(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
空間を利用する際の利便性を向上するための空間の構築方法に関する技術がある。例えば、特許文献1に記載の空間構造体では、連結手段が溝内を移動可能であるため、柱状体と横梁体とを任意の位置で固定することができる。また、柱状体と横梁体の任意の位置で、連結手段に接続された金具を用いてガラスパネルを固定することができる。一方で、このような空間を構築する技術では、より組立が容易で固定力に優れた技術開発が望まれている。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑み、より組立が容易で固定力に優れた、空間を構築する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、上述した課題を解決するため、垂直方向に延びる縦部材と、水平方向に延びる横部材とを接続して、面材を固定する枠構造を構成し、縦部材と横部材の夫々を互いに接続自在な2つの部材で構成し、2つの部材で挟み込んで面材を固定できるようにした。
【0007】
詳細には、本発明は、板状の面材を固定する枠構造であって、垂直方向に延びる縦部材と、前記縦部材と接続される、水平方向に延びる横部材と、を備え、前記縦部材は、前記面材の端部の一面を支持する第1の縦部材と、当該第1の縦部材と接続され、前記面材の端部の他面を支持する第2の縦部材とを有し、前記横部材は、前記面材の端部の一面を支持する第1の横部材と、当該第1の横部材と接続され、前記面材の端部の他面を支持する第2の横部材とを有する、枠構造である。
【0008】
本発明に係る枠構造は、縦部材と横部材の夫々を互いに接続自在な2つの部材で構成し、2つの部材で挟み込んで面材を固定できるよう構成されている。そのため、枠構造を容易に組み立てることができ、また、容易に解体することができる。また、本発明に係る枠構造は、組み立て、解体が容易であるため、異なる場所で繰り返し使用することにも適している。また、本発明に係る枠構造は、縦部材及び横部材を構成する2つの部材で直接挟
み込んで面材を固定するため、固定力にも優れている。
【0009】
また、前記第1の縦部材は、第1の縦部材の底部と、当該第1の縦部材の底部から立ち上がり対向する第1の縦部材の壁部とを有し、一方の第1の縦部材の壁部は、前記面材の端部の一面と接して当該面材の端部の一面を支持し、前記第2の縦部材は、第2の縦部材の底部と、当該第2の縦部材の底部から立ち上がる第2の縦部材の壁部とを有し、当該第2の縦部材の壁部は、前記第1の縦部材の溝に収容され、前記面材の端部の他面と接して当該面材の端部の他面を支持し、前記第1の横部材は、第1の横部材の底部と、当該第1の横部材の底部から立ち上がり対向する第1の横部材の壁部とを有し、一方の第1の横部材の壁部は、前記面材の端部の一面と接して当該面材の一面の端部を支持し、前記第2の横部材は、第2の横部材の底部と、当該第2の横部材の底部から立ち上がる第2の横部材の壁部とを有し、当該第2の横部材の壁部は、前記第1の横部材の溝に収容され、前記面材の端部の他面と接して当該面材の端部の他面を支持するようにしてもよい。
【0010】
本発明に係る枠構造では、縦部材については、第2の縦部材の壁部を第1の縦部材の溝部に収容することで、第1の縦部材と第2の縦部材とを接続することができる。また、横部材については、第2の横部材の壁部を第1の横部材の溝部に収容することで、第1の横部材と第2の横部材とを接続することができる。したがって、容易に、組み立て、解体をすることができる。また、面材が、縦部材や横部材の壁、すなわち構造体そのものの「面」で支持されることから、例えば、金具等を用いて面材を固定する場合と比較して、固定力が向上する。なお、第2の縦部材や第2の横部材の壁部は、溝に収容される壁部のみとすることができる。但し、第2の縦部材や第2の横部材の壁部は、対向する2つの壁部を有する構成とすることで、例えば、第2の縦部材の対向する2つの壁部で第1の縦部材の他方の壁部を挟み込むことができる。その結果、第1の縦部材と第2の縦部材との固定力が更に向上する。同様に、第1の横部材と第2の横部材との固定力を向上することができる。
【0011】
また、他方の第1の縦部材の壁部は、前記一方の縦部材の壁部よりも低く形成され、他方の第1の横部材の壁部は、前記一方の横部材の壁部よりも低く形成されていてもよい。これにより、例えば、第1の縦部材と第2の縦部材とを接続して枠を構成した状態で、低く形成された壁部側から面材を固定することができる。なお、他方の第1の縦部材の壁部や他方の第1の横部材の壁部の高さを、一方の第1の縦部材の壁部や一方の第1の横部材の壁部の高さを同じとしてもよい。この場合には、枠構造を例えばU字型とするなど、一部を開放しておき、開放した箇所から面材をスライドさせて固定するようにしてもよい。
【0012】
ここで、本発明に係る枠構造は、前記第1の縦部材の溝と、前記第1の横部材の溝とのうち、少なくとも何れか一方に収容され、前記面材の端面と接して、当該面材を支持する支持材を更に備える構成としてもよい。これにより、面材の移動をより確実に規制することができ、所謂ガタツキを抑制できる。その結果、固定力をより向上することができる。
【0013】
ここで、本発明は、上述した枠構造、面材を含む、空間構造体として特定することができる。例えば、本発明は、板状の面材と、前記面材を固定する枠構造と、前記枠構造と接続され、垂直方向に延びる柱部材と、前記枠構造と接続されるとともに、前記柱部材と接続される、水平方向に延びる梁部材と、を備え、前記枠構造は、垂直方向に延びる縦部材と、前記縦部材と接続される、水平方向に延びる横部材と、を備え、前記縦部材は、前記面材の端部の一面を支持する第1の縦部材と、当該第1の縦部材と接続され、前記面材の端部の他面を支持する第2の縦部材とを有し、前記横部材は、前記面材の端部の一面を支持する第1の横部材と、当該第1の横部材と接続され、前記面材の端部の他面を支持する第2の横部材とを有する、空間構造体である。
【0014】
本発明に係る空間構造体は、オフィス等の室内空間に限らず、屋外に設置することで、設置個所に任意の空間を構築することができる。すなわち、空間を利用する際の利便性を向上することができる。また、本発明に係る空間構造体は、枠構造と柱部材、枠構造と梁部材、柱部材と梁部材との接続が自在であり、容易に組み立て、解体することができる。また、本発明に係る空間構造体は、枠構造の固定力が優れているため、耐震性にも優れている。
【0015】
ここで、前記柱部材と前記梁部材は、木材によって構成してもよい。枠構造には、鋼製部材を用いることができる。空間構造体の一部に木材を用いることで、空間構造体の軽量化を実現でき、耐震性を向上することができる。また、デザイン性を向上することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、より組立が容易で固定力に優れた、空間を構築する技術を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。なお、以下で説明する実施形態は本発明を実施するための例示であり、本発明は以下で説明する態様に限定されない。
【0019】
<空間構造体の概略構成>
図1は、実施形態に係る空間構造体の斜視図を示す。実施形態に係る空間構造体100は、垂直方向に延びる柱部材110、水平方向に延び、柱部材110と接続される上部の梁部材120、柱部材110と接続される下部の梁部材130、柱部材110及び梁部材120と接続され、面材4が固定されたフレーム1(本発明の枠構造に相当する。)、梁部材120に接続された天井ブレース10を備える構成である。
【0020】
<フレーム>
図2は、実施形態に係る、面材が固定されたフレームの斜視図を示す。
図3は、実施形態に係る、フレームの分解斜視図を示す。実施形態に係るフレーム1は、本発明の枠構造の一例であり、面材4を固定するものであり、垂直方向に延びる縦部材2と、縦部材2と接続される、水平方向に延びる横部材3と、を備える。縦部材2は、面材4の端部の一面(例えば、内側面)を支持する第1の縦部材21と、第1の縦部材21と接続され、面材4の端部の他面(例えば、外側面)を支持する第2の縦部材22とを有する。横部材3は、面材4の端部の一面を支持する第1の横部材31と、第1の横部材31と接続され、面材4の端部の他面を支持する第2の横部材32とを有する。
【0021】
面材4は、フレーム1に固定されることで、空間構造体100の壁として機能する。面材4には、樹脂系ボード、ガラスボード等を用いることができる。
【0022】
図4は、実施形態に係る第1の縦部材の全体平面図を示す。
図5は、
図4の部分拡大図を示す。
図6は、
図5のA矢視図を示す。
図7は、
図5のB矢視図を示す。
図4から
図7に示すように、第1の縦部材21は、フレーム1の縦部材2の一部を構成し、全体として長尺であり、フレーム1の高さに応じた長さを有する。フレーム1の高さは、構築する空間に応じて適宜設計することができる。実施形態に係る第1の縦部材21は、第1の縦部材の底部213と、第1の縦部材の底部213の幅方向の両端部から立ち上がる第1の縦部材の壁部211,212とを備える。
【0023】
第1の縦部材の底部213は、柱部材110と接する。第1の縦部材の底部213には、柱部材110と接続する際に用いる固定孔H1が形成されている。
【0024】
第1の縦部材の壁部211,212のうち、一方の第1の縦部材の壁部211は、面材
4の端部の一面と接してこれを支持する。一方の第1の縦部材の壁部211は、二重壁構造を有し、断面視矩形で内部に中空部216を有する。この中空部216には、第1の縦部材21の端部において、第1の縦部材21と第1の横部材31とを接続するL字型の接続部材7の一部が挿入される(
図33参照)。この一方の第1の縦部材の壁部211の端部には、L字型の接続部材7が挿入された際、L字型の接続部材7が収まるL字部材用切り欠き部217が形成されている。また、一方の第1の縦部材の壁部211の内壁には、挿入されるL字型の接続部材7に形成された固定孔H2の位置に合わせて、固定孔H3が2カ所形成されている。第1の縦部材21とL字型の接続部材7は、固定孔H2と固定穴H3とを合わせて、ねじ(例えば、皿ねじ)を用いて固定することができる。また、一方の第1の縦部材の壁部211の内壁には、面材4の端面と接して、面材4を支持する第1支持材5の移動を規制する直線状の突起215が形成されている。なお、面材4にガラスボードを用いる場合には、パッキンPを取り付けることができ(
図39参照)その際に、直線状の突起215は、パッキンPを取り付けるためのガイドとして機能する。
【0025】
第1の縦部材の壁部211,212のうち、他方の第1の縦部材の壁部212は、面材4の端部の他面側を支持する。他方の第1の縦部材の壁部212も二重壁構造を有するが、一方の第1の縦部材の壁部211と異なり、第1の縦部材の底部213側が開放されている。また、他方の第1の縦部材の壁部212の外壁は、後述する他方の第2の縦部材の壁部222の先端部に形成された引掛け部225(
図10参照)と係止できるよう、他方の第1の縦部材の壁部212の内壁よりも短く形成されている。また、他方の第1の縦部材の壁部212の外壁には、第2の縦部材22を固定するための固定孔H4が形成されている。他方の第1の縦部材の壁部212は、面材4を面方向に移動してフレーム1に固定できるよう、対向する一方の第1の縦部材の壁部211よりも低く設計されている。また、他方の第1の縦部材の壁部212は、第1の縦部材21とL字型の接続部材7とを固定する際、一方の第1の縦部材の壁部211の固定孔H3にアクセスしやすくするため、一方の第1の縦部材の壁部211の固定孔H3に対応する領域に矩形状の切り欠き部218が2カ所形成されている。矩形状の切り欠き部218は、第1支持材5の移動を規制する機能も有する。
【0026】
第1の縦部材の底部213、及び対向する第1の縦部材の壁部211,212に囲まれた領域は、第1の縦部材の溝214として機能する。この第1の縦部材の溝214には、第2の縦部材の壁部221,222のうち、一方の第2の縦部材の壁部221が収容される。また、第1の縦部材の溝214のうち、矩形状の切り欠き部218は、面材4の端面と接して、面材4を支持する第1支持材5を収容し、第1支持材5の移動を規制する(
図36参照)。
【0027】
図8は、実施形態に係る第2の縦部材の全体平面図を示す。
図9は、
図8の部分拡大図を示す。
図10は、
図9のA矢視図を示す。第2の縦部材22は、フレーム1の縦部材2の一部を構成し、全体として長尺であり、フレーム1の高さに応じた長さを有する。実施形態に係る第2の縦部材22は、第2の縦部材の底部223と、第2の縦部材の底部223の幅方向の両端部から立ち上がる第1の縦部材の壁部221,222とを備える。
【0028】
第2の縦部材22は、断面視U字型であり、第1の縦部材21に接続された際に、一方の第1の縦部材の壁部211と同形状になるように設計されている。第2の縦部材の壁部221,222のうち、一方の第2の縦部材の壁部221は、他方の第1の縦部材の壁部212における内壁と接するように第1の縦部材の溝214に収容され、更に、面材4の端部の他面と接してこれを支持する。一方の第2の縦部材の壁部221には、第1支持材5の移動を規制する直線状の突起226が形成されている。上述したように、面材4にガラスボードを用いる場合には、パッキンPを取り付けることができ(
図39参照)その際に、直線状の突起226は、パッキンPを取り付けるためのガイドとして機能する。第2
の縦部材の壁部221,222のうち、他方の第2の縦部材の壁部222の内側の面は、他方の第1の縦部材の壁部212における外壁と接する。また、他方の第2の縦部材の壁部222は、先端に、他方の第1の縦部材の壁部212の外壁の先端に引っかかる引掛け部225を有する。上記のような第2の縦部材の壁部221,222は、対向しており、第2の縦部材の底部223の両端に連なっている。他方の第2の縦部材の壁部222の外壁には、第1の縦部材21をねじで固定するための固定孔H5が形成されている。
【0029】
図11は、実施形態に係る第1の横部材の全体平面図を示す。
図12は、
図11の部分拡大図を示す。
図13は、
図12のA矢視図を示す。
図14は、
図12のB矢視図を示す。
図11から
図14に示すように、第1の横部材31は、フレーム1の横部材3の一部を構成し、全体として長尺であり、フレーム1の幅に応じた長さを有する。フレーム1の幅は、構築する空間に応じて適宜設計することができる。実施形態に係る第1の横部材31は、第1の横部材の底部313と、第1の横部材の底部313の幅方向の両端部から立ち上がる第1の横部材の壁部311,312とを備える。
【0030】
第1の横部材の底部313は、上部の梁部材120或いは、下部の梁部材130と接する。第1の横部材の底部313には、上部の梁部材120及び下部の130と接続する際に用いる固定孔H6が形成されている。
【0031】
第1の横部材の壁部311,312のうち、一方の第1の横部材の壁部311は、面材4の端部の一面と接してこれを支持する。一方の第1の横部材の壁部311は、二重壁構造を有し、断面視矩形で内部に中空部316を有する。この中空部316には、第1の横部材31の端部において、第1の横部材31と第1の縦部材21とを接続するL字型の接続部材7の一部が挿入される(
図33参照)。また、一方の第1の横部材の壁部311の内壁には、挿入されるL字型の接続部材7に形成された固定孔H2の位置に合わせて、固定孔H7が2カ所形成されている。第1の横部材31とL字型の接続部材7は、固定孔H2と固定穴H7とを合わせて、ねじ(例えば、皿ねじ)を用いて固定することができる。また、一方の第1の横部材の壁部311の内壁には、面材4の端面と接して、面材4を支持する第1支持材5(又は第2支持材6)の移動を規制する直線状の突起315が形成されている。なお、上述したように、面材4にガラスボードを用いる場合には、パッキンPを取り付けることができ(
図39参照)その際に、直線状の突起315は、パッキンPを取り付けるためのガイドとして機能する。
【0032】
第1の横部材の壁部311,312のうち、他方の第1の横部材の壁部312は、面材4の端部の他面と接してこれを支持する。他方の第1の横部材の壁部312も二重壁構造を有するが、一方の第1の横部材の壁部311と異なり、第1の横部材の底部313側が開放されている。また、他方の第1の横部材の壁部312の外壁は、後述する他方の第2の横部材の壁部322の先端部に形成された引掛け部325(
図17参照)に係止できるよう、他方の第1の横部材の壁部312の内壁よりも短く形成されている。また、他方の第1の横部材の壁部312の外壁には、第2の横部材32を固定するための固定孔H8が形成されている。他方の第1の横部材の壁部312は、面材4を面方向に移動してフレーム1に固定できるよう、対向する一方の第1の横部材の壁部311よりも低く設計されている。また、他方の第1の横部材の壁部312は、第1の横部材31とL字型の接続部材7とを固定する際、一方の第1の横部材の壁部311の固定孔Hにアクセスしやすくするため、一方の第1の横部材の壁部311の固定孔Hに対応する領域に矩形状の切り欠き部318が2カ所形成されている。矩形状の切り欠き部318は、第1支持材5の移動を規制する機能も有する。
【0033】
第1の横部材の底部313、及び対向する第1の横部材の壁部311,312に囲まれた領域は、第1の横部材の溝314として機能する。この第1の横部材の溝314には、
第2の横部材の壁部321,322のうち、一方の第2の横部材の壁部321が収容される。また、第1の横部材の溝314のうち、矩形状の切り欠き部318には、面材4の端面と接して、面材4を支持する第1支持材5が収容される(
図35参照)。
【0034】
図15は、実施形態に係る第2の横部材の全体平面図を示す。
図16は、
図15の部分拡大図を示す。
図17は、
図16のA矢視図を示す。第2の横部材32は、フレーム1の横部材3の一部を構成し、全体として長尺であり、フレーム1の高さに応じた長さを有する。実施形態に係る第2の横部材32は、第2の横部材の底部323と、第2の横部材の底部323の幅方向の両端部から立ち上がる第1の横部材の壁部321,322とを備える。
【0035】
第2の横部材32は、断面視U字型であり、第1の横部材31に接続された際に、一方の第1の横部材の壁部311と同形状になるように設計されている。第2の横部材の壁部321,322のうち、一方の第2の横部材の壁部321は、他方の第1の横部材の壁部312における内壁と接するように第1の横部材の溝314に収容され、更に、面材4の端部の他面と接してこれを支持する。一方の第2の横部材の壁部321には、第1支持材5(又は第2支持材6)の移動を規制する直線状の突起326が形成されている。上述したように、面材4にガラスボードを用いる場合には、パッキンPを取り付けることができ(
図39参照)その際に、直線状の突起326は、パッキンPを取り付けるためのガイドとして機能する。第2の横部材の壁部321,322のうち、他方の第2の横部材の壁部322は、他方の第1の横部材の壁部312における外壁と接する。また、他方の第2の横部材の壁部322は、先端に、他方の第1の横部材の壁部312の外壁の先端に引っかかる引掛け部225を有する。上記のような第2の横部材の壁部321,322は、対向しており、第2の横部材の底部323の両端に連なっている。他方の第2の横部材の壁部322の外壁には、第1の縦部材21をねじで固定するための固定孔H9が形成されている。
【0036】
図18は、実施形態に係るL字型の接続部材の斜視図を示す。L字型の接続部材7は、第1の縦部材21と第1の横部材31とを接続する。L字型の接続部材7は、L字型の板状部材によって構成され、第1の縦部材21と接続するための固定孔H2と、第2の横部材32と接続するための固定孔H2が、2つずつ形成されている。
【0037】
図19は、実施形態に係る第1支持材の斜視図を示す。第1支持材5は、第1の縦部材の溝214、又は第1の横部材31のうち、上部に配置された第1の横部材の溝314に収容され、面材4の横方向の端面、又は面材4の上方向の端面と接して、面材4を支持する。実施形態に係る第1支持材5は、全体として長方体形状であるが、一つの角部にこの角部から外側に突出した突条部51が形成されている。この突条部51は、第1支持材5を、第1の縦部材の溝214、又は第1の横部材の溝314に設置した際、第1の縦部材21の切欠部218の縁218a(
図7参照)、又は第1の横部材の切欠部318の縁318a(
図14参照)と係合して、第1支持材5の移動を規制する。なお、第1支持材5は、より簡易な構成として、長方体や直方体としてもよい。この場合、切欠部以外の溝に収容することができる。実施形態に係る第1支持材5は、ゴム系素材など、弾力性を有する素材で構成することが好ましい。
【0038】
図20は、実施形態に係る第2支持材の斜視図を示す。第2支持材6は、第1の横部材31のうち、下部に配置された第1の横部材の溝314に収容され(
図35参照)、面材4の下方向の端面と接して、面材4を支持する。実施形態に係る第1支持材5は、全体として長方体形状である。実施形態に係る第2支持材6は、ゴム系素材など、弾力性を有する素材で構成することが好ましい。
【0039】
図21は、実施形態に係る柱部材の正面図の一例を示す。
図22は、
図21の柱部材の下面図を示す。実施形態に係る柱部材110は、垂直方向に延び、空間構造体100の柱を構成する。また、柱部材110は、フレーム1の第1の縦部材21が接続される。実施形態に係る柱部材110は、断面視四角形の長尺の木材によって構成されている。実施形態に係る柱部材110には、集積材が用いられているが、例えば、無垢材を用いてもよい。柱部材110の上部には、上部の梁部材120と接続する際に用いるボルトが貫通する水平方向に延びる貫通孔TH5が形成されている。また、柱部材110の下部には、下部の梁部材130と接続する際に用いるボルトが貫通する貫通孔TH6が形成されている。柱部材110に形成される貫通孔TH5,6の数や位置は、接続する梁部材120に応じて適宜変更することができる。また、柱部材110の下面には、柱部材110の高さ調整をするアジャスタ82が接続される、ベース部材81を接続する際に用いるボルトが通る垂直方向に延びるボルト孔BHが形成されている。
【0040】
図23は、実施形態に係る、上部の梁部材の上面図の一例を示す。
図24は、実施形態に係る、上部の梁部材の側面図の一例を示す。実施形態に係る上部の梁部材120は、水平方向に延び、空間構造体100の上部の梁を構成する。また、上部の梁部材120は、フレーム1の第1の横部材31が接続される。この上部の梁部材120は、断面視四角形の長尺の木材によって構成されている。この上部の梁柱部材110には、集積材が用いられているが、例えば、無垢材を用いてもよい。上部の梁部材120の端部には、柱部材110と接続する際に用いるU字型の接続金具9を固定するためのU字型の切欠き部121が形成されている。また、上部の梁部材120の端部側面には、このU字型の接続金具9を固定する際に用いる、上部の梁部材120の幅方向(水平方向)に貫通する貫通孔TH7が形成されている。貫通孔TH7の数や位置は、U字型の接続金具9の種類や柱部材110に応じて、適宜変更することができる。なお、上部の梁部材120には、上部の梁部材の上面に、ケーブル等を収容する収容部121aを備えるものを採用してもよい。
図25は、変形例に係る、上部の梁部材の上面図を示す。
図25に示すように、変形例に係る、上部の梁部材120aでは、上面に、梁部材の軸方向に沿って延びる凹部からなる収容部121aが形成されている。
【0041】
図26は、実施形態に係る、下部の梁部材の斜視図の一例を示す。実施形態に係る下部の梁部材130は、水平方向に延び、空間構造体100の下部の梁を構成する。また、下部の梁部材130は、フレーム1の第1の横部材31が接続される。この下部の梁部材130は、断面視四角形の長尺の鋼管材によって構成されている。下部の梁部材130の端面には、柱部材110の下部に接続されたベース部材81と接続する際に用いるだるま形状の固定孔DHと、そのすぐ下に設けられた円形の固定孔H10が形成されている。
【0042】
図27は、実施形態に係るU字型の接続金具の上面図を示す。
図28は、実施形態に係るU字型の接続金具の側面図を示す。
図29は、実施形態に係るU字型の接続金具の側面図を示す。実施形態に係るU字型の接続金具9は、U字型に構成されており、接続金具の底面91と、接続金具の底面91から立ち上がり、対向する接続金具の壁面92,93とを備える。接続金具の底面91には、柱部材110と接続する際にボルトの軸が貫通する貫通孔TH1が形成されている。また、接続金具の壁面には、U字型の接続金具9を上部の梁部材120に形成されたU字型の切欠き部121に配置して、U字型の接続金具9と上部の梁部材120とをピンPNで固定する際に用いる貫通孔TH2、3が形成されている。この貫通孔TH2は、一部が開放された半円形状であり、貫通孔TH3は円形である。
【0043】
図30は、実施形態に係る高さ調整装置の分解斜視図を示す。実施形態に係る高さ調整装置8は、ベース部材81、アジャスタ82、固定ピン84、固定ボルト83、を備える。ベース部材81は、柱部材110の下面に接続され、柱部材110を支持する。ベース
部材81は、柱部材110の断面と同形状であり、その面積は、柱部材110と同じか、やや大きく形成されている。ベース部材81の中央には、垂直方向に延びるベース部材81の貫通孔TH4が形成されている。このベース部材81の貫通孔TH4は、2段構造であり、固定ボルト83が固定される上部の内径の方が、アジャスタ82の軸部821が固定される下部の内径よりも細く形成されている。ベース部材81貫通孔TH4の上部には先端を上方に向けて固定ボルト83が挿入される。固定ボルト83は、柱部材110の底面に形成されたボルト孔BHに挿入され、柱部材110の側面から挿入される固定ピン84の孔841と係合する。ベース部材81の貫通孔TH4の下部には、アジャスタ82の軸部と螺合する螺旋溝が形成されており、アジャスタ82とベース部材81とを相対的に回動させることで、柱部材110の高さ調整が可能となっている。アジャスタ82は、ベース部材81の貫通孔TH4の下部と螺合するアジャスタ82の軸部821と、アジャスタ82の軸部821の下部と接続され、アジャスタ82の軸部821を支持する円形の台座822を備える。
【0044】
<空間構造体の組立手順>
次に、実施形態に係る空間構造体の組み立て手順について説明する。まず、柱部材110と上部の梁部材120、柱部材110と下部の梁部材130が接続される。柱部材110には、高さ調整装置8が接続される。
【0045】
ここで、
図31は、実施形態に係る、柱部材110と下部の梁部材130の接続構造の一例を示す。柱部材110の下面に高さ調整装置8、具体的には、ベース部材81が接続され、ベース部材81にはアジャスタ82が接続されている。また、ベース部材81の側面には、下部の梁部材130が接続されている。
【0046】
図32は、実施形態に係る、柱部材110と上部の梁部材120の接続構造の一例を示す。柱部材110の上部に、U字型の接続金具9とボルト・ナットBN、及びピンPNを用いて、上部の梁部材120が接続されている。柱部材110と上部の梁部材120、柱部材110と下部の梁部材130が接続されると、次に、フレーム1が組み立てられる。
【0047】
フレーム1の組み立ては、まず、第1の横部材31と第1の縦部材21とが、L字型の接続部材7及びねじを用いて接続される。
図33は、実施形態に係るフレームについて、第1縦部材と第1横部材とをL字型の接続部材で接続する前の状態を示す。
【0048】
第1の縦部材21と第1の横部材31とが接続されると、第1の縦部材21と第1の横部材31からなる枠が柱部材110、上部の梁部材120、下部の梁部材130にねじを用いて接続される。
【0049】
次に、下部に配置された第1の横部材31の溝に第2支持材6が設置される。
図34は、下部に配置された第1の横部材の溝に第2支持材が設置される前の状態を示す。
図35は、下部に配置された第1の横部材の溝に、第2支持材が設置された後の状態を示す。まず、第2支持材6が設置され、第2支持材6の上に、面材4が載置される。そして、第1の縦部材の壁部の切欠部218等に第1支持材5が設置される。
【0050】
面材4が設置されると、第1支持材5が適宜固定される。
図36は、第1支持材が固定される前の状態を示す。
図36に示すように、第1支持材5が、第1の縦部材の壁部の切欠部218や第1の横部材の壁部の切欠部318に固定される。これにより、面材4の移動が規制される。なお、例えば、面材4にガラスボードを用いる場合には、面材4としてのガラスボードのうち、第1の縦部材21や第1の横部材31と接する箇所にゴム系素材からなるパッキンを更に配置するとよい。
【0051】
次に、第2の縦部材22、及び第2の横部材32が、第1の縦部材21、及び第2の縦部材22の夫々に接続される。
図37は、第2の縦部材が第1の縦部材に接続された状態を示す。第2の縦部材22及び第1の横部材31が全て接続されると、空間構造体100が完成する(
図1参照)。
【0052】
<効果>
実施形態に係るフレーム1は、縦部材2と横部材3の夫々を互いに接続自在な2つの部材(第1の縦部材21、第2の縦部材22、第1の横部材31、第2の横部材32)で構成し、2つの部材で挟み込んで面材4を固定できるよう構成されている。そのため、フレーム1を容易に組み立てることができ、また、容易に解体することができる。また、フレーム1は、組み立て、解体が容易であるため、異なる場所で繰り返し使用することにも適している。また、実施形態に係るフレーム1は、第1の縦部材21と第2の縦部材22、第1の横部材31と第2の横部材32の夫々2つの部材で直接挟み込んで面材4を固定するため、固定力にも優れている。
【0053】
また、実施形態に係るフレーム1は、第1支持材5、第2支持材6を備えることで、面材4の移動をより確実に規制することができ、所謂ガタツキを抑制できる。その結果、固定力をより向上することができる。ここで、
図38は、第1の横部材31と第2の横部材32で面材4を挟持する挟持状態を説明する図を示す。
図38では、ベース部材81を介してアジャスタ82が接続された柱部材110(図示せず)に下部の梁部材130が接続され、この下部の梁部材130に、第1の横部材31、及び第2の横部材32が接続されている。面材4は、第2支持材6の上に載置されるとともに、両側面が第1の横部材31、及び第2の横部材32で挟持されている。そして、一方の第1の横部材の壁部311の内壁に形成された直線状の突起315と、一方の第2の横部材の壁部321に形成された直線状の突起326によって、面材4の移動が規制されている。また、
図39は、パッキンPを用いた場合を説明する図を示す。
図39では、ベース部材81を介してアジャスタ82が接続された柱部材110(図示せず)に下部の梁部材130が接続され、この下部の梁部材130に、第1の横部材31、及び第2の横部材32が接続されている。ガラスボードからなる面材4は、第2支持材6の上に載置されるとともに、両側面がパッキンPを介して第1の横部材31、及び第2の横部材32で挟持されている。
【0054】
また、実施形態に係る空間構造体100は、オフィス等の室内空間に限らず、屋外に設置することで、設置個所に任意の空間を構築することができる。すなわち、空間を利用する際の利便性を向上することができる。また、空間構造体100は、フレーム1と柱部材110、フレーム1と上部の梁部材120、フレーム1と下部の梁部材130、柱部材110と上部の梁部材120、柱部材110と下部の梁部材130との接続が自在であり、容易に組み立て、解体することができる。また、空間構造体100は、フレーム1の固定力が優れているため、耐震性にも優れている。
【0055】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明に係る枠構造、及び空間構造体はこれらに限らず、可能な限りこれらの組合せを含むことができる。