特許第6725013号(P6725013)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6725013
(24)【登録日】2020年6月29日
(45)【発行日】2020年7月15日
(54)【発明の名称】情報端末及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/3206 20190101AFI20200706BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20200706BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20200706BHJP
【FI】
   G06F1/3206
   H04M1/00 R
   H01M10/48 301
【請求項の数】10
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-7800(P2019-7800)
(22)【出願日】2019年1月21日
(65)【公開番号】特開2020-24654(P2020-24654A)
(43)【公開日】2020年2月13日
【審査請求日】2019年8月21日
(31)【優先権主張番号】特願2018-143516(P2018-143516)
(32)【優先日】2018年7月31日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宇河 康
【審査官】 松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−137171(JP,A)
【文献】 特開2009−213312(JP,A)
【文献】 特開2015−230613(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/26−1/3296
H01M 10/42−10/48
H04M 1/00
H04M 1/24−1/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末本体内に電池デバイスを着脱可能であるとともに、当該端末本体内に前記電池デバイスとは別の所定のデバイスを有する情報端末であって、
前記電池デバイスに備えられた温度センサから出力される温度情報を取得して、当該電池デバイスの温度を測定する温度測定手段と、
当該情報端末が起動してからまたは前記電池デバイスを交換可能なホットスワップモードが終了してからの経過時間と、前記測定された電池デバイスの温度と、に基づいて、前記所定のデバイスの設定を行う制御手段と、を備える情報端末。
【請求項2】
端末本体に電池が着脱可能であり、当該端末本体内に所定のデバイスを有する情報端末であって、
装着された前記電池の電池温度を検出する温度検出手段と、
当該情報端末が起動してからまたは前記電池を交換可能なホットスワップモードが終了してからの経過時間と、前記検出された電池温度と、に基づいて、前記デバイスの設定を行う制御手段と、を備える情報端末。
【請求項3】
前記制御手段は、当該情報端末が起動してからまたは前記ホットスワップモードが終了してからの経過時間に応じて設定された電池温度の閾値と、前記検出された電池温度とに基づいて、前記デバイスの設定を行う請求項2に記載の情報端末。
【請求項4】
前記制御手段は、当該情報端末が起動してからまたは前記ホットスワップモードが終了してからの経過時間が所定時間以上で、前記検出された電池温度が第1の閾値以下である場合に、前記デバイスに低温用の設定を行う請求項3に記載の情報端末。
【請求項5】
前記制御手段は、当該情報端末が起動してからまたは前記ホットスワップモードが終了してからの経過時間が前記所定時間よりも短く、前記検出された電池温度が前記第1の閾値よりも大きな第2の閾値以下である場合に、前記デバイスに低温用の設定を行う請求項4に記載の情報端末。
【請求項6】
前記デバイスは、表示手段であり、
前記制御手段は、前記低温用の設定として、前記表示手段のドライバ手段のクロック周波数を高く設定する請求項4又は5に記載の情報端末。
【請求項7】
前記制御手段は、前記表示手段に表示を停止させるサスペンドモードの終了時に、当該情報端末が起動してからまたは前記ホットスワップモードが終了してからの経過時間に応じて設定された電池温度の閾値と、前記検出された電池温度とに基づいて、前記表示手段の設定を行う請求項6に記載の情報端末。
【請求項8】
前記デバイスは、撮像手段のフラッシュ手段であり、
前記制御手段は、前記低温用の設定として、前記フラッシュ手段をオフ設定する請求項4又は5に記載の情報端末。
【請求項9】
端末本体内に電池デバイスを着脱可能であるとともに、当該端末本体内に前記電池デバイスとは別の所定のデバイスを有する情報端末のコンピュータを、
前記電池デバイスに備えられた温度センサから出力される温度情報を取得して、当該電池デバイスの温度を測定する温度測定手段、
当該情報端末が起動してからまたは前記電池デバイスを交換可能なホットスワップモードが終了してからの経過時間と、前記測定された電池デバイスの温度と、に基づいて、前記所定のデバイスの設定を行う制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
端末本体に電池が着脱可能であり、当該端末本体内に所定のデバイスを有する情報端末のコンピュータを、
装着された前記電池の電池温度を検出する温度検出手段、
当該情報端末が起動してからまたは前記電池を交換可能なホットスワップモードが終了してからの経過時間と、前記検出された電池温度と、に基づいて、前記デバイスの設定を行う制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報端末及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケットなどの店舗や倉庫等に導入され、商品管理などの業務に関する情報の入力を受け付けて管理する情報端末として、ハンディターミナルが知られている。ハンディターミナルは、例えば、管理対象の商品に付された商品識別番号などの情報が含まれるシンボル(バーコード、2次元コード)のスキャンを行うスキャナ部を有する。
【0003】
ハンディターミナルは、寒冷地、冷凍室など、使用される場所の温度が低温になるケースがある。低温では、ハンディターミナル内の電池の内部抵抗の増大により電池電圧が急激に降下し、シャットダウンが起きるおそれがある。このため、電池の温度を測定するサーミスタを利用して電池温度をモニターし、予め設定された閾値温度によって、モニターした電池温度が低い場合に、内蔵のプロセッサの処理能力の制御の時間間隔を短くする設定を行う電子機器が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
ハンディターミナルにおいて、使用される電池は、一般的に、電池の電池温度を検出するサーミスタが内蔵され、当該サーミスタにより検出された電池温度を用いて充電時の電池温度制御など、温度に関する制御が行われる。このように、ハンディターミナル本体に敢えて温度センサを設けずに、ハンディターミナル本体の構成を簡単にしている。また、温度センサをプロセッサなどの発熱素子と離間させることができるため、適切に温度を検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−230613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的に、ハンディターミナルは、作業中に電源供給ができなくなる状況を防ぐため、着脱可能な電池を有する構成がとられている。作業中に、ハンディターミナルに装着中の電池の電力供給がきれても、ユーザが当該電池を充電済の他の電池に交換して、作業を続行できる。低温だと、電池の電力供給時間が短くなるため、電池交換を行う可能性も高まる。
【0007】
この電池交換時に、ハンディターミナルのハンディターミナル本体(端末本体)と電池とで温度差が発生することがある。このため、上記従来の電子機器のように、電池温度を単にモニターするのみでは、電池温度に応じてハンディターミナル本体内のデバイスに設定を行っても動作不良が発生するおそれがあった。
【0008】
本発明の課題は、電池と端末本体との温度差によらず、端末本体のデバイスを適切な状態に設定することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、端末本体内に電池デバイスを着脱可能であるとともに、当該端末本体内に前記電池デバイスとは別の所定のデバイスを有する情報端末であって、前記電池デバイスに備えられた温度センサから出力される温度情報を取得して、当該電池デバイスの温度を測定する温度測定手段と、当該情報端末が起動してからまたは前記電池デバイスを交換可能なホットスワップモードが終了してからの経過時間と、前記測定された電池デバイスの温度と、に基づいて、前記所定のデバイスの設定を行う制御手段と、を備える。
【0010】
また、本発明は、端末本体に電池が着脱可能であり、当該端末本体内に所定のデバイスを有する情報端末であって、装着された前記電池の電池温度を検出する温度検出手段と、当該情報端末が起動してからまたは前記電池を交換可能なホットスワップモードが終了してからの経過時間と、前記検出された電池温度と、に基づいて、前記デバイスの設定を行う制御手段と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電池と端末本体との温度差によらず、端末本体のデバイスを適切な状態に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】(a)は、本発明の実施の形態のハンディターミナルの正面の外観図である。(b)は、電池が装着された状態のハンディターミナルの背面の外観図である。(c)は、電池が取り外された状態のハンディターミナルの背面の外観図である。
図2】ハンディターミナルの機能構成を示すブロック図である。
図3】表示部設定処理を示すフローチャートである。
図4】時間に対する電池温度を示す図である。
図5】フラッシュ部設定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を順に詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0014】
図1図5を参照して、本発明に係る実施の形態を説明する。まず、図1図2を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。図1(a)は、本実施の形態のハンディターナル10の正面の外観図である。図1(b)は、電池30が装着された状態のハンディターミナル10の背面の外観図である。図1(c)は、電池30が取り外された状態のハンディターミナル10の背面の外観図である。図2は、ハンディターミナル10の機能構成を示すブロック図である。
【0015】
図1(a)〜図1(c)に示すハンディターミナル10は、スーパーマーケット、量販店などの店舗や、商品を格納する倉庫などの導入先で使用され、当該導入先の店員、管理担当者などのユーザに操作される情報端末である。ハンディターミナル10は、少なくとも、シンボル(バーコード、2次元コード)のスキャン機能を有する。
【0016】
ハンディターミナル10は、ハンディターミナル本体10Aと、電池30と、を備える。図1(a)に示すように、ハンディターミナル本体10Aは、正面側に、操作部12と、表示部14と、を有する。操作部12は、タッチパネル121と、キー操作部122と、を備える。タッチパネル121は、表示部14の表示画面に設けられ、ユーザのタッチ入力を受け付ける。キー操作部122は、ユーザのキー操作入力を受け付ける物理キーである。キー操作部122は、例えば、ハンディターミナル本体10Aの正面における、ホーム画面の表示のためのホームキー、1つ前の表示画面に戻るためのバックキーなどや、ハンディターミナル本体10Aの側面における、スキャナ部17のスキャン実行入力のためのトリガキー、電源オン/オフの入力を受け付ける電源キーなどを有する。
【0017】
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)の表示パネルを有し、当該表示パネルに各種表示を行う。
【0018】
図1(b)に示すように、ハンディターミナル本体10Aは、背面側に、スキャナ部17、撮像部18、フラッシュ部19、電池装着部22を有する。図1(b)のハンディターミナル本体10Aは、電池カバー(図示略)が取り外され、電池デバイスとしての電池30が取り出しテープ221を挟んで電池装着部22に装着された状態である。
【0019】
スキャナ部17は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージャなどの撮像素子を有し、被写体であるシンボルを撮像して読み取る撮像部である。例えば、ユーザにより、ハンディターミナル10のスキャナ部17がシンボル(バーコード、2次元コード)に向けられ、ユーザによるキー操作部122のトリガキーの押下入力により、シンボルが撮像されてスキャンされる。
【0020】
撮像部18は、撮像素子を有し、被写体を撮像して画像データを生成するデジタルカメラ部である。フラッシュ部19は、白色のLED(Light Emitting Diode)などの光源を有し、撮像部18の撮像時に、光を被写体に照射する。
【0021】
電池装着部22は、電池30が装着され、電池30に電気的に接続される端子(図示略)を有する。電池30は、電池装着部22に着脱可能に装着され、電池装着部22の端子を介してハンディターミナル本体10Aの各部(デバイス)に電源電力を供給する。
【0022】
図1(b)の電池30が装着されたハンディターミナル10において、ユーザにより取り出しテープ221が引っ張られることにより、図1(c)に示すように、電池30がハンディターミナル本体10Aの電池装着部22から取り外される。このようにして、ハンディターミナル10において、電池30の交換が可能である。
【0023】
ついで、図2を参照して、ハンディターミナル10の内部の機能構成を説明する。図2に示すように、ハンディターミナル10は、ハンディターミナル本体10Aと、電池30と、を備える。ハンディターミナル本体10Aは、温度測定手段、制御手段としてのCPU(Central Processing Unit)11と、操作部12と、RAM(Random Access Memory)13と、表示手段としての表示部14と、記憶部15と、無線通信部16と、スキャナ部17と、撮像部18と、フラッシュ手段としてのフラッシュ部19と、計時部20と、を備える。ハンディターミナル10の各部は、バス21を介して接続されている。また、電池30は、ハンディターミナル本体10Aに取り付けられてバス21に接続される。
【0024】
CPU11は、ハンディターミナル10の各部を制御する。CPU11は、記憶部15に記憶されているシステムプログラム及びアプリケーションプログラムのうち、指定されたプログラムを読み出してRAM13に展開し、当該展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。CPU11において、システムプログラムとして、Android(登録商標)OS(Operating System)が実行され、AndroidOS上で、各種アプリケーションプログラムが実行されるものとする。
【0025】
操作部12は、タッチパネル121、キー操作部122を有し、ユーザからのタッチパネル121へのタッチ入力、キー操作部122へのキー入力を受け付け、その操作情報をCPU11に出力する。
【0026】
RAM13は、揮発性のメモリであり、各種のデータやプログラムを一時的に格納するワークエリアを形成する。
【0027】
表示部14は、CPU11から指示された表示情報に従い、LCDの表示パネルに各種表示を行う。表示部14は、バックライト、ドライバIC(Integrated Circuit)、液晶の表示パネル(液晶パネル)などを有する。表示部14は、バックライトを光源として、ドライバICにより液晶パネルの各画素のトランジスタのゲートをオンオフ制御して当該各画素の液晶の光透過を制御することにより、画像を表示する。
【0028】
表示部14は、CPU11の制御により、ドライバICのクロック周波数を変更可能である。CPU11は、表示部14の温度が、表示部14が表示不良を起こすおそれがある低温よりも高い通常の温度であると推定される場合に、通常温度用設定(非低温用設定)を行う。通常温度用設定(非低温用設定)とは、ドライバICのクロック周波数を、低温(ここでは、例えば−10[℃]以下とする)よりも当該通常の温度で表示部14が正常に表示動作するクロック周波数にする設定である。表示部14が−10[℃]以下の低温の場合に、通常温度用設定では、ドライバICが各画素のトランジスタのゲートにオンする電流が流せなくなり、表示画面が白くなる表示不良が発生するおそれがある。このため、CPU11は、表示部14の温度が低温であると推定される場合に、低温用設定を行う。低温用設定とは、ドライバICのクロック周波数を、通常温度用設定におけるクロック周波数よりも高くする設定である。表示部14のドライバICのクロック周波数を高くする低温用設定により、各画素のトランジスタのゲートに流す電流値を高くすることができ、表示不良を発生することなく液晶パネルの表示を行うことができる。ただし、クロック周波数を高くする低温用設定では、液晶パネルの表示にちらつきが発生し、消費電流値も増加するという動作品質の低下(表示品質の低下及び消費電流増大)が発生するおそれがある。
【0029】
上記のように、表示部14には、通常温度用設定または低温用設定のいずれ一方が選択的に適用される。CPU11は、表示部14の温度が通常の温度(即ち、−10[℃]より高い温度)であると判別される場合には通常温度用設定を適用する。表示部14の温度が当該通常の温度でもあるにも関わらず、低温用設定が適用されてしまうと前述した動作品質の低下が不必要に発生してしまうからである。一方で、CPU11は、表示部14の温度が低温(即ち、−10[℃]以下の温度)であると判別される場合には低温用設定を適用する。表示部14の温度が、当該低温でもあるにも関わらず、通常温度用設定が適用されてしまうと前述した表示不良が発生してしまうからである。
【0030】
なお、表示部14の温度情報を正確に把握できない場合においては、表示部14には低温用設定を適用することが好ましい。低温用設定の適用時には、表示部14において、前述した動作品質の低下が発生してしまうものの、通常温度設定の適用時における表示不良を必ず避けることができるためである。
【0031】
記憶部15は、情報を読み出し及び書き込み可能なフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶部である。記憶部15には、各種データ及びプログラムが記憶されている。特に、記憶部15には、アプリケーションプログラムとして、後述する表示部設定処理を実行するための表示部設定プログラムP1、フラッシュ部設定処理を実行するためのフラッシュ部設定プログラムP2、が記憶されているものとする。
【0032】
無線通信部16は、アンテナ、変復調回路、信号処理回路などを有し、Wi−Fi(登録商標)などの無線LAN(Local Area Network)通信の通信方式の通信部である。CPU11は、無線通信部16を介して、アクセスポイントとの無線送受信を行い、当該アクセスポイントにネットワーク接続された通信先の機器と情報の送受信を行う。
【0033】
スキャナ部17は、CPU11の制御に従い、シンボルを被写体として撮像してその画像データを生成し、CPU11に出力する。CPU11は、スキャナ部17により撮像されたシンボルの画像データをデコードして当該シンボルに含まれるデータを取得する。なお、スキャナ部17は、シンボルとしてのバーコードにレーザー光を照射しその反射光の入力により得られた信号をデコードして当該バーコードに含まれたデータを得るレーザスキャナとしてもよい。
【0034】
撮像部18は、CPU11の制御に従い、被写体を撮像してその画像データを生成し、CPU11に出力する。
【0035】
フラッシュ部19は、CPU11の制御に従い、撮像部18による被写体の撮像時に、光源から被写体方向に光を照射する。フラッシュ部19は、CPU11の制御により、フラッシュ有効/無効を設定可能である。フラッシュ部19が−10[℃]などの低温の場合に、通常の設定では、光源が点滅するなど、正常に発光せず、フラッシュを有効にしているにもかかわらず、撮像した画像データが暗くなるおそれがある。このため、低温時には、フラッシュ部19のフラッシュを無効にしてしまう方が好ましい。即ち、表示部14と同様に、CPU11は、フラッシュ部19の温度が通常の温度(即ち、−10[℃]より高い温度)であると判別される場合にはフラッシュを有効にする通常温度用設定を適用する一方で、フラッシュ部19の温度が低温(即ち、−10[℃]以下の温度)であると判別される場合にはフラッシュを無効にする低温用設定を適用する。
【0036】
計時部20は、リアルタイムクロックであり、現在日時を計時し、現在日時情報としてCPU11に出力する。
【0037】
電池30は、リチウムイオン電池などの充電池(2次電池)であり電源電力供給を行う電池本体(図示略)と、温度センサ、温度検出手段としての電池温度センサ部301と、を有する。電池温度センサ部301は、サーミスタなどにより構成され、電池30の温度(電池温度)を検出し、検出した電池温度の情報をCPU11に出力する。
【0038】
本実施の形態において、電池温度センサ部301により出力される温度情報は、電池30における過充電や過放電による異常発熱を検知する電池監視処理(不図示)に用いられる。さらに、電池温度センサ部301により出力される温度情報は、表示部14およびフラッシュ部19に対して通常温度用設定または低温用設定のいずれを適用するかをCPU11が判別する表示部設定処理およびフラッシュ部設定処理に用いられる。即ち、電池温度センサ部301は、複数の制御処理において兼用されるセンサである。
【0039】
上記制御処理に利用される温度情報を、電池30に備えられる電池温度センサ部301を介して取得する構成により、温度センサを端末本体内の回路基板上に設ける場合よりも、端末本体の構成を簡単にすることが可能となる。さらに、端末本体における回路基板に温度センサを設ける構成では、温度センサがCPU11等の発熱部材による影響を受けてしまい、温度情報を正しく取得できないという問題もあるため、上記の構成が好ましい。
【0040】
ハンディターミナル10は、他にも、NFC(Near Field Communication)などの近距離通信部、ワイヤレスWAN(Wide Area Network)、Bluetooth(登録商標)などの無線通信部、音声入力部、音声出力部などを備える構成としてもよい。
【0041】
つぎに、図3図5を参照して、ハンディターミナル10の動作を説明する。図3は、表示部設定処理を示すフローチャートである。図4は、時間に対する電池温度を示す図である。図5は、フラッシュ部設定処理を示すフローチャートである。
【0042】
まず、図3を参照して、ハンディターミナル10で実行される表示部設定処理を説明する。前提として、上記で述べたように、電池30がハンディターミナル本体10Aに着脱可能で交換可能な構成であるものとする。予め、ハンディターミナル10がシャットダウン状態にあるものとする。シャットダウン状態のハンディターミナル10において、操作部12の電源キーを介してユーザから電源オン入力がされたことをトリガとして、CPU11は、記憶部15に記憶された表示部設定プログラムP1に従い、表示部設定処理を実行する。
【0043】
図3に示すように、まず、CPU11は、ハンディターミナル10を初回起動し、計時部20から現在日時情報を取得して、起動からの経過を示す起動経過時間のカウントを開始する(ステップS11)。
【0044】
そして、CPU11は、表示部14の低温用設定として、表示部14を、ドライバICのクロック周波数を高くする「クロック周波数高」の状態に設定し、表示部14の表示を開始(再開)する(ステップS12)。
【0045】
そして、CPU11は、ハンディターミナル10におけるその他の処理を実行する(ステップS13)。その他の処理は、表示部14の設定以外の処理であり、例えば、表示部14の表示とともに、操作部12を介するユーザの操作入力に応じて行われる各種処理である。
【0046】
そして、CPU11は、ステップS13において、操作部12に所定時間操作入力がないことなどに基づきサスペンドモード(休止モード)を開始するか否かを判別する(ステップS14)。サスペンドモードは、表示部14の表示を停止し、操作部12を介してユーザからのサスペンドモード終了の操作入力を待機し、最小限の処理を行う休止のモードである。
【0047】
サスペンドモードを開始する場合(ステップS14;YES)、CPU11は、例えば、操作部12にサスペンドモード終了の操作入力があることに基づき、サスペンドモードを終了するか否かを判別する(ステップS15)。終了しない場合(ステップS15;NO)、ステップS15に移行される。ただし、サスペンドモード中に、CPU11は、サスペンドモード時の処理は実行している。
【0048】
終了する場合(ステップS15;YES)、CPU11は、カウント中の起動経過時間が20分以上であるか否かを判別する(ステップS16)。なお、サスペンドモードが終了されると、サスペンドモード直前の状態が再開される。起動経過時間が20分未満である場合(ステップS16;NO)、CPU11は、電池30の電池温度を電池温度センサ部301から取得し、取得した電池温度が10[℃]以下であるか否かを判別する(ステップS17)。
【0049】
電池温度が10[℃]以下である場合(ステップS17;YES)、CPU11は、表示部14の低温用設定として、表示部14のドライバICのクロック周波数を通常温度用設定よりも高くする「クロック周波数高」の状態に設定し、表示部14の表示を開始(再開)する(ステップS18)。
【0050】
起動経過時間が20分以上である場合(ステップS16;YES)、CPU11は、電池30の電池温度を電池温度センサ部301から取得し、取得した電池温度が−10[℃]以下であるか否かを判別する(ステップS19)。電池温度が−10[℃]以下である場合(ステップS19;YES)、ステップS18に移行される。
【0051】
電池温度が−10[℃]より大きい場合(ステップS19;NO)、又は電池温度が10[℃]より大きい場合(ステップS17;NO)、CPU11は、表示部14の通常温度用設定として、表示部14のドライバICのクロック周波数を通常の値にする「クロック周波数通常」の状態に設定し、表示部14の表示を開始(再開)する(ステップS20)。
【0052】
ハンディターミナル10で実行されるAndroidOSの性質上、表示部14が表示されている最中は、表示部14の設定(表示設定値)の変更はできないので、ステップS14,S15に示すように、表示部14の設定変更のタイミングは、サスペンドモードを終了するとき、すなわち表示部14が表示開始する際に行っている。
【0053】
電池30がハンディターミナル本体10Aに着脱可能で交換可能な構成であるので、ハンディターミナル10の低温下の運用にて電池30が、常温からきた充電済の電池30に交換される場合が想定されるため、ハンディターミナル本体10Aと電池30との温度が大きく異なることがある。すなわち、従来の電池温度に基づく制御では、例えば−10[℃]を閾値に判断してもハンディターミナル本体10Aは例えば−20[℃]のように冷えていて、低温用設定が適用されるべきなのに、電池30が例えば18[℃]のように温かい場合に、通常温度用設定が適用されてしまうおそれがある。
【0054】
本実施の形態では、まずステップS11に示すようにシャットダウン状態からのブート起動(初回起動)の際は、表示部14の表示がされる前に電池温度の判別ができないため、この初回起動だけは常に、ステップS12で表示部14を低温用設定している。
【0055】
初回起動後、サスペンドモード開始→サスペンドモード終了時に、ステップS17,S19で、電池30の電池温度を見て、表示部14の通常温度用設定か低温用設定かが適用される。その際、初回起動後から20分間未満では、電池温度の閾値10[℃]として、10[℃]以下の場合に低温用設定が適用される。起動後20分以降からは、電池温度の閾値−10[℃]とされる。図4を参照して、この2段階に電池温度の閾値を設ける理由を説明する。
【0056】
図4においては室内における電池30の電池温度の例として18[℃]とする。図4は、18[℃]の電池30を、−20[℃]に冷えたハンディターミナル本体10Aに装着したときの、(経過)時間[分]に対する電池30の電池温度の測定値[℃]を示す。図4において、はじめは、−20[℃]のハンディターミナル本体10Aに対して温度差があるが15分経過するころには電池温度が−11[℃]となり、20分後には電池温度が−14[℃]に到達し、ハンディターミナル本体10Aの温度とほぼ同等になる。
【0057】
ハンディターミナル10の起動には約50秒程度かかる。図4の測定値より起動後は電池温度が7[℃]となっているので、ステップS17で初回起動後から20分間は電池温度の閾値を10[℃]とした。即ち、もし、この段階で取得された電池温度が10[℃]よりも高い場合には、実際の端末(ハンディターミナル本体10A)の温度は10[℃]よりも高いとみなすことができるため、起動時(または後述するホットスワップモード終了時)からの低温用設定をこの段階で通常温度用設定に変更することができる。また、もしこの段階で取得された電池温度が10[℃]よりも低い場合には、実際の端末の温度が−10[℃]以下の可能性があるため低温用設定を保持する。そして、起動後(または後述するホットスワップモード終了後)20分以降は、電池30の電池温度が実際の端末の温度と同等であるとみなすことができるので、低温での表示部14の表示不良が起きる可能性のある−10[℃]を電池温度の閾値にした。この時間経過とともに、電池温度の2段階の閾値を設ける制御で、端末の温度が表示不良が起きる可能性のある温度よりも所定温度以上高いとき(図4においては10[℃]以上)には、電池温度が端末本体の温度と同等とみなせるようになるまでの時間(図4においては20分)を経過しなくても、早い段階で低温用設定から通常温度用設定に変更することができる。
【0058】
図3に戻り、ステップS18又はS20の後、又はサスペンドモードを開始しない場合(ステップS14;NO)、CPU11は、操作部12を介するユーザからのホットスワップモードの開始指示入力に応じて、ホットスワップモードを開始するか否かを判別する(ステップS21)。ホットスワップモードは、ハンディターミナル10のメモリの状態を維持したまま電池30の交換を行うためのモードであり、電池30の交換中を含めハンディターミナル本体10Aに内蔵されたサブ電池(図示略)によりハンディターミナル本体10Aのメモリの状態の維持に必要な各部への電源電力の供給を行う。ユーザは、ホットスワップモードが開始されると、ハンディターミナル本体10Aに装着された電池30を充電済の電池30に交換する。ホットスワップモードを開始しない場合(ステップS21;NO)、ステップS13に移行される。
【0059】
ホットスワップモードを開始する場合(ステップS21;YES)、CPU11は、操作部12を介するユーザからのホットスワップモード終了の指示入力に応じて、ホットスワップモードを終了するか否かを判別する(ステップS22)。終了しない場合(ステップS22;NO)、ステップS22に移行される。終了する場合(ステップS22;YES)、CPU11は、計時部20から現在日時情報を取得して、起動経過時間のカウントを新たに開始し(ステップS23)、ステップS12に移行される。なお、ホットスワップモードが終了されると、ホットスワップモードの直前の状態に再開される。
【0060】
ホットスワップモードで電池30の交換を行った場合に、ハンディターミナル本体10Aと電池30との温度が大きく異なる可能性があるので、初回起動と同様に常に低温用設定される。その後は、初回起動と同様にホットスワップモードの終了から20分間未満は電池温度の閾値10[℃]、その後は電池温度の閾値−10[℃]とされる。
【0061】
ここで、表示部設定処理において、電池30の2段階の閾値(10[℃]、−10[℃])の電池温度に対する、電源オン(初回起動)後又はホットスワップモード終了後と、サスペンドモード終了(起動経過時間0〜20分未満経過)と、サスペンドモード終了(起動経過時間20分以上経過)との各状態における、表示部14の設定内容を下記表Iにまとめた。
【表1】
【0062】
AndroidOSを搭載したハンディターミナル10の運用は、無駄な電流消費を抑えるため、しばしばサスペンドモードの開始及び終了を繰り返し行うことが想定される。このため、常温で使用されているハンディターミナル10がずっと低温用設定になっていることはほとんどないと想定できる。また、図4の結果は、ハンディターミナル10を操作しなかった場合の結果であり、ハンディターミナル10を操作した場合はハンディターミナル10自身が自己発熱で温度が上がり、表示部14の表示不良が起こる電池温度(−10[℃])より大きくなるので、電池温度によってははじめの20分間のみ低温用設定により多少表示部14の動作品質が低下する可能性はあるが、その後は通常の動作品質となることからこの制御を行えば少なくとも表示部14の表示不良は発生しない。このような処理により、電池温度センサ部301により温度情報を取得する構成において、電池30の交換が行われたとしても、表示部14の設定を適切に制御することができる。
【0063】
ついで、図5を参照して、ハンディターミナル10で実行されるフラッシュ部設定処理を説明する。予め、ハンディターミナル10がシャットダウン状態にあるものとする。シャットダウン状態のハンディターミナル10において、操作部12の電源キーを介してユーザから電源オン入力がされたことをトリガとして、CPU11は、記憶部15に記憶されたフラッシュ部設定プログラムP2に従い、フラッシュ部設定処理を実行する。
【0064】
図5に示すように、ステップS31,S32は、図3の表示部設定処理のステップS11,S13と同様である。そして、CPU11は、撮像部18で被写体の撮像を行うためのカメラのアプリケーションプログラムがオン(実行)されているか否かを判別する(ステップS33)。
【0065】
カメラのアプリケーションプログラムがオンされている場合(ステップS33;YES)、ステップS34が実行される。ステップS34,S36,S37は、図3のステップS16,S17,S19と同様である。電池温度が10[℃]以下である場合(ステップS35;YES)、CPU11は、フラッシュ部19の低温用設定として、フラッシュ部19の駆動(発光)を無効にする「フラッシュ無効」の状態に設定する(ステップS36)。ステップS36において、CPU11は、フラッシュ部19がフラッシュ無効に設定された旨の表示情報を表示部14に表示する構成としてもよい。
【0066】
電池温度が−10[℃]より大きい場合(ステップS37;NO)、又は電池温度が10[℃]より大きい場合(ステップS35;NO)、CPU11は、フラッシュ部19の通常温度用設定として、フラッシュ部19の駆動(発光)を有効にする「フラッシュ有効」の状態に設定する(ステップS38)。ステップS39〜S41は、図3のステップS21〜S23と同様である。このような処理により、電池温度センサ部301により温度情報を取得する構成において、電池30の交換が行われたとしても、フラッシュ部19の設定を適切に制御することができる。
【0067】
ここで、フラッシュ部設定処理において、電池30の2段階の閾値(10[℃]、−10[℃])の電池温度に対する、電源オン(初回起動)後又はホットスワップモード終了後と、カメラのアプリケーションプログラムのオン後(起動経過時間0〜20分未満経過)と、カメラのアプリケーションプログラムのオン後(起動経過時間20分以上経過)との各状態における、フラッシュ部19の設定内容を下記表IIにまとめた。
【表2】
【0068】
以上、本実施の形態によれば、ハンディターミナル10は、ハンディターミナル本体10A内に電池デバイス(電池30)を着脱可能であるとともに、ハンディターミナル本体10A内に電池30とは別の所定のデバイス(表示部14、フラッシュ部19)を有する情報端末である。ハンディターミナル10は、電池30に備えられた電池温度センサ部301から出力される温度情報を取得して、電池30の温度を測定し、ハンディターミナル10が起動してからまたは電池30を交換可能なホットスワップモードが終了してからの経過時間と、測定された電池30の温度と、に基づいて、表示部14、フラッシュ部19の設定を行うCPU11を備える。
【0069】
また、ハンディターミナル10は、ハンディターミナル本体10Aに電池30が着脱可能であり、ハンディターミナル本体10Aに所定のデバイス(表示部14、フラッシュ部19)を有する情報端末である。ハンディターミナル10は、装着された電池30の電池温度を検出する電池温度センサ部301と、ハンディターミナル10が起動してからまたは電池30を交換可能なホットスワップモードが終了してからの起動経過時間と、検出された電池温度と、に基づいて、前記デバイスの設定を行うCPU11と、を備える。
【0070】
このため、電池30とハンディターミナル本体10Aとの温度差によらず、起動経過時間、電池温度に応じて、ハンディターミナル本体10Aのデバイスを適切な状態に設定できる。
【0071】
また、CPU11は、ハンディターミナル10が起動してからまたはホットスワップモードが終了してからの起動経過時間に応じて設定された複数の電池温度の閾値と、検出された電池温度とに基づいて、デバイスの設定を行う。このため、ハンディターミナル10が起動してからまたはホットスワップモードが終了してからの起動経過時間に応じて設定された複数の電池温度の閾値と、検出された電池温度との比較により、デバイスを適切な状態に容易に設定できる。
【0072】
また、CPU11は、ハンディターミナル10が起動してからまたはホットスワップモードが終了してからの起動経過時間が所定時間(20分)以上で、検出された電池温度が−10[℃]以下である場合に、デバイスに低温用の設定を行う。このため、常温下や高温下(−10[℃]〜)の環境で使用するユーザにとってはデバイスの動作品質の低下なくハンディターミナル10を使用でき、低温下(〜−10[℃])の環境で使用するユーザにとってはデバイスの動作不良なくハンディターミナル10を使用できる。
【0073】
また、CPU11は、ハンディターミナル10が起動してからまたはホットスワップモードが終了してからの起動経過時間が所定時間(20分)より短く、検出された電池温度が−10[℃]よりも大きい10[℃]以下である場合に、デバイスに低温用の設定を行う。このため、ハンディターミナル10が起動してからまたはホットスワップモードが終了してからの起動経過時間が所定時間(20分)より短い場合にも、常温下や高温下(10[℃]〜)の環境で使用するユーザにとってはデバイスの動作品質の低下なくハンディターミナル10を使用でき、低温の可能性のある環境(〜10[℃])で使用するユーザにとってはデバイスの動作不良なくハンディターミナル10を使用できる。
【0074】
また、デバイスは、表示部14である。CPU11は、低温用の設定として、表示部14のドライバICのクロック周波数を高く設定する。このため、低温時に、表示部14の動作品質の低下はあるものの表示部14の表示不良なくハンディターミナル10を使用できる。
【0075】
また、表示部14に表示を停止させるサスペンドモードの終了時に、ハンディターミナル10が起動してからまたはホットスワップモードが終了してからの起動経過時間に応じて設定された複数の電池温度の閾値と、検出された電池温度とに基づいて、表示部14の設定を行う。このため、ハンディターミナル10でAndroidOSが動作していても、電池30とハンディターミナル本体10Aとの温度差によらず、ハンディターミナル本体10Aの表示部14を適切な状態に設定できる。
【0076】
また、デバイスは、フラッシュ部19である。CPU11は、低温用の設定として、フラッシュ部19を無効設定する。このため、低温時に、フラッシュ部19を無効に設定して発光不良なくハンディターミナル10を使用できる。
【0077】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る情報端末及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。
【0078】
例えば、上記実施の形態の図3の表示部設定処理、図5のフラッシュ部設定処理において、電池温度が10[℃]より大きい場合(ステップS17又はS35;NO)にデバイスに通常温度用の設定がされる(ステップS20又はS38)構成としたが、これに限定されるものではない。起動経過時間が所定時間(20分)未満である場合には、検出された電池温度によらずデバイスに低温用の設定がされる(ステップS18又はS36)構成としてもよい。
【0079】
また、上記実施の形態の図3の表示部設定処理、図5のフラッシュ部設定処理において、起動経過時間の閾値としての所定時間(20分)に対応する電池温度の閾値を、10[℃]、−10[℃]の2種類としたが、これに限定されるものではない。例えば、起動経過時間の閾値としての所定時間を複数設定し、当該各所定時間に対応する電池温度の閾値を少なくとも1つ設定する構成としてもよい。
【0080】
また、上記実施の形態の図5のフラッシュ部設定処理におけるステップS36では、フラッシュ部19の駆動(発光)を無効に設定していたが、これに限定されるものではない。例えば、正常に発光しないおそれがある旨を表示部14などを介して通知することとし、その上で、フラッシュ部19の駆動(発光)を有効にするか無効にするかをユーザに選択させる構成としてもよい。同様に、ステップS38においても、フラッシュ部19の駆動(発光)の有効/無効はユーザに選択的に設定させてもよい。なお、ステップS38においては、温度要因によってフラッシュ部19が正常に発光しないおそれがないと判別された状態であるため、特に判別結果の通知などは行わない構成としてもよい。
【0081】
また、上記実施の形態では、電池温度に基づいて低温用設定を適用することとしていたが、これに限定されるものではなく、例えば、高温用設定を適用するものとしてもよい。即ち、電池温度に基づいて端末装置のデバイスに所定の設定を適用する場合において、本発明を適用することが可能である。
【0082】
また、上記実施の形態では、電池30が交換された可能性のあるタイミングとして電源オン後やホットスワップ後からの経過時間をカウントしていたが、これに限定されるものではなく、実際に電池が交換されたか否かを判別するようにして、交換がされた場合にのみ経過時間のカウントを実行する構成としてもよい。なお、実際に電池30が交換されたか否かを判別する方法としては、例えば、電池30の充電状態が大きく変化したか否か(所定の閾値以上変化したか否か)を判別するとよい。
【0083】
また、上記実施の形態では、電池30は、リチウムイオン電池などの充電池であるとしたが、サーミスタなどの温度センサを備える電池であれば任意の電池であってよく、特に限定されるものではない。
【0084】
また、上記実施の形態では、電池温度、起動経過時間に応じた設定対象のデバイスを、表示部14、フラッシュ部19としたが、これに限定されるものではない。電池温度、起動経過時間に応じた設定対象のデバイスを、例えば、Wi−Fiの無線通信部など、ハンディターミナル本体10A内の他のデバイスとしてもよい。
【0085】
また、上記実施の形態では、情報端末としてのハンディターミナル10を用いる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、情報端末としては、電池で駆動し、電池の着脱又は交換が可能な、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)など、他の情報端末としてもよい。
【0086】
また、上記実施の形態におけるハンディターミナル10の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0087】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
端末本体内に電池デバイスを着脱可能であるとともに、当該端末本体内に前記電池デバイスとは別の所定のデバイスを有する情報端末であって、
前記電池デバイスに備えられた温度センサから出力される温度情報を取得して、当該電池デバイスの温度を測定する温度測定手段と、
当該情報端末が起動してからまたは前記電池デバイスを交換可能なホットスワップモードが終了してからの経過時間と、前記測定された電池デバイスの温度と、に基づいて、前記所定のデバイスの設定を行う制御手段と、を備える情報端末。
<請求項2>
端末本体に電池が着脱可能であり、当該端末本体内に所定のデバイスを有する情報端末であって、
装着された前記電池の電池温度を検出する温度検出手段と、
当該情報端末が起動してからまたは前記電池を交換可能なホットスワップモードが終了してからの経過時間と、前記検出された電池温度と、に基づいて、前記デバイスの設定を行う制御手段と、を備える情報端末。
<請求項3>
前記制御手段は、当該情報端末が起動してからまたは前記ホットスワップモードが終了してからの経過時間に応じて設定された電池温度の閾値と、前記検出された電池温度とに基づいて、前記デバイスの設定を行う請求項2に記載の情報端末。
<請求項4>
前記制御手段は、当該情報端末が起動してからまたは前記ホットスワップモードが終了してからの経過時間が所定時間以上で、前記検出された電池温度が第1の閾値以下である場合に、前記デバイスに低温用の設定を行う請求項3に記載の情報端末。
<請求項5>
前記制御手段は、当該情報端末が起動してからまたは前記ホットスワップモードが終了してからの経過時間が前記所定時間よりも短く、前記検出された電池温度が前記第1の閾値よりも大きな第2の閾値以下である場合に、前記デバイスに低温用の設定を行う請求項4に記載の情報端末。
<請求項6>
前記デバイスは、表示手段であり、
前記制御手段は、前記低温用の設定として、前記表示手段のドライバ手段のクロック周波数を高く設定する請求項4又は5に記載の情報端末。
<請求項7>
前記制御手段は、前記表示手段に表示を停止させるサスペンドモードの終了時に、当該情報端末が起動してからまたは前記ホットスワップモードが終了してからの経過時間に応じて設定された電池温度の閾値と、前記検出された電池温度とに基づいて、前記表示手段の設定を行う請求項6に記載の情報端末。
<請求項8>
前記デバイスは、撮像手段のフラッシュ手段であり、
前記制御手段は、前記低温用の設定として、前記フラッシュ手段をオフ設定する請求項4又は5に記載の情報端末。
<請求項9>
端末本体内に電池デバイスを着脱可能であるとともに、当該端末本体内に前記電池デバイスとは別の所定のデバイスを有する情報端末のコンピュータを、
前記電池デバイスに備えられた温度センサから出力される温度情報を取得して、当該電池デバイスの温度を測定する温度測定手段、
当該情報端末が起動してからまたは前記電池デバイスを交換可能なホットスワップモードが終了してからの経過時間と、前記測定された電池デバイスの温度と、に基づいて、前記所定のデバイスの設定を行う制御手段、
として機能させるためのプログラム。
<請求項10>
端末本体に電池が着脱可能であり、当該端末本体内に所定のデバイスを有する情報端末のコンピュータを、
装着された前記電池の電池温度を検出する温度検出手段、
当該情報端末が起動してからまたは前記電池を交換可能なホットスワップモードが終了してからの経過時間と、前記検出された電池温度と、に基づいて、前記デバイスの設定を行う制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0088】
10 ハンディターミナル
10A ハンディターミナル本体
11 CPU
12 操作部
121 タッチパネル
122 キー操作部
13 RAM
14 表示部
15 記憶部
16 無線通信部
17 スキャナ部
18 撮像部
19 フラッシュ部
20 計時部
21 バス
22 電池装着部
221 取り出しテープ
30 電池
301 電池温度センサ部
図1
図2
図3
図4
図5