【文献】
New version 対応! TOEIC TEST DS トレーニング 取扱説明書,株式会社IEインスティテュート,2007年,p.12-15
【文献】
EX-Word DATAPLUS 10 電子辞書 取扱説明書 XD-Y4800 XD-Y4900 [online],カシオ計算機株式会社,2016年,p.213-217,[2020年1月29日検索],インターネット,URL,https://support.casio.jp/storage/pdf/003/XD-Y4800_WA_JA.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る学習支援装置、学習支援システム、学習支援方法及びプログラムの実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
なお、以下では、学習支援装置が1つの学習支援装置1として構成されている場合について説明するが、例えば
図15に示すように、コンピュータ101やスマートフォン101、携帯情報端末101等とサーバコンピュータ102等とを無線通信やネットワーク等で結び、例えば、本発明を構成する機能の一部をコンピュータ101等が有し、残りの機能をサーバコンピュータ102等が担うように構成することで、本発明を、コンピュータ101等やサーバコンピュータ102等からなる学習支援システム100として構成することも可能である。また、この場合の学習支援システム100の構成や作用等については、以下で説明する学習支援装置1と同様に説明することが可能である。
【0013】
また、以下では、学習支援装置1(学習支援システム100)でTOEICのPart3やPart4に対応する聴き取り問題の学習を行う場合を例示して説明する。すなわち本実施形態では、学習支援装置1で、問題文を表す音声データを再生し、この問題文の音声を聴いたユーザに、その問題文に関連する複数の設問に対する回答を入力させる形式の聴き取り問題を学習させる場合について説明する。
【0014】
しかし、本発明は、このような英語の聴き取り学習だけでなく、国語の学習や他の言語の学習、日本語検定に対応する学習等を支援する場合にも適用される。すなわち、本発明は、1つの文章(問題文)について複数の問い(設問)に回答する形式の聴き取り問題の学習を支援する場合について分野を問わずに適用される。さらに、以下では、ユーザが設問に対して四択すなわち4つの選択肢の中から選択して回答する場合について説明するが、本発明はこのような場合には限定されない。
【0015】
さらに、以下では、設問における正解の答えを「解答」といい、ユーザが行った答えを「回答」という。すなわち、回答が解答と一致すれば正解となり、回答が解答と一致しない場合は不正解ということになる。
【0016】
[内容構成]
図1は、本実施形態に係る学習支援装置の内部構成を示すブロック図である。学習支援装置1は、CPU(Central Processing Unit)11と、表示部12と、入力部14と、スピーカ15と、記憶部16と、メモリ17等がバスに接続されて構成されている。
【0017】
表示部12は、液晶パネル等からなるディスプレイ13等を備えて構成されており、CPU11からの制御に従って、ディスプレイ13上に各種情報を表示させるようになっている。ディスプレイ13の画面上への表示例については、後述する学習支援装置1の動作の説明の中で例示する。
【0018】
入力部14は、ディスプレイ13上に配置されたタッチパネルで構成されており、ユーザがタッチパネルにタッチする等して入力操作を行うと、ユーザがタッチしたディスプレイ13上の位置情報や入力した内容等をCPU11に送信するようになっている。なお、入力部14を、タッチパネルで構成する代わりに、あるいはそれと併用して、キーボード等の他の入力手段で入力したりボタン操作でカーソルを移動させたりするように構成することも可能である。また、ユーザが他のコンピュータ等で入力した情報を学習支援装置1に送信して入力することができるように構成することも可能であり、学習支援装置1への入力の仕方は適宜の仕方を採用することが可能である。
【0019】
スピーカ15は、CPU11の制御に従って、後述するように問題文や設問を表す音声データを再生して、ユーザに対して発声するようになっている。例えば上記のTOEICのPart3、4用の聴き取り問題の例で言えば、スピーカ15は、CPU11の制御に従って、問題文を表す音声データを発声した後、各設問を表す音声データをそれぞれ発声するように構成される。
【0020】
記憶部16は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等で構成されており、記憶部16には、学習支援装置全体を制御する制御プログラム161(本発明に係るプログラムを含む。)等が記憶されている。また、記憶部16には、各問題ごとに問題文を表す音声データやそれに関連する複数の設問を表す音声データや文字データ等が問題データ162として記憶されている。また、図示を省略するが、各設問へのユーザの回答状況もデータ化して記憶部16に適宜保存される。
【0021】
例えば、TOEICのPart3、4用の聴き取り問題では、前述したように、1つの問題文につきそれに関連する複数の設問が出題されるため、以下、1つの問題文とそれに関連する複数の設問を「問題セット」というものとすると、TOEICのPart3やPart4用の問題データ162は、例えば
図2に示すように、問題セットごとに、少なくとも、問題文を表す音声データと、各設問を表す音声データ及び文字データと、各設問のそれぞれに対応する解答や解説が1セットとされて記憶されている。
【0022】
そして、音声データについては、問題セットごとに、1つの問題文を表す音声に続いて複数の設問を表す音声が順番に再生される形態で音声データが記憶部16に記憶されている。なお、
図2に示すように、問題データ162として、問題セットごとに、さらに他の情報(例えば問題文や各設問の英文や訳等)の情報もあわせて記憶させるように構成することも可能である。
【0023】
メモリ17は、例えばキャッシュメモリ等で構成されている。そして、CPU11の制御により記憶部16から送信されてきた問題データ162(すなわち問題文の音声や各設問の音声等のデータ)を一時的に保存する等して適宜使用されるようになっている。
【0024】
CPU11は、学習支援装置1の動作を制御するようになっている。具体的には、CPU11は、記憶部16に記憶されている制御プログラム161等のプログラムを読み出してRAMの作業領域に展開し、RAMに展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行するようになっている。
【0025】
[CPUの基本的な動作について]
本実施形態に係る学習支援装置1では、CPU11は、1つの問題文(文章)及びその問題文に関連した複数の設問(問い)を表す音声データを再生するようになっており、音声データの再生中に、ユーザに複数の設問に対する回答を順番に入力させるようになっている。そして、その際、ユーザによる回答の入力後に一時停止することなしに再生を継続する第1の再生制御(以下、連続再生モードという。)と、ユーザの回答の入力に応じて再生を一時停止した後に一時停止した位置からの再生を再開する第2の再生制御(以下、一時停止モードという。)と、ユーザの回答の入力に応じて再生位置を設定された再生位置に変更するとともに、変更された再生位置から再生を継続する第3の再生制御(以下、頭出しモードという。)のうちの少なくとも2つの再生制御を選択的に設定するように構成されている。
【0026】
そして、本実施形態では、CPU11は、1つの問題文(文章)を表す音声と、問題文に関連した複数の設問(問い)の各々を表す音声とを、決められた順番で再生していくように構成されている。そして、1つの問題文を表す音声と問題文に関連した複数の設問の各々を表す音声とが順番に再生されている任意のタイミングで、設問に対する回答を入力させることができるようになっている。そして、CPU11は、音声データの再生中に回答の入力が行われた任意のタイミングにおいて、上記の第1〜第3の再生制御のうちのいずれか設定されている再生制御に従って音声データの再生を制御するようになっている。
【0027】
[連続再生モードと一時停止モードとが選択的に設定できるように構成されている場合について]
以下、まず、CPU11が、連続再生モード(第1の再生制御)と一時停止モード(第2の再生制御)とが選択的に設定できるように構成されている場合について説明する。
【0028】
連続再生モード(第1の再生制御)では、後述するようにTOEICのPart3やPart4の試験を模して、問題文の音声や各設問の音声が一時停止されることなく連続して再生される。また、一時停止モード(第2の再生制御)では、ユーザが的確に学習を行うことができるように、後述するようにユーザの操作(すなわち回答の入力操作)があると問題文の音声や各設問の音声が一時停止されるようになっている。
【0029】
なお、例えば、TOEICのPart3等の聴き取り問題では、前述したように、各設問の音声の放送の間に無音の時間(すなわち無音の音声が再生される時間)が8秒間設けられている。そして、本実施形態に係る学習支援装置1においても、TOEICのPart3等の練習のためのコンテンツでは、各設問の音声を再生する際、各設問の音声の再生の間に無音の時間が設けられている。そのため、上記の連続再生モードで問題文の音声や各設問の音声が連続して再生されるといっても、上記の無音の時間がない状態で各設問の音声が次々と再生されるという意味ではなく、連続再生モードにおいても、各設問の間に例えば8秒間、無音の音声が再生される。
【0030】
[動作]
以下、学習支援装置1の動作について、
図3〜
図5に示すフローチャート等に基づいて説明する。なお、以下で説明する学習支援装置1の動作は、本発明に係る学習支援方法やプログラムに従って行われるため、以下の説明は、本発明に係る学習支援方法やプログラムについての説明にもなっている。
【0031】
本実施形態では、学習支援装置1のCPU11は、初期画面として、ディスプレイ13に、
図6に示すようなモード選択画面13Aを表示させるようになっている(ステップS1)。そして、ユーザが、モード選択画面13Aに表示された各モードのうち、例えば「テストする」をタッチして選択すると、CPU11は連続再生モード(第1の再生制御)を選択して設定し、例えばTOEICのPart1からPart7までを連続再生モードで再生するようになっている。
【0032】
また、ユーザが、モード選択画面13Aに表示された各モードのうち、例えば「Partごとに練習する」をタッチして選択すると、CPU11は一時停止モード(第2の再生制御)を選択して設定し、後述するように、練習するPartを選択させるPart選択画面13C(後述する
図10参照)を表示し、選択されたPartを一時停止モードで再生するようになっている。
【0033】
このように、CPU11は、一時停止モードと連続再生モードとのいずれかのモードで音声を再生させるかをモード選択画面13A上でのユーザのモード選択に基づいて選択的に設定するようになっている。
【0034】
また、図示を省略するが、本実施形態では、CPU11は、各モードを実行している最中でも、ユーザが例えば各画面中に表示されるモード切り換えのためのボタンにタッチする等して割り込み操作を行うと、ディスプレイ13上にモード選択画面13A(あるいはモードを切り換えるための画面)を表示し、その画面上でメニューを選択することで一時停止モードと連続再生モードとの間でモードを随時切り換えることができるように構成することも可能である。
【0035】
[連続再生モードにおける処理について]
CPU11は、モード選択画面13A上で「テストする」が選択されると(ステップS2:「テストする」)、TOEICの各Partを連続再生モード(第1の再生制御)で再生して出題して各Partのテストを行う(ステップS3〜S4)。
【0036】
なお、本実施形態では、ユーザが「テストする」を選択すると(ステップS2:「テストする」)、CPU11は、Part1から順にテストを開始させるようになっているが、ユーザが割り込み操作を行う等してテストするPart等の範囲を設定することができるようになっている。また、例えばユーザが「テストする」を選択した後でPart選択画面13C(後述する
図10参照)を表示させる等して、テストするPartの範囲や問題セットの範囲を設定するように構成することも可能である。
【0037】
[連続再生モードでの動作]
ここで、Part3のテスト(ステップS4)を行う場合を例として、この場合のCPU11の処理等を
図4に示すフローチャート等に基づいて説明し、連続再生モード(第1の再生制御)が設定された場合に行われる各処理について具体的に説明する。なお、以下では、説明を簡単にするために、ユーザが、テストするPart3の問題セットの範囲として、「問32−34」の問題セットと「問35−37」の問題セットとを設定した場合について説明する。
【0038】
CPU11は、まず、設定された範囲の最初の問題セット(この場合は「問32−34」の問題セット)を指定すると(ステップS21)、
図7に示すように、ディスプレイ13の表示画面13B上に、指定した問題セットの各設問の英文と設問ごとの回答の選択肢の各英文をそれぞれ表示させる(ステップS22)。
【0039】
このように、ディスプレイ13の表示画面13B上に、複数の設問の各文章(英文)と各設問ごとの回答の選択肢の文章(英文)を表示させることで、TOEICのPart3の試験を受ける場合と同じ状態で練習を行うことが可能となる。また、それとともに、表示画面13B上には、問題文の文章(英文)は表示されないため、ユーザは、問題文については自分の耳で聴き取らなければならないため、聴き取り問題の練習を的確に行うことが可能となる。
【0040】
なお、ユーザが回答する範囲を設定しない場合(すなわちPart3の全ての問題セットに回答する場合)には、表示画面13には問1から順に各設問や回答の選択肢が表示される。また、本実施形態では、
図7に示したように、表示画面13Bに各設問と選択肢の全てが表示できないため、画面を上下方向にスクロールさせることができるようになっている。
【0041】
そして、CPU11は、表示画面13B上に各設問の英文と選択肢の各英文をそれぞれ表示させると同時に、指定した問題セット(この場合は「問32−34」の問題セット)の問題文と各設問の音声の再生を開始させる(ステップS23)。この場合、前述したように、CPU11は、問題文や各設問の音声データを連続再生モードで再生するようになっており、連続再生モードでは、CPU11は、後述するように問題文の音声や複数の設問の音声の再生中にユーザが回答の選択肢を選択して回答を入力する操作を行っても、そのタイミングで音声の再生を一時停止させずに音声を連続的に再生させるようになっている。
【0042】
また、CPU11は、表示画面13B上への各設問や選択肢の各英文の表示や、問題文等の音声の再生の開始と同時に、最初の設問(この場合は問32)を指定し(ステップS24)、
図7に示すように、表示画面13Bの下方に、ユーザに指定した設問の回答を選択させて入力させるための複数の選択肢のアイコンIaaを表示させる(ステップS25)。
【0043】
そして、ユーザによりいずれかの選択肢のアイコンIaが選択されると(ステップS26:Yes。
図8参照)、CPU11は、選択された選択肢を当該設問の回答として記憶する(ステップS27)。そして、指定した問題セットの全ての設問に回答がなされたか否かを判断し(ステップS28)、この場合はまだ回答がなされていない設問(問33と問34)があるため(ステップS28:No)、次の設問(この場合は問33)を指定して(ステップS29)、ステップS25の処理に戻る。
【0044】
そのため、この場合は、表示画面13Bの下方の選択肢のアイコンIaの表示が、それまでの問32用の選択肢のアイコンIaの表示から、
図9に示すように問33用の選択肢のアイコンIaの表示に切り換わる。そして、CPU11は、ステップS25〜S28の各処理を上記と同様にして行う。
【0045】
本実施形態では、このように、問題文の音声の再生が開始される(ステップS23)と同時に選択肢のアイコンIaが表示されるため(ステップS25)、ユーザは、各設問の音声の再生が開始される前でも、選択肢のアイコンIaを選択して回答を入力することができる。このように、本実施形態では、ユーザは、設問の音声が再生されている間やその直後の無音の時間に当該設問に対して回答しなければならないということはなく、任意のタイミングで選択肢のアイコンIaを選択して回答を入力することができる。
【0046】
そして、本実施形態では、CPU11は、上記のように、ユーザが選択肢のアイコンIaを選択して回答を入力する操作を行ったタイミングで(ステップS26:Yes)、表示画面13B上に表示させる選択肢のアイコンIaを次の設問の選択肢のアイコンIaに切り換える。このように、連続再生モード(第1の再生制御)では、CPU11は、ユーザによる回答の入力後に一時停止することなしに音声データの再生を継続するようになっている。そのため、ユーザは、本番のTOEICのPart3の試験の場合と同様に各設問に次々と回答していくことが可能となり、本番の試験に対応した練習を的確に行うことが可能となる。
【0047】
なお、本実施形態では、ユーザが、ある設問(例えば
図7に示した問32)の回答が分からず、次の問題(例えば問33)の設問に回答したい場合には、「skip」のアイコンIbにタッチすることで選択肢のアイコンIaを次の設問用の選択肢のアイコンIa(例えば
図9参照)に切り換えることができるようになっている。なお、
図7等では図示を省略するが、例えばユーザが「戻る」のアイコンにタッチすると選択肢のアイコンIaを前の設問用の選択肢のアイコンIaに切り換えることができるように構成することも可能である。
【0048】
上記のようにして、指定した問題セット(この場合は「問32−34」の問題セット)の全ての設問に回答がなされると(ステップS28:Yes)、CPU11は、設定された全ての問題セットに回答がなされたか否かを判断する(ステップS30)。そして、この場合は、前述したように「問35−37」の問題セットも設定されているため(ステップS30:No)、CPU11は、次の「問35−37」の問題セットを指定して(ステップS31)、ステップS22からステップS30の各処理を上記と同様にして行う。
【0049】
なお、本実施形態では、上記のように構成されているため、ユーザが例えば「問32−34」の問題セットの全ての設問に回答し終わる(ステップS30:Yes)までに、「問32−34」の問題セットの問題文と各設問の音声の再生が終了してしまっている場合があり得る。
【0050】
すなわち、本番の試験では「問32−34」の問題セットの問題文と各設問の音声の放送が終了すると、ユーザが回答し終えているか否かにかかわらず次の「問35−37」の問題セットの問題文と各設問の音声の放送が開始されるが、本実施形態の学習支援装置1では、CPU11は、ユーザが「問32−34」の問題セットの全ての設問に回答し終わるのを待ち、全ての設問に回答すると、次の「問35−37」の問題セットの問題文と各設問の音声の再生が開始されるようになっている。
【0051】
本実施形態では、上記のようにユーザが「テストする」(
図6参照)を選択した場合であっても、それはあくまで本番の試験に向けての練習であるから、ユーザに各設問に回答させることが重要であるとの観点から上記のように構成されているが、本番の試験と同様に、「問32−34」の問題セットの問題文と各設問の音声の再生が終了すると、ユーザが「問32−34」の問題セットの各設問に回答し終えているか否かにかかわらず次の「問35−37」の問題セットの問題文と各設問の音声の再生が開始させるように構成することも可能である。
【0052】
CPU11は、設定された全ての問題セットに回答がなされたと判断すると(ステップS30:Yes)、
図3に示すメインフローに戻る。そして、各Partのテストが終了すると、各Partの問題や設問ごとに、ユーザの回答と、記憶部16(
図1参照)に記憶されている問題データ162の解答とを比較して正解や不正解の判定を行い、採点する(ステップS5)。なお、必要に応じてディスプレイ13上に点数を表示したり問題や設問ごとの正解・不正解を表示したりする。
【0053】
そして、CPU11は、ユーザにより所定の終了操作が行われなければ(ステップS6:No)、ディスプレイ13にモード選択画面13A(
図6参照)を表示させる処理(ステップS1)に戻り、所定の終了操作が行われた場合には(ステップS6:Yes)、学習支援装置1の各処理を終了させるようになっている。
【0054】
[一時停止モードにおける処理について]
一方、
図6に示したモード選択画面13A上で、ユーザが「Partごとに練習する」をタッチして選択すると(ステップS2:「Partごとに練習」)、CPU11は、
図10に示すように、練習するPartを選択させるためのPart選択画面13Cを表示させる(ステップS7)。そして、ユーザがPart選択画面13C上でPartを選択すると(ステップS8)、CPU11は、一時停止モード(第2の再生制御)で音声データを再生するようになっている。そして、ユーザは、選択したPartの練習を行うことができるようになっているが、ここでの練習は、上記のような実際の試験に即した練習ではなく、各設問に1問1答のように回答しながら学習していくようになっている。
【0055】
以下、ステップS8の選択処理でPart3が選択された場合(ステップS8:「Par3」)が選択され、Part3の練習(ステップS9)を行う場合を例として、この場合のCPU11の処理等を
図5に示すフローチャート等に基づいて説明し、一時停止モード(第2の再生制御)が選択されて設定された場合に行われる各処理について具体的に説明する。
【0056】
なお、以下においても、説明を簡単にするために、ユーザが、テストするPart3の問題セットの範囲として「問32−34」の問題セットと「問35−37」の問題セットとを設定した場合について説明する。また、
図5のフローチャートにおいて、
図4のフローチャートと同じ処理を行うステップについては、
図4のフローチャートと同じステップ番号が付されている。
【0057】
一時停止モードでは、CPU11は、ステップS21からステップS27までは、前述した連続再生モードの場合と同じ処理を行う。すなわち、CPU11は、設定された範囲の最初の問題セット(この場合は「問32−34」の問題セット)を指定し(ステップS21)、ディスプレイ13の表示画面13B上に、指定した問題セットの各設問の英文と設問ごとの回答の選択肢の各英文をそれぞれ表示させる(ステップS22。
図7参照)。
【0058】
そして、CPU11は、それと同時に、指定した問題セットの問題文と各設問の音声の再生を開始させる(ステップS23)とともに、最初の設問(この場合は問32)を指定し(ステップS24)、表示画面13Bの下方に、ユーザに指定した設問の回答を選択させて入力させるための選択肢のアイコンIaを表示させる(ステップS25)。
【0059】
そして、ユーザによりいずれかの選択肢のアイコンIaが選択されると(ステップS26:Yes。
図8参照)、CPU11は、選択された選択肢を当該設問の回答として記憶するが(ステップS27)、この一時停止モードでは、CPU11は、ユーザが選択肢のアイコンIaを選択して回答を入力する操作を行うと、そのタイミングで問題文や各設問の音声の再生を一時停止させるようになっている。
【0060】
なお、前述したように、連続再生モードの場合は、CPU11は、ユーザが選択肢のアイコンIaを選択して回答を入力する操作を行っても問題文や各設問の音声の再生を一時停止させずに再生させ続け、各設問に次々と回答させるように構成される。そのため、ユーザは、本番の試験に対応した練習を的確に行うことが可能となる。
【0061】
それに対し、この一時停止モードでは、上記のように、CPU11は、ユーザが選択肢のアイコンIaを選択して回答を入力する操作を行ったタイミングで問題文や各設問の音声の再生を一時停止させ、音声の再生を一時停止させている間に種々の処理を行うように構成することができる。そのため、その間にユーザの学習のための各処理を行うように構成することで、ユーザの学習の効果を的確に高めることが可能となる。
【0062】
なお、本実施形態では、ユーザが回答を入力する操作を行ったタイミングとは、表示画面13B上でユーザが選択肢のアイコンIaを選択して回答を入力する操作を完了した時点(すなわち選択肢のアイコンIaにタッチした指を画面から離した時点)とされている。ユーザが選択肢のアイコンIaにタッチした段階では、その状態でユーザが指を移動させて別の選択肢のアイコンIaを選択する可能性があり、回答が確定しないが、ユーザが選択肢のアイコンIaから指を離した時点では、その直前までユーザがタッチしていた選択肢のアイコンIaが選択されたものとして回答を確定することができるためである。
【0063】
音声の再生を一時停止させた時点でCPU11で行われる、ユーザが学習の効果を高めるための処理には種々のバリエーションがあり得る(なお、これらのバリエーションについては後で説明する。)。そして、学習支援装置1での学習の目的に応じて、この時点で適宜の処理を行わせるように構成することが可能である。
【0064】
本実施形態では、CPU11は、音声の再生を一時停止させると(ステップS41)、ユーザが回答した設問に対応する問題データ162(
図2参照)中の解答を参照して、ユーザの回答が正解であるか不正解であるかを判定して、
図11に示すように、正解や不正解を表す印(○や×)を表示画面13B上に表示させる(ステップS42)。なお、
図11では、ユーザが
図8に示したように選択肢「A」のアイコンIaを選択して回答したが不正解であり、正解は「B」であった場合が示されている。
【0065】
このように構成することで、ユーザは、設問に回答した時点でその回答が正解であったか不正解であったかを確認することができ、設問の内容を確認したり、当該設問に回答する際に考えたこと等をすぐに検証したり、設問等に対する理解を深めたりする機会を得ることができる。そのため、学習の効果を十分に高めることが可能となる。
【0066】
なお、上記のようにして音声の再生を一時停止した後(ステップS41)、ステップS42から後述するステップS46までの処理を行うことなく、ユーザによる音声の再生再開を指示する操作に応じて音声の再生を再開するように構成してもよい。また、この場合、ユーザの操作がなくとも、予め設定された時間だけ一時停止させ、その時間が経過した後に自動的に音声の再生を再開させるように構成してもよい。
【0067】
本実施形態では、CPU11は、ステップS42で
図11に示した状態を所定時間(例えば1秒間)継続した後、表示画面13Bを、
図12に示すように、「解説」のアイコンIcや「次へ」のアイコンIdが表示される状態に遷移させて、設問に対応する解説を表示可能な状態に遷移させる(ステップS43)。そして、ユーザが「解説」のアイコンIcにタッチして解説を表示させる操作を行った場合には(ステップS44:Yes)、ユーザが回答した設問に対応する問題データ162から当該設問に関する解答を読み出して、表示画面13B上に表示させる(ステップS45)。なお、ユーザの回答が不正解であった場合には、
図11に示した状態から解説を表示する状態に直接(すなわちユーザの操作を待たずに)遷移させるように構成することも可能である。
【0068】
このように構成することで、例えば回答が不正解であった場合に(回答が正解であった場合でも)、ユーザは表示画面13B上の「解説」のアイコンIcにタッチすれば画面上に当該設問に対応する解説を表示させることができるため、解説を読んで回答を誤った理由を考察したり設問の内容を確認する等して設問等に対する理解を深めることが可能となり、学習の効果を十分に高めることが可能となる。
【0069】
そして、このように、本実施形態に係る学習支援装置1では、CPU11は、モードが一時停止モードである場合には、ユーザが選択肢のアイコンIaを選択して回答を入力すると、ディスプレイ13の画面上に設問に対応する解説を表示させたり画面を設問に対応する解説を表示可能な状態に遷移させたりするが、モードが前述した連続再生モードである場合には、ユーザが選択肢のアイコンIaを選択して回答を入力しても、ディスプレイ13の画面上に解説を表示させず、あるいは解説を表示可能な状態には遷移させない、というように各モードで処理が異なっている。
【0070】
そして、このような違いを設けることで、連続再生モードの場合には試験の本番に向けた練習を、一時停止モードの場合には設問ごとに丁寧に学習していく練習を、それぞれ的確に行うことができるようになっている。
【0071】
また、前述した連続再生モードでは、CPU11は、ユーザが選択肢のアイコンIaを選択して回答を入力する操作を行ったタイミングで、表示画面13B上の選択肢のアイコンIaを次の設問の選択肢のアイコンIaに切り換えたが(
図8、
図9参照)、一時停止モードの場合には、
図11や
図12に示したように、CPU11は、ユーザが選択肢のアイコンIaを選択して回答を入力する操作を行っても、そのタイミングで選択肢のアイコンIaを次の設問の選択肢のアイコンIaに切り換えない。そのため、ユーザは、時間をかけて解説を見たり考えたりすることが可能となるため、学習の効果を十分に高めることが可能となる。
【0072】
一方、ユーザは、表示画面13Bが
図12に示した状態で表示されている状態で「次へ」のアイコンIdにタッチすることで(ステップS46)、音声の再生を再開させることができる。すなわち、CPU11は、ユーザにより「次へ」のアイコンIdがタッチされると(ステップS46:Yes)、一時停止中の音声の再生を再開させる(ステップS47)。
【0073】
その際、一時停止モードでは、CPU11は、一時停止中の音声を、一時停止された位置から再開させるようになっている。すなわち、CPU11は、一時停止モード(第2の再生制御)では、ユーザによる回答の入力に応じて音声データの再生を一時停止した後に、一時停止した位置からの再生を再開するようになっている。
【0074】
そして、これ以下の処理は連続再生モードの場合と同様であり、CPU11は、指定した問題セットの全ての設問に回答がなされたか否かを判断し(ステップS28)、この場合はまだ回答がなされていない設問(問33と問34)があるため(ステップS28:No)、次の設問(この場合は問33)を指定して(ステップS29)、表示画面13Bの下方の選択肢のアイコンIaの表示を、それまでの問32用の選択肢のアイコンIaの表示から、
図9に示したように問33用の選択肢のアイコンIaの表示に切り換える。そして、CPU11は、ステップS25以下の各処理を上記と同様にして行う。
【0075】
また、指定した問題セット(この場合は「問32−34」の問題セット)の全ての設問に回答がなされると(ステップS28:Yes)、CPU11は、設定された全ての問題セットに回答がなされたか否かを判断し(ステップS30)、この場合は、「問35−37」の問題セットも設定されているため(ステップS30:No)、CPU11は、次の「問35−37」の問題セットを指定して(ステップS31)、ステップS22以下の各処理を上記と同様にして行う。
【0076】
そして、CPU11は、設定された全ての問題セットに回答がなされたと判断すると(ステップS30:Yes)、
図3に示すメインフローに戻る。そして、ユーザにより所定の終了操作が行われなければ(ステップS6:No)、ディスプレイ13にモード選択画面13A(
図6参照)を表示させる処理(ステップS1)に戻り、所定の終了操作が行われた場合には(ステップS6:Yes)、学習支援装置1の各処理を終了させる。
【0077】
[モードの設定について]
以上では、連続再生モード(第1の再生制御)と一時停止モード(第2の再生制御)とを選択的に設定できるように構成されている場合について説明したが、連続再生モード(第1の再生制御)と頭出しモード(第3の再生制御)とを選択的に設定できるように構成したり、一時停止モード(第2の再生制御)と頭出しモード(第3の再生制御)とを選択的に設定できるように構成したり、あるいは、連続再生モード(第1の再生制御)と一時停止モード(第2の再生制御)と頭出しモード(第3の再生制御)との3つのモードを選択的に設定できるように構成することも可能である。
【0078】
[頭出しモードにおける処理について]
前述したように、頭出しモード(第3の再生制御)では、CPU11は、ユーザの回答の入力に応じて再生位置を設定された再生位置に変更するとともに、変更された再生位置から再生を継続するように構成されている。
【0079】
例えば、前述した一時停止モード(第2の再生制御)の場合、CPU11は、一時停止中の音声の再生を再開させる際、音声の再生は一時停止した位置から再開される。すなわち、例えば
図13(A)に示すように、設問の音声が再生されている途中でユーザが選択肢のアイコンIaにタッチして音声が一時停止された場合、ユーザは上記のように解説を読む等して当該設問に関する学習を一通り行った後、当該設問に関する学習を終えて次の設問に取り掛かるために「次へ」のアイコンIdにタッチすると、音声は、次の設問の音声ではなく、既に一通り学習を終えた設問の音声の途中の位置から再生が再開される。
【0080】
そして、例えば前述したTOEICの場合には、設問の残りの音声の後に8秒間の無音の時間(すなわち無音の音声が再生される時間)があり、その後でようやく次の設問の音声が再生されることになる。しかし、この場合、次の設問の音声の再生が開始されるまでに時間がかかり、次の設問に取り掛かろうとしているユーザは、その間、待っていなければならず、使い勝手が悪いと感じられてしまう可能性がある。
【0081】
そこで、そのような場合には、音声の再生を再開させる際、一時停止した位置からではなく、寧ろ
図13(B)に示すように次の設問の最初から音声の再生を行うように、再生位置(再生を再開する位置)を変更させることが望ましい。
【0082】
一方、前述した連続再生モード(第1の再生制御)のようにユーザが回答の入力を行っても音声の再生を一時停止しないも、設問の音声が再生されている途中でユーザが選択肢のアイコンIaにタッチして回答を行った場合、ユーザは、その後、その設問の音声の残りの部分や無音の音声が再生されるのを聞いて、その後でようやく次の設問の音声の再生が開始される。
【0083】
そのため、ユーザが回答した時点で音声の再生を一時停止させない場合でも、次の設問に早く取り掛りたいと考えるユーザには、次の設問の音声が再生されるまで待たなければならず、やはり使い勝手が悪いと感じられてしまう可能性がある。
【0084】
そのため、本実施形態に係る学習支援装置1(学習支援システム100等)では、上記のようにユーザの回答の入力があった際に音声の再生を一時停止させる場合も一時停止させない場合も、再生位置を、設定された再生位置(例えば上記のように次の設問の最初の位置)に変更し、音声の再生を、その変更された再生位置から継続する頭出しモード(第3の再生制御)が設けられている。
【0085】
そして、このように構成することで、ユーザは、この頭出しモード(第3の再生制御)を選択すれば、音声の再生を一時停止させないで連続的に再生させる場合には、ユーザが回答を入力した時点で、例えば次の設問の最初の位置からいわば頭出しされるようにして音声の再生が継続されるようになる。また、音声の再生を一時停止させる場合には、ユーザが回答を入力して音声の再生を一時停止させ、上記のように解説を読む等して当該設問に関する学習を一通り行い、「次へ」のアイコンIdにタッチした時点で、例えば次の設問の最初の位置から音声の再生が継続されるようになる。
【0086】
そのため、設問に回答したりそれに関する解説を読む等した後ですぐに次の設問に取り掛かりたいユーザは、この頭出しモード(第3の再生制御)を選択することで、すぐに次の設問に取り掛かることが可能となり、学習支援装置1(学習支援システム100等)がユーザにとって使い勝手が良いものになる。
【0087】
以下、具体的に説明する。頭出しモード(第3の再生制御)は、このように音声の再生を一時停止するか否かにかかわらず設定されるものであるため、例えば前述したPart3のテスト(
図4参照)の場合でもPart3の練習(
図5参照)の場合でも設定することができる。図やフローチャート等は省略するが、例えば
図6に示したモード選択画面13A上でユーザが「テストする」をタッチして選択すると、次の画面で、連続再生モード(第1の再生制御)で行うか頭出しモード(第3の再生制御)で行うかをユーザに選択させるように構成することが可能である。
【0088】
また、例えばモード選択画面13A上でユーザが「Partごとに練習する」をタッチして選択すると、次の画面で、一時停止モード(第2の再生制御)で行うか頭出しモード(第3の再生制御)で行うかをユーザに選択させるように構成することが可能である。
【0089】
そして、「テストする」が選択され、連続再生モード(第1の再生制御)が選択された場合には、CPU11は、上記のようにユーザによる回答の入力があっても音声を一時停止させることなく(頭出しされることもなく)再生させる。
【0090】
また、「テストする」が選択され、頭出しモード(第3の再生制御)が選択された場合には、CPU11は、上記のように再生位置を例えば次の設問の最初の位置に変更し、Part3のテストのフローチャート(
図4参照)において、選択肢のアイコンIaが選択され(ステップS26:Yes。すなわち回答が入力され)、次の設問を指定して(ステップS29)、指定した設問の複数の選択肢のアイコンIaを表示画面13B上に表示する(ステップS25)と同時に、変更した再生位置すなわち次の設問の最初の位置から音声の再生を継続させる。
【0091】
さらに、「Partごとに練習する」が選択され、一時停止モード(第2の再生制御)が選択された場合には、CPU11は、Part3の練習のフローチャート(
図5参照)において、ユーザが表示画面13Bの「次へ」のアイコンIdにタッチして(ステップS46)音声の再生を再開させる際(ステップS47)、一時停止中の音声を一時停止された位置から再開させる(
図13(A)参照)。
【0092】
また、「Partごとに練習する」が選択され、頭出しモード(第3の再生制御)が選択された場合には、CPU11は、再生位置を例えば次の設問の最初の位置に変更し、一時停止中の音声の再生を再開させる際(ステップS47)、変更した再生位置すなわち次の設問の最初の位置から音声の再生を再開させて継続させるようになっている。
【0093】
なお、各設問ではなく問題文が再生されている最中にユーザによる回答の入力があった際に上記の頭出しモード(第3の再生制御)が実行され、再生位置が最初の設問の最初の位置に変更されて頭出しされてしまうと、問題文の残りの部分に各設問の回答に必要な内容が含まれている可能性があるにもかかわらずユーザがそれを聞くことができなくなるため、頭出しモード(第3の再生制御)が設定されている状態で、問題文が再生されている最中にユーザによる回答の入力があった場合には再生位置を変更しないように構成することが望ましい。すなわち、再生位置の変更は、問題文ではなく設問の音声が再生されている最中にユーザによる回答の入力があった場合に行われるように構成することが望ましい。
【0094】
[効果]
以上のように、本実施形態に係る学習支援装置1(学習支援システム100、学習支援方法、プログラム)によれば、CPU11は、1つの文章(問題文)及びその文章に関連した複数の問い(設問)を表す音声データを再生し、音声データの再生中に複数の問いに対する回答を順番に入力させることができるように構成されている。そして、回答の入力後に一時停止することなしに再生を継続する第1の再生制御(連続再生モード)と、回答の入力に応じて再生を一時停止した後に一時停止した位置からの再生を再開する第2の再生制御(一時停止モード)と、回答の入力に応じて再生位置を設定された再生位置に変更するとともに、変更された再生位置から再生を継続する第3の再生制御とのうちの少なくとも2つの再生制御を選択的に設定することができるように構成した。
【0095】
そのため、ユーザは、第1の再生制御(連続再生モード)を選択すれば、ユーザによりいずれかの選択肢のアイコンIaが選択されたタイミングで文章(問題文)や問い(設問)の音声の再生を一時停止させずに音声を連続的に再生させるため、ユーザは、TOEIC等の本番の試験と同様の状態で練習を行うことができる。そのため、本実施形態に係る学習支援装置1等によれば、連続再生モードでは、ユーザが本番の試験に対応した練習を効果的に行うことが可能となる。
【0096】
また、ユーザは、第2の再生制御(一時停止モード)を選択すれば、音声の再生が一時停止されている間に回答が正解であるか否かを確認したり、解説を読んだり、問い(設問)に回答する際に考えたことを検証する等して、文章(問題文)や問い(設問)への理解を深めたりすることができる。そのため、本実施形態に係る学習支援装置1等によれば、ユーザの学習の効果を的確に高めることが可能となる。
【0097】
さらに、ユーザは、第3の再生制御(頭出しモード)を選択すれば、音声の再生を再開、継続させる際に、例えば次の設問の最初の位置から音声を再生することが可能となる。そのため、ユーザが回答を入力した時点で再生されていた問い(設問)の音声の残りの部分を聞いたり無音の音声を聞いたりすることなくすぐに次の問い(設問)に取り掛かることが可能となり、学習支援装置1等がユーザにとって使い勝手が良いものになる。
【0098】
そして、本実施形態に係る学習支援装置1等では、ユーザが、設定により、第1〜第3の再生制御のいずれで音声を再生させるかを選択的に設定することができるため、ユーザが学習の目的(本番の試験に対応した練習を行うか、文章(問題文)や問い(設問)ごとに丁寧に学習していく練習を行うか、すぐに次の問い(設問)に取り掛かることができるようにするか)に応じて再生制御の仕方を適宜選択して設定することで、学習の目的に応じた練習を的確に行うことが可能となり、学習の効果をより的確に高めることが可能となる。
【0099】
なお、上記の実施形態では、「Part3のテスト」(メインフロー(
図3参照)のステップS4)の処理と「Part3の練習」(ステップS9)の処理とを、別々のフローチャート(
図4及び
図5参照)に基づいて説明した。しかし、上記のように、2つのフローチャートで異なる部分は、
図5のフローチャートにおけるステップS41〜S47の各処理を行うか否かだけである。
【0100】
そのため、例えば
図14に示すように、ステップS27の処理の後にモードが連続再生モード(第1の再生制御)か否かを判断する判断処理(ステップS48)を追加し、連続再生モード(第1の再生制御)でなければ(ステップS48:No。すなわち一時停止モード(第2の再生制御)や頭出しモード(第3の再生制御)の場合には)、ステップS41〜S47の各処理を行い、連続再生モード(第1の再生制御)であれば(ステップS48:Yes)、ステップS41〜S47の各処理をスキップするように構成すれば、
図4と
図5の各フローチャートを1つのフローチャートにまとめることができる。
【0101】
一方、前述したように、一時停止モード(第2の再生制御)を設定した場合や、音声を一時停止させる際に頭出しモード(第3の再生制御)を設定した場合において、音声の再生を一時停止させた時点でCPU11で行われる、ユーザが学習の効果を高めるための処理には種々のバリエーションがあり得る。例えば、ユーザの回答が不正解であった場合に、画面を
図12に示した状態に遷移させる代わりに、ユーザの操作を待たずに解説を表示する画面に自動的に遷移させるように構成することが可能であることは既に説明した。
【0102】
また、例えば、上記の実施形態では、音声の再生を一時停止させた時点で正解か不正解かの判定を行って表示する際に(ステップS42)、
図11等で示した例では、ユーザが選択した選択肢のアイコンIaに×を付け、正解の選択肢のアイコンIaに○を付けて正解を明示する場合を示した。しかし、不正解であった場合は、正解を明示せずに、ユーザが間違えた設問の音声を再度再生させてその問題に再度回答させるように構成することも可能である。
【0103】
また、例えば、1つの問題セットの各設問に全て正解するまで当該問題セットの練習を繰り返し行わせるように構成することも可能である。この場合、最後の設問の音声再生を終了した後、再び同じ問題グループの問題文の音声再生を最初から開始させるように構成することも可能である。
【0104】
このように、本発明に、上記のようなユーザの学習効果を高めることが可能な処理を追加することは可能であり、このような改良は適宜行うことが可能である。
【0105】
ところで、前述したTOEICのPart3、4の場合は、上記のように1つの文章(問題文)に対して複数の問い(設問)が設定されているが、TOEICのPart1やPart2の場合は、1つの文章に関連して1つの問いに回答させるようになっている。そして、本実施形態に係る学習支援装置1等では、
図3等に示したように、Part1等のテストを行ったり練習したりすることができるようになっている。
【0106】
そのため、本実施形態では、学習支援装置1等の記憶部16(
図1参照)には、問題データ162として、前述した1つの文章に関連して複数の問いに回答させる問題セット(
図2参照。以下、この形式の問題セットを第1形式の問題セットという。)のほかに、1つの文章に関連して1つの問いに回答させる第2形式の問題セット(図示省略)も記憶されている。なお、種々の学習内容に応じて他の形式の問題セットが記憶されていてもよい。
【0107】
そして、前述したように、第1形式の問題セットにおいては、問題セットごとに、1つの文章を表す音声に続いて複数の問いを表す音声が順番に再生される形態で音声データが記憶部16に記憶されているが、第2形式の問題セットにおいても同様に、問題セットごとに、1つの文章を表す音声に続いて1つの問いを表す音声が順番に再生される形態で音声データが記憶部16に記憶されている。
【0108】
そして、CPU11は、前述したように、記憶部16に記憶されている複数の問題セットの中から出題する問題セットを指定すると、第1形式の問題セットが指定された場合には、前述したように、選択的に設定された第1の再生制御(連続再生モード)、第2の再生制御(一時停止モード)、第3の再生制御(頭出しモード)のいずれかの再生制御で音声の再生を実行する。
【0109】
また、上記の第2形式の問題セットが指定された場合も、第1の再生制御(連続再生モード)、すなわち、その問題セットについては、ユーザによる回答の入力後に音声データの再生を一時停止することなしに再生を継続して1つの文章と1つの問いの最後まで再生する再生制御を選択的に設定することができるように構成することが可能である。そして、この第1の再生制御を選択すれば、学習支援装置1等でTOEICのPart1やPart2等のテストを行う際に、本番の試験と同様の状態で練習を行うことが可能となる。
【0110】
しかし、第2形式の問題セットでは、上記のように1つの文章に関連して1つの問いしかなく次の問い(設問)がないため、第2形式の問題セットに対して、例えば上記の第2の再生制御(一時停止モード)のようにユーザによる回答入力後に音声データの再生を一時停止させ、ユーザの回答後に再生を再開させても、問い(設問)の残りの部分の音声が再生されるだけであり、意味がない。また、第2形式の問題セットに対して、例えば上記の第3の再生制御(頭出しモード)を行おうとしても、次の問い(設問)がないため頭出しができず、やはり意味がない。
【0111】
そのため、CPU11は、上記の第2形式の問題セット、すなわち1つの文章に関連して1つの問いに回答させる第2形式の問題セットに対しては、上記の第1の再生制御(連続再生モード)と、ユーザの回答の入力に応じて音声データの再生を終了する第4の再生制御のいずれか選択された再生制御を実行するように構成することが可能である。すなわち、第4の再生制御では、ユーザが回答を入力した時点で音声データの再生を停止させるが、その後、再生を再開させることなく終了させてしまうように構成される。
【0112】
なお、この場合も、CPU11は、ユーザが入力した回答が正解であるか不正解であるかを判定して画面上に正解や不正解を表す印を表示させたり(
図11参照)、画面上に「解説」のアイコンを表示する等して問いに対応する解説を表示可能な状態(
図12参照)に遷移させたりするように構成される。
【0113】
このように構成すれば、ユーザは、学習支援装置1等で、TOEICのPart3やPart4等のテストや練習を行う場合は、第1〜第3の再生制御のいずれかを選択して設定し、TOEICのPart1やPart2等のテストや練習を行う場合は、第1の再生制御と第4の再生制御のいずれかを選択して設定することが可能となる。そして、ユーザは、第1の再生制御を選択すれば、本番の試験に対応した練習を効果的に行うことが可能となり、第2〜第4の再生制御を選択すれば、音声の再生が一時停止(あるいは終了)されている間に回答が正解であるか否かを確認したり、解説を読んだり、設問に回答する際に考えたことを検証する等して、問題や設問への理解を深めたりすることができる。そのため、ユーザの学習の効果を的確に高めることが可能となる。
【0114】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施形態等に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
[付記]
<請求項1>
1つの文章及び前記文章に関連した複数の問いを表す音声データを再生する再生手段と、
前記再生手段による前記音声データの再生中に、前記複数の問いに対する回答を順番に入力させる入力手段と、
前記入力手段での回答の入力後に一時停止することなしに再生を継続する第1の再生制御、前記入力手段での回答の入力に応じて再生を一時停止した後に前記一時停止した位置からの再生を再開する第2の再生制御、前記入力手段での回答の入力に応じて再生位置を設定された再生位置に変更するとともに、前記変更された再生位置から再生を継続する第3の再生制御、のうちの少なくとも2つの再生制御を選択的に設定する設定手段と、
を備えた学習支援装置。
<請求項2>
前記入力手段は、前記再生手段による前記音声データの再生中において、表示手段の画面上に、前記複数の問いのうちの1つの問いの回答を選択させて入力させるための選択肢を表示させ、前記表示された選択肢を選択する入力操作があった後に、次の問いの回答を選択させて入力させるための選択肢の表示へと進ませる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の学習支援装置。
<請求項3>
前記入力手段は、
前記設定手段により設定された再生制御が少なくとも前記第1の再生制御である場合には、前記回答の入力があったタイミングで、前記表示手段の画面上に表示させる前記選択肢を次の前記問いの前記選択肢に切り換えるが、
前記設定手段により設定された再生制御が少なくとも前記第2の再生制御である場合には、前記タイミングでは、前記表示手段の画面上に表示させる前記選択肢を次の前記問いの前記選択肢に切り換えないことを特徴とする請求項2に記載の学習支援装置。
<請求項4>
前記タイミングは、前記回答の入力が完了した時点であることを特徴とする請求項3に記載の学習支援装置。
<請求項5>
前記再生手段は、前記1つの文章を表す音声データと、前記文章に関連した複数の問いの各々を表す音声データとを、決められた順番で再生していき、
前記入力手段は、前記再生手段により前記1つの文章を表す音声データと、前記文章に関連した複数の問いの各々を表す音声データとが順番に再生されている任意のタイミングで、前記問いに対する回答を入力させることが可能であり、
前記再生手段による前記音声データの再生中に前記入力手段による入力が行われた任意のタイミングにおいて、前記設定手段により設定された再生制御に従って前記音声データの再生を制御する制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の学習支援装置。
<請求項6>
1つの文章に関連して複数の問いに回答させる第1形式の問題セットと、1つの文章に関連して1つの問いに回答させる第2形式の問題セットとを含む複数の問題セットのそれぞれについて、前記1つの文章の音声に続いて1又は複数の問いの音声が順番に再生される形態で前記音声データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている複数の問題セットの中から出題する問題セットを指定する指定手段と、
前記指定手段により前記第1形式の問題セットが指定された場合には、前記設定手段により設定された前記第1の再生制御、前記第2の再生制御、前記第3の再生制御のうちの少なくとも2つの再生制御を可能とし、前記指定手段により前記第2形式の問題セットが指定された場合には、前記第1の再生制御又は前記入力手段での回答の入力に応じて再生を終了する第4の再生制御のいずれかを実行する制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の学習支援装置。
<請求項7>
前記設定手段により設定された再生制御が少なくとも前記第2の再生制御である場合に、前記音声データの再生を一時停止したタイミングで、前記問いに対して入力された前記回答が正解であるか不正解であるかを判定する判定手段と、
前記判定手段が判定した正解又は不正解を表示手段の画面上に表示させる制御を行う表示制御手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の学習支援装置。
<請求項8>
前記表示制御手段は、前記設定手段により設定された再生制御が少なくとも前記第2の再生制御である場合に、前記回答の入力があると、前記表示手段の画面を、前記問いに対応する解説を表示する画面に遷移させることを特徴とする請求項7に記載の学習支援装置。
<請求項9>
前記表示制御手段は、
前記設定手段により設定された再生制御が少なくとも前記第2の再生制御である場合には、前記回答の入力があると、前記表示手段の画面を、前記問いに対応する解説を表示する画面に遷移させるが、
前記設定手段により設定された再生制御が少なくとも前記第1の再生制御である場合には、前記回答が入力されても、前記表示手段の画面を、前記問いに対応する解説を表示する画面に遷移させないことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の学習支援装置。
<請求項10>
前記再生手段は、前記設定手段により設定された再生制御が前記第3の再生制御であり、前記問いの音声データを再生させている際に前記回答の入力があった場合、前記再生位置を、当該問いの次の前記問いの最初の位置に変更して前記音声データの再生を継続させることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の学習支援装置。
<請求項11>
前記入力手段は、前記再生手段による前記音声データの再生中に、表示手段の画面上に、前記複数の問いの各文章及び前記問いごとの回答の選択肢の文章を表示させることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の学習支援装置。
<請求項12>
1つの文章及び前記文章に関連した複数の問いを表す音声データを再生する再生手段と、
前記再生手段による前記音声データの再生中に、前記複数の問いに対する回答を順番に入力させる入力手段と、
前記入力手段での回答の入力後に一時停止することなしに再生を継続する第1の再生制御、前記入力手段での回答の入力に応じて再生を一時停止した後に前記一時停止した位置からの再生を再開する第2の再生制御、前記入力手段での回答の入力に応じて再生位置を設定された再生位置に変更するとともに、前記変更された再生位置から再生を継続する第3の再生制御、のうちの少なくとも2つの再生制御を選択的に設定する設定手段と、
を備えた学習支援システム。
<請求項13>
1つの文章及び前記文章に関連した複数の問いを表す音声データを再生する再生ステップと、
前記再生ステップでの前記音声データの再生中に、前記複数の問いに対する回答を順番に入力させる入力ステップと、
前記入力ステップでの回答の入力後に一時停止することなしに再生を継続する第1の再生制御、前記入力ステップでの回答の入力に応じて再生を一時停止した後に前記一時停止した位置からの再生を再開する第2の再生制御、前記入力ステップでの回答の入力に応じて再生位置を設定された再生位置に変更するとともに、前記変更された再生位置から再生を継続する第3の再生制御、のうちの少なくとも2つの再生制御を選択的に設定する設定ステップと、
を含む学習支援方法。
<請求項14>
コンピュータを、
1つの文章及び前記文章に関連した複数の問いを表す音声データを再生する再生手段と、
前記再生手段による前記音声データの再生中に、前記複数の問いに対する回答を順番に入力させる入力手段と、
前記入力手段での回答の入力後に一時停止することなしに再生を継続する第1の再生制御、前記入力手段での回答の入力に応じて再生を一時停止した後に前記一時停止した位置からの再生を再開する第2の再生制御、前記入力手段での回答の入力に応じて再生位置を設定された再生位置に変更するとともに、前記変更された再生位置から再生を継続する第3の再生制御、のうちの少なくとも2つの再生制御を選択的に設定する設定手段、
として機能させるためのプログラム。