特許第6725218号(P6725218)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6725218
(24)【登録日】2020年6月29日
(45)【発行日】2020年7月15日
(54)【発明の名称】段差スロープ
(51)【国際特許分類】
   E04F 11/00 20060101AFI20200706BHJP
   E04G 27/00 20060101ALI20200706BHJP
【FI】
   E04F11/00 100
   E04G27/00
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-151427(P2015-151427)
(22)【出願日】2015年7月31日
(65)【公開番号】特開2017-31625(P2017-31625A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2018年7月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】509170213
【氏名又は名称】トリノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】武陵 篤志
【審査官】 兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】 意匠登録第1481341(JP,S)
【文献】 特開2013−181281(JP,A)
【文献】 特開2009−293287(JP,A)
【文献】 特開2009−228288(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3098276(JP,U)
【文献】 意匠登録第1117170(JP,S)
【文献】 登録実用新案第3128102(JP,U)
【文献】 特開2001−152650(JP,A)
【文献】 意匠登録第1550039(JP,S)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 11/00
E04G 27/00
E01C 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面(2)に置かれた鉄製の敷板(3)の外縁(4)と前記地面との段差に設けられる段差スロープにおいて、
前記地面に置かれる底面(12)、及び、その底面に対して所定の傾斜角で形成される傾斜面(13)を有するスロープ本体(10)と、
前記スロープ本体の前記傾斜面の上部側から延びて前記敷板の上に被さるカバー部(20)と、
前記スロープ本体の敷板側の面(19)および前記カバー部の下面(23)の少なくともいずれか一方に設けられた磁石(31,32)と、を備え、
前記スロープ本体は、前記底面および前記傾斜面に、傾斜方向に対して直交する方向に延びる3本の下溝部(14,15,16)および1本の上溝部(17)をそれぞれ有し、
前記下溝部の断面および前記上溝部断面は、略半円状または円弧状であり、
前記敷板側に位置する1本の前記下溝部(14)の断面の半径をR1とし、前記敷板側とは反対側の先端側に位置する2本の前記下溝部(15,16)の断面の半径をR2とし、前記上溝部の断面の半径をR3とすると、「R1>R3>R2」の関係になっており、
前記下溝部および前記上溝部の変形により前記スロープ本体を湾曲させる段差スロープ。
【請求項2】
前記スロープ本体の敷板側の面に設けられる前記磁石(31)は、前記スロープ本体の敷板側の面に連続または断続して形成された凹部(191)の内側に固定されるものである請求項1に記載の段差スロープ。
【請求項3】
前記カバー部は、前記スロープ本体から遠ざかるに従い敷板側へ傾斜する第2傾斜面(21)を有するものである請求項1または2に記載の段差スロープ。
【請求項4】
前記スロープ本体の敷板側の面と前記底面とのなす角(θ1)は鈍角である請求項1から3のいずれか一項に記載の段差スロープ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の段差スロープにおいて、
前記敷板の一方の外縁に沿って延びるスロープ本体を備え、
前記スロープ本体が延びる方向の側方端面(101)と、前記スロープ本体の敷板側の面とのなす角(θ3)は130°以上、135°以下である段差スロープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地面に置かれた敷板と地面との段差を埋める段差スロープに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工事現場または仮設道路などにおいて、地面に置かれた鉄製の敷板と地面との段差を埋める段差スロープが知られている。
意匠登録第1481341号公報に記載された段差スロープは、敷板の外縁に沿って地面に設置されるスロープ本体、および、そのスロープ本体の底側から延びて敷板の下に設置される部分(以下、この部分を「下敷部」と称する)を有する。これにより、この段差スロープは、段差スロープを通過する車両または人により、敷板と段差スロープとを引き離す方向に力が作用した場合でも、敷板から段差スロープが離れることを防いでいる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】意匠登録第1481341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の意匠公報に記載された段差スロープは、下敷部を敷板の下に入れるために、地面から敷板を持ち上げた状態で地面に設置しなければならない。そのため、この段差スロープは、地面に設置する作業が困難である。
また、段差スロープを設置した後、その段差スロープの下敷部が敷板から抜け出した場合には、再び地面から敷板を持ち上げて、段差スロープの下敷部を敷板の下に入れなければならない。そのため、この段差スロープは、位置ずれを修正する作業が困難である。
さらに、この段差スロープが敷板から離れると、敷板の外縁とスロープ本体との間に隙間ができるので、そこを車両が通行する際に振動が大きくなる、または人が通行する際に足元が不安定になるおそれがある。
【0005】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、敷板に対し容易に設置可能であり、且つ、敷板との間に隙間ができることを抑制可能な段差スロープを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1発明の段差スロープは、スロープ本体、カバー部および磁石を備える。スロープ本体は、地面に置かれる底面、及び、その底面に対して所定の傾斜角で形成される傾斜面を有する。カバー部は、スロープ本体の傾斜面の上部側から延びて敷板の上に被さる。磁石は、スロープ本体の敷板側の面およびカバー部の下面の少なくともいずれか一方に設けられる。スロープ本体は、底面および傾斜面に、傾斜方向に対して直交する方向に延びる3本の下溝部および1本の上溝部をそれぞれ有する。下溝部の断面および上溝部断面は、略半円状または円弧状である。敷板側に位置する1本の下溝部の断面の半径をR1とし、敷板側とは反対側の先端側に位置する2本の下溝部の断面の半径をR2とし、上溝部の断面の半径をR3とすると、「R1>R3>R2」の関係になっている。そして、下溝部および上溝部の変形によりスロープ本体を湾曲させる。
【0007】
これにより、鉄製の敷板と磁石とが磁気吸引力により引き寄せ合うので、地面から敷板を持ち上げることなく、敷板の外縁に沿って段差スロープを設置することが可能である。
また、段差スロープを通過する車両または人により、敷板と段差スロープとを引き離す方向に力が作用した場合でも、磁石と敷板とが引き寄せ合うので、段差スロープが敷板から離れることが防がれる。
さらに、仮に敷板の外縁とスロープ本体とが離れた場合でも、カバー部が敷板の上に被さっているので、敷板と段差スロープとの間に隙間ができるのを防ぐことができる。
【0008】
第2発明の段差スロープは、スロープ本体が延びる方向の側方端面と、スロープ本体の敷板側の面とのなす角は130°以上、135°以下である。
これにより、矩形の敷板の外周に複数個の段差スロープを設置する場合、所定の段差スロープの側方端面と、それとは別に用意された段差スロープの側方端面とを組み合わせることで、敷板の外縁にスロープを形成することに加え、敷板のコーナー部分にもスロープを形成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態による段差スロープの使用状態を示す断面図である。
図2】第1実施形態による段差スロープの使用状態を示す平面図である。
図3】第1実施形態による段差スロープの断面図である。
図4図3のIV方向の平面図である。
図5】第1実施形態による段差スロープの斜視図である。
図6】第1実施形態による段差スロープの斜視図である。
図7】第1実施形態による段差スロープの使用状態を示す説明図である。
図8図2のVIII部分の拡大図である。
図9】本発明の第2実施形態による段差スロープの断面図である。
図10】本発明の第3実施形態による段差スロープの断面図である。
図11】本発明の第3実施形態による段差スロープの斜視図である。
図12】比較例の段差スロープの使用状態を示す断面図である。
図13】比較例の段差スロープの使用状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づき説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の段差スロープ1は、図1及び図2に示すように、工事現場または仮設道路などにおいて、地面2に置かれた鉄製の敷板3と地面2との段差を埋めることに用いられるものである。なお、本明細書において、地面2とは、荒地、砂利道、車道または舗道などを含む概念である。また、図2において、敷板3の外縁4を破線で示している。
【0011】
図3から図6に示すように、段差スロープ1は、スロープ本体10、カバー部20および磁石31,32などを備えている。段差スロープ1は、例えばポリ塩化ビニル(PVC)等の樹脂、またはエラストマーなどから形成されている。段差スロープ1は、敷板3の一方の外縁4に沿うように直線状に形成される。段差スロープ1の長さL(図4参照)は、敷板3の外縁4の長さに応じて適宜設定することが可能である。なお、以下の説明において、段差スロープ1における敷板3とは反対側を先端側11と称するものとする。
【0012】
スロープ本体10は、地面2に置かれる底面12、及び、その底面12に対して所定の傾斜角で形成される傾斜面13などを有する。
スロープ本体10の底面12は、その先端側11の部分121が下方に傾斜している。これにより、スロープ本体10を地面2に置いたとき、底面12の先端側11の部分121が地面2から捲れ上がることを抑制することができる。
スロープ本体10の底面12には、傾斜面13の傾斜方向に対して直交する方向に延びる3本の下溝部14,15,16が設けられている。一方、スロープ本体10の傾斜面13には、その傾斜面13の傾斜方向に対して直交する方向に延びる1本の上溝部17が設けられている。下溝部14,15,16および上溝部17は、特許請求の範囲に記載の「溝部」の一例に相当する。
【0013】
3本の下溝部14,15,16および1本の上溝部17は、スロープ本体10の板厚方向において重なることなく、互いにずれた位置に設けられている。
下溝部14,15,16および上溝部17は、いずれも断面が略半円状または円弧状である。ここで、3本の下溝部14,15,16のうち、敷板側に位置する1本の下溝部14の断面の半径をR1とし、それより先端側11に位置する2本の下溝部15,16の断面の半径をR2とする。また、上溝部17の断面の半径をR3とする。このとき、下溝部14の断面の半径R1と、下溝部15,16の断面の半径R2と、上溝部17の断面の半径R3との関係は、R1>R3>R2 である。
【0014】
これにより、下溝部14,15,16および上溝部17の変形によりスロープ本体10を湾曲させ、地面2または敷板3の傾斜に段差スロープ1の形状を合わせることが可能である。また、下溝部14,15,16および上溝部17によるスロープ本体10の肉厚の減少を抑制し、スロープ本体10に亀裂等が生じることを防ぐことが可能である。
また、下溝部14,15,16および上溝部17は、そこに雨水などを流すことにより、水圧などによって段差スロープ1の位置が敷板3からずれることを防ぐことが可能である。さらに、上溝部17の大きさを適切なものとして、歩行者が上溝部17につまずくことを防ぐことが可能である。
【0015】
さらに、スロープ本体10は、傾斜面13に、傾斜面13の傾斜方向に対して直交する方向に延びる4本の凸部18を有する。これら4本の凸部18は、段差スロープ1を通過する車両の車輪の空転を防ぎ、又は人が足を滑らすことを防ぐものである。
カバー部20は、スロープ本体10の傾斜面13の上部側から延びて敷板3の上に被さるものである。カバー部20は、スロープ本体10から遠ざかるに従い敷板側へ傾斜する第2傾斜面21を有する。これにより、カバー部20の第2傾斜面21のスロープ本体10とは反対側の外縁部22と敷板3との段差が小さいものとなる。
【0016】
磁石31,32は、例えば板状に形成されたゴム磁石であり、スロープ本体10の敷板側の面19に固定される第1磁石31と、カバー部20の下面23に固定される第2磁石32とを有する。第1磁石31および第2磁石32は、例えば接着剤などで固定される。なお、磁石31,32は、スロープ本体10の敷板側の面19またはカバー部20の下面23の一方のみに設けることも可能である。
【0017】
ここで、スロープ本体10は、敷板側の面19と底面12とのなす角θ1が鈍角に形成されている。具体的に、敷板側の面19と底面12とのなす角θ1は、例えば90°より大きく95°より小さい。また、スロープ本体10の敷板側の面19とカバー部20の下面23とのなす角θ2は、ほぼ直角である。
これにより、図1に示したように、仮に敷板3が置かれている地面2において、段差スロープ1が設置される側の地表面5より段差スロープ1とは反対側に位置する地表面6の方が高い場合でも、スロープ本体10の敷板側の面19と、それに対応する敷板3の外縁4の端面41とがほぼ平行に設置される。したがって、第1磁石31および第2磁石32と敷板3とを確実に当接させることが可能である。また、段差スロープ1の先端側11が地面2から浮くことを抑制することができる。
【0018】
図4に示すように、スロープ本体10が延びる方向の側方端面101と、スロープ本体10の敷板側の面19とのなす角θ3は、130°以上、135°以下である。好ましくは、敷板側の面19と底面12とのなす角θ3は、135°である。図7および図2に示すように、複数個の段差スロープ1は、矩形の敷板3の外縁4に設置される。その場合、図8に示すように、所定の段差スロープ1の側方端面101と、それとは別に用意された段差スロープ1の側方端面101とを組み合わせることで、敷板3の外縁4にスロープを形成することに加え、敷板3のコーナー部分にもスロープを形成することが可能である。
【0019】
ここで、比較例の段差スロープ60を図12および図13に示す。
比較例の段差スロープ60は、スロープ本体61、および、そのスロープ本体61の底側から延びて敷板3の下に配置される下敷部62を有する。そのため、比較例の段差スロープ60は、地面2から敷板3を持ち上げた状態で、下敷部62を地面2に設置しなければならない。そのため、この段差スロープ60は、地面に設置する作業が困難である。また、比較例の段差スロープ60は、下敷部62が敷板3から抜け出した場合には、再び地面2から敷板3を持ち上げて、下敷部62の位置を修正しなければならない。そのため、この段差スロープ60は、位置ずれを修正する作業が困難である。
また、比較例の段差スロープ60は、スロープ本体61が敷板3から離れると、敷板3の外縁4とスロープ本体61との間に隙間ができるので、そこを車両が通行する際に振動が大きくなる、または人が通行する際に足元が不安定になるおそれがある。
【0020】
さらに、図13に示すように、比較例では、敷板3の外縁4に設置する際、直線状の段差スロープ60と、敷板3のコーナー部分に対応するように平面視において90°に折れ曲がったコーナー用の段差スロープ70とを組み合わせている。そのため、比較例では、コーナー用の段差スロープ70の長さ分だけ、直線状の段差スロープ60の両端を切断してその長さNを短くしなければならない。そのため、比較例では、複数本の直線状の段差スロープ60の保守及び管理する場合、直線状の段差スロープ60の長さNにばらつきが生じるので、その保守及び管理が複雑になる。
【0021】
これに対し、本実施形態の段差スロープ1は、次の作用効果を奏する。
(1)本実施形態では、段差スロープ1が備える磁石31,32と鉄製の敷板3とが磁気吸引力により引き寄せ合うので、地面2から敷板3を持ち上げることなく、敷板3の外縁4に沿って段差スロープ1を設置することが可能である。
また、段差スロープ1を通過する車両または人により、敷板3と段差スロープ1とを引き離す方向に力が作用した場合でも、磁石31,32と敷板3とが引き寄せ合うので、段差スロープ1が敷板3から離れることが防がれる。
さらに、仮に敷板3の外縁4とスロープ本体10とが離れた場合でも、カバー部20が敷板3の上に被さっているので、敷板3と段差スロープ1との間に隙間ができるのを防ぐことができる。
【0022】
(2)本実施形態では、磁石31,32は、スロープ本体10の敷板側の面19およびカバー部20の下面23の両方に設けられる。
これにより、スロープ本体10およびカバー部20と敷板3とが強固に引き寄せ合うので、段差スロープ1が敷板3から離れることが防がれる。
また、カバー部20の下面23に固定された第2磁石32により、カバー部20が敷板3から捲れ上がることを防ぐことができる。
【0023】
(3)本実施形態では、カバー部20は、スロープ本体10から遠ざかるに従い敷板側へ傾斜する第2傾斜面21を有する。
これにより、敷板3から敷板3の外側へ向けてカバー部20の上を車両等が通過する際、車両の車輪の回転により段差スロープ1の敷板側の面19は敷板3の端面41に押し付けられる。したがって、段差スロープ1が敷板3から離れることが防がれる。
【0024】
(4)本実施形態では、スロープ本体10の敷板側の面19と底面12とのなす角θ1は鈍角である。
これにより、仮に敷板3が置かれている地面2において、段差スロープ1が設置される側の地表面5より段差スロープ1とは反対側に位置する地表面6の方が高い場合でも、スロープ本体10の敷板側の面19と、それに対応する敷板3の外縁4の端面41とをほぼ平行に近づけることが可能である。
【0025】
(5)本実施形態では、スロープ本体10は、底面12および傾斜面13に、下溝部14,15,16および上溝部17を有する。
これにより、これらの溝部14〜17に雨水などを流すことが可能である。したがって、水圧などにより段差スロープ1が位置ずれすることを防ぐことができる。
また、溝部14〜17の変形によりスロープ本体10を湾曲させ、段差スロープ1の形状を地面2または敷板3の形状に合わせることが可能である。
【0026】
(6)本実施形態では、スロープ本体10が延びる方向の側方端面101と、スロープ本体10の敷板側の面19とのなす角θ3は130°以上、135°以下である。
これにより、矩形の敷板3の外周に複数個の段差スロープ1を設置する場合、所定の段差スロープ1の側方端面101と、それとは別に用意した段差スロープ1の側方端面101とを組み合わせることで、敷板3のコーナー部分にもスロープを形成することが可能である。そのため、比較例で示したコーナー用の段差スロープ70を廃止することができる。
さらに、比較例で示したコーナー用の段差スロープ70を取り付けるために直線状の段差スロープ60の端部を切断する作業が不要となる。
【0027】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図9を参照して説明する。後述する複数の実施形態において、上述した第1実施形態と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態では、スロープ本体10には、敷板側の面19に第1凹部191が形成され、カバー部20の下面23に第2凹部24が形成されている。第1凹部191および第2凹部24は、スロープ本体10が延びる方向に連続又は断続して形成されている。
第2実施形態の磁石31,32は、例えばフェライト磁石またはネオジウム磁石などであり、第1凹部191に固定される第1磁石31と、第2凹部24に固定される第2磁石32とを有する。なお、磁石31,32は、スロープ本体10の敷板側の面19またはカバー部20の下面23の一方のみに設けてもよい。
第2実施形態は、第1実施形態と同様の作用効果を奏することが可能である。
【0028】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、図10および図11を参照して説明する。
第3実施形態では、スロープ本体10には、敷板側の面19に複数の第1凹部191が形成されている。複数の第1凹部191は、スロープ本体10が延びる方向に断続して形成されている。複数の第1凹部191は、スロープ本体10の底面12側に開口している。
【0029】
第3実施形態では、複数の第1凹部191の中に複数の第1磁石31が設けられる。複数の第1磁石31は、例えばフェライト磁石またはネオジウム磁石などであり、複数の第1凹部191の中に接着剤34により固定されている。
第3実施形態も、第1および第2実施形態と同様の作用効果を奏することが可能である。
【0030】
(他の実施形態)
(1)他の実施形態では、スロープ本体10に設けた下溝部14,15,16、上溝部17および凸部18の断面形状、位置および個数などは、任意に設定することが可能である。
【0031】
(2)また、他の実施形態では、段差スロープ1の長さ、スロープ本体10の傾斜角、カバー部20の傾斜角、側方端面101の角度などは、任意に設定することが可能である。
このように、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、上述した複数の実施形態を組み合わせることに加え、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 ・・・段差スロープ
2 ・・・地面
3 ・・・敷板
10・・・スロープ本体
12・・・底面
13・・・傾斜面
20・・・カバー部
31・・・第1磁石(磁石)
32・・・第2磁石(磁石)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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