が登録されているものとして、詳細な説明を省略する。
【0075】
制御部33は、各種の情報処理を実行する演算装置であり、例えば、CPU、MPU等の電子回路や、ASIC、FPGA等の集積回路を採用できる。また、このような演算装置は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。そして、このような演算装置は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。
【0076】
図7に示す例では、制御部33は、変換部33aと認証部33bとを有する。変換部33aは、制御情報32aに基づいて、照明制御装置50から受信した照明機器20を制御するための制御信号をPWM信号に変換する。例えば、変換部33aは、制御情報32aとして登録された制御アドレスが示す照明機器20を制御するための制御信号を、PWM信号に変換する。
【0077】
例えば、変換部33aは、RDMノード40を介して照明制御装置50から受信した制御信号が示すDMXアドレスやユニバースが、制御情報32aとして登録されたユニバースやDMXアドレスと一致する場合は、制御信号が示す制御内容のPWM信号を生成し、MOSFET34に出力させる。より具体的な例を挙げると、変換部33aは、ユニバースの値が「1」、DMXアドレスの値が「30」である制御信号を受信した場合は、制御信号が示す操作内容を示すPWM信号を出力するように、MOSFET34のゲート電圧を制御することで、照明機器20が出力する光の明度を制御する。
【0078】
認証部33bは、認証テーブル32bに登録された情報と、認証装置35とを用いて、操作者の認証を行う。例えば、認証部33bは、
図2に示すRDMノード40の認証部46と同様に、操作部36から操作者の認証が要求された場合は、認証装置35を用いて、操作者の認証を行う。なお、認証部33bは、
図2に示す認証部46と同様の処理を実行するものとして、詳細な説明を省略する。
【0079】
MOSFET34は、PWM信号を照明機器20に出力する。例えば、MOSFET34は、変換部33aから入力されるゲート電圧の制御に従って、照明機器20へと流入する電流値を変化させることで、PWM信号を照明機器20に出力する。
【0080】
認証装置35は、操作者の認証を行うための各種認証手段である。なお、認証装置35は、
図2に示すRDMノード40の認証装置45と同様の装置により実現され、認証装置45と同様の機能を発揮するものとして、詳細な説明を省略する。
【0081】
操作部36は、変換装置30が記憶する制御情報の設定変更を受付ける操作部である。なお、操作部36は、
図2に示すRDMノード40の操作部44と同様の装置により実現され、操作部44と同様の機能を発揮するものとして、詳細な説明を省略する。
【0082】
(分電盤の機能構成について)
次に、
図9、
図10を用いて、分電盤100が有する機能構成の一例について説明する。
図9は、実施形態に係る分電盤が有する機能構成の一例について説明する図である。
図9に示す例では、分電盤100は、通信部110、記憶部120、電源部122、主幹ブレーカ123、分岐ブレーカ124(124−1〜124−n)、制御部130、表示部140、および認証装置150を有する。
【0083】
通信部110は、RDMノード40を介して照明制御装置50との間の通信を制御する通信装置であり、例えば、NIC等により実現される。
【0084】
記憶部120は、分電盤100が有する揮発性または不揮発性のメモリであり、HDD、SSD、フラッシュメモリ、RAM等の記憶装置により実現される。また、
図9に示す例では、記憶部120には、制御情報120aおよび認証テーブル120bが登録されている。
【0085】
制御情報120aは、分電盤100が照明機器10、20の制御に用いる制御情報である。例えば、
図10は、実施形態に係る分電盤が記憶する制御情報の一例を示す図である。
図10に示すように、制御情報120aには、「項目」と「制御情報」とが対応付けて登録されている。ここで、「項目」とは、対応付けられた制御情報の種別を示す項目である。また、「制御情報」とは、照明機器10、20の制御に用いる制御情報である。
【0086】
例えば、
図10に示す例では、制御情報120aには、項目「回路#1」と制御情報「漏電時ブレーカ:OFF」とが対応付けて登録されており、項目「回路#1」と制御情報「漏電時ブレーカ:ON」とが対応付けて登録されている。このような情報は、例えば、「回路#1」を流れる電流の量が所定の閾値を超えた場合は、対応するブレーカを「OFF」にすることで、電力供給を遮断し、「回路#2」を流れる電流の量が所定の閾値を超えた場合は、対応するブレーカを「ON」にし続けることで、電力供給を継続する旨を示す。
【0087】
図9に戻り、説明を続ける。認証テーブル120bは、操作者の認証を行うための認証情報が登録されている。なお、認証テーブル120bには、
図4に示す認証テーブル42bと同様の情報が登録されているものとして、詳細な説明を省略する。
【0088】
電源部122は、電力を供給する電源装置である。具体的には、電源部122は、各照明機器10、20に電力を供給する。例えば、電源部122は、後述する電力制御部131による制御に従って分岐ブレーカ124がONにされている場合に、かかる分岐ブレーカ124に対応する回路60に接続された照明機器10に電力を供給する。
【0089】
主幹ブレーカ123は、分電盤100が有する全ての回路60の電力供給をまとめて制御する。また、主幹ブレーカ123は、全ての回路60に流れる電流の量が所定値を超えると電力供給を遮断する。例えば、主幹ブレーカ123は、消費電力の増加や漏電等により、各配線を介して供給される電流の合計値が予め設定された所定の閾値を超えた場合に、電力供給を遮断する。
【0090】
分岐ブレーカ124(分岐ブレーカ124−1〜124−n)は、回路ごとに、回路60の電力供給を制御する。また、分岐ブレーカ124は、各回路60に流れる電流の量が所定値を超えると電力供給を遮断する。例えば、分岐ブレーカ124は、回路60に流れる電流が予め設定された所定の閾値を超えた場合に、かかる回路60の電力供給を遮断する。
【0091】
制御部130は、各種の情報処理を実行する演算装置であり、例えば、CPU、MPU等の電子回路や、ASIC、FPGA等の集積回路を採用できる。また、このような演算装置は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。そして、このような演算装置は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。
【0092】
図9に示す例では、制御部130は、電力制御部131、通知部132、および認証部133を有する。電力制御部131は、回路60への電力供給を制御する。例えば、電力制御部131は、回路60に対応する分岐ブレーカ124をONにすることで、回路60に電力を供給する。一例としては、電力制御部131は、分岐ブレーカ124をONにする指示を分岐ブレーカ124に出力することで、分岐ブレーカ124に対応する回路60に電力を供給する。また、電力制御部131は、回路60に対応する分岐ブレーカ124をOFFにすることで、回路60への電力供給を中止する。例えば、電力制御部131は、分岐ブレーカ124をOFFにする指示を出力することで、分岐ブレーカ124に対応する回路60への電力供給を遮断する。
【0093】
ここで、電力制御部131は、制御情報120aに基づいて、回路60への電力供給を制御する。例えば、電力制御部131は、分岐ブレーカ124−1が電力を供給する回路60−1を流れる電流の量が所定の閾値を超えた場合は、制御情報120aを参照し、回路60−1と対応する制御情報を確認する。そして、電力制御部131は、確認した制御情報が、「漏電時ブレーカ:OFF」である場合は、分岐ブレーカ124−1を作動させることで、回路60−1への電力供給を遮断する。一方、電力制御部131は、確認した制御情報が、「漏電時ブレーカ:ON」である場合は、分岐ブレーカ124−1を作動させずに、回路60−1への電力供給を継続させる。
【0094】
通知部132は、短絡や漏電等の発生を照明制御装置50へと通知する。例えば、通知部132は、回路60に流れる電流量が所定の閾値を超えた場合には、分岐ブレーカ124を作動させるか否かに関わらず、RDMノード40を介して、短絡や漏電などが発生した旨の通知を照明制御装置50へと送信する。
【0095】
認証部133は、認証テーブル120bに登録された情報と、認証装置150とを用いて、操作者の認証を行う。例えば、認証部133は、
図2に示すRDMノード40の認証部46と同様に、表示部140から操作者の認証が要求された場合は、認証装置150を用いて、操作者の認証を行う。なお、認証部133は、
図2に示す認証部46と同様の処理を実行するものとして、詳細な説明を省略する。
【0096】
表示部140は、各種の情報を表示する。具体的には、表示部140は、回路60に関する情報を表示する。より具体的には、表示部140は、各回路60−1〜60−nを流れる電流の量や短絡または漏電の有無等、分電盤100や照明機器10、20の制御に関する各種の情報を表示する。
【0097】
また、表示部140は、例えば、タッチパネル等により実現され、操作者からの操作を受付ける操作部として動作する。すなわち、表示部140は、分電盤100が記憶する制御情報の設定変更を受付ける操作部としても動作する。なお、表示部140は、
図2に示すRDMノード40の操作部44と同様の機能を発揮するものとして、詳細な説明を省略する。
【0098】
認証装置150は、操作者の認証を行うための各種認証手段である。なお、認証装置150は、
図2に示すRDMノード40の認証装置45と同様の装置により実現され、認証装置45と同様の機能を発揮するものとして、詳細な説明を省略する。なお、認証装置150は、例えば、利用者からユーザIDとパスワードとの入力を受付ける場合は、表示部140と一体として実現されてもよい。
【0099】
(実施形態に係る制御機器の処理手順)
次に、
図11を用いて、照明制御システム1における照明機器10、変換装置30、RDMノード40、および分電盤100が制御機器として実行する認証処理の流れの一例について説明する。
図11は、実施形態に係る制御機器が実行する認証処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0100】
例えば、制御機器は、利用者からの操作を受付けると(ステップS101)、認証を必要とする操作である認証対象操作であるか否かを判定する(ステップS102)。例えば、制御機器は、認証対象操作として、受付けた操作が制御情報の設定変更であるか否かを判定する。そして、制御機器は、操作が認証対象操作である場合は(ステップS102:Yes)、利用者の認証を行う(ステップS103)。
【0101】
また、制御機器は、利用者の認証が正常に行われたか否かを判定し(ステップS104)、認証が正常に行われた場合は(ステップS104:Yes)、利用者が入力した操作を受付けるとともに(ステップS105)、操作内容の履歴を登録して(ステップS106)、処理を終了する。例えば、制御機器は、制御情報の変更内容等を履歴として登録する。
【0102】
一方、制御機器は、利用者の認証が正常に行われなかった場合は(ステップS104:No)、操作を受付けずに、処理を終了する(ステップS107)。また、制御機器は、受付けた操作が認証対象操作ではない場合は(ステップS102:No)、ステップS103、S104に示す処理の実行をスキップし、ステップS105を実行する。
【0103】
[実施形態の変形例]
(制御機器および制御情報について)
上述した実施形態では、照明機器10や変換装置30は、制御情報として、DMX規格の制御におけるユニバースやDMXアドレス等を記憶した。また、RDMノード40は、制御情報として、DMX規格の制御におけるユニバースやDMXアドレスのみならず、自装置のIPアドレス等を記憶した。また、分電盤100は、制御情報として、回路60を流れる電流の量が所定の閾値を超えた場合に、対応するブレーカをOFFにするかONにし続けるかを示す情報を記憶した。そして、これらの制御機器は、制御情報の設定変更を受付けると、操作者の認証を行った。
【0104】
しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、照明制御システム1は、上述した照明機器10、変換装置30、RDMノード40、および分電盤100以外にも、照明機器10、20に関する制御を行う機器であれば、任意の機器を制御機器として有していてもよい。すなわち、照明機器10、20の制御に関する任意の情報を記憶する機器であって、照明制御装置50と双方向通信が可能であり、本体で制御情報の設定変更を受付けることができるのであれば、照明制御システム1は、任意の機器を制御機器として採用可能である。
【0105】
また、上述した各種の情報以外にも、照明機器10、20の制御に用いられる情報であれば、任意の情報を制御情報として採用可能である。例えば、照明機器10は、所定のテーブルを用いて色補正を行う場合がある。このような場合に、照明機器10は、かかる色補正に用いるテーブルを制御情報とし、色補正に用いるテーブルの設定変更を受付けた場合は、操作者の認証を行ってもよい。
【0106】
(バトン装置について)
ここで、上述した例では、RDMノード40は、バトン装置70を介して照明機器10と接続されていた。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、バトン装置70の中には、所謂スマートバトンと呼ばれる装置があり、RDMノード40と同様の機能を有する装置を内蔵するものがある。このような場合、バトン装置70は、RDMノード40と同様の機能を発揮してもよい。すなわち、バトン装置70は、制御情報の記録や制御情報の設定変更、操作者の認証等を実行してもよい。
【0107】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。