(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記印刷制御手段は、前記被貼付対象物情報に基づき、前記印刷物が前記被貼付対象物に貼付された場合に前記被貼付対象物の余白部分の面積が最も小さくなるように、前記用紙の枚数及び向きを決定し、当該枚数及び向きの前記用紙のそれぞれに対して、前記分割画像データを印刷させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0011】
《印刷物作成システム1の構成》
まず、
図1を参照して、本実施形態の構成を説明する。
図1は、本実施形態の印刷物作成システム1の概略構成図である。
【0012】
本実施形態の印刷物作成システム1は、ユーザの所望のPOP(Point of purchase advertising)データ(画像データ)を窓ガラス情報(被貼付対象物情報)及び用紙のサイズに応じて分割し、分割されたPOPデータを印刷することで、連続して配置される複数の被貼付対象物である窓ガラスに対して貼付される印刷物を作成できるシステムである。
【0013】
図1に示すように、印刷物作成システム1は、サーバ(印刷制御装置)4と、ユーザ端末であるスマートフォンやタブレット端末等の携帯端末2a、2bと、PC(personal computer)3a、3bと、印刷装置(印刷部)11と、を備えて構成され、各装置が通信ネットワークNを介して通信接続される。以下、携帯端末2a、2bやPC3a、3bを総称してユーザ端末と記すことがある。
【0014】
サーバ4は、販売促進のための広告媒体としてユーザ端末を介して作成されるPOPデータや、ユーザ端末を介して入力される窓ガラスのサイズ及び配置、並びに、窓ガラス同士の間の隙間として窓枠のサイズ等を含む窓ガラス情報を記録し、管理する。また、サーバ4は、ユーザ端末からの要求に応じて、作成する印刷物のサイズを選択するための新規作成画面5、窓ガラス情報を入力するための窓ガラス情報入力画面6、及び、ユーザがPOPデータを作成するためのPOP作成画面7等の表示情報をユーザ端末に配信する。
【0015】
携帯端末2a、2b及びPC3a、3b等のユーザ端末は、サーバ4から送信される各種表示情報を受信して表示し、またユーザの操作入力を受け付けてその操作情報をサーバ4へ送信する。
【0016】
印刷装置11は、電子写真式、インクジェット式等の家庭用プリンタで構成され、入力される印刷指示に応じて、各種プリント情報を用紙にプリントする。本実施形態では、分割されたPOPデータを複数の用紙に対して印刷する。ここで、用紙としては、家庭用プリンタにて使用可能であればいずれであっても良く、例えば、A4サイズやB5サイズ等の普通紙が用いられる。
【0017】
通信ネットワークNは、インターネットにより構成されているものとするが、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等を含めても良く、電話回線、専用線、移動体通信網、通信衛星網、CATV(Cable Television)回線等を含めても良い。
【0018】
また、印刷物作成システム1は、各種ユーザ端末で利用される他のアプリケーションプログラムを実行可能なように構成されていても良い。当該アプリケーションプログラムとしては、例えば、店舗の日別・月別の売上集計や分析を行う売上管理業務や、固定資産税や個人事業税等の納税処理を行う会計管理業務や、従業員の給与計算の処理を行う給与管理業務や、店舗の人員シフトの管理と従業員の勤怠管理の処理を行う就業管理業務や、関連事業者や従業員への通達文書の作成・管理を行う文書管理業務等を行うものが挙げられ、これらが実行可能とされていることで、印刷物作成システム1が経営支援システムとして機能するものとしても良い。
【0019】
《サーバ4の構成》
次いで、サーバ4の内部構成を説明する。
図2に、サーバ4の内部構成を示す。
【0020】
図2に示すように、サーバ4は、CPU(Central Processing Unit)41と、操作入力部42と、RAM(Random Access Memory)43と、サーバ表示部44と、記憶部45と、通信部46と、計時部47と、を備えて構成され、各部がバス48を介して接続されている。
【0021】
CPU41は、記憶部45に記憶されているシステムプログラムを読み出し、RAM43のワークエリアに展開し、当該システムプログラムに従って各部を制御する。また、CPU41は、記憶部45に記憶されている処理プログラムを読み出してワークエリアに展開し、後述する窓ガラス用印刷物作成処理のサーバ4側の処理を始めとする各種処理を実行し、取得手段、印刷制御手段及び表示制御手段として機能する。
【0022】
操作入力部42は、カーソルキー、文字、数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボードを含む構成とし、ユーザによる各キーの押下入力を受け付けてその操作情報をCPU41に出力する。また、操作入力部42は、マウス等のポインティングデバイスを含み、位置入力を受け付けて操作情報としてCPU41に出力することとしても良い。
【0023】
RAM43は、揮発性のメモリーである。また、RAM43は、実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を格納するワークエリアを有する。
【0024】
サーバ表示部44は、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等で構成され、CPU41からの表示制御信号に従って画面表示を行う。
【0025】
記憶部45は、磁気記録媒体を有するHDD(Hard Disk Drive)等により構成される。記憶部45には、CPU41で実行されるシステムプログラムや処理プログラム、Webサーバプログラム等のアプリケーションプログラム、これらのプログラムの実行に必要なデータ等が記憶されている。処理プログラムには、後述する窓ガラス用印刷物作成処理のサーバ4側の処理を始めとする各種処理を実行するためのプログラムが含まれる。
これらのプログラムは、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードの形態で記憶部45に格納されている。CPU41は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【0026】
また、記憶部45は、ユーザ端末から送信される各種データを記憶する。
例えば、記憶部45は、ユーザ端末を介して作成されたPOPデータ、ユーザ端末を介して入力された窓ガラス情報等を記憶する。
【0027】
通信部46は、モデム、TA(Terminal Adapter)、ルータ、ネットワークカード等により構成される。通信部46は、通信ネットワークN上のユーザ端末等の外部機器と通信接続してデータ送受信を行う。
【0028】
計時部47は、計時回路を内蔵し、現在の時刻及び日付を計時して現在の時刻情報として出力する。
【0029】
《PC3aの構成》
次いで、PC3aを例にとってユーザ端末の内部構成を説明する。
図3に、PC3aの内部構成を示す。
【0030】
図3に示すように、PC3aは、CPU31と、操作入力部32と、RAM33と、端末表示部34と、記憶部35と、通信部36と、を備えて構成され、各部がバス38を介して接続されている。本実施形態では、端末表示部34が表示部として機能する。
なお、PC3b及び携帯端末2a、2bもPC3aと同様に構成されている。
【0031】
CPU31、操作入力部32、RAM33、端末表示部34、記憶部35、通信部36は、それぞれ、サーバ4のCPU41、操作入力部42、RAM43、サーバ表示部44、記憶部45、通信部46の構成と同様であり、異なる部分を主として説明する。
【0032】
CPU31は、記憶部35に記憶されているシステムプログラムを読み出し、RAM33のワークエリアに展開し、当該システムプログラムに従って各部を制御する。また、CPU31は、記憶部35に記憶されている処理プログラムを読み出してワークエリアに展開し、後述する窓ガラス用印刷物作成処理のPC3a側の処理を始めとする各種処理を実行する。
【0033】
記憶部35は、磁気記録媒体を有するHDD等により構成される。記憶部35には、CPU31で実行されるシステムプログラムや処理プログラム、Webブラウザ等のアプリケーションプログラム、これらのプログラムの実行に必要なデータ等が記憶されている。当該処理プログラムには、後述する窓ガラス用印刷物作成処理のPC3a側の処理を始めとする各種処理を実行するためのプログラムが含まれる。
【0034】
通信部36は、通信ネットワークN上のサーバ4等の外部機器と通信を行う。
【0035】
《サーバ4の動作》
上記のように構成されるサーバ4により行われる窓ガラス用印刷物作成処理について、
図4〜
図11を参照して説明する。
図4は、窓ガラス用印刷物作成処理の一例を示すフローチャートである。
図5は、端末表示部34に表示される新規作成画面5を示す図である。
図6は、端末表示部34に表示される窓ガラス情報入力画面6を示す図である。
図7は、窓ガラスの余白部分の面積が最も小さくなるように用紙を縦向き又は横向きに配置した例を示す図である。
図8は、端末表示部34に表示されるPOP作成画面7を示す図である。
図9は、画像データ作成表示領域71上にPOPデータが作成された後のPOP作成画面7を示す図である。
図10は、窓枠表示領域(隙間表示領域)73を表示させた場合のPOP作成画面7を示す図である。
図11は、POPデータの文字の一部を編集した後のPOP作成画面7を示す図である。なお、
図10及び
図11中、斜線部分は窓枠表示領域73を示している。
【0036】
窓ガラス用印刷物作成処理は、ユーザが、窓ガラスに貼付される印刷物を作成しようとする任意のタイミングで行われる。例えば、作成される印刷物のサイズが一覧表示された、
図5に示す新規作成画面5の中から、ユーザにより窓ガラス選択ボタン50が選択されたときに、窓ガラス用印刷物作成処理を行う。新規作成画面5は、ユーザ端末の端末表示部34に表示される。なお、新規作成画面5の中から他のサイズ選択ボタン51〜59が選択された場合には、当該サイズ選択ボタン51〜59に応じたサイズの画像データ作成表示領域を有する表示画面(図示略)が端末表示部34に表示され、当該サイズの印刷物を作成することができる。
【0037】
ユーザにより窓ガラス選択ボタン50が選択されると、サーバ4のCPU41は、窓ガラス情報入力画面6をポップアップ表示した後、
図4に示すように、窓ガラス情報が取得されたか否かを判定する(ステップS101)。
図6に示すように、窓ガラス情報入力画面6は、窓ガラスのサイズとして「窓ガラス縦」及び「窓ガラス横」、窓ガラスの配置として「窓の枚数」、窓枠のサイズとして「窓枠の太さ」がそれぞれ入力可能に構成されている。
図6に示す例では、各入力欄に実測値が入力された後の画面を示しており、「窓ガラス縦」入力欄61に「970」mm、「窓ガラス横」入力欄62に「640」mm、「窓の枚数」入力欄63に「4」枚、「窓枠の太さ」入力欄64〜66にそれぞれ左側から「50」mm、「70」mm、「50」mmが入力されている。なお、
図6に示す例では、「窓の枚数」入力欄63に「4」が入力されており、「4」枚の窓ガラス同士の境目の数量は「3」であるため、「窓枠の太さ」入力欄64〜66が「3」個表示されているが、「窓の枚数」入力欄63に他の数値が入力された場合には、その値に応じて「窓枠の太さ」入力欄64〜66の個数が増減する。また、後述するPOP作成画面7に窓枠表示領域73を表示しない場合には、「窓枠の太さ」入力欄64〜66は表示されていなくても良いし、「窓枠の太さ」入力欄64〜66に数値が入力されなくても良い。
【0038】
ユーザにより「戻る」ボタン68が選択されると、窓ガラス情報が取得されないと判定され(ステップS101;NO)、CPU41は、窓ガラス情報入力画面6の画面表示を終了して窓ガラス用印刷物作成処理を終了し、再び新規作成画面5を端末表示部34に表示させる。
【0039】
一方、窓ガラス情報が入力された後、ユーザにより「OK」ボタン67が選択されると、窓ガラス情報が取得されたと判定され(ステップS101;YES)、CPU41は、当該窓ガラス情報に基づき、窓ガラス上に用紙を配置したときにその余白面積が最も小さくなる用紙の枚数及び向きを決定する(ステップS102)。ここで、用紙のサイズとしては、一般的な家庭用プリンタにて使用可能なA4サイズに設定されているものとして以下説明するが、用紙サイズはユーザにより任意に設定変更が可能である。また、窓ガラスに対する用紙の配置としては、いずれの用紙もその全面が窓ガラスに重なる、つまりいずれの用紙も窓ガラスからはみ出る部分(窓ガラスに重ならない部分)がないように配置され、かつ用紙同士が互いに重なり合わないように配置される。また、用紙の向きとしては、縦向き又は横向きから選択され、縦向きは用紙の長辺が縦方向に配置されること、横向きは用紙の長辺が横方向に配置されることをいうものとする。
なお、窓ガラス情報入力画面6にて、窓ガラス情報が入力されることなく「OK」ボタン67が選択された場合にはエラー表示が行われるものとしても良いし、窓ガラス情報が未入力の場合には「OK」ボタン67が選択されないように構成されているものとしても良い。
【0040】
具体的には、例えば、窓ガラス情報入力画面6で入力されたサイズの窓ガラスに対し、余白面積が最も小さくなるように縦向き又は横向きでA4サイズ用紙が配置された場合、
図7に示すような配置となる。すなわち、
図7においてはA4サイズ用紙の配置が実線a、窓ガラスの配置が破線bで示されており、
図7(a)は、用紙を縦向きに配置した場合、
図7(b)は、用紙を横向きに配置した場合をそれぞれ示している。
用紙を縦向きに配置した場合、縦向きA4サイズ用紙(以下、縦A4用紙ともいう。)の縦の長さは297mmであり、窓ガラスの縦の長さは970mmであるため、CPU41は、297×α
H<970<297×(α
H+1)となる整数α
H=3を算出する。また、縦A4用紙の横の長さは210mmであり、窓ガラスの横の長さは640mmであるため、CPU41は、210×β
H<640<210×(β
H+1)となる整数β
H=3を算出する。よって、A4サイズ用紙を縦向きに配置した場合には、
図7(a)に示すように、1枚の窓ガラスに対してα
H×β
H=9枚の縦A4用紙が配置される。したがって、余白面積は、窓ガラスの面積(970×640)−縦A4用紙9枚の面積(297×210×9)=59470mm
2となる。
用紙を横向きに配置した場合、横向きA4サイズ用紙(以下、横A4用紙ともいう。)の縦の長さは210mmであり、窓ガラスの縦の長さは970mmであるため、CPU41は、210×α
W<970<210×(α
W+1)となる整数α
W=4を算出する。また、縦A4用紙の横の長さは297mmであり、窓ガラスの横の長さは640mmであるため、CPU41は、297×β
W<640<297×(β
W+1)となる整数β
W=2を算出する。よって、A4サイズ用紙を横向きに配置した場合には、
図7(b)に示すように、1枚の窓ガラスに対してα
W×β
W=8枚の横A4用紙が配置される。したがって、余白面積は、窓ガラスの面積(970×640)−横A4用紙8枚の面積(210×297×8)=121840mm
2となる。
したがって、
図7に示す例においては、CPU41は、窓ガラスにA4サイズ用紙を配置したときに余白面積が最も小さくなる枚数及び向きは、縦A4用紙9枚を、窓ガラス情報入力画面6にて「窓の枚数」入力欄63に入力された「4」枚の窓ガラスにそれぞれ配置したときであるから、9×4=36枚及び縦向きであると決定する。
【0041】
なお、印刷装置11が縁なし印刷できない構成である場合には、CPU41は、当該印刷装置11における有効印字範囲に基づき、A4サイズ用紙の枚数及び向きを決定する。例えば、印刷装置11における非有効印字範囲の幅がX(mm)である場合、CPU41は、A4サイズ用紙のサイズを(297mm−Xmm)×(210mm−Xmm)と仮定して、窓ガラスにA4サイズ用紙を配置したときに余白面積が最も小さくなる枚数及び向きを決定する。この場合には、印刷物の作成後、非有効印字範囲を断裁又は折り曲げる等してから、窓ガラスに貼付することが好ましい。
【0042】
次に、CPU41は、
図4に示すように、POP作成画面7を端末表示部34に表示する(ステップS103)。
図8に示すように、POP作成画面7には、ユーザが作成しようとするPOPデータが表示される画像データ作成表示領域71が表示され、当該画像データ作成表示領域71の上方及び左方にはPOPデータを編集するための各種編集ボタン72が表示されている。画像データ作成表示領域71は、ステップS102で決定した枚数及び向きのA4サイズ用紙を、窓ガラスの余白部分の面積が最も小さくなるように配置されたときのサイズに応じた相対比の領域である。したがって、
図8に示す例においては、縦A4用紙を縦にα
H=3枚、横にβ
H×4(窓の枚数)=12枚配置した場合、つまり、縦が297mm×3枚=891mm、横が210mm×12枚=2520mmのサイズに応じた相対比の領域となっている。これにより、ユーザは、実際に作成される、窓ガラスに貼付可能なサイズの印刷物の縦横比を考慮してPOPデータを作成することができる。また、画像データ作成表示領域71には、配列されたと仮定される用紙同士の境目を示す補助線711が格子状に表示されており、印刷装置11が縁なし印刷できない構成である場合等に、ユーザが用紙同士の境目を考慮しながらPOPデータを作成することができる。
なお、ユーザによりPOP作成画面7の「設定」ボタン76が選択されて、補助線711が表示されないことが選択された場合、画像データ作成表示領域71上に補助線711が表示されないようにしても良い。この場合には、画像データ作成表示領域71上にはユーザにより作成されるPOPデータのみが表示されることとなるので、ユーザはPOPデータをより快適に作成できることとなる。
【0043】
次に、CPU41は、ユーザによる操作に基づきPOPデータを作成する(ステップS104)。例えば、POP作成画面7において、ユーザにより各種編集ボタン72が適宜選択・操作されることで、CPU41は、画像データ作成表示領域71上に
図9に示すようなPOPデータを作成することができる。ここで、ユーザにより「設定」ボタン76が選択されて、POP作成画面7に更に窓枠表示領域73を表示させることが選択された場合、CPU41は、
図10に示すように、POP作成画面7に画像データ作成表示領域71とともに窓枠表示領域73を表示する。より具体的には、画像データ作成表示領域71を、窓ガラス情報入力画面6の「窓の枚数」入力欄63に入力された窓ガラスの枚数「4」に対応して分割し、その間に、窓ガラス情報入力画面6の「窓枠の太さ」入力欄64〜66に入力された数値に基づく窓枠の相対比の窓枠表示領域73が表示される。したがって、窓枠表示領域73のうち、画像データ作成表示領域71同士の間の部分は、窓枠の実測値の相対比となっているが、画像データ作成表示領域71の周囲の部分は、実測値に基づくものではなく、予め設定されたサイズで表示されたものである。これは、実際に印刷物が複数の窓ガラスに貼付された際に、印刷物の見え方に影響を与える部分は主に窓ガラス同士の間の窓枠の太さであり、窓ガラスの周囲の窓枠の太さは印刷物の見え方にそれ程影響を与えないと考えられるためである。このような窓枠表示領域73が画像データ作成表示領域71とともに表示されることで、ユーザは、実際に印刷物が窓ガラスに貼付された際の見え方に近い状態でPOPデータの作成を行うことができる。
【0044】
また、
図10には、窓枠表示領域73とともに、窓ガラス情報入力画面6の「窓ガラス縦」入力欄61及び「窓ガラス横」入力欄62に入力された数値に基づく窓ガラスの相対比の窓ガラス表示領域74が表示されている。また、窓ガラス表示領域74は、「窓の枚数」入力欄63に入力された窓ガラスの枚数「4」に基づき、4つの領域で構成されている。各窓ガラス表示領域74は、上記「4」分割された画像データ作成表示領域71の外側であって、窓枠表示領域73の内側に配置される。このような窓ガラス表示領域74が表示されることで、実際に印刷物が窓ガラスに貼付された際の見え方により近い状態でPOPデータの作成を行うことができる。なお、図示例では、上記「4」分割された各画像データ作成表示領域71が、各窓ガラス表示領域74に対して縦方向及び横方向に中央揃えされて表示されているが、これに限られるものではない。例えば、CPU41は、ユーザによる操作に応じて、分割された各画像データ作成表示領域71を各窓ガラス表示領域74内において適宜配置変更するものとしても良い。
【0045】
ここで、例えば、
図10に示す例では、POPデータに「春の行楽フェア」の文字が含まれているが、「春の行楽フェア」のうち「楽」の文字及び「ェ」の文字が窓枠表示領域73によって分割されてしまっている。これを確認したユーザが「楽」及び「ェ」の文字が分割されていることにより印刷物の訴求力が低下すると判断した場合、ユーザにより各種編集ボタン72が適宜操作されることで、CPU41はPOPデータを更に編集することができる。例えば、
図11に示すように、ユーザによる操作に応じて、CPU41は当該「楽」及び「ェ」の文字が窓枠表示領域73によって分割されることがないように、「楽」の文字を含むオブジェクト及び「ェ」の文字を含むオブジェクトの位置を窓枠表示領域73から遠ざけるように矢印c方向に移動させる編集を行うことができる。これによって窓ガラスに貼付された場合であっても訴求力が低下しにくい印刷物を作成することができる。また、
図11においては、「楽」に隣接する「フ」の文字を含むオブジェクト、及び「ェ」に隣接する「ア」の文字を含むオブジェクトを併せて移動させた例を示しており、このような編集が行われることで、「春の行楽フェア」の文字全体のバランスが取られている。
なお、CPU41は、窓枠表示領域73の表示と同時に、POPデータを構成する文字のうち窓枠表示領域73の表示によって分割される文字を識別し、識別された文字を窓枠表示領域73の表示により分割されない位置に移動させるように編集を行うものとしても良い。
【0046】
次に、
図4に示すように、CPU41は、作成したPOPデータを記憶するか否かを判定する(ステップS105)。例えば、ユーザによりPOP作成画面7の「上書き保存」ボタン77又は「追加保存」ボタン78が選択されたか否かに基づき、POPデータを記憶するか否かを判定する。
【0047】
作成したPOPデータを記憶すると判定されると(ステップS105;YES)、CPU41は、作成したPOPデータを記憶部45に記憶させる(ステップS106)。一方、作成したPOPデータを記憶しないと判定されると(ステップS105;NO)、CPU41は、ステップS106の処理を省略する。
【0048】
次に、CPU41は、POPデータを印刷するか否かを判定する(ステップS107)。例えば、ユーザによりPOP作成画面7の「印刷」ボタン75が選択された否かに基づき、POPデータを印刷するか否かを判定する。
【0049】
POPデータを印刷すると判定されると(ステップS107;YES)、CPU41は、窓ガラス情報及び用紙のサイズに応じてPOPデータを分割して、ステップS102で決定された枚数及び向きのA4サイズ用紙に対して、印刷装置11により印刷する(ステップS108)。
具体的には、作成したPOPデータを、決定された枚数及び向きの用紙の配置に応じて(画像データ作成表示領域71の補助線711に沿って)36分割し、分割したPOPデータを画像データ作成表示領域71における左上から順番に、36枚の縦A4用紙に対して印刷装置11にて印刷する。なお、CPU41は、分割されたPOPデータとともに、分割前のPOPデータにおける位置を示す符号を併せて印刷するものとしても良い。例えば、画像データ作成表示領域71において左上から順に、符号として1〜36の数字を印刷しても良い。当該符号は、用紙の表面(POPデータが印刷される側の面)にPOPデータの内容に影響を与えないようなサイズ及び位置で印刷されるものとしても良いし、用紙の裏面に印刷されるものとしても良い。これらのような符号が印刷されていることで、ユーザは作成した印刷物をより容易に窓ガラスに添付することができる。
【0050】
また、POPデータを印刷しないと判定されると(ステップS107;NO)、CPU41は、ステップS108の処理を省略する。
【0051】
次に、CPU41は、POP作成画面7の画面表示を終了するか否かを判定する(ステップS109)。例えば、ユーザによりPOP作成画面7を閉じる操作、すなわち「戻る」ボタン79が選択されたか否かに基づき、画面表示を終了するか否かを判定する。POP作成画面7の画面表示を終了しないと判定されると(ステップS109;NO)、CPU41は、再びステップS104の処理を行い、新たなPOPデータを作成するものとしても良いし、作成が完了していないPOPデータの作成を再開するものとしても良い。POP作成画面7の画面表示を終了すると判定されると(ステップS109;YES)、CPU41は、POP作成画面7の表示を終了し、窓ガラス用印刷物作成処理を終了する。
以上のようにして窓ガラス用印刷物作成処理を行う。
【0052】
《本実施形態の技術的効果》
本実施形態によれば、連続して配置される複数の窓ガラスに貼付される印刷物の印刷を制御するサーバ4が、窓ガラスのサイズ及び配置を含む窓ガラス情報を取得し、取得された窓ガラス情報及び用紙のサイズに応じてPOPデータを分割し、分割されたPOPデータを、印刷装置11により印刷させるCPU41を備えるので、複数の窓ガラスに貼付される印刷物を家庭用のプリンタにより容易に作成することができる。
【0053】
また、CPU41は、窓ガラス情報に基づき、印刷物が窓ガラスに貼付された場合に窓ガラスの余白部分の面積が最も小さくなるように、A4サイズ用紙の枚数及び向きを決定し、当該枚数及び向きのA4サイズ用紙のそれぞれに対して、分割されたPOPデータを印刷させるので、複数の窓ガラスのサイズに収まる範囲で可能な限り大きな印刷物を作成することができ、訴求力の高い印刷物とすることができる。また、印刷物が複数の窓ガラスのサイズに収まり、窓ガラスからはみ出た状態で貼付されるといったことがないため、印刷物を更に断裁するといった手間を省くことができる。
【0054】
また、CPU41が、決定された枚数及び向きのA4サイズ用紙が、窓ガラスに貼付された場合に当該窓ガラスの余白部分の面積が最も小さくなるように配置されたときのサイズに応じた相対比の領域であって、取得されたPOPデータが表示される画像データ作成表示領域71を端末表示部34に表示させるので、ユーザは、実際に印刷物が窓ガラスに貼付されたときのサイズを意識してPOPデータを作成することができる。
【0055】
また、窓ガラス情報には、窓ガラス同士の間の窓枠のサイズが含まれ、CPU41が、当該窓ガラス情報に基づき、画像データ作成表示領域71とともに、窓枠に応じた相対比の窓枠表示領域73を端末表示部34に表示させるので、ユーザは、実際に印刷物が窓ガラスに貼付されたときのサイズ及び窓枠のサイズを意識してPOPデータを作成することができる。
【0056】
また、CPU41が、印刷装置11が縁なし印刷できない場合には、印刷装置11におけるA4サイズ用紙の有効印字範囲に基づき、A4サイズ用紙の枚数及び向きを決定するので、印刷装置11の構成によらず、複数の窓ガラスに収まる範囲内において可能な限り大きな印刷物を作成することができる。
【0057】
また、窓ガラスのサイズは、縦サイズ及び横サイズで構成されるので、ユーザは容易にその入力を行うことができる。
【0058】
《その他》
なお、上記実施形態における記述は、本発明に係る好適な経営支援装置の一例であり、これに限定されるものではない。
【0059】
例えば、上記した実施形態では、サーバ4は、ユーザ端末を介して入力された窓ガラス情報や、ユーザ端末を介して作成されたPOPデータを記憶部45に記憶させ、各種表示画面を表示部として機能する端末表示部34に表示させるものとしたが、これに限られるものではない。例えば、サーバ4が、操作入力部42から入力された窓ガラス情報や、操作入力部42により作成されたPOPデータ等を記憶部45に記憶し、各種表示画面を表示部として機能するサーバ表示部44に表示させるように構成されていても良い。また、PC3aが、操作入力部32から入力された窓ガラス情報や、操作入力部32により作成されたPOPデータ等を記憶部35に記憶し、各種表示画面を表示部として機能する端末表示部34に表示するように構成されていても良く、この場合にはPC3a自体が印刷制御装置として機能する。
【0060】
また、上記した実施形態では、被貼付対象物が建物における窓ガラスであるものとして説明したが、これに限られるものではなく、被貼付対象物は、連続して複数配置されるものであればいずれであっても良い。例えば、建物における扉やパーティション、コインロッカーにおける扉、収納キャビネットにおける扉や引き出し、車両等の移動体の窓や扉等を挙げることができ、本発明はこれらの被貼付対象物に対しても適用することができる。
【0061】
また、上記した実施形態では、印刷物作成システム1が、ユーザによる操作に基づき作成されたPOPデータを分割して印刷するものとしたが、これに限られるものではなく、通信部46を介して外部から取得された画像データ、又はユーザにより入力された画像データを分割して印刷するように構成されているものとしても良い。
【0062】
また、上記した実施形態では、複数の窓ガラスが全て同じサイズであることを前提として、窓ガラス情報入力画面6が構成されているものとしたが、複数の窓ガラスが互いに異なるサイズである場合にも対応可能なように、これを入力可能に構成されていても良い。また、複数の窓ガラスが横一列に連続して配置されていることを前提として、窓ガラス情報入力画面6が構成されているものとしたが、複数の窓ガラスが縦一列や縦及び横に連続して配置されている場合に、これを入力可能に構成されていても良い。また、複数の窓ガラスが全て矩形状であることを前提として、窓ガラス情報入力画面6が構成されているものとしたが、複数の窓ガラスが矩形状以外の形状である場合にも対応可能なように、これを入力可能に構成されていても良い。いずれの場合にも、入力された窓ガラス情報及び用紙のサイズに応じて、印刷物が窓ガラスに貼付された場合に余白部分の面積が最も小さくなるように用紙の枚数及び向きを決定し、当該用紙の枚数及び向きに基づき画像データ作成表示領域71が表示されることが好ましい。
【0063】
また、上記した実施形態では、窓ガラス情報入力画面6には「窓枠の太さ」入力欄64〜66が表示され、窓枠の太さが入力されるものとしたが、これに限られるものではない。例えば、窓ガラス同士の間に、窓枠だけでなく建物の壁面が存在するような場合に、窓ガラス同士の間の距離、すなわち窓枠の太さと当該壁面の長さを合計した長さを、「窓枠の太さ」入力欄64〜66に入力しても良い。
【0064】
また、上記した実施形態では、窓ガラス同士の間の隙間として窓枠のサイズのみを入力可能に窓ガラス情報入力画面6が構成されているものとしたが、窓ガラス同士の間のみならず、窓ガラスの周囲に配置される窓枠のサイズをも入力可能に構成されていても良い。この場合には、その入力内容に基づき、窓ガラスの周囲に配置される窓枠の相対比の窓枠表示領域73が表示されるものとしても良い。これにより、実際に印刷物が窓ガラスに貼付された際の見え方により近い状態でPOPデータの作成を行うことができる。
【0065】
上記した実施形態では、用紙の枚数及び向きを決定するに当たり、窓ガラスに重なるように配置された複数の用紙のいずれも窓ガラスからはみ出る部分(窓ガラスに重ならない部分)がなく、かつ各窓ガラスにおいて用紙が重ならない余白部分の面積が最も小さくなるように用紙を配置するものとしたが、これに限られるものではない。例えば、窓ガラスの全面が用紙に重なり、かつ用紙の窓ガラスからはみ出る部分(窓ガラスに重ならない部分)の面積が最も小さくなるように用紙を配置し、その枚数及び向きを決定するものとしても良い。この場合には、CPU41は、窓ガラスのサイズに応じた相対比の画像データ作成表示領域71を表示しても良い。また、この場合には、CPU41は、作成されたPOPデータを決定された枚数及び向きの用紙の配置に応じて分割し、上記窓ガラスに重ならない部分には画像が印刷されないように、分割したPOPデータを印刷するものとしても良い。このようにして印刷物が作成された場合には、ユーザは、当該印刷物のうち窓ガラスに重ならない部分を裁断して、これを取り除いた上で、窓ガラスに貼付するものとしても良い。
【0066】
また、上記した実施形態では、窓ガラス情報入力画面6にて窓ガラス情報が入力されるものとしたが、POP作成画面7において窓ガラス情報を入力・変更できるものとしても良い。
また、POP作成画面7において、窓枠表示領域73の色を変更できるものとしても良く、この場合には、窓枠表示領域73の色を実際の窓枠の色に変更することで、実際に印刷物が窓ガラスに貼付された際の見え方により近い状態でPOPデータの作成を行うことができる。
【0067】
また、上記した実施形態では、分割したPOPデータを画像データ作成表示領域71における左上から順番に符号を付し、左上から順番に印刷するものとしたが、符号及び印刷の順番はいずれであっても良い。
【0068】
また、上記した実施形態では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリー等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も適用される。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
連続して配置される複数の被貼付対象物に貼付される印刷物の印刷を制御する印刷制御装置において、
前記被貼付対象物のサイズ及び配置を含む被貼付対象物情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記被貼付対象物情報及び用紙のサイズに応じて画像データを分割し、分割された前記画像データを、印刷部により印刷させる印刷制御手段と、を備えることを特徴とする印刷制御装置。
<請求項2>
前記印刷制御手段は、前記被貼付対象物情報に基づき、前記印刷物が前記被貼付対象物に貼付された場合に前記被貼付対象物の余白部分の面積が最も小さくなるように、前記用紙の枚数及び向きを決定し、当該枚数及び向きの前記用紙のそれぞれに対して、分割された前記画像データを印刷させることを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
<請求項3>
決定された枚数及び向きの前記用紙が、前記被貼付対象物に貼付された場合に前記被貼付対象物の余白部分の面積が最も小さくなるように配置されたときのサイズに応じた相対比の領域であって、取得された前記画像データが表示される画像データ作成表示領域を表示部に表示させる表示制御手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の印刷制御装置。
<請求項4>
前記被貼付対象物情報には、前記被貼付対象物同士の間の隙間のサイズが含まれ、
前記表示制御手段は、前記被貼付対象物情報に基づき、前記画像データ作成表示領域とともに、前記隙間に応じた相対比の隙間表示領域を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項3に記載の印刷制御装置。
<請求項5>
前記印刷制御手段は、前記印刷部が縁なし印刷できない場合には、前記印刷部における前記用紙の有効印字範囲に基づき、前記用紙の枚数及び向きを決定することを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の印刷制御装置。
<請求項6>
前記被貼付対象物のサイズは、縦サイズ及び横サイズで構成されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の印刷制御装置。
<請求項7>
連続して配置される複数の被貼付対象物に貼付される印刷物の印刷を制御する印刷制御装置のコンピュータを、
前記被貼付対象物のサイズ及び配置を含む被貼付対象物情報を取得する取得手段、
前記取得手段により取得された前記被貼付対象物情報及び用紙のサイズに応じて画像データを分割し、分割された前記画像データを、印刷部により印刷させる印刷制御手段、
として機能させるためのプログラム。