【文献】
小比賀 亮仁ほか,自動運転を支えるアプリケーション安定実行制御基盤,情報処理学会 研究報告 システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS),情報処理学会,2017年 3月 1日,pp.1-13
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
[1.リソース監視システムの全体構成]
本発明の発明者の見地によれば、産業機器の動作を解析するためのアプリケーションをコンピュータに実行させる際に、コンピュータのリソースを使用しすぎてしまうと、アプリケーションの動作解析や当該コンピュータが実行する他の処理に支障が生じる可能性がある。そこで、本発明の発明者は、産業機器の動作を解析するためのアプリケーションに、コンピュータのリソースを適切に使用させるために鋭意研究開発を行った結果、新規かつ独創的なリソース監視システム等に想到した。以降、本実施形態に係るリソース監視システム等を詳細に説明する。
【0021】
図1は、実施形態に係るリソース監視システムの全体構成を示す図である。
図1に示すように、リソース監視システム1は、ユーザ端末10と、ロボットシステム20と、を含む。ユーザ端末10とロボットシステム20との各々は、インターネットやローカルエリアネットワーク等のネットワークNに接続される。なお、
図1では、ユーザ端末10とロボットシステム20を1つずつ示しているが、これらは複数あってもよい。
【0022】
ユーザ端末10は、ユーザが操作するコンピュータである。ユーザは、ロボットシステム20の保全員であってもよいし、リソース監視システム1の管理者であってもよい。例えば、ユーザ端末10は、パーソナルコンピュータ、携帯電話(スマートフォンを含む)、又は携帯端末(タブレット型端末を含む)である。ユーザ端末10は、CPU11、記憶部12、通信部13、操作部14、及び表示部15を含む。
【0023】
CPU11は、少なくとも1つのプロセッサを含む。記憶部12は、RAM12A及びハードディスク12Bを含み、各種プログラムやデータを記憶する。CPU11は、これらプログラムやデータに基づいて各種処理を実行する。RAM12Aは、揮発性メモリの一例であり、ハードディスク12Bは、不揮発性メモリの一例である。なお、ハードディスク12Bは、内臓ではなく、外付けであってもよい。通信部13は、ネットワークカードや各種通信コネクタ等の通信インタフェースを含み、他の装置との通信を行う。操作部14は、マウスやキーボード等の入力デバイスである。表示部15は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等であり、CPU11の指示により各種画面を表示する。
【0024】
なお、記憶部12に記憶されるものとして説明するプログラム及びデータは、ネットワークNを介してユーザ端末10に供給されるようにしてもよい。また、ユーザ端末10のハードウェア構成は、上記の例に限られず、種々のハードウェアを適用可能である。例えば、ユーザ端末10は、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を読み取る読取部(例えば、光ディスクドライブやメモリカードスロット)や外部機器と直接的に接続するための入出力部(例えば、USB端子)を含んでもよい。この場合、情報記憶媒体に記憶されたプログラムやデータが読取部又は入出力部を介して、ユーザ端末10に供給されるようにしてもよい。
【0025】
ロボットシステム20は、ロボットコントローラ21と、ロボット22と、を含む。なお、
図1では、ロボットコントローラ21とロボット22を1台ずつ示しているが、これらは複数台あってもよい。例えば、ロボットシステム20には、複数のロボットコントローラ21が含まれていてもよいし、1台のロボットコントローラ21が、複数台のロボット22を制御してもよい。
【0026】
ロボットコントローラ21は、ロボット22を制御するコンピュータである。ロボットコントローラ21は、特定のロボット22に特化した専用機器であってもよいが、本実施形態では、汎用コンピュータであるものとする。ロボットコントローラ21は、CPU、RAM、ハードディスク、及び通信インタフェースといったハードウェアを有し、ロボット22に動作指示を送る。ロボットコントローラ21は、複数台のロボット22を制御してもよい。
【0027】
ロボット22は、産業用ロボットである。ロボット22は、汎用の多関節ロボットであってよく、例えば、垂直多関節型、水平多関節型、又はガントリ型といった種々の形式のロボットを適用可能である。ロボット22のアーム数は、任意であってよく、1本のみのアームであってもよいし、複数本のアームであってもよい。
【0028】
なお、ロボット22は、産業機器の一例である。このため、本実施形態でロボット22と記載した箇所は、産業機器と読み替えることができる。任意のタイプの産業機器をリソース監視システム1に適用可能であり、例えば、産業機器は、モータコントローラ、サーボモータ、インバータ、工作機械、又はPLC(Programmable Logic Controller)であってもよく、リソース監視システム1では、これらの動作が解析されてもよい。
【0029】
[2.リソース監視システムの概要]
ユーザ端末10は、ロボット22の動作を解析するためのアプリケーションを実行する。本実施形態では、ユーザ端末10が複数のアプリケーションの各々を実行する場合を説明するが、ユーザ端末10は、1つのアプリケーションだけを実行してもよい。
【0030】
アプリケーションは、ロボット22が計測した動作データを取得し、動作データの解析を実行する。動作データは、ロボット22の動作を示すデータであればよく、例えば、トルク信号、温度情報、速度フィードバック値、外力値、又はフィードバックパルス信号といった種々の情報が動作データに示されていてよい。アプリケーションは、ロボット22の種類や解析の目的に応じたものであればよく、例えば、リソース監視システム1を動作させるための標準的なアプリケーションであってもよいし、特定の動作解析をするためのアプリケーションであってもよい。これらのアプリケーションは、メーカが作成してもよいし、ユーザが作成してユーザ端末10にアドオンしてもよい。
【0031】
標準的なアプリケーションは、リソース監視システム1を動作させるためのウェブサーバソフトウェアであったり、C言語等のプログラミング言語で作成された実行可能なアプリケーションであったりする。なお、プログラミング言語は、C言語に限られず、任意の言語を適用可能である。特定の動作解析をするためのアプリケーションは、ロボット22の特定の動作を解析する目的で作成されたアプリケーションであり、例えば、ロボット22の動作データを収集してハードディスク12Bに蓄積するアプリケーション、ロボット22における減速機の故障を予知するアプリケーション、ロボット22がガス溶接又はアーク溶接をする際に飛散するスパッタを検出するアプリケーション、又は、ロボット22によるスポット溶接を監視するアプリケーションといった種々のアプリケーションを適用可能である。
【0032】
ユーザ端末10は、種々のアプリケーションを実行するので、ある特定のアプリケーションがリソースを使用しすぎてしまうと、他のアプリケーションの実行に支障をきたす可能性がある。また、ユーザ端末10をロボットコントローラ21及びロボット22のパラメータ調整や保守点検等の他の目的に使用する場合には、これらの目的での使用にも支障をきたす可能性がある。そこで、本実施形態では、ユーザ端末10は、リソース監視画面を表示部15に表示させ、アプリケーションによるリソースの使用状況をユーザに監視させるようにしている。
【0033】
リソースの使用状況とは、ハードウェア資源の使用状況であり、本実施形態では、CPU11、RAM12A、及びハードディスク12Bの各々の使用状況を例に挙げる。CPU11の使用状況は、CPU11の使用率である。RAM12Aの使用状況は、RAM12Aの使用率である。ハードディスク12Bの使用状況は、ハードディスク12Bの使用率である。なお、監視対象のリソースは、これらに限られず、任意の種類のリソースを監視対象としてよい。例えば、ユーザ端末10によるネットワークNの使用状況、EEPROMやフラッシュメモリといった他のメモリの使用状況、又は、ユーザ端末10の電池の使用状況を監視対象としてもよい。
【0034】
図2は、リソース監視画面の一例を示す図である。
図2に示すように、リソース監視画面Gには、一般的なOSのタスクマネージャ等とは異なり、実行中の全てのプログラムのリソースの使用状況が表示されるのではなく、ロボット22の動作を解析するためのアプリケーションに特化した画面となっている。なお、リソース監視画面Gは、ユーザ端末10のブラウザ上で表示されてもよいし、リソース監視用の専用プログラムの画面として表示されてもよい。
【0035】
リソース監視画面Gの表示領域A10には、各リソースの現在の状態が表示される。例えば、表示領域A10には、異常発生の有無を示す情報が表示される。本実施形態では、各リソースの現在の状態は、使用状況が正常の範囲内であることを示す「NORMAL」、使用状況に多少の異常が発生していることを示す「WARNING」、又は、使用状況に大きな異常が発生していることを示す「CRITICAL」の何れかに分類される。
【0036】
リソース監視画面Gには、監視対象のリソースを選択するための入力フォームF11が表示される。監視対象のリソースとは、後述する表示領域A18に使用状況を表示させるリソースの種類である。本実施形態では、CPU11、RAM12A、及びハードディスク12Bの3種類が存在するので、ユーザは、入力フォームF11から、これら3種類の中の何れかを選択する。
図2のリソース監視画面Gは、CPU11が選択された状態を示している。
【0037】
リソース監視画面Gには、監視間隔を入力するための入力フォームF12と、表示間隔を入力するための入力フォームF13と、が表示される。監視間隔は、リソースの使用状況を監視する時間間隔である。ユーザ端末10は、監視間隔ごとに、リソースの使用状況を取得する。表示間隔は、リソース監視画面Gにおいてリソースの使用状況を表示させる間隔であり、後述する表示領域A18におけるグラフのスケールである。
【0038】
リソース監視画面Gには、監視対象のアプリケーションを選択するための入力フォームF14が表示される。監視対象のアプリケーションとは、後述する表示領域A18にリソースの使用状況を表示させるアプリケーションの種類である。ユーザは、ユーザ端末10が実行するアプリケーションの一部又は全部を、監視対象として選択することができる。
【0039】
図2に示すように、入力フォームF14の横には、ユーザ端末10にインストールされたアプリケーションの一覧が表示される。
図2の例では、ユーザ端末10は、アプリケーションA〜Eを実行しており、入力フォームF14の横には、これら5つのアプリケーションの名前が表示される。また、本実施形態では、アプリケーション全体の使用状況も表示可能であり、全体の使用状況を表示させるための入力フォームF14が表示される。
【0040】
ユーザは、入力フォームF14にチェックを入れることによって、監視対象のアプリケーションを選択する。チェックが外されたアプリケーションは、監視対象から除外され、リソース監視画面Gには、当該アプリケーションによるリソースの使用状況は表示されない。この場合、チェックが外されたアプリケーションによるリソースの使用状況が取得されないようにしてもよいし、リソースの使用状況は取得されるが表示だけをしないようにしてもよい。
【0041】
リソース監視画面Gには、リソースの使用状況の異常を検知する閾値を設定するための入力フォームF15が表示される。本実施形態では、「Warning」と「Error」の2段階の閾値が設定される場合を説明するが、閾値は、1段階であってもよいし、3段階以上であってもよい。
【0042】
なお、「Warning」は、「Error」よりも深刻度が低く、「Warning」の閾値は、「Error」の閾値よりも低いものとする。また、詳細は後述するが、表示領域A10における各リソースの状態は、ある一定期間において、「Warning」にも「Error」にもならなかった期間の割合、「Warning」になった期間の割合、及び、「Error」になった期間の割合によって決定される。
【0043】
リソース監視画面Gには、監視結果をファイル出力するための入力フォームF16が表示される。ユーザが入力フォームF16にチェックを入れると、リソースの使用状況の監視結果が格納されたログファイルが出力される。ユーザが入力フォームF16にチェックを入れない場合には、監視結果は、ログファイルとして出力されず、記憶部12に一時的に記録される。本実施形態では、ログファイルには、入力フォームF13に入力された表示間隔ごとの使用状況が格納されるものとするが、任意の間隔ごとの使用状況が格納されてよい。
【0044】
リソース監視画面Gには、入力フォームF12〜F16の各々に対して入力された設定を反映させるためのボタンB17が表示される。ユーザがボタンB17を選択すると、監視対象のリソースの設定が更新される。
【0045】
リソース監視画面Gの表示領域A18には、監視対象のリソースの使用状況が表示される。本実施形態では、リソースの使用状況がグラフによって時系列的に表示される場合を説明するが、リソースの使用状況は、任意の形式で表示されてよく、表示形式はグラフに限られない。例えば、表形式又はリスト形式でリソースの使用状況が表示されてもよいし、単にリソースの使用状況を示す数値だけが表示されてもよい。
【0046】
図2の例では、5種類のアプリケーションが監視対象として選択されており、これら全体の使用状況も選択されているので、表示領域A18には、これら5種類の各々による使用状況と、アプリケーション全体の使用状況と、が表示される。なお、グラフの縦軸はCPU11の使用率であり、横軸は時間軸である。時間軸のスケールは、入力フォームF13に入力された表示間隔によって決定される。
【0047】
リソース監視画面Gには、リソース監視機能を起動するためのボタンB19と、リソース監視機能を停止させるためのボタンB20と、が表示される。リソース監視機能の起動中は、リソースの使用状況が随時取得され、表示領域A18のグラフがリアルタイムに更新される。リソース監視機能が停止されると、リソースの使用状況の取得が停止され、表示領域A18のグラフが固定される。
図2の例では、ボタンB19が選択されており、リソース監視機能が起動中の例を示す。ボタンB20が選択されると、リソース監視機能が停止する。
【0048】
リソース監視画面Gには、現在の使用状況を表示させるためのボタンB21と、過去の使用状況を表示させるためのボタンB22と、が表示される。
図2の例では、ボタンB21が選択されており、リソース監視画面Gには、現在の使用状況がリアルタイムで表示されている。ボタンB22が選択されると、リソース監視画面Gの表示が切り替わり、先述したログファイルに基づいて、過去の使用状況が表示される。
【0049】
図3は、リソース監視画面Gに過去の使用状況が表示される様子を示す図である。
図3に示すように、リソース監視画面Gには、ボタンB21,B22が表示され、ここではボタンB22が選択された状態となる。なお、ボタンB21が選択されると、リソース監視画面Gは、
図2の状態に戻る。
【0050】
リソース監視画面Gには、ログファイルを選択するためのボタンB23と、選択されたログファイルを表示させるためのボタンB24と、が表示される。ユーザは、ボタンB23を選択し、表示させたいログファイルの格納場所(参照先)を入力する。その後、ユーザがログファイルの格納場所を入力してボタンB24を選択すると、当該ログファイルがリソース監視画面Gの表示領域A25に表示される。
【0051】
図3の例では、2つのログファイルが表示されている。例えば、表示領域A25Aには、1つ目のログファイルの内容が表示され、表示領域A25Bには、2つ目のログファイルの内容が表示される。例えば、1つ目のログファイルが、ある特定のアプリケーションのアドオン前に出力され、2つ目のログファイルが、当該アプリケーションのアドオン後に出力されたとすると、アドオン前後におけるリソースの使用状況の変化を表示させることができる。
【0052】
なお、
図2及び
図3では、CPU11の使用状況を表示させる場合について説明したが、RAM12A及びハードディスク12Bについても、同様にして使用状況を表示させることができる。例えば、ユーザがリソース監視画面Gの入力フォームF11からRAM12Aを選択すると、RAM12Aの使用状況の表示に切り替わり、ユーザが入力フォームF11からハードディスク12Bを選択すると、ハードディスク12Bの使用状況の表示に切り替わる。
【0053】
図4は、RAM12Aの使用状況が表示される様子を示す図であり、
図5は、ハードディスク12Bの使用状況が表示される様子を示す図である。
図4に示すように、ユーザが入力フォームF12〜F16に入力した設定に基づいて、RAM12Aの使用状況がリソース監視画面Gに表示される。また、
図5に示すように、ユーザが入力フォームF12〜F16に入力した設定に基づいて、ハードディスク12Bの使用状況がリソース監視画面Gに表示される。設定は、全リソースで共通であってもよいが、本実施形態では、リソースごとに設定が行われるものとする。このため、CPU11とRAM12Aとで監視間隔や表示間隔が異なったり、CPU11とハードディスク12Bとで監視対象とするアプリケーションが異なったりすることがある。
【0054】
なお、本実施形態では、説明の簡略化のために、監視間隔や表示間隔といった設定項目が各リソースで同じであるものとするが、リソースに応じた設定項目が存在してもよい。例えば、RAM12が複数のメモリを含む場合には、使用状況を表示させるメモリの種類が設定項目として存在してもよい。また例えば、ハードディスク12Bが複数のストレージを含む場合には、使用状況を表示させるストレージが設定項目として存在してもよい。
【0055】
以上のように、リソース監視システム1では、リソース監視画面Gを表示部15に表示させる構成を有することによって、産業機器の動作を解析するためのアプリケーションに、コンピュータのリソースを適切に使用させるようになっている。以降、当該構成の詳細を説明する。
【0056】
[3.リソース監視システムで実現される機能]
図6は、リソース監視システム1で実現される機能を示す機能ブロック図である。
図6に示すように、リソース監視システム1では、データ記憶部100、アプリ実行部101、使用状況取得部102、表示制御部103、判定部104、通知部105、及び周期取得部106が実現される。本実施形態では、これら各機能がユーザ端末10において実現される場合を説明する。
【0057】
[データ記憶部]
データ記憶部100は、記憶部12を主として実現される。データ記憶部100は、リソースの使用状況を表示させるために必要なデータを記憶する。例えば、データ記憶部100は、ユーザ端末10が実行するアプリケーションAPを記憶する。例えば、各アプリケーションAPには、ロボット22から収集する動作データの収集条件が設定されており、データ記憶部100は、ユーザが指定した収集条件を記憶してもよい。例えば、収集条件として、収集すべき動作データの種類、収集間隔、及び収集時間帯といった条件が設定される。
【0058】
また例えば、データ記憶部100は、設定データベースDB1と、ログファイルデータベースDB2と、を記憶する。
【0059】
図7は、設定データベースDB1のデータ格納例を示す図である。
図7に示すように、設定データベースDB1は、リソース監視画面Gにおいて入力された設定値を格納するデータベースである。本実施形態では、CPU11、RAM12A、及びハードディスク12Bの3種類のリソースが存在し、リソースごとに設定値を入力できるので、設定データベースDB1には、各リソースの設定値が格納される。ここでは、入力フォームF12に入力された監視間隔、入力フォームF13に入力された表示間隔、入力フォームF14に入力された監視対象のアプリケーションAPの種類、入力フォームF15に入力された閾値、及び、入力フォームF16に入力されたログファイルの出力有無が、設定値として設定データベースDB1に格納される。
【0060】
図8は、ログファイルデータベースDB2のデータ格納例を示す図である。
図8に示すように、ログファイルデータベースDB2は、ログファイルを格納するデータベースである。本実施形態では、CPU11、RAM12A、及びハードディスク12Bの3種類のリソースが存在し、リソースごとにログファイルの出力有無を設定できるので、ログファイルを出力する旨の設定がなされたリソースのログファイルと、ログファイルの日時と、がログファイルデータベースDB2に格納される。ログファイルの日時は、ログファイルに格納された使用状況が取得された日時である。
【0061】
なお、データ記憶部100が記憶するデータは、上記の例に限られない。例えば、データ記憶部100は、アプリケーションAPの一覧を示すアプリ一覧データを記憶してもよい。アプリ一覧データは、アプリケーションAPがアドオンされるたびに更新される。また例えば、データ記憶部100は、各アプリケーションAPが収集したロボット22の動作データを記憶してもよい。また例えば、データ記憶部100は、後述する異常検知条件を記憶してもよい。
【0062】
[アプリ実行部]
アプリ実行部101は、CPU11を主として実現される。アプリ実行部101は、アプリケーションAPを実行する。本実施形態では、データ記憶部100に複数のアプリケーションAPが記憶されているので、アプリ実行部101は、複数のアプリケーションAPの各々を実行する。例えば、アプリ実行部101は、アプリケーションAPを実行し、当該アプリケーションAPに設定された収集条件に基づいて、ロボットシステム20から動作データを収集する。
【0063】
また例えば、アプリ実行部101は、アプリケーションAPを実行し、収集した動作データを解析する。動作データの解析方法は、アプリケーションAP内のアルゴリズムに記述されているものとする。例えば、ロボット22の動作データを収集してハードディスク12Bに蓄積するアプリケーションAPであれば、アプリ実行部101は、収集条件に基づいて収集した動作データを動作データベースに蓄積する。また例えば、ロボット22における減速機の故障を予知するアプリケーションAPであれば、アプリ実行部101は、減速機の動作データが所定条件を満たすか否かを判定し、所定条件が満たされた場合に故障の可能性がある旨の通知を行う。
【0064】
また例えば、ロボット22がガス溶接又はアーク溶接をする際に飛散するスパッタを検出するアプリケーションAPであれば、アプリ実行部101は、ロボット22から取得した動作データに基づいて、スパッタの検出有無を判定し、判定結果を表示部15に表示させる。また例えば、ロボット22によるスポット溶接を監視するアプリケーションAPであれば、アプリ実行部101は、ロボット22が配置された現場のカメラで撮影した画像や温度センサで検出した温度等に基づいて、スポット溶接に異常が発生していないかを判定し、判定結果を表示部15に表示させる。
【0065】
[使用状況取得部]
使用状況取得部102は、CPU11を主として実現される。使用状況取得部102は、アプリケーションAPによるコンピュータのリソースの使用状況を取得する。使用状況取得部102は、監視対象のリソースに応じた取得方法に基づいて、リソースの使用状況を取得する。本実施形態では、リソースの監視間隔が設定されているので、使用状況取得部102は、設定データベースDB1に格納された監視間隔に基づいて、リソースの使用状況を取得する。使用状況取得部102は、監視間隔ごとに、リソースの使用状況を取得する。即ち、使用状況取得部102は、監視間隔が示す時間が経過したか否かを判定し、当該時間が経過したと判定した場合に、リソースの使用状況を取得する。
【0066】
なお、使用状況の取得方法自体は、種々の手法を適用可能であり、例えば、使用状況取得部102は、OSで定められた所定のコマンドを実行することで、使用状況を取得する。例えば、使用状況取得部102は、topコマンド又はtypeperfコマンドを実行し、CPU11の使用状況を取得する。また例えば、使用状況取得部102は、topコマンド又はtasklistコマンドを実行し、RAM12Aの使用状況を取得する。また例えば、使用状況取得部102は、dfコマンド又はdirコマンドを実行し、ハードディスク12Bの使用状況を取得する。
【0067】
本実施系形態では、使用状況取得部102は、第1使用状況取得部102A、第2使用状況取得部102B、及び第3使用状況取得部102Cを含む。
【0068】
第1使用状況取得部102Aは、アプリケーションAPごとに使用状況を取得する。第1使用状況取得部102Aは、複数のアプリケーションAPの各々の使用状況を取得する。本実施形態では、ユーザは任意のアプリケーションAPを監視対象とすることができるので、第1使用状況取得部102Aは、ユーザが監視対象に指定したアプリケーションAPの使用状況を取得する。
【0069】
第2使用状況取得部102Bは、各アプリケーションAPの使用状況を合算した合算使用状況を取得する。合算使用状況は、アプリ実行部101が実行中の全アプリケーションAPの使用状況の合計であってもよいし、監視対象に指定されたアプリケーションAPの使用状況の合計であってもよい。例えば、第2使用状況取得部102Bは、第1使用状況取得部102Aが取得した各アプリケーションAPの使用状況を合算して合算使用状況を取得する。また例えば、第2使用状況取得部102Bは、アプリケーションAPごとの使用状況を取得することなく、全体の使用状況を取得するコマンドを実行することによって、合算使用状況を取得してもよい。
【0070】
第3使用状況取得部102Cは、アプリケーションAPがユーザ端末10に追加される前後における使用状況の変化を取得する。本実施形態では、アプリケーションAPのアドオン前後の使用状況がログファイルに格納されているので、第3使用状況取得部102Cは、ログファイルデータベースDB2を参照し、アドオン前の使用状況と、アドオン後の使用状況と、を取得することによって、アドオン前後における使用状況の変化を取得する。なお、アドオン後の使用状況は、ログファイルではなく、現時点での使用状況が利用されてもよい。
【0071】
[表示制御部]
表示制御部103は、CPU11を主として実現される。表示制御部103は、リソース監視画面Gに、使用状況を表示させる。表示制御部103は、使用状況取得部102により取得された使用状況をリソース監視画面Gに表示させる。本実施形態では、表示制御部103は、表示領域A18にグラフを表示させることによって、使用状況を表示させる場合を説明するが、先述したように、表形式やリスト形式等の他の形式で使用状況を表示させてもよい。本実施形態では、使用状況の表示間隔が設定されているので、使用状況取得部102は、設定データベースDB1に格納された表示間隔に基づいて、リソースの使用状況を表示させる。使用状況取得部102は、表示間隔ごとに、リソースの使用状況を表示させる。即ち、使用状況取得部102は、リソースの使用状況の表示単位を、当該リソースに設定された表示間隔とする。
【0072】
本実施系形態では、表示制御部103は、第1表示制御部103A、第2表示制御部103B、及び第3表示制御部103Cを含む。
【0073】
第1表示制御部103Aは、リソース監視画面Gに、アプリケーションAPごとの使用状況を表示させる。第1表示制御部103Aは、複数のアプリケーションAPの各々の使用状況をリソース監視画面Gに表示させる。本実施形態では、ユーザは任意のアプリケーションAPを監視対象とすることができるので、第1表示制御部103Aは、ユーザが監視対象に指定したアプリケーションAPの使用状況をリソース監視画面Gに表示させる。例えば、第1表示制御部103Aは、表示領域A18に、ユーザが監視対象に指定したアプリケーションAPの使用状況を示すグラフを表示させる。
【0074】
第2表示制御部103Bは、リソース監視画面Gに、合算使用状況を表示させる。本実施形態では、第2表示制御部103Bは、アプリケーションAPごとの使用状況とともに、合算使用状況をリソース監視画面Gに表示させる場合を説明するが、アプリケーションAPごとの使用状況とは別に、合算使用状況をリソース監視画面Gに表示させてもよい。例えば、第2表示制御部103Bは、表示領域A18に、合算使用状況を示すグラフを表示させる。
【0075】
第3表示制御部103Cは、リソース監視画面Gに、使用状況の変化を表示させる。本実施形態では、第3表示制御部103Cは、アドオン前の使用状況と、アドオン後の使用状況と、の各々をリソース監視画面Gに表示させる場合を説明するが、アドオン前後における使用状況の変化を示す情報(例えば、アドオン前後における使用状況の増加量)をリソース監視画面Gに表示させてもよい。例えば、
図3に示すように、第3表示制御部103Cは、リソース監視画面Gに、アドオン前のログファイルが示す使用状況と、アドオン後のログファイルが示す使用状況と、を表示させる。
【0076】
[判定部]
判定部104は、CPU11を主として実現される。判定部104は、使用状況が所定の異常検知条件を満たすか否かを判定する。異常検知条件は、使用状況の異常を検知するために定められた条件であり、例えば、使用状況が閾値以上になること、使用状況が閾値以上の状態が一定時間以上継続すること、又は、使用状況が閾値以上になる頻度が所定頻度以上になることである。
【0077】
本実施形態では、異常検知条件の一例として、ある一定期間の中で使用状況が閾値以上である期間の割合が所定割合であることを説明する。この一定期間は、固定値であってもよいし可変値であってもよい。本実施形態では、入力フォームF13に入力された表示間隔に対する割合とするが、後述する変形例のように、ロボット22の制御周期に対する割合であってもよい。なお、異常検知条件は、データ記憶部100に記憶されているものとする。
【0078】
図9は、異常検知条件の一例を示す図である。
図9に示すように、異常検知条件は、「Error」、「Warning」、及び「Normal」の各々の状態だった期間の割合に関する条件となる。「Error」は、使用状況が「Error」の閾値以上の状態である。「Warning」は、使用状況が「Error」の閾値未満であり、かつ、「Warning」の閾値以上の状態である。「Normal」は、使用状況が「Warning」の閾値未満の状態である。
図9のテーブルに示す数値は、各期間の長さの順位である。
【0079】
例えば、「Error」が1位であり、「Warning」が2位であり、かつ、「Normal」が3位である場合、判定部104は、リソースの状態が「CRITICAL」であると判定する。また例えば、「Error」が2位であり、「Warning」が1位であり、かつ、「Normal」が3位である場合、判定部104は、リソースの状態が「WARNING」であると判定する。また例えば、「Error」が3位であり、「Warning」が2位であり、かつ、「Normal」が1位である場合、判定部104は、リソースの状態が「NORMAL」であると判定する。
【0080】
本実施形態では、複数種類のリソースが監視対象となるので、判定部104は、リソースごとに、異常検知条件を満たすか否かを判定する。例えば、判定部104は、CPU11の使用状況に基づいて、異常検知条件を満たすか否かを判定する。また例えば、判定部104は、RAM12Aの使用状況に基づいて、異常検知条件を満たすか否かを判定する。また例えば、判定部104は、ハードディスク12Bの使用状況に基づいて、異常検知条件を満たすか否かを判定する。なお、異常検知条件は、全リソースで共通であってもよいし、リソースに応じた異常検知条件が定められていてもよい。
【0081】
[通知部]
通知部105は、CPU11を主として実現される。通知部105は、異常検知条件が満たされる場合に、所定の異常通知をする。異常通知は、異常検知条件が満たされたことを示す所定の通知であればよく、例えば、所定の画像を表示させること、スピーカ等から所定の音声を出力すること、LEDライト等の発光部を発光させること、又は、ユーザ端末10のバイブレータを振動させること等である。
【0082】
本実施形態では、通知部105は、リソース監視画面Gの表示領域A10における状態を利用して異常通知をする。
図9の異常検知条件の場合、判定部104は、「CRITICAL」、「WARNING」、又は「NORMAL」の何れかの判定結果を返すので、通知部105は、判定部104の判定結果を表示領域A10に表示させる。
【0083】
また、本実施形態では、複数種類のリソースが監視対象となるので、通知部105は、リソースごとに、判定部104の判定結果を通知する。例えば、判定部104は、CPU11の使用状況の判定結果を表示領域A10に表示させる。また例えば、判定部104は、RAM12Aの使用状況の判定結果を表示領域A10に表示させる。また例えば、判定部104は、ハードディスク12Bの使用状況の判定結果を表示領域A10に表示させる。
【0084】
[4.リソース監視システムで実行される処理]
図10−
図11は、リソース監視システム1で実行される処理を示すフロー図である。
図10−
図11に示す処理は、ユーザ端末10において、CPU11が記憶部12に記憶されたプログラムに従って動作することによって実行される。
図10−
図11に示す処理は、
図6に示す機能ブロックにより実行される処理の一例である。
【0085】
図10に示すように、まず、CPU11は、操作部14から所定の操作が行われた場合に、設定データベースDB1に基づいて、リソース監視画面Gを表示部15に表示させる(S1)。S1においては、CPU11は、入力フォームF11にCPUと入力し、設定データベースDB1に格納された設定値に基づいて、入力フォームF12〜F16の値を決定する。なお、ボタンB19,B21は、デフォルトで選択されているものとする。また、ここでは、CPU11の使用状況を最初に表示させる場合を説明するが、RAM12A又はハードディスク12Bの使用状況が最初に表示されてもよい。
【0086】
CPU11は、設定データベースDB1に基づいて、CPU11、RAM12A、及びハードディスク12Bの各々の使用状況を取得する(S2)。S2においては、CPU11は、監視対象のアプリケーションAPごとに、監視間隔に基づいて各使用状況を取得し、記憶部12に一時的に記録させる。なお、ログファイルへの出力設定がなされているリソースについては、CPU11は、リソースの使用状況を示すログファイルを出力し、ログファイルデータベースDB2に格納する。
【0087】
CPU11は、設定データベースDB1に基づいて、S2における各リソースの使用状況が異常検知条件を満たすか否かを判定する(S3)。S3においては、CPU11は、各リソースに設定された閾値を参照し、「Error」、「Warning」、及び「Normal」の各々の期間を計算する。CPU11は、各期間の順位に基づいて異常検知条件を満たすか否かを判定する。
【0088】
CPU11は、S3の判定結果に基づいて、各リソースの状態を表示領域A10に表示させる(S4)。S4においては、CPU11は、リソースごとに、S3において判定された「CRITICAL」、「WARNING」、又は「NORMAL」の何れかを表示領域A10に表示させる。
【0089】
CPU11は、監視対象のリソースの使用状況をグラフ化して表示領域A18に表示させる(S5)。S5においては、CPU11は、入力フォームF11に入力された監視対象のリソースを特定し、S2で取得された使用状況のうち、監視対象のリソースの使用状況をグラフ化して表示領域A18に表示させる。
【0090】
CPU11は、操作部14の検出信号に基づいて、ユーザの操作を特定する(S6)。ここでは、入力フォームF11〜F16の何れかに情報を入力する操作、ボタンB22を選択する操作、又は、リソース監視画面Gを終了する操作の何れかが行われるものとする。なお、ボタンB19,B20が選択された場合の処理については、ここでは説明を省略する。また、特に操作が行われない場合には、S2の処理に戻り、使用状況の取得等が繰り返し実行される。
【0091】
入力フォームF11から監視対象のリソースが変更された場合(S6;F11)、CPU11は、監視対象のリソースを変更してリソース監視画面Gの表示を更新する(S7)。S7においては、CPU11は、設定データベースDB1に基づいて、変更後の監視対象のリソースの設定値を入力フォームF12〜F16に表示させる。また、CPU11は、S3で取得された当該監視対象のリソースの使用状況を表示領域A18に表示させる。
【0092】
S6において、入力フォームF12〜F16の何れかから設定が入力された場合(S6;F12〜F16の何れか)、CPU11は、ユーザが入力した設定値を入力フォームに入力する(S8)。S8においては、例えば、ユーザが入力フォームF12に監視間隔を入力した場合、CPU11は、入力フォームF12に監視間隔を入力する。また例えば、ユーザが入力フォームF13に表示間隔を入力した場合、CPU11は、入力フォームF13に表示間隔を入力する。また例えば、ユーザが入力フォームF14から監視対象のアプリケーションAPを選択した場合、CPU11は、入力フォームF14のチェックボックスを制御する。また例えば、ユーザが入力フォームF15に閾値を入力した場合、CPU11は、入力フォームF15に閾値を入力する。また例えば、ユーザが入力フォームF16から監視結果の出力有無を選択した場合、CPU11は、入力フォームF14のチェックボックスに反映させる。
【0093】
S6において、ボタンB17が選択された場合(S6;B17)、CPU11は、入力フォームF12〜F16の各々の入力内容に基づいて、設定データベースDB1を更新し(S9)、S2の処理に戻る。S9においては、CPU11は、入力フォームF11に入力された監視対象のリソースと、入力フォームF12〜F16の各々に入力された値と、を関連付けて設定データベースDB1に格納する。S2の処理に戻った後は、更新後の設定値に基づいて、リソースの使用状況が取得される。
【0094】
S6において、ボタンB22が選択された場合(S6;B22)、
図11に移り、CPU11は、リソース監視画面Gの表示を切り替える(S10)。S10においては、リソース監視画面Gは、
図3に示す状態となる。この時点では、まだログファイルが選択されていないので、表示領域A25には何も表示されないものとする。
【0095】
CPU11は、操作部14の検出信号に基づいて、ユーザの操作を特定する(S11)。ここでは、ボタンB21,B23,B24の何れかを選択する操作が行われるものとする。
【0096】
ボタンB23が選択された場合(S11;B23)、CPU11は、操作部14の検出信号に基づいて、ユーザによるログファイルの選択を受け付ける(S12)。S12においては、CPU11は、ユーザによるログファイルの格納場所及びファイル名の指定を受け付ける。
【0097】
S11において、ボタンB24が選択された場合(S11;B24)、CPU11は、ログファイルデータベースDB2に基づいて、ユーザが選択したログファイルを表示領域A25に表示させる(S13)。S13においては、CPU11は、S12においてユーザが選択したログファイルを読み出して、表示領域A25にグラフを表示させる。
【0098】
S11において、ボタンB21が選択された場合(S11;B21)、S2の処理に戻る。この場合、リソース監視画面Gは、
図2の状態となる。なお、S6において、終了操作が行われた場合(S6;終了操作)、本処理は終了する。
【0099】
リソース監視システム1によれば、産業機器の動作を解析するためのアプリケーションAPによるリソースの使用状況をリソース監視画面Gに表示させ、リソースの使用状況をユーザに確認させることで、アプリケーションAPに、ユーザ端末10のリソースを適切に使用させることができる。アプリケーションAPにユーザ端末10のリソースを適切に使用させることで、重要な解析をしなければならないときに、ユーザ端末10のリソースを使用しすぎてしまい、十分な解析をすることができないといったことを防止することができる。このため、産業機器の動作を適切に解析し、産業機器を正常に動作させることができる。他にも例えば、アプリケーションAPの実行のためにユーザ端末10のスペックが不足している場合に、ユーザにその旨を気付かせることができ、ユーザ端末10の性能向上を検討させることができる。
【0100】
また、リソース監視画面Gに、アプリケーションAPごとのリソースの使用状況を表示させ、アプリケーションAPごとのリソースの使用状況をユーザに確認させることで、複数のアプリケーションAPの各々に、ユーザ端末10のリソースを適切に使用させることができる。アプリケーションAPごとの使用状況をユーザに確認させることで、どのアプリケーションAPがリソースを使用しすぎているかを特定することができる。このため、あるアプリケーションAPがリソースを使用しすぎているために、他のアプリケーションAPの動作が不安定になる、といったことを防止することができる。
【0101】
また、リソース監視画面Gに、各アプリケーションAPのリソースの使用状況を合算した合算使用状況を表示させ、合算使用状況をユーザに確認させることで、複数のアプリケーションAPの各々に、ユーザ端末10のリソースを適切に使用させることができる。合算使用状況をユーザに確認させることで、アプリケーションAPがユーザ端末10のリソースを全体的に使用しすぎているかを判断しやすくなる。このため、ユーザ端末10のリソースを全体的に使用しすぎているために、各アプリケーションAPの動作が不安定になる、といったことを防止することができる。
【0102】
また、リソース監視画面Gに、アプリケーションAPがユーザ端末10に追加される存後におけるリソースの使用状況の変化を表示させ、アプリケーションAPをユーザ端末10に追加したことによるリソースへの影響をユーザに確認させることができる。
【0103】
また、リソースの使用状況が異常検知条件を満たした場合に異常通知をすることで、リソースの使用に異常発生していることをユーザに気付かせやすくなる。
【0104】
[5.変形例]
なお、本発明は、以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
【0105】
図12は、変形例の機能ブロック図である。
図12に示すように、以降説明する変形例では、第4表示制御部103D、第5表示制御部103E、第6表示制御部103F、第7表示制御部103G、第8表示制御部103H、第1判定部104A、周期取得部106、実周期取得部106A、及び動作状況取得部107が実現される。これら各機能は、CPU11を主として実現される。
【0106】
(1)例えば、実施形態では、リソースに設定された表示間隔に対する「Error」等の割合に基づいて、異常検知条件が満たされるか否かが判定される場合を説明したが、ロボット22の周期に対する「Error」等の割合に基づいて、異常検知条件が満たされるか否かが判定されてもよい。
【0107】
ロボット22は、予め設定された周期情報に基づいて、周期的に動作する。周期情報は、ロボットシステム20内に記憶されていればよく、例えば、ロボットコントローラ21のメモリに記憶されていてもよいし、ロボット22内のメモリに記憶されていてもよい。周期情報は、計画上又は設定上の周期である。周期は、作業工程の周期であり、制御周期とも呼ばれる。ロボット22は、所定の動作を繰り返し実行するので、周期情報は、当該動作が繰り返される周期を示す。
【0108】
例えば、ロボットコントローラ21は、リアルタイムクロック等を利用して計時処理を実行し、周期の開始時点が訪れたか否かを判定する。ロボットコントローラ21は、周期の開始時点が訪れた場合に、ロボット22に対して所定の動作をするように指示を行う。1周期内におけるロボット22の動作は、予め定められており、ロボットコントローラ21内のメモリに記憶されているものとする。ロボット22は、ロボットコントローラ21からの指示に基づいて動作することによって、周期的な動作を行う。
【0109】
変形例(1)のリソース監視システム1では、周期取得部106と第1判定部104Aが実現される。周期取得部106は、ロボット22の周期を取得する。例えば、周期取得部106は、周期情報が示す計画上又は設定上の周期を取得する。本変形例では、周期情報がロボットシステム20内に記憶されているので、周期取得部106は、ロボットシステム20から周期情報を取得することによって、ロボット22の計画上又は設定上の周期を取得する。
【0110】
第1判定部104Aは、周期の中で、使用状況が所定の状況になる期間の割合に基づいて、異常検知条件を満たすか否かを判定する。本変形例では、第1判定部104Aは、周期情報が示す計画上又は設定上の周期の中で、使用状況が所定の状況になる期間の割合に基づいて、異常検知条件を満たすか否かを判定する。第1判定部104Aは、周期取得部106が取得した周期の中で、「Error」、「Warning」、及び「Normal」の各々の状態だった期間の割合を計算して順位を判定する。実施形態では、表示間隔に対する割合が計算されたのに対し、本変形例では、周期取得部106が取得した周期に対する割合が計算される点で異なり、第1判定部104Aの処理は、他の点については実施形態で説明した通りである。
【0111】
なお、後述する変形例(3)のように、周期取得部106は、実際の周期を取得してもよい。この場合、第1判定部104Aは、実際の周期の中で、使用状況が所定の状況になる期間の割合に基づいて、異常検知条件を満たすか否かを判定してもよい。
【0112】
変形例(1)によれば、ロボット22の周期の中でリソースの使用状況が所定の状況となる期間の割合に基づいて異常検知条件を満たすか否かを判定することで、異常が突発的なものなのか定常的なものなのかを検出することができる。
【0113】
(2)また例えば、リソース監視画面Gにおいて、ロボット22の周期ごとの使用状況が表示されるようにしてもよい。例えば、表示領域A18に表示されるグラフの時間軸のスケール(プロット単位)は、固定値ではなく、ロボット22の周期に応じて定まってもよい。
【0114】
変形例(2)のリソース監視システム1では、周期取得部106及び第4表示制御部103Dが実現される。周期取得部106の処理は、変形例(1)で説明した通りである。本変形例でも、周期取得部106は、周期情報が示す計画上又は設定上の周期を取得する場合を説明するが、後述する変形例(3)のように、ロボット22の実際の周期を取得してもよい。
【0115】
第4表示制御部103Dは、リソース監視画面Gに、周期ごとの使用状況を表示させる。周期ごとの使用状況とは、1周期内における使用状況である。例えば、第4表示制御部103Dは、リソース監視画面Gに、1周期における使用状況の変化を表示させる。本変形例では、第4表示制御部103Dは、周期に基づいて、表示領域A18に表示されるグラフの時間軸のスケール(プロット単位)を決定する。
【0116】
例えば、第4表示制御部103Dは、表示領域A18のグラフに1周期内の使用状況の変化が表示されるように、グラフの時間軸のスケールを決定する。第4表示制御部103Dは、1周期の使用状況だけをグラフにして表示領域A18に表示させてもよいし、複数周期の使用状況をグラフにして表示領域A18に表示させてもよい。例えば、第4表示制御部103Dは、表示領域A18のグラフに2周期分の使用状況を表示させ、1周期目の使用状況と、2周期目の使用状況と、を区別して表示させてもよい。同様に、第4表示制御部103Dは、3周期以上の使用状況を表示させてもよい。
【0117】
なお、第4表示制御部103Dの処理は、上記の例に限られない。第4表示制御部103Dは、周期ごとの使用状況を識別可能に表示すればよく、例えば、1周期における使用状況の平均値を表示させるようにしてもよい。
【0118】
変形例(2)によれば、リソース監視画面Gに、ロボット22の周期ごとのリソースの使用状況を表示させ、周期ごとのリソースの使用状況をユーザに確認させることで、アプリケーションAPに、ユーザ端末10のリソースをより適切に使用させることができる。リソースの使用状況に異常が発生した場合に、当該異常が突発的なものなのか定常的なものなのかを検出することができる。周期の中でロボット22が重要な動作をしているときにリソースを使用しすぎているのか否かといったことをユーザに判断させることができる。
【0119】
(3)また例えば、周期取得部106が計画上又は設定上の周期を取得する場合を説明したが、周期取得部106は、ロボットシステム20側で計測された実際の周期が用いられてもよい。
【0120】
本変形例では、ロボットコントローラ21は、周期の開始時点が訪れた場合に計時を開始し、ロボット22から1周期内の最後の動作の完了通知を受信するまでの時間を計測することによって、実際の周期を計算する。また例えば、ロボットコントローラ21は、複数回の周期を計測して平均値を算出することによって、実際の周期を計算してもよい。なお、ロボットコントローラ21ではなく、ロボット22自身が実際の周期を計測してもよい。この場合、ロボット22は、ロボットコントローラ21から1周期内の最初の動作指示を受信した場合に計時を開始し、1周期内の最後の動作が完了するまでの時間を計測することによって、実際の周期を計測する。
【0121】
変形例(3)のリソース監視システム1では、実周期取得部106A及び第5表示制御部103Eが実現される。実周期取得部106Aは、ロボット22の実際の周期を取得する。実際の周期は、ロボットシステム20が計測した周期である。実周期取得部106Aは、ロボットシステム20からロボット22の実際の周期を取得する。実周期取得部106Aは、ロボットシステム20に対し、実際の周期の取得要求を送信する。ロボットシステム20は、取得要求を受信すると、上記のようにして計測した実際の周期をユーザ端末10に送信する。なお、ロボットシステム20は、常に周期を計測してもよいし、ユーザ端末10から取得要求を受信したことに応じて周期を計測してもよい。
【0122】
第5表示制御部103Eは、リソース監視画面Gに、実際の周期ごとの使用状況を表示させる。第5表示制御部103Eの処理は、使用状況の表示単位が実際の周期になる点が第4表示制御部103Dと異なるだけであり、他の点については、変形例(2)で説明した通りである。例えば、第4表示制御部103Dは、実際の周期に基づいて、表示領域A18に表示されるグラフの時間軸のスケール(プロット単位)を決定したり、実際の周期内での使用状況の平均値を計算して表示したりする。
【0123】
変形例(3)によれば、リソース監視画面Gに、ロボット22の実際の周期ごとのリソースの使用状況を表示させ、実際の周期ごとのリソースの使用状況をユーザに確認させることで、ロボット22の実際の動作に応じたリソースの使用状況を確認させることができる。
【0124】
(4)また例えば、変形例(2)−(3)では、周期ごとの使用状況がリソース監視画面Gに表示される場合を説明したが、リソース監視画面Gにおいて、周期そのものが表示されてもよい。
【0125】
変形例(4)のリソース監視システム1では、周期取得部106及び第6表示制御部103Fが実現される。周期取得部106の処理は、変形例(1)−(3)で説明した通りである。本変形例でも、周期取得部106は、周期情報が示す計画上又は設定上の周期を取得する場合を説明するが、後述する変形例(5)のように、ロボット22の実際の周期を取得してもよい。
【0126】
第6表示制御部103Fは、リソース監視画面Gに、周期とともに使用状況を表示させる。例えば、第6表示制御部103Fは、リソース監視画面Gの表示領域A18内に、グラフとともに周期を示す数値を表示させる。また例えば、第6表示制御部103Fは、リソース監視画面Gの表示領域A18とは別の場所に、周期を示す数値を表示させてもよい。なお、周期は、数値で表示されなくてもよく、例えば、アイコン等を利用して周期が表示されてもよい。
【0127】
変形例(4)によれば、リソース監視画面Gに、ロボット22の周期とともにリソースの使用状況を表示させ、周期とともにリソースの使用状況をユーザに確認させることで、アプリケーションAPに、ユーザ端末10のリソースをより適切に使用させることができる。リソースの使用状況に異常が発生した場合に、当該異常が突発的なものなのか定常的なものなのかを検出することができる。周期の中でロボット22が重要な動作をしているときにリソースを使用しすぎているのか否かといったことをユーザに判断させることができる。
【0128】
(5)また例えば、変形例(4)では、リソースの使用状況とともに、計画上又は設定上の周期が表示される場合を説明したが、ロボットシステム20側で計測された実際の周期が表示されてもよい。
【0129】
変形例(5)のリソース監視システム1では、実周期取得部106A及び第7表示制御部103Gが実現される。実周期取得部106Aの処理は、変形例(3)で説明した通りである。第7表示制御部103Gは、リソース監視画面Gに、実際の周期とともに使用状況を表示させる。第7表示制御部103Gの処理は、実際の周期を表示させる点が第6表示制御部103Fと異なるだけであり、他の点については、変形例(4)で説明した通りである。
【0130】
変形例(5)によれば、リソース監視画面Gに、ロボット22の実際の周期とともにリソースの使用状況を表示させ、実際の周期とともにリソースの使用状況をユーザに確認させることで、ロボット22の実際の動作に応じたリソースの使用状況を確認させることができる。
【0131】
(6)また例えば、リソース監視画面Gにおいて、ロボットシステム20の現場の状況が表示されてもよい。現場とは、ロボット22が配置された場所であり、例えば、工場や作業現場である。現場の状況は、現場の様子であり、例えば、ロボット22以外の機器の動作状況であってもよいし、製品の生産状況であってもよい。現場の状況は、任意のデータ形式で表現されてよく、例えば、ロボット22以外の機器の動作データであってもよいし、製品の生産に要した時間であってもよい。他にも例えば、現場の状況は、現場に配置されたカメラによって撮影された画像であってもよいし、現場に配置されたマイクによって検出された音声であってもよい。本変形例では、ロボットコントローラ21は、上記説明した方法によって現場の状況を取得する。
【0132】
変形例(6)のリソース監視システム1では、動作状況取得部107及び第8表示制御部103Hが実現される。動作状況取得部107は、ロボット22が動作する現場の動作状況を取得する。動作状況取得部107は、ロボットシステム20に対し、動作状況の取得要求を送信する。ロボットシステム20は、取得要求を受信すると、上記のようにして取得した動作状況をユーザ端末10に送信する。なお、ロボットシステム20は、常に動作状況を取得してもよいし、ユーザ端末10から取得要求を受信したことに応じて動作状況を取得してもよい。
【0133】
第8表示制御部103Hは、リソース監視画面Gに、現場の動作状況とともに使用状況を表示させる。例えば、第8表示制御部103Hは、リソース監視画面Gの表示領域A18内に、グラフとともに現場の動作状況を示す画像を表示させる。また例えば、第8表示制御部103Hは、リソース監視画面Gの表示領域A18とは別の場所に、現場の動作状況を示す画像を表示させてもよい。なお、現場の動作状況は、動画で表示されてもよいし、現場の動作状況を示す数値やアイコン等を利用して表示されてもよい。他にも例えば、現場の動作状況は、音声付きの動画で表示されてもよい。
【0134】
変形例(6)によれば、リソース監視画面Gに、ロボット22が動作する現場の動作状況とともにリソースの使用状況を表示させ、現場の動作状況とともにリソースの使用状況をユーザに確認させることで、アプリケーションAPに、ユーザ端末10のリソースをより適切に使用させることができる。
【0135】
(7)また例えば、上記説明した変形例を組み合わせてもよい。
【0136】
また例えば、アプリケーションAPを実行するユーザ端末10が自らリソース監視画面Gを表示させる場合を説明したが、他のコンピュータがリソース監視画面Gを表示させてもよい。即ち、アプリケーションAPを実行するコンピュータと、リソース監視画面Gを表示させるコンピュータと、は同じであってもよいし異なっていてもよい。また例えば、アプリケーションAPを実行するコンピュータは、サーバコンピュータであってもよい。また例えば、リソース監視画面Gを表示させるコンピュータは、サーバコンピュータであってもよい。また例えば、各機能がユーザ端末10で実現される場合を説明したが、複数のコンピュータで各機能が分担されてもよい。
【0137】
また、以上説明した実施形態は具体例として示したものであり、本明細書にて開示される発明をこれら具体例の構成やデータ格納例そのものに限定するものではない。当業者はこれら開示された実施形態に種々の変形、例えば、物理的構成の形状や数、データ構造、処理の実行順を変更したりしてもよい。本明細書にて開示される発明の技術的範囲は、そのようになされた変形をも含むものと理解すべきである。